説明

録画装置

【課題】1つのチューナを内蔵する録画装置において、ある番組を録画中に同時に別番組を録画することができない。また、録画装置に内蔵されているハードディスクの容量不足により録画処理を受け付けない、また途中で停止してしまう。
【解決手段】チューナ11を1つ内蔵した録画装置において、ある番組の録画時間と同じ時間帯に別チャンネルの録画要求がされた場合、IEEE1394ケーブル2で接続された他の装置に対しコマンド発行して使用可能なチューナを内蔵する装置を特定し、その装置から自装置に録画要求された番組のデータを送信させ、受信した番組データを自装置内蔵のHDD20に記録することで同時録画を可能とする。自装置のHDDが容量不足の場合に、他の装置に対してコマンド発行し、空き容量のあるHDDを持つ装置を特定し、録画したい番組データを送信してその装置のHDDに記録させることで録画を可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バスに接続された録画装置、特に高速シリアルインタフェースであるIEEE(TheInstitute of Electrical and Electronics Engineers, Inc.)1394バスに接続される録画装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図23は、従来の録画装置に関する構成を示したものである。図23において、B1とB2およびB3はDVDレコーダ、1はアンテナ、2はIEEE1394ケーブルである。各DVDレコーダB1,B2,B3は、放送信号を受信するためにアンテナ1と接続されており、さらにIEEE1394ケーブル2を介して相互に接続されている。71は所望の放送信号を抽出するチューナ、72は受信した放送信号を復調する復調部、73は復調した放送信号について映像データと音声データの分離復号を行うTSデコーダ、74はケーブル2を接続するためのポート、75はIEEE1394規格に準拠した装置とデータ送受信を行うためのIEEE1394インタフェース、76はTSデコーダ73にて分離復号された映像データと音声データをHDD(ハードディスクドライブ)80へ流すための第1の入力ライン、77はインタフェース75からのデータをHDD80へ流すための第2の入力ライン、78は第1の入力ライン76と第2の入力ライン77の入力切り替えを行う入力切替部、79は映像データと音声データをHDD80へ書き込むとともに、HDD80から映像データと音声データの読み出しを行う録画・再生部、80は映像データと音声データを記録保存するためのHDD、81は録画・再生部79からのデータをインタフェース75へ流すための出力ライン、82は映像と音声を外部へ出力する映像・音声出力端子、83はDVDレコーダB1の各部をつなぐための内部バス、84は所望のチャンネルを選択する等の操作入力部、85はメモリ、86はDVDレコーダB1の各部を制御する制御部、87は表示部である。DVDレコーダB2,B3もDVDレコーダB1と同様の構成とする。
【0003】
操作入力部84より、HDD80に保存されている映像データと音声データの再生が要求されると、制御部86は録画・再生部79に対しHDD80から所望の映像データと音声データの読み出しを命じ、それらを映像・音声出力端子82から、またはインタフェース75を経由してポート74から出力する。この間、表示部87に番組再生中であることを表示する。
【0004】
操作入力部84より現在受信している番組の記録が要求されると、制御部86は、入力切替部78に第1の入力ライン76からの映像データと音声データを入力させる。このとき、第2の入力ライン77からのデータ入力は無効にする。次に、録画・再生部79に第1の入力ライン76からの映像データと音声データをHDD80へ記録するよう制御する。この間、表示部87に番組録画中であることを表示する。
【0005】
操作入力部84より番組の予約録画が要求されると、その情報は一旦、メモリ85に記録される。制御部86はメモリ85に保存されている予約情報に従い、録画開始時刻から録画終了時刻までの間、所望の番組をチューナ71で抽出し、復調部72で復調し、TSデコーダ73にて映像データと音声データに分離復号し、入力切替部78に第1の入力ライン76からの映像データと音声データを入力させ(この場合も、第2の入力ライン77からのデータ入力は無効にする)、録画・再生部79に第1の入力ライン76からの映像データと音声データをHDD80へ記録するよう制御する。この間、表示部87に番組録画中であることを表示する。予約情報が毎日や毎週といった繰り返しでない場合は、録画終了後、メモリ85から不要な予約情報を削除する。
【0006】
録画したい番組が複数あり、それらの放映時間が重複する場合は、DVDレコーダB1またはB2それぞれに対して番組録画予約操作を行い、複数の機器を用いて同時に録画を行う。
【0007】
この構成に対して、複数の機器を用いて番組を録画する構成としては特許文献1のようなものがある。
【特許文献1】特開2005−26984号公報(第5−7頁、第1−4図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記のような構成では自身の装置にはチューナが1つしか内蔵されていないため、番組録画中は同時に別番組の録画を行うことができない。また、上記特許文献1でも、自身の装置に内蔵されているチューナを用いた録画と、シリアルバスに接続された他の装置から受信した番組データの録画を同時に行うことができない。
【0009】
また、番組を録画しようとする際、装置に内蔵されている記録媒体(HDD)の残り容量が少ない場合には、番組が途中であっても記録媒体の残り容量が0になった時点で録画を停止してしまう、もしくは番組予約を受け付けないといった課題がある。
【0010】
また、装置の台数が増えれば、それに伴って装置を制御するリモコンの数も増えることになり、どのリモコンがどの装置に対応しているのか混乱する。つまり、予約録画操作が煩わしくなり使い勝手が良いとはいえない。
【0011】
本発明は、このような事情に鑑みて創作したものであり、チューナを1つしか内蔵していなくても複数の番組を同時に録画できるようにし、また、記録媒体の残容量が少なくても録画停止または録画エラーとなることなく番組を最後まで録画できるようにし、また、所定の装置への操作だけでそれに接続されている他の装置の操作も簡単に行えるようにすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明による録画装置は、
アンテナで受信した放送信号の中から選択されたチャンネルの放送信号を抽出するチューナと、
前記チューナによって抽出した放送信号の復調を行う復調部と、
前記復調部によって復調された放送信号を映像信号や音声信号等に分離して復号するデコーダと、
