説明

録画装置および録画装置の制御方法

【課題】放送番組のデータを複数の記録装置にループ録画する際に、いずれかの記録装置が取り外された場合でもユーザが視聴を希望するデータが再生不能になるのを防止する。
【解決手段】連続入力される放送番組のデータを、HDD装置41、42のループ録画領域に、セグメント単位で順に上書き記録を繰り返すループ録画を行うテレビ10であって、HDD装置41、42を接続可能なハブ40と、HDD装置41とHDD装置42とが接続されている状態において、HDD装置42の接続を解除するとき、HDD装置41のセグメントに記録されているデータの付加情報と、HDD装置42のセグメントに記録されているデータの付加情報と、を比較し、この比較結果に応じて、HDD装置41のセグメントに、HDD装置42のセグメントに記録されているデータを転送処理する制御をする制御部31と、を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、放送番組のデータを複数の記録装置にループ録画する録画装置および前記録画装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
テレビジョン放送のデジタル化にともない、ハードディスクドライブ装置(以下、「HDD装置」という)等のデジタル記録装置が放送番組の録画装置として普及している。
【0003】
そして、HDD装置の記録容量の増大に伴い、同時に放送されている複数のチャンネルの番組を複数のチューナによって受信し、そのデータを全て録画する機能を備えた録画装置が登場している。この場合には、HDD装置の記録容量を有効に利用するためにループ録画が行われる。ループ録画は、例えば12時間の録画が可能な所定の容量のループ録画領域に録画を行い、録画時間が制限時間を超えると、古いデータを記録した領域を消去しながら、その領域に新しいデータを上書きする。
【0004】
複数のHDD装置を接続可能な録画装置では、接続されている複数のHDD装置のうち、いずれかを、ユーザーが取り外してしまうことがある。すると、取り外されたHDD装置に記録されていたデータは再生不能となる。どのHDD装置に、どのチャンネル、またどの時間帯のデータが記録されているかをユーザーが把握することは容易ではない。このため、ユーザーが視聴を希望しているデータが再生不能となり、利便性が損なわれるおそれがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4635098号明細書
【特許文献2】特開2007−149298号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の実施形態は、利便性のよい録画装置および利便性のよい録画装置の制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様の録画装置は、連続入力される放送番組のデータを、記録装置に、セグメント単位で順に上書き記録を繰り返す録画装置であって、複数の前記記録装置を接続可能な接続端子と、第1の記録装置と第2の記録装置とが接続されている状態において、前記第2の記録装置の接続を解除するとき、前記第1の記録装置の複数のセグメントに記録されている各データの付加情報と、前記第2の記録装置の複数のセグメントに記録されている各データの付加情報とを比較し、この比較結果に応じて、前記第1の記録装置のセグメントに、前記第2の記録装置のセグメントに記録されているデータを記録する転送処理を制御する制御部と、を具備する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】第1実施形態のテレビの外観図である。
【図2】第1実施形態のテレビの構成図である。
【図3】第1実施形態のテレビのHDD装置の記録状態を説明するための説明図である。
【図4】第1実施形態のテレビのHDD装置の記録状態を説明するための説明図である。
【図5】第1実施形態のテレビのHDD装置の記録状態を説明するための説明図である。
【図6】第1実施形態のテレビの転送処理を説明するための説明図である。
【図7】第1実施形態のテレビのHDD装置の取り外しのときの処理の流れを説明するためのフローチャートである。
【図8】第1実施形態のテレビの映像表示部の表示画面を説明するための説明図である。
