説明

鍵盤練習装置

スライド部材と、ユーザの腕を支持するよう構成された支持部材であって、スライド部材にスライド可能に連結した支持部材と、楽器の鍵盤に対し並列位置にある前記スライド部材を支持するための手段とを具え、支持部材をスライド部材の全長の一部に沿ってスライドさせることにより、前腕を支持部材上に載置した状態で座っている鍵盤楽器の演奏者に、鍵盤の全長に沿って前腕を移動させることを可能にするよう作動可能な鍵盤練習装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鍵盤練習装置に関する。具体的には、本発明は、ユーザが演奏中に腕を的確な位置に配置するのを補助するための鍵盤練習装置に関するが、これに限定するものではない。
【背景技術】
【0002】
鍵盤楽器の演奏技術を練習するにあたりユーザを補助するための鍵盤練習装置を設けることが知られている。
【0003】
特開平7−092898号公報は、鍵盤楽器を演奏する際の演奏者の手首の正しい高さより下方に設けられた棒状の手首位置矯正装置を開示している。楽器の演奏中に演奏者の手首が棒に接触した場合、演奏者はその接触の感覚をもって、自らの手首の位置が下方に位置し過ぎであるという事実に気付く。
【0004】
しかしながら、本装置は、ユーザの手首が望ましくない位置まで下降した際に不適当な手首位置の指摘のみを提供するという点で不都合を有する。さらに、本矯正具は、所定の高さまたはそれ以上の高さで、ユーザが腕または手首を的確に配置するのを補助しない。
【0005】
国際公開第2005/004087号パンフレットは、キャリッジにスライド可能に取り付けられ、電気モーターによってキャリッジの長手方向に沿って移動可能な、一対の手袋の形態の音楽教育装置および方法を開示している。この装置は、楽曲の演奏のために的確な位置に演奏者の腕および手を左右および上下へと順次に移動させるよう構成されている。演奏者の指は楽曲の正確な音を鳴らすため軽く下方へ引張られる。
【0006】
音を鳴らすために装置自体がユーザの手および指を鍵盤上の正確な位置に移動させるという点でこのような装置の使用は煩雑である。この装置は、正しく位置を合わせ、且つ音を鳴らすために、演奏者が装置に依存してしまうという不都合を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平7−092898号公報
【特許文献2】国際公開第2005/004087号パンフレット
【発明の概要】
【0008】
本発明の第一の態様では、
スライド部材と、
ユーザの腕を支持するよう構成された支持部材であって、前記スライド部材にスライド可能に連結した支持部材と、
楽器の鍵盤に対し並列位置にある前記スライド部材を支持するための手段とを具え、
前記支持部材を前記スライド部材の全長の一部に沿ってスライドさせることにより、前腕を前記支持部材上に載置した状態で座っている鍵盤楽器の演奏者が、鍵盤の全長に沿って前腕を移動することを可能にするように動作可能な鍵盤練習装置を提供する。
【0009】
好ましくは、前記装置は、前記ユーザの前腕が鍵盤の前縁から略一定の距離を維持するよう、前記支持部材を前記スライド部材に沿って実質的に直線の経路で相互にスライド可能となるよう構成可能である。
【0010】
このように、本発明のいくつかの実施態様において、支持部材はユーザの腕を支持するよう構成されており、これにより支持部材に対する腕のスライド運動が実質的に阻止される。従って、支持部材にはユーザの腕と支持部材との間のスライド運動を阻止するよう構成された表面が設けられていてもよい。例えば、エラストマー材料、天然ゴム、布、革、プラスチック材料または他の任意の適切な材料などの、高摩擦表面である。
【0011】
いくつかの実施態様において、装置はユーザの前腕が鍵盤の前縁の上部で略一定の距離を維持するように構成可能である。
【0012】
本発明の特定の実施態様は、ユーザが楽器を演奏している間、常にユーザの前腕は鍵盤の前縁から所定の距離で維持されるという利点を有する。装置は、ユーザが、鍵盤の前縁から前腕までの距離が所定の距離から実質的に変化するリスクを冒すことなく、前腕を鍵盤の上下へと、スライド部材に沿って、自由に移動させることを可能にする。
【0013】
本発明者は、演奏中に鍵盤から演奏者の腕までの距離を実質的に一定に維持することの重要性を認識した。本発明は、ユーザの一方または両方の腕が鍵盤に近づいたり遠ざかったりする側方運動の問題を克服するものである。このような運動は、鍵盤楽器の演奏する際の技術向上において、概して不利益である。
【0014】
本発明の実施態様は、演奏中、腕が鍵盤の上下を移動する間、ユーザが一方または両方の腕を鍵盤に対し略垂直に保持するのを可能にする。この特徴は、演奏中にユーザが腕を鍵盤の前縁から実質的に一定の距離に保持するのを可能にする特徴と共に、ユーザが音階やアルペジオを演奏する際の正確な鍵盤技術をより迅速且つ効果的に向上させることを可能にする。
【0015】
ユーザの前腕を鍵盤の前縁から実質的に一定の距離で鍵盤に対し実質的に垂直な方向に保持することにより、ユーザの親指は鍵盤全面に渡り鍵盤の前縁から実質的に一定の距離で鍵盤の上下を移動するよう構成されることができる。ユーザの前腕を鍵盤に対して実質的に垂直に保持することにより、ユーザの手が垂直軸線の回りを回転するのを実質的に防ぎ、これによりユーザの小指は鍵盤上に過剰に置かれることはない。このように、本発明の実施態様は、鍵盤練習技術における悪習慣の習得を回避し、または予防するという点でユーザを補助する。
【0016】
本発明の実施態様は、ユーザが鍵盤楽器で音階やアルペジオを演奏する技術を上達させるのに具体的に有益である。
【0017】
好ましくは、装置は、支持部材がスライド部材に沿って鍵盤に対して実質的に一定の垂直高さで相互にスライド可能となるよう構成可能である。
【0018】
代替的または追加的に、装置は、支持部材がスライド部材に沿って略湾曲した経路で相互にスライド可能となるよう構成可能である。
【0019】
好ましくは、装置は、支持部材がスライド部材に沿って鍵盤の前縁から実質的に一定の側方距離で相互にスライド可能となるよう構成可能である。
【0020】
好ましくは、支持部材はスライド部材に取り外し可能に取り付けられている。
【0021】
好ましくは、支持部材は迅速解除機構によってスライド部材に取り外し可能に取り付けられている。
【0022】
この特徴により、支持部材を異なるサイズおよび形状の支持部材に置換することが可能となり、支持部材または他の部材の代替的構造を上記の支持部材の代替とする、またはこれに追加して設けることが可能となる。
【0023】
好ましくは、支持部材は、スライド部材に沿ってスライド可能な搬送部材によってスライド部材に取り付けられている。
【0024】
好ましくは、支持部材は搬送部材に取り外し可能に取り付けられている。
【0025】
より好ましくは、支持部材は迅速解除機構によって搬送部材に取り外し可能に取り付けられている。
【0026】
搬送部材は、支持部材が鍵盤のキーに対して動くことを可能にする便宜的手段を提供する。
【0027】
好ましくは、スライド部材は少なくとも1個のトラック部材を具え、搬送部材はトラック部材に連結するよう構成されている。
【0028】
好ましくは、支持部材は、装置が鍵盤楽器に取り付けられることを可能にするよう構成されており、これにより鍵盤と並列位置にあるスライド部材を支持する。
【0029】
好ましくは、支持部材は装置が楽器に取り外し可能に取り付けられることを可能にする。
【0030】
この特徴は、使用する必要がないときに、装置を楽器から取り外すことが可能であるという利点を有する。
【0031】
好ましくは、装置は鍵盤楽器に立てかけるよう配置され、これにより実質的に直立方向に支持される。
【0032】
代替的または追加的に、サポート手段は装置が自立構成で配置されることを可能にするよう構成されている。
【0033】
好ましくは、スライド部材の鍵盤からの側方距離は調整可能である。
【0034】
好ましくは、スライド部材の鍵盤からの側方距離はねじ機構によって調整可能である。
【0035】
好ましくは、鍵盤に対する前記スライド部材の垂直高さは、好ましくはねじ機構によって、調整可能である。
【0036】
好ましくは、支持部材は、スライド部材に対して、軸線、好ましくは垂直軸線の回りを回転可能となるよう構成されている。
【0037】
この特徴は、スライド部材が回転することにより、定位置に座っている状態でユーザが鍵盤に沿って腕を移動させる際に、ユーザの腕の回転の少量を吸収することができるという利点を有する。
【0038】
本発明の第二の態様では、
鍵盤楽器の演奏者の上達を補助するのに適した鍵盤練習装置であって、
基部部材と、
通常演奏の間の方向に実質的に対応する方向に腕を向けてユーザが座っている際に、ユーザの前腕を支持するための手段を有する支持部材と、
