説明

長尺材搬送位置決め装置

【課題】搬送台の側方のどちら側からでも搬送台に長尺材を横行搬入することができ、且つ、材料の加工不能部分の生じない搬送位置決め装置を提供する。
【解決手段】ピンチローラ装置20のピンチローラ(駆動ローラ21及び従動ローラ22)で長尺材(形鋼A)を挟持した状態で、駆動ローラ21を回転駆動して形鋼Aを前方へ搬送する。形鋼Aの後方端部がピンチローラ装置20直近に達したら、フィードバー装置30のフィードバー36の前方端部に設けられた保持部32で形鋼Aの後方端部を保持し、フィードバー36を加工機械側へスライドさせ、形鋼Aをピンチローラ装置20を過ぎて前方へ搬送位置決めする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、形鋼等の長尺材を、切断機等の加工機械に向けて搬送位置決めする長尺材搬送位置決め装置に関する。
【背景技術】
【0002】
長尺材搬送位置決め装置(以下、単に「位置決め装置」と言う。)としては、例えばキャリッジ方式やピンチローラ方式が知られている。キャリッジ方式の位置決め装置は、長尺材の後方端部をキャリッジで保持し、その状態でキャリッジを加工機械側へスライドさせることにより長尺材を搬送位置決めするものである(例えば、特許文献1参照)。一方、ピンチローラ方式の位置決め装置は、ピンチローラで長尺材を挟持し、その状態でピンチローラを回転駆動することにより長尺材を搬送位置決めするものである(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−42805号公報
【特許文献2】特開昭60−56850号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載されているキャリッジ方式の位置決め装置は、搬送テーブル19の一方の側方に、キャリッジ27をスライドさせるためのガイドレール23が設けられる。ガイドレール23は搬送テーブル19の全長にわたって設ける必要があるため、ガイドレール23側から搬送テーブル19に長尺材(形鋼W)を横行搬入することはできず、搬入方向が反ガイドレール23側に制限される。
【0005】
一方、上記特許文献2に記載されているピンチローラ方式の位置決め装置は、上記のキャリッジ方式の位置決め装置のようにガイドレールを設ける必要がないため、搬送テーブルのどちら側からでも支障なく長尺材を横行搬入することができる。しかし、長尺材の後方端部がピンチローラを過ぎると、もはやピンチローラで長尺材を挟持することはできないため、搬送不能となり、材料の加工不能部分が長くなる。
【0006】
本発明の課題は、搬送台の側方のどちら側からでも搬送台に長尺材を横行搬入することができ、且つ、材料の加工不能部分が生じない位置決め装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明は、搬送台の上に搬入した長尺材を、該長尺材の長手方向を搬送方向として加工機械へ搬送する長尺材搬送位置決め装置において、少なくとも一つが駆動ローラである複数のローラからなるピンチローラを有し、該ピンチローラで長尺材を挟持した状態で前記駆動ローラを回転駆動することにより、該長尺材を加工機械側へ搬送するピンチローラ装置と、搬送方向に延びたフィードバー、フィードバーを搬送方向でスライド可能に支持する支持部、及びフィードバーの加工機械側端部に設けられ、長尺材を保持する保持部を有し、保持部がピンチローラ装置を過ぎて加工機械内の所要の位置に達するまでフィードバーをスライド可能としたフィードバー装置とを備えた長尺材搬送位置決め装置を提供する。
【0008】
この位置決め装置によれば、ピンチローラ装置で搬送できなくなった長尺材を、ストロークの短いフィードバー装置で搬送することができる。すなわち、ピンチローラ装置のピンチローラで長尺材を挟持した状態で駆動ローラを回転駆動して長尺材を前方へ搬送し、長尺材の後方端部(加工機械と反対側の端部)がピンチローラ装置直近に達したら、フィードバー装置のフィードバーの前方端部(加工機械側端部)に設けられた保持部で長尺材の後方端部を保持し、フィードバーと共に長尺材を加工機械側へスライドさせることにより、長尺材をピンチローラ装置を過ぎて加工機械側へ搬送位置決めすることができる。これにより、主要な搬送はピンチローラ装置で行うことができるため、上記特許文献1のように搬送台の全長にわたってガイドレールを設ける必要がなくなり、搬送台のどちら側からでも長尺材を横行搬入することができる。また、フィードバー装置により、ピンチローラ装置を過ぎて加工位置まで長尺材を搬送位置決めすることができるため、加工不能の残材を生じなくすることができる。
