説明

長寿命化フッ素樹脂ライニングタンクおよびその製造方法

【課題】缶体ライニングシート同士の溶接部からタンク内の薬液の漏出(リーク)が生じにくいようなフッ素樹脂ライニングタンクおよびその製法を提供すること。
【解決手段】金属製タンク基材と、該基材の表面に、難溶性フッ素樹脂ライニング材の端部同士を、突き合わせて張設してなるフッ素樹脂ライニング部と、そのフッ素樹脂ライニング材の端部同士を接合するとともにそれらの突合せ部に生じた溝を埋めるように熱溶融性フッ素樹脂にて溶接された下盛溶接部と、その下盛溶接部の表面およびその周縁部を被覆するように熱溶融性フッ素樹脂にて形成された熱溶融性フッ素樹脂層と、この熱溶融性フッ素樹脂層の表面を被覆するように変性PTFEにて溶接された帯溶接部と、を有することを特徴とするフッ素樹脂ライニングタンクおよびその製法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フッ素樹脂シートにてライニング処理され、該シート同士の継目の溶接部から外部へのタンク内薬液の浸透漏洩が生じ難いような長寿命化されたフッ素ライニングタンクおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、半導体製造における薬液供給システムなどに使用される薬液タンクは、その耐薬品性と純粋性(すなわち、タンク内面のランニング中に不純物や塗膜形成用モノマー
などが実質上含有されず、タンク内の薬液中にこれら成分が溶出することがなく、タンク内の薬液を汚染しないこと。)に優れることから、フッ素樹脂ライニングタンクが好適に
使用されている。
【0003】
このようなフッ素樹脂ライニングタンクの製法の一例であるフッ素樹脂のシートライニング工法におけるシート継目の溶接部の構造は、例えば、図2に示すように、鋼製タンク基材10の表面に、ライニング材12の端部12A、12B同士を突き合わせて配置し、その突合せ部(溝)14に、下盛溶接材16による溶接を行い、次いで、その溶接部を被覆するように帯溶接部材18にて溶接している。
【0004】
この際ライニング材の端部12A、12Bを図2あるいは特許第2587839号公報(特許文献1)の4頁第3図(a)に示すように斜めに切欠いておくと、端部12A、12B同士を突き合わせたときに、断面楔状の溝14が形成される。この断面楔状の突合せ部(溝)14に、PFA等の下盛溶接材16による溶接を行い、次いで、この下盛溶接16の表面全体を被覆しかつライニング材の端部12A、12B(表面)にまで及ぶように、帯状PFA等の帯溶接部材18にて溶接している。
【0005】
このフッ素樹脂のシートライニング工法でライニング材12として用いられるフッ素樹脂(シート)あるいはフッ素樹脂系積層シーとしては、例えば、PTFEエッチングシート、PTFEガラスバックシート、変性PTFEエッチングシート、変性PTFEガラスバックシート、PFAガラスバックシートなどがある。
【0006】
また、下盛溶接材16としてはPFA材が、また、帯溶接部材18としてはPFA材が一般的に使用されている。いずれも溶接強度や溶接の容易性などの点を考慮して選定されている。
【0007】
ところで、本発明者らが鋭意検討を重ねたところ、フッ素樹脂製のライニング材は、その材質や厚さにより、ライニング容器内に貯蔵される薬液の浸透・透過量に差があり、シートの厚みが増すと、所定時間における薬液透過量は、減少し、またライニングシートの比重(SG)によっても薬液透過量は変化し、その比重が増すと所定時間における薬液透過量は減少することを見出した(図3)。
【0008】
例えば、PFA材は、溶融成形後に急冷固化させるため、比重は低く、薬液やガスの透過性が高い(透過しやすい。)。
これに対してPTFE材は、焼成炉内で徐冷されるため、比較的比重は高く、薬液浸透・透過性は低い(透過しにくい)。
【0009】
また、テトラフルオロエチレン99〜99.999モル%とパーフルオロビニルエーテル1〜0.001モル%(原料合計100モル%)とを共重合して得られる変性PTFEは
、材料特性からPTFEよりも比重が高く、薬液浸透・透過性は、更に低い。
【0010】
また、ガラスバッキングシートは、ラミネート時に再熱処理されるために比重が低下している。
このようにライニングシートとして用いられる材料の種類等により薬液浸透・透過性能が異なり、ライニング容器の寿命が左右されるが、例えば、長期使用されたPTFEライニングタンクにおいても、該タンクを解体してみると、溶接ラインを中心に接着剤劣化や缶体腐食が発生しており、薬液透過性の低いライニング材を使用した場合にもライニングシート同士の溶接部がタンク寿命に大きく関係し、ネックとなっていることが見出された。