回転装置であって、前記支持部材に連結したユーザの前腕の手首が、垂直面内で略円形または楕円形の並進運動を描くのを可能にするよう構成された回転装置を具える装置を提供する。
【0039】
装置は、さらに支持部材を円形または楕円形並進運動の一周期にわたって略直立方向に保持するよう構成されていることができる。
【0040】
好ましくは、回転装置は平行リンク機構を具える。
【0041】
好ましくは、平行リンク機構のうち少なくとも1個のリンクは回転可能なディスク要素の形態で提供されている。
【0042】
好ましくは、平行リンク機構の略平行な一対のリンクは、対応する一対の互いに離間した回転可能なディスク要素によって提供されており、ディスク要素は互いに平行な軸線の回りを回転可能となるよう構成されている。
【0043】
好ましくは、ディスク要素は基部部材と回転可能に連結している。
【0044】
ディスク要素は旋回部材と回転可能に連結しており、旋回部材は基部部材に対して、正常使用のために配向された装置の略垂直軸線の回りを回転可能となるよう構成されている。
【0045】
好ましくは、本発明の第一または第二の態様に従う支持部材は、ユーザの腕用の快適なレストを提供するよう構成された略U字型部材の形態である。
【0046】
略U字型部材は本発明の実施態様に従う支持部材として特に便利で快適な形状であることが分かる。ユーザの腕は、容易にU字型部材の内側に配置し、且つ同様に離脱することができる。
【0047】
さらに、U字型部材は、ユーザがスライド部材に沿って前腕を平行移動させる際に、その上昇部上に横力がかかることを可能にするよう構成されることができる。これにより、搬送部材を、ユーザの前腕の下面と搬送部材との間の摩擦力に頼ることなく、より快適な方法で移動させることが可能となる。
【0048】
支持部材は、ユーザの腕の下方またはユーザの腕の一方の側面もしくは両側面のいずれかより選択される少なくとも1箇所に配置されるよう構成されている少なくとも1個のパッド部を具えることができる。
【0049】
この特徴は、演奏中に装置のユーザが享受する快適度が向上するという利点を有する。
【0050】
好ましくは、支持部材に対するパッド部材の位置は、垂直面および/または水平面で調整することができる。
【0051】
好ましくは、支持部材は、軸線、好ましくは実質的に垂直軸線の回りを回転可能である。
【0052】
装置は2個の支持部材を具えることができる。装置は2個より多い支持部材を具えることができる。
【0053】
2個の支持部材を有するいくつかの実施態様において、2個の支持部材は、一方の支持部材のスライド部材に沿ったスライド動作が、他方の支持部材のスライド部材に沿ったスライド動作をもたらすよう、互いに連結していることができる。支持部材は互いに弾性的に連結していることができる。好ましくは、支持部材は互いに剛体的に連結している。
【0054】
装置は、ユーザの対応する腕を支持部材上に載置している際、ユーザの手を支持するよう構成されたハンドレスト部材をさらに具えることができる。
【0055】
これは、模範的方法の形状に手を維持しながら鍵盤を演奏するようユーザに促すことができるという利点を有する。
【0056】
好ましくは、ハンドレスト部材は支持部材と接続している。
【0057】
好ましくは、ハンドレスト部材は支持部材と取り外し可能に接続しており、より好ましくは、迅速解除機構によって接続している。
【0058】
ここでいう迅速解除機構には、スナップロック機構、ラッチ機構または他の任意の適した迅速解除機構を含む。
【0059】
これにより、ハンドレスト部材を使わずに装置を使用するのが望ましい場合に、ハンドレスト部材の取り外しが可能となる。さらに、ハンドレスト部材は、異なる形状サイズを有するハンドレスト部材によって代替することができる。
【0060】
好ましくは、ハンドレスト部材は、ブーム要素であってその第1端において前記支持部材に接続しているブーム要素と、ブーム要素の第2端においてサポート要素と接続しているパッド部材であって、ユーザの手と接触することにより手を支持するよう構成されているパッド部材とを具える。
【0061】
好ましくは、パッド部材は、ユーザの掌を支持するよう成形かつ構成されている。
【0062】
これにより、快適且つ便利なユーザの手のサポートを提供する。
【0063】
本発明の第一の態様に従う装置は、支持部材に連結したユーザの前腕の手首が、スライド部材に対して平行な垂直面にて略円形または楕円形並進運動を描くのを可能にするよう構成された回転装置をさらに具える。
【0064】
好ましくは、回転装置は、さらに前記支持部材を円形または楕円形並進運動の一周期にわたって略直立方向に保持するよう構成されている。
【0065】
回転装置は平行リンク機構を具えることができる。
【0066】
好ましくは、平行リンク機構のうち少なくとも1個は回転可能なディスク要素の形態で提供されている。
【0067】
好ましくは、平行リンク機構の略平行な一対のリンクは対応する一対の互いに離間した回転可能なディスク要素によって提供されており、ディスク要素は互いに平行な軸線の回りを回転可能となるよう構成されている。
【0068】
好ましくは、ディスク要素は搬送部材と回転可能に連結している。
【0069】
代替的に、ディスク要素は旋回部材と回転可能に連結しており、旋回部材は搬送部材に対して、正常使用のために配向された装置の略垂直軸線の回りを回転可能となるよう構成されている。
【0070】
好ましくは、支持部材にはストラップ部材が設けられ、ストラップ部材は、ユーザの腕を支持部材に固定し、これによりユーザの腕が前記支持部材から不用意に脱落することを防ぐよう構成されている。
【0071】
本発明の第三の態様において、
鍵盤楽器に対し並列位置にある装置を支持するための手段と、
通常演奏の間の方向に実質的に対応する方向で鍵盤に対し手を並列位置にして、鍵盤の前に座っているユーザの手を支持するよう構成された支持部材であって、基部部材とレスト部を有する支持部材とを具える鍵盤練習装置であって、
レスト部はユーザの手の少なくとも一部に当接するよう構成されており、レスト部は基部部材に移動可能に連結しており、これによりレスト部が基部に対して並進運動および回転運動を描くのを可能にする装置を提供する。
【0072】
この装置は、垂直面内で対応する円形または楕円形並進運動を描くよう、ユーザが手首を鍵盤に対して移動させるのを可能にするという利点を有する。これは、正確な鍵盤技術の習得においてユーザを補助するのに役立つ。
【0073】
好ましくは、支持部材の方向は垂直面に対して調整可能である。
【0074】
好ましくは、垂直面に対する基部部材の方向は調整可能である。
【0075】
好ましくは、基部部材は、鍵盤の前縁に対して実質的に平行である軸線の回りを旋回することができる。
【0076】
好ましくは、装置は、レスト部が実質的に閉止した経路を描くことを可能にするよう作動可能である。
【0077】
より好ましくは、装置は、レスト部が実質的に湾曲した経路を描くことを可能にするよう作動可能である。
【0078】
この経路は、円、ひずみ円、楕円、ひずみ楕円、または他の任意の経路であることができる。この経路は、少なくとも実質的な直線部を含むことができる。
【0079】
レスト部は、基部部材に対して固定された軸線の回りを回転可能な回転部材であって、回転部材はこれに連結したパッド部材を有し、パッド部材はユーザの手に当接するよう構成されており、パッド部材は基部に対し並進および円形運動を描くよう構成されている。
【0080】
レスト部は、回転軸を有するスピンドルと、回転軸の正常な方向への前記回転軸から変位した位置にある前記スピンドルに連結したパッド部材とを具える。
【0081】
回転部材が回りを回転可能な前記軸は、好ましくは前記鍵盤の前端に対して平行な軸線の回りに傾斜可能である。
【0082】
好ましくは、基部部材はドーム部を具える。
【0083】
好ましくは、レスト部は基部部材のドーム部に対してスライド可能に移動可能なレスト部材を具える。
【0084】
レスト部材はドーム部に対してスライド可能に移動可能であり、これにより基部部材のドーム部の回りに上下左右の動作を実行する。レスト部材は、さらに基部部材のドーム部に対してヨー動作を実行するよう移動可能である。
【0085】
好ましくは、レスト部材は、基部部材のドーム部を覆いつつ接触しながらスライド可能に移動可能である。
【0086】
レスト部材は、リム部を有するスカート部を有する逆カップ状部材を具え、リム部は基部部材のドーム部を覆いつつ接触しながらスライド可能に移動可能となるよう構成されている。
【0087】
レスト部材は基部部材と連結していることができる。
【0088】
レスト部材は基部部材と弾性的に連結していることができる。
【0089】
レスト部材は基部部材と磁性的に連結している。
【0090】
