説明

長周期振動感知器、及び長周期振動感知器の出力値補正方法

【課題】構造的に単純であって利便性に優れ、且つ低消費電力を実現する長周期振動感知器を提供する。
【解決手段】ケース内に固定されたマグネット、マグネットにより形成される磁極間に配置された検出コイル、検出コイルを保持するボビン、及びボビンをケース内で所定方向に振動可能に支持する支持バネを備え、ボビンにダンピングがかけられた際に検出コイルにより電圧を出力する過減衰型加速度計10Aと、周波数特性の互いに異なる複数のデジタルフィルタ311-mと、過減衰型加速度計10Aより出力された電圧の出力値に基づいて、複数のデジタルフィルタ311-mから一のデジタルフィルタ31を選択し、選択されたデジタルフィルタ31を用いて出力値を補正する演算処理部32と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、長周期振動感知器、及び当該長周期振動感知器の出力値補正方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、地震などにより長周期の振動が発生した場合に、当該長周期振動の検出を行う振動検出器が知られている。
例えば、特許文献1には、振動検出器として、建造物の天井からワイヤを介して垂下された振り子と、振り子の下方において、振り子の下面に向かって光を照射し当該下面からの反射光を受光するセンサとを備えた振り子型揺れ検出センサが提案されている。
かかる振り子型揺れ検出センサは、振り子の下面に、当該振り子の振幅に応じて、振り子の中心から外側に向かって反射光の光量が順次に変化する反射面が形成されており、振り子の下面で反射した光の光量を検出し、該光量から振り子の振幅を検出する。
【0003】
また、振動検出器としては、振り子型揺れ検出センサ以外にも、例えば、直流領域(静止状態)から計測可能なサーボ型加速度計が提案されている。
かかるサーボ型加速度計は、ケース内に配置された可動部の外力による変位量を検出して、可動部を静止状態に保つために、可動部を駆動させるコイルに上記変位量に比例した電流を流す際の電流量を測定することで加速度を計測する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−201096号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述したような振り子型揺れ検出センサは、検出したい振動数毎にワイヤの長さの設定をしなければならず、また、ワイヤの長さが数メートル必要であるため設置場所に制限がある。更に、振り子型揺れ検出センサは、一度設定した後には検出レベルの変更が容易でなく、利便性が悪い。
また、サーボ型加速度計は、振り子型揺れ検出センサと比較して小型であるが、サーボ回路への電源供給が常時必要であり、比較的構造が複雑で部品点数が多い。
このように、長周期振動の検出を行うに当たって、構造的に単純であって利便性に優れ、且つ低消費電力を実現可能な装置が望まれている。
【0006】
本発明の課題は、構造的に単純であって利便性に優れ、且つ低消費電力を実現する長周期振動感知器、及びこの長周期振動感知器の出力値補正方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、
長周期振動感知器において、
ケース内に固定されたマグネット、
前記マグネットにより形成される磁極間に配置された検出コイル、
前記検出コイルを保持するボビン、及び
前記ボビンを前記ケース内で所定方向に振動可能に支持する支持バネを備え、
前記ボビンにダンピングがかけられた際に前記検出コイルにより電圧を出力する過減衰型加速度計と、
周波数特性の互いに異なる複数のデジタルフィルタと、
前記過減衰型加速度計より出力された電圧の出力値に基づいて、前記複数のデジタルフィルタから一のデジタルフィルタを選択する選択手段と、
前記選択手段により選択されたデジタルフィルタを用いて、前記過減衰型加速度計より出力された電圧の出力値を補正する補正手段と、
を備えることを特徴とする。
【0008】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の長周期振動感知器において、
前記複数のデジタルフィルタと、当該複数のデジタルフィルタ毎に予め設定された出力値とが対応づけて記憶された記憶手段を備え、
