錠前装置
【課題】 一つの錠前において、開錠時に鍵を抜くことができるか否かの仕様を、選択的に当該錠前に設定することができ、しかも、その設定を随意変更することができるようにした錠前装置を提供すること。
【解決手段】 収納区画に設けられた扉1に装着されて前記扉1を施,開錠できるようにした錠前装置Rにおいて、その錠前装置Rが、鍵穴を前記扉1の表側に露出させて当該扉1の裏面に取付部材3を介して取付けたシリンダー錠2と、該錠2における施開錠用の作動体に取付けられたラッチ4と、開錠時の前記ラッチ4の作動終端部に対し、そのラッチ4が作動終端まで動作するのを許容するか、又は、作動終端の手前でラッチ4の動作を阻止することができるラッチ動作の制御部材7とを備え、前記取付部材3に設けられた制御部材7を操作することにより、開錠時のラッチ動作を、前記シリンダー錠2から鍵を抜去できる状態と当該鍵の抜去不能状態を選択して設定することができるようにしたこと。
【解決手段】 収納区画に設けられた扉1に装着されて前記扉1を施,開錠できるようにした錠前装置Rにおいて、その錠前装置Rが、鍵穴を前記扉1の表側に露出させて当該扉1の裏面に取付部材3を介して取付けたシリンダー錠2と、該錠2における施開錠用の作動体に取付けられたラッチ4と、開錠時の前記ラッチ4の作動終端部に対し、そのラッチ4が作動終端まで動作するのを許容するか、又は、作動終端の手前でラッチ4の動作を阻止することができるラッチ動作の制御部材7とを備え、前記取付部材3に設けられた制御部材7を操作することにより、開錠時のラッチ動作を、前記シリンダー錠2から鍵を抜去できる状態と当該鍵の抜去不能状態を選択して設定することができるようにしたこと。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パソコンや携帯電話などの個人所有物を、個別の収納区画に収容し、扉を閉めて施錠するようにしたロッカーやキャビネットなどのような個別収納区画の各扉に設けられる錠前装置に関し、より具体的には、前記錠前装置に付けられた鍵が、開錠位置で錠前から抜去できたり、抜去できないことを選択的に設定できるようにした錠前装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の人が同じ収納区画を利用するようにしたスポーツ施設のロッカーや、オフィスや学校などのような様々な施設や事業所などに設置される個人所有物の収納キャビネットなどにおいては、各収納区画に個人所有物を収容して扉を閉じ施錠したときは、その錠前の鍵を抜き取って当該区画の利用者が抜き取った鍵を管理する使用形態が一般的である。
【0003】
しかし、前記収納区画が使用されないときには、扉の錠前は開錠されていて扉の開閉が自由であるが、このときの扉の錠前の鍵は必ず当該錠前の鍵穴に差込まれた状態で抜去できないことが必要である。その理由は、不特定複数の者が同じ収容区画を異なる時間帯において空いている時に使用する際、開錠状態で鍵が抜去できると、悪戯や間違いなどで抜去できる鍵を持ち帰ったりされて、その収納区画の利用ができなくなるからである。
【0004】
しかし乍ら、上記のようなロッカーやキャビネットなどにおいて、個人所有物の各収納区画が、特定の個人専用として使用される場合には、開錠時に鍵が抜去不能である必要はない。むしろ、他人が勝手に自分専用の収納区画を利用することを防ぐためにも、鍵は抜去しておいた方が望ましい。
【0005】
従来、上記のように開錠時に鍵が抜去不能であったり、抜去可能であることを一つの錠前装置において選択的に設定できるようにした錠前装置はなかったため、開錠時には鍵の抜去ができない錠前と、開錠時に鍵の抜去が可能な錠前の2種類の錠前を予め準備しておき、用途に応じていずれかの錠前を選択して取付けているのが現状である。
【0006】
しかし、仕様が2種類の錠前を予め準備することは、その分のコストがかかるという問題のほか、キャビネット等を設置した後から、扉に取付けられている錠前の仕様(開錠時に鍵が抜けるタイプの仕様と抜けないタイプの仕様)を変更する必要が生じた場合には、各錠前を取替えたり、キャビネット自体を異なる仕様の錠前が取付けられたものに取替えるなど、余計な手間と費用がかかるという問題がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで本発明が課題とするところは、一つの錠前において、開錠時に鍵を抜くことができるか否かの仕様を、選択的に当該錠前に設定することができ、しかも、その設定を随意変更することができるようにした錠前装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決することを目的としてなされた本発明錠前装置の構成は、収納区画に設けられた扉に装着されて前記扉を施,開錠できるようにした錠前装置において、その錠前装置が、鍵穴を前記扉の表側に露出させて当該扉の裏面に取付部材を介して取付けたシリンダー錠と、該錠における施開錠用の作動体に取付けられたラッチと、開錠時の前記ラッチの作動終端部に対し、そのラッチが作動終端まで動作するのを許容するか、又は、作動終端の手前でラッチの動作を阻止することができるラッチ動作の制御部材とを備え、前記取付部材に設けられた制御部材を操作することにより、開錠時のラッチ動作を、前記シリンダー錠から鍵を抜去できる状態と当該鍵の抜去不能状態を選択して設定することができるようにしたことを特徴とするものである。