【図9】第2実施形態のテレビの転送処理を説明するための説明図である。
【図10】第2実施形態のテレビの転送処理を説明するための説明図である。
【図11】第3実施形態のテレビの映像表示部の表示画面を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<第1実施形態>
以下、図面を参照しつつ、第1実施形態の録画装置であるテレビジョン放送受信装置(以下「テレビ」という)10について説明する。
【0010】
図1に示すように、テレビ10は、主として薄型のキャビネット11と、これを支持する支持台12とから構成されている。キャビネット11は、チューナ23(図2参照)等の電子装置を格納する。また、キャビネット11の正面中央部には液晶表示パネル等からなる映像表示部13が配置され、両側面にはスピーカ14が配置されている。
【0011】
キャビネット11の正面下部には、リモートコントローラ(リモコン)15から無線送信された操作信号を受信するための受信部16が設けられている。
【0012】
テレビ10は受信した各種の放送波の信号を処理し、内蔵されたHDD装置41(図2参照)および接続端子17を介して接続されたHDD装置42にデータを録画する。
【0013】
なお、録画装置は、テレビに限定されるものではなく、放送受信機能および録画制御機能を備えていれば、携帯電話またはパーソナルコンピュータ等でもよく、さらに映像表示部等を有しないHDDレコーダー等の録画専用機であってもよい。また、放送受信機能は、空中を伝播してくる電波を受信するものに限らず、ケーブルまたはIP(インターネット・プロトコル)網等のネットワークを介して配信される放送を受信するものでもよい。また、チューナ23等をキャビネット11とは別の筐体に格納し、筐体と接続されたキャビネット11の映像表示部13およびスピーカ14に映像音声を出力してもよい。
【0014】
次に、図2に示すように、テレビ10は、アンテナ21と接続される入力端子22と、複数のチューナ23A〜23Cからなるチューナユニット24と、TS(Transport Stream)処理部25と、信号処理部26と、グラフィック処理部27と、OSD(On Screen Display)信号生成部28と、音声処理部29と、映像処理部30と、映像表示部13と、スピーカ14と、制御部31と、受信部16と、USB I/F(32)と、通信I/F(33)と、i.LINK I/F(35)と、HDMI I/F(36)と、ハブ40と、ハブ40を介してUSB I/F(32)と接続された第1の記録装置であるHDD装置41と、接続端子17、37、38、39と、を有する。
【0015】
また、制御部31は、ROM(Read Only Memory)31Aと、RAM(Random Access Memory)31Bと、不揮発性のメモリ31Cと、CPU(Central Processing Unit)31Dと、を有する。
【0016】
そして、複数のHDD装置が接続可能な接続端子であるハブ40を介した接続端子17には、ユーザーが取り外し自在な、いわゆる外付けの第2の記録装置であるHDD装置42が接続されている。なお、さらにハブを介することによりテレビ10には例えば、最大8台のHDD装置が接続可能である。
【0017】
なお、テレビ10では、HDD装置41はキャビネット11の内部に収納された内蔵型であるが、全てのHDD装置が外付け型であってもよい。
【0018】
なお、テレビ10は、磁気ディスクを搭載したHDD装置41と同様に、フラッシュメモリを搭載したソリッドステートドライブ装置(SSD装置)を接続し、HDD装置41と同様に録画を行うこともできる。また、上書き録画可能な光ディスク媒体を着脱可能な光ディスク記録装置を録画装置として用いることもできる。
【0019】
アンテナ21は、地上波デジタル放送、BSデジタル放送およびCSデジタル放送等を受信する。アンテナ21が受信した放送信号は、入力端子22を介して、複数のチューナ23A〜23Cを有するチューナユニット24に入力される。以下、それぞれのチューナをいうときはチューナ23という。チューナ23は、制御部31の制御により所定のチャンネルの放送信号を地上波デジタル放送、BSデジタル放送またはCSデジタル放送から選局し、選局したチャンネルの放送信号を復調処理し、所望の番組を含んだTS(Transport Stream)をTS処理部25に入力する。復調処理は、地上デジタル放送の場合にはOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)復調であり、BSデジタル放送およびCSデジタル放送の場合にはPSK(Phase Shift Keying)復調である。