【0011】
本願発明者らは、また、ライニングタンクの寿命が尽きるまでには、下記のようなステップ(経過)を辿る傾向があることを見出している。
すなわち、缶体(タンク)内周面に張設されているライニングシートを薬液が透過してしまうと、上記ライニングシートが上記2層シート等である場合には接着剤の劣化、ガラスバックシート(GB)材の劣化などが生じ、缶体(タンク)基材の腐食、ライニングシートの背面への薬液やガスの浸入・堆積などが生じてくる。その結果ライニングシートが缶体基材表面から剥離し、該シートが温度変化や加圧・減圧により膨れ上がり、その膨れが次第に拡大してくる。
【0012】
その結果、ライニングシート同士の溶接部疲労破壊を招き溶接部にピンホールが発生し、タンク(缶体)内の薬液がそのピンホールからライニングシートの裏面(外部)にますますひどく漏洩し、タンク外に漏出するようになる。このような場合に、もしそのまま放置しておくと最終的には漏出したタンク内の薬液が周囲の環境を汚染するなどの恐れが生じてくる、という経過を辿る(図4)。
【0013】
そこで本発明者らは上記問題点を解決するべくさらに鋭意研究を重ねたところ、以下に詳述するように金属製タンク基材の表面に張設されたフッ素樹脂ライニング同士の接合・突合せ溝に下盛溶接を行った後、その下盛溶接部材の表面および必要によりその周縁部にPFAなどに代表される熱溶融性フッ素樹脂層を設けた後、変性PTFEによる帯溶接を行うと、缶体ライニングシート同士の溶接部からタンク内の薬液やガスの漏出が生じにくいようなフッ素樹脂ライニングタンクを製造できること、また、この熱溶融性フッ素樹脂層と帯溶接部との合計厚みが難溶性フッ素樹脂ライニング材12と同程度の厚みを有していれば、上記熱溶融性フッ素樹脂層の厚みは、極々薄肉であってもよいことなどを見出して、本発明を完成するに至った。
【0014】
しかも、本発明者らは、このようなフッ素樹脂ライニングタンクは、上記下盛溶接の後、その下盛溶接部材の表面を被覆するように熱溶融性フッ素樹脂系ラミネート材を張設(またはコート材を塗設)したのち、これらラミネート材(またはコート材)を熱融着し、次いで、
そのラミネート材(またはコート材)の表面(および必要によりその周縁部)に変性PTFEからなる帯溶接部材18を溶接すれば、効率よく簡単かつ安全に上記特性を具備したフッ素樹脂ライニングタンクを製造できることなどを見出して本発明を完成した。
【0015】
なお、特許第2587839号公報(特許文献1)には、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含有するシート(PTFE系シートいう。)のライニング方法が開示され、該公報には、PTFE系シートをタンク基材の表面に張設するに際し、テーパー状あるいは段差カット状に端部処理されたPTFEシート端部同士を突合わせて、PFA溶着(溶接)し、シートからのリークを防止する方法が開示されているが(該特許文献の4頁第1図)、浸透漏洩防止の効果や、接合部強度が十分でなく、且つ、PTFE系シートの端部処理は、特に厚みの薄いシートでは加工が容易でなく作業性に劣る(該文献同頁第2〜第3図)という問題点がある。
【0016】
また、特開2006−68906号公報(特許文献2)には、PTFEに代表される難溶着性のフッ素樹脂材料の接合に際し、該公報6頁の添付図1に示すように、その接合面12の間にPFAまたは変性PTFE(同図付番16)を配置し溶着(溶接)装置にて溶接する方法が開示されているが、浸透漏洩防止の効果や、接合部強度が十分でなく、寸法精度および異物の付着などの問題点がある。
【特許文献1】特許第2587839号公報
【特許文献2】特開2006−68906号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明は、上記従来技術に伴う問題点を解決しようとするものであって、缶体ライニングシート同士の溶接部からタンク内の薬液の漏出(リーク)が生じにくいようなフッ素樹脂ライニングタンクを提供することを目的としている。
【0018】
また本発明は、上記のような優れたライニングタンクの効率的で簡単かつ安全な製造方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明に係るフッ素樹脂ライニングタンクは、
金属製タンク基材10と、
該基材10の表面に、難溶性フッ素樹脂ライニング材12の端部12A、12B同士を、突き合わせて張設してなるフッ素樹脂ライニング部12と、