【0009】
上記の本発明錠前装置において、ラッチは、シリンダー錠の作動筒(内筒)の回転に従動する回転動作又はスライド動作をするように設けられている。
【0010】
また、ラッチ動作の制御部材は、シリンダー錠の取付部材に設けその設置面に関して回転させるか又は進退させて開錠動作する前記ラッチに干渉する位置と干渉しない位置を選択して設定することにより、当該ラッチが作動終端まで作動するのを許容する作用と、作動終端の手前でラッチ動作を阻止する作用を、選択できるように設けてられている。
【0011】
上記の制御部材には、回転によってラッチの当接部位の向きを変更するタイプ、又は、回転によってラッチの当接部位を外径が異なる部位に進退させるタイプ、若しくは、回転によってラッチの当接部位を進退させ、ラッチとの当接位置と非当接位置を設定するタイプがあり、本発明ではこれらのいずれを用いてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、扉を施,開錠できるようにした錠前装置において、鍵穴を前記扉の表側に露出させて当該扉の裏面に取付部材を介して取付けたシリンダー錠と、該錠における施開錠用の作動体に取付けられたラッチと、開錠時の前記ラッチの作動終端部に対し、そのラッチが作動終端まで動作するのを許容するか、又は、作動終端の手前でラッチの動作を阻止することができるラッチ動作の制御部材とを備え、前記取付部材に設けられた制御部材を操作することにより、開錠時のラッチ動作を、前記制御部材の操作によって鍵が鍵穴から抜ける状態と抜去不能状態のいずれか一方を、選択して実現できるので、有用性,経済性が高いのみならず便利性も高い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
次に本発明錠前装置の実施の形態例について、図を参照して説明する。添付した図において、図1は本発明錠前装置の一例を備えた扉の要部の裏面図、図2は図1の第一例の装置に設けた制御部材によって鍵が抜ける状態におかれた要部の裏面図、図3は図1の第一例の装置において制御部材によって鍵が抜けない状態におかれた要部の裏面図、図4は本発明錠前装置の第二例の要部における鍵が抜ける状態の裏面図、図5は図4の左側面図、図6は第二例における鍵が抜ける状態の裏面図、図7は図6の左側面図、図8は本発明錠前装置の第三例の要部における鍵が抜ける状態の平面図、図9は図8の正面図、図10は図8の第三例における鍵が抜けない状態の平面図、図11は図10の正面図である。
【0014】
図1〜図3において、1は、キャビネット等の個別収納区画に設けられるスチール板などをプレス成形して形成した扉で、この扉1の裏面の一側部(蝶番が設けられない側)の高さ方向の中間部位には、シリンダー錠2と、該シリンダー錠2を扉1の裏面に取付け固定するために当該錠2と一体化された大略翼片状の取付部3a,3bを備える取付金具3と、前記シリンダー錠2の後端面側において回転する内筒にビス4aなどで固定したラッチ4を具備した錠前装置Rが設けられている。なお、ラッチ4は、施開錠操作によって扉受け側に設けたラッチ受け(図示せず)に対して出没し、扉1の開扉を許容又は拒否するカンヌキとして作用するものであるから、カンヌキと称することもある。
【0015】
上記の錠前装置Rは、扉1の裏面に形成した取付座5に、ラッチ4を備えたシリンダー錠2と一体の取付金具3において固定されると共に、当該錠前装置Rの全体がプラスチック製の後面カバー6により被覆されている。本発明におけるシリンダー錠2の取付部材は、上記の金属製の取付金具3のほか、プラスチック製などの取付部材もシリンダー錠2と一体化して使用することができる。
【0016】
図1において、Hはこの扉1に透設した引手を兼ねた窓、tは扉1の裏面の縁に設けた戸当り用パッド、rは、扉1が閉じられるとき、閉扉終端で節度を付けると共にその閉扉状態を保持するフリーラッチで、このラッチrはバネ力によって常時後から押されて突出状態にあり、バネ力の大きい力が作用すると後退するように設けられている。
【0017】
図1〜図3に例示した取付金具3は、取付翼片3a,3bと、該片3a,3bを上下に有する断面略コ状の金具本体3cから成り、前記翼片3a,3bに形成した取付穴31a,31bにおいて、取付座5に結合固定されている。そして、シリンダー錠2は、前記本体3cの内部側において取付金具3と一体化されていると共に、内筒(図に表われず、回転筒や作動筒ともいう)の後端が当該金具本体3cの外面に露出させられ、その露出部分に舌片状のラッチ4の後端部が取付ビス4aによって固定されている。なお、内筒の前端側は、扉1の表側にこの内筒の前端面が露出して設けられ、鍵穴が形成されている。