【0020】
TS処理部25は、入力された複数のTSを1つのTSに再多重して、信号処理部26に出力する。
【0021】
また、TS処理部25は、録画を行う場合には、複数のTSを1つのTSに再多重して、信号処理部26に出力する。
【0022】
信号処理部26は、TS処理部25から出力された複数のチャンネルのTSが多重されたTSにデジタル信号処理を行う。デジタル信号処理が行われたデジタル放送信号は、データ信号、映像信号および音声信号に分離される。そして映像信号はグラフィック処理部27に、音声信号は音声処理部29に、データ信号はOSD信号生成部28または制御部31に、それぞれ出力される。また、TS処理部25によって再多重されたTSは、録画するために制御部31に出力される。
【0023】
ここで、データ信号には、放送番組に関する時刻(時間帯)情報およびEPG情報等の各種の情報が含まれている。時刻情報としては、日本の地上デジタル放送においては、社団法人電波産業会(ARIB)の標準規格であるARIB STD−B10で番組配列情報のテーブルとして、時刻日付テーブル(TDT:Time and Date Table)と、サマータイム実施時のオフセット時間情報を含む時刻日付オフセットテーブル(TOT:Time Offset Table)とが定められており、これらのテーブルにより日本標準時(JST=協定世界時(UTC)+9)と修正ユリウス日(MJD)による現在日付と現在時刻とが伝送される。また、EPG情報には、チャンネル情報と、チャンネル番号と、番組名と、スケジュール等と、が含まれる。
【0024】
なお、これらの情報は録画時には付加情報として録画データに付加される。また、付加情報は制御部31のメモリ31Cに録画データと対応付けて記録されてもよい。
【0025】
グラフィック処理部27は、信号処理部26から出力される映像信号のデコード処理を行う。デコードされた映像信号は、OSD信号生成部28から出力されたOSD信号と重ね合わせ合成され、映像処理部30に出力される。グラフィック処理部27は、デコードされた映像信号またOSD信号を、映像処理部30に選択的に出力することもできる。
【0026】
OSD信号生成部28は、制御部31の制御により、UI(ユーザ・インタフェース)画面などを表示するためのOSD信号を生成する。また上述の信号処理部26において、デジタル放送信号から分離されたデータ信号は、OSD信号生成部28により適切なフォーマットのOSD信号に変換され、グラフィック処理部27に出力される。
【0027】
音声処理部29は、信号処理部26から入力された音声信号を、スピーカ14で再生可能なフォーマットのアナログ音声信号に変換する。アナログに変換された音声信号は、スピーカ14に出力されて再生される。映像処理部30は、グラフィック処理部27から出力された信号を、映像表示部13で表示可能なフォーマットのアナログ映像信号に変換する。アナログに変換された映像信号は、映像表示部13に出力される。
【0028】
制御部31のROM(31A)は、CPU(31D)が実行するシステム制御プログラムおよび各種処理プログラムを格納するメモリであり、RAM(31B)は、CPU(31D)が各種プログラムを展開するための、いわゆるワーキングメモリである。
【0029】
制御部31は、リモコン15から送信され受信部32を介して受信される操作信号等に応じて、ROM(31A)に予め記録されたシステム制御プログラムおよび各種処理プログラムを起動する。制御部31は、起動したプログラムに従って、RAM(31B)をワークメモリとして装置各部および接続された記録装置(HDD装置)の動作を制御する。
【0030】
不揮発性のメモリ31Cは、各部の動作制御に必要な各種の設定情報、制御情報および後述する視聴傾向情報等を記録する。RAM31Bおよびメモリ31Cは、一時的な記録媒体である。
【0031】