好ましくは、レスト部材は、ユーザの掌と当接するよう構成されたドーム部を具える。
【0091】
装置は、好ましくは、スライド部材と、スライド部材にスライド可能に連結している支持部材と、支持部材をスライド部材の長さの一部に沿ってスライドさせることにより、ユーザが鍵盤の長さに沿って手を移動させるのを可能にするよう操作可能である。
【0092】
好ましくは、装置は、ユーザの前腕が鍵盤の前縁から略一定の距離を維持するよう、支持部材をスライド部材に沿って実質的に直線の経路で相互にスライド可能となるよう構成可能である。
【0093】
この特徴は、ユーザの親指も実質的に直線の経路で鍵盤の前縁から実質的に一定の距離で移動するように制約可能であるという利点を有する。
【0094】
より好ましくは、装置は、支持部材がスライド部材に沿って鍵盤に対して実質的に一定の垂直高さで相互にスライド可能となるよう構成可能である。
【0095】
好ましくは、装置は、支持部材がスライド部材に沿って略湾曲した経路で相互にスライド可能となるよう構成可能である。
【0096】
装置は、さらに、支持部材がスライド部材に沿って鍵盤の前縁から実質的に一定の横方向距離で相互にスライド可能となるよう構成可能である。
【0097】
好ましくは、支持部材はスライド部材に取り外し可能に取り付けることが可能である。
【0098】
好ましくは、支持部材を迅速解除機構によってスライド部材に取り外し可能に取り付けることが可能である。
【0099】
好ましくは、支持部材をスライド部材に沿ってスライド可能な搬送部材によってスライド部材に取り付けることが可能である。
【0100】
好ましくは、支持部材を搬送部材に取り外し可能に取り付けることが可能である。
【0101】
支持部材を迅速解除機構によって搬送部材に取り外し可能に取り付けることが可能である。
【0102】
スライド部材は少なくとも1個のトラック部材を具え、搬送部材はトラック部材に連結するよう構成されている。
【0103】
支持部材は、装置が鍵盤楽器に取り付けられることを可能にするよう構成されており、これにより鍵盤と並列位置にあるスライド部材を支持する。
【0104】
好ましくは、支持部材は装置が楽器に取り外し可能に取り付けられることを可能にするよう構成されている。
【0105】
支持部材は少なくとも1個の脚部材を具え、装置は鍵盤楽器に立てかけるよう配置され、これにより装置が実質的に直立方向に支持される。
【0106】
サポート手段は装置が自立構成で配置されることを可能にするよう構成されている。
【0107】
装置は、好ましくは、スライド部材の鍵盤からの側方距離が調整可能となるよう構成されている。
【0108】
スライド部材の鍵盤からの側方距離はねじ機構によって調整可能である。
【0109】
鍵盤に対するスライド部材の垂直高さは、好ましくはねじ機構によって、調整可能である。
【0110】
支持部材は、スライド部材に対して、軸線、好ましくは垂直軸線の回りを回転可能となるよう構成されている。
【0111】
支持部材は、好ましくは、スライド部材から実質的に固定距離で離間している支持部材を保持するよう構成されたアーム部材によってスライド部材にスライド可能に連結している。
【0112】
アーム部材は、好ましくは、スライド部材から離間して突出するよう構成されている。
【0113】
好ましくは、アーム部材は、実質的にはスライド部材に垂直な方向に、スライド部材から離間して突出するよう構成されている。
【0114】
アーム部材は、装置を使用中のユーザから離間した方向に、スライド部材から離間して突出するよう構成されていることができる。
【0115】
好ましくは、レスト部はユーザの手により移動可能であり、これにより前記の実質的に並進および円形運動を描く。
【0116】
代替的または追加的に、レスト部はモーターにより移動可能であり、これにより前記の実質的に並進および円形運動を描く。
【0117】
好ましくは、レスト部を実質的に並進および円形運動の所定の経路に誘導するためのガイド手段が設けられている。
【0118】
好ましくは、レスト部を移動させるために必要な力量は調整可能である。
【0119】
本発明の第4の態様において、先行する請求項のいずれか一項に記載の装置を具える楽器を提供する。
【0120】
好ましくは、少なくともスライド部材が、不要時に収納されるよう構成可能である。
【0121】
好ましくは、スライド部材が、楽器の内部、下部または上部に格納されることにより収納可能である。
【0122】
代替的または追加的に、スライド部材が、楽器の内部、下部または上部に折り畳まれることにより収納可能である。
【0123】
好ましくは、実質的に装置全体が収納可能である。
【0124】
代替的または追加的に、装置が楽器と一体化して設けられていることができる。
【0125】
これより本発明の実施態様を、添付の図を参照しながら説明する。
【図面の簡単な説明】
【0126】
【図1】本発明の第1の実施態様の鍵盤練習装置の概略図である。
【図2】第1の実施態様の支持部材の説明図である。
【図3】第1の実施態様の支持部材のさらなる説明図である。
【図4】第1の実施態様の支持部材の説明図である。
【図5】ユーザの腕が鍵盤の下端に位置した状態の、装置の平面概略図である。
【図6】ユーザの腕が鍵盤に位置し、腕が鍵盤に対し略直角である状態の、装置の平面概略図である。
【図7】ユーザの腕が鍵盤の上端に位置した状態の、装置の平面概略図である。
【図8】ユーザの腕が上昇位置にある状態の、装置の平面概略図である。
【図9】クランプ機構の斜視図である。
【図10】図9のクランプ機構のさらなる説明図である。
【図11】本発明のさらなる実施態様に従う装置を示す。
【図12】本発明のさらなる実施態様に従う装置を示す。
【図13】回転装置を有する、本発明のさらなる実施態様に従う装置を示す。
【図14】回転装置を有する、本発明のさらなる実施態様に従う装置を示す。
【図15】鍵盤楽器に立てかけるよう配置され、これにより実質的に直立方向に支持されるよう構成された、本発明のさらなる実施態様に従う装置を示す。
【図16】鍵盤楽器に立てかけるよう配置され、これにより実質的に直立方向に支持されるよう構成された、本発明のさらなる実施態様に従う装置を示す。
【図17】鍵盤楽器に立てかけるよう配置され、これにより実質的に直立方向に支持されるよう構成された、本発明のさらなる実施態様に従う装置を示す。
【図18】鍵盤楽器に立てかけるよう配置され、これにより実質的に直立方向に支持されるよう構成された、本発明のさらなる実施態様に従う装置を示す。
【図19】図15〜18の装置の支持部材を示す。
【図20】図15〜18の装置の支持部材を示す。
【図21】図15〜18の装置の支持部材を示す。
【図22】図15〜18の装置の支持部材を示す。
【図23】折り畳み構造における、図15〜18のいずれか1個の装置を示す。
【図24】本発明のさらなる実施態様に従う装置を示す。
【図25】(a)ハンドレスト部が中央またはニュートラル位置にある状態の側面図と、(b)手が傾斜位置にある状態の側面図と、(c)ハンドレスト部が中央またはニュートラル位置にある状態の断面図と、(d)手が傾斜位置にある状態の断面図とを示す、図24の実施態様の支持部材を示す。
【図26】本発明のさらなる実施態様に従う装置を示す。
【図27】図15の実施態様に従う装置を使用中の演奏者を示す。
【図28】(a)補助なしで不正確な技術を用いて演奏中の演奏者、および(b)図15の実施態様の装置を使用して正しい技術を用いて演奏する演奏者を示す。
【発明を実施するための形態】
【0127】
本発明の第1の実施態様において、全体として図1の100に示す鍵盤練習装置を提供する。
【0128】
装置100には、レールの形態のスライド部材110が設けられている。また、装置には、レールにスライド可能に連結され、これに沿って移動可能な支持部材130が設けられている。支持部材には、装置を使用する人の前腕を支持するよう配置されたクッション付きのU字状レスト部材が設けられている。
【0129】
支持部材130は、装置の使用方向に関して略垂直な軸の回りを回転可能である。
【0130】
装置は、スライド部材の各端にクランプ機構120を有する。クランプ機構120は、スライド部材110を鍵盤楽器190に取り付けることができるように配置される。クランプ機構は、楽器の一部及びスライド部材110の一端を把持し、これによってスライド部材を、楽器190の鍵盤192から固定された距離に支持できるように構成される。
【0131】
支持部材130には、スライド部材110に接触し、これに沿ってスライド可能な搬送部材132が設けられている。旋回要素134は、支持部材110のレスト部材6を搬送部材132に接続する。
【0132】
レスト部材136は、装置のユーザの前腕180の外面の大きさに略対応する大きさである(例えば図4参照)。
【0133】