そのフッ素樹脂ライニング材12の端部12A、12B同士を接合し、かつそれらの突合せ部に生じた溝14を埋めるように熱溶融性フッ素樹脂にて溶接された下盛溶接部16と、
その下盛溶接部16の表面およびその周縁部を被覆するように熱溶融性フッ素樹脂にて形成された熱溶融性フッ素樹脂層20と、
この熱溶融性フッ素樹脂層20の表面を被覆するように変性PTFEにて溶接された帯溶接部18と、
を有することを特徴としている。
【0020】
本発明では、上記熱溶融性フッ素樹脂層20が、PFA製であることが好ましい。
本発明に係るフッ素樹脂ライニングタンクの製造方法は、
タンクの(内側および/または外側)表面にフッ素樹脂ライニングを施工するに際して、
金属製タンク基材10の表面に、難溶性フッ素樹脂ライニング材12の端部12A、12B同士を、突き合わせて配置し、ライニング材12の端部12A、12B同士を接合するとともにそれらの突合せ部に生じた溝14を埋めるように、下盛溶接部材16による溶接を行い、次いで、
その下盛溶接部材16の表面およびその周縁部を被覆するように熱溶融性フッ素樹脂系ラミネート材を張設またはコート材を塗設したのち、これらラミネート材またはコート材を熱融着し、次いで、得られた熱溶融性フッ素樹脂層20の表面20Aに変性PTFEから形成される帯溶接部材18を溶接することを特徴としている。
【0021】
本発明に係る上記フッ素樹脂ライニングタンクの製造方法では、上記熱溶融性フッ素樹脂系ラミネート材またはコート材が、PFA製であることが好ましい。
上記熱溶融性フッ素樹脂層20と帯溶接部18とは、予め、熱溶融性フッ素樹脂と変性
PTFE製の帯溶接部材とが接合された接合部材40にて形成されていてもよい。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、缶体ライニングシート同士の溶接部からタンク内の薬液の漏出(リーク)が生じにくいようなフッ素樹脂ライニングタンクを提供することができる。
また本発明によれば、上記のような優れたライニングタンクの効率的で簡単かつ安全な製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明に係る長寿命化されたフッ素樹脂ライニングタンクおよびその製造方法について、図面を参照しながら具体的に説明する。
[フッ素樹脂ライニングタンク]
本発明に係るフッ素樹脂ライニングタンクの好適な一態様を図1に示す。
【0024】
この図1において、本発明のフッ素樹脂ライニングタンクは、符番30で示されている。
本発明に係るフッ素樹脂ライニングタンク30は、
金属製タンク基材10と、その表面に張設された難溶性フッ素樹脂ライニング材12と、
このライニング材12の端部同士を接合するように熱溶融性フッ素樹脂にて溶接された下盛溶接部材16と、
その下盛溶接部材16の表面およびその周縁部を被覆するように熱溶融性フッ素樹脂層20を形成したのち、その層20の表面に溶接された変性PTFEにて溶接された帯溶接部18と、を有している。
<タンク基材10>
このようなフッ素樹脂ライニングタンク30の金属製タンク基材10の材質は、ステンレス、鉄、アルミニウムなどのうち、特にステンレスが耐薬品性(耐腐食性)の点で好適である。タンクの寸法、タンク基材の厚さなどは収容すべき薬液量や薬液の種類等に応じて異なり一概に決定されない。
<難溶性フッ素樹脂ライニング材12>
このタンク基材10表面に張設される難溶性フッ素樹脂ライニング材12としては、PTFE、変性PTFE、などのような、高熱や腐食性の薬液などに対して耐熱・耐薬品性を示す難溶性フッ素樹脂が挙げられる。
【0025】
本発明では、これらのライニング材12は、接着面、特に基材10と接合される下面12Cが金属ナトリウム処理などのケミカルエッチング法、スパッタリングエッチング法、プラズマエッチング法、研磨材による表面の粗面化処理、などの方法で、化学的あるいは物理的にライニング材の表面疎面化処理が行われ、接着性向上処理が施されていると、基材10と難溶性フッ素樹脂ライニング材12との接着性に優れ、これら層間を介した耐薬品透過性にいっそう優れるため好ましい。
【0026】
また、本発明では、このライニング材は、必要によりガラスバッキング処理(GB)されていてもよい。
本発明では、これらのなかでもPTFE、変性PTFEなどの材質のシート(あるいはフィルム)が、薬液の耐透過性に優れ、好適に用いられる。
【0027】