前記デコーダによって分離復号された前記映像信号や前記音声信号等のデータの記録媒体に対する記録再生を行う記録再生手段と、
所定の規格に準拠した通信が可能で放送信号を抽出可能なチューナを備えた他の装置との間でデータを送受信する通信インタフェースと、
前記チューナから前記デコーダを経て前記記録再生手段に至る信号の第1の入力ラインと前記他の装置からシリアルバスおよび前記通信インタフェースを介して前記記録再生手段に至る信号の第2の入力ラインの切替を行う入力切替手段と、
前記入力切替手段および前記記録再生手段を制御して、前記チューナから前記復調部・前記デコーダを経て入力された前記映像信号や前記音声信号等のデータと前記他の装置で抽出され前記シリアルバスおよび前記通信インタフェースを介して受信した映像信号や音声信号等のデータを前記記録媒体に同時進行で記録する同時記録手段を有する制御部とを備えたものである。
【0013】
この構成において、当該の録画装置におけるチューナで放送信号を抽出し、復調部で復調し、デコーダで映像信号と音声信号とに分離復号し、入力切替手段から記録再生手段を経て記録媒体にデータを記録する。一方で、他の装置のチューナで放送信号を抽出し、映像信号および音声信号をシリアルバスおよび通信インタフェースを介して取り込み、さらに入力切替手段から記録再生手段を経て記録媒体にデータを記録する。ここで、当該の録画装置のチューナによる放送信号の記録の指示と、他の装置のチューナによる放送信号の記録の指示とが同時的に生じた場合は、制御部は、その同時記録手段を起動し、入力切替手段と記録再生手段を制御して、両放送信号のデータを時間的に交互に記録媒体に記憶していく。
【0014】
したがって、録画装置にチューナを複数搭載しなくても、それに接続されている他の装置のチューナを利用して複数の放送番組を同時に録画することができ、録画したい番組の時間が重なっても録画できるといった使用者の使い勝手を向上させることができる。また、チューナの搭載は1つで済むので、商品の価格上昇を抑えることができる。
【0015】
上記において、前記制御部は、所定の制御コマンドを前記シリアルバスを介して前記他の装置に対して送信し、前記他の装置の前記チューナの使用状況の情報を取得し、使用状況を判別する他チューナ使用状況判別手段を有するという態様がある。
【0016】
これによれば、当該の録画装置と接続されている他の装置のチューナの使用状況を把握しておくことにより、動作中(チューナを使っての録画中など)の他の装置の不用意な使用を回避し、他の装置の安定性を保証する。
【0017】
また、上記において、前記制御部は、前記他チューナ使用状況判別手段によって得た情報をメモリに記録する他チューナ情報記録手段を有するという態様がある。さらに、前記他チューナ使用状況判別手段によって得た情報を表示する表示手段を有するという態様がある。これにより、ユーザーインタフェースを確保し、使い勝手が良くなる。
【0018】
また、上記において、前記制御部は、受信番組のデータ容量を計算するデータ容量計算手段を有するという態様がある。また、前記制御部は、所定の制御コマンドを前記シリアルバスを介して前記他の装置に対して送信し、前記他の装置に備えられている記録媒体の使用状況の情報を取得する他記録媒体使用状況判別手段を有するという態様がある。これにより、当該の録画装置と接続されている他の装置の記録媒体の使用状況が把握される。
【0019】
また、上記において、前記制御部は、前記他記録媒体使用状況判別手段によって得た情報をメモリに記録する他記録媒体情報記録手段を有するという態様がある。さらに、前記他記録媒体使用状況判別手段によって得た情報を表示する表示手段を有するという態様がある。これにより、未使用のチューナ、他の装置の記録媒体の残容量を表示することで、使用者の利便性が向上する。
【0020】
また、上記において、前記制御部は、前記記録媒体に記録しようとしている番組のデータ容量が前記記録媒体の残容量よりも大きい場合、前記他記録媒体使用状況判別手段により、自身に内蔵している前記記録媒体以外に、使用可能な記録媒体を備える他の装置を特定し、その特定した前記他の装置に対して前記シリアルバスを介して番組データを送信し記録させる他記録媒体記録再生手段を有するという態様がある。これにより、他の装置の記録媒体の使用状況を把握し、当該の録画装置の記録媒体の残容量が少ないときに、記録したい番組データの容量に対応可能な記録媒体を所有する他の装置の選択および記録媒体の振り替えが可能になり、番組データの録画失敗を防ぐことができる。
【0021】
また、上記において、前記制御部は、前記記録媒体に記録しようとしている番組データを任意の容量に分割するデータ分割手段を有するという態様がある。これにより、番組データの一部を当該の録画装置に記録し、残りの部分を他の装置に記録する。
【0022】
また、上記において、前記制御部は、所定の制御コマンドを前記シリアルバスを介して前記他の装置に対して送信し、前記他の装置の録画予約制御を行う他装置録画予約手段を有するという態様がある。これにより、当該の録画装置から他の装置の録画予約を遠隔制御することが可能となる。
【0023】
また、上記において、前記制御部は、所定の制御コマンドを前記シリアルバスを介して前記他の装置に対して送信し、前記他の装置における録画予約情報を取得する録画予約情報取得手段を有するという態様がある。また、前記制御部は、前記録画予約情報取得手段によって得た情報をメモリに記録する録画予約情報記録手段を有するという態様がある。また、前記制御部は、前記録画予約情報取得手段によって得た情報を表示する表示手段を有するという態様がある。これにより、他の装置の録画予約の状況を容易に知ることが可能となる。
【0024】
また、上記において、前記制御部は、前記録画予約情報取得手段により取得した前記他の装置の録画予約情報と自身の録画予約情報から録画予約時間が重複しているか否かを判別する録画予約重複判別手段を有するという態様がある。また、前記制御部は、前記録画予約重複判別手段により取得した結果を基に、自身も含めた前記任意の装置間での録画予約処理の振り替え可否を判別する録画予約振替判別手段を有するという態様がある。また、前記制御部は、前記録画予約振替判別手段により取得した結果を基に、前記他の装置に対して録画予約変更を要求する所定の制御コマンドを送信し、前記他の装置の録画予約処理制御を行う録画予約振替手段を有するという態様がある。これにより、録画予約が重複したときには、その録画予約を振り替えする。
【0025】
また、上記において、前記制御部は、所定の制御コマンドを前記シリアルバスを介して前記他の装置に対して送信し、自身に内蔵している前記チューナの使用状況および前記記録媒体の情報を送信する自己状況送信手段を有するという態様がある。これにより、常に最新の録画予約状況を把握することが可能となる。
【0026】