レスト部材136は、レスト部材に前腕180を載せたユーザが、単に前腕を前後に動かすだけで、スライド部材110に沿って支持部材130を前後に快適に動かすことができるように構成される。レスト部材130の立上り部は、前腕をレスト部材136に対して大きく動かす必要なしに、前腕で圧力を加えることのできる面を提供する。しかし、レスト部材136は、演奏中に前腕の筋肉の能力を過剰に妨げることのない形状である。
【0134】
図5〜7は、鍵盤192に対する演奏者の前腕180の3つの異なる位置を示す。前腕の3つの位置は、スライド部材110に対する支持部材130の3つの異なる回転位置にそれぞれ対応する。
【0135】
図5において、支持部材130は、ピアノの鍵盤192の下位位置、すなわち鍵盤192の中心より左側の位置に配置された状態で示されている。ユーザは鍵盤に対して実質的に中心に座っているので、ユーザの右前腕(図5では180として示されている)は、ユーザの前方で交差し、支持部材130の長手軸線をスライド部材110に対して角度θの方向に向ける。図5に示した例では、角度θは90°未満である。
【0136】
図6は、ユーザの腕がスライド部材110に対して略直角に向いた(すなわちθ≒90°)状態での、支持部材130の方向を示す。図6に示した例では、ユーザの体は、「中心C」に対応するキーに略対向して位置し、ユーザの手は、中心Cの概ね1オクターブ上の音階を演奏する位置にある。
【0137】
しかし、鍵盤の長手に沿った任意の位置に座ったユーザが装置を使用することができることは理解されるであろう。
【0138】
図7は、鍵盤192の上位位置、すなわちピアノ鍵盤の中心より右側の位置にあるレスト部材136の方向を示す。支持部材130の長手軸線は、スライド部材110に対して90°超の角度θとなる。
【0139】
本発明の第1実施態様の装置は、ユーザの手及び前腕の動きの自由度を顕著に高める。図8において、ユーザが、演奏中に、手を自由に上げることができることが分かる。
【0140】
クランプ機構120の構造を図9により明確に示す。クランプ機構120は、支持アーム128によりスライド部材110に連結されたGクランプ部122を有する。Gクランプ部材122は、回転可能なハンドル124により操作される第1把持部材123を有する。クランプ機構120の第1把持部材123は、ハンドル124の回転により動作し、鍵盤楽器の一部を、第1把持部材123と、Gクランプ部の、第1把持部材123と反対側の端にある第2把持部材125との間に挟む。
【0141】
また、第1把持部材123と第2把持部材125との間の距離を、第2把持部材125を第1把持部材123に近づけたり遠ざけたりすることにより変えることもできる。この特徴により、第1実施態様のスライド部材110の垂直位置を調整することができる。したがって、クランプ機構120により、スライド部材110の位置を調整して、鍵盤楽器の種々の形状に適合させることができる。
【0142】
支持アーム128を、フック部材140を用いてスライド部材110に接続する。フック部材140は、スライド部材110の下方に引っ掛かり、スライド部材110を支持アーム128に付勢するよう構成される。フック部材1140は、支持アーム128を貫通するねじ部(図示せず)を有する。相補的なねじ孔を有するハンドル142は、フック部材140のねじ部に取り付けられ、対応する方向にハンドルが回された際にスライド部材110を支持アーム128に付勢するよう操作可能である。
【0143】
各クランプ機構120のフック部材140は、支持アーム128の両側から支持アーム128を把持するよう操作可能である。
【0144】
フック部材の特徴により、装置の2つのクランプ機構120のそれぞれの各支持アーム128間の距離を変えることができる。各支持アーム128の間の距離は、フック部材140が配置される支持アーム128の側に決まるであろう。
【0145】
支持アーム128の、支持アーム128が把持される側を変えるために、ハンドル142を緩め、フックを180°の角度で回転させる。
【0146】
本発明のいくつかの実施態様では、異なる型のクランプ機構を用いる。本発明のいくつかの実施態様では、自立するように支持部材110を支持するよう装置が配置される。すなわち、スライド部材110を鍵盤192に並列に配置するために、装置を鍵盤楽器190に取り付ける必要がない。
【0147】
多様な異なるクランプ機構を本発明の種々の実施態様に用いることができることは理解されよう。異なるクランプ機構を、アップライトピアノ、グランドピアノ等の、装置を用いる楽器の形状に応じて、提供することができる。いくつかの実施態様において、クランプ機構はアップライトピアノまたはグランドピアノに好適である。本発明の実施態様は電子ピアノに使用可能である。本発明の実施態様は1つ以上の鍵盤を有するオルガンに使用可能である。
【0148】
第2の実施態様の装置には、図11に示すとおり、ハンドレスト200が設けられている。第2の実施態様において、ハンドレスト200は略剛体連結によって支持部材130に取り外し可能に連結している。このように、ハンドレスト200は支持部材130に連結しているため、支持部材130が移動すると、並進または回転のいずれかによって、ハンドレスト200も対応する方法で移動する。
【0149】
第2の実施態様において、ハンドレストは、直接支持部材130に連結し、且つそこから支持部材130の縦軸139に沿って突出しているブーム部材210によって支持部材130に連結している。ハンドレスト部材200のプラットフォーム部材220には、プラットフォーム部材220のリヤ部221から離れて突出するシャフト部材222が設けられている。シャフト部材222は、カラー部材212によって、支持部材130遠位のブーム部材210の一端に連結し、シャフト部材222はカラー内部でスライド可能であり、ねじ固定によって必要な位置に固定されるよう配列されている。
【0150】
ブーム部材210は、支持部材130に剛体連結しているシース部材214内部でスライド可能である。このように、プラットフォーム部材220と支持部材130との間の距離はブームを支持部材130に向かう方向あるいは離れる方法へとスライドさせることにより調整可能である。ブーム部材210はさらなるねじ固定によって必要な位置に固定することができる。
【0151】
プラットフォーム部材220の位置は、個々のユーザの体格に合わせるため水平および垂直方向の両方において調整可能である。
【0152】
本発明のいくつかの実施態様において、カラー部材212に対するシャフト部材222の位置および/またはシース部材214に対するブーム部材210の位置の調整は、ねじ固定具、スナップ式固定具または他の任意の適切な固定具等の迅速解除固定具を含む種々の異なる手段によって、ならびに/またはシャフト部材222および/もしくはブーム部材210にねじ付面を設け、それぞれカラー部材および/もしくはシース部材内に対応するねじ孔を設けることによって、行うことができる。いくつかの実施態様において、ハンドレストの位置を支持部材130に対して恒久的に固定する。いくつかの実施態様において、ハンドレスト200を支持部材130に恒久的に固定する。
【0153】
図13に示す本発明のさらなる実施態様において、支持部材130は、搬送部材132に対して、レスト部材の長手軸線139に平行な軸線の回りを円形運動または楕円運動するよう操作可能である。円形運動は、演奏者が鍵盤楽器を演奏する間の模範的な手首の動きを練習する際に特に役立つ。
【0154】
図13の実施態様において、支持部材130には、旋回プレート240に接続されたリンク部材210が設けられ、この旋回プレート240は旋回要素245により搬送部材132に回転可能に連結される。リンク部材210は、一対の回転可能なディスク要素220により旋回プレート240に連結される。ディスク要素220は、旋回プレート240に固定され、搬送部材132に対して離間した関係である。ディスク要素220の回転軸線222は、支持部材130の長手軸線139に略垂直に配置される。リンク部材210はディスク要素220のそれぞれに回転可能に連結されることは理解されよう。
【0155】
リンク部材210は、ディスク要素220のそれぞれの対応する半径方向位置とは反対側でリンク部材210のそれぞれの端部に連結される。
【0156】
本発明のいくつかの実施態様において、2つ以上のディスク要素が、それぞれの回転軸線222に沿って設けられており、支持部材130のさらなる支持を提供する。
【0157】
支持部材130には、演奏者の腕全体に適合し、それによって演奏者の腕をレスト部材に固定するよう配置されたストラップ要素230が設けられる。
【0158】
演奏者の腕が支持部材130に固定されるので、装置は、演奏者が腕を動かして略円形の動作をしようとすると、腕が所定の円形運動を行うように演奏者を補助するように動作可能である。