【0018】
上記構成により、シリンダー錠2の前面側の鍵穴(扉1の表面側に露出)に鍵(図示せず)を挿入して回転すると、図示したシリンダー鍵2では、内筒が180度回転して、ラッチ4を、通常はほぼ180度旋回させる。図1〜図3の例においては、ラッチ4が取付ビス4aに関し右側に位置した姿勢が施錠状態、左側に位置した状態が開錠状態である。
【0019】
上記のシリンダー錠2は、いわゆる180度回転操作タイプであり、ラッチ4が取付ビス4aに関しほぼ水平姿勢で右側か左側にあれば、図示しないが鍵が鍵穴から抜去でき、これらの中間では抜去できないように造られている。
しかし、実際には、加工誤差や組立誤差などにより、水平姿勢に近ければ水平でなくとも鍵の抜去ができ(図2参照)、それよりも角度が大きくなると鍵の抜去はできない(図3参照)。
そこで本発明では、シリンダー錠2の開錠状態、つまり、扉1の開閉が自由であるとき、鍵が抜ける場合と抜けない場合とを選択的に設定できる機構をこのシリンダー錠2と一体の取付金具3に設けたのである。なお、本発明は、鍵の操作角は、上記例の180度に限られず、例えば90度や270度の回転操作タイプにも適用することができる。
【0020】
本発明錠前装置の第一例においては、図1〜図3に示すように、シリンダー錠2が開錠操作(施錠されている錠前の鍵穴に挿入した鍵が180度回転)されてラッチ4が旋回して来る終端部近くに、回転して来るラッチ4の外周部に当接して当該ラッチ4の旋回を阻止する制御部材の一例として、ツマミ状の回転駒部材7を設けた。
【0021】
回転駒部材7は、その回転軸7cに関して長径部7aと短径部7bを直交させて形成したツマミ状の部材であり、短径部7bが上下方向に位置付けられる(図2参照、長径部7aは水平)と開錠時に鍵を抜去できるが、長径部7aが上下方向に位置付けられる(図3参照、長径部7aが垂直向き)と開錠できても鍵は抜去できない。
【0022】
前記駒部材7は、その回転軸7cに当該駒部材7を取付金具3の表面側に向けて引張る引張力を作用させるバネ(図示せず)を設ける一方、この部材7の長径部7aの裏面に小さい半球状の突起(図示せず)を設け、該突起を受入れる2個を1組とする凹部3cと3dを前記金具3の表面に十字状をなすように配置し、この駒部材7を90度回転させたとき、その裏面の突起が前記2個1組の凹部3cか3dに嵌まるようにすれば、長径部7aの水平,垂直の回転位置を半固定に位置決めすることができるので、ラッチ4が回転して来て当該駒部材7に衝突しても位置ズレが生じることはない。これにより回転駒部材7の確実な位置決めとその作用を確保できる。
【0023】
図4〜図7は、本発明錠前装置の第二例を示すもので、ここでは制御部材として設けたネジ部材8が、第一例の回転駒部材7に代わるものである。図4〜図7において、図1〜図3と同一部材,同一部位には同一符号を用いる。
【0024】
図4〜図7の例において用いたネジ部材8は、肉厚大径の頭部8aと、該頭部8aより小径であって、取付金具3に設けた穴の雌螺子に螺合する雄ネジを備えた小径部8bより成る。そして、このネジ部材8のネジ込み深さ(浅さ)によって、開錠時に回転して来るラッチ4が、頭部8aに当接して回転が止られるか、或は、小径部8bによりラッチ4の回転が阻止されるかによって、ラッチ4の開錠時の回転角に差を付け、鍵を抜去できない開錠状態と抜去できる開錠状態を選択して設定することができるようにした。
【0025】
図8〜図11は、本発明錠前装置の第三例を示すもので、ここではシリンダー錠2の施,開錠動作によって動かされるラッチ部材が、上記例の回転するラッチ4ではなく、直線スライドの進退動作をするスライドラッチ41が使用されている。
このため図8〜図11の実施例では、開錠時に鍵が抜ける状態と抜けない状態を選択的に設定するため、スライドラッチ41の後端41aに干渉作用(後退スライドの阻止)をするか、又は、干渉作用をしない状態を作る制御部材として、全長は単一径のネジであるが、そのネジ込み深さによって前記の干渉又は非干渉状態を選択して調節することができるネジ部材9を用いている。
【0026】
すなわち、ネジ込み深さを浅くして、当該ネジ部材9が開錠動作で後退するスライドラッチ41の後端部41aに干渉しなければ、図8,図9に示すスライドラッチ41が後退終端までスライドできる状態となるから、鍵はシリンダー錠2の鍵穴から抜き取ることができる。
しかし、図10,図11に示すようにネジ部材9を深くネジ込むと、後退して来るスライドラッチ41の後端41aが、ネジ込まれたネジ部材9にその後退スライドを邪魔され、それ以上の後退動作がそこで阻止されるから、シリンダー錠2の鍵穴から鍵を抜き取ることはできない。