上記において、前記通信インタフェースは、IEEE1394規格に準拠したIEEE1394インタフェースであることが好ましい。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、録画装置にチューナを複数搭載しなくても、それに接続されている他の装置のチューナを利用して、複数の放送番組を同時に録画することができるため、録画したい番組の時間が重なっても録画できるといった使用者の使い勝手を向上させることができる。また、チューナの搭載は1つで済むので、商品の価格上昇を抑えることができる。
【0028】
さらに、当該の録画装置と接続されている他の装置のチューナの使用状況を把握しておくことにより、動作中(チューナを使っての録画中など)である他の装置の不用意な使用を回避でき、他の装置の安定性を保証できる。
【0029】
さらに、当該の録画装置と接続されている他の装置の記録媒体の使用状況を把握しておくことにより、当該の録画装置の記録媒体の残容量が少ないときに、記録したい番組データの容量に対応可能な記録媒体を所有する他の装置の選択および記録媒体の振り替えが可能になり、番組データの録画失敗を防ぐことができる。
【0030】
さらに、他の装置から得た情報を所有しておき、必要なときにすぐ取り出すことができるので、都度、他の装置に制御コマンドを発行する必要がなくなり、IEEE1394等のシリアルバス全体の転送効率低下を避けることができる。
【0031】
さらに、未使用のチューナ、他の装置の記録媒体の残容量を表示することで、使用者の利便性を向上させることができる。
【0032】
さらに、複数台の機器も、所定の1台の機器で制御することができ、使用者の使い勝手を向上させることができる。
【0033】
さらに、番組予約が重複しても、使用者による再設定作業が不要になり、使い勝手を向上させることができる。
【0034】
さらに、他の装置と当該の録画装置の記録媒体の残容量を共有することで、記録媒体の使用効率を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下、本発明にかかわる録画装置(DVDレコーダ)の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0036】
(実施の形態1)
図1において、A1,A2およびA3はDVDレコーダ、1はアンテナ、2はIEEE1394ケーブルである。各DVDレコーダA1,A2,A3は、放送信号を受信するためにアンテナ1と接続されており、さらにケーブル2を介して相互に接続されている。11は所望の放送信号を抽出するチューナ、12は受信した放送信号を復調する復調部、13は復調した放送信号について映像データと音声データの分離復号を行うTSデコーダ、14はケーブル2を接続するためのポート、15はIEEE1394規格に準拠した装置とデータ送受信を行うためのIEEE1394インタフェース、16はTSデコーダ13にて分離復号された映像データと音声データをHDD(ハードディスクドライブ)20へ流すための第1の入力ライン、17はインタフェース15からのデータをHDD20へ流すための第2の入力ライン、18は第1の入力ライン16と第2の入力ライン17の入力切り替えを行う入力切替部、19は映像データと音声データをHDD20へ書き込むとともに、HDD20から映像データと音声データの読み出しを行う記録再生手段としての録画・再生部、20は映像データと音声データを記録保存するためのHDD、21は録画・再生部19からのデータをインタフェース15へ流すための出力ライン、22は映像と音声を外部へ出力する映像・音声出力端子、23はDVDレコーダA1の各部をつなぐための内部バス、24は所望のチャンネルを選択する等の操作入力部、25はメモリ、26はDVDレコーダA1の各部を制御する制御部、27は表示部である。
【0037】
メモリ25には、IEEEで定められているレジスタ空間が格納されている。このレジスタ空間は、ノードの制御に用いられるCSR(Control and Status Register)コアと、バスの管理用のレジスタであるシリアルバス依存レジスタと、自装置の性能に関する情報等を記憶したコンフィグレーションROMと、各装置固有のレジスタであるユニットレジスタとから構成されている。また、メモリ25に、自身の装置情報とケーブル2を介して他の装置から取得した装置情報を装置情報テーブル25aとして整理し格納するように構成されている(図3参照)。
【0038】
制御部26は、内部バス23で接続されたDVDレコーダA1内の各装置を制御する各装置制御手段31、同時記録手段32、他チューナ使用状況判別手段33、他チューナ情報記録手段34、データ容量計算手段35、他記録媒体使用状況判別手段36、他記録媒体情報記録手段37、他記録媒体記録再生手段38、データ分割手段39、他装置録画予約手段40、録画予約情報取得手段41、録画予約情報記録手段42、録画予約重複判別手段43、録画予約振替判別手段44、録画予約振替手段45および自己状況送信手段46を備えている。
【0039】
DVDレコーダA2,A3もDVDレコーダA1と同様の構成とする。
【0040】
図2と図1は全体のシステムとして同一のものであり、図2のDVDレコーダA1の内部の各装置と図1のDVDレコーダA1の内部の各装置も同一であるため、図2におけるアンテナ1、IEEE1394ケーブル2、DVDレコーダA1、および11〜27の各部の説明は省略する。
【0041】
図2のDVDレコーダA2において、51は所望の放送信号を抽出するチューナ、52は受信した放送信号を復調する復調部、53は復調した放送信号について映像データと音声データの分離復号を行うTSデコーダ、54はIEEE1394ケーブル2を接続するためのポート、55はIEEE1394規格に準拠した装置とデータ送受信を行うためのIEEE1394インタフェース、56はTSデコーダ53にて分離復号された映像データと音声データをHDD60へ流すための第1の入力ライン、57はインタフェース55からのデータをHDD60へ流すための第2の入力ライン、58は第1の入力ライン56と第2の入力ライン57の入力切り替えを行う入力切替部、59は映像データと音声データをHDD60へ書き込むとともに、HDD60から映像データと音声データの読み出しを行う記録再生手段としての録画・再生部、60は映像データと音声データを記録保存するためのHDD、61は録画・再生部59からのデータをインタフェース55へ流すための出力ライン、62は映像と音声を外部へ出力する映像・音声出力端子、63はDVDレコーダA2の各部をつなぐための内部バス、64は所望のチャンネルを選択する等の操作入力部、65はメモリ、66はDVDレコーダA2の各部を制御する制御部、67は表示部である。DVDレコーダA3もDVDレコーダA1,A2と同様の構成とする。
【0042】
DVDレコーダA1で番組録画中に、現在放送中の別の番組を録画しようとする場合の実施の形態を図4のフローチャートを用いて説明する。また、ケーブル2を介して各装置間で送受信されるパケットのシーケンスを示した図6も用いて説明する。
