説明

長尺材の自動梱包機

【課題】長尺材の梱包作業の省力化と合理化を図る長尺材の自動梱包機を提供する。
【解決手段】第1昇降シリンダ(75a) をフランジ部Bの折り畳み位置に向けて伸長させ、ベンディングプレート(74)を回動させ、フォーク状部材(73b) にてフランジ部Bの側面を押圧し、フランジ部Bを相互に内方に折り曲げる。第2昇降シリンダ(72a) を伸長させ、貼着プッシャ(77)をフォーク状部材(73b) のフォーク間に通過させ、貼着テープを介してフランジ部Bの折り畳み端部の表面を弾性的に押圧し、フランジ部Bの端部表面とフランジ部Bの折曲稜線部を越えた一方の側面との二面にわたって貼着テープを略L字状に貼着させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、予め所要の形状に形成された一枚の強靱な段ボール紙を折り曲げて組立てた巻枠に、ファスナーチェーン等の長尺材を巻き取り、巻き取った長尺材を巻枠の一部を用いて結束梱包する自動梱包機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、折目線を介して連接する複数の単位基板と、各単位基板の両側側端縁から折目線を介して独立して延設された折曲翼片とを有する所望形状の一枚の段ボール紙を、各折目線に沿ってそれぞれ折り曲げることで、折曲翼片をフランジ部とした多角筒状の巻枠を作成している。この巻枠にファスナーチェーン等の長尺材を巻き付け、長尺材の巻上り周面に向けて各フランジ部を折り畳み、折り畳んだ各フランジ部の端部同士を相互に結合することで、ファスナーチェーン等の長尺材を梱包することが一般的に行われている(例えば特許文献1及び2参照。)。
【0003】
上記特許文献1に記載された巻枠100は、図11に示すように、強靱な段ボール紙からなる一枚の板体により構成されている。この巻枠100は、展開状態の板体に巻枠の形態を定める所望数の折目線を施すことで複数の単位基板101に区画している。各単位基板101の両側側端縁には折目線が施され、折曲自在とした折曲翼片102を各単位基板101の両側側端縁から立設させることでフランジ部を形成している。また、各単位基板101を筒状に組立てることにより矩形形状の中空角胴部を形成している。これにより、中空角胴部の両端部にフランジ部を有した巻枠を組立て形成することができる。
【0004】
上記特許文献2に記載された巻枠200は、図12に示すように、上記特許文献1に記載された巻枠100と同様に、所望形状に形成された一枚の段ボール紙から構成されている。この巻枠200にあっても、展開状態での段ボール紙に所望数の折目線を施すことで複数の単位基板201を区画するとともに、各単位基板101の両側側端縁にはそれぞれ折目線を介して、フランジ部となる折曲翼片202を延設している。上記特許文献1と同様に、単位基板によって矩形形状の中空角胴部が形成でき、更に、折曲翼片202を折り曲げることで、中空角胴部の両端部から立設したフランジ部を形成することができる。
【0005】
上記特許文献1又は2における段ボール紙を枠形状に組み立てるときは、通常、人手作業により各単位基板101(図12では符号201)間に形成した折目線に沿って、各単位基板101(201)を内方に折り曲げ、各単位基板101(201)の先端部同士を結合して無端状の筒状巻枠に組み立てる。筒状巻枠に組立てた後には、各単位基板101(201)の折曲翼片102(図12では符号202)を互いに対向するように、外方に向けて略直角に折り曲げて放射状に起立させ、フランジ部を形成する。次に、組立てた巻枠の外周に長尺材を巻き付ける作業に移る。
【0006】
巻枠に長尺材を巻き取るには、先ず、人手作業により組立てた巻枠内周となる中空角胴部を巻取装置の巻取り軸部に装着する。巻取装置を回転駆動することで、巻枠の各折曲翼片102(202)をフランジ部として中空角胴部の外周に長尺材を巻き取る。巻枠に長尺材を所定量巻き取った後、供給側の長尺材を切り離す。
【0007】
長尺材の巻き取り作業終了後、巻枠に巻き取った長尺材の梱包作業が行われる。長尺材の梱包作業では、先ず、人手によりフランジ部を形成している各折曲翼片102(202)を予め形成した折目線に沿って折り畳み、長尺材の巻上り周面に向けて各折曲翼片102(202)を内側に折り畳んで行く。折り畳んだ各折曲翼片102(202)の端部同士を相互に結合して、長尺材の巻上り表面の一部を被覆した形で巻枠に巻き取った長尺材の梱包作業が行われる。
【0008】
各折曲翼片102(202)の端部同士は、互いに突き合わせた状態、又は重ね合わせた状態に折り畳まれると、上記特許文献1に記載された巻枠100では、各折曲翼片102に設けられた鋲体に紐を千鳥状に架け回すことにより、各折曲翼片102の端部同士を結合する。また、上記特許文献2に記載された巻枠200では、各折曲翼片202の端部に形成された複数の鉤部を互いに係合させることで、各折曲翼片202の端部同士を互いに結合する。
【0009】
上記従来の巻枠100,200は、長尺材を巻き取って整理保管したり、搬送したりするときの簡便な梱包材料をも兼ね備えている。倉庫保管時や輸送時には、巻枠を略偏平形状に押し潰した形状に変形させることで、長尺材をコンパクトな略直方形の結束形態で梱包しておくことができ、長尺材の取扱いを簡便に且つ容易に行うことができるようにしている。
【特許文献1】実公昭48−9496号公報
【特許文献2】実公昭49−41018号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、一枚の強靱な段ボール紙からなる巻枠を組み立てるには、上述したように、段ボール紙を枠形状に組み立てる作業、組み立てた巻枠の中空角胴部両端の各折曲翼片102(202)を互いに対向するように直角に折り曲げてフランジ部を形成する作業の全てが人手作業によって行われていた。
【0011】
また、組み立てた巻枠を巻取装置の巻取り軸部に装着する作業、巻枠の外周に巻き取った長尺材の巻上り周面に向けて各折曲翼片102(202)を折り曲げる作業、長尺材の巻取り終了後に折り返した各折曲翼片102(202)の端部同士を相互に結合する作業も人手作業によって行われていた。
【0012】
このように、巻枠の外周に長尺材を巻き取る作業を除いて、一枚の強靱な段ボール紙からなる巻枠を組み立てる作業から、長尺材を巻枠で梱包する作業に到るまで、全ての作業が人手による作業となっていた。このため、人手による作業が多くなり、しかも煩雑となってしまう問題があった。更に、多くの作業に人手がかかり、コスト高を招くばかりでなく、作業効率が著しく低下し、生産性が悪化し易いという問題があった。
【0013】
また、長尺材を巻き取った後の梱包作業を、巻枠を巻取装置に装着したままの状態で行うと、梱包作業中に巻取装置が駆動して思わぬ事故を引き起こしてしまう危険性があった。巻枠を巻取装置から取り外してから、梱包作業を行えば梱包作業途中で巻取り装置が駆動することによる危険性は回避されるが、巻枠を巻取装置から取り外し、取り外した巻枠を梱包用に設置する作業が加わり、作業工程が増加してしまう問題があった。
【0014】
近年、ファスナーチェーンを販売するにあたり、前述のように段ボール紙からなる巻枠にファスナーチェーンを巻き取った後、段ボール紙の一部により結束して梱包する形態を採用し、梱包した形態のまま出荷することが極めて多くなってきている。このため、上述のように段ボール紙を所定の手順で折り曲げて巻枠を組み立てる作業、巻枠を巻取装置の巻取り軸部に装着する作業、ファスナーチェーンを巻き取った後における各フランジ部を折り畳んで、折り畳んだ各フランジ部の端部同士を結合して梱包する作業の全てを自動化することが強く要望されている。
【0015】
本発明は、上記従来の課題を解消すべくなされたものであり、長尺材の梱包作業の省力化と合理化を図ることにある。特に本発明は、巻枠の外周に長尺材が巻き付けられた後、長尺材の巻上り周面に向けてフランジ部を折り畳み、折り畳んだフランジ部の端部同士の結合作業を自動化した長尺材の自動梱包機を提供することを主要な目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本願発明の課題は、請求項1〜10に記載した各発明により達成することができる。
即ち、本願発明では請求項1に記載した自動梱包機の発明のように、1枚の段ボール紙によって組立て形成された中空角胴部及び複数のフランジ部を有する多角筒状の巻枠を用い、前記中空角胴部の周面に巻き付けた長尺材の巻上り周面に向けて前記各フランジ部を折り畳み、折り畳んだ前記各フランジ部の対向する端部同士を結合することで、前記巻枠自体により長尺材を梱包する自動梱包機において、前記各フランジ部を前記長尺材の巻上り周面に向けて折り畳む折曲機構と、折り畳んだ前記各フランジ部の対向する端部同士を結合する結合機構と、を備えてなることを最も主要な特徴となしている。
【0017】
請求項2に記載した発明のように、前記折曲機構が、回動折曲手段と折曲維持手段とを有し、前記回動折曲手段が、前記巻枠の軸線に直交して外側に折り曲げられた前記各フランジ部を対向するフランジ部の端部同士が互いに接近するように折り畳み、前記折曲維持手段が、前記各フランジ部の対向する端部同士の折曲げ形態を維持してなることを主要な特徴となしている。
【0018】
請求項3に記載した発明のように、前記回動折曲手段が、回動部材と折曲部材とを有し、前記回動部材が、回転駆動手段に連結され、前記折曲部材が、前記回動部材の回動軸に沿って延設されてなることを主要な特徴となしている。
【0019】
請求項4に記載した発明のように、前記結合機構が、テープ貼着手段を有し、同テープ貼着手段が、前記フランジ部の少なくとも一方の端部表面から対向する他方の前記フランジ部における折り畳んだ折曲稜線部を越えた側面にわたって、テープを貼着させてなることを主要な特徴となしている。
【0020】