これらライニング材は、[「VALQUA TECHNOLOGY NEWS」(2004年秋号、p1〜p4)の「バルフロン 新ライニング材PLPシート」の項参照。なお、「PLPシート」は、変性PTFEをケミカルエッチング処理したシートで、日本バルカー工業(株)製の商品名。]に示すように、接着、熱融着(溶着)性に優れ、PTFEと同等の耐薬品性(耐腐食、耐溶解、耐膨潤劣化性など)、耐溶剤性を示し、耐薬品透過性、耐ガス透過性、表面平滑性に優れる。また、上記のうちでもガラスクロスラミネート層(GB)がないものは塑性加工性に優れる。
【0028】
いずれにしても、本発明では、そのシート等の表面が(比重を変化させない)ケミカルエッチング法による接着性付与(処理)が行われ、GB層のない変性PTFE(商品名「バルフロンPLPシート」、日本バルカー工業(株)製)、あるいは、GB層がなく、ケミカルエッチング処理されたPTFEシート(商品名「バルフロンシート」、日本バルカー工業(株)製)などが前記特性を具備する点で好適である。
【0029】
この難溶性フッ素樹脂ライニング材12は、金属製タンク基材10の表面に、直接熱融着(溶着)にて、あるいはエポキシ系接着剤、ゴム系接着剤などを介して被着されている。
【0030】
この際、難溶性フッ素樹脂ライニング材12の少なくとも基材10側の面は、表面ケミカルエッチング処理などの表面疎面化処理されていると、基材10との接合性に優れるため好ましい。
【0031】
難溶性フッ素樹脂ライニング材12の端部12A、12Bは、接着強度を高める点でその断面が斜めに切断(テーパー処理)され、あるいは断面階段状あるいは箒で掃いた(波打つ)ように斜めに切断(前記特許文献1の図3(a)、(b)、(c)参照)されていてもよく、特に端部処理作業が簡単な点でテーパー処理(斜め切断面)が好ましい。
【0032】
テーパー角度は、図1のように難溶性フッ素樹脂ライニング材12の端部12A,12B同士を突合せて配置した場合に、突合せ部に生じた溝14の角度αが通常、60〜70度程度であることが接着性、下盛溶接のしやすさ(作業性)の点などから望ましい。換言すれば、ライニング材12端部12A,12Bのテーパー角度は、式:(180−「60〜70」)/2=60°〜55°程度が好ましいといえる。
【0033】
このような難溶性フッ素樹脂ライニング材12の厚みT2(mm)は、通常、2〜5mm(厚)程度である。
また、溶接幅W(mm)は、溝14の幅より広いことが必要であるが、通常、15〜25mm(例:17mm幅)程度である。溶接幅Wがこのような範囲にあると、図1中、符番Zで示されるように、熱溶融性フッ素樹脂層20中を浸透し、あるいは難溶性フッ素樹脂ライニング材12と熱溶融性フッ素樹脂層20との間を浸透し、次いで溝14間の下盛溶接部材16中に入り込み、基材10へと薬液(図示せず)が浸透漏洩するのを効率よく防止できる。
【0034】
なお、本発明では、図1中、符番Xで示すように、「難溶性フッ素樹脂ライニング材12→基材10」へと浸透するルート(あるいは該ルートでの浸透量)をX(測定値)と表し、
また図1中、符番Yで示すように、「表面の帯溶接部18→熱溶融性フッ素樹脂層20→下盛溶接部16→基材10」へと浸透するルート(あるいは該ルートでの浸透量)をY(測定値)と表し、
また図1中、符番Zで示すように、「熱溶融性フッ素樹脂層20→下盛溶接部16→基材10」へと浸透するルート(あるいは該ルートでの浸透量)をZ(理論値)と表すとき、
前記浸透量Y≧Zとなることが好ましい。
【0035】
浸透量Zは、図1中の符番Zで示す熱溶性フッ素樹脂層20から基材10に至る距離と
、熱溶融性フッ素樹脂の比重から、図3より透過量を算出した。
このようにY≧Zとするには、手段としては、符番Zで示す熱溶性フッ素樹脂層20から基材10に至る距離が長くなればよく、充分な溶接幅Wを確保すればよい。また、Y≦0.10とするには、手段としては帯溶接部材18の厚みを厚くするか、帯溶接部材18の材質を高密度化すればよい。
【0036】
また、透過量Y(g/m2/24hr)は、通常0.10以下、好ましくは、0.05
以下、特に好ましくは、0.03以下であることがタンク寿命の長期化に寄与でき望ましい。なお、Yの下限値は特に限定されないが、通常0.001程度である。
【0037】
なお、浸透量X、Y,Zの測定方法は、以下のとおり。
浸透量X,Yは、図5の試験装置をもちいて、二つの直管の間にサンプルを
挟み、サンプルの片面側に超純水、他方面側に塩酸(35%)を満たし、密封して、70℃で24時間保持した後の塩酸の透過量を測定した。
【0038】
熱溶融性フッ素樹脂16(下盛溶接部)、熱溶融性フッ素樹脂層20>
下盛溶接部16と、その表面16Aおよびその表面近傍16Bを被覆するように形成される熱溶融性フッ素樹脂層20とには、作業性、溶接性などの点で、互いに、同種の樹脂が好適に用いられる。
【0039】