【0043】
ユーザーが録画したいチャンネルや時間をDVDレコーダA1に設定(ステップS1)するとき、DVDレコーダA1は、録画情報(チャンネル、使用時間、録画モード等)を操作入力部24で受け、メモリ25内に記録している装置情報テーブル25aを確認し、現在録画中であるかどうかを判別する(ステップS2)。録画中ではない(ステップS2でNo)場合、アンテナ1により放送局からの放送信号を受信し、受信した放送信号からチューナ11で選択したチャンネル(チャンネルCとする)の番組データを抽出し、復調部12で抽出した番組データの復調を行い、復調された番組データをTSデコーダ13で映像信号や音声信号等に分離して復号する。復号された番組データは制御部26における同時記録手段32を用いて、入力切替部18で選択された第1の入力ライン16を介して録画・再生部19でHDD20に記録する(ステップS3)。
【0044】
制御部26における同時記録手段32について説明する。各装置制御手段31により当該の録画装置であるDVDレコーダA1のチューナ11が使用されているかどうかを判別し、使用されていれば第1の入力ライン16をONにし、使用されていなければ第1の入力ライン16をOFFとする。また、各装置制御手段31によりインタフェース15にケーブル2で接続されている他の装置からのデータ受信があるかどうかを判別し、受信があれば第2の入力ライン17をONにし、受信がなければ第2の入力ライン17をOFFとする。第1の入力ライン16と第2の入力ライン17の両方がONであれば、一定時間ごとに入力を切り替えることで、内蔵しているチューナ11から受信した番組データとケーブル2で接続されている他の装置から受信した番組データを一定時間ごとに交互に受信してHDD20へ記録し、複数番組を同時に記録する。
【0045】
前記ステップS3の処理の場合、当該の録画装置であるDVDレコーダA1のチューナ11が使用されており、インタフェース15に受信データがないため、第1の入力ライン16のみを使用し記録を行う。
【0046】
ステップS2において、録画中である(チャンネルAで録画中とする)(ステップS2でYes)場合、他チューナ使用状況判別手段33により、ケーブル2を介して接続されている他の装置から現在使用可能なチューナを内蔵した他の装置があるか否かの判別処理を行う。
【0047】
他チューナ使用状況判別手段33について説明する。DVDレコーダA1とケーブル2で接続されている全ての装置(図1ではDVDレコーダA2とDVDレコーダA3)に対して、図7に示す装置情報取得要求を示すコード番号(operand=0x1)を含むIEEE1394で接続されたAV装置を制御するためのコマンドセット(以下AV/Cコマンドと記載する)を送信する(ステップS4、図6のP1・P3)。このパケットを受信したDVDレコーダA2およびDVDレコーダA3は、それぞれ自身の録画予約情報(HDD残り容量、使用チャンネル、使用開始時刻、使用終了時刻)を図8に示す返答用パケット(以下AV/Cレスポンスと記載)に格納し、DVDレコーダA1に返信する(図6のP2・P4)。DVDレコーダA1は、DVDレコーダA2およびDVDレコーダA3から受信したAV/Cレスポンスから他チューナ情報記録手段34を用いて図5に示す装置情報テーブル25aに情報を格納し(ステップS5)、ケーブル2で接続されている装置の中でチューナを内蔵し、現在使用可能な装置があるか否か判別を行う(ステップS6)。装置を決定する方法としては、接続されている装置の中でノード番号(IEEE1394規格において、トポロジ内の装置を識別する番号)の小さい順に使用可能であるかどうかを判別し、使用可能であると判断できた時点でその装置を所望の録画を行うために使用する第2のチューナとして扱うようにする。
【0048】
接続されているどの装置も(DVDレコーダA2,A3のいずれも)、第2のチューナとして使用できない場合は要求された番組の録画ができないことを表示部27に通知して表示し、処理を終了する(ステップS7)。
【0049】
第2のチューナとして使用できる装置がDVDレコーダA2であるとすると(ステップS6でYes)、DVDレコーダA1は、DVDレコーダA2に対して受信チャンネルのチャンネルCへの切替とチャンネルCの番組データをDVDレコーダA1に対して送信を行うように要求するコード番号(operand=0x2)を含むAV/Cコマンド(図9のフォーマット)を送信する(ステップS8、図6のP5)。このAV/Cコマンドを受信したDVDレコーダA2は、要求受付OKのAV/Cレスポンス(図10のフォーマット)をDVDレコーダA1に対して送信する(図6のP6)。DVDレコーダA2は、チャンネルCを指定して放送信号受信を開始し、チューナ51、復調部52、TSデコーダ53を介して復号された番組データを、第1の入力ライン56、入力切替部58、録画・再生部59、出力ライン61およびインタフェース55を介し、ポート54よりDVDレコーダA1に対して出力する(図6のP7〜P10)。ケーブル2を介しDVDレコーダA1に送信された番組データは、DVDレコーダA1のポート14で受信し(ステップS9)、インタフェース15および第2の入力ライン17を介して番組データを録画・再生部19へ送り、HDD20に記録する(ステップS10)。
【0050】
番組データを含むパケットを受信したDVDレコーダA1は、同時記録手段32を用いて、入力切替部18が番組データを入力する第1の入力ライン16と第2の入力ライン17を一定時間ごとに交互に切り替えることで、DVDレコーダA1で内蔵しているチューナ11から受信した番組データとDVDレコーダA2から受信した番組データを一定時間ごとに交互に受信してHDD20へ記録し、複数番組を同時に記録する。
【0051】
ステップS6の判別処理で第2のチューナとして使用できる装置がDVDレコーダA3であった場合も、DVDレコーダA2の場合と同様に処理が行われる。
【0052】
本実施の形態では、AV/Cコマンド・レスポンス(図7〜図10)を特定するために例としてopcode=0x30を設定しているが、IEEE1394規格で定義されている値以外の値であればどの値に設定してもよい。
【0053】
以上のように本実施の形態によれば、DVDレコーダに1つしかチューナを内蔵していなくても同時に複数の番組データを録画することができ、録画したい番組の時間が重なっても録画できるといった使用者の使い勝手を向上させることができる。また、チューナの搭載は1つで済むので、商品の価格上昇を抑えることができる。
【0054】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2の録画装置では、図1および図2の構成が援用される。図1および図2に記載されている各装置は、実施の形態1で記載の装置と同一のため説明は省略する。
