説明

鎖錠棒の構造

【課題】本発明は、簡単な構造で、鎖錠棒6が箱体本体1とこすれることがなくなるような鎖錠棒6の構造を提供することを目的としている。
【解決手段】本発明に係る鎖錠棒6の構造は、扉体3の開閉動作を行うハンドルの回転動作に連動する鎖錠棒6の先端に回転金具8を設け、回転金具8は箱体本体1の開口2周縁部に当接される当接凸部8a,8bを弧状に形成し、鎖錠棒6が箱体本体1に触れて傷がついたりしないようにすることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、前面に開口を有する箱体本体に扉体を回動動作により開閉可能に蝶着して成る機器収納用箱体の、扉体が閉塞状態に箱体本体に鎖錠するための鎖錠棒の構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
前面に開口を有した箱体本体の、開口は扉体で施蓋される機器収納用箱体において、扉体の開閉は、ハンドルの回動動作によって行われる。ハンドル動作に連動する回転板が扉体内側に設けられている。この回転板には、上側鎖錠棒と下側鎖錠棒とが取り付けられ、ハンドルを動かすことにより回転板が回転し、鎖錠棒が上下動作する。鎖錠棒の上下端部を、箱体本体の開口周縁部に係止させて、鎖錠するものである。
【特許文献1】特開2006−59887号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら上記技術のように、鎖錠棒を直接箱体本体に当てて鎖錠する構造では、鎖錠棒が箱体本体にこすれ、箱体本体に擦り傷が付き、錆発生の原因となっていた。また、鎖錠棒を動作させる際、箱体本体にこすられることで、摩擦抵抗が大きくなり、ハンドル動作に力が必要となる不具合があった。また、鎖錠棒が箱体本体にこすれることで、異音が発生していた。
【課題を解決するための手段】
【0004】
そこで本発明は、簡単な構造で、鎖錠棒が箱体本体とこすれることがなくなるような鎖錠棒の構造を提供することを目的とし、その構造は、扉体の開閉動作を行うハンドルの回転動作に連動する鎖錠棒の先端に回転金具を設け、回転金具は箱体本体の開口周縁部に当接される当接凸部を弧状に形成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明に係る鎖錠棒の構造は、扉体の開閉動作を行うハンドルの回転動作に連動する鎖錠棒の先端に回転金具を設け、回転金具は箱体本体の開口周縁部に当接される当接凸部を弧状に形成するため、鎖錠棒が直接箱体本体に当たらず、鎖錠棒による箱体本体への傷がつかず、防錆効果がある。鎖錠棒の動作時の摩擦抵抗が減り、ハンドルの動作も軽い力で行える。鎖錠棒は直接箱体本体には当たらず、こすれることもないので、異音が発生しない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明に係る鎖錠棒の構造の実施例を図1〜図3の添付図面に基いて説明する。
【0007】
機器収納用箱体は、前面に開口を有する箱体本体1と、開口2を施蓋する扉体3とから構成される。箱体本体1の開口2周縁部は、箱体本体1へ雨水の浸入を防ぐため、水切り部4が折曲形成されている。扉体3にはハンドル5を設けており、扉体3の内側には、ハンドル動作と連動する鎖錠棒6が取り付けられている。ハンドル5の裏面には、ハンドル動作と共に回転する回転板7が設けられており、回転板7にそれぞれ上側鎖錠棒6aと下側鎖錠棒6bとが接続されている。ハンドル5を回転させることで回転板7が回転し、鎖錠棒6が上下動する。扉体3が箱体本体1の開口2を施蓋した状態では、ハンドル5を閉の状態にしたとき、鎖錠棒6が箱体本体1の水切り部4に係止されることになる。
【0008】
鎖錠棒6の上下端部、箱体本体1の開口2周縁部に係止される部分には、回転金具8を取り付ける。回転金具8は、水切り部4の上下面に当接される第一の当接凸部8aと、水切り部4の背面に当接される第二の当接凸部8bとをそれぞれ弧状に設ける。回転金具8は鎖錠棒6に回動可能に取り付けられ、ばね(図示せず)を用いて箱体本体の内側に向かって付勢している。
【0009】
ハンドル5を開状態にしたときに、鎖錠棒6の係止は解除されており、扉体3が開放可能な状態となる。扉体3を箱体本体1の開口2を施蓋した状態で、ハンドル5を閉状態へ回転させると、回転板7が回転して、上側鎖錠棒6aは上へ、下側の鎖錠棒6bは下へ延びる。鎖錠棒6の上下動により、回転金具8に設けられた第一の当接凸部8aが水切り部4の上下面に当たり、さらにハンドル5の回転に連動して鎖錠棒6が上下すると、回転金具8は回転し、最終的に、第二の当接凸部8bが水切り部4の背面に係止され、扉体3が開口2を施蓋した状態で保持される。回転金具8はばねにより付勢されているため、扉体3を確実に箱体本体1に係止させることができる。
【0010】
鎖錠棒6が直接箱体本体1の水切り部4に当たらないように、鎖錠棒6端部には回転金具8を設ける。回転金具8は回動可能とし、水切り部4に当接した当接凸部8は、水切り部4に対して移動しないため、箱体本体1が鎖錠棒6の動作により傷ついたりせず、また、鎖錠棒6が箱体本体1に対して直接触れることなく、回転金具8の動作により鎖錠棒6が動くため、摩擦抵抗も抑えられ、ハンドル操作が平滑である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係る鎖錠棒の構造を示す説明図である。
【図2】本発明に係る鎖錠棒の動作を示す説明図である。
【図3】鎖錠棒の基本的な構造を示す説明図である。
【符号の説明】
【0012】
1 箱体本体
2 開口
3 扉体
4 水切り部
5 ハンドル
6 鎖錠棒
6a 上側鎖錠棒
6b 下側鎖錠棒
7 回転板
8 回転金具
8a 第一の当接凸部
8b 第二の当接凸部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面に開口を有する箱体本体に扉体を回動動作により開閉可能に蝶着して成る機器収納用箱体の、前記扉体が閉塞状態に前記箱体本体に鎖錠するための鎖錠棒の構造であって、前記扉体の開閉動作を行うハンドルの回転動作に連動する前記鎖錠棒の先端に回転金具を設け、該回転金具は前記箱体本体の開口周縁部に当接される当接凸部を弧状に形成することを特徴とする鎖錠棒の構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−249849(P2009−249849A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−96094(P2008−96094)
【出願日】平成20年4月2日(2008.4.2)
【出願人】(000124591)河村電器産業株式会社 (857)
【Fターム(参考)】