説明

録画再生装置および番組情報提供システム

【課題】データベースサーバおよび録画再生装置の両方の通信負荷が大きくなるのを抑制しながら録画データと近似する番組情報データを特定することが可能な録画再生装置を提供する。
【解決手段】このHDDレコーダ1(録画再生装置)は、テレビ番組の録画データを記憶するHDD17と、複数のテレビ番組の特徴値データを含む番組情報データが保存されている外部のデータベースサーバ3と通信可能に構成されたWANポート14と、WANポート14により受信された番組情報データの特徴値データとHDD17に記憶されたテレビ番組の録画データとが近似するか否かを判断するCPU11とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、録画再生装置および番組情報提供システムに関し、特に、テレビ番組の録画データを記憶する記憶部を含む録画再生装置およびそれを備える番組情報提供システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、テレビ番組の録画データを記憶する記憶部を含む録画再生装置を備える番組情報提供システムが知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、クライアント(録画再生装置)から送信された番組の録画データの全てを記憶する記録媒体(記憶部)と、送信された録画データの番組情報を特定するための画像データなどを記憶する番組情報データベースと、番組情報データベースに記憶された画像データと録画データのうち少なくとも1つ以上のフレームとを照合させることにより録画データの番組情報を特定する画像照合手段(制御部)とを含むサーバ(データベースサーバ)を備える番組情報提供システムが開示されている。上記特許文献1による番組情報提供システムでは、サーバ側の画像照合手段が複数のフレームが集合されることにより構成された動画データからなる録画データのフレームの1枚毎をクライアントから受信してサーバの番組情報データベースに記憶されている画像データと照合させ、録画データに番組情報データベースの画像データと一致するフレームがあった場合に、画像データと対応する番組であると判断するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−238162号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に開示された番組情報提供システムでは、クライアント(録画再生装置)から送信された動画データからなる番組の録画データの全てをサーバ(データベースサーバ)が記憶する必要があるため、多くのクライアントから一度に大量の録画データがサーバに送信された場合に、サーバの通信負荷が大きくなるという問題点がある。また、サーバの画像照合手段により、録画データのフレームの1枚毎に順次クライアントからサーバに録画データを送信して番組情報データベースに記憶されている画像データと照合する必要があるため、サーバおよびクライアントの両方の通信負荷が大きくなるという問題点がある。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、データベースサーバおよび録画再生装置の両方の通信負荷が大きくなるのを抑制しながら録画データと近似する番組情報データを特定することが可能な録画再生装置およびそれを備える番組情報提供システムを提供することである。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0007】
この発明の第1の局面による録画再生装置は、テレビ番組の録画データを記憶する記憶部と、複数のテレビ番組の第1画像特徴値データを含む番組情報データが保存されている外部のデータベースサーバと通信可能に構成された通信部と、通信部により受信された番組情報データの第1画像特徴値データと記憶部に記憶されたテレビ番組の録画データとが近似するか否かを判断する制御部とを備える。
【0008】
この発明の第1の局面による録画再生装置では、上記のように、通信部により受信された番組情報データの第1画像特徴値データと記憶部に記憶されたテレビ番組の録画データとが近似するか否かを判断する制御部を設けることによって、録画再生装置側からデータベースサーバに動画データからなる録画データを送信する必要がないので、データベースサーバに多くのクライアントから録画データが送信されることがない。これにより、データベースサーバが大量の動画データからなる録画データを一度に受信することに起因して、データベースサーバの通信負荷が大きくなるのを抑制することができる。また、通信部により受信された番組情報データの第1画像特徴値データとテレビ番組の録画データとが近似するか否かを判断する制御部を録画再生装置に設けることによって、録画再生装置側で番組情報データの第1画像特徴値データとテレビ番組の録画データとが近似するか否かを判断することができるので、データベースサーバで番組情報データの第1画像特徴値データとテレビ番組の録画データとが近似するか否かを判断することがない。これにより、データベースサーバおよび録画再生装置間で頻繁に通信する必要がないので、データベースサーバおよび録画再生装置の両方の通信負荷が大きくなるのを抑制することができる。これらの結果、データベースサーバおよび録画再生装置の両方の通信負荷が大きくなるのを抑制しながら録画データと近似する番組情報データを特定することができる。
【0009】
上記第1の局面による録画再生装置において、好ましくは、制御部は、録画データに含まれる画像データと番組情報データの第1画像特徴値データとの互いの色分布を対比することにより、番組情報データの第1画像特徴値データと録画データの画像データとが近似するか否かを判断するように構成されている。このように構成すれば、色分布を対比することにより、容易に、番組情報データの第1画像特徴値データと録画データの画像データとが近似するか否かを判断することができる。
【0010】
上記第1の局面による録画再生装置において、好ましくは、制御部は、記憶部に記憶された録画データに含まれる所定の時間間隔ごとの画像データに基づいて第2画像特徴値データを抽出するとともに、少なくとも抽出された第2画像特徴値データと番組情報データの第1画像特徴値データとを繰り返し対比することにより、番組情報データの第1画像特徴値データと録画データの第2画像特徴値データとが近似するか否かを判断するように構成されている。このように構成すれば、録画データに含まれる画像データの全ての画面についての第2画像特徴値データと番組情報データの第1画像特徴値データとを繰り返し対比する場合と異なり、所定の時間間隔毎の画像データについての第2画像特徴値データと番組情報データの第1画像特徴値データとを対比するので、対比する回数を減らすことができる。これにより、制御部が受ける負担を抑制することができる。