【0055】
DVDレコーダA1に内蔵されているHDD20に番組データを記録させる際に、HDD20の残容量が記録しようとする番組データの容量よりも少ない場合の動作を図11のフローチャートを用いて説明する。また、ケーブル2を介して各装置間で送受信されるパケットのシーケンスを示した図12も用いて説明する。
【0056】
ユーザーが、DVDレコーダA1において現在放送中の番組(チャンネルCとする)を録画設定した(ステップS21)とき、DVDレコーダA1は、録画情報(チャンネル、使用時間、録画モード等)を操作入力部24で受け、メモリ25内に記録している装置情報テーブル25aを確認し、現在録画中であるかどうかを判別する(ステップS22)。録画中である場合(ステップS22でYes)、他チューナ使用状況判別手段33を用いてケーブル2に接続されている他の装置に対してチューナを内蔵している装置があるか否かの検索を行う(ステップS23)。他チューナ使用状況判別手段33については、実施の形態1の場合と同一のため説明を省略する。
【0057】
他チューナ使用状況判別手段33の結果、録画中でない場合(ステップS22でNo)、データ容量計算手段35によりユーザーが設定した録画したい番組の情報(チャンネル、使用時間、録画モード等)から録画に必要な番組データ容量を割り出す。割り出した番組データ容量とHDD20の残り容量を比較し(ステップS24)、HDD20の残り容量の方が多ければ(ステップS24でNo)、そのままアンテナ1により放送局からの放送信号を受信し、受信した放送信号からチューナ11で選択したチャンネル(チャンネルCとする)の番組データを抽出し、復調部12で抽出した番組データの復調を行い、復調された番組データをTSデコーダ13で映像信号や音声信号等に分離して復号する。復号された番組データは同時記録手段32を用いて、入力切替部18で選択された第1の入力ライン16を介して録画・再生部19でHDD20に記録する(ステップS25)。
【0058】
もし、HDD20の残り容量の方が少なければ(ステップS24でYes)、他記録媒体使用状況判別手段36を用いる。他記録媒体使用状況判別手段36では、ケーブル2に接続されている全ての装置(図1ではDVDレコーダA2とDVDレコーダA3)に対して録画状況取得要求のコード番号(operand=0x1)を含むAV/Cコマンド(図7で示すフォーマット)を送信する(ステップS26、図12のP21・P23)。このAV/Cコマンドを受信したDVDレコーダA2およびDVDレコーダA3は、それぞれ自身の情報(HDD残り容量、チャンネル、使用開始時刻、使用終了時刻等)を格納したAV/Cレスポンス(図8で示すフォーマット)をDVDレコーダA1に対して返信する(図12のP22・P24)。AV/Cレスポンスを受信したDVDレコーダA1は、他記録媒体情報記録手段37により受信したそれぞれのパケットから情報を取得してメモリ25に格納している装置情報テーブル25aに格納し(ステップS27)、必要な容量を満たすHDDを持つ装置があるかどうかを判別し(ステップS28)、容量を満たす装置(ここではDVDレコーダA2とする)を特定する(ステップS28でYes)。
【0059】
もし、接続されている装置の中に必要な容量を満たすHDDを内蔵する装置がなければ(ステップS28でNo)、要求された録画ができないことを表示し、処理を終了する(ステップS29)。
【0060】
装置特定の方法としては、ケーブル2にて接続されている装置の中でノード番号の小さい順にHDD残量とこれから録画しようとしている番組データの容量を比較し、HDD残量の方が多いかどうかを判定する。HDD残量の方が多い装置があればその装置を第2の記録媒体を有する装置とする。
【0061】
他記録媒体記録再生手段38を用いてDVDレコーダA1は、DVDレコーダA2に対して、HDD60への番組データ記録依頼のコード番号(operand=0x3)を含むAV/Cコマンド(図13のフォーマット)を送信する(ステップS30、図12のP25)。このAV/Cコマンドを受信したDVDレコーダA2は、入力を第2の入力ライン57に切り替え、DVDレコーダA1から送られる番組データ受信に備え、ステップS30で送信されたAV/Cコマンドに対してOKのAV/Cレスポンス(図14で示すフォーマット)を返信する(ステップS31、図12のP26)。DVDレコーダA1は、このAV/Cレスポンスを受信すると(ステップS31でYes)、チャンネルCの番組データを出力ライン21およびインタフェース15を介してポート14からケーブル2に出力し、DVDレコーダA2に対して送る(ステップS33、図12のP27〜P30)。DVDレコーダA2は、ケーブル2、ポート54、インタフェース55を介して受信した番組データをHDD60に記録する(ステップS34)。ステップS30で送信されたAV/Cコマンドに対するAV/CレスポンスがNG通知であった場合は(ステップS31でNo)、要求された録画ができないことを表示し、処理を終了する(ステップS32)。
【0062】
また、データ分割手段39を用いて、番組データをHDD20の残容量分とそれ以外に分け、残容量分はHDD20に、残りの番組データをケーブル2を介してDVDレコーダA2に内蔵のHDD60に記録させてもよい。
【0063】
または、DVDレコーダA2およびDVDレコーダA3に分割して記録させる手法、または、自身(DVDレコーダA1)とDVDレコーダA2およびDVDレコーダA3に分割して記録させる手法も有用である。
【0064】
また、他装置録画予約手段40を用いて、DVDレコーダA2に対して番組予約依頼を行う方法(図15、図16で示すAV/Cコマンド、レスポンスを使用する方法)で、HDD60に記録させてもよい。
【0065】
ステップS28の判別処理で第2の記録媒体を有する装置として使用できる装置がDVDレコーダA3であった場合も、DVDレコーダA2の場合と同様に処理が行われる。
【0066】
以上のように本実施の形態によれば、自身に内蔵しているHDDの容量が残り少ない場合でも、現在保存している番組データを消去することなく録画することが可能となり、使用者の使い勝手を向上させることができる。
【0067】
自身と接続されている他の装置の記録媒体の使用状況を把握しておくことにより、記録したい番組データの容量に対応可能な記録媒体を所有する他の装置を選択できる。得られた他の装置情報に基づいて適切な装置を選択し、録画の失敗を防ぐことができる。番組予約が重複しても、使用者による再設定作業が不要になり、使い勝手を向上させることができる。
【0068】
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3の録画装置では、図1および図2の構成が援用される。図1および図2に記載されている各装置は、実施の形態1で記載の装置と同一のため説明は省略する。
【0069】