請求項5に記載した発明のように、前記テープ貼着手段が、貼着プッシャと側面貼着プレートとを有し、前記貼着プッシャが、前記テープの非貼着面を着脱可能に保持するとともに、対向する前記フランジ部の端部間を押圧して前記テープを貼着させ、前記側面貼着プレートが、前記貼着プッシャとともに前記貼着プッシャの移動方向と同一方向に移動可能に配され、少なくとも前記他方の前記フランジ部における折り畳んだ折曲稜線部を含む側面を内方に圧接して前記テープを貼着させてなることを主要な特徴となしている。
【0021】
請求項6に記載した発明のように、前記折曲部材がフォーク状部材から構成されてなり、前記貼着プッシャが、前記フォーク状部材のフォーク間を通過可能な寸法形態を有し、前記側面貼着プレートが、前記フォーク状部材の基部内面と前記巻枠の側面との間の空隙を通過可能に配されてなることを主要な特徴となしている。
【0022】
請求項7に記載した発明のように、前記テープ貼着手段が、更にダンパ手段を有し、同ダンパ手段は、前記貼着プッシャが前記フランジ部の折り畳んだ表面を前記貼着テープを介して弾性的に押圧すると同時に、前記側面貼着プレートを前記巻枠の側面に沿って上下方向への移動を許容してなることを主要な特徴となしている。
【0023】
請求項8に記載した発明のように、前記折曲機構が、更に前記フランジ部の折り畳み位置調整手段を有し、同折り畳み位置調整手段が、前記長尺材の巻上げ径に応じて、前記フランジ部を折り畳む高さ位置を調整してなることを主要な特徴となしている。
【0024】
請求項9に記載した発明のように、前記折曲機構が、更にベンディングプレートを有し、同ベンディングプレートが、折り畳み対象となる一対の前記フランジ部の対向間寸法と略同一の幅寸法を有するプレート部材からなり、同プレート部材が、前記一対のフランジ部における前記中空角胴部の周面に巻き付けた前記長尺材の巻上り周面に対向した挿入位置と、同挿入位置から離間した退避位置との間で挿脱可能に配されてなることを主要な特徴となしている。
【0025】
請求項10に記載した発明のように、前記自動梱包機が、前記長尺材を巻き取る巻取装置の近傍に配され、かつ同巻取装置の間欠回転により順次割り出し位置決めされた前記一対のフランジ部に対して、同割り出された一対のフランジ部の折り畳み、折り畳んだ前記一対のフランジ部における対向する端部同士の結合を行うことを主要な特徴となしている。
【発明の効果】
【0026】
本発明の自動梱包機では、1枚の段ボール紙によって組立て形成された中空角胴部及び複数のフランジ部を備えた角筒形状の巻枠を用い、中空角胴部の外周に巻き取った長尺材の巻上り周面上に前記フランジ部を折り畳む折曲機構と、折り畳んだ各フランジ部の端部同士を相互に結合する結合機構とを備えたことを特徴としている。
【0027】
前記中空角胴部及び複数のフランジ部は、1枚の段ボール紙に形成した折目線に沿って折り曲げることで形成することができる。前記折目線としては、前記段ボール紙の肉厚よりも薄肉に形成した直線状の凹部又は溝部等から構成しておくことができる。同折目線によって、段ボール紙を所要の形態に折り曲げ易くすることができる。
【0028】
巻枠に巻き取られる長尺材としては、例えばファスナーチェーン、ファスナーテープ、フラット形ワイヤーハーネスやフィーダー線、ワイヤーコード、電線などを使用することができる。尚、長尺材としては、ファスナーチェーン等のように長手方向と直交する方向に幅を有する長尺帯状材やワイヤーコードのように線状材からなる長尺線状材を使用することができるものである。
【0029】
本発明の自動梱包機を用いることで、段ボール製巻枠の組み立て工程から、巻枠への長尺材の巻き取り工程、巻き取った長尺材の梱包工程へと連続的な流れ工程として自動化することができる。また、梱包工程を終了した梱包形態となった巻枠の貯蔵工程も合わせて連続的な作業工程として自動化することができる。
【0030】
特に、本発明の自動梱包機における折曲機構よって、巻枠に巻き取った長尺材に対して巻枠のフランジ部を折り畳んで梱包することができ、結合機構によって折り畳んだフランジ部の端部同士を結合して長尺材の梱包を完成させることができる。これにより、巻枠に巻き取った長尺材の梱包作業を自動化することができ、長尺材の梱包作業の効率化と合理化とを達成することができる。
【0031】
本発明の折曲機構としては、回動折曲手段と折曲維持手段とにより構成することができる。前記回動折曲手段の折曲動作に伴い、一対の前記フランジ部を互いの端部同士が当接又は重なり合うように内方に折り畳むことができる。回動折曲手段により折り畳んだフランジ部の折り畳み姿勢は、前記折曲維持手段が折り畳んだ状態の前記各フランジ部の端部表面に向けて作動させることで、維持することができる。これにより、前記フランジ部の折り畳み作業と、折り畳み形態の維持作業とを連続的に且つ効率的に行うことができる。
【0032】
回動折曲手段と折曲維持手段とによる作動を同一の部材により行わせることも、別部材により行わせることもできる。同一部材により回動折曲と折曲維持とを行わせる場合には、前記部材でフランジ部を折り畳んだ後、フランジ部を折り畳んだ状態に同部材を維持させておくことにより行わせることができる。別部材により回動折曲と折曲維持とを行わせる場合には、一方の部材でフランジ部を折り畳んだ後、他方の部材で一対のフランジ部の端部間を押圧等行うことでフランジ部の折り畳み状態を維持させておくことができる。
【0033】
前記回動折曲手段としては、回動部材と折曲部材とにより構成することができる。前記回動部材を回動させることで、同回動部材の回動軸に沿って延設された折曲部材を、前記フランジ部材の折り畳み方向と同じ方向に回動させることができる。前記折曲部材は前記回動部材の回動軸周りを回動することになり、前記折曲部材を前記フランジ部の端部表面に向けて回動させ、同フランジ部材を素早く且つ確実に折り畳むことができる。
【0034】
前記折曲機構としては、前記回動折曲手段と前記折曲維持手段とを独立して作動するように別部材により構成することもできるが、両者を一体化して構成してもよい。回動折曲手段と別体に構成される折曲維持手段としては、例えば回動折曲手段により折り畳まれたフランジ部の表面を接離自在に押圧支持することのできる押圧部材等を用いることができる。回動折曲手段によりフランジ部が折り畳まれた後に、同押圧部材によりフランジ部表面への押圧動作を行うことができる。前記押圧部材によりフランジ部表面を押圧した後には、回動屈曲手段をフランジ部表面から退避さておくことができる。
【0035】
更に前記折曲機構に折り畳み位置調整手段を備えることができる。巻取装置による長尺材の巻取り形態や巻取り量、巻枠の組立形状等によって前記巻枠の周面に巻き付けられる長尺材の巻上げ径が異なっても、長尺材の巻上げ径に応じて、前記フランジ部を折り畳む高さ位置を調整することが可能となる。折り畳み位置調整手段によって前記回動折曲手段を所望の高さ位置に位置決めして、フランジ部の折り畳み動作を行わせることができる。これにより、前記回動折曲手段によるフランジ部の折り畳み高さ位置を任意に選定することができるようになり、同フランジ部の折り畳み位置を、例えば巻枠の巻上げ周面からの長尺材の巻上げ径に応じた位置で確実に折り曲げ、折り畳むことができる。
【0036】
また、前記折り畳み位置調整手段によって、前記フランジ部の折り畳み位置が最適の折り畳み位置になるように調整することができ、前記フランジ部に対して不良変形を生じるような折り畳みが行われるのを防止することができる。これにより、各フランジ部の端部同士を貼着テープの全貼着面をもって確実に貼着させることができるようになり、貼着テープの貼着保持強度を高めることができる。また、貼着テープの貼着位置及び貼着形態を、貼着テープによって梱包体の外観を損なうことのない位置及び形態で巻枠に貼着することができる。
【0037】
前記折り畳み位置調整手段により、前記フランジ部の折曲位置を調整することができるので、異なる肉厚や幅等を有する各種の長尺材に対して、一つの巻枠をそれらの長尺材用の共通の巻枠及び梱包枠として使用することができる。更に、これらの長尺材の巻上げ径が変更された場合に対しても容易に対応できるようになる。これにより、梱包作業の自動化を容易に達成することができる。
【0038】
前記回動折曲手段、前記折曲維持手段、前記折り畳み位置調整手段などの各手段を集約化して一体的に構成することもできる。このように一体的に構成することにより、前記折曲機構の小型化を達成することができるようになり、装置全体の設置スペースを縮小化することが可能となる。
【0039】
本発明の折曲機構によって折り畳まれた各フランジ部の端部同士を互いに結合させる結合機構としては、テープ貼着手段を用いた構成とすることができる。同テープ貼着手段によって、前記フランジ部の少なくとも一方の端部表面から、対向して折り畳まれる他方のフランジ部の折曲稜線部を越えた側面にわたって、貼着テープを略L字状に貼着することができる。他方のフランジ部の端部表面上に一方のフランジ部の端部表面が重なるように両フランジ部を折り畳んだ後に、一方のフランジ部の端部表面から他方のフランジ部の端部表面を介して他方のフランジ部の折曲稜線部を越えた側面に貼着テープを貼着することで、貼着テープによる貼着強度を高めさせておくことができる。
【0040】
即ち、貼着テープを略L字状に貼着することにより、例えばフランジ部の復元力により、各フランジ部の端部が持ち上がり、フランジ部間を観音開き状態で外方に拡開して立ち上がらせる力が作用して、貼着テープを引き剥がそうとする。しかしながら、前記フランジ部の少なくとも一方の端部表面から他方のフランジ部の折曲稜線部を越えた側面間にわたって貼着テープを略L字状に貼着しているため、貼着テープの貼着保持強度を大幅に増大させることができる。これにより、貼着テープが剥がれるのを防止することができる。
【0041】
前記テープ貼着手段としては、貼着プッシャと側面貼着プレートとを備えた構成とすることができる。このとき、貼着プッシャと側面貼着プレートとを一体的に組み込んだ構成とすることもできる。前記貼着プッシャによって、貼着テープの非貼着面を着脱可能に保持するとともに、前記フランジ部の端部を押圧することで保持した貼着テープを貼着させることができる。