具体的には、例えば、PFA、FEPなどが挙げられ、PFAが難溶性フッ素樹脂ライニング材12との溶着性(溶接性)、入手の容易性、安価などの点で好適である。
このようなPFAなどの熱溶融性のフッ素樹脂は、特開平11−71574号公報(ダ
イキン工業(株))等にも記載されているように、溶融粘度が通常、108ポイズ未満、多くは104〜105ポイズ程度である( http://www2.kobelco-eco.co.jp/dsweb/Get/Document-160/フッ素樹脂コーティング.pdf参照)。また、変性PTFEなどの溶融加工できないフッ素樹脂は、溶融粘度が通常、108ポイズ以上である(PTFEの溶融粘度:1011
〜1013ポイズ程度)。
【0040】
下盛溶接部の表面16Aは、難溶性フッ素樹脂ライニング材12の表面と面一(平滑)であることが熱溶融性フッ素樹脂層20も平滑となり、最終製品である本願発明に係るフッ素樹脂ライニングタンク30は表面平滑性に優れる点で好ましい。
【0041】
熱溶融性フッ素樹脂層20の厚みT3は、通常、0.3〜0.5mm(厚)程度である。
<帯溶接部18>
本発明では、帯溶接部18は、難溶性フッ素樹脂ライニング材12の接合部に沿うように、表面から見て帯状に形成されることが多いためのネーミングであり、耐薬液透過性に優れた、変性PTFEが用いられる。
【0042】
ここで変性PTFEについて詳述すると、変性PTFEとしては、特許公開平9−52955号公報、特開平10−259252号公報、特開平11−71574号公報、特開2003−306573号公報(以上、ダイキン工業(株))、特開平11−286501(オーシモント エス.ピー.エー.)、特開2006−68910号公報(ニチアス(株))
、特開2004−76870号公報(三菱電線工業(株))等に記載の、従来より公知のものが使用できる。
【0043】
上記変性PTFEとして、具体的には、例えば、特開平10−259252号公報の[0016]〜[0021]等に記載されているように、テトラフルオロエチレン(TFE)と、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)等に代表されるパーフルオロビニルエーテルとの共重合体であって、その共重合比が、通常、TFE/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)=99〜99.999モル%/1〜0.001モル%(原料合計100モル%)のものが挙げられる。なお、この変性PTFE(単独)に代えて、変性PTFEと少量の(未変性)PTFEとの混合物を用いてもよい。
【0044】
また、前記TFEと共重合可能な上記パーフルオロビニルエーテルとしては、たとえば式(I):CF2=CF−ORf (I)
[式(I)中、Rfは炭素数1〜10のパーフルオロアルキル基、炭素数4〜9のパーフ
ルオロ(アルコキシアルキル)基、式(II):
【0045】
【化1】

【0046】
(式(II)中、mは0または1〜4の整数である)で示される有機基、または式(III
):
【0047】
【化2】

【0048】
(式(III)中、nは1〜4の整数である)で示される有機基を表わす。]で示されるパーフルオロビニルエーテルが挙げられる。
前記パーフルオロアルキル基の炭素数は1〜10、好ましくは1〜5である。
【0049】
前記パーフルオロアルキル基としては、例えば、パーフルオロメチル、パーフルオロエチル、パーフルオロプロピル、パーフルオロブチル、パーフルオロペンチル、パーフルオロヘキシルなどが挙げられる。
【0050】
ところで、上記の帯溶接部18は、その全面(タンク基材10側の面、図1では熱溶融性フッ素樹脂層20と接し、層20用樹脂と熱融着される下側面)が溶接されていてもよく、下盛溶接部の周縁部のみに熱融着された熱溶融性フッ素樹脂層20用樹脂に沿って、帯溶接部のシート外周縁部のみ溶着(溶接)されていてもよい。
【0051】
本発明の好適態様では、帯溶接部18の面積の大小に関らず、その全面を熱溶融性フッ素樹脂層20と溶接すると、薬液などの非透過性に優れ、また長期使用に伴うライニングの剥離や亀裂発生等が極めて起き難くなるという利点がある。
【0052】
また、本発明では、図1中付番T1(mm)で示す、「熱溶融性フッ素樹脂層20と帯溶接部18」との合計厚みは、通常、1.8〜3.5mm(厚)、好ましくは、2.4〜3.0mm(厚)程度である。本発明では、熱溶融性フッ素樹脂層20の厚みが極めて薄
く、例えば、50〜500μm(厚)程度であっても、「熱溶融性フッ素樹脂層20と帯溶接部18」との合計厚みT1(mm)が前記範囲にあれば、ライニング材の接合部からの薬液の浸透漏洩量(透過量)が従来品に比して極めて少なく、よって、浸透漏洩防止が長期間確保できる。