ケーブル2にて接続されている装置でそれぞれあらかじめ録画予約がされており、新たに別の番組を録画予約しようとした際に、あらかじめ予約されている番組と時間が重複し、新たに予約ができない場合に、それを可能とする処理を図17および図18のフローチャートを用いて説明する。また、ケーブル2を介して各装置間で送受信されるパケットのシーケンスを示した図19も用いて説明する。
【0070】
例として、図5の装置情報テーブル25aに示すようにDVDレコーダA1とDVDレコーダA2でそれぞれ録画予約がされている状態で、さらにユーザーがDVDレコーダA1に対して新たに別の番組(チャンネルCで1:00〜6:00の番組とする)の予約を行うとする。
【0071】
ユーザーがDVDレコーダA1に対して1:00〜6:00でチャンネルCの番組の録画予約を設定する(ステップS40)とき、DVDレコーダA1は、録画情報(チャンネル、使用時間、録画モード等)を操作入力部24で受け、メモリ25内に記録している装置情報テーブル25aを確認し、チャンネルCで1:00〜6:00の予約(以下録画予約Zとする)が可能であるかどうかの判定を行う(ステップS41)。判定の結果、可能であれば(ステップS41でNo)、そのまま録画予約処理を行う(ステップS42)。もし、判定の結果、すでに予約されている時間帯と重複しており予約が不可能であれば(ステップS41でYes)、録画予約情報取得手段41を用いてDVDレコーダA1とケーブル2で接続されている全ての装置から予約情報を取得する。
【0072】
録画予約情報取得手段41では、DVDレコーダA1とケーブル2で接続されているDVDレコーダA2およびDVDレコーダA3に対して、それぞれ録画予約情報取得のAV/Cコマンド(図7で示すフォーマット)を送信する(ステップS43、図19のP41・P43)。そのAV/Cコマンドを受信したDVDレコーダA2およびDVDレコーダA3は、設定されている録画予約の情報を格納したAV/Cレスポンス(図8で示すフォーマット)をDVDレコーダA1に対して送信する(図19のP42・P44)。DVDレコーダA1は、受信したAV/Cレスポンスからそれぞれの録画予約情報を取得し、録画予約情報記録手段42を用いて自身のメモリ25に格納している装置情報テーブル25aに格納する(ステップS44)。
【0073】
録画予約情報取得手段41により作成した装置情報テーブル25aの情報を確認し録画予約Zが可能である装置を検索し特定する(ステップS45)。もし、録画予約が可能である装置があれば(ステップS45でYes)、その装置に対して他装置録画予約手段40を用いて、録画予約依頼のAV/Cコマンド(図15で示すフォーマット)を送信し(ステップS46、図19のP47)、このAV/Cコマンドを受信した装置は、録画予約設定を行い、録画予約OKのAV/CレスポンスをDVDレコーダA1に対して送信する(図19のP48)。DVDレコーダA1はAV/Cレスポンスを受信し(ステップS47でYes)、録画予約完了とする(ステップS48)。録画予約OKのAV/Cレスポンスを受信できなければ(ステップS47でNo)、録画予約失敗とし、ケーブル2で接続された別の装置で録画予約がない装置があるかどうかの判別処理を再度行う(ステップS45)。もし、録画予約Zが可能である装置が存在しなければ(ステップS45でNo)、録画予約振替判別手段44を用いて、録画予約の振り替えが可能でないかの判定を行う(ステップS49)。振り替えが不可能であれば(ステップS49でNo)、録画予約NGとし表示部27で予約NGであることを表示する(ステップS50)。
【0074】
録画予約振替判別手段44について、図18のフローチャートを用いて説明する。DVDレコーダA1で録画予約が行われると、録画予約重複判別手段43を用いてDVDレコーダA1とケーブル2で接続されているDVDレコーダA2およびDVDレコーダA3で振替可能な予約がないかを判定する。
【0075】
録画予約重複判別手段43では、まずDVDレコーダA1で予約されている録画の時間と重複しない録画予約をもつ装置がないかノード番号の小さい順に検索する(ステップS60)。
【0076】
もしあれば(ステップS60でYes)、振り替え元の装置と振り替え先の装置を設定し(ステップS61)、振り替え後に振り替え元の装置に録画予約Zと重複する録画予約がさらにないかどうかの判別を行う(ステップS65)。もし重複する録画予約がなければ(ステップS65でYes)、録画予約振替手段45により振替処理を行う(ステップS66)。重複する録画予約がまだあれば(ステップS65でNo)、再度重複しない録画予約を持つ装置があるかどうかの判別を行う(ステップS60)。
【0077】
録画予約が重複しない録画予約をもつ装置がなければ(ステップS60でNo)、DVDレコーダA1を除いた装置の中(DVDレコーダA2とDVDレコーダA3)で、DVDレコーダA2で予約されている録画の時間と重複しない録画予約を持つ装置がないかノード番号の小さい順に検索する(ステップS62)。重複する録画予約を持たない装置があった場合(ステップS62でYes)、振り替え元の装置と振り替え先の装置を設定し(ステップS63)、DVDレコーダA2と同様の処理を行う。なかった場合(ステップS62でNo)、ケーブル2で接続されている装置全ての検索が行われたので録画予約NGとし(ステップS64)、録画予約重複判別手段43を終了する。
【0078】
この実施の形態では、DVDレコーダA1,A2およびA3がケーブル2で接続されたシステムにおいて説明しているが、さらに多くの装置が接続されたシステムでは、録画予約重複判別手段43で録画予約された装置とケーブル2で接続されている全ての装置間で重複判別処理および振り替え判別処理を行う。
【0079】
本実施の形態の場合、DVDレコーダA1で設定されているチャンネルAで0:00〜2:00までの予約(以下録画予約Xとする)とDVDレコーダA2で設定されているチャンネルBで4:00〜6:00までの予約(以下録画予約Yとする)がそれぞれ録画予約Zの時間帯と重複しているが、録画予約YをDVDレコーダA1で行うよう変更することで、DVDレコーダA2での録画予約Zが可能であるため、録画が可能であると判断できるので、録画予約振替手段45を用いて、DVDレコーダA2の録画予約YをDVDレコーダA1に振り替える処理を行う(ステップS66)。
【0080】
録画予約振替手段45では、DVDレコーダA1での録画予約の時間と重複しない録画予約をもつ装置であるDVDレコーダA2の録画予約を振替対象と設定し、振替元をDVDレコーダA2、振替先をDVDレコーダA1とする。DVDレコーダA2の録画予約YをDVDレコーダA2から取り消し、DVDレコーダA1に追加するために、DVDレコーダA1からDVDレコーダA2に対して予約振り替え依頼のAV/Cコマンド(図20で示すフォーマット)を送信する(図19のP45)。このコマンドを受信したDVDレコーダA2は、設定されている録画予約Yを取り消し、「DVDレコーダA1に録画予約Yを振り替える」という情報を設定して、振り替えOKのAV/Cレスポンス(図21で示すフォーマット)をDVDレコーダA1に対して送信する(図19のP46)。このAV/Cレスポンスを受信したDVDレコーダA1は、自身に録画予約Yの設定を行う。