【0011】
上記第2画像特徴値データを抽出する制御部を備える録画再生装置において、好ましくは、制御部は、録画データの画像データから複数の種類の色数ごとにそれぞれ第2画像特徴値データを抽出するように構成されており、複数の色数ごとの第2画像特徴値データと、複数の色数ごとの第2画像特徴値データのそれぞれに対応する番組情報データの第1画像特徴値データとが近似するか否かを判断するように構成されている。このように構成すれば、1つの画面について複数の色数ごとの第2画像特徴値データのそれぞれと番組情報データの第1画像特徴値データとが近似するか否かを判断することにより、1つの画面について1つの第2画像特徴値データと第1画像特徴値データとが近似するか否かを判断する場合と比べて、正確に番組情報データの第1画像特徴値データと録画データの画像データとが近似するか否かを判断することができる。
【0012】
上記複数の色数ごとの第2画像特徴値データを抽出する制御部を備える録画再生装置において、好ましくは、複数の色数ごとの第2画像特徴値データは、少なくとも所定の色数を有する第1色数データと第1色数データよりも小さい色数を有する第2色数データとを含み、第2色数データと第2色数データに対応する第1画像特徴値データとを対比する際の重み付けの度合いは、第2色数データよりも大きい色数を有する第1色数データと第1色数データに対応する第1画像特徴値データとを対比する際の重み付けの度合いよりも小さい。このように構成すれば、複数の色数を用いて判断する際に、大きい色数を有する第1色数データの方の重み付けが大きくされることにより、本来の画像に近い第1色数データの判断がより重視されるので、本来の録画状態と近い状態で番組情報データの第1画像特徴値データと録画データの画像データとが近似するか否かを判断することができる。
【0013】
上記複数の色数ごとの第2画像特徴値データを抽出する制御部を備える録画再生装置において、好ましくは、複数の色数ごとの第2画像特徴値データは、少なくとも所定の色数を有する第1色数データと第1色数データよりも小さい色数を有する第2色数データとを含み、制御部は、第1色数データの色分布と第1色数データに対応する色数を有する第1画像特徴値データの色分布とが一致する割合が第1閾値を超えた場合に、番組情報データの第1画像特徴値データと録画データの画像データとが近似している判断を行うとともに、第2色数データの色分布と第2色数データに対応する色数を有する第1画像特徴値データの色分布とが一致する割合が第1閾値よりも大きい第2閾値を超えた場合に、番組情報データの第1画像特徴値データと録画データの画像データとが近似している判断を行うように構成されており、第1色数データおよび第2色数データに関して近似しているか否かのそれぞれの判断を総合して番組情報データの第1画像特徴値データと録画データの画像データとが近似するか否かを判断するように構成されている。このように構成すれば、本来の画像から色数を減らすことにより単純化した第2色数データの色分布と第1画像特徴値データの色分布とが一致するか否かを判断する際の規準となる割合である第2閾値を、本来の画像に近い大きい色数を有する第1色数データの色分布と第1画像特徴値データの色分布とが一致するか否かを判断する際の規準となる割合である第1閾値よりも大きくすることによって、本来の画像から色数を減らすことにより単純化した第2色数データの色分布と第1画像特徴値データの色分布とを対比する際の一致の判断基準を、本来の画像に近い大きい色数を有する第1色数データの色分布と第1画像特徴値データの色分布とを対比する場合と比べて高くすることができる。これにより、一致すると判断されやすい第2色数データの判断基準を一致すると判断され難い第1色数データの判断基準よりも高く(厳しく)設定することができるので、適正に番組情報データの第1画像特徴値データと録画データの画像データとが近似するか否かを判断することができる。
【0014】
この発明の第2の局面による番組情報提供システムは、テレビ番組の録画データを記憶する記憶部と、外部と通信可能に構成された通信部と、通信部により受信された番組情報データの第1画像特徴値データと記憶部に記憶されたテレビ番組の録画データとが近似するか否かを判断する制御部とを含む録画再生装置と、録画再生装置に接続され、録画再生装置により判断された番組情報データの第1画像特徴値データとテレビ番組の録画データとが近似するか否かを判断した結果を表示可能な表示装置とを備える。
【0015】
この発明の第2の局面による番組情報提供システムでは、上記のように、録画再生装置に、通信部により受信された番組情報データの第1画像特徴値データと記憶部に記憶されたテレビ番組の録画データとが近似するか否かを判断する制御部を設けることによって、録画再生装置側からデータベースサーバに動画データからなる録画データを送信する必要がないので、データベースサーバに多くのクライアントから録画データが送信されることがない。これにより、データベースサーバが大量の動画データからなる録画データを一度に受信することに起因して、データベースサーバの通信負荷が大きくなるのを抑制することができる。また、通信部により受信された番組情報データの第1画像特徴値データとテレビ番組の録画データとが近似するか否かを判断する制御部を録画再生装置に設けることによって、録画再生装置側で番組情報データの第1画像特徴値データとテレビ番組の録画データとが近似するか否かを判断することができるので、データベースサーバで番組情報データの第1画像特徴値データとテレビ番組の録画データとが近似するか否かを判断することがない。これにより、データベースサーバおよび録画再生装置間で頻繁に通信する必要がないので、データベースサーバおよび録画再生装置の両方の通信負荷が大きくなるのを抑制することができる。これらの結果、データベースサーバおよび録画再生装置の両方の通信負荷が大きくなるのを抑制しながら録画データと近似する番組情報データを特定することができる。
【0016】
上記第2の局面による番組情報提供システムにおいて、好ましくは、複数のテレビ番組の番組情報データが保存されており、録画再生装置の通信部を介して通信可能なデータベースサーバをさらに備える。このように構成すれば、データベースサーバから番組情報データを録画再生装置に取得することにより、録画再生装置側で番組情報データの第1画像特徴値データとテレビ番組の録画データとが近似するか否かを判断可能な番組情報システムを得ることができる。
【0017】
上記データベースサーバを備える番組情報提供システムにおいて、好ましくは、録画再生装置は、表示装置に表示され、記憶部に記憶されたテレビ番組の録画データと対応する番組情報データをデータベースサーバから検索する際の検索条件を受付可能な検索条件受付手段をさらに含む。このように構成すれば、表示装置に表示される検索条件受付手段により、ユーザは容易に検索条件を入力することができる。
【0018】