前記選択手段は、前記記憶手段を参照し、前記過減衰型加速度計より出力された電圧の出力値に基づいて、前記複数のデジタルフィルタから一のデジタルフィルタを選択することを特徴とする。
【0009】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の長周期振動感知器において、
前記選択手段は、0.04Hz〜0.5Hzの範囲の周波数が検出可能となる一のデジタルフィルタを選択することを特徴とする。
【0010】
また、請求項4に記載の発明は、
請求項1〜3の何れか一項に記載の長周期振動感知器の出力値補正方法であって、
前記ボビンにダンピングがかけられた際に前記検出コイルにより電圧を出力する出力工程と、
前記出力工程により出力された電圧の出力値に基づいて、前記複数のデジタルフィルタから一のデジタルフィルタを選択する選択工程と、
前記選択工程により選択されたデジタルフィルタを用いて前記出力値を補正する補正工程と、
を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、過減衰型加速度計の周波数特性が、選択されたデジタルフィルタにより補正されるので、長周期振動の検出に適していない過減衰型加速度計を用いて長周期振動の検出を行うことができることとなる。
よって、サーボ型加速度計に比べて構造的に単純であって利便性に優れ、且つ低消費電力を実現する長周期振動感知器、及びこの長周期振動感知器の出力値補正方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本実施形態における長周期振動感知器の機能ブロック図である。
【図2】過減衰型加速度計を示す概略模式図である。
【図3】過減衰型加速度計の他の態様を示す概略模式図である。
【図4】過減衰型加速度計の周波数特性を示す一例である。
【図5】デジタルフィルタの周波数特性を示す一例である。
【図6】本実施形態における長周期振動感知器の周波数特性を示す図である。
【図7】本実施形態における長周期振動感知器の出力値補正方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図を参照して、本発明に係る長周期振動感知器、及び当該長周期振動感知器の出力値補正方法について詳細に説明する。
【0014】
本実施形態における長周期振動感知器(以下、振動感知器という。)100は、例えば、図1に示すように、検出部10と、AD変換部20と、制御部30と、出力部40と、等を備えて構成されている。
【0015】
検出部10は、2つの過減衰型加速度計10A、10Aを備えている。各過減衰型加速度計10Aは、互いに直交する水平二軸方向に沿った振動を検出可能に配置されている。
【0016】
過減衰型加速度計10Aは、例えば、図2に示すように、ケース1と、ケース1内に固定されたマグネット2と、マグネット2を狭持するトッププレート3及びバックプレート4と、マグネット2により形成される磁極3a,4a間に配置された検出コイル7と、検出コイル7を保持するボビン6と、ボビン6をケース1内で所定方向(A方向)に振動可能に支持する一対の支持バネ8,8と、等を備えて構成されている。
この過減衰型加速度計10Aは、「磁界中を導体が運動(振動)すると、導体には運動速度に比例した起電力が発生する」という原理を利用した動電型検出器に、電磁的にダンピング(減衰)をかけることで、加速度に比例した領域を広げ、検出器としたものである。
【0017】
ケース1は、過減衰型加速度計10Aの筐体部分である。
【0018】
マグネット2は、平面視リング状の永久磁石で形成され、ケース1の内部に配置されてケース1内に磁界を形成している。
マグネット2は、同じく平面視リング状に形成されたトッププレート3とバックプレート4とで挟持されるようにしてケース1の内部に固定的に備えられている。
【0019】
トッププレート3は及びバックプレート4は、何れも磁性材料で形成されている。
トッププレート3は、平面視においてマグネット2と略同一のリング状である。トッププレート3は、マグネット2の上面に配設され、その内側部分には、外側磁極3aが形成されている。