【0081】
結果、操作入力部24から入力された録画予約Zが受け付けられ、指定予約に従い各DVDレコーダで予約録画処理が行われる。さらに、この更新された装置情報テーブル25aを表示部27で図22のように表示することにより、予約録画後、どのDVDレコーダに記録されたかを使用者に分かるようにする。図22では、表示例としてボタン操作による切り替えで、DVDレコーダの接続状況や各DVDレコーダの予約状況、予約振り替え情報を表示している。
【0082】
録画予約の振り替えが完了すると、他装置録画予約手段40を用いて、DVDレコーダA2に対して録画予約Zの録画依頼のAV/Cコマンド(図15で示すフォーマット)を送信し、録画予約を設定させる(ステップS51、図19のP47)。このコマンドを受信したDVDレコーダA2は、録画予約Zを設定し、録画予約OKのAV/Cレスポンス(図16で示すフォーマット)をDVDレコーダA1に対して送信する(図19のP48)。DVDレコーダA1はレスポンスを受信したら(ステップS52でYes)、録画予約Zの録画予約処理完了となる(ステップS54)。録画予約OKのレスポンスが受信できなければ(ステップS52でNo)、録画予約NGとなり(ステップS53)、予約NGであることを表示部27で表示する。
【0083】
また、各装置が自己状況送信手段(DVDレコーダA1の場合は自己状況送信手段46)を用いて、録画処理を行っていないなどの待機状態に一定時間ごとに当該の録画装置の情報(HDD残容量、予約状況など)を設定したAV/Cコマンドパケットをケーブル2に接続されている他の全ての装置に対して送信し、常に最新の装置情報テーブル25aを所有できるようにする。
【0084】
以上のように本実施の形態によれば、番組予約が重複しても使用者による再設定作業が不要になり使い勝手を向上させることができる。
【0085】
さらに、他の装置と自身の記録媒体を共有することでそれの使用効率を向上させることができる。
【0086】
さらに、任意の処理を行っていない待機状態時に、各装置が自己情報を送信し合うことで、常時他の装置の最新状況を所有できるので、録画予約設定毎に他の装置の情報取得のAV/Cコマンドを送信しなくてもよく、これにより予約設定時の処理速度が向上し、使用者の利便性が良くなり、さらにケーブル2での通信効率も向上させることができる。
【0087】
上記ケーブル2に接続された他の装置のチューナから放送信号を受信し記録する実施の形態では、相手側装置(DVDレコーダA2)はDVDレコーダとして記述しているが、DTV(デジタル放送受信装置)などの録画機能を持たない装置であってもよい。
【0088】
上記ケーブル2に接続された他の装置のHDDに記録させる実施の形態では、記録させる装置を録画装置(DVDレコーダ)としているが、この限りではない。
【0089】
上記実施の形態では、バスをIEEE1394シリアルバスとして記述しているが、IEEE1394のAV/Cコマンドに代わるコマンドセットを備えたバス(例えばLANなど)に接続された録画装置であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0090】
本発明の録画装置は、IEEE1394等の高速通信バスに接続された録画装置等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】本発明の実施の形態1〜3における録画装置を含むシステムの構成図
【図2】本発明の実施の形態1〜3における録画装置を含むシステムの構成図
【図3】本発明の実施の形態1の録画システムにおいてメモリに格納される情報の説明図
【図4】本発明の実施の形態1の録画システムにおいて、バスに接続された別装置のチューナを用いて同時録画する処理のフローチャート
【図5】本発明の実施の形態1の録画システムにおいてメモリに格納される装置情報テーブル
【図6】本発明の実施の形態1の録画システムにおいて、バスに接続された別装置のチューナを用いて同時録画する処理で送受信されるパケットのシーケンス図
【図7】本発明の実施の形態1の録画システムにおける装置情報取得要求AV/Cコマンドフォーマット
【図8】本発明の実施の形態1の録画システムにおける装置情報取得要求AV/Cレスポンスフォーマット
【図9】本発明の実施の形態1の録画システムにおけるチャンネル切替・送信依頼AV/Cコマンドフォーマット
【図10】本発明の実施の形態1の録画システムにおけるチャンネル切替・送信依頼AV/Cレスポンスフォーマット
【図11】本発明の実施の形態2の録画システムにおいて、バスに接続された別装置の記録媒体に対して番組データを記録する処理のフローチャート
【図12】本発明の実施の形態2の録画システムにおいて、バスに接続された別装置の記録媒体に対して番組データを記録する処理で送受信されるパケットのシーケンス図
【図13】本発明の実施の形態2の録画システムにおけるHDD記録依頼AV/Cコマンドフォーマット
【図14】本発明の実施の形態2の録画システムにおけるHDD記録依頼AV/Cレスポンスフォーマット
【図15】本発明の実施の形態2の録画システムにおける番組予約依頼AV/Cコマンドフォーマット
【図16】本発明の実施の形態2の録画システムにおける番組予約依頼AV/Cレスポンスフォーマット
【図17】本発明の実施の形態3の録画システムにおける番組予約振替を行う処理のフローチャート
【図18】本発明の実施の形態3の録画システムにおける番組予約振替元装置決定処理のフローチャート
【図19】本発明の実施の形態3の録画システムにおいて、番組予約振替を行う処理で送受信されるパケットのシーケンス図
【図20】本発明の実施の形態3の録画システムにおける録画予約振替依頼AV/Cコマンドフォーマット
【図21】本発明の実施の形態3の録画システムにおける録画予約振替依頼AV/Cレスポンスフォーマット
【図22】本発明の実施の形態3の録画システムにおける予約状況・振替状況表示例
【図23】従来の技術における録画装置を含むシステムの構成図
【符号の説明】
【0092】
A1〜A3 DVDレコーダ
1 アンテナ
2 IEEE1394ケーブル
11,51 チューナ
12,52 復調部
13,53 TSデコーダ
14,54 IEEE1394ポート
15,55 IEEE1394インタフェース(通信インタフェース)
16,56 第1の入力ライン
17,57 第2の入力ライン
18,58 入力切替部
19,59 録画・再生部(記録再生手段)
20,60 HDD(記録媒体)
21,61 出力ライン