この場合において、好ましくは、録画再生装置の制御部は、ユーザの操作に基づいて、検索条件受付手段により受け付けされた検索条件に基づくテレビ番組の録画データと対応する番組情報データの検索が行われた場合に、通信部に対して、検索内容をデータベースサーバに送信させるとともに、検索内容に対応する番組情報データを受信させるよう制御するように構成されている。このように構成すれば、ユーザにより入力された検索条件に基づいて検索された番組情報データの第1画像特徴値データと近似するテレビ番組の録画データを録画再生装置側で判別することができる。
【0019】
上記データベースサーバを備える番組情報提供システムにおいて、好ましくは、データベースサーバには、複数の種類の色数ごとの番組情報データの第1画像特徴値データが保存されており、録画再生装置の制御部は、複数の色数ごとの第1画像特徴値データと、複数の色数ごとの第1画像特徴値データのそれぞれに対応するテレビ番組の録画データに含まれる画像データの第2画像特徴値データとが近似するか否かを判断するように構成されている。このように構成すれば、1つの画面について複数の色数ごとの第2画像特徴値データのそれぞれと番組情報データの第1画像特徴値データとが近似するか否かを判断することにより、1つの画面について1つの第2画像特徴値データと第1画像特徴値データとが近似するか否かを判断する場合と比べて、正確に番組情報データの第1画像特徴値データと録画データの画像データとが近似するか否かを判断することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施形態による番組情報提供システムの構成を示したブロック図である。
【図2】図1に示した番組情報提供システムのテレビジョン装置に表示される検索画面を表した図である。
【図3】図1に示した番組情報提供システムのテレビジョン装置に表示される複数のサムネイル画像を表した図である。
【図4】図1に示した番組情報提供システムのテレビジョン装置に表示される複数のサムネイル画像のうちの1つを表した拡大図である。
【図5】図1に示した番組情報提供システムのテレビジョン装置に表示されるユーザ確認画面を表した図である。
【図6】図1に示した番組情報提供システムのHDDに記憶されている録画データの番組情報を取得する際のHDDレコーダのCPUが実行する処理を説明するためのフローチャートである。
【図7】図1に示した番組情報提供システムのHDDレコーダのCPUにおいて実行されるデータ抽出処理を説明するためのフローチャートである。
【図8】図1に示した番組情報提供システムのHDDレコーダのCPUにおいて実行される特徴値データ抽出処理を説明するためのフローチャートである。
【図9】図1に示した番組情報提供システムのHDDレコーダのCPUにおいて実行されるデータ比較処理を説明するためのフローチャートである。
【図10】図1に示した番組情報提供システムのデータベースサーバのCPUにおいて実行される番組情報データ送信処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0022】
まず、図1〜図5を参照して、本発明の一実施形態による番組情報提供システム100の構成について説明する。
【0023】
本発明の一実施形態による番組情報提供システム100は、図1に示すように、自宅に設置され、テレビ番組の録画および録画されたデータなどの再生が可能なHDDレコーダ(ハードディスクドライブレコーダ)1と、HDDレコーダ1に接続され、録画されたデータの再生動画およびHDDレコーダ1を操作する際の操作画面を表示可能なテレビジョン装置2と、自宅外に設けられ、複数のテレビ番組の番組情報データ30が記憶されているデータベースサーバ3とを備えている。なお、HDDレコーダ1は、本発明の「録画再生装置」の一例であり、テレビジョン装置2は、本発明の「表示装置」の一例である。番組情報提供システム100は、HDDレコーダ1により録画されたテレビ番組の録画データのタイトル名およびジャンルなどの番組情報が不明である場合に、HDDレコーダ1側におけるユーザの検索操作に基づいて、データベースサーバ3に保存されている番組情報データ30をHDDレコーダ1側に送信する機能を有する。また、本実施形態では、データベースサーバ3のクライアントとしてHDDレコーダ1だけが番組情報提供システム100に含まれているが、データベースサーバ3は、HDDレコーダ1以外の複数のHDDレコーダ(クライアント)と接続可能に構成されている。
【0024】
HDDレコーダ1は、HDDレコーダ1の制御を司るCPU11と、書き換え可能なフラッシュメモリなどからなるROM12と、RAM13と、外部ネットワークと接続可能なWAN(Wide Area Network)ポート14と、ローカルエリアネットワーク(LAN)と接続可能なLANポート15と、テレビジョン装置2と接続可能な映像インターフェース16と、ユーザにより録画された複数のテレビ番組の録画データが書き込まれ、記憶されているHDD(ハードディスクドライブ)17とを含んでいる。なお、CPU11は、本発明の「制御部」の一例であり、WANポート14は、本発明の「通信部」の一例である。また、HDD17は、本発明の「記憶部」の一例である。
【0025】
HDDレコーダ1のWANポート14は、インターネットなどの外部ネットワークを介して、複数のテレビ番組の番組情報データ30が保存されているデータベースサーバ3と通信可能に構成されている。また、LANポート15には、HDDレコーダ1とは別個のHDDレコーダ4が接続されている。また、映像インターフェース16には、テレビジョン装置2が接続されており、HDDレコーダ1の操作時における操作画面および後述する検索時における検索画面をテレビジョン装置2に表示することが可能である。なお、本実施形態では、HDDレコーダ1が電子番組表(EPG)機能を有しない場合について説明する。記憶されたテレビ番組の録画データ(たとえば、録画データ17a)は、複数の画像データ(たとえば、画像データ17b(図4参照))からなる映像データと録画された際の日時データ17c(図4参照)とにより構成されている。なお、本実施形態のHDDレコーダ1は、日時データ17cなどの番組データが不明なHDDレコーダ4の録画データについても、その録画データがHDDレコーダ1のHDD17に転送されることによって、後述するデータベースサーバ3から送信された特徴値データと、録画データとが近似するか否かを判断可能に構成されている。
【0026】