【0159】
本発明のいくつかの実施態様において、装置300は、机等の表面に配置するのに好適な基部340(図14)に対して円形運動するよう構成された支持部材330を有する。このような装置は、ユーザがキーボードなしに腕の回転運動の練習を繰り返すことを可能とするように動作可能である。
【0160】
図13の実施態様の場合のように、装置は、回転軸線322の回りを回転可能な一対の円形ディスク要素320を有しており、これらディスク要素は、軸線322が基部340に対して離間するように配置される。リンク部材310が、それぞれのディスク要素230の対応する半径方向位置とは反対側の一対の端部のそれぞれに、回転可能に接続される。
【0161】
使用時には、ユーザは、一方の腕をストラップ部材230により支持部材330に連結し、これによって、ユーザは、模範的な鍵盤技術に関連付けられた、必要とされる、所定の回転運動の練習を楽しむことができる。
【0162】
装置330には、第2実施態様のところで説明したようなハンドレストが設けられる。
【0163】
さらに、図13の実施態様による装置は、第1および第2の実施態様のものと交換可能な部品から形成できることは理解されよう。
【0164】
いくつかの実施態様において、第1実施態様の支持部材を取り付けることのできる基部340が設けられる。本発明の実施態様による装置の部品を広範に組み合わせることができることは理解されよう。
【0165】
本発明のいくつかの実施態様において、一対のレスト部材を設け、ユーザの両腕を同時に練習することができることは理解されよう。いくつかの実施態様において、一対の列と部材を共通の基部に設ける。
【0166】
図15〜18は、図1の実施態様のように鍵盤に取り付けてこれを支持する代わりに、鍵盤に立てかけることにより鍵盤を支持するよう配置された、本発明の実施態様を示す。
【0167】
装置400はスライド部材410を有し、スライド部材410はその両端を一対の脚部401により支持される。また、アーム402がスライド部材410の両端に設けられており、アーム402は、ピアノの譜面台(candleboard)等の鍵盤楽器の一部に載置されるよう配置される。いくつかの実施態様において、バッファ部材403をアーム402の下側に設けて、鍵盤楽器の損傷を防ぐ。いくつかの実施態様において、吸着カップをアーム402の下側に設けて、装置400を鍵盤楽器に連結可能とし、アーム402と楽器との間の望ましくない動きを防止する。
【0168】
図15の実施態様において、楽器の鍵盤の前端からスライド部材410までの距離は、各アーム402に設けた回転ハンドル406(図16)により調整することができる。ハンドル406は、通常の使用時には、ピストン405を略水平な方向でスライド部材410に近づけたり遠ざけたりするように動作可能である。ピストン405は、楽器の鍵盤の前端に当接するように配置されており、これによって装置を楽器に対して支持する。
【0169】
搬送部材432が、スライド部材410の軌道に沿ってスライド可能に配置されている(例えば図21、22を参照)。
【0170】
支持部材430(図19〜22)は、例えば接着剤により、または1つ以上の機械的固定具により連結された剛性基部431およびパッド部材431Aを有する。パッド部材431は、ユーザの前腕が例えば摩擦によりパッド部材431Aを捉えることができるように配置される。また、ストラップ部材を設けて、前腕を支持部材430に連結することもできる。
【0171】
いくつかの実施態様において、装置400は、保管または輸送のために、比較的平坦な構造へと折り畳まれるよう構成される。図23は、適当なケースまたは「フラットパック」容器に収納されるのに適した平坦な構造へと折り畳まれた図15の実施態様を示す。
【0172】
図27は、本発明の実施態様による装置を用いて音階を上げて演奏した際の、ユーザの手と前腕の位置を示す。図では、ユーザの前腕498は、鍵盤401の前端401Eに実質的に垂直であり、支持部材430に載置して見える。親指と4本の指がそれぞれ鍵盤401に置かれた方向で、手499が図示されている。
【0173】
図27(a)に示された位置から図27(b)に示された位置まで、ユーザが前腕498を体から離れるように動かすと、支持部材430はスライド部材410に沿って動かされる。しかし、ユーザは、図27(b)に示すように、鍵盤401の前端401Eに実質的に垂直に前腕を維持することができる。
【0174】
図28(a)は、本発明の実施態様の装置を用いていない鍵盤演奏者を示す。固定されていない前腕は、鍵盤の前端401Eに対して鋭角である。鍵盤に届かせるために親指を伸ばす必要があるので、この位置では、鍵盤の演奏は少なくとも部分的により難しくなる。実際、このような位置では、親指を鍵盤に届かせることができないかもしれない。
【0175】
図28(b)は、図1〜15の実施態様に従う装置を用いた同一の演奏者を示しており、鍵盤の前端401Eから前腕までの距離は実質的に固定されているので、ユーザが鍵盤401の前端に実質的に垂直な方向に前腕を維持することがより簡単となる。
【0176】
図24は、装置500が、図15および16の実施態様と同じように、鍵盤501と並列に支持されるよう配置されたスライド部材510を有する、本発明の一実施態様を示す。図24の装置500は、支持部材430に替えて搬送部材532に連結された支持アーム560を有するという点を除いて、図15のものと同様である。
【0177】
支持アーム560は、ハンドレスト装置570を鍵盤の前端に並列な位置で支持するよう配置される。
【0178】
ハンドレスト装置570は、ハンドレストパッド部材580を支持するよう配置されたハンドレスト基部部材571を有する。ハンドレストベース部材571は、ドーム面572を有する。いくつかの実施態様において、ドーム面572は、実質的に球の一部の形状である。いくつかの実施態様において、ドーム面572は、実質的に変形した球の一部の形状である。
【0179】
ハンドレストパッド部材580は、逆カップ状部材582(図25)の形状であり、逆カップ状部材582は、その回りに設けられた実質的に円筒形のスカート部583を有し、スカート部583は、逆カップ状部材582とドーム面572との間の接触面を画定するリム584を有する。また、実質的に剛体の連結要素を含む他の連結要素も有用である。これに替えて、またはこれに加えて、磁気連結を用いることもできる。
【0180】
ハンドレスト装置を、使用時には図24に実質的に示すように向くように構成し、ユーザが、掌または手の下側の他の部分あるいは手首をハンドレストパッド部材580上に置き、カップ状部材582をドーム面上に動かすことを理解すべきである。図24の実施態様は、ドーム面上でのカップ状部材582の動きを実質的に任意の方向にすることができる。したがって、ドーム面に対するカップ状部材582のヨー、ピッチまたはロール動作を行うことができる。
【0181】
有利には、カップ状部材582が、ドーム面572の上で実質的に円形または楕円形の経路を描くように構成する。この動きを、ユーザの手首が、鍵盤の前端に平行な実質的に垂直面内で実質的に円形または楕円形の動きを描くように行うことができる。このような動きは、ユーザの鍵盤技術の一部としての柔軟な手首の開発および維持に有用である。
【0182】
いくつかの実施態様において、ハンドレストパッド部材580に、図24および25に示すような粗面586を設け、ユーザがパッド部材580を捉えやすくする。粗面を、カップ状部材582に対して、例えばカップ状部材582の円筒軸線の回りに回転可能な部材上に設けることができる。
【0183】
装置の使用中にユーザが汗ばみ、ユーザの手の下側がパッド部材580の上で滑る可能性があるので、粗面の特徴は有用たり得る。
【0184】
図24の実施態様において、ハンドレスト基部部材571は、装置500の支持アーム560にヒンジ連結されるよう配置される。ハンドレスト基部部材571は、鍵盤の前端に平行に配置されており、通常の使用に構成された装置に実質的に水平な軸線570Aの回りに旋回可能であり、指ねじ機構590を用いてユーザの必要に応じて垂直面に対する角度の範囲の一つで固定される。これにより、ねじを締めて、ハンドレスト基部部材571を所要の角度に固定することができる。いくつかの実施態様において、支持アーム560に対する基部部材571の角度を指数化する。典型的には、基部部材571の角度を垂直面に対して実質的に45°とすることが、通常の使用時には好ましい。他の角度、例えば実質的に40〜50°、30〜60°または20〜80°の範囲も有用である。
【0185】
いくつかの実施態様において、ハンドレスト基部部材571および/または支持アーム560は、装置の取り付けられる楽器の一部に対して立てかけられるよう配置される。このことは、サポートアーム560の機械的変形の合計を減らすことができるという点で有利である。他の構成も有用である。