バックプレート4は、平面視リング状であってマグネット2が載置される載置部41と、載置部41の内側部分から起立する起立部42とからなり、起立部42の先端部には、外側磁極3aと対向して内側磁極4aが形成されている。
外側磁極3aと内側磁極4aとの間には、平面視でリング状の空隙5が形成されている。
【0020】
ボビン6は、銅やアルミ合金等の非磁性材で形成されており、特定の振動方向(A方向)に沿って振動できるように、一対の支持バネ8,8によりケース1内に支持されている。
ボビン6には、空隙5内に配設されて検出コイル7を巻回するための肉厚な保持部6aが備えられており、当該保持部6aを備えることでボビン6にダンピング(減衰)をかけることができる(過減衰にすることができる)ようになっている。
このボビン6においては、ボビン6が磁界中で運動することで発生する起電力が検出コイル7に流れ、逆起電力を発生し、その力が減衰となる。
【0021】
検出コイル7は、ボビン6の保持部6aに巻回されたコイルであり、磁極3a,4aにより形成されたリング状の空隙5に位置するようになっている。
検出コイル7の出力電圧は、アナログ信号としてAD変換部20に出力される。
【0022】
一対の支持バネ8,8は、例えば、一端がケース1の壁面に固定され、他端がボビン6に接続され、ボビン6をA方向に振動可能に支持する板バネ等である。
支持バネ8は、ボビン6の振動に応じて、所定のバネ定数と変位より導出される復元力をボビン6に付与する。
【0023】
なお、過減衰型加速度計の他の態様として、図3に示すように、上述した過減衰型加速度計10Aを、上下線対称となるように2つ合せた構成とすることもできる。
かかる構成であっても、ボビン6にダンピングがかけられた際、検出コイル7により電圧が出力される。
【0024】
AD変換部20は、過減衰型加速度計10A、10Aに対応したAD変換器20A、20Aを備えている。
各AD変換器20Aは、各過減衰型加速度計10Aから出力された電圧のアナログ信号をデジタル信号に変換し、制御部30に出力する。
【0025】
制御部30は、複数のデジタルフィルタ311〜m、演算処理部32、等を備えている。
【0026】
複数のデジタルフィルタ311〜mは、互いに異なる周波数特性を有するものである。
複数のデジタルフィルタ311〜mは、基準周波数(0.5Hz)に対して、対象となる周波数(0.1Hz)にて同一の加速度をテストコイルより印加し、その電圧の出力値の比に基づいて選択される。このようにすることで、最小2点の電圧の出力値の比で処理が可能である。
なお、複数のデジタルフィルタ311〜mの数に特に限定はない。
各AD変換器20Aから出力されたデジタル信号は、複数のデジタルフィルタ311〜mのうち、演算処理部32による選択処理(後述)により選択される何れか一つのデジタルフィルタ31に供給される。
【0027】
演算処理部32は、図示は省略するがCPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)を備えるコンピュータ部として構成され、各過減衰型加速度計10Aより出力された電圧の出力値に基づいて複数のデジタルフィルタ311〜mのうち何れか一のデジタルフィルタ31を選択する選択処理や、選択処理により選択されたデジタルフィルタ31を用いて、前記出力値を補正する補正処理を実行するものである。
なお、これらの処理を実行することで、演算処理部32は、選択手段及び補正手段として機能している。
【0028】
具体的に、演算処理部32には、記憶部(記憶手段)33が接続されている。
記憶部33には、複数のデジタルフィルタ311〜mと、当該複数のデジタルフィルタ311〜m毎に予め設定された出力値とが対応づけて記憶されている。
演算処理部32は、記憶部33を参照し、過減衰型加速度計10Aより出力された電圧の出力値に基づいて、複数のデジタルフィルタ311〜mから一のデジタルフィルタ31を選択する。
好ましくは、演算処理部32は、0.04Hz〜0.5Hzの範囲の周波数が検出可能となる一のデジタルフィルタ31を選択する。
次いで、演算処理部32は、選択したデジタルフィルタ31を用いて、各過減衰型加速度計10Aより出力された電圧の出力値を補正する。
【0029】
ここで、図4に、過減衰型加速度計10Aの周波数特性の一例を示し、図5に、選択されたデジタルフィルタ31の周波数特性の一例を示す。