テレビ10は、ユーザーのリモコン操作により、選局されたチャンネルの放送番組をリアルタイムで映像表示部13およびスピーカ14に出力する通常の放送受信機能だけでなく、いわゆるマルチチャンネル同時ループ録画機能を備えている。マルチチャンネル同時ループ録画機能とは、連続入力される複数のチャンネルの放送番組の録画データを、接続されたHDD装置に自動的に録画する機能である。このため、ユーザーは放送番組を放送時間に関係なく視聴したいときに視聴することができる。
【0032】
図3に示すように、HDD装置41は、6つのセグメント51〜56に分割されたループ録画領域50を有する。なお、ループ録画領域の分割数は、それぞれのセグメントが例えば1時間の画像データが記録可能なように、より細分化されていることが好ましいが、説明の都合上、セグメント51〜56には、12時間の画像データが記録可能とする。HDD装置41には、3チャンネルの放送番組を、それぞれ24時間録画可能である。
【0033】
ここで、ループ録画を行うチャンネルはユーザーが適宜、設定可能である。すなわち、チューナユニット24が受信する放送波または通信I/F(37)等を介して入力されるインターネット放送等から、所望のチャンネルが選択され、登録される。
【0034】
すでに説明したように、ループ録画では記録時間帯が古いセグメントのデータが消去処理され、そのセグメントに新しいデータが記録処理される。HDD装置41は、いわゆる上書き記録が可能であるため、古いデータの消去処理と新しいデータの記録処理とは同時に行われる。上書き記録ができないSSD装置等では、古いデータの消去処理の後に新しいデータの記録処理が行われる。
【0035】
図3に示すHDD装置41では、ループ録画領域50には、連続入力される放送番組のデータが、セグメント単位で順に上書き記録が繰り返し行われる。例えば、チャンネル1のデータは、最初の、12時間のデータAはセグメント51に記録されていく。セグメント51が全て記録されると、次の12時間のデータBはセグメント52に記録される。そして、セグメント52も全て記録されると、次の12時間のデータCは、セグメント51に記録されていたデータを消去しながら上書き記録される。
【0036】
このため、HDD装置41には、常に最新の過去24時間のチャンネル1〜3の録画データが全て記録されている。
【0037】
ここで、図4に示すように、テレビ10に外付けのHDD装置42が接続されると、より長時間のループ録画が可能となる。例えば、HDD装置42の容量がHDD装置41の容量と同じ場合には、3チャンネルの放送番組を、それぞれ48時間、録画可能となったり、6チャンネルの放送番組を、それぞれ24時間、録画可能となったりする。
【0038】
すなわち、HDD装置41のセグメント52が全て記録されると、HDD装置42のループ録画領域60のセグメント61に次の12時間のデータCが記録される。さらに、セグメント61が全て記録されると、次の12時間のデータDがセグメント62に記録される。そして、セグメント62も全て記録されると、次の12時間のデータEは、セグメント51に記録されていたデータを消去しながら上書き記録される。
【0039】
セグメント62にデータDが全て記録されたとき、データDは過去12時間の時間帯のデータである。また、データCは24時間前から12時間前の時間帯のデータであり、データBは36時間前から24時間前の時間帯のデータであり、データAは48時間前から36時間前の時間帯のデータである。
【0040】
すなわち、HDD装置41、42には、常に最新の過去48時間のチャンネル1〜3の録画データが全て記録されている。
【0041】
ここで、HDD装置41、42のループ録画領域50、60の複数のセグメントにデータを記録する順番は一定とは限らない。例えば、図4に示すように、チャンネル2では、最新の時間帯のデータDがHDD装置41のセグメント54に記録されているが、その前の時間帯のデータCはHDD装置42のセグメント64に記録されている。これは記録装置の耐久性改善のため、または、ユーザーによるループ録画対象となるチャンネル選択の変更処理等が行われるためである。
【0042】
このため、図5に示すように、2台のHDD装置41、42によりループ録画を行っている状態のテレビ10から、HDD装置42の接続が単純に解除されると、残ったHDD装置41に記録されているデータは、各チャンネルの新しい時間帯のデータC、Dではないことがある。