また、CPU11は、HDD17に記憶されている映像データの画像データ(たとえば、画像データ17b)を取り出すとともに、取り出した画像データから複数の種類の特徴値データを抽出する機能を有する。特徴値データは、画像データの各画素の色がRGBに分離され、R(Red)、G(Green)およびB(Blue)ごとの色階調の値が抽出されることにより取得される。そして、CPU11は、特徴値データとして、RGB各々の色階調の色数が256色である24bitの特徴値データからRGB各々の色階調の色数が2色である2bitの特徴値データまでの5種類の特徴値データ(24bit、16bit、8bit、4bitおよび2bit)を抽出するように構成されている。なお、24bitの特徴値データは、本発明の「第2画像特徴値データ」および「第1色数データ」の一例であり、16bit、8bit、4bitおよび2bitの特徴値データは、本発明の「第2画像特徴値データ」および「第2色数データ」の一例である。
【0027】
ここで、本実施形態では、CPU11は、抽出した特徴値データ(画像データ)の色分布と、データベースサーバ3から送信される番組情報データ30に含まれる特徴値データの色分布とを対比するように構成されている。そして、CPU11は、抽出した特徴値データ(画像データ)の色分布と、データベースサーバ3から送信された特徴値データの色分布とを対比することにより、データベースサーバ3から送信された特徴値データと抽出した特徴値データ(画像データ)とが近似するか否かを判断するように構成されている。すなわち、CPU11は、データベースサーバ3から送信された特徴値データとテレビ番組の録画データとが近似するか否かを判断するように構成されている。なお、番組情報データ30に含まれる特徴値データは、本発明の「第2画像特徴値データ」の一例である。
【0028】
また、本実施形態では、CPU11は、5種類の特徴値データ(24bit、16bit、8bit、4bitおよび2bit)のそれぞれについてデータベースサーバ3から送信された番組情報データ30の特徴値データと対比する制御を行うように構成されている。
【0029】
また、本実施形態では、データベースサーバ3から送信された番組情報データ30の特徴値データとテレビ番組の録画データとが近似するか否かを判断する際の重み付けの度合いは、データベースサーバ3から送信された番組情報データ30の特徴値データと抽出した24bitの特徴値データとがある程度近似していると判断した場合が最も大きくなるように構成されている。
【0030】
テレビジョン装置2は、上記HDDレコーダ1のCPU11により判断されたデータベースサーバ3から送信された番組情報データ30の特徴値データと、HDD17に記憶されているテレビ番組の録画データ(たとえば、録画データ17a)とが近似するか否かを判断した結果を表示可能に構成されている。また、テレビジョン装置2は、図2に示すように、検索画面2aを表示可能に構成されている。なお、検索画面2aは、本発明の「検索条件受付手段」の一例である。
【0031】
また、テレビジョン装置2は、図2に示すように、検索画面2aを表示可能に構成されている。また、HDDレコーダ1は、HDD17に記憶されているテレビ番組の録画データ(たとえば、録画データ17a)と対応する番組情報データ(たとえば、番組情報データ30)をデータベースサーバ3から検索可能に構成されている。そして、HDDレコーダ1には、検索条件を受付可能な検索条件受付プログラムが設けられている。具体的には、検索したいテレビ番組の録画データ(たとえば、録画データ17a)は、図3および図4に示すように、テレビジョン装置2に表示されている各録画データのサムネイル画像(図3参照)の「録画タイトル情報取得」アイコン17dにより選択可能に構成されている。また、HDDレコーダ1の検索画面2aは、チャンネルおよび検索したい番組の開始時間を図示しないリモコンなどにより入力可能に構成されている。そして、HDDレコーダ1のCPU11は、WANポート14に対して、検索内容をデータベースサーバ3に送信させるとともに、検索内容に対応する番組情報データ30(図1参照)を受信させるように制御するように構成されている。これにより、CPU11は、後述するように、受信した番組情報データ30の特徴値データと、検索されたHDD17に記憶されている録画データとが近似していると判断した場合に、図5に示すように、ユーザ確認画面2bをテレビジョン装置2に表示させるように構成されている。なお、「録画タイトル情報取得」アイコン17dの下方には、「PLAY」アイコン17eが設けられている。「PLAY」アイコン17eは、各サムネイル画像(図3参照)に対応する録画データを再生するためのアイコンである。
【0032】
データベースサーバ3は、図1に示すように、データベースサーバ3の制御を司るCPU31と、複数のテレビ番組の番組情報データ30を保存するHDD(ハードディスクドライブ)32と、上記HDDレコーダ1を含む複数のクライアントと通信可能なWAN(Wide Area Network)ポート33とを含んでいる。データベースサーバ3のHDD32には、予め複数の種類の色数ごとの番組情報データ30の特徴値データが保存されている。また、WANポート14を介して、HDDレコーダ1の検索内容に応じて検索内容に対応する番組情報データ30がHDDレコーダ1に送信されるように構成されている。
【0033】
次に、図1および図3〜図9を参照して、本実施形態によるHDD17に記憶されている録画データの番組情報を取得する際のHDDレコーダ1のCPU11が実行する処理フローについて説明する。
【0034】
まず、図6に示すように、ステップS1において、CPU11(図1参照)により、番組情報を取得したい録画データが選択されたか否かが判断される。具体的には、テレビジョン装置2に表示されている各録画データのうち、番組情報を取得したいサムネイル画像(図3参照)の「録画タイトル情報取得」アイコン(図4参照)が選択されたか否かが判断される。そして、いずれかの「録画タイトル情報取得」アイコンが選択されるまで、ステップS1の判断が繰り返される。そして、ステップS2において、ユーザにより番組情報を取得したい録画データの画像データが読み込まれ、ステップS3に進む。
【0035】
その後、ステップS3において、番組情報を取得したい録画データに基づいて特徴値データを抽出するデータ抽出処理が行われる。
【0036】
ここで、図1、図3、図4、図6および図7を参照して、ステップS3のデータ抽出処理の詳細を説明する。
【0037】
まず、図7に示すように、ステップS21において、CPU11(図1参照)により、上記ステップS2(図6参照)において読み込まれた録画データの録画日時データ(日時データ17c(図3および図4参照))が抽出される。そして、ステップS22において、録画データの映像データから画像データ(画像データ17b)が取り出される。なお、ステップS22では、取り出される画像データは、24bitフルカラーの画像が抽出される。
【0038】
その後、ステップS23において、画像データ(画像データ17b)から特徴値データが抽出される。そして、ステップS23の特徴値データ抽出処理が終了した後、ステップS24において、ステップS21の処理により抽出された日時データ(日時データ17c)およびステップS23の処理により抽出された特徴値データがROM12に保存され、上記図6のステップS4に戻る。