【0042】
前記貼着プッシャが前記フランジ部の端部を押圧しながら貼着テープを貼着させた後、前記貼着プッシャの作動と時間差をおいて前記側面貼着プレートを作動させることができる。このとき、前記側面貼着プレートによって、少なくとも一方におけるフランジ部の折曲稜線部を含む巻枠の側面を内方に向けて圧接しながら同側面に沿って摺動させることができる。これにより、前記貼着プッシャにより前記フランジ部の端部を押圧している状態において、前記側面貼着プレートに沿って配設した貼着テープを略L字状に折り曲げながら巻枠の側面に沿って綺麗に貼着させることができる。このとき、前記貼着プッシャと前記側面貼着プレートとによって、前記巻枠や前記フランジ部の形態を整えながら貼着テープの貼着作業を行うことができる。
【0043】
このように、前記貼着プッシャと前記側面貼着プレートとを備えることにより、前記フランジ部の折り畳み形態を常に一定の形状に保持し、しかも保持した形態を確実に確保することができる。このため、貼着テープの貼着長さ不足等による巻枠の形態不良等の発生頻度を少なくすることができるようになり、常に安定した形態を有する良品質の梱包完成品を得ることが可能となる。しかも、梱包完成品の保管時や輸送時における荷崩れを防止することができる。また、積載スペースの低減等のために梱包完成品を扁平状に変形させる場合においても、梱包された長尺材の巻き崩れを防止することができるようになり、巻枠を構成する段ボール紙の破損を確実に防止することができるようになる。
【0044】
前記折曲機構における回動折曲手段の前記折曲部材を、フォーク状部材から構成することができる。同フォーク状部材は、適宜の回転駆動手段からの回動により前記フランジ部を折り畳むことができ、同フォーク状部材の回動を停止した状態を維持させることで、前記フランジ部の折曲姿勢を維持することができる。即ち、前記フォーク状部材に前記折曲維持手段としての機能を兼ね備えさせることもできる。
【0045】
前記フォーク状部材の構成を、同フォーク状部材により前記フランジ部の折曲姿勢を維持しているときに、前記貼着プッシャを同フォーク状部材のフォーク間に通過させることができる構成とすることができる。これにより、前記フォーク状部材で折り畳んだフランジ部の端部表面を押圧している状態を維持しながら、前記貼着プッシャにより一対のフランジ部の端部表面間に貼着テープを貼着させることができる。その後、前記貼着プッシャにより、前記折り畳んだフランジ部の端部表面間を押圧させておくことができる。
【0046】
前記貼着プッシャでフランジ部の端部表面間を押圧している間に、前記側面貼着プレートを単独で作動させることができる。同側面貼着プレートを前記フォーク状部材のフォーク端部と前記巻枠の側面間を通過可能とすることにより、前記側面貼着プレート側に延出した貼着テープを前記フランジ部の折曲稜線部を含む前記巻枠の側面に向けて折り曲げながら、同側面に沿って貼着させることができる。
【0047】
このとき、前記側面貼着プレートにより、巻枠の側面を内方に押圧して梱包体の形態を整えることができる。このため、前記貼着プッシャから側面貼着プレート側に延出した貼着テープをムラなく綺麗に略L字状に貼着することができるようになる。このように、前記フランジ部の折り畳み作業と折り畳まれた各フランジ部の端部同士の結合作業とを円滑に、かつ連続して行うことができるようになる。
【0048】
前記側面貼着プレートにより貼着テープを巻枠の側面を含む領域に貼着するとき、前記フォーク状部材によっても折り畳んだフランジ部を押圧しているが、少なくとも前記側面貼着プレート側に配した前記フォーク状部材については、前記側面貼着プレートによる貼着テープの貼着作業前において、前記側面貼着プレートの作動と干渉しない位置に退避させておくこともできる。この場合においては、前記フォーク状部材に前記側面貼着プレートを通過させるための隙間を前記巻枠の側面との間に形成しておくことは、必ずしも必要な構成とはならない。
【0049】
更に前記テープ貼着手段としては、例えばダンパ手段を前記貼着プッシャに設けることができる。これにより、前記貼着プッシャの押圧面によって前記フランジ部の折り畳まれた表面を弾性的に押圧支持しておくことができる。このとき、過剰な力が前記巻枠に対して作用することが防止され、前記貼着プッシャによって前記巻枠の形態を変形させることなく、組立て初期における形態を維持したままの綺麗な形態で引き続いて使用していくことができる。
【0050】
前記貼着テープの前記側面貼着プレート側に突出した長さ部分の裏面側は、前記側面貼着プレートの面上に着脱自在に保持しておく構成とすることもできる。また、前記貼着テープのテープ基板の強度を高める等により、前記側面貼着プレート側に突出した状態を維持できる構成として、前記側面貼着プレートにより順次巻枠の側面に貼着テープを貼着させていく構成とすることもできる。
【0051】
更に前記折曲機構にベンディングプレートを備えることができる。このベンディングプレートは、フランジ部の折り畳み作業時において、巻枠に巻き取られた長尺材の端部保持と共に、フランジ部の折り畳み用の当て板としての機能を持たせることができる。前記ベンディングプレートとしては、一対の前記フランジ部の対向間寸法、すなわち巻枠の中空角胴部の長さ寸法と略同一の幅寸法を有するプレート部材から構成することができる。
【0052】
前記ベンディングプレートを折り畳む前の一対の前記フランジ部間に挿入し、長尺材の巻上り周面に同ベンディングプレートを当接させた状態で、前記折曲部材により前記対向して配したフランジ部の端部同士が互いに重なり合うように折り畳むことができる。各フランジ部を折り畳み、前記貼着プッシャを作動させて折り畳んだフランジ部の端部間を貼着テープにより貼着した後で、あるいは前記貼着プッシャを作動させる前に、前記ベンディングプレートを一対の前記フランジ部間から離間する位置へ退避させることができる。
【0053】
また、前記ベンディングプレートを備えることにより、各フランジ部を前記長尺材の巻上り周面に向けて互いを反対側に折り畳むとき、その折り畳んだ前記フランジ部を一平面上に支持した状態としておくことができる。これにより、各フランジ部の端部同士が当接し合って変形したりすることや、前記フランジ部の折曲稜線部が異形状に変形してフランジ部の折り畳みが行われたりすること、或いは対向する各フランジ部の折り畳み位置が互いに異なる等といった事態の発生を防止することができる。
【0054】
このため、前記フランジ部は前記ベンディングプレートの側端縁に沿って、しかも前記巻枠の中心軸線にほぼ直交して真っ直ぐに折り畳むことができるようになる。前記フランジ部の折曲稜線部を綺麗に且つ正確に折り畳むことができるようになり、しかも、フランジ部の折り畳み精度を安定化して確実に行うことができる。
【0055】
本願発明の自動梱包機における折曲機構及び結合機構は、前記長尺材の巻取装置の近傍に配設することができる。これにより、長尺材を巻き取った巻枠を巻取装置に装着した状態でしかも巻取装置における間欠駆動によって、巻取装置に装着した巻枠を前記折曲機構及び結合機構に対して間欠的に割り出して位置決めすることが可能となる。
【0056】
更に、巻取装置の間欠駆動によって、折り畳むフランジ部を前記折曲機構及び結合機構の作動位置に割り出し位置決めすることができ、フランジ部を順次折り畳みしかも折り畳んだ後にフランジ部の端部同士を結合していくことができる。各フランジ部の折り畳み後には、搬送手段等を用いることで梱包が完成した巻枠を巻取り装置から取り外し、完成品ストッカーに取り外した巻枠を貯蔵しておくことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0057】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて具体的に説明する。
図1は、本発明の代表的な実施形態である長尺材の自動梱包機10を概略的に示す全体システム図、図2は同正面図、図3(a)〜(g)は多角形状の巻枠1の組立対象となる段ボール紙Pの組立手順を概略的に示す説明図である。なお、本実施形態では、巻枠に巻取りされる長尺材としてファスナーチェーンF(図10)を例に挙げて説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばファスナーテープ、ワイヤーハーネスやフィーダー線、ワイヤーコード、電線などの長尺材の巻取り梱包用にも好適に適用することができる。
【実施例1】
【0058】
ファスナーチェーンFを巻き取って梱包するための巻枠1は、図3(a)に示すように強靱性を有する段ボール紙Pから形成することができる。所要の形状に形成された一枚の段ボール紙Pからなる長尺板体を組み立てて構成されている。段ボール紙Pは、巻枠1の形態を定める第2折目線L2によって複数の単位基板2,…,2に区画されている。各単位基板2の両側側端縁には、前記第2折目線L2に直交する第1折目線L1に沿って互いを対向するように折り返される複数の折曲翼片3,…,3が延設されている。同折曲翼片3,…,3は折り曲げられて巻枠のフランジ部Bとして形成される。
【0059】
段ボール紙Pは、2枚の単位基板2を一組として、二組の単位基板2同士が中央接続片2aを介して接続されている。各組の単位基板2のうち、段ボール紙Pの長さ方向における両側端部に配された2枚の端部単位基板2には、同端部単位基板2の端縁中央部から外方に向かって短冊状の端部連結片2bが突設されている。
【0060】
前記第1折目線L1及び第2折目線L2は、単位基板2及び折曲翼片3の各肉厚よりも薄肉に形成された直線状の凹部又は溝部等から構成されている。これにより、段ボール紙Pを所要の形態に折り曲げ易く構成している。各単位基板2を前記第2折目線L2に沿って同一方向に折り曲げることで、4枚の大小の単位基板2,…,2から構成される略四角筒形の中空角胴部Aが形成される。
【0061】