【0043】
この問題を解決するために、テレビ10では、ユーザーから、HDD装置42の接続を解除する指示が入力されると、制御部31が、HDD装置41、42の各セグメントに記録されているデータの付加情報の録画時間帯を比較し、その結果に応じて、第2の記憶装置であるHDD装置42に記録されていた新しい時間帯(第2時間帯)のデータを、第1の記憶装置であるHDD装置41の古い時間帯(第1時間帯)のデータのセグメントに上書きする転送処理を行う。なお、各データの録画時刻(録画時間帯)の情報は付加情報として例えばメモリ31Cに記録されている。
【0044】
例えば、図6に示すように、制御部31はセグメント53に記録されていたデータBを消去処理しながら、セグメント63に記録されていたデータDを記録処理(上書き処理)する。さらに制御部31はセグメント56に記録されていたデータAを消去処理しながら、セグメント66に記録されていたデータCを記録処理(上書き処理)する。
【0045】
上記転送処理の結果、図6の右側に示すように、残ったHDD装置41に記録されているデータは、各チャンネルの新しい時間帯のデータC、Dとなる。
【0046】
ここで、図7のフローチャートに従い、テレビ10の制御方法について詳細に説明する。
【0047】
<ステップS10>
すでに説明したように、テレビ10は、記録装置のループ録画領域に、入力される放送番組のデータをセグメント単位で順に上書き記録を繰り返すループ録画を行う録画装置である。
【0048】
第1の記録装置であるHDD装置41と第2の記録装置であるHDD装置42とが接続されている状態において、ユーザーから、HDD装置42の登録を解除する指示、すなわち、取り外し指示があるまで(Yes)は、通常のループ録画が行われる。
【0049】
<ステップS11>
取り外し指示があると(S10:Yes)、制御部31は、HDD装置41の複数のセグメント51〜56に録画されているデータの時間帯情報と、HDD装置42の複数のセグメント61〜66に録画されているデータの時間帯情報と、を比較する。
【0050】
<ステップS12>
HDD装置42に録画されているデータの時間帯情報が、HDD装置41に録画されているデータの時間帯情報よりも新しい場合(Yes)、制御部31は、転送処理、すなわち、HDD装置41のセグメントの消去処理およびHDD装置42のデータの記録処理が必要と制御部31は、判断する。これに対して、HDD装置41に録画されているデータの時間帯情報がHDD装置42に録画されているデータの時間帯情報よりも新しい場合(No)には、ステップS15からの処理が行われる。
【0051】
<ステップS13>
HDD装置41の録画時間帯の古い録画データを消去したセグメント53、56に、HDD装置42のセグメント63、66に録画されている新しい録画時間帯のデータの転送処理が開始される。
【0052】
<ステップS14>
データの転送処理に時間がかかる場合もある。転送処理が完了するまで(No)、制御部31は待機する。
【0053】
<ステップS15>
データの転送処理が完了すると(S14:Yes)、制御部31は、HDD装置42を物理的に取り外し可能であることを、ユーザーに告知する。すなわち、例えば、映像表示部13に「取り外しできます」と表示する。
【0054】
以上の説明のように、本実施形態の録画装置であるテレビ10では、外付け型のHDD装置42の接続が解除されても、残った内蔵型のHDD装置41に記録されているデータは、各チャンネルの新しい時間帯のデータC、Dである。
【0055】
このため、テレビ10は利便性がよい。また本実施形態の録画装置の制御方法は利便性がよい。
【0056】
<第2実施形態>
次に第2実施形態の録画装置であるテレビ10Aおよび、その制御方法について説明する。テレビ10Aはテレビ10と類似しているので、同じ構成要素には同じ符号を付し、説明は省略する。
【0057】
テレビ10の制御部31は、録画データの付加情報として録画時間帯を用いて、HDD装置41の録画時間帯が古い第1時間帯のセグメントのデータを消去処理し、HDD装置42の録画時間帯が新しい第2時間帯のセグメントのデータをHDD装置41に記録処理する転送処理を行った。
【0058】