【0027】
なお、上記のスライドラッチ41を有するシリンダー錠2では、その回転する内筒の後端面に偏心ピンを設け、この偏心ピン(偏心カム)に対面するスライドラッチ41の表面に、前記ピンを遊嵌する縦溝(カム溝)を形成しておけば、内筒の回転でスライドラッチ41は図の左右方向にスライドできる。
【0028】
以上の実施例において、回転駒部材7、ネジ部材8,9は後面カバー6の内側にあるように設け、当該カバー6の前記各部材7〜9に対応する部位に操作用のドライバビットなどの操作具を挿入できる操作用の穴6aを設けておき、前記ビットなどの操作具によって回転操作するようにする。後面カバー6の外側に前記各部材7〜9の頭部が露出されると、勝手に鍵の抜去可能,不能の設定が変更されるおそれがあるからである。
【0029】
しかし、本発明では工具不用で上記設定を変更するようにすることもできる。この場合には、一例として前記各部材7〜9を後面カバー6の外から直接操作できるように、該カバー6の操作用の穴6aを指先が入るように大きく形成したり、或は、前記各部材7〜9に操作用の頭部(図示せず)を形成し、この操作用頭部が前記カバー6の外側に出て位置するように前記各部材7〜9の形態を形成すればよい。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明は以上の通りであって、扉を施,開錠できるようにした錠前装置において、その錠前装置が、鍵穴を前記扉の表側に露出させて当該扉の裏面に取付部材と一体のシリンダー錠と、該シリンダー錠における施開錠用の作動体に取付けられたラッチと、開錠時の前記ラッチの作動終端部に対し、そのラッチが作動終端まで動作するのを許容するか、又は、作動終端の手前でラッチの動作を阻止することができるラッチ動作の制御部材とを備え、前記取付部材に設けられた制御部材を操作することにより、一つの錠前装置において、開錠時に鍵を抜去できる仕様のものと、鍵を抜去できない仕様ものを、選択的に設定することができるので、使い勝手やコストの面においてきわめて有用な錠前装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明錠前装置の一例を備えた扉の要部の裏面図。
【図2】図1の第一例の装置に設けた制御部材によって鍵が抜ける状態におかれた要部の裏面図。
【図3】図1の第一例の装置において制御部材によって鍵が抜けない状態におかれた要部の裏面図。
【図4】本発明錠前装置の第二例の要部における鍵が抜ける状態の裏面図。
【図5】図4の左側面図。
【図6】図4の第二例における鍵が抜ける状態の裏面図。
【図7】図6の左側面図。
【図8】本発明錠前装置の第三例の要部における鍵が抜ける状態の平面図。
【図9】図8の正面図。
【図10】図8の第三例における鍵が抜けない状態の平面図。
【図11】図10の正面図。
【符号の説明】
【0032】
1 扉
2 シリンダー錠
3 取付金具
3a,3b 取付翼片
31a,31b 取付穴
4 ラッチ
41 スライドラッチ
4a 取付ビス
5 取付座
6 後面カバー
7 回転駒部材
8,9 ネジ部材
【技術分野】
【0001】
本発明は、パソコンや携帯電話などの個人所有物を、個別の収納区画に収容し、扉を閉めて施錠するようにしたロッカーやキャビネットなどのような個別収納区画の各扉に設けられる錠前装置に関し、より具体的には、前記錠前装置に付けられた鍵が、開錠位置で錠前から抜去できたり、抜去できないことを選択的に設定できるようにした錠前装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の人が同じ収納区画を利用するようにしたスポーツ施設のロッカーや、オフィスや学校などのような様々な施設や事業所などに設置される個人所有物の収納キャビネットなどにおいては、各収納区画に個人所有物を収容して扉を閉じ施錠したときは、その錠前の鍵を抜き取って当該区画の利用者が抜き取った鍵を管理する使用形態が一般的である。
【0003】
しかし、前記収納区画が使用されないときには、扉の錠前は開錠されていて扉の開閉が自由であるが、このときの扉の錠前の鍵は必ず当該錠前の鍵穴に差込まれた状態で抜去できないことが必要である。その理由は、不特定複数の者が同じ収容区画を異なる時間帯において空いている時に使用する際、開錠状態で鍵が抜去できると、悪戯や間違いなどで抜去できる鍵を持ち帰ったりされて、その収納区画の利用ができなくなるからである。
【0004】
しかし乍ら、上記のようなロッカーやキャビネットなどにおいて、個人所有物の各収納区画が、特定の個人専用として使用される場合には、開錠時に鍵が抜去不能である必要はない。むしろ、他人が勝手に自分専用の収納区画を利用することを防ぐためにも、鍵は抜去しておいた方が望ましい。
【0005】