【0039】
ここで、上記ステップS23の特徴値データ抽出処理としては、まず、図8に示すように、ステップS31において、CPU11(図1参照)により、画素値格納変数「GASO24(1024×768)」、「GASO16(1024×768)」、「GASO08(1024×768)」、「GASO04(1024×768)」および「GASO02(1024×768)」が生成される。これら画素値格納変数は、それぞれ、後述するステップにおいて5種類の特徴値データが画像データから抽出された際における各画素に対応する数値を保存するスペースである。
【0040】
そして、ステップS32において、24bitの特徴値データが画素値格納変数「GASO24(1024×768)」に格納される。その後、ステップS33において、24bitの特徴値データが16bitの特徴値データにダウンコンバートされる。
【0041】
そして、ステップS34において、16bitの特徴値データが画素値格納変数「GASO16(1024×768)」に格納される。その後、ステップS35において、24bitの特徴値データが8bitの特徴値データにダウンコンバートされる。
【0042】
そして、ステップS36において、8bitの特徴値データが画素値格納変数「GASO08(1024×768)」に格納される。その後、ステップS37において、24bitの特徴値データが4bitの特徴値データにダウンコンバートされる。
【0043】
そして、ステップS38において、4bitの特徴値データが画素値格納変数「GASO04(1024×768)」に格納される。その後、ステップS39において、24bitの特徴値データが2bitの特徴値データにダウンコンバートされる。
【0044】
そして、ステップS40において、2bitの特徴値データが画素値格納変数「GASO02(1024×768)」に格納され、特徴値データ抽出処理が終了する。
【0045】
ステップS3のデータ抽出処理が終了した後、ステップS4において、検索内容をデータベースサーバ3に送信するための検索データ(送信データ)生成処理が行われる。具体的には、ステップS3において抽出された日時データ17c(図4参照)から送信データが生成され、検索画面2aが生成される。このように検索画面2aを生成することによって、ユーザによりチャンネル(図2参照)および開始時間(図2参照)を入力させることが可能となるとともに、実行アイコン(図2参照)を選択させることが可能となる。そして、ステップS5において、WANポート14を介して、データベースサーバ3に検索データ(送信データ)が送信される。
【0046】
その後、ステップS6において、データベースサーバ3から送信される番組情報データ(たとえば番組情報データ30)が受信されたか否かが判断される。
【0047】
ステップS6において、データベースサーバ3から送信される番組情報データ(たとえば番組情報データ30)が受信されていないと判断された場合には、ステップS7に進む。そして、ステップS7において、データベースサーバ3から送信される番組情報データが受信されない期間が所定時間を超えたか否かが判断される。そして、受信されない期間が所定時間を超えていないと判断された場合には、ステップS6に戻る。また、ステップS7において、受信されない期間が所定時間を超えたと判断された場合には、ステップS8に進む。そして、ステップS8において、検索データ(送信データ)を送信したデータベースサーバ3からの返信がなかった旨をテレビジョン装置2に表示して処理が終了される。
【0048】
また、ステップS6において、データベースサーバ3から送信される番組情報データ(たとえば番組情報データ30)が受信されたと判断された場合には、ステップS9に進む。そして、ステップS9において、受信した番組情報データ(番組情報データ30)の特徴値データと、検索されたHDD17に記憶されている録画データとが近似しているか否かを判断するためのデータ比較処理が行われる。
【0049】
ここで、図1、図6および図9を参照して、ステップS9のデータ比較処理の処理フローを詳細に説明する。本実施形態では、CPU11は、データ量の大きい24bitの特徴値データ同士を対比する際には、全画素の色分布について70%以上が一致した場合に、データベースサーバ3から送信された番組情報データ30の特徴値データと抽出した24bitの特徴値データとが近似していると判断する。また、CPU11は、データ量の小さい2bitの特徴値データ同士を対比する際には、全画素の色分布について95%以上が一致した場合に、データベースサーバ3から送信された番組情報データ30の特徴値データと抽出した2bitの特徴値データとが近似していると判断する。同様に、16bit、8bitおよび4bitの場合には、それぞれ、90%以上、80%以上および75%以上全画素の色分布が一致した場合に特徴値データが近似していると判断される。つまり、特徴値データのbit数が小さくなるほど互いの画素の色分布が一致すると判断される割合(閾値)を大きくしている。これは、bit数が小さいほど本来の画像データが単純化されて一致すると判断されやすいため、bit数が大きい特徴値データを用いた場合よりも相対的に判断基準を厳しくするようにしたものである。なお、24bitの特徴値データ同士を対比する際の全画素の色分布の一致割合70%は、本発明の「第1閾値」の一例であり、2bitの特徴値データ同士を対比する際の全画素の色分布の一致割合95%は、本発明の「第2閾値」の一例である。
【0050】
また、本実施形態では、CPU11は、データベースサーバ3から送信された番組情報データ30の特徴値データと抽出した特徴値データとが近似していると判断した場合に、ROM12の所定の判断基準式に各bit毎に所定のポイント数を加算するように構成されている。すなわち、2bit、4bit、8bit、16bitおよび24bitの場合に、それぞれ、所定の判断基準式に、0.2ポイント、0.3ポイント、0.3ポイント、0.4ポイントおよび0.6ポイントを加算することにより、bit数が多くなるにしたがって、ポイント数(重み付け)が大きくなるように構成されている。そして、CPU11は、上記所定の基準式の合計が1.0を超えた場合に、データベースサーバ3から送信された番組情報データ30の特徴値データとテレビ番組の録画データとが近似すると判断するように構成されている。なお、CPU11は、データベースサーバ3から送信された番組情報データ30の特徴値データと抽出した2bitの特徴値データとが近似していると判断しない場合に、ROM12の所定の判断基準式に0.5ポイント減算するように構成されている。また、ROM12の所定の判断基準式に加減算されるポイントは、本発明の「重み付け」の一例である。
【0051】