また、図6に、上記選択処理及び補正処理の実行後の過減衰型加速度計10Aの周波数特性を示す。
なお、図4〜6において、縦軸はGain[dB]であり、横軸は周波数[Hz]である。
【0030】
過減衰型加速度計10Aは、動電型検出器に近いその原理特性から、低周波数領域を計測する(長周期振動を計測する)のに適していない。例えば、図4では、0.2Hz以下を計測するのに適していないことがわかる。
そこで本実施形態においては、選択処理及び補正処理を実行することで、図4で示すような周波数特性を示す過減衰型加速度計10Aの出力を、図5で示すような周波数特性を示すデジタルフィルタ31により補正している。
具体的には、図4に示すように、補正処理前には、0.2Hz以下の低周波数領域では下降傾向を示していた特性曲線が、図6に示すように、補正処理後には、0.04Hz以上から略一定値を示す特性曲線となる。
このように、過減衰型加速度計10Aの低周波数領域での周波数特性を補正することにより、長周期振動を計測することができるようになる。
特に、例えば高層ビルなどで懸念される0.04Hz〜0.5Hzの範囲の周波数が検出可能となるように補正することが好ましい。
【0031】
なお、演算処理部32は、上記した選択処理及び補正処理を実行して各過減衰型加速度計10Aの出力値を補正した後、補正した出力値を加速度に変換し、合成処理を実行する。
次いで、その合成処理された加速度値が予め設定された所定の起動レベル未満か否かを判断し、合成処理された加速度値が所定の起動レベル以上であれば警報を出力し、所定の起動レベル未満であれば警報を出力しないよう決定する。
【0032】
出力部40は、図示しないスピーカを備え、制御部30が警報を出力すると判断した場合に、警報音を発する。
【0033】
次に、図7のフローチャートに基づいて、振動感知器100の出力値補正方法について、説明する。
【0034】
先ず、ステップS1において、各過減衰型加速度計10Aの検出コイル7から電圧のアナログ信号が出力される(電圧出力工程)。
次いで、ステップS2において、AD変換部20は、各過減衰型加速度計10Aから出力されたアナログ信号をデジタル信号に変換する。
次いで、ステップS3において、演算処理部32は、各過減衰型加速度計10Aから出力された出力値をチェックする。
次いで、ステップS4において、演算処理部32は、出力値に基づいて、複数のデジタルフィルタ311〜mから一のデジタルフィルタ31を選択する選択処理を実行する(選択工程)。
次いで、ステップS5において、演算処理部32は、選択されたデジタルフィルタ31を用いて前記出力値を補正する補正処理を実行する(補正工程)。
次いで、ステップS6において、演算処理部32は、加速度変換及び合成処理を実行する。
次いで、ステップS7において、演算処理部32は、合成処理された加速度値が予め設定された所定の起動レベル未満か否か判断し、合成処理された加速度値が所定の起動レベル未満である場合(ステップS7:YES)、続くステップS8において、警報を出力しないと決定する。
一方、合成処理された加速度値が所定の起動レベル未満でない場合(ステップS7:NO)、続くステップS9において、演算処理部32は、警報を出力すると決定し、出力部40により警報出力が行われ、本処理が終了する。
【0035】
以上のように、本実施形態の振動感知器100によれば、過減衰型加速度計10Aと、周波数特性の互いに異なる複数のデジタルフィルタ311〜mと、過減衰型加速度計10Aより出力された電圧の出力値に基づいて、複数のデジタルフィルタ311〜mから一のデジタルフィルタ31を選択する選択手段(演算処理部32)と、選択されたデジタルフィルタ31を用いて前記出力値を補正する補正手段(演算処理部32)と、を備える。
このため、過減衰型加速度計10Aの周波数特性が、選択されたデジタルフィルタ31により補正されるので、長周期振動の検出に適していない過減衰型加速度計10Aを用いて長周期振動の検出を行うことができることとなる。
かかる過減衰型加速度計10Aは、振り子型揺れ検出センサと比較して小型であって、検出レベルの変更が容易である。
また、過減衰型加速度計10Aは電源を必要としないため、サーボ型加速度計と比較して低消費電力で、且つ部品点数が少なく構造も単純である。
よって、構造的に単純であって利便性に優れ、且つ低消費電力を実現する長周期振動感知器、及びこの長周期振動感知器の出力値補正方法を提供することができる。