従来、上記のように開錠時に鍵が抜去不能であったり、抜去可能であることを一つの錠前装置において選択的に設定できるようにした錠前装置はなかったため、開錠時には鍵の抜去ができない錠前と、開錠時に鍵の抜去が可能な錠前の2種類の錠前を予め準備しておき、用途に応じていずれかの錠前を選択して取付けているのが現状である。
【0006】
しかし、仕様が2種類の錠前を予め準備することは、その分のコストがかかるという問題のほか、キャビネット等を設置した後から、扉に取付けられている錠前の仕様(開錠時に鍵が抜けるタイプの仕様と抜けないタイプの仕様)を変更する必要が生じた場合には、各錠前を取替えたり、キャビネット自体を異なる仕様の錠前が取付けられたものに取替えるなど、余計な手間と費用がかかるという問題がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで本発明が課題とするところは、一つの錠前において、開錠時に鍵を抜くことができるか否かの仕様を、選択的に当該錠前に設定することができ、しかも、その設定を随意変更することができるようにした錠前装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決することを目的としてなされた本発明錠前装置の構成は、収納区画に設けられた扉に装着されて前記扉を施,開錠できるようにした錠前装置において、その錠前装置が、鍵穴を前記扉の表側に露出させて当該扉の裏面に取付部材を介して取付けたシリンダー錠と、該錠における施開錠用の作動体に取付けられたラッチと、開錠時の前記ラッチの作動終端部に対し、そのラッチが作動終端まで動作するのを許容するか、又は、作動終端の手前でラッチの動作を阻止することができるラッチ動作の制御部材とを備え、前記取付部材に設けられた制御部材を操作することにより、開錠時のラッチ動作を、前記シリンダー錠から鍵を抜去できる状態と当該鍵の抜去不能状態を選択して設定することができるようにしたことを特徴とするものである。
【0009】
上記の本発明錠前装置において、ラッチは、シリンダー錠の作動筒(内筒)の回転に従動する回転動作又はスライド動作をするように設けられている。
【0010】
また、ラッチ動作の制御部材は、シリンダー錠の取付部材に設けその設置面に関して回転させるか又は進退させて開錠動作する前記ラッチに干渉する位置と干渉しない位置を選択して設定することにより、当該ラッチが作動終端まで作動するのを許容する作用と、作動終端の手前でラッチ動作を阻止する作用を、選択できるように設けてられている。
【0011】
上記の制御部材には、回転によってラッチの当接部位の向きを変更するタイプ、又は、回転によってラッチの当接部位を外径が異なる部位に進退させるタイプ、若しくは、回転によってラッチの当接部位を進退させ、ラッチとの当接位置と非当接位置を設定するタイプがあり、本発明ではこれらのいずれを用いてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、扉を施,開錠できるようにした錠前装置において、鍵穴を前記扉の表側に露出させて当該扉の裏面に取付部材を介して取付けたシリンダー錠と、該錠における施開錠用の作動体に取付けられたラッチと、開錠時の前記ラッチの作動終端部に対し、そのラッチが作動終端まで動作するのを許容するか、又は、作動終端の手前でラッチの動作を阻止することができるラッチ動作の制御部材とを備え、前記取付部材に設けられた制御部材を操作することにより、開錠時のラッチ動作を、前記制御部材の操作によって鍵が鍵穴から抜ける状態と抜去不能状態のいずれか一方を、選択して実現できるので、有用性,経済性が高いのみならず便利性も高い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
次に本発明錠前装置の実施の形態例について、図を参照して説明する。添付した図において、図1は本発明錠前装置の一例を備えた扉の要部の裏面図、図2は図1の第一例の装置に設けた制御部材によって鍵が抜ける状態におかれた要部の裏面図、図3は図1の第一例の装置において制御部材によって鍵が抜けない状態におかれた要部の裏面図、図4は本発明錠前装置の第二例の要部における鍵が抜ける状態の裏面図、図5は図4の左側面図、図6は第二例における鍵が抜ける状態の裏面図、図7は図6の左側面図、図8は本発明錠前装置の第三例の要部における鍵が抜ける状態の平面図、図9は図8の正面図、図10は図8の第三例における鍵が抜けない状態の平面図、図11は図10の正面図である。
【0014】
図1〜図3において、1は、キャビネット等の個別収納区画に設けられるスチール板などをプレス成形して形成した扉で、この扉1の裏面の一側部(蝶番が設けられない側)の高さ方向の中間部位には、シリンダー錠2と、該シリンダー錠2を扉1の裏面に取付け固定するために当該錠2と一体化された大略翼片状の取付部3a,3bを備える取付金具3と、前記シリンダー錠2の後端面側において回転する内筒にビス4aなどで固定したラッチ4を具備した錠前装置Rが設けられている。なお、ラッチ4は、施開錠操作によって扉受け側に設けたラッチ受け(図示せず)に対して出没し、扉1の開扉を許容又は拒否するカンヌキとして作用するものであるから、カンヌキと称することもある。