【0186】
図15〜24の実施態様は、図15の実施形態の支持部材430が図24の実施形態の支持アーム560およびハンドレスト装置570の代わりとなることを理解すべきである。すなわち、部品は相互に交換可能であるので、一実施形態から他の実施形態に装置を変更可能である。同様の交換可能性を、図26の実施態様(以下で説明する)の支持アーム660にも施すことができる。
【0187】
図26は、本発明の一実施態様に従う装置600を示しており、図15および24の実施態様と同様のトラック部材611を有するスライド部材610が鍵盤601の前端に平行に支持されている。装置600は、スライド部材610および図15および図24の実施態様と同様の支持アーム部材660に沿って往復スライド可能な搬送部材632を有する。
【0188】
ハンドレスト装置670は、図15および24の実施態様の場合と同様に、通常の使用の向きでは、実質的に水平な軸線670Aの回りを旋回可能な基部部材671を有する。すなわち、基部部材671は、装置を通常の使用時に配置すると、鍵盤の前端に平行に配置される水平軸線670Aの回りで旋回可能である。基部部材671は、指ねじ機構690を用いて、ユーザの必要に応じて、垂直面に対する角度の範囲の一つで固定することができ、ねじを締めて、ハンドレスト基部部材671を所要の角度に固定することができる。
【0189】
ハンドレスト装置670には、基部部材671に回転可能に連結されたスピンドル部材685が設けられている。スピンドル部材685は、曲がり部686と、スピンドル部材685の自由端に設けられたハンドレストパッド部材680を有する。スピンドル部材の回転によって、パッド部材680が、スピンドル部材685の曲がり部686の存在により、平面内での回転並進運動を描くようになることを理解すべきである。したがって、パッド部材680は、スピンドル部材685の回転軸線から、スピンドル部材685の回転軸線に実質的に垂直な方向に移動した位置で支持される。
【0190】
図26の実施態様では、ユーザの手が、図24および25の実施態様では可能であった種々の動きと同一の範囲を描くことはできない。図24および25の装置は、本発明の好適な実施態様である。
【0191】
本明細書の詳細な説明および特許請求の範囲を通して、「含む」および「具える」ならびに例えば「含んだ」および「具えた」等の活用語は、「を含むがこれに限定されない」の意であり、他の部分、不可物、部品、整数またはステップを除外することを意図するものではない(かつ、除外するものではない)。
【0192】
本明細書の詳細な説明および特許請求の範囲を通して、単数で表していても、文脈上必要がない限りは、複数も含むものである。特に、不定冠詞が用いられている場合には、文脈上必要がない限りは、複数および単数を意図するものと理解すべきである。本発明の具体的形態、実施態様または実施例との関係で説明した特性、整数、特徴、化合物、化学部または基は、両立しないのでなければ、ここで説明した任意の他の形態、実施態様または実施例に適用可能であることを理解すべきである。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
スライド部材と、
ユーザの腕を支持するよう構成された支持部材であって、前記スライド部材にスライド可能に連結した支持部材と、
楽器の鍵盤に対し並列位置にある前記スライド部材を支持するための手段とを具える鍵盤練習装置であって、
前記支持部材を前記スライド部材の全長の一部に沿ってスライドさせることにより、前腕を前記支持部材上に載置した状態で座っている鍵盤楽器の演奏者に、鍵盤の全長に沿って前腕を移動させることを可能にするよう作動可能な装置。
【請求項2】
前記ユーザの前腕が鍵盤の前縁から略一定の距離を維持するよう、前記支持部材を前記スライド部材に沿って実質的に直線の経路で相互にスライド可能となるよう構成可能な、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記支持部材が前記スライド部材に沿って鍵盤に対して実質的に一定の垂直高さで相互にスライド可能となるよう構成可能な、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記支持部材を前記スライド部材に沿って略湾曲した経路で相互にスライド可能となるよう構成可能な、請求項1〜3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記支持部材を前記スライド部材に沿って鍵盤の前縁から実質的に一定の側方距離で相互にスライド可能となるよう構成可能な、請求項1〜4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記支持部材は前記スライド部材に取り外し可能に取り付けられていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記支持部材は迅速解除機構によって前記スライド部材に取り外し可能に取り付けられていることを特徴とする、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記支持部材は前記スライド部材に沿ってスライド可能な搬送部材によって前記スライド部材に取り付けられていることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記支持部材は前記搬送部材に取り外し可能に取り付けられていることを特徴とする、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記支持部材は迅速解除機構によって前記搬送部材に取り外し可能に取り付けられていることを特徴とする、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記スライド部材は少なくとも1個のトラック部材を具え、前記搬送部材は前記トラック部材に連結するよう構成されていることを特徴とする、請求項8〜10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記支持部材は、前記装置が鍵盤楽器に取り付けられることを可能にするよう構成されており、これにより前記鍵盤と並列位置にある前記スライド部材を支持することを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記支持部材は前記装置が前記楽器に取り外し可能に取り付けられることを可能にするよう構成されていることを特徴とする、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
鍵盤楽器に立てかけるよう配置され、これにより実質的に直立方向に支持されることを特徴とする、請求項1〜13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
前記サポート手段は前記装置が自立構成で配置されることを可能にするよう構成されていることを特徴とする、請求項1〜14のいずれか一項に記載の装置。
【請求項16】
前記スライド部材の鍵盤からの側方距離は調整可能であることを特徴とする、請求項12〜15のいずれか一項に記載の装置。
【請求項17】
前記スライド部材の鍵盤からの側方距離はねじ機構によって調整可能であることを特徴とする、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記鍵盤に対する前記スライド部材の垂直高さは、好ましくはねじ機構によって、調整可能であることを特徴とする、請求項12〜17のいずれか一項に記載の装置。
【請求項19】
鍵盤楽器の演奏者の上達を補助するのに適した鍵盤練習装置であって、
基部部材と、
通常演奏の間の方向に実質的に対応する方向に腕を向けてユーザが座っている際に、ユーザの前腕を支持するための手段を有する支持部材と、
回転装置であって、前記支持部材に連結したユーザの前腕の手首が、垂直面内で略円形または楕円形の並進運動を描くのを可能にするよう構成された回転装置を具える装置。
【請求項20】
さらに前記支持部材を円形または楕円形並進運動の一周期にわたって略直立方向に保持するよう構成された請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記回転装置は平行リンク機構を具えることを特徴とする、請求項19または20に記載の装置。
【請求項22】
前記平行リンク機構のうち少なくとも1個のリンクは回転可能なディスク要素の形態で提供されていることを特徴とする、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記平行リンク機構の略平行な一対のリンクは、対応する一対の互いに離間した回転可能なディスク要素によって提供されており、前記ディスク要素は互いに平行な軸線の回りを回転可能となるよう構成されていることを特徴とする、請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記ディスク要素は前記基部部材と回転可能に連結していることを特徴とする、請求項23に記載の装置。