【0009】
また、移動側となるフィードバーに搬送方向に延びたガイドレールを設けると共に、固定側となる支持部にガイドレールと嵌合するガイド部を設ければ、固定側にガイドレールを設ける必要がなくなり、搬送台への長尺材の搬入スペースをさらに広げることができる。
【0010】
このような位置決め装置では、長尺材の送り量を測定する測長器を設け、この測長器による測定結果に基づいて加工機械における長尺材の位置決めを行うことが一般的である。具体的には、長尺材に測長器(例えば、測長ディスク)を接触させ、長尺材の搬送に伴う測長ディスクの回転量をパルスジェネレータでカウントすることで、長尺材の送り量を測定する。しかし、長尺材が測長ディスクよりも前方まで送られた場合、測長ディスクを長尺材に接触させることができないため、長尺材の送り量を測定することができず、材料の位置決めができなくなる。そこで、長尺材を保持したフィードバーに測長ディスクを接触させて該長尺材の送り量を測定すれば、長尺材が測長ディスクの位置を過ぎて搬送された場合でも、長尺材の送り量を間接的に測定することができる。このとき、長尺材の一側面とフィードバーの一側面とを同一平面上で搬送方向に並べて配置すれば、これらの面に連続的に測長器を接触させることができるため、測長誤差を生じることなく最後まで長尺材を正確に位置決めすることができる。
【0011】
また、ピンチローラ装置で挟持搬送できなくなった長尺材を、フィードバー装置でピンチローラを過ぎて加工機械側へ搬送するにあたり、ピンチローラでフィードバーを挟持して駆動可能とすれば、フィードバー及び長尺材を安定した状態で搬送することができる。
【発明の効果】
【0012】
以上のように、本発明によれば、搬送台の側方のどちら側からでも長尺材を搬送台に横行搬入することができ、且つ、材料の加工不能部分の生じない長尺材搬送位置決め装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る位置決め装置を備えた加工装置の平面図である。
【図2】図1の加工装置の側面図である。
【図3】ピンチローラ装置及びフィードバー装置の平面図である。
【図4】ピンチローラ装置及びフィードバー装置の平面図である。
【図5】ピンチローラ装置及びフィードバー装置の側面図である。
【図6】フィードバー装置の正面図である。
【図7】(a)はフィードバーの平面図、(b)は同側面図である。
【図8】位置決め装置で長尺材を搬送する様子を示す平面図である。
【図9】位置決め装置で長尺材を搬送する様子を示す平面図である。
【図10】位置決め装置で長尺材を搬送する様子を示す平面図である。
【図11】位置決め装置で長尺材を搬送する様子を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0015】
図1及び図2に示す加工装置(切断装置)は、長尺材としての形鋼A(図示例ではH形鋼)を所定の長さに切断するものである。この加工装置は、加工機械としての切断機1と、切断機1の搬入側(図1の左側)に設けられた本発明の実施形態に係る位置決め装置2と、切断機1の搬出側(図1の右側)に設けられた搬出ローラテーブル3とを備える。尚、以下では、説明の便宜上、形鋼Aの搬送方向(図1の左右方向)において、切断機1に対して搬出側(搬出ローラテーブル3側)を前方、搬入側(位置決め装置2側)を後方と言う。また、搬送方向と直交する水平方向(図1の上下方向)を幅方向と言う。
【0016】
位置決め装置2は、形鋼Aが載置される搬送台と、ピンチローラ装置20と、フィードバー装置30とを備える。図示例の搬送台は、搬送方向に並べられた複数(図示例では3台)のローラテーブル10で構成される。ローラテーブル10は、幅方向の回転軸を有する遊動ローラ11を搬送方向に複数並べて配置したものである。最も前方のローラテーブル10の後方端部には、搬入ローラ12が設けられる。搬入ローラ12は、図2の回転駆動手段12aで回転駆動される駆動ローラである。搬入ローラ12は、図示しない昇降手段で若干昇降可能に設けられる。搬入ローラ12を昇降手段で若干上昇させると、ローラテーブル10の上に載置された形鋼Aに搬入ローラ12が下方から押し付けられる。この状態で搬入ローラ12を回転駆動手段12aで回転駆動することで形鋼Aが前方に搬送される。