【0015】
上記の錠前装置Rは、扉1の裏面に形成した取付座5に、ラッチ4を備えたシリンダー錠2と一体の取付金具3において固定されると共に、当該錠前装置Rの全体がプラスチック製の後面カバー6により被覆されている。本発明におけるシリンダー錠2の取付部材は、上記の金属製の取付金具3のほか、プラスチック製などの取付部材もシリンダー錠2と一体化して使用することができる。
【0016】
図1において、Hはこの扉1に透設した引手を兼ねた窓、tは扉1の裏面の縁に設けた戸当り用パッド、rは、扉1が閉じられるとき、閉扉終端で節度を付けると共にその閉扉状態を保持するフリーラッチで、このラッチrはバネ力によって常時後から押されて突出状態にあり、バネ力の大きい力が作用すると後退するように設けられている。
【0017】
図1〜図3に例示した取付金具3は、取付翼片3a,3bと、該片3a,3bを上下に有する断面略コ状の金具本体3cから成り、前記翼片3a,3bに形成した取付穴31a,31bにおいて、取付座5に結合固定されている。そして、シリンダー錠2は、前記本体3cの内部側において取付金具3と一体化されていると共に、内筒(図に表われず、回転筒や作動筒ともいう)の後端が当該金具本体3cの外面に露出させられ、その露出部分に舌片状のラッチ4の後端部が取付ビス4aによって固定されている。なお、内筒の前端側は、扉1の表側にこの内筒の前端面が露出して設けられ、鍵穴が形成されている。
【0018】
上記構成により、シリンダー錠2の前面側の鍵穴(扉1の表面側に露出)に鍵(図示せず)を挿入して回転すると、図示したシリンダー鍵2では、内筒が180度回転して、ラッチ4を、通常はほぼ180度旋回させる。図1〜図3の例においては、ラッチ4が取付ビス4aに関し右側に位置した姿勢が施錠状態、左側に位置した状態が開錠状態である。
【0019】
上記のシリンダー錠2は、いわゆる180度回転操作タイプであり、ラッチ4が取付ビス4aに関しほぼ水平姿勢で右側か左側にあれば、図示しないが鍵が鍵穴から抜去でき、これらの中間では抜去できないように造られている。
しかし、実際には、加工誤差や組立誤差などにより、水平姿勢に近ければ水平でなくとも鍵の抜去ができ(図2参照)、それよりも角度が大きくなると鍵の抜去はできない(図3参照)。
そこで本発明では、シリンダー錠2の開錠状態、つまり、扉1の開閉が自由であるとき、鍵が抜ける場合と抜けない場合とを選択的に設定できる機構をこのシリンダー錠2と一体の取付金具3に設けたのである。なお、本発明は、鍵の操作角は、上記例の180度に限られず、例えば90度や270度の回転操作タイプにも適用することができる。
【0020】
本発明錠前装置の第一例においては、図1〜図3に示すように、シリンダー錠2が開錠操作(施錠されている錠前の鍵穴に挿入した鍵が180度回転)されてラッチ4が旋回して来る終端部近くに、回転して来るラッチ4の外周部に当接して当該ラッチ4の旋回を阻止する制御部材の一例として、ツマミ状の回転駒部材7を設けた。
【0021】
回転駒部材7は、その回転軸7cに関して長径部7aと短径部7bを直交させて形成したツマミ状の部材であり、短径部7bが上下方向に位置付けられる(図2参照、長径部7aは水平)と開錠時に鍵を抜去できるが、長径部7aが上下方向に位置付けられる(図3参照、長径部7aが垂直向き)と開錠できても鍵は抜去できない。
【0022】
前記駒部材7は、その回転軸7cに当該駒部材7を取付金具3の表面側に向けて引張る引張力を作用させるバネ(図示せず)を設ける一方、この部材7の長径部7aの裏面に小さい半球状の突起(図示せず)を設け、該突起を受入れる2個を1組とする凹部3cと3dを前記金具3の表面に十字状をなすように配置し、この駒部材7を90度回転させたとき、その裏面の突起が前記2個1組の凹部3cか3dに嵌まるようにすれば、長径部7aの水平,垂直の回転位置を半固定に位置決めすることができるので、ラッチ4が回転して来て当該駒部材7に衝突しても位置ズレが生じることはない。これにより回転駒部材7の確実な位置決めとその作用を確保できる。
【0023】
図4〜図7は、本発明錠前装置の第二例を示すもので、ここでは制御部材として設けたネジ部材8が、第一例の回転駒部材7に代わるものである。図4〜図7において、図1〜図3と同一部材,同一部位には同一符号を用いる。
【0024】
図4〜図7の例において用いたネジ部材8は、肉厚大径の頭部8aと、該頭部8aより小径であって、取付金具3に設けた穴の雌螺子に螺合する雄ネジを備えた小径部8bより成る。そして、このネジ部材8のネジ込み深さ(浅さ)によって、開錠時に回転して来るラッチ4が、頭部8aに当接して回転が止られるか、或は、小径部8bによりラッチ4の回転が阻止されるかによって、ラッチ4の開錠時の回転角に差を付け、鍵を抜去できない開錠状態と抜去できる開錠状態を選択して設定することができるようにした。