また、前記第1折目線L1に沿って各折曲翼片3を外側に90°折り曲げることで、前記中空角胴部Aの中心軸線に直交して立ち上がる8枚の折曲翼片3,…,3からなるフランジ部Bが形成される。これらの単位基板2及び折曲翼片3により、図3(g)に示すような形状となった段ボール製の巻枠1を形成することができる。
【0062】
尚、以下においては、略四角形筒形の中空角胴部Aが形成される例を用いて説明を行うが本願発明における中空角胴部の形状としては、略四角形の形状に限定されるものではなく、三角形以上の多角形の形状として構成することができるものである。
【0063】
図1及び図2において、符号10はファスナーチェーンFの自動梱包機を示している。本発明の対象となる自動梱包機10は、上述したような予め所要の形状に形成された一枚の段ボール紙Pを自動的に供給する台紙供給部20を備えている。同台紙供給部20の下流側には、段ボール紙Pを前記第1折目線L1及び第2折目線L2に沿って折り曲げることで巻枠1を形成するための枠体形成部30が配されている。
【0064】
同枠体形成部30の下流側には、形成された巻枠1の中空角胴部Aを巻取装置50に装着するための枠体装着部40が配されている。前記枠体装着部40の左右隣接位置には、図1及び図2に示すように、巻枠1の外周にファスナーチェーンFを自動的に巻き取るための巻取装置50がそれぞれ設置されている。
【0065】
巻取装置50はターレット型に構成されており、巻枠1の装着位置と、装着した巻枠1に対して長尺材であるファスナーチェーンFを巻き取るとともに同ファスナーチェーンFを巻き取った巻枠1を取り外す巻き取り・取り出し位置との間で間欠的に回動位置決めすることができる。また、巻き取りを行うために装着した巻枠1を回転駆動させることができる構成となっている。
【0066】
また、巻取装置50には、後述する巻枠1のフランジ部Bを折り畳む折曲機構71及び折り畳んだフランジ部Bの端部間を結合する結合機構72に対向した位置に、前記フランジ部Bを順次割り出し位置決めする間欠位置決め機構を備えておくことができる。
【0067】
前記枠体装着部40には、図2に示すように、前記枠体形成部30にて形成された巻枠1をターレット型の巻取装置50へと順次供給して装着する巻枠体移動装置41が備えられている。巻枠体移動装置41は、巻枠1を巻取装置50の巻枠保持機構51に装着するため巻枠1の姿勢位置を調整する機構を備えている。更に前記枠体装着部40の下流側であって各巻取装置50と対向する位置には、図1に示すように、巻取装置50の巻取軸部に対応してファスナーチェーンFの供給及び巻取り後のファスナーチェーンF端部の切断を行う長尺材供給部60がそれぞれ設置されている。
【0068】
図1及び図2に示すように、各巻取装置50の一端部には、ファスナーチェーンFを巻き付けた巻枠1のフランジ部BをファスナーチェーンFの巻上げ周面に向けて互いに折り曲げて折り畳んだ後に、折り畳んだ各フランジ部Bの端部同士を互いに結合する折曲/結合部70がそれぞれ並設されている。
【0069】
フランジ部Bは、各単位基板2に設けた折曲翼片3を折り曲げることにより形成される。図示例では、1基の枠体形成部30に対して、2基のターレット型の巻取装置50,50が配せられ、それぞれの巻取装置50における巻取り軸が交互に装着位置と巻き取り及び取り出し位置間とを間欠的に回動するように構成されている。
【0070】
折曲/結合部70,70は、それぞれの巻取装置50における巻き取ったファスナーチェーンFを取り出すことのできる取り出し位置に配されている。ファスナーチェーンFを巻き取った巻枠1を巻取装置50から取り出し、フランジ部Bを折り曲げて折り畳むことにより巻枠1に巻き取られたファスナーチェーンFを梱包する。梱包された完成品は、各折曲/結合部70の左右隣接位置に配した排出部80により排出される。これらの装置の全ての駆動は、図示せぬ運転制御パネルから制御信号により行うことができる。
【0071】
更に各折曲/結合部70の左右隣接位置には、図1及び図2に示すように、巻枠1にて梱包されたファスナーチェーンFの梱包完成品を排出する排出部80がそれぞれ並設されている。
【0072】
排出部80には、図2に示すように、ファスナーチェーンFの梱包完成品を折曲/結合部70から取り外して完成品ストッカー81へ排出させる巻枠排出装置82がそれぞれ配されている。各完成品ストッカー81は、図1に示すように、台紙供給部20及び枠体形成部30の側部にそれぞれ設置されている。排出部80から排出されたファスナーチェーンFの梱包完成品は、巻枠排出装置82により完成品ストッカー81へと移載され、完成品ストッカー81に貯蔵される。
【0073】
先ず、台紙供給部20、枠体形成部30及び枠体装着部40の代表的な例について図1〜図3を参照しながら具体的に説明する。
台紙供給部20は、図1に示すように巻枠1の組立対象となる段ボール紙Pを移送方向に向けて展開した状態で多段に集積している台紙ストッカー21と、段ボール紙Pを一枚ごとに台紙ストッカー21から取り出して移送する移送路22とを備えている。同移送路22には段ボール紙Pの移送手段が配設されているが、図示例においては同移送手段を省略して示している。移送手段としては、ベルトコンベア、プッシャコンベア、吸引搬送手段等の従来から周知の移送手段を用いることができる。
尚、本願明細書においては、移送路22としては、移送手段を含んだものとして移送路の用語を用いているものである。
【0074】
移送路22に沿って移送される段ボール紙Pは、移送路22中に配された枠体形成部30において巻枠1が形成される。巻枠1を形成する順序としては、図3(a)〜(e)に示すように第1折曲線L1及び第2折曲線L2に沿って所定の手順で順次折り曲げられて、折り曲げられた後に巻枠1として組立てられる。
尚、図3(b)は、折曲翼片3の折り曲げ状態が分かり易いように、段ボールの移送方向に対して90°回転させた状態を示している。即ち、図3(b)において紙面に垂直な方向が段ボールPの移送方向となっている。
【0075】
図3(a)〜(g)において、枠体形成部30は、段ボール紙Pの各単位基板2の左右から延出する折曲翼片3を第1折目線L1に沿って折り曲げる第1折曲形成部30−1と、段ボール紙Pにおける接続一体化した4枚の単位基板2,…,2のうち、段ボール紙Pの両端部単位基板2を前記第2折目線L2に沿って互いを向かい合うように折り曲げる第2折曲形成部30−2と、両端部単位基板2の両端に突出する端部連結片2b同士を連結する端部連結部30−3と、互いに接続された各単位基板2を筒状に起こして略四角筒形の中空角胴部Aを形成する筒部形成部30−4と、を備えている。
【0076】
図3(a)では、台紙供給部20の台紙ストッカー21から移送路22を介して移送されてくる一枚の段ボール紙Pの形状を示している。図3(b)には、段ボール紙Pの折曲翼片3を折曲する第1折曲形成部30−1を示しており、同第1折曲形成部30−1では折曲翼片3に対して第1折目線L1に沿った所定角度の折り曲げを行うことで、折曲翼片3に折り癖を付けることができる。
【0077】
第1折曲形成部30−1は、図3(b)に示すように翼片折曲部材である複数のハンマー31,…,31を備えている。各ハンマー31は、移送路22に沿って移送されてくる段ボール紙Pの各折曲翼片3に対向してそれぞれ配されている。また、前記第1折曲形成部30−1には、段ボール紙Pの第1折曲線L1と対応する下面位置に一対の長尺支持材32,32が平行に立設されている。一対の長尺支持材32,32は、ハンマー31により折曲翼片3を折り曲げるときに当て板としての機能を有している。各長尺支持材32,32上の段ボール紙Pは、図示せぬ移送手段によって移送及び移送停止が行われる。
【0078】
ハンマー31は、長尺支持材32の上端に向けて略L字状に屈曲された屈曲部材により構成されており、移送路22の左右側縁近傍において、各折曲翼片3と対応する位置に配されている。図示せぬハンマー回動手段を介して段ボール紙Pの移送方向に対して平行な軸部周りを回動させることができる。ハンマー31の回動先端部には、折曲翼片3を下方に向けて折り曲げるロール部材31aがピンを介して回転自在に支承されている。
【0079】
段ボール紙Pの移送を一旦停止させた後に、図3(b)に示すように図示せぬハンマー回動手段を介して各ハンマー31を各折曲翼片3の端部表面に向けて一斉に下方に回動させる。これにより、各折曲翼片3を段ボール紙Pの第1折目線L1に沿って必要な角度だけ順次折り曲げて折り癖をつけることができる。
【0080】
ロール部材31aは、単一の折曲翼片3の幅寸法と略同一の寸法を有している。尚、ロール部材31aの形状としては、単一の折曲翼片3から形成され、折曲翼片3の幅寸法と略同一の長さ寸法に形成された形状に限定されるものではなく、折曲翼片3の幅寸法に対して複数個のロール部材31aが当接する構成とすることもできる。
【0081】
また、段ボール紙Pの片側に配した折曲翼片3のそれぞれに当接するように、段ボール紙Pの片側に配した折曲翼片3の配設数と同数のロール部材31aを移送路22の両側に配することもできる。更には、移送路22の両側にそれぞれ配し、一つの折曲翼片3の幅寸法に対応させて配設した一つのロール部材31a又は複数のロール部材31aによって、同ロール部材31aの前に間欠的にもたらされた折曲翼片3を順次折り曲げるように構成することもできる。
【0082】
前記第1折曲形成部30−1において段ボール紙Pの各折曲翼片3が、段ボール紙Pの第1折目線L1に沿って折り曲げられた後、段ボール紙Pは第2折曲線L2に沿って折り曲げられるべく第2折曲形成部30−2へと移送される。図3(c)に示すように第2折曲形成部30−2では、前記第1折曲形成部30−1から移送路22を介して移送されてきた段ボール紙Pの移送を一旦停止させて、段ボール紙Pを第2折曲線L2に沿って折り曲げ作業を行う。このとき、抑えプレート33は段ボール紙Pの上面における各端部単位基板2の折曲位置の相当部位に水平方向から挿入される。
【0083】