【0017】
ピンチローラ装置20は、形鋼Aを幅方向両側から挟持可能なピンチローラを有する。本実施形態のピンチローラは、図3に示すように、駆動ローラ21と、これと幅方向に対向して設けられた2個の従動ローラ22とからなる。駆動ローラ21及び従動ローラ22は鉛直方向の回転軸を有する。駆動ローラ21は、図示しない駆動装置で回転駆動される。従動ローラ22は、幅方向(図3の上下方向)に延びたレール23に沿ってスライド可能に設けられたスライド台24に、回転自在に設置される。スライド台24を幅方向にスライドさせることにより、ピンチローラ(駆動ローラ21及び従動ローラ22)で形鋼Aを挟持し(図3参照)、あるいは、フィードバー36を挟持することができる(図4参照)。
【0018】
ピンチローラ装置20には、測長器としての測長ディスク40が設けられる。図示例では、測長ディスク40が駆動ローラ21よりも前方に設けられる。測長ディスク40は、形鋼Aの搬送に伴って回転することにより形鋼Aの送り量を測定するものである。具体的には、水平方向で回転可能な測長ディスク40を形鋼Aの側面に接触させ、この状態で形鋼Aを搬送することにより測長ディスク40を回転させる。この測長ディスク40の回転量をパルスジェネレータ(図示省略)でカウントすることで、形鋼Aの送り量を測定する。この測長ディスク40による測定結果を制御部(図示省略)にフィードバックすることにより、形鋼Aの位置決めが行われる。
【0019】
フィードバー装置30は、図5に示すように、搬送方向に延びたフィードバー36と、フィードバー36を搬送方向でスライド可能に支持する支持部37と、支持部37を昇降可能に取り付けた基部38とを主に備える。基部38は、ピンチローラ装置20の後方側の側面に取り付けられる。具体的には、ピンチローラ装置20の後方側の側面に2本のガイドレール25が幅方向に設けられると共に、基部38の前方側の側面にガイド部38aが設けられ、このガイドレール25とガイド部38aとが嵌合することにより、フィードバー装置30がピンチローラ装置20に対して幅方向でスライド可能に取り付けられる。また、基部38の側面には2本のレール39が垂直方向に設けられ、このレール39に沿って支持部37が基部38に対して垂直方向にスライド可能に取り付けられる(図6参照)。
【0020】
図3に示すように、フィードバー36の側面には全長に亘ってガイドレール31aが設けられると共に、支持部37には、フィードバー36のガイドレール31aをガイドするガイド部37aが設けられる。このガイドレール31aとガイド部37aとが嵌合することにより、フィードバー36が支持部37で搬送方向にスライド可能に支持される(図6参照)。また、フィードバー36の側面には、全長に亘ってラックギヤ31bが形成されると共に、支持部37には、ピニオンギヤ35aと、これを回転駆動するピニオンモータ35とが設けられる。このラックギヤ31bとピニオンギヤ35aとが互いに噛合し、この状態でピニオンギヤ35aを回転駆動することにより、フィードバー36が搬送方向にスライドする。
【0021】
フィードバー36の前方端部(図7(a)、(b)の右側端部)には、形鋼Aを保持するための保持部が設けられる。図示例では、保持部として、形鋼Aを上下からクランプするクランプ爪32a・32bからなるクランプ部32が設けられる。クランプ爪32a・32bは、それぞれ支点32a1・32b1でフィードバー36に枢着されると共に、支点32cで互いに枢着される(図7(b)参照)。支点32cは、中間線材34aを介して、フィードバー36の後方端部に設けられた駆動シリンダ34に接続される。駆動シリンダ34を退入させると、中間線材34aを介して支点32cが後方に引っ張られ、これによりクランプ部32が閉じて形鋼Aをクランプする(図7(b)の実線参照)。フィードバー36の前方端部には、前方へ突出した位置決め部33が設けられる。この位置決め部33が形鋼Aの後方端部に当接することにより、形鋼Aに対するフィードバー36の位置決めが行われ、クランプ部32が形鋼Aをクランプする深さが決定される。
【0022】