【0025】
図8〜図11は、本発明錠前装置の第三例を示すもので、ここではシリンダー錠2の施,開錠動作によって動かされるラッチ部材が、上記例の回転するラッチ4ではなく、直線スライドの進退動作をするスライドラッチ41が使用されている。
このため図8〜図11の実施例では、開錠時に鍵が抜ける状態と抜けない状態を選択的に設定するため、スライドラッチ41の後端41aに干渉作用(後退スライドの阻止)をするか、又は、干渉作用をしない状態を作る制御部材として、全長は単一径のネジであるが、そのネジ込み深さによって前記の干渉又は非干渉状態を選択して調節することができるネジ部材9を用いている。
【0026】
すなわち、ネジ込み深さを浅くして、当該ネジ部材9が開錠動作で後退するスライドラッチ41の後端部41aに干渉しなければ、図8,図9に示すスライドラッチ41が後退終端までスライドできる状態となるから、鍵はシリンダー錠2の鍵穴から抜き取ることができる。
しかし、図10,図11に示すようにネジ部材9を深くネジ込むと、後退して来るスライドラッチ41の後端41aが、ネジ込まれたネジ部材9にその後退スライドを邪魔され、それ以上の後退動作がそこで阻止されるから、シリンダー錠2の鍵穴から鍵を抜き取ることはできない。
【0027】
なお、上記のスライドラッチ41を有するシリンダー錠2では、その回転する内筒の後端面に偏心ピンを設け、この偏心ピン(偏心カム)に対面するスライドラッチ41の表面に、前記ピンを遊嵌する縦溝(カム溝)を形成しておけば、内筒の回転でスライドラッチ41は図の左右方向にスライドできる。
【0028】
以上の実施例において、回転駒部材7、ネジ部材8,9は後面カバー6の内側にあるように設け、当該カバー6の前記各部材7〜9に対応する部位に操作用のドライバビットなどの操作具を挿入できる操作用の穴6aを設けておき、前記ビットなどの操作具によって回転操作するようにする。後面カバー6の外側に前記各部材7〜9の頭部が露出されると、勝手に鍵の抜去可能,不能の設定が変更されるおそれがあるからである。
【0029】
しかし、本発明では工具不用で上記設定を変更するようにすることもできる。この場合には、一例として前記各部材7〜9を後面カバー6の外から直接操作できるように、該カバー6の操作用の穴6aを指先が入るように大きく形成したり、或は、前記各部材7〜9に操作用の頭部(図示せず)を形成し、この操作用頭部が前記カバー6の外側に出て位置するように前記各部材7〜9の形態を形成すればよい。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明は以上の通りであって、扉を施,開錠できるようにした錠前装置において、その錠前装置が、鍵穴を前記扉の表側に露出させて当該扉の裏面に取付部材と一体のシリンダー錠と、該シリンダー錠における施開錠用の作動体に取付けられたラッチと、開錠時の前記ラッチの作動終端部に対し、そのラッチが作動終端まで動作するのを許容するか、又は、作動終端の手前でラッチの動作を阻止することができるラッチ動作の制御部材とを備え、前記取付部材に設けられた制御部材を操作することにより、一つの錠前装置において、開錠時に鍵を抜去できる仕様のものと、鍵を抜去できない仕様ものを、選択的に設定することができるので、使い勝手やコストの面においてきわめて有用な錠前装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明錠前装置の一例を備えた扉の要部の裏面図。
【図2】図1の第一例の装置に設けた制御部材によって鍵が抜ける状態におかれた要部の裏面図。
【図3】図1の第一例の装置において制御部材によって鍵が抜けない状態におかれた要部の裏面図。
【図4】本発明錠前装置の第二例の要部における鍵が抜ける状態の裏面図。
【図5】図4の左側面図。
【図6】図4の第二例における鍵が抜ける状態の裏面図。
【図7】図6の左側面図。
【図8】本発明錠前装置の第三例の要部における鍵が抜ける状態の平面図。
【図9】図8の正面図。
【図10】図8の第三例における鍵が抜けない状態の平面図。
【図11】図10の正面図。
【符号の説明】
【0032】
1 扉
2 シリンダー錠
3 取付金具
3a,3b 取付翼片
31a,31b 取付穴
4 ラッチ
41 スライドラッチ
4a 取付ビス
5 取付座
6 後面カバー
7 回転駒部材
8,9 ネジ部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