【0036】
また、本実施形態によれば、複数のデジタルフィルタ311〜mと、当該複数のデジタルフィルタ311〜m毎に予め設定された出力値とが対応づけて記憶された記憶手段(記憶部33)を備え、選択手段は、記憶手段を参照し、過減衰型加速度計10Aより出力された電圧の出力値に基づいて、複数のデジタルフィルタ311〜mから一のデジタルフィルタ31を選択する。
このため、個々の過減衰型加速度計10Aの周波数特性にばらつきがあった場合でも、最適なデジタルフィルタ31を選択することができ、歩留まりが向上する。
【0037】
また、本実施形態によれば、選択手段は、0.04Hz〜0.5Hzの範囲の周波数が検出可能となる一のデジタルフィルタ31を選択する。
このため、例えば、高層ビルなどで懸念される0.04〜0.5Hzの長周期振動の検出を高精度で検出することが可能となる。
【0038】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行うことが可能である。
例えば、上記実施形態においては、選択手段は、記憶部33を参照し、過減衰型加速度計10Aより出力された電圧の出力値に基づいて、複数のデジタルフィルタ311〜mから一のデジタルフィルタ31を選択する構成を説明したが、複数のデジタルフィルタ311〜mの中から最適なものを選択する手法としては、複数のデジタルフィルタ311〜mを一つずつ用いて補正処理を行って、その補正値から最適のデジタルフィルタを選択する等の構成とすることもできる。
【符号の説明】
【0039】
100 長周期振動感知器
10 検出部
10A過減衰型加速度計
1 ケース
2 マグネット
3 トッププレート
3a 外側磁極
4 バックプレート
4a 内側磁極
5 空隙
6 ボビン
6a 保持部
7 検出コイル
8 支持バネ
20AD変換部
20A AD変換器
30 制御部
311-m デジタルフィルタ
32 演算処理部(選択手段、補正手段)
33 記憶部(記憶手段)
40 出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケース内に固定されたマグネット、
前記マグネットにより形成される磁極間に配置された検出コイル、
前記検出コイルを保持するボビン、及び
前記ボビンを前記ケース内で所定方向に振動可能に支持する支持バネを備え、
前記ボビンにダンピングがかけられた際に前記検出コイルにより電圧を出力する過減衰型加速度計と、
周波数特性の互いに異なる複数のデジタルフィルタと、
前記過減衰型加速度計より出力された電圧の出力値に基づいて、前記複数のデジタルフィルタから一のデジタルフィルタを選択する選択手段と、
前記選択手段により選択されたデジタルフィルタを用いて、前記過減衰型加速度計より出力された電圧の出力値を補正する補正手段と、
を備えることを特徴とする長周期振動感知器。
【請求項2】
前記複数のデジタルフィルタと、当該複数のデジタルフィルタ毎に予め設定された出力値とが対応づけて記憶された記憶手段を備え、
前記選択手段は、前記記憶手段を参照し、前記過減衰型加速度計より出力された電圧の出力値に基づいて、前記複数のデジタルフィルタから一のデジタルフィルタを選択することを特徴とする請求項1に記載の長周期振動感知器。
【請求項3】
前記選択手段は、0.04Hz〜0.5Hzの範囲の周波数が検出可能となる一のデジタルフィルタを選択することを特徴とする請求項1又は2に記載の長周期振動感知器。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか一項に記載の長周期振動感知器の出力値補正方法であって、
前記ボビンにダンピングがかけられた際に前記検出コイルにより電圧を出力する出力工程と、
前記出力工程により出力された電圧の出力値に基づいて、前記複数のデジタルフィルタから一のデジタルフィルタを選択する選択工程と、
前記選択工程により選択されたデジタルフィルタを用いて前記出力値を補正する補正工程と、
を有することを特徴とする長周期振動感知器の出力値補正方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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