前記抑えプレート33を段ボール紙Pの上面に当接させた状態で、各ベンディング部材34のロール部材34bを、各端部単位基板2の折曲部位に向けて各端部単位基板2の下方から上方に移動させる。このとき、各端部単位基板2を前記抑えプレート33の側端縁と合致する第2折目線L2に沿って上方に回動させながら折り曲げることができる。引き続いて、各端部単位基板2の端縁から突出する端部連結片2b同士が互いに重なり合う位置まで各ベンディング部材34のシリンダロッド34aを伸長させる。これにより、各ベンディング部材34のロール部材34bを、各端部単位基板2の表面上を横から押圧しながら転動させることができる。
【0084】
なお、段ボール紙Pにおける各端部単位基板2の折曲位置に折り曲げ行う前に、前記抑えプレート33を段ボール紙Pにおける端部連結片2bの折曲位置と中央接続片2aの折曲位置とに沿って水平に順次挿入することで、上述の動作と同様に各ベンディング部材34にて段ボール紙Pにおける端部連結片2bと中央接続片2aの各折曲位置に対して折り癖を付けておくこともできる。
【0085】
前記端部連結部30−3では、貼着テープTによる貼着作業が、折り畳まれて重ね合わさった前記端部連結片2b間に架け渡たす形で行われる。同端部連結部30−3は、前記第2折曲形成部30−2における作業場所に配設することができ、同第2折曲形成部30−2での作業終了後に同じ作業場所で貼着テープによる貼着作業を行わせることができる。
【0086】
貼着テープによる貼着作業を行う前に、図示せぬ貼着テープ供給手段から供給された貼着テープTは所要の長さに切断されてその非貼着面は、貼着部材35により吸着保持されている。押圧プッシャ36による各端部単位基板2の押圧状態下で貼着部材35を段ボール紙Pの各端部連結片2bの端部に向けて下降させることにより、重ね合った前記端部連結片2b間に貼着テープTを貼着することができる。
【0087】
段ボール紙Pの各端部単位基板2同士の連結作業が終了すると、段ボール紙Pに対する前記押圧プッシャ36及び貼着部材35の押圧状態を保持した状態又は押圧状態による保持を解除し、段ボール紙Pを次の筒部形成部30−4へ移送路22を介して移送し、この筒部形成部30−4により段ボール紙Pの最終組立作業が行われる。
【0088】
筒部形成部30−4では、段ボール紙Pの移送を停止させた後、保持部材37を上昇させて、移送路22に直接接触する2枚の単位基板2,2のうちの一方の単位基板2を下方から吸引保持する。続いて、筒部形成プレート38にて前記吸引保持された一方の単位基板2に隣接する他方の単位基板2を下面から押し上げるようにして回動させる。
【0089】
この筒部形成プレート38による回動で、折り畳まれて端部同士が連結された4枚の単位基板2,…,2は立ち上がり略四角筒状の形状となることができる。即ち、図3(f)に示すように巻枠1における中空角胴部Aを形成することができる。
尚、端部連結部30−3においては、上述したように予め段ボール紙Pにおける各単位基板2間の折曲位置に折り癖をつけておくことができ、或いは前記第1折目線L1及び第2折目線L2を直線状の凹部又は溝部等から構成しておくことができるため、段ボール紙Pを容易に立ち上げて略四角筒状に形成することができる。
【0090】
このようにして、端部連結部30−3における段ボール紙Pの各端部連結片2bの結合作業と筒部形成部30−4における段ボール紙Pによる巻枠1の形成作業とを連続して円滑に行うことができる。予め所要の形状に形成された一枚の段ボール紙PからファスナーチェーンFの巻枠1を組み立てる組立作業が完了すると、組立作業が完了した巻枠1を巻取装置50に装着するため、巻枠1を枠体装着部40へと移行することができる。
【0091】
枠体装着部40には、図2に示すように巻枠体移送装置41が設置されている。この巻枠体移送装置41は、巻枠1の中空角胴部Aの上面を吸引することで吊下状態に保持するとともに、その中空角胴部Aを前後から挟持することで前記枠体装着部40とその左右側部にそれぞれ設置された巻取装置50との間を交互に往復動することができる。
【0092】
枠体装着部40では、巻枠1の中空角胴部Aを吸引保持する前に、前記角筒形成部30−4で組立てられた巻枠1を吸引保持できる姿勢に巻枠体移送装置41が位置決め及び姿勢制御される。その後、巻枠体移送装置41を巻枠1の中空角胴部Aを保持する位置まで下降させ、前記中空角胴部Aの外周面を吸引保持するとともに中空角胴部Aの側面等を挟持する。次いで、保持した巻枠1の中空角胴部Aにおける開口側を巻取装置50の巻取軸部に向けて移動せる。これにより、図3(f)及び図3(g)に示すように巻枠1の中空角胴部Aを巻取装置50の巻取軸部に嵌着させることができる。
【0093】
尚、巻枠体移送装置41として、吸引部材及び狭持部材を備えた構成について説明を行ったが、巻枠体移送装置41としては同構成に限定されるものではなく、巻枠1を筒部形成部30−4から巻取装置50に移送することができる搬送装置であれば、他の構成の搬送装置を巻枠体移送装置41として使用することができるものである。
【0094】
次に、図4及び図5を参照しながら、巻取装置50の巻取軸部について説明する。図4及び図5は本発明の代表的な巻取装置50の巻枠保持機構51の構造例を示している。
図4及び図5において、巻取装置50は、図示せぬ回転駆動モータにより駆動回転される中心軸52と、同中心軸52に摺動可能で且つ一体回転可能に支承された巻枠保持機構51とを備えている。巻枠保持機構51は、巻枠1の中空角胴部Aを内面から支持するとともに、前記第1折曲形成部30−1において予め折り癖が付けられた各折曲翼片3を前記中空角胴部Aに対して略直角に、しかも放射状に折り曲げてフランジ部Bとし、フランジ部Bとした各折曲翼片3の折曲姿勢を保持することができる。
【0095】
前記巻枠保持機構51としては、巻取装置50における中心軸52の軸線回りに配された都合4本の枠材53,…,53と、各枠材53の挿入側に向かう回転径を縮小・拡大させることができる径変更手段をもつ枠材保持部とを備えることができる。尚、中空角胴部が多角形形状に形成される場合には、同多角形形状の各端面に対応した数の枠材53を用いることができる。
【0096】
巻取装置50の中心軸52における先端部に形成した、放射状に突出した4つの突片52a,…,52aにはリンク部材55が回動自在に支承されている。前記中心軸52の後端部に摺動自在に挿嵌した摺動筒体54には、放射状に延出した都合4本のスポーク部材54a,…,54aが一体に突設されている。前記リンク部材55と前記スポーク部材54aのそれぞれは、同一長さを有しており、前記リンク部材55の揺動姿勢によって同一高さ寸法となるように設定されている。
【0097】
前記リンク部材55の先端部と前記スポーク部材54aの先端部とに回動自在に支承された前記枠材53の長手方向の両端部には、外方に向けて直角に屈曲した前後折曲姿勢保持片53a,53aがそれぞれ一体に形成されている。前記リンク部材55が立ち上がったときに、各枠材53を所定の間隔をおいて前記中心軸52の軸線に対して平行となるように構成することができる。
【0098】
前記リンク部材55の回動は、前記摺動筒体54を巻取装置50の中心軸52に沿って所要のストロークだけ前後に摺動させることにより行わせることができる。前記枠材55は、図5に示すように、先端部が前下がりに傾斜した状態で、巻取装置50の巻枠保持機構51から巻枠1の中空角胴部Aを挿脱することができる。
【0099】
図5に示すように各枠材53を前下がりの傾斜状態において、巻枠1の中空角胴部Aを各枠材53の外面に外嵌するように装着させることができる。このとき、巻枠1の挿嵌方向の先端側の折曲翼片3が各枠材53の後端側折曲姿勢保持片53aの内側に当接して、前記第1折曲形成部30−1において予め折り曲げ易くした各折曲翼片3を第1折曲線L1に沿って外方に向けて直角に折り曲げることができる。これによりフランジ部Bの一方を形成することができる。
【0100】
片側のフランジ部Bを形成した状態から、シリンダロッド端56に設けた係着部材57と同係着部材57に遊嵌し前記摺動筒体54に形成された環状フランジ54bとの係合作用によって、前記シリンダロッド端56を移動させることで前記枠材53を前記中心軸52に対して平行状態とすることができる。
【0101】
このとき、折曲翼片3の先端側内面が前記枠材53の先端側折曲姿勢保持片53aと当接し、前記第1折曲形成部30−1において予め折り癖が付された折曲翼片3は第1折曲線L1に沿って外側に直角に折り曲げられる。こうして中空角胴部Aの両端開口から直角に折り曲げられた各折曲翼片3によって長尺材の巻取時における巻枠1のフランジ部Bが形成され、形成されたフランジ部Bは、先端側及び後端側の折曲姿勢保持片53aによって保持されることになる。前記枠材53の先端側を小径とすることで、巻枠1を巻取装置50の巻枠保持機構51から取り外し易くすることができる。
【0102】
巻枠1を巻取装置50に装着した後、前記巻取装置50に対向して設けられた図1に示す長尺材供給部60から供給されたファスナーチェーンFの先端を巻枠1の外面に固着して、長尺材であるファスナーチェーンFを巻枠1の中空角胴部A周面に所定量巻き取ることができる。また、巻枠1へのファスナーチェーンFの巻取りが終了したときには、長尺材供給部60においてファスナーチェーンFの巻取り終端部の切断を行い、次の新たな巻枠1にファスナーチェーンFを供給するために、切断した先端部を保持しておく。
このようにして、ファスナーチェーンFの巻取り作業を省力化するとともに、自動化することができるようになり、ファスナーチェーンFの梱包作業を極めて効率的に行うことができる。
【0103】
本発明の自動梱包機10では、図1及び図2に示すように、巻取装置50により巻枠1に巻き取ったファスナーチェーンFの巻上り周面に向けてフランジ部Bを折り畳み、折り畳んだフランジ部Bの端部同士を連結させてファスナーチェーンFを梱包する本発明の特徴部である折曲/結合部70を備えることができる。
【0104】