収納区画に設けられた扉に装着されて前記扉を施,開錠できるようにした錠前装置において、その錠前装置が、鍵穴を前記扉の表側に露出させて当該扉の裏面に取付部材を介して取付けたシリンダー錠と、該錠における施開錠用の作動体に取付けられたラッチと、開錠時の前記ラッチの作動終端部に対し、そのラッチが作動終端まで動作するのを許容するか、又は、作動終端の手前でラッチの動作を阻止することができるラッチ動作の制御部材とを備え、前記取付部材に設けられた制御部材を操作することにより、開錠時のラッチ動作を、前記シリンダー錠から鍵を抜去できる状態と当該鍵の抜去不能状態を選択して設定することができるようにしたことを特徴とする錠前装置。
【請求項2】
ラッチは、シリンダー錠の作動筒(内筒)の回転に従動する回転動作又はスライド動作をするように設けた請求項1の錠前装置。
【請求項3】
ラッチ動作の制御部材は、シリンダー錠の取付部材に設けその設置面に関して回転させるか又は進退させて開錠動作する前記ラッチに干渉する位置と干渉しない位置を選択して設定することにより、当該ラッチが作動終端まで作動するのを許容する作用と、作動終端の手前でラッチ動作を阻止する作用を、選択できるように設けた請求項1又は2の錠前装置。
【請求項4】
制御部材は、回転によってラッチの当接部位の向きを変更するタイプ、又は、回転によってラッチの当接部位を外径が異なる部位に進退させるタイプ、若しくは、回転によってラッチの当接部位を進退させラッチとの当接位置と非当接位置を設定するタイプのいずれかを用いた請求項1〜3のいずれかの錠前装置。
【請求項5】
錠前装置におけるシリンダー錠とラッチと制御部材とを、前記シリンダー錠を扉裏面に取付けた取付部材を含んで後面カバーにより覆うと共に、該カバーの前記制御部材に対応する部位に、当該制御部材の操作用の穴を設けた請求項1〜4のいずれかの錠前装置。
【請求項6】
錠前装置は、個人所有物を個々の収納区画に収容して使用するキャビネットやロッカーなどの複数の収納区画に設けられた各扉に装着した請求項1〜5のいずれかの錠前装置。
【請求項1】
収納区画に設けられた扉に装着されて前記扉を施,開錠できるようにした錠前装置において、その錠前装置が、鍵穴を前記扉の表側に露出させて当該扉の裏面に取付部材を介して取付けたシリンダー錠と、該錠における施開錠用の作動体に取付けられたラッチと、開錠時の前記ラッチの作動終端部に対し、そのラッチが作動終端まで動作するのを許容するか、又は、作動終端の手前でラッチの動作を阻止することができるラッチ動作の制御部材とを備え、前記取付部材に設けられた制御部材を操作することにより、開錠時のラッチ動作を、前記シリンダー錠から鍵を抜去できる状態と当該鍵の抜去不能状態を選択して設定することができるようにしたことを特徴とする錠前装置。
【請求項2】
ラッチは、シリンダー錠の作動筒(内筒)の回転に従動する回転動作又はスライド動作をするように設けた請求項1の錠前装置。
【請求項3】
ラッチ動作の制御部材は、シリンダー錠の取付部材に設けその設置面に関して回転させるか又は進退させて開錠動作する前記ラッチに干渉する位置と干渉しない位置を選択して設定することにより、当該ラッチが作動終端まで作動するのを許容する作用と、作動終端の手前でラッチ動作を阻止する作用を、選択できるように設けた請求項1又は2の錠前装置。
【請求項4】
制御部材は、回転によってラッチの当接部位の向きを変更するタイプ、又は、回転によってラッチの当接部位を外径が異なる部位に進退させるタイプ、若しくは、回転によってラッチの当接部位を進退させラッチとの当接位置と非当接位置を設定するタイプのいずれかを用いた請求項1〜3のいずれかの錠前装置。
【請求項5】
錠前装置におけるシリンダー錠とラッチと制御部材とを、前記シリンダー錠を扉裏面に取付けた取付部材を含んで後面カバーにより覆うと共に、該カバーの前記制御部材に対応する部位に、当該制御部材の操作用の穴を設けた請求項1〜4のいずれかの錠前装置。
【請求項6】
錠前装置は、個人所有物を個々の収納区画に収容して使用するキャビネットやロッカーなどの複数の収納区画に設けられた各扉に装着した請求項1〜5のいずれかの錠前装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−215825(P2009−215825A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−62636(P2008−62636)
【出願日】平成20年3月12日(2008.3.12)
【出願人】(000139780)株式会社イトーキ (833)
【出願人】(390005452)伊藤喜オールスチール株式会社 (35)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月12日(2008.3.12)
【出願人】(000139780)株式会社イトーキ (833)
【出願人】(390005452)伊藤喜オールスチール株式会社 (35)
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