次に、位置決め装置2により形鋼Aを搬送する方法を説明する。
【0023】
まず、図1に示すように、位置決め装置2のローラテーブル10の上に、幅方向一方側から形鋼Aを横行搬入する。このとき、ローラテーブル10の両側にはレール等が設置されていないため、ローラテーブル10の幅方向のどちらからでも形鋼Aを支障なく搬入することができる(図1の矢印参照)。このとき、フィードバー36は、最上方位置で、且つ、最前方位置近傍に配置される(図1及び図2の実線位置参照)。これにより、形鋼Aの搬入時にフィードバー36と形鋼Aが干渉することを防止できる。
【0024】
ローラテーブル10に形鋼Aが搬入されたら、搬入ローラ12を昇降手段で若干上昇させて形鋼Aに押し付け、この状態で搬入ローラ12を回転駆動手段12aで回転駆動して形鋼Aを前方に搬送する。このとき、ピンチローラ装置20のスライド台24は、駆動ローラ21から最も離れた位置(図3の想像線参照)に後退させ、形鋼Aとスライド台24との干渉を防止する。
【0025】
形鋼Aの前方端部がピンチローラ装置20の測長ディスク40まで達したら、搬入ローラ12を降下させると共に、ピンチローラ装置20のスライド台24を幅方向にスライドさせて、駆動ローラ21と従動ローラ22とで形鋼Aを挟持する(図3参照)。この状態で駆動ローラ21を回転駆動することにより、形鋼Aを前方へ搬送する。このとき、フィードバー36は最上方位置で保持されているため、形鋼Aはフィードバー36と干渉することなく搬送される(図2参照)。
【0026】
形鋼Aが所定位置に達したら(図8参照)、駆動ローラ21を停止して位置決めし、切断機1により形鋼Aを所定箇所で切断する。その後、駆動ローラ21を再び回転駆動して形鋼Aを所定量だけ前方に搬送し、形鋼Aを位置決めして次の箇所を切断する。このとき、測長ディスク40で形鋼Aの送り量を測定しながら形鋼Aを搬送し、この送り量の測定結果に基づいて形鋼Aを位置決めすることで、精度良く加工を行うことができる。
【0027】
こうして形鋼Aの搬送及び加工を繰り返し、形鋼Aの後方端部がピンチローラ装置20に達したら、ピンチローラ装置20による搬送からフィードバー装置30による搬送に切り換えられる。具体的には、図9に示すように、形鋼Aの後方端部がピンチローラ装置20の後方側の従動ローラ22の位置に達したら、駆動ローラ21を停止させて形鋼Aを一旦停止させる。この状態で、フィードバー36の前方端部が形鋼Aよりも後方に位置するまで後方にスライドさせた後、フィードバー36を形鋼Aをクランプ可能な高さまで降下させる。そして、フィードバー36を前方へスライドさせて、フィードバー36の位置決め部33と形鋼Aの後方端部とを当接させ、フィードバー36を形鋼Aに対して位置決めする。この状態でクランプ部32を閉じて、形鋼Aを上下からクランプする(図7参照)。
【0028】
そして、ピンチローラ装置20のスライド台24を幅方向にスライドさせて形鋼Aの挟持を解放し、フィードバー36及び形鋼Aを前方へスライドさせる。具体的には、クランプ部32で形鋼Aをクランプした後、ラックピニオン機構でフィードバー36を前方へスライドさせることにより、形鋼Aを前方へ搬送する。そして、形鋼Aとフィードバー36とのクランプ位置がピンチローラ装置20を過ぎたら、一旦フィードバー36及び形鋼Aを停止し、スライド台24を幅方向にスライドさせて駆動ローラ21及び従動ローラ22でフィードバー36を挟持する(図10参照)。このとき、フィードバー装置30は、ピンチローラ装置20に対して幅方向にスライド可能に設けられているため、ローラ21・22による挟持位置とフィードバー36の幅方向位置とが多少ずれていたとしても、フィードバー36が幅方向にスライドすることにより、フィードバー36をローラ21・22で確実に挟持することができる。この状態で駆動ローラ21を駆動してフィードバー36及び形鋼Aを前方へ搬送する。このように、ピンチローラ装置20のローラ21・22でフィードバー36及び形鋼Aを搬送することで、これらを安定した状態で搬送することができる。また、本実施形態では、駆動ローラ21及び従動ローラ22による形鋼Aからフィードバー36へのつかみ換えのときのみ、ラックピニオン機構により形鋼Aの搬送が行われる。すなわち、搬送速度の比較的遅いラックピニオン機構による搬送を必要最小限に抑え、その他の搬送を搬送速度の比較的速いピンチローラにより行うことで、搬送効率を高めることができる。