【請求項25】
前記ディスク要素は旋回部材と回転可能に連結しており、前記旋回部材は前記基部部材に対して、正常使用のために配向された前記装置の略垂直軸線の回りを回転可能となるよう構成されていることを特徴とする、請求項23に記載の装置。
【請求項26】
前記支持部材は、前記ユーザの腕用の快適なレストを提供するよう構成された略U字型部材の形態であることを特徴とする、請求項1〜25のいずれか一項に記載の装置。
【請求項27】
前記支持部材は、前記ユーザの腕の下または前記ユーザの腕の一方の側面もしくは両側面のいずれかより選択される少なくとも1箇所に配置されるよう構成されている少なくとも1個のパッド部を具えることを特徴とする、請求項26に記載の装置。
【請求項28】
前記支持部材は、前記スライド部材に対して、軸線、好ましくは実質的に垂直軸線の回りを回転可能となるよう構成されていることを特徴とする、請求項1〜27のいずれか一項に記載の装置。
【請求項29】
複数の支持部材を具える、請求項1〜28のいずれか一項に記載の装置。
【請求項30】
一方の支持部材の前記スライド部材に沿ったスライド動作が、他方の支持部材の前記スライド部材に沿ったスライド動作をもたらすよう、互いに連結した2個の支持部材を有する、請求項29に記載の装置。
【請求項31】
前記支持部材2個が互いに弾性的に連結していることを特徴とする、請求項30に記載の装置。
【請求項32】
前記支持部材は互いに剛体的に連結していることを特徴とする、請求項30または31に記載の装置。
【請求項33】
前記支持部材がユーザの必要に応じて部材間においてそれぞれ異なる距離を有しながら互いに連結するのを可能にするよう構成された請求項30〜32のいずれか一項に記載の装置。
【請求項34】
前記支持部材は、3度、4度、5度、6度、7度および8度のうちから選択された少なくとも一つに対応する前記支持部材間において所定の距離で互いに連結していてもよいことを特徴とする、請求項33に記載の装置。
【請求項35】
前記ユーザの対応する腕が前記支持部材上に載置している際、前記ユーザの手を支持するよう構成されたハンドレスト部材をさらに具える、請求項1〜34のいずれか一項に記載の装置。
【請求項36】
前記ハンドレスト部材は前記支持部材と接続していることを特徴とする、請求項35に記載の装置。
【請求項37】
前記ハンドレスト部材は前記支持部材と取り外し可能に接続していることを特徴とする、請求項36に記載の装置。
【請求項38】
前記ハンドレスト部材は、ブーム要素であってその第1端において前記支持部材に接続しているブーム要素と、前記ブーム要素の第2端において前記サポート要素と接続しているパッド部材であって、前記ユーザの手と接触することにより前記手を支持するよう構成されているパッド部材とを具えることを特徴とする、請求項36または37に記載の装置。
【請求項39】
前記パッド部材は、ユーザの掌を支持するよう成形かつ構成されていることを特徴とする、請求項38に記載の装置。
【請求項40】
前記支持部材に対する前記パッド部材の位置は、垂直面および/または水平面で調整することができることを特徴とする、請求項38または39に記載の装置。
【請求項41】
ユーザの手首が、前記スライド部材に対して平行な垂直面にて略円または楕円並進運動を描くのを可能にするよう構成された回転装置をさらに具える、請求項1〜12のいずれか一項に従う請求項1〜18または26〜40のいずれか一項に記載の装置。
【請求項42】
前記回転装置は、さらに前記支持部材を円形または楕円形並進運動の一周期にわたって略直立方向に保持するよう構成されていることを特徴とする、請求項41に記載の装置。
【請求項43】
前記回転装置は平行リンク機構を具えることを特徴とする、請求項41または42に記載の装置。
【請求項44】
前記平行リンク機構のうち少なくとも1個のリンクは回転可能なディスク要素の形態で提供されていることを特徴とする、請求項43に記載の装置。
【請求項45】
前記平行リンク機構の略平行な一対のリンクは対応する一対の互いに離間した回転可能なディスク要素によって提供されており、前記ディスク要素は互いに平行な軸線の回りを回転可能となるよう構成されていることを特徴とする、請求項43または44に記載の装置。
【請求項46】
前記ディスク要素は前記搬送部材と回転可能に連結していることを特徴とする、請求項45に記載の装置。
【請求項47】
前記ディスク要素は旋回部材と回転可能に連結しており、前記旋回部材は前記搬送部材に対して、正常使用のために配向された前記装置の略垂直軸線の回りを回転可能となるよう構成されていることを特徴とする、請求項46に記載の装置。
【請求項48】
前記支持部材にはストラップ部材が設けられ、前記ストラップ部材は、ユーザの腕を前記支持部材に固定し、これにより前記ユーザの腕が前記支持部材から不用意に脱落することを防ぐよう構成されていることを特徴とする、請求項1〜47のいずれか一項に記載の装置。
【請求項49】
鍵盤楽器に対し並列位置にある前記装置を支持するための手段と、
通常演奏の間の方向に実質的に対応する方向で鍵盤に対し手を並列位置にして、鍵盤の前に座っているユーザの手を支持するよう構成された支持部材であって、基部部材とレスト部を有する支持部材とを具える鍵盤練習装置であって、
前記レスト部はユーザの手の少なくとも一部と当接するよう構成されており、前記レスト部は前記基部部材に移動可能に連結しており、これにより前記レスト部が前記基部に対して並進運動を描くのを可能にする装置。
【請求項50】
前記支持部材の方向は垂直面に対して調整可能であることを特徴とする、請求項49に記載の装置。
【請求項51】
前記垂直面に対する前記基部部材の方向は調整可能であることを特徴とする、請求項50に記載の装置。
【請求項52】
前記基部部材は、鍵盤の前縁に対して実質的に平行である、実質的に水平な軸線の回りを回転可能であることを特徴とする、請求項51に記載の装置。
【請求項53】
実質的に閉止した経路内で前記レスト部が並進および円形運動を描くことを可能にするよう作動可能な、請求項49〜52のいずれか一項に記載の装置。
【請求項54】
実質的に湾曲した経路で前記レスト部が並進および円形運動を描くことを可能にするよう作動可能な、請求項49〜53のいずれか一項に記載の装置。
【請求項55】
前記レスト部は、前記基部部材に対して固定された軸線の回りを回転可能な回転部材であって、前記回転部材はこれに連結したパッド部材を有し、前記パッド部材はユーザの手と当接するよう構成されており、前記パッド部材は前記基部に対し並進および円形運動を描くよう構成されていることを特徴とする、請求項49〜54のいずれか一項に記載の装置。
【請求項56】
前記レスト部は、回転軸を有するスピンドルと、前記回転軸の正常な方向への前記回転軸から変位した位置にある前記スピンドルに連結したパッド部材とを具えることを特徴とする、請求項55に記載の装置。
【請求項57】
前記回転部材が回りを回転可能な前記軸は、前記鍵盤の前端に対して平行な軸線の回りに傾斜可能であることを特徴とする、請求項55または56に記載の装置。
【請求項58】
前記基部部材はドーム部を具えることを特徴とする、請求項49〜54のいずれか一項に記載の装置。
【請求項59】
前記レスト部は前記基部部材の前記ドーム部に対してスライド可能に移動可能なレスト部材を具えることを特徴とする、請求項58に記載の装置。
【請求項60】
前記レスト部材は前記ドーム部に対してスライド可能に移動可能であり、これにより前記基部部材の前記ドーム部の回りに上下左右の動作を実行することを特徴とする、請求項59に記載の装置。
【請求項61】
前記レスト部材は、さらに前記基部部材のドーム部に対してヨー動作を実行するよう移動可能であることを特徴とする、請求項60に記載の装置。
【請求項62】
前記レスト部材は、前記基部部材の前記ドーム部を覆いつつ接触しながらスライド可能に移動可能であることを特徴とする、請求項59〜61のいずれか一項に記載の装置。
【請求項63】
前記レスト部材は、リム部を有するスカート部を有する逆カップ状部材を具え、前記リム部は前記基部部材の前記ドーム部を覆いつつ接触しながらスライド可能に移動可能となるよう構成されていることを特徴とする、請求項62に記載の装置。
【請求項64】
前記レスト部材は前記基部部材と連結していることを特徴とする、請求項49〜63のいずれか一項に記載の装置。
【請求項65】
前記レスト部材は前記基部部材と弾性的に連結していることを特徴とする、請求項64に記載の装置。