巻取装置50は、前記枠体装着部40による巻枠1の装着位置とファスナーチェーンFの巻取り及び巻き取りが完了した巻枠1の取り外し位置との間を割り出し位置決めすることができる。折曲/結合部70では、ファスナーチェーンFが巻き取られた巻枠1におけるファスナーチェーンFの巻上り周面に向けて、巻枠1のフランジ部Bを折り畳み、折り畳んだフランジ部Bの端部同士を相互に連結固定する作業を連続して自動的に行うことができる。
【0105】
折曲/結合部70によるフランジ部Bの折り畳み作業、及び折り畳んだフランジ部Bの端部同士の連結固定作業は、巻枠1を巻取装置50に装着した状態で行うことも、巻取りが完了した巻枠1を巻取装置50から取り外し、取り外した巻枠を割り出し位置決め可能な支持装置等に装着して行うこともできる。折曲/結合部70による作業を巻枠1が巻取装置50に装着された状態で行うときには、巻取装置50の巻取り軸を間欠位置決め回転させ、折り畳む一対のフランジ部Bを順次折曲/結合部70による作業位置に割り出し制御させることが望ましい。
【0106】
以下に、上記折曲/結合部70の機構・構造について図6〜図9を参照しながら具体的に説明する。図6は本発明の自動梱包機10における折曲/結合部70の要部を概略的に示している。同図において、折曲/結合部70は、折曲対象となる一対のフランジ部Bを相互に内方に折り畳む折曲機構71と、各フランジ部Bの折り畳んだ端部同士を貼着テープTにより貼着結合する結合機構72とを備えている。前記折曲機構71は、対向する各フランジ部Bを互いに内方に折り畳む回動折曲手段73と、各フランジ部Bの折り畳みを補助するベンディングプレート74とを有している。
【0107】
前記折曲機構71は、略コ字状断面をもつ支持枠体75に組み込まれている。同支持枠体75は、第1昇降手段である第1昇降シリンダ75aのロッド端に固着支持され、また同ロッドを挟んだ両側に配された一対の案内ロッド75b,75bの下端が固定されている。各案内ロッド75bは、前記第1昇降シリンダ75aと平行に配された筒状の案内部材75cの内部に挿嵌されており、前記第1昇降シリンダ75aの伸縮により支持枠体75を案内部材75cに沿って摺動させることができる。これにより、ファスナーチェーンFを巻き取った巻枠1の上方における待機位置とフランジ部Bを折り畳む折り畳み位置との間で前記支持枠体75を昇降動させることができる。
【0108】
前記折曲機構71の各回動折曲手段73は、図示せぬ回転駆動モータにより回転駆動される回動部材73aと、同回動部材73aの外周面に設けた折曲部材であるフォーク状部材73bとを備えている。前記回動折曲手段73は、所定の間隔をおいて前記支持枠体75の左右両側部近傍に回動自在に支持されている。図7(b)、(c)に示すように所定の時間差をおいて互いに順次お辞儀する方向に回動することができ、回動した後にその状態を維持しておくことができる。
【0109】
前記折曲機構71のベンディングプレート74は、図7、図8に示すように対向する一対のフランジ部B間の間隔寸法と略同一の幅寸法を有している。同ベンディングプレート74は前記支持枠体75に連結固定された作動シリンダ74aのロッド端に水平状態となるように支持されている。同作動シリンダ74aは、前記第1昇降シリンダ75aの摺動方向と直交する方向に向けて作動することができる。
【0110】
また、同作動シリンダ74aは、前記第1昇降シリンダ75aと独立して単独に作動させることができる。作動シリンダ74aを作動させることによって、前記ベンディングプレート74の裏面をファスナーチェーンFの巻上り周面上の位置(図7(b)、(c)参照。)と、同位置から離間した待機位置(図7(a)、(d)参照。)との間を移動させることができる。
【0111】
更に、前記第1昇降シリンダ75aの作動により、図7(b)、図8に示すように前記ベンディングプレート74の裏面をファスナーチェーンFの巻上り周面上に当接させることができる。即ち、図7(d)に示すように、作動シリンダ74aを図7(a)の状態からによる作動方向とは逆向きに作動させることで、同ベンディングプレート74上面上で折り畳まれた各フランジ部Bから離間した待機位置に抜脱させる。
【0112】
図7には折曲/結合部70における折曲機構71の動作例を、模式的に段階を追って示している。図7(a)に示すように、上方の待機位置に待機した折曲/結合部70の折曲機構71を、図6に示す第1昇降シリンダ75aのロッドを伸長させることで、巻取装置50に装着した状態の巻枠1における各フランジ部Bの折曲位置に向けて下降させる。フランジ部Bの折り畳み高さ位置と合致する位置にフォーク状部材73bを位置させると、作動シリンダ74aのロッドを伸長させてベンディングプレート74をファスナーチェーンFの巻上り周面に対向する位置に移動させる。
【0113】
このとき、同ベンディングプレート74を一対のフランジ部B間に挿入することになり、ファスナーチェーンFの巻上り周面に対して当接させることができる。なお、ベンディングプレート74をファスナーチェーンFの巻上り周面に対向する位置に移動させた後に、第1昇降シリンダ75aを作動させて、折曲機構71及びベンディングプレート74を一体的に降下させることもできる。
【0114】
このとき、ベンディングプレート74の側端縁を各フランジ部Bの折曲稜線部に沿って配することができるので、各フランジ部Bの折曲稜線部が異形状に変形して折り畳まれることや、或いは、対向するフランジ部Bの折り畳み位置が異なることを防止することができる。このため、ベンディングプレート74の側端縁に沿って、巻枠1の中心軸線にほぼ直交して真っ直ぐな状態で、且つ正確に折り畳むことができる。
【0115】
図7(b)に示すように一方の回動部材73aを回動させることで、同回動部材73aのフォーク状部材73bにより、一方のフランジ部Bの側面を押圧しながらベンディングプレート74の側端縁に沿って内方に折り畳むことができる。フランジ部Bを折り畳んだフォーク状部材73bは、回動が停止されてその折り畳み姿勢を維持することができる。
【0116】
図7(c)に示すように所定の時間差をおいて他方の回動部材73aを回動させることで、同回動部材73aのフォーク状部材73bにより、他方のフランジ部Bの側面を押圧しながらベンディングプレート74の側端縁に沿って内側に折り畳み、先に折り畳んだランジ部3の端部に後から折り畳んだフランジ部Bの端部を重ね合わせることができる。
【0117】
図7(c)に示すように、各フランジ部Bを互いにお辞儀をするように内側へ折り畳んだ後、フォーク状部材73bの回動が停止されてフランジ部Bの折り畳み姿勢を維持することができる。これにより、各フランジ部Bの折り畳み作業と、折り畳んだ形態の維持作業とを連続的に且つ効率的に行うことができるようになり、迅速に且つ円滑に次のフランジ部Bの端部同士の結合作業へと移行することができる。
【0118】
図7(d)に示すように、一対の前記フォーク状部材73bによって各フランジ部Bの折り畳み形態が維持されている状態において、前記作動シリンダ74aのロッドを収縮させることにより、前記ベンディングプレート74を単独で退避位置に水平に移動させることができる。
【0119】
このように前記ベンディングプレート74は、前記回動折曲手段73と協働して昇降動することができ、前記作動シリンダ74aの作動によって単独で折り畳まれたフランジ部Bの下面位置と同下面位置から離間した待機位置との間を水平方向に往復動することができる。ベンディングプレート74を備えることにより、図8に示すように各フランジ部Bの折曲稜線部を巻枠1の中心軸線に対してほぼ直交した形状とすることができ、綺麗で且つ正確にフランジ部Bを折り畳ませることができる。
【0120】
また、各フランジ部Bの折り畳み形態を常に一定の形状に確保することができるので、各フランジ部Bの端部同士を貼着テープの全貼着面をもって確実に貼着させることができるようになる。これにより、貼着テープの貼着保持強度を高めることができる。更に、貼着テープの貼着位置及び貼着形態を、貼着テープによって梱包体の外観を損なうことのない位置及び形態で巻枠に貼着することができるようになり、安定した形態を有する高品質の梱包完成品を得ることができるようになる。しかも、梱包完成品の保管時や輸送時における荷崩れや段ボール紙の破損等をも確実に防止することができる。
【0121】
前記折曲機構71としては、前記折曲部材であるフォーク状部材73bを折曲維持手段として兼用することができる。また、同折曲機構71を構成する回動部材73a、フォーク状部材73b、第1昇降シリンダ75a、ベンディングプレート74、ベンディングプレート74用の作動シリンダ74a等を集約化して一体的に組み込んだ構成とすることができる。これにより、前記折曲機構71の小型化やユニット化を達成することができ、装置全体の設置スペースを縮小化することができる。
【0122】
折り畳まれた各フランジ部Bの端部同士を互いに結合させる結合機構72としては、図6に示すようにテープ貼着手段76を用いた構成とすることができる。結合機構72としては、前記第1昇降シリンダ75aに対して並設された第2昇降手段としての第2昇降シリンダ72aと、折り畳まれる各フランジ部Bのうち少なくとも一方の端部表面と他方のフランジ部Bにおける折曲稜線部を越えた側面との二面にわたって、貼着テープTを略L字状に貼着するテープ貼着手段76とを有している。
【0123】
同テープ貼着手段76は、各フランジ部Bの端部を押圧して貼着テープTを貼着させる貼着プッシャ77と、一方のフランジ部Bにおける折曲稜線部を含む側面を内側に圧接してフランジ部Bの側面に貼着テープTを貼着させる縦長形状の側面貼着プレート78とを有している。同テープ貼着手段76は、前記第2昇降シリンダ72aにより昇降動され、同第2昇降シリンダ72aは、前記第1昇降シリンダ75aとは独立して単独に上下方向に伸縮する構成とすることができる。
【0124】