【0029】
こうして、形鋼Aの搬送がピンチローラ装置20からフィードバー装置30に切り替えられる間も、形鋼Aの送り量が測長ディスク40で測定される。すなわち、形鋼Aの後方端部が測長ディスク40過ぎたら、その後は測長ディスク40がフィードバー36と接触して回転することにより、形鋼Aの送り量を間接的に測定する。本実施形態では、図4に示すように、フィードバー装置30で形鋼Aをクランプした状態で、形鋼Aの一側面(図4の上側の側面)、位置決め部33の側面、及び、フィードバー36の一側面(図4の上側の側面)が同一平面上で搬送方向に並べて配置され、これらの面が段差の無い状態で連続している。これにより、形鋼Aとフィードバー36との境界部においても、測長ディスク40を滑らかに回転させることができるため、測長誤差を生じさせることなく、形鋼Aを最後まで正確に位置決めすることができる。
【0030】
その後、フィードバー36及び形鋼Aをさらに前方へ搬送し、フィードバー36を、前方端部(クランプ部32)が切断機1の内部の所要の位置に達するまで挿入する(図11参照)。このように、フィードバー36を加工機械の内部まで挿入位置決め可能とすることにより、形鋼Aの後方端部まで加工することができるため、材料の加工不能部分を生じなくすることができる。
【0031】
尚、本発明は上記の実施形態に限られない。例えば、上記の実施形態では、本発明に係る位置決め装置を、切断機を有する加工装置に適用した場合を示しているが、他の加工機械(例えば、溶断機や鍛圧機)を有する加工装置に適用することもできる。
【符号の説明】
【0032】
1 切断機(加工機械)
2 位置決め装置
3 搬出ローラテーブル
10 搬送テーブル
20 ピンチローラ装置
21 駆動ローラ
22 従動ローラ
30 フィードバー装置
31a ガイドレール
32 クランプ部(保持部)
36 フィードバー
37 支持部
37a ガイド部
38 基部
40 測長ディスク(測長器)
A 形鋼(長尺材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送台の上に搬入した長尺材を、該長尺材の長手方向を搬送方向として加工機械へ搬送位置決めする長尺材搬送位置決め装置において、
少なくとも一つが駆動ローラである複数のローラからなるピンチローラを有し、該ピンチローラで長尺材を挟持した状態で前記駆動ローラを回転駆動することにより、該長尺材を加工機械側へ搬送するピンチローラ装置と、
搬送方向に延びたフィードバーと、フィードバーを搬送方向でスライド可能に支持する支持部と、フィードバーの加工機械側端部に設けられ、長尺材を保持する保持部とを有し、前記保持部がピンチローラ装置を過ぎて加工機械内の所要の位置に達するまでフィードバーをスライド可能としたフィードバー装置とを備えた長尺材搬送位置決め装置。
【請求項2】
フィードバーに搬送方向に延びたガイドレールを設けると共に、前記支持部に該ガイドレールと嵌合するガイド部を設けた請求項1記載の長尺材搬送位置決め装置。
【請求項3】
長尺材と接触して回転することにより長尺材の送り量を測定する測長器を設け、長尺材を保持したフィードバーに該測長器を接触させることにより、長尺材の送り量を間接的に測定可能とした請求項1又は2記載の長尺材搬送位置決め装置。
【請求項4】
フィードバー装置で長尺材を保持した状態で、長尺材の一側面とフィードバーの一側面とを同一平面上で搬送方向に並べて配置し、この長尺材の一側面及びフィードバーの一側面に前記測長器を接触させるようにした請求項3記載の長尺材搬送位置決め装置。
【請求項5】
ピンチローラ装置で挟持搬送できなくなった長尺材を、フィードバー装置でピンチローラを過ぎて加工機械側へ搬送するにあたり、ピンチローラでフィードバーを挟持して駆動可能とした請求項1〜4の何れかに記載の長尺材搬送位置決め装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−20236(P2011−20236A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−169305(P2009−169305)
【出願日】平成21年7月17日(2009.7.17)
【出願人】(000207285)大東精機株式会社 (5)
【Fターム(参考)】