以下、データ比較処理フローの詳細を説明する。まず、図9に示すように、ステップS51において、CPU11(図1参照)により、ROM12の所定の判断基準式がリセットされ、ステップS52に進む。そして、ステップS52において、データベースサーバ3から送信された特徴値データ(2bit)と、上記ステップS3(図6参照)またはステップS12(図6参照)において抽出された特徴値データ(2bit)とが対比され、全画素の色が互いに95%以上合致していれば、所定の判断基準式に0.2ポイントが加算される。また、全画素の色が互いに95%未満の合致であれば、所定の判断基準式から0.5ポイントが減算される。
【0052】
そして、ステップS53において、データベースサーバ3から送信された特徴値データ(4bit)と、上記ステップS3(図6参照)またはステップS12(図6参照)において抽出された特徴値データ(4bit)とが対比され、全画素の色が互いに90%以上合致していれば、所定の判断基準式に0.3ポイントが加算される。
【0053】
その後、ステップS54において、データベースサーバ3から送信された特徴値データ(8bit)と、上記ステップS3(図6参照)またはステップS12(図6参照)において抽出された特徴値データ(8bit)とが対比され、全画素の色が互いに80%以上合致していれば、所定の判断基準式に0.3ポイントが加算される。
【0054】
そして、ステップS55において、データベースサーバ3から送信された特徴値データ(16bit)と、上記ステップS3(図6参照)またはステップS12(図6参照)において抽出された特徴値データ(16bit)とが対比され、全画素の色が互いに75%以上合致していれば、所定の判断基準式に0.4ポイントが加算される。
【0055】
その後、ステップS56において、データベースサーバ3から送信された特徴値データ(24bit)と、上記ステップS3(図6参照)またはステップS12(図6参照)において抽出された特徴値データ(24bit)とが対比され、全画素の色が互いに70%以上合致していれば、所定の判断基準式に0.6ポイントが加算される。
【0056】
そして、ステップS57において、上記ステップS52〜ステップS56において行われる加減算の結果、所定の判断基準式の値(RESULT)が1よりも大きいか否かが判断される。そして、ステップS57において、所定の判断基準式の値(RESULT)が1よりも大きいと判断された場合には、ステップS58に進み、ステップS58において、受信した番組情報データ(番組情報データ30)の特徴値データと、検索されたHDD17に記憶されている録画データとが近似していると判断され、上記図6のステップS9に戻る。また、ステップS57において、所定の判断基準式の値(RESULT)が1よりも大きいと判断されなかった場合には、ステップS59に進み、ステップS59において、受信した番組情報データ(番組情報データ30)の特徴値データと、検索されたHDD17に記憶されている録画データとが近似していないと判断され、上記図6のステップS10に戻る。
【0057】
その後、ステップS10において、受信した番組情報データ(番組情報データ30)の特徴値データと、検索されたHDD17に記憶されている録画データとが近似していたか否かが判断される。
【0058】
ステップS10において、受信した番組情報データ(番組情報データ30)の特徴値データと、検索されたHDD17に記憶されている録画データとが近似していないと判断された場合には、ステップS11に進む。その後、ステップS11において、データベースサーバ3から送信された番組情報データがデータ比較処理を行った番組情報データ以外にあるか否かが判断される。そして、ステップS11において、データベースサーバ3から送信された番組情報データがデータ比較処理を行った番組情報データ以外にあると判断された場合には、ステップS12に進む。
【0059】
そして、ステップS12において、上記ステップS3と同様に、番組情報を取得したい録画データに基づいて特徴値データを抽出するデータ抽出処理が再度行われ、ステップS9に戻る。なお、本実施形態では、ステップS12においては、前回に抽出した特徴値データの元となる画像データの1秒後の画像データに対応する特徴値データが抽出される。すなわち、録画データに含まれる画像データの全ての画面についての特徴値データと受信した番組情報データの特徴値データとを対比する場合、膨大なデータ量を処理する必要があるので、処理するデータ量を減少させるために、全画面ではなく、1秒間隔で、番組情報データの特徴値データと抽出された特徴値データとが繰り返し対比される。なお、この場合において、本実施形態では、録画データの最初の約10分間の約1秒ごとに抽出された特徴値データと、番組情報データの特徴値データとが対比される。また、ステップS11において、データベースサーバ3から送信された番組情報データがデータ比較処理を行った番組情報データ以外にないと判断された場合には、ステップS13に進む。そして、ステップS13において、検索されたHDD17に記憶されている録画データに対応する番組情報データが見つからなかった旨をテレビジョン装置2に表示させるように制御され、処理が終了される。
【0060】
また、ステップS10において、受信した番組情報データ(番組情報データ30)の特徴値データと、検索されたHDD17に記憶されている録画データとが近似していると判断された場合には、ステップS14に進む。そして、ステップS14において、ユーザ確認画面2b(図5参照)がテレビジョン装置2に表示され、ステップS15に進む。その後、ステップS15において、録画データと近似していると判断された番組情報データ(番組情報データ30)がユーザが検索したかったテレビ番組であり、ユーザ確認画面2bの「OK」アイコン(図5参照)が選択されたか否かが判断される。すなわち、番組情報データ(番組情報データ30)を保存するとユーザにより選択されたか否かが判断される。
【0061】
そして、ステップS15において、番組情報データ(番組情報データ30)を保存するとユーザにより選択されなかったと判断された場合(「キャンセル」アイコン(図5参照)が選択されたと判断された場合)には、処理が終了される。また、ステップS15において、番組情報データ(番組情報データ30)を保存するとユーザにより選択されたと判断された場合には、ステップS16に進む。そして、ステップS16において、データベースサーバ3により送信された番組情報データ(番組情報データ30)がHDD17に保存され、処理が終了される。
【0062】
次に、図1および図10を参照して、データベースサーバ3のCPU31において実行される番組情報データ送信処理の処理フローを詳細に説明する。
【0063】
まず、図10に示すように、ステップS61において、CPU31(図1参照)により、上記HDDレコーダ(HDDレコーダ1)から送信された送信データが受信されたか否かが判断される。そして、ステップS61において、送信データが受信されていないと判断された場合には、CPU31による処理が終了される。また、ステップS61において、送信データが受信されたと判断された場合には、ステップS62に進む。