【請求項66】
前記レスト部材は前記基部部材と磁性的に連結していることを特徴とする、請求項64または65に記載の装置。
【請求項67】
前記レスト部材は、ユーザの掌と当接するよう構成されたドーム部を具えることを特徴とする、請求項49〜66のいずれか一項に記載の装置。
【請求項68】
スライド部材と、前記スライド部材にスライド可能に連結している前記支持部材と、前記支持部材を前記スライド部材の長さの一部に沿ってスライドさせることにより、前記ユーザが前記鍵盤の長さに沿って手を移動させるのを可能にするよう操作可能な装置とをさらに具える、請求項49〜67のいずれか一項に記載の装置。
【請求項69】
前記ユーザの前腕が鍵盤の前縁から略一定の距離を維持するよう、前記支持部材を前記スライド部材に沿って実質的に直線の経路で相互にスライド可能となるよう構成可能な、請求項68に記載の装置。
【請求項70】
前記支持部材を前記スライド部材に沿って鍵盤に対して実質的に一定の垂直高さで相互にスライド可能となるよう構成可能な、請求項68または69に記載の装置。
【請求項71】
前記支持部材を前記スライド部材に沿って略湾曲した経路で相互にスライド可能となるよう構成可能な、請求項68〜70のいずれか一項に記載の装置。
【請求項72】
前記支持部材を前記スライド部材に沿って鍵盤の前縁から実質的に一定の横方向距離で相互にスライド可能となるよう構成可能な、請求項68〜71のいずれか一項に記載の装置。
【請求項73】
前記支持部材は前記スライド部材に取り外し可能に取り付けることが可能であることを特徴とする、請求項68〜72のいずれか一項に記載の装置。
【請求項74】
前記支持部材を迅速解除機構によって前記スライド部材に取り外し可能に取り付けることが可能であることを特徴とする、請求項73に記載の装置。
【請求項75】
前記支持部材を前記スライド部材に沿ってスライド可能な搬送部材によって前記スライド部材に取り付けることが可能であることを特徴とする、請求項68〜74のいずれか一項に記載の装置。
【請求項76】
前記支持部材を前記搬送部材に取り外し可能に取り付けることが可能であることを特徴とする、請求項75に記載の装置。
【請求項77】
前記支持部材を迅速解除機構によって前記搬送部材に取り外し可能に取り付けることが可能であることを特徴とする、請求項76に記載の装置。
【請求項78】
前記スライド部材は少なくとも1個のトラック部材を具え、前記搬送部材は前記トラック部材に連結するよう構成されていることを特徴とする、請求項68〜77のいずれか一項に記載の装置。
【請求項79】
前記支持部材は、前記装置が鍵盤楽器に取り付けられることを可能にするよう構成されており、これにより前記鍵盤と並列位置にある前記スライド部材を支持することを特徴とする、請求項49〜78のいずれか一項に記載の装置。
【請求項80】
前記支持部材は前記装置が前記楽器に取り外し可能に取り付けられることを可能にするよう構成されていることを特徴とする、請求項79に記載の装置。
【請求項81】
前記支持部材は少なくとも1個の脚部材を具え、前記装置は鍵盤楽器に立てかけるよう配置され、これにより実質的に直立方向に支持されることを特徴とする、請求項49〜80のいずれか一項に記載の装置。
【請求項82】
前記サポート手段は前記装置が自立構成で配置されることを可能にするよう構成されていることを特徴とする、請求項49〜81のいずれか一項に記載の装置。
【請求項83】
前記スライド部材の鍵盤からの側方距離は調整可能であることを特徴とする、請求項68または請求項69、場合によっては請求項68〜82のいずれか一項に記載の装置。
【請求項84】
前記スライド部材の鍵盤からの側方距離はねじ機構によって調整可能であることを特徴とする、請求項83に記載の装置。
【請求項85】
前記鍵盤に対する前記スライド部材の垂直高さは、好ましくはねじ機構によって、調整可能であることを特徴とする、請求項68または請求項69、場合によっては請求項68〜84のいずれか一項に記載の装置。
【請求項86】
前記支持部材は、前記スライド部材に対して、軸線、好ましくは垂直軸線の回りを回転可能となるよう構成されていることを特徴とする、請求項68または請求項69、場合によっては請求項68〜85のいずれか一項に記載の装置。
【請求項87】
前記支持部材は、前記スライド部材から実質的に固定距離で離間している前記支持部材を保持するよう構成されたアーム部材によって前記スライド部材にスライド可能に連結していることを特徴とする、請求項68または請求項69、場合によっては請求項68〜86のいずれか一項に記載の装置。
【請求項88】
前記アーム部材は前記スライド部材から離間して突出するよう構成されていることを特徴とする、請求項87に記載の装置。
【請求項89】
前記アーム部材は、実質的には前記スライド部材に垂直な方向に、前記スライド部材から離間して突出するよう構成されていることを特徴とする、請求項88に記載の装置。
【請求項90】
前記アーム部材は、前記装置を使用中のユーザから離間した方向に、前記スライド部材から離間して突出するよう構成されていることを特徴とする、請求項88または89に記載の装置。
【請求項91】
前記レスト部はユーザの手により移動可能であり、これにより前記の実質的に並進および円形運動を描くことを特徴とする、請求項49〜90のいずれか一項に記載の装置。
【請求項92】
前記レスト部はモーターにより移動可能であり、これにより前記の実質的に並進および円形運動を描くことを特徴とする、請求項49〜91のいずれか一項に記載の装置。
【請求項93】
前記レスト部を実質的に並進および円形運動の所定の経路に誘導するためのガイド手段が設けられていることを特徴とする、請求項49〜92のいずれか一項に記載の装置。
【請求項94】
前記レスト部を移動させるために必要な力量は調整可能であることを特徴とする、請求項91に記載の装置。
【請求項95】
請求項1〜94のいずれか一項に記載の装置を具える楽器。
【請求項96】
少なくとも前記スライド部材が、不要時に収納されるよう構成可能であることを特徴とする、請求項95に記載の楽器。
【請求項97】
前記スライド部材が、前記楽器の内部、下部または上部に格納されることにより収納可能であることを特徴とする、請求項96に記載の楽器。
【請求項98】
前記スライド部材が、前記楽器の内部、下部または上部に折り畳まれることにより収納可能であることを特徴とする、請求項95〜97のいずれか一項に記載の楽器。
【請求項99】
実質的に前記装置全体が収納可能であることを特徴とする、請求項95〜98のいずれか一項に記載の楽器。
【請求項100】
前記装置が前記楽器と一体化して設けられていることを特徴とする、請求項95〜99のいずれか一項に記載の楽器。
【請求項101】
実質的に添付の図を参照しながら説明される装置。
【請求項102】
実質的に添付の図を参照しながら説明される楽器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25(a)】
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【図25(b)】
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【図25(c)】
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【図25(d)】
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【図26】
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【図27(a)】
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【図27(b)】
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【図28(a)】
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【図28(b)】
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【公表番号】特表2010−540982(P2010−540982A)
【公表日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−525451(P2010−525451)
【出願日】平成20年9月24日(2008.9.24)
【国際出願番号】PCT/GB2008/050858
【国際公開番号】WO2009/040578
【国際公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【出願人】(510079558)
【Fターム(参考)】