前記貼着プッシャ77は、一端が側面貼着支持プレート78aに摺動自在に垂下支持された一対の案内ロッド77aのロッド端に固定されている。前記貼着プッシャ77と側面貼着支持プレート78aとの間における同案内ロッド77aには、圧縮スプリング77bが介装されている。同圧縮スプリング77bによって、前記貼着プッシャ77で折り畳まれた各フランジ部Bの表面に対して前記貼着プッシャ77に保持した貼着テープTを弾性的に押圧貼着することができる。また、その押圧状態を維持して前記側面貼着プレート78が巻枠1の側面に沿って更に下方へと移動するのを許容するダンパ手段として、前記圧縮スプリング77bを機能させることができる。
【0125】
前記側面貼着プレート78は、ファスナーチェーンFが巻き付けた巻枠1の直上における待機位置と各フランジ部Bの折り畳まれた表面位置との間を前記貼着プッシャ77とともに昇降動することができる。同側面貼着プレート78は、前記第2昇降シリンダ72aのロッド端と直交して連結固定された側面貼着支持プレート78aの一側から下方向に向けて延設固設されている。
【0126】
前記貼着プッシャ77及び側面貼着プレート78は、前記フォーク状部材73bにおけるフォーク間の間隔を通過可能な寸法形状を有している。また、側面貼着プレート78は、前記フォーク状部材73bにおけるフォークの基部内面と巻枠1の側面と間に形成した空隙を通過可能な寸法形態を更に有している。
【0127】
尚、前記貼着プッシャ77により折り畳んだフランジ部の端部間を貼着テープにより貼着し押圧している状態で、少なくとも側面貼着プレート78側に位置する前記フォーク状部材73bを回動させて、折り畳んだフランジ部Bから離間させておくこともできる。この場合では、側面貼着プレート78の寸法形状は、回動させて離間させたフォーク状部材73b側における回動折曲手段73と巻枠1の側面との間を通過することができる寸法形状とすることができる。
【0128】
前記側面貼着プレート78の先端は、外方に突出するように滑らかに湾曲して形成されている。第2昇降シリンダ72aの作動によって、前記側面貼着プレート78を前記圧縮スプリング77bを圧縮させながら巻枠1の側面に沿って下方に移動させることで、貼着プッシャ77により保持された貼着テープTの側面貼着プレート78側への延設片を支持しながら、延設した貼着テープTをフランジ部Bの側面側に貼着していくことができる。
【0129】
図10に示すように、同テープ貼着手段76によって、前記フランジ部Bの少なくとも一方の端部表面から、対向して折り畳まれる他方のフランジ部Bの折曲稜線部を越えた側面にわたって、貼着テープTを略L字状に貼着することができる。他方のフランジ部Bの端部表面上に一方のフランジ部Bの端部表面が重なるように両フランジ部Bを折り畳んだ後に、一方のフランジ部Bの端部表面から他方のフランジ部Bの端部表面を介して他方のフランジ部Bの折曲稜線部を越えた側面に貼着テープTを貼着することで、貼着テープTによる貼着強度を高めさせておくことができる。
【0130】
即ち、貼着テープを略L字状に貼着することにより、例えばフランジ部Bの復元力により、各フランジ部Bの端部が持ち上がり、フランジ部B間を観音開き状態で外方に拡開して立ち上がらせる力が作用して、貼着テープを引き剥がそうとする。しかしながら、前記フランジ部Bの少なくとも一方の端部表面から他方のフランジ部Bの折曲稜線部を越えた側面間にわたって貼着テープを略L字状に貼着しているため、貼着テープの貼着保持強度を大幅に増大させることができる。これにより、貼着テープが剥がれるのを防止することができる。
【0131】
前記折曲/結合部70により一対のフランジ部B同士の折り畳み、及び折り畳んだフランジ部B間の貼着テープTによる貼着が終了すると、巻枠1は90度割り出され、次の一対のフランジ部Bに対して折り畳み、及び折り畳んだフランジ部B間の貼着テープTによる貼着を行う。これを順次繰り返して巻枠1によるファスナーチェーンFの梱包作業を終了する。
【0132】
図10に示すように、巻枠1にて梱包されたファスナーチェーンFの梱包完成品は、図2に示す巻枠排出装置82を介して巻取装置50から取り出すことができる。取り出された梱包体は、完成品ストッカー81に排出して貯蔵される。なお、巻枠1の中間単位基板2aを画成する一対の第2折目線L2と巻枠1の各端部連結片2bを画成する各第2折目線L2とに沿って、梱包体を偏平に押し潰すこと、即ち、図10における矢印方向に梱包体を押し潰すことにより、略直方体形状の梱包体を扁平形状の梱包体に形成することができる。
【0133】
尚、左右一対のフランジ部Bの形成個数に応じて巻枠1の割り出し角度は設定されるものであり、例えば、上述した実施例の場合であっても、中空角胴部Aの一つ置きに一対のフランジ部Bが形成されている場合には、即ち、2組のフランジ部Bが巻枠1に形成されている場合には、割り出し角度は180度とすることになる。巻枠1の割り出しは、巻取装置50に巻枠1を装着した状態で行うことも、別途割り出し装置上に巻取りが完了した巻き枠を装着して、行うこともできる。
【実施例2】
【0134】
図9には、各フランジ部Bの端部同士を相互に結合させる結合機構72に係わる実施例2を示しており、結合機構72の動作例を模式的に示している。実施例2では、貼着プッシャ87を中空ブロック体により構成した点及び中空ブロック体としたことに伴う構成において、実施例1における貼着プッシャ77の構成とは異なっている。しかし、他の構成は実施例1における構成と同様の構成を備えており、実施例1で用いた部材符号と同一の部材符号を用いることでその説明を省略する。
【0135】
実施例2では、貼着プッシャ87を中空ブロック体により構成している。中空ブロック体は前記フォーク状部材73bのフォーク間を通過可能な寸法形態を有している。中空ブロック体の内部構造は、図9に示すように図示せぬ真空吸引源と連通した吸引室87cを備えている。同吸引室87cと真空吸引源とを連通する回路には図示せぬ開閉バルブ等が配設されている。前記貼着プッシャ87の押圧面には、前記吸引室87cと連通した複数の通気孔87d,…,87dを有するゴム材やスポンジ等の弾性体87eが配設されている。
【0136】
図示せぬ貼着テープ供給手段から供給された貼着テープTは、テープ片としての形態で貼着プッシャ87の押圧面により吸引保持され、吸引保持された前記貼着テープTの一部は側面貼着プレート78側に延出した状態となっている。この状態から図9(a)に示すように、第2昇降シリンダ72aを作動させ、前記結合装置72を巻枠1の各フランジ部Bの端部に向けて下降させる。前記フォーク状部材73bのフォーク間を通過した貼着プッシャ87の押圧面に吸引した貼着テープTは、折り畳まれたフランジ部Bの折り畳み端部間に貼着される。また、貼着プッシャ87の押圧面によってフランジ部Bの表面を弾性的に押圧支持しておくことができる。
【0137】
図9(b)に示すように前記第2昇降シリンダ72aのロッドを更に伸長させると、前記貼着プッシャ87が各フランジ部Bの折り畳み端部の表面を弾性的に押圧しながら、前記側面貼着プレート78を前記圧縮スプリング87bの弾力に抗して巻枠1の側面に沿って下方に向けて移動させることができる。これにより、各フランジ部Bの折り畳み形態を維持した状態で、側面貼着プレート78側に延出した貼着テープTをフランジ部Bの折曲稜線部を含む側面に向けて順次貼着していくことができる。側面貼着プレート78の下方への移動時には、側面貼着プレート78は、前記フォーク状部材73bの基部内面と巻枠1の側面との間に形成した空隙を通過することができる。
【0138】
続いて、図9(c)に示すように、前記第2昇降シリンダ72aのロッドを更に伸長させると、前記側面貼着プレート78は、フランジ部Bの折曲稜線部を含む側面を内側に押圧しながら摺動し、貼着テープTを巻枠1の側面に沿って下方へと順次貼着させることができる。このようにして、フランジ部Bの端部表面を押圧しながら貼着テープTを貼着させた後、時間差をおいて一方のフランジ部Bの折曲稜線部を含む側面を内側に押圧しながら、貼着テープTをムラなく略L字状に貼着させることができる。しかも、巻枠1やフランジ部Bの梱包体の形態を整えながら、重なり合わせたフランジ部Bの端部間からフランジ部Bの折曲稜線部を越えた一方の側面への二面にわたって貼着テープTを略L字状に貼着させることができる。
【0139】
このように、巻枠1の4面のうち、1面におけるフランジ部Bの折り畳み作業とフランジ部Bの端部同士の結合作業とが終了すると、巻取装置50を90°回転割り出しすることで、隣接する未作業のフランジ部Bを上方に向けてセットすることができる。その後、上記作業と同様の作業を順次繰り返して、巻枠1における残りの3面についてもそれぞれの各フランジ部Bの折り畳み作業と各フランジ部Bの端部同士の結合作業とを行い、フランジ部Bの全ての折り畳み作業と結合作業とを完了することができる。
【0140】
前記吸引室87cを前記真空吸引源に連通させることで、前記貼着プッシャ87の押圧面に前記真空吸引源により貼着テープTの非貼着面を吸着・解除可能に保持することができるとともに、対向する各フランジ部Bの端部同士を互いに結合することができるようになっている。前記貼着プッシャ87を備えることにより、簡単な構造で貼着テープTを確実に保持させるとともに、各フランジ部Bの折り畳まれた表面に貼着テープTを馴染ませながら、各フランジ部Bの折り畳まれた表面の形状に沿って確実に密着させることができる。
【0141】
本願発明によって、各フランジ部Bの折り畳み作業と各フランジ部Bの端部同士の結合作業とを円滑にしかも連続的に行うことができる。特に、貼着テープTを巻枠1の各フランジ部Bの表面部分と側面との間を略L字状に貼着することで、各フランジ部Bの折曲稜線部を越えた側面に貼着されたテープ部分の粘着力により、貼着テープTの貼着保持強度を増大させることができ、貼着テープTを容易にはがれにくくすることができる。このため、巻枠1の保管時や輸送時における荷崩れや梱包材である段ボール紙の損傷を防止することができる。
【0142】
巻枠1のフランジ部Bの全ての折曲作業と結合作業とを完了した後、巻取装置50の巻枠保持機構51と、同巻枠保持機構51に装着した巻枠1との嵌合状態を解除することで、その巻枠1を取出し可能な状態に維持することができ、図2に示す巻枠排出装置82を巻枠1の下面に移動させ、巻枠1を巻枠排出装置82にて保持した後、巻枠1の中空角胴部Aを前記巻枠保持機構51から取り出すことで完成品ストッカー81へ移動して排出させることができる。