【0064】
そして、ステップS62において、HDD32に記憶されている複数の番組情報データから適切な番組情報データ(番組情報データ30a)が選択される。なお、選択される番組情報データは、1つとは限らず、複数の番組情報データが選択される場合がある。その後、ステップS63において、選択された番組情報データがWANポート33を介して送信され、CPU31による処理が終了される。
【0065】
本実施形態では、上記のように、WANポート14により受信された番組情報データの画像の特徴値データとテレビ番組の録画データとが近似するか否かを判断するCPU11を設けることによって、HDDレコーダ1側からデータベースサーバ3に動画データからなる録画データを送信する必要がないので、データベースサーバ3に多くのクライアントから録画データが送信されることがない。これにより、データベースサーバ3が大量の動画データからなる録画データを一度に受信することに起因して、データベースサーバ3の通信負荷が大きくなるのを抑制することができる。また、WANポート14により受信された番組情報データの特徴値データとテレビ番組の録画データとが近似するか否かを判断するCPU11をHDDレコーダ1に設けることによって、HDDレコーダ1側で番組情報データの特徴値データとテレビ番組の録画データとが近似するか否かを判断することができるので、データベースサーバ3で番組情報データの特徴値データとテレビ番組の録画データとが近似するか否かを判断することがない。これにより、データベースサーバ3およびHDDレコーダ1間で頻繁に通信する必要がないので、データベースサーバ3およびHDDレコーダ1の両方の通信負荷が大きくなるのを抑制することができる。これらの結果、データベースサーバ3およびHDDレコーダ1の両方の通信負荷が大きくなるのを抑制しながら録画データと近似する番組情報データを特定することができる。
【0066】
また、本実施形態では、上記のように、CPU11を、録画データに含まれる所定の時間間隔(約1秒)ごとの画像データに基づいて画像の特徴値データを抽出するとともに、抽出された画像の特徴値データと番組情報データの特徴値データとを少なくとも繰り返し対比することにより、番組情報データの特徴値データと録画データの特徴値データとが近似するか否かを判断するように構成することによって、録画データに含まれる画像データの全ての画面についての特徴値データと番組情報データの特徴値データとを繰り返し対比する場合と異なり、所定の時間間隔(約1分)毎の画像データについての特徴値データと番組情報データの特徴値データとを対比するので、対比する回数を減らすことができる。これにより、CPU11が受ける負担を抑制することができる。
【0067】
また、本実施形態では、上記のように、特徴値データ(2bit)同士を対比する際の重み付けの度合いを、特徴値データ(2bit)よりも大きい色数を有する特徴値データ(24bit)同士を対比する際の重み付けの度合いよりも小さくすることによって、複数の色数を用いて判断する際に、大きい色数を有する特徴値データ(24bit)の方の重み付けが大きくされることにより、本来の画像に近い特徴値データ(24bit)の判断がより重視されるので、本来の録画状態と近い状態で番組情報データの特徴値データ(24bit)と録画データの画像データとが近似するか否かを判断することができる。
【0068】
また、本実施形態では、上記のように、HDDレコーダ1に、テレビジョン装置2に表示され、HDD17に記憶されたテレビ番組の録画データと対応する番組情報データをデータベースサーバ3から検索する際の検索条件を受付可能に構成することによって、テレビジョン装置2に表示される検索画面2aにより、ユーザは容易に検索条件を入力することができる。
【0069】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0070】
たとえば、上記実施形態では、本発明の録画再生装置の一例としてHDDレコーダに本発明を適用した例について示したが、本発明はこれに限らず、たとえば、録画データをHDD以外のフラッシュメモリに保存させるレコーダ装置など、外部とインターネット接続可能な録画再生装置であれば、HDDレコーダ以外のDVDレコーダやBlu−Rayレコーダなどの録画再生装置に本発明を適用してもよい。
【0071】
また、上記実施形態では、HDDレコーダのCPUを、データベースサーバから送信された1つの画像と対応する特徴値データと、録画データから抽出された特徴値データとを対比することによりデータベースサーバから送信された番組情報データと録画データとが近似しているか否かを判断するように構成した例について示したが、本発明はこれに限らず、データベースサーバから送信された複数の画像のそれぞれと対応する特徴値データと、録画データから抽出された特徴値データとを対比することによりデータベースサーバから送信された番組情報データと録画データとが近似しているか否かを判断するように構成してもよい。
【0072】
また、上記実施形態では、録画データから特徴値データを抽出する処理を、ユーザにより「録画タイトル情報取得」アイコンが選択された後に実行する例について示したが、本発明はこれに限らず、たとえば、録画データの録画時に予め特徴値データを抽出するなど、ユーザにより「録画タイトル情報取得」アイコンが選択される前に録画データから特徴値データを抽出してもよい。
【0073】
また、上記実施形態では、検索画面を、番組開始時の時間を入力可能に構成した例について示したが、本発明はこれに限らず、録画データの録画日時データに基づいて自動的に番組開始時の時間が入力されるように構成してもよい。
【0074】
また、上記実施形態では、検索画面を、番組開始時の時間入力欄を1つのみ設けることにより、1つの定まった番組開始時の時間を入力可能に構成した例について示したが、本発明はこれに限らず、番組開始時の時間が不明である場合にも、検索画面の番組開始時の時間を何時〜何時というように時間の入力欄を複数設けることにより、複数の時間入力欄に思い当たる番組開始時の時間を入力可能に構成してもよい。これにより、あいまいな条件に合致する複数の番組情報データをデータベースサーバから受信することができるので、それぞれの番組情報データと録画データとが近似しているか否かを判断することができる。
【0075】
また、上記実施形態では、HDDレコーダのCPUを、録画データの画像データから2bit、4bit、8bit、16bitおよび24bitの5種類の特徴値データを抽出するとともに、それぞれに対応する番組情報データの特徴値データと対比するように構成した例について示したが、本発明はこれに限らず、たとえば、2bitおよび24bitの2種類の特徴値データを抽出するとともに、それぞれに対応する番組情報データの特徴値データと対比するなど、全ての種類の特徴値データを対比するように構成しなくてもよい。