これに対して、テレビ10Aの制御部31は、録画データの付加情報としてチャンネル情報を用いて、HDD装置41の所定の第1のチャンネルのセグメントのデータを消去処理し、HDD装置42の所定の第2のチャンネルのセグメントのデータをHDD装置41に記録処理する転送処理を行う。
【0059】
テレビ10Aでは、ユーザーから、HDD装置42の接続を解除する指示があると、制御部31は例えば、映像表示部13に図8に示す選択指示入力画面を表示する。
【0060】
ユーザーは、希望のチャンネル番号を、リモコン操作により選択する。図8に示す例では、強調表示されたch1が選択されたチャンネルである。なお、図8において、ch4およびch5はループ録画されていないことを示している。
【0061】
ユーザーによるチャンネル選択指示を受けて、制御部31は、HDD装置41のch2およびch3のセグメントのデータを消去処理し、HDD装置42のch1のセグメントのデータをHDD装置41に記録処理する転送処理を行う。
【0062】
なお、HDD装置41の記録容量に余裕がある場合には、選択されなかったch2およびch3のデータを残しておいてもよい。
【0063】
すなわち、図9に示すように、制御部31は、HDD装置41のセグメント54、56に、HDD装置42のセグメント61、62のデータを上書き処理する。
【0064】
このため、テレビ10Aでは、外付け型のHDD装置42の接続が解除されても、残った内蔵型のHDD装置41には、選択されたch1の48時間のデータが記録された状態である。
【0065】
本実施形態の録画装置であるテレビ10Aおよびその制御方法は、テレビ10等が有する効果を有し、さらにユーザーの希望するチャンネルのデータが長時間、視聴可能であるため、より利便性が高い。
【0066】
なお、上記説明では、ユーザーが選択指示入力画面においてch1のみを選択した場合について説明した。もしユーザーがch1およびch2を選択した場合には、HDD装置41に過去48時間の全てのデータ(A〜D)を転送することができない。
【0067】
このため、最初に、制御部31は、HDD装置41に記録可能なデータ量と、HDD装置42に記録されているデータ量とを比較する。そして、比較結果に応じて、HDD装置41に記録可能なデータ量以下となるように、選択されたch1およびch2のデータの中から、時間帯が新しいセグメントのデータを優先的に転送処理する。
【0068】
すなわち、図10に示すように、制御部31は、HDD装置41のセグメント55、56に、HDD装置42のセグメント62、63のデータを上書き処理する。
【0069】
このため、外付け型のHDD装置42の接続が解除されても、残った内蔵型のHDD装置41には、選択されたch1およびch2の36時間のデータが記録された状態である。
【0070】
<第3実施形態>
次に第3実施形態の録画装置であるテレビ10Bおよび、その制御方法について説明する。テレビ10Bはテレビ10と類似しているので、同じ構成要素には同じ符号を付し、説明は省略する。
【0071】
テレビ10Bでは、各セグメントは1時間の録画が可能なサイズであり、HDD装置41、42のループ録画領域50、60は、それぞれ72個のセグメントに分割されている。
【0072】
そして、ユーザーは選択指示入力画面において、録画時間帯を1時間単位で選択することができる。
【0073】
図11に示す選択指示入力画面では、18:00〜21:00が、ポインタ13Aを用いて特定の時間帯として選択されている状態を示している。
【0074】
そして、制御部31は、3つのチャンネルの時間帯が18:00〜21:00の4セグメントが、内蔵型のHDD装置41にある状態になるように転送処理を行う。
【0075】
本実施形態の録画装置であるテレビ10Bおよびその制御方法は、テレビ10等が有する効果を有し、さらにユーザーの希望する時間帯のデータが長時間、視聴可能であるため、より利便性が高い。
【0076】
なお、図11に示す選択指示入力画面には、「AUTO」ボタンも表示されている。これは、制御部31が自動的にユーザーの過去の視聴傾向に応じて、ユーザーに適したチャンネルおよび時間帯のデータを内蔵型のHDD装置41に転送するモードを選択するボタンである。
【0077】