【0143】
前記結合機構72は、巻枠1と対応する直上待機位置に前記折曲機構71と並列に設置することができる。しかも、巻枠1を常に一定の搬入位置に待機させた状態で、前記折曲機構71の作動と前記結合機構72の作動とを順次に且つ連続的に行うことができ、作業の迅速化を達成することができるとともに、作業効率を大幅に向上させることができる。
【0144】
各フランジ部Bの折り畳み端部同士を相互に結合させる結合機構72は、巻枠1と対応する直上待機位置にフランジ部Bの上記折曲機構71と並列に設置することができ、巻枠1を常に一定の搬入位置に待機させた状態で、前記折曲機構71の作動と前記結合機構72の作動とを順次に且つ連続的に行うことができ、作業の迅速化が達成できると共に、作業効率が大幅に向上できる。
【0145】
以上の説明からも明らかなように、折曲/結合部70では、ファスナーチェーンFを巻き取った巻枠1を用いて巻き取ったファスナーチェーンFを梱包するにあたって、巻枠1の中心軸線にほぼ直交して延設された各フランジ部BをファスナーチェーンFの巻上げ周面に向けて折り畳む作業と折り畳んだ各フランジ部Bの端部同士を互いに結合する作業とを人手を介さずに連続して自動的に行うことができる。
【0146】
この梱包作業の省力化により、段ボール紙から巻取り枠体の成形組立及びファスナーチェーンFの巻取りから梱包までの各種の作業を円滑に且つ連続的に行うことができるようになり、ファスナーチェーンFの梱包作業の合理化と自動化とを達成することが可能となる。
【0147】
また、特に前記折曲機構71により、各フランジ部Bの折り畳み形態を安定化させることができ、更には前記結合機構72により、各フランジ部Bの端部同士の連結強度を向上させることができる。また、各フランジ部Bの折り畳み形態を安定化させることで各フランジ部Bの端部同士の連結強度を増大させることができる。このため、ファスナーチェーンFの保管時や輸送時の荷崩れや段ボール紙の破損等が防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0148】
【図1】本発明の代表的な実施形態である長尺材の自動梱包機を概略的に示す全体システム図である。
【図2】同正面図である。
【図3】枠体の組立対象となる段ボール紙の組立手順を概略的に示す説明図である。
【図4】本発明に適用される巻取軸部の要部を概略的に示す要部斜視図である。
【図5】同巻取軸部の部分断面図である。
【図6】本発明に適用される折曲/結合部の要部を概略的に示す要部斜視図である。
【図7】同折曲機構の動作例を示す説明図である。
【図8】同折曲機構によるフランジ部の折曲形成状況を示す説明図である。
【図9】同結合機構によるフランジ部の結合状況を示す説明図である。
【図10】長尺材の梱包完成品を概略的に示す斜視図である。
【図11】従来の梱包完成品を示す斜視図である。
【図12】従来の他の梱包完成品を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0149】
1 巻枠
2 単位基板
2a 中央接続片
2b 端部連結片
3 折曲翼片
10 自動梱包機
11 運転制御パネル
20 台紙供給部
21 台紙ストッカー
22 移送路
30 枠体形成部
30−1 第1折曲形成部
30−2 第2折曲形成部
30−3 端部連結部
30−4 筒部形成部
31 ハンマー
31a ロール部材
32 長尺支持材
39 湾曲プレート部材
33 抑えプレート
34 ベンディング部材
34a シリンダロッド
34b ロール部材
35 押圧プッシャ
36 貼着部材
37 保持部材
38 筒部形成プレート
40 枠体装着部
41 巻枠体移動装置
50 巻取装置
51 巻枠保持機構
52 中心軸
52a 突片
53 枠材
53a 折曲姿勢保持片
54 摺動筒体
54a スポーク部材
54b 環状フランジ
55 リンク部材
56 シリンダのロッド端
57 係着部材
60 長尺材供給部
70 折曲/結合部
71 折曲機構
72 結合機構
72a 第2昇降シリンダ
73 回動折曲手段
73a 回動部材
73b フォーク状部材
74 ベンディングプレート
74a 作動シリンダ
75 支持枠体
75a 第1昇降シリンダ
75b 案内ロッド
75c 案内部材
76 テープ貼着手段
77 貼着プッシャ
77a 案内ロッド
77b 圧縮スプリング
78 側面貼着プレート
78a 側面貼着支持プレート
80 排出部
81 完成品ストッカー
82 巻枠排出装置
87 貼着プッシャ
87a 案内ロッド
87b 圧縮スプリング
87c 真空吸引室
87d 通気孔
87e 弾性体
A 中空角胴部
B フランジ部
F ファスナーチェーン
L1 第1折目線
L2 第2折目線
P 段ボール紙
T 貼着テープ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1枚の段ボール紙によって組立て形成された中空角胴部(A)及び複数のフランジ部(B)を有する多角筒状の巻枠(1)を用い、前記中空角胴部(A)の周面に巻き付けた長尺材(F)の巻上り周面に向けて前記各フランジ部(B)を折り畳み、折り畳んだ前記各フランジ部(B)の対向する端部同士を結合することで、前記巻枠自体により長尺材(F)を梱包する自動梱包機(1)において、
前記各フランジ部(B)を前記長尺材(F)の巻上り周面に向けて折り畳む折曲機構(71)と、
折り畳んだ前記各フランジ部(B)の対向する端部同士を結合する結合機構(72)と、
を備えてなることを特徴とする長尺材の自動梱包機。
【請求項2】
前記折曲機構(71)が、回動折曲手段(73)と折曲維持手段とを有し、
前記回動折曲手段(73)が、前記巻枠(1)の軸線に直交して外側に折り曲げられた前記各フランジ部(B)を対向するフランジ部(B)の端部同士が互いに接近するように折り畳み、
前記折曲維持手段が、前記各フランジ部(B)の対向する端部同士の折曲げ形態を維持してなることを特徴とする請求項1記載の自動梱包機。
【請求項3】
前記回動折曲手段(73)が、回動部材(73a)と折曲部材(73b)とを有し、
前記回動部材(73a)が、回転駆動手段に連結され、前記折曲部材(73b)が、前記回動部材(73a)の回動軸に沿って延設されてなることを特徴とする請求項2記載の自動梱包機。
【請求項4】
前記結合機構(72)が、テープ貼着手段(76)を有し、
同テープ貼着手段(76)が、前記フランジ部(B)の少なくとも一方の端部表面から対向する他方の前記フランジ部(B)における折り畳んだ折曲稜線部を越えた側面にわたって、テープ(T)を貼着させてなることを特徴とする請求項1記載の自動梱包機。
【請求項5】
前記テープ貼着手段(76)が、貼着プッシャ(77)と側面貼着プレート(78)とを有し、
前記貼着プッシャ(77)が、前記テープ(T) の非貼着面を着脱可能に保持するとともに、対向する前記フランジ部(B)の端部間を押圧して前記テープ(T)を貼着させ、
前記側面貼着プレート(78)が、前記貼着プッシャ(77)とともに前記貼着プッシャ(77)の移動方向と同一方向に移動可能に配され、少なくとも前記他方の前記フランジ部(B)における折り畳んだ折曲稜線部を含む側面を内方に圧接して前記テープ(T)を貼着させてなることを特徴とする請求項4記載の自動梱包機。
【請求項6】
前記折曲部材(73b)がフォーク状部材から構成されてなり、
前記貼着プッシャ(77)が、前記フォーク状部材のフォーク間を通過可能な寸法形態を有し、
前記側面貼着プレート(78)が、前記フォーク状部材の基部内面と前記巻枠(1)の側面との間の空隙を通過可能に配されてなることを特徴とする請求項5記載の自動梱包機。
【請求項7】
前記テープ貼着手段(76)が、更にダンパ手段(77b)を有し、
同ダンパ手段(77b)は、前記貼着プッシャ(77)が前記フランジ部(B)の折り畳んだ表面を前記貼着テープ(T)を介して弾性的に押圧すると同時に、前記側面貼着プレート(78)を前記巻枠(1)の側面に沿って上下方向への移動を許容してなることを特徴とする請求項5又は6記載の自動梱包機。
【請求項8】
前記折曲機構(71)が、更に前記フランジ部(B)の折り畳み位置調整手段を有し、
同折り畳み位置調整手段が、前記長尺材(F)の巻上げ径に応じて、前記フランジ部(B)を折り畳む高さ位置を調整してなることを特徴とする請求項1記載の自動梱包機。
【請求項9】
前記折曲機構(71)が、更にベンディングプレート(74)を有し、
同ベンディングプレート(74)が、折り畳み対象となる一対の前記フランジ部(B)の対向間寸法と略同一の幅寸法を有するプレート部材からなり、
同プレート部材が、前記一対のフランジ部(B)における前記中空角胴部(A)の周面に巻き付けた前記長尺材(F)の巻上り周面に対向した挿入位置と、同挿入位置から離間した退避位置との間で挿脱可能に配されてなることを特徴とする請求項1記載の自動梱包機。
【請求項10】
前記自動梱包機が、前記長尺材(F)を巻き取る巻取装置(50)の近傍に配され、
かつ同巻取装置(50)の間欠回転により順次割り出し位置決めされた前記一対のフランジ部(B)に対して、同割り出された一対のフランジ部(B)の折り畳み、折り畳んだ前記一対のフランジ部(B)における対向する端部同士の結合を行うことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の自動梱包機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−117258(P2006−117258A)
【公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−304552(P2004−304552)
【出願日】平成16年10月19日(2004.10.19)
【出願人】(000006828)YKK株式会社 (263)
【Fターム(参考)】