【0076】
また、上記実施形態では、HDDレコーダが電子番組表(EPG)機能を有しない例について説明したが、本発明はこれに限らず、HDDレコーダが電子番組表(EPG)機能を有していてもよい。HDDレコーダが電子番組表(EPG)機能を有する場合にも、EPG機能を用いずに録画した場合には本発明が有効である。
【符号の説明】
【0077】
1 HDDレコーダ(録画再生装置)
2 テレビジョン装置(表示装置)
2a 検索画面(検索条件受付手段)
3 データベースサーバ
11 CPU(制御部)
14 WANポート(通信部)
17 HDD(記憶部)
100 番組情報提供システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
テレビ番組の録画データを記憶する記憶部と、
複数のテレビ番組の第1画像特徴値データを含む番組情報データが保存されている外部のデータベースサーバと通信可能に構成された通信部と、
前記通信部により受信された前記番組情報データの第1画像特徴値データと前記記憶部に記憶された前記テレビ番組の録画データとが近似するか否かを判断する制御部とを備える、録画再生装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記録画データに含まれる画像データと前記番組情報データの第1画像特徴値データとの互いの色分布を対比することにより、前記番組情報データの第1画像特徴値データと前記録画データの画像データとが近似するか否かを判断するように構成されている、請求項1に記載の録画再生装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記記憶部に記憶された前記録画データに含まれる所定の時間間隔ごとの前記画像データに基づいて第2画像特徴値データを抽出するとともに、少なくとも抽出された前記第2画像特徴値データと前記番組情報データの第1画像特徴値データとを繰り返し対比することにより、前記番組情報データの第1画像特徴値データと前記録画データの第2画像特徴値データとが近似するか否かを判断するように構成されている、請求項1または2に記載の録画再生装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記録画データの画像データから複数の種類の色数ごとにそれぞれ前記第2画像特徴値データを抽出するように構成されており、前記複数の色数ごとの前記第2画像特徴値データと、前記複数の色数ごとの前記第2画像特徴値データのそれぞれに対応する前記番組情報データの第1画像特徴値データとが近似するか否かを判断するように構成されている、請求項3に記載の録画再生装置。
【請求項5】
前記複数の色数ごとの前記第2画像特徴値データは、所定の色数を有する第1色数データと前記第1色数データよりも小さい色数を有する第2色数データとを含み、
前記第2色数データと前記第2色数データに対応する前記第1画像特徴値データとを対比する際の重み付けの度合いは、前記第2色数データよりも大きい色数を有する前記第1色数データと前記第1色数データに対応する前記第1画像特徴値データとを対比する際の重み付けの度合いよりも小さい、請求項4に記載の録画再生装置。
【請求項6】
前記複数の色数ごとの前記第2画像特徴値データは、少なくとも所定の色数を有する第1色数データと前記第1色数データよりも小さい色数を有する第2色数データとを含み、
前記制御部は、前記第1色数データの色分布と前記第1色数データに対応する色数を有する前記第1画像特徴値データの色分布とが一致する割合が第1閾値を超えた場合に、前記番組情報データの第1画像特徴値データと前記録画データの画像データとが近似している判断を行うとともに、前記第2色数データの色分布と前記第2色数データに対応する色数を有する前記第1画像特徴値データの色分布とが一致する割合が前記第1閾値よりも大きい第2閾値を超えた場合に、前記番組情報データの第1画像特徴値データと前記録画データの画像データとが近似している判断を行うように構成されており、前記第1色数データおよび前記第2色数データに関して近似しているか否かのそれぞれの判断を総合して前記番組情報データの第1画像特徴値データと前記録画データの画像データとが近似するか否かを判断するように構成されている、請求項4または5に記載の録画再生装置。
【請求項7】
テレビ番組の録画データを記憶する記憶部と、外部と通信可能に構成された通信部と、前記通信部により受信された番組情報データの第1画像特徴値データと前記記憶部に記憶された前記テレビ番組の録画データとが近似するか否かを判断する制御部とを含む録画再生装置と、
前記録画再生装置に接続され、前記録画再生装置により判断された前記番組情報データの第1画像特徴値データと前記テレビ番組の録画データとが近似するか否かを判断した結果を表示可能な表示装置とを備える、番組情報提供システム。
【請求項8】
複数のテレビ番組の前記番組情報データが保存されており、前記録画再生装置の通信部を介して通信可能なデータベースサーバをさらに備える、請求項7に記載の番組情報提供システム。
【請求項9】
前記録画再生装置は、前記表示装置に表示され、前記記憶部に記憶された前記テレビ番組の録画データと対応する番組情報データを前記データベースサーバから検索する際の検索条件を受付可能な検索条件受付手段をさらに含む、請求項8に記載の番組情報提供システム。
【請求項10】
前記録画再生装置の制御部は、前記ユーザの操作に基づいて、前記検索条件受付手段により受け付けされた検索条件に基づく前記テレビ番組の録画データと対応する番組情報データの検索が行われた場合に、前記通信部に対して、検索内容を前記データベースサーバに送信させるとともに、前記検索内容に対応する番組情報データを受信させるよう制御するように構成されている、請求項9に記載の番組情報提供システム。
【請求項11】
前記データベースサーバには、複数の種類の色数ごとの前記番組情報データの第1画像特徴値データが保存されており、
前記録画再生装置の制御部は、前記複数の色数ごとの前記第1画像特徴値データと、前記複数の色数ごとの前記第1画像特徴値データのそれぞれに対応する前記テレビ番組の録画データに含まれる画像データの第2画像特徴値データとが近似するか否かを判断するように構成されている、請求項8〜10のいずれか1項に記載の番組情報提供システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−9819(P2011−9819A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−148345(P2009−148345)
【出願日】平成21年6月23日(2009.6.23)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】