すなわち、視聴されたチャンネルおよび時間帯を記録する使用状態記録部としてのメモリ31Cに記録しておき、制御部31が、使用状態記録部に記録される視聴傾向と、付加情報と、に応じて、転送するセグメントのデータを自動的に選択してもよい。
【0078】
なお、以上では2台のHDD装置41、42が接続されている状態から、HDD装置42の接続を解除する場合を例に説明した。しかし、3台以上のHDD装置が接続されている状態から1台または2台以上のHDD装置の接続を解除する場合であっても、上記説明と同様の制御を行うことにより、同様の効果が得られることは明らかである。
【0079】
なお、以上では、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。実施形態は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0080】
10、10A、10B…テレビ、11…キャビネット、12…支持台、13…映像表示部、13A…ポインタ、14…スピーカ、15…リモコン、16…受信部、17…接続端子、21…アンテナ、22…入力端子、23…チューナ、24…チューナユニット、25…TS処理部、26…信号処理部、27…グラフィック処理部、28…OSD信号生成部、29…音声処理部、30…映像処理部、31…制御部、32…受信部、40…ハブ、41…第1のHDD装置、42…第2のHDD装置、50、60…ループ録画領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続入力される放送番組のデータを、記録装置に、セグメント単位で順に上書き記録を繰り返す録画装置であって、
複数の前記記録装置を接続可能な接続端子と、
第1の記録装置と第2の記録装置とが接続されている状態において、前記第2の記録装置の接続を解除するとき、前記第1の記録装置の複数のセグメントに記録されている各データの付加情報と、前記第2の記録装置の複数のセグメントに記録されている各データの付加情報とを比較し、この比較結果に応じて、前記第1の記録装置のセグメントに、前記第2の記録装置のセグメントに記録されているデータを記録する転送処理を制御する制御部と、を具備することを特徴とする。
【請求項2】
前記付加情報が、録画時間帯であり、
前記制御部が、前記第1の記録装置の録画時間帯が所定の第1時間帯のデータが記録されていたセグメントに、前記第2の記録装置の録画時間帯が所定の第2時間帯のセグメントのデータを前記転送処理することを特徴とする請求項1に記載の録画装置。
【請求項3】
前記所定の第1時間帯が、前記所定の第2時間帯よりも前の時間帯であることを特徴とする請求項2に記載の録画装置。
【請求項4】
前記付加情報が、チャンネル情報であり、
前記制御部が、前記第1の記録装置の所定の第1のチャンネルのデータが記録されていたセグメントに、前記第2の記録装置の所定の第2のチャンネルのセグメントのデータを前記転送処理することを特徴とする請求項1に記載の録画装置。
【請求項5】
前記付加情報が、録画時間帯を含み、
前記制御部が、所定の第2のチャンネルかつ所定の第2時間帯のセグメントのデータを前記転送処理することを特徴とする請求項4に記載の録画装置。
【請求項6】
記録装置のループ録画領域に、入力される放送番組のデータをセグメント単位で順に上書き記録を繰り返す録画装置の制御方法であって、
第1の記録装置と第2の記録装置とが接続されている状態において、前記第2の記録装置の接続を解除する指示が入力される工程と、
前記第1の記録装置の複数のセグメントに録画されているデータの付加情報と、前記第2の記録装置の複数のセグメントに録画されているデータの付加情報と、を比較する工程と、
比較結果に応じて、前記第1の記録装置のセグメントに、前記第2の記録装置のセグメントに記録されているデータを転送する工程と、を具備することを特徴とする。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−12857(P2013−12857A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−143490(P2011−143490)
【出願日】平成23年6月28日(2011.6.28)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】