22,62 映像・音声出力端子
23,63 内部バス
24,64 操作入力部
25,65 メモリ
26,66 制御部
27,67 表示部(表示手段)
31 各装置制御手段
32 同時記録手段
33 他チューナ使用状況判別手段
34 他チューナ情報記録手段
35 データ容量計算手段
36 他記録媒体使用状況判別手段
37 他記録媒体情報記録手段
38 他記録媒体記録再生手段
39 データ分割手段
40 他装置録画予約手段
41 録画予約情報取得手段
42 録画予約情報記録手段
43 録画予約重複判別手段
44 録画予約振替判別手段
45 録画予約振替手段
46 自己状況送信手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナで受信した放送信号の中から選択されたチャンネルの放送信号を抽出するチューナと、
前記チューナによって抽出した放送信号の復調を行う復調部と、
前記復調部によって復調された放送信号を映像信号や音声信号等に分離して復号するデコーダと、
前記デコーダによって分離復号された前記映像信号や前記音声信号等のデータの記録媒体に対する記録再生を行う記録再生手段と、
所定の規格に準拠した通信が可能で放送信号を抽出可能なチューナを備えた他の装置との間でデータを送受信する通信インタフェースと、
前記チューナから前記デコーダを経て前記記録再生手段に至る信号の第1の入力ラインと前記他の装置からシリアルバスおよび前記通信インタフェースを介して前記記録再生手段に至る信号の第2の入力ラインの切替を行う入力切替手段と、
前記入力切替手段および前記記録再生手段を制御して、前記チューナから前記復調部・前記デコーダを経て入力された前記映像信号や前記音声信号等のデータと前記他の装置で抽出され前記シリアルバスおよび前記通信インタフェースを介して受信した映像信号や音声信号等のデータを前記記録媒体に同時進行で記録する同時記録手段を有する制御部とを備えた録画装置。
【請求項2】
前記制御部は、所定の制御コマンドを前記シリアルバスを介して前記他の装置に対して送信し、前記他の装置の前記チューナの使用状況の情報を取得し、使用状況を判別する他チューナ使用状況判別手段を有している請求項1に記載の録画装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記他チューナ使用状況判別手段によって得た情報をメモリに記録する他チューナ情報記録手段を有している請求項2に記載の録画装置。
【請求項4】
さらに、前記他チューナ使用状況判別手段によって得た情報を表示する表示手段を有している請求項3に記載の録画装置。
【請求項5】
前記制御部は、受信番組のデータ容量を計算するデータ容量計算手段を有している請求項1から請求項4までのいずれかに記載の録画装置。
【請求項6】
前記制御部は、所定の制御コマンドを前記シリアルバスを介して前記他の装置に対して送信し、前記他の装置に備えられている記録媒体の使用状況の情報を取得する他記録媒体使用状況判別手段を有している請求項5に記載の録画装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記他記録媒体使用状況判別手段によって得た情報をメモリに記録する他記録媒体情報記録手段を有している請求項6に記載の録画装置。
【請求項8】
さらに、前記他記録媒体使用状況判別手段によって得た情報を表示する表示手段を有している請求項7に記載の録画装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記記録媒体に記録しようとしている番組のデータ容量が前記記録媒体の残容量よりも大きい場合、前記他記録媒体使用状況判別手段により、自身に内蔵している前記記録媒体以外に、使用可能な記録媒体を備える他の装置を特定し、その特定した前記他の装置に対して前記シリアルバスを介して番組データを送信し記録させる他記録媒体記録再生手段を有している請求項5から請求項8までのいずれかに記載の録画装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記記録媒体に記録しようとしている番組データを任意の容量に分割するデータ分割手段を有している請求項5から請求項9までのいずれかに記載の録画装置。
【請求項11】
前記制御部は、所定の制御コマンドを前記シリアルバスを介して前記他の装置に対して送信し、前記他の装置の録画予約制御を行う他装置録画予約手段を有している請求項1から請求項4までのいずれかに記載の録画装置。
【請求項12】
前記制御部は、所定の制御コマンドを前記シリアルバスを介して前記他の装置に対して送信し、前記他の装置における録画予約情報を取得する録画予約情報取得手段を有している請求項11に記載の録画装置。
【請求項13】
前記制御部は、前記録画予約情報取得手段によって得た情報をメモリに記録する録画予約情報記録手段を有している請求項12に記載の録画装置。
【請求項14】
前記制御部は、前記録画予約情報取得手段によって得た情報を表示する表示手段を有している請求項12または請求項13に記載の録画装置。
【請求項15】
前記制御部は、前記録画予約情報取得手段により取得した前記他の装置の録画予約情報と自身の録画予約情報から録画予約時間が重複しているか否かを判別する録画予約重複判別手段を有している請求項11から請求項14までのいずれかに記載の録画装置。
【請求項16】
前記制御部は、前記録画予約重複判別手段により取得した結果を基に、自身も含めた前記任意の装置間での録画予約処理の振り替え可否を判別する録画予約振替判別手段を有している請求項15に記載の録画装置。
【請求項17】
前記制御部は、前記録画予約振替判別手段により取得した結果を基に、前記他の装置に対して録画予約変更を要求する所定の制御コマンドを送信し、前記他の装置の録画予約処理制御を行う録画予約振替手段を有している請求項16に記載の録画装置。
【請求項18】
前記制御部は、所定の制御コマンドを前記シリアルバスを介して前記他の装置に対して送信し、自身に内蔵している前記チューナの使用状況および前記記録媒体の情報を送信する自己状況送信手段を有している請求項1から請求項17までのいずれかに記載の録画装置。
【請求項19】
前記通信インタフェースは、IEEE1394規格に準拠したIEEE1394インタフェースである請求項1から請求項18までのいずれかに記載の録画装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2007−96790(P2007−96790A)
【公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−283946(P2005−283946)
【出願日】平成17年9月29日(2005.9.29)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】