【0053】
また、本発明では、熱溶融性フッ素樹脂層20/帯溶接部層18)の膜厚比率[T3/(T1−T3)]は、通常1/10〜1/4、好ましくは、1/7〜1/5であることが耐浸透漏洩の向上と、作業性、溶接性などの点で望ましい。
【0054】
また本発明では、熱溶融性フッ素樹脂層20と帯溶接部層18の合計厚みT1(mm)が通常、1.8〜3.5mm、好ましくは、2.4〜3.0mmであることが作業性、溶接性の点で好ましい。
【0055】
さらには、透過量Yが前記範囲にあることが好ましい。
なお、従来品の帯溶接部18の厚みT4(mm)は、通常、2.0〜2.4mm(厚)程度であり、本願発明の「熱溶融性フッ素樹脂層20と帯溶接部18」との合計厚みもこれとほぼ同様厚に設定される。
【0056】
本発明では、上記熱溶融性フッ素樹脂層が、PFA製であることが好ましい。
該タンク30の用途としては、上記タンクは純粋性に優れ、長寿命が期待でき、半導体製造工程、医薬品・農薬製造工程、食品製造工程などで用いられる薬液貯蔵用、輸送用タンク、搬送容器、反応槽、吸収塔等が挙げられ、特に半導体製造工程で用いられるエッチング液などの薬液貯蔵用タンクとして好適である。
【0057】
[フッ素樹脂ライニングタンクの製造]
本発明に係るフッ素樹脂ライニングタンクの製造方法は、
タンクの内表面および/または外表面(以下、まとめて単に「表面」ともいう。)にフッ素樹脂ライニングを施工するに際して、
まず、金属製タンク基材10の表面に、難溶性フッ素樹脂ライニング材12の端部12A、12B同士を、突き合わせて配置する。
【0058】
この状態で、下盛溶接材16による溶接を行う。下盛溶接は、該ライニング材12の端部12A、12B同士を接合し、かつそれらの突合せ部に生じた溝14を埋めるように行われる。
【0059】
次いで、その下盛溶接部材16の表面を被覆するように熱溶融性フッ素樹脂系ラミネート材20をラミネート法、またはコート材20をコート(塗布)法にて熱融着させる。
熱融着温度は、用いられる樹脂の融点以上〜「融点+200℃」程度以下の温度で行われる。溶接に先立ち、下盛溶接部16の表面に被着(付着あるいは載っている)しているラミネート材やコート材を乾燥させてもよく、その場合、熱融着温度より低温、例えば、330〜360℃程度で、乾燥させてもよい。
<ラミネート法>
該ラミネート材としては、前述したような熱溶融性フッ素樹脂シート、例えば、PFAシートが用いられ、通常、このラミネート材は、下盛溶接部材16の表面に熱融着される(方法(イ))。
【0060】
その厚みは、例えば、200〜500μm(厚)程度である。この厚みが上記範囲を下回ると、例えば、PFAフィルムの如き熱溶融性フッ素樹脂系ラミネート材を張設したのち、該ラミネート材を後述するPTFEなどの帯溶接部18と熱融着する際に、フィルム材に破れが発生する恐れがある。
【0061】
なお、この厚みは、下記コート法の場合の厚み50〜100μm(厚)程度でも融着強度の改善が可能である。また、この厚みを上記何れかの範囲を超えて大きくしても、その強度はそれ以上、さほど向上しない傾向がある。作業性、コストの点を考慮すると、ラミネート材あるいはコート材は、それぞれ上記あるいは下記の厚みが好ましい。
<コート法>
また、熱溶融性フッ素樹脂系コート材としては、例えば、熱溶融性フッ素樹脂を媒体に分散させ、通常界面活性剤などを配合したもの(熱溶融性フッ素樹脂分散液)が用いられる。
【0062】
このような熱溶融性フッ素樹脂分散液、例えば、PFAディスパージョンを下盛溶接部16の表面16Aおよび必要によりその外周面近傍16Bに塗布し、(ついで必要により乾燥(分散媒の揮散)させたのち、)焼付け(熱融着)することにより、下盛溶接部材16の表面に塗膜形成される(方法(ロ))。
【0063】
その厚みは、例えば、50〜100μm(厚)程度である。
また本発明では、熱溶融性フッ素樹脂粉末、例えば、PFAパウダーを下盛溶接部16の表面16Aおよび必要によりその外周面近傍16Bに静電塗布し、ついで上記方法(ロ)と同様に、(ついで必要により乾燥(分散媒の揮散)させたのち、)焼付け(熱融着)することにより、下盛溶接部材16の表面に塗膜形成される(方法(ハ))。その厚みも上記(ロ)と同様。
【0064】
本発明では、作業性、厚さ精度の点で上記ラミネート法が実用的であり、優れている。コート法は、極薄の層を形成できる利点があるが、用いられるディスパージョンが通常、界面活性剤を含んでいるため、得られたフッ素樹脂ライニングタンクの表面汚染につながる恐れがある。強度的には、何れの方法でも大差ないが、ラミネート法は、強度の安定性の点でより優れる傾向がある。
【0065】
上記次いで、本発明では、上記の熱溶融性フッ素樹脂系ラミネート材またはコート材20の表面に帯溶接部材18を溶接する。
帯溶接部材18の厚み(T1−T3)(mm)がライニングシート厚みT2(mm)より薄い{(T1−T3)<T2}と、薬液、ガス透過量が増す傾向があるため、ライニングシート12と同じ厚さ、例えば、2.4mm、3mm厚み程度のものが用いられる。
【0066】
これらシートやコート20あるいは帯溶接部材18は、ラミネート加工時や、コート加工時に加熱され、あるいはライニングシートに溶接する際に加熱され、あるいは帯溶接部材18が熱溶融性フッ素樹脂層20に溶接される際に加熱されると、薄い層状の低比重部が形成されるため、その分の厚みを考慮してより肉厚にした厚みの各部材を形成、準備することが望ましい。
【0067】
具体的には、例えば、帯溶接部材18は、熱溶融性フッ素樹脂層20に比して好ましくは厚肉に設定され、2.4〜3.0mm(厚)程度である。溶接温度は、帯溶接部材18の融点以上の温度で溶接する。例えば、PTFEでは327℃以上となり、作業性(溶接速度)を考慮すると、熱風溶接機の設定温度は、例えば、400〜550℃程度であり、PTFEが熱劣化されないような極短時間のPTFE表面温度は、330〜380℃程度である。
【0068】
本発明に係る上記フッ素樹脂ライニングタンクの製造方法では、上記熱溶融性フッ素樹脂系ラミネート材またはコート材が、PFA製であることが好ましい。
上記説明では、基材10の表面に各層を順次形成する態様を説明したが、本発明では、
作業効率、溶接性の点から、予め、熱溶融性フッ素樹脂層20と帯溶接部材18とが接合されていてもよい。
【0069】
このような「接合部材」を得るには、熱溶融性フッ素樹脂層20がPFAシートにて形成されるような場合は、両者を前記<ラミネート法>と同様の温度条件(例:330〜360℃)下に加熱し圧着(熱融着)させればよい。
【0070】
また、好適には表面疎面化された帯溶接部材18の表面(疎面化面)に、前記<コート法>に準じて、PFAディスパージョンを塗布し、必要により乾燥させたのち、焼付けすればよい(前記<コート法>の方法(ロ)参照)。
【0071】
あるいは、PFAパウダーを帯溶接部材18の表面(好ましくは疎面化面)に静電塗布し、ついで上記方法(ロ)と同様に、(ついで必要により乾燥(分散媒の揮散)させたのち、)焼付け(熱融着)すればよい(前記<コート法>の(ハ)に準拠)。
【0072】
このような接合部材40の厚みは、前記T1と同様である。また、各層20、18の厚みも前記と同様である。
そして、この接合部材40は、下盛溶接部16の表面に、その熱溶融性フッ素樹脂層20側と被着(熱融着)されるように配置して、帯溶接部18となる難溶性フッ素樹脂層18側あるいはその外方から加熱して、本発明のフッ素樹脂ライニングタンク30が形成される。
[実施例]
以下、本発明に係るフッ素樹脂ライニングタンクおよびその製造方法ついて実施例によりさらに具体的に説明するが本発明は係る実施例により何ら限定されない。
【0073】
次に、実施例あるいは比較例における、各部材(各部)を構成するシート等の材料を示す。
[難燃性フッ素樹脂ライニング材]
(イ)実施例1,比較例1:
実施例1,比較例1では、難燃性フッ素樹脂ライニング材12として、基材10と接する側の面(下面)12Cがケミカルエッチング処理されたPTFEシート(商品名「バルフロンシート7091L」、日本バルカー工業(株)製)、3.0mm(厚)を使用。
【0074】
(ロ)実施例2,比較例2:
実施例2,比較例2では、難燃性フッ素樹脂ライニング材12として、基材10と接する側の面(下面)12Cがケミカルエッチング処理された変性PTFEシート(商品名「バルフロンPLPシート7091PL」、日本バルカー工業(株)製)、2.4mm(厚)を使用。
【0075】
[帯溶接部]
(イ)実施例1,2:
実施例1,2では、帯溶接部18用の材料として、変性PTFEシート(日本バルカー
工業(株)製)、2.4mm(厚)、17mm(幅)を使用。
【0076】
(ロ)比較例1,2:
比較例1,2では、帯溶接部に、PFAシート(日本バルカー工業(株)製)、2.4mm(圧)、17mm(幅)を使用。
【0077】
[熱溶融性フッ素樹脂層ラミネート]
熱溶融性フッ素樹脂層20用シートと下盛溶接部20とのラミネートは、熱風溶接機に
て設定温度500℃、溶接速度70mm/secで施工。
【0078】
[溶接]
熱溶融性フッ素樹脂層20と、帯溶接部18用の材料との溶接は、熱風溶接機にて設定温度500℃、溶接速度120mm/secで施工。
【0079】
[透過量の測定方法]
図5の試験機(「バルカー技術誌2004年秋号」の3欄の図3に記載の「薬液透過テスト」の図。http://www.valqua.co.jp/products/download/pdf/technews/vtn009.pdf)
を用いて、断面矩形の管を長手方向に半切してなる樋の間にサンプル(隔壁)を介装し、片側の樋とサンプル(隔壁)とで形成される直管に濃度35%の塩酸を入れ、他方側の樋とサンプル(隔壁)とで形成される直管に超純粋を入れて、これら2本の直管を密封し、70℃で24時間保持した後の塩酸のサンプル(隔壁)透過量を測定した。
【0080】
【表1】

【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】図1は、本発明に係るフッ素樹脂ライニングタンクの要部断面図である。
【図2】図2は、従来例に係るフッ素樹脂のシートライニング工法のシート継目の溶接部構造を示す断面図である。
【図3】比重と薬液透過量の関係を説明する図面である。
【図4】図4は、ライニングタンクの寿命が尽きるまでのステップ(経過)を示す模式説明図である。
【図5】図5は、透過量の測定試験機を示す図である。
【符号の説明】
【0082】
10・・・・・金属製タンク基材、
12A,12B・・・・・難溶性フッ素樹脂ライニング材の端部、
14・・・・・断面楔状の突合せ部溝、
16・・・・・PFA等の下盛溶接材、
16A・・・・・下盛溶接部の表面、
16B・・・・・下盛溶接部の表面近傍、
18・・・・・帯溶接部材、
20・・・・・・熱溶融性フッ素樹脂層、
30・・・・・本発明の一例に係るフッ素樹脂ライニングタンク、
40・・・・・接合部材、熱溶融性フッ素樹脂と帯溶接部材とが接合された接合部材、
50・・・・・従来のフッ素樹脂ライニングタンク、
T1・・・・・・・・・熱溶融性フッ素樹脂層20と帯溶接部材18との合計厚み、接合部材厚み、
T2・・・・・難溶性フッ素樹脂ライニング材の厚み、
T3・・・・・熱溶融性フッ素樹脂層20の厚み、
W・・・・・帯溶接部材の溶接幅、
X,Y,Z・・・・・浸透量。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属製タンク基材と、
該基材の表面に、難溶性フッ素樹脂ライニング材の端部同士を、突き合わせて張設してなるフッ素樹脂ライニング部と、
そのフッ素樹脂ライニング材の端部同士を接合するとともにそれらの突合せ部に生じた溝を埋めるように熱溶融性フッ素樹脂にて溶接された下盛溶接部と、
その下盛溶接部の表面およびその周縁部を被覆するように熱溶融性フッ素樹脂にて形成された熱溶融性フッ素樹脂層と、
この熱溶融性フッ素樹脂層の表面を被覆するように変性PTFEにて溶接された帯溶接部と、
を有することを特徴とするフッ素樹脂ライニングタンク。
【請求項2】
上記下盛溶接部材および熱溶融性フッ素樹脂層が、何れもPFA製である請求項1に記載のフッ素樹脂ライニングタンク。
【請求項3】
タンクの内表面および/または外表面にフッ素樹脂ライニングを施工するに際して、
金属製タンク基材の表面に、難溶性フッ素樹脂ライニング材の端部同士を、突き合わせて配置し、該ライニング材の端部同士を接合するとともにそれらの突合せ部に生じた溝を埋めるように、下盛溶接部材による溶接を行い、次いで、
その下盛溶接部材の表面およびその周縁部を被覆するように熱溶融性フッ素樹脂系ラミネート材を張設またはコート材を塗設したのちこれらラミネート材またはコート材を熱融着し、次いで、
得られた熱溶融性フッ素樹脂層の表面に変性PTFEから形成される帯溶接部材を溶接することを特徴とする、フッ素樹脂ライニングタンクの製造方法。
【請求項4】
上記下盛溶接部材および上記熱溶融性フッ素樹脂系ラミネート材またはコート材が、何れもPFA製である請求項3に記載のフッ素樹脂ライニングタンクの製造方法。
【請求項5】
上記熱溶融性フッ素樹脂層と帯溶接部とは、予め、熱溶融性フッ素樹脂と変性PTFE製の帯溶接部材とが接合された接合部材にて形成される請求項3〜4の何れかに記載のフッ素樹脂ライニングタンクの製造方法。

【図3】
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【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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