説明

長期疾病管理システムおよび長期疾病管理方法

長期医療行為結果収集および報告(LMOCR)システムは医療情報を収集、蓄積、表示する。同システムは、複数の患者の医療記録や情報を蓄積する患者データベースと、患者データベース、患者機器、医療従事者機器と通信を行うアプリケーションサーバとを含む。同サーバは患者がLMOCRシステムとやりとり可能な患者ポータルを患者機器に表示する患者モジュールを含む。患者モジュールは、患者機器に問診票を提供して患者から情報を収集し、患者の情報に第1組の規則を適用して問診票を選択的に変更し、追跡情報を患者から収集する。上記サーバは、医療従事者がLMOCRシステムとやりとり可能な医療従事者ポータルを医療従事者機器に表示する医療従事者モジュールを備え、医療従事者モジュールは患者の情報に第2組の規則を適用して医療従事者に関連する形式に変換する。医療従事者は患者データベースに蓄積された患者データに対する検討、変更、追加が可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、疾病管理に関し、具体的には、疾病管理に関するデータの収集および通信を自動化するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
疾病管理は、特定の事象(すなわち、心臓発作)の発生に応じて開始されることが多い他のタイプの医療行為とは異なり、継続して処理が実行される。このため疾病管理は、長期間に亘り(往々にして多年に亘る)、供給元から提供されたデータを、記録し、認証し、蓄積することを医療従事者に求めるのが一般的である。効果的な疾病管理は、収集したデータに有意義な方法でアクセス可能であることを必要とする。さらに、医療保険会社は、収集された何らかのデータが請求書に含まれるよう求め、認証機関は、処置/管理の効果の監視を目的として、データにアクセス可能であることを求める。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
データのデータベースへの収集は、一般的に、医師による記録や指示にもとづく情報を医療従事者が手作業で入力する必要がある。この処理は、時間を消費とするとともに、誤りが発生しがちである。従来の解決方法は、医師の記録や指示から収集の目的に応じたデータを発掘することを試みていたが、医療従事者間の不整合がこの解決方法の実行を困難にしている。
【0004】
そこで、システムを統合することにより、長期的な疾病管理の非効率性を減少させることができれば有益である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
長期医療行為結果収集および報告システム(LMOCRシステム)は、医療情報を、収集し、蓄積し、表示することを可能とするシステムである。LMOCRシステムは、多数の患者に関わる医療記録と情報とを蓄積した患者データベースを含む。LMOCRシステムは、さらに、患者機器および医療従事者機器から離れた位置にあり、患者データベースと通信を行うためのアプリケーションソフトウェアが搭載されたアプリケーションサーバを含む。アプリケーションサーバは、LMOCRシステムと患者との双方向通信を可能にする入り口(患者ポータル)を患者機器に表示する患者モジュールを含む。患者モジュールは、患者ポータルに問診票を提示して患者から情報を集め、そして、集められた患者の情報に第1組の規則を適用して問診票を選択的に変更し、関連する追跡情報を患者から収集する。アプリケーションサーバは、さらに、医療従事者機器に、LMOCRシステムと医療従事者との双方向通信を可能にする入り口(医療従事者ポータル)を表示する医療従事者モジュールを含む。医療従事者モジュールは、集められた患者の情報に第2組の規則を適用して医療従事者に関連する形式に変換し、収集されて患者データベースに蓄積された患者データの検討、修正および追加が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】本発明の一実施形態に係る長期医療行為結果収集および報告システム(LMOCRシステム)によるデータの収集を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る、肥満症治療手術に関連する長期に亘るデータ収集と報告の作成とを示すブロック図である。
【図3A】本発明の一実施形態に係るLMOCRシステムに用いるハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3B】本発明の一実施形態に係るLMOCRシステムに用いるハードウェア構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態に係るLMOCRシステムの処理ステップを示すフローチャートである。
【図5A】本発明の一実施形態において患者ポータルに表示された動的な患者問診票を示すスクリーンショットである。
【図5B】本発明の一実施形態において患者ポータルに表示された動的な患者問診票を示すスクリーンショットである。
【図6A】患者ポータルを介して提供され、医療従事者ポータルを介して医療従事者に表示された情報の変換を示すスクリーンショットである。
【図6B】患者ポータルを介して提供され、医療従事者ポータルを介して医療従事者に表示された情報の変換を示すスクリーンショットである。
【図7A】本発明の一実施形態において患者ポータルから収集したデータを示すスクリーンショットである。
【図7B】本発明の一実施形態において患者ポータルから収集したデータを示すスクリーンショットである。
【図7C】本発明の一実施形態において患者ポータルから収集したデータを示すスクリーンショットである。
【図7D】本発明の一実施形態において患者ポータルから収集したデータを示すスクリーンショットである。
【図7E】本発明の一実施形態において患者ポータルから収集したデータを示すスクリーンショットである。
【図7F】本発明の一実施形態において患者ポータルから収集したデータを示すスクリーンショットである。
【図7G】本発明の一実施形態において患者ポータルから収集したデータを示すスクリーンショットである。
【図7H】本発明の一実施形態において患者ポータルから収集したデータを示すスクリーンショットである。
【図8A】本発明の一実施形態において医療従事者ポータルから収集したデータの収集/検証および報告を示すスクリーンショットである。
【図8B】本発明の一実施形態において医療従事者ポータルから収集したデータの収集/検証および報告を示すスクリーンショットである。
【図8C】本発明の一実施形態において医療従事者ポータルから収集したデータの収集/検証および報告を示すスクリーンショットである。
【図8D】本発明の一実施形態において医療従事者ポータルから収集したデータの収集/検証および報告を示すスクリーンショットである。
【図8E】本発明の一実施形態において医療従事者ポータルから収集したデータの収集/検証および報告を示すスクリーンショットである。
【図8F】本発明の一実施形態において医療従事者ポータルから収集したデータの収集/検証および報告を示すスクリーンショットである。
【図8G】本発明の一実施形態において医療従事者ポータルから収集したデータの収集/検証および報告を示すスクリーンショットである。
【図8H】本発明の一実施形態において医療従事者ポータルから収集したデータの収集/検証および報告を示すスクリーンショットである。
【図8I】本発明の一実施形態において医療従事者ポータルから収集したデータの収集/検証および報告を示すスクリーンショットである。
【図8J】本発明の一実施形態において医療従事者ポータルから収集したデータの収集/検証および報告を示すスクリーンショットである。
【図9A】本発明の一実施形態に係るLMOCRシステムによって作成された自動化された記録を示すスクリーンショットである。
【図9B】本発明の一実施形態に係るLMOCRシステムによって作成された自動化された記録を示すスクリーンショットである。
【図10A】本発明の一実施形態に係るLMOCRシステムによって作成された報告を示すスクリーンショットである。
【図10B】本発明の一実施形態に係るLMOCRシステムによって作成された報告を示すスクリーンショットである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明は、電子医療記録の登録、実行、および利用を行う従来の方法の代替手段として、長期医療行為結果収集および報告システム(LMOCRシステム)を提供することを目的とする。特に、本発明は、患者に対し、医療記録の所有/アクセスを制限することにより、患者が患者自身の医療記録の登録に責任を持つことを可能にする。これによって、データベースには、医療従事者に対し、より効率的に登録される。一度登録されると、収集されたデータは、医療従事者にとって都合が良くかつ有用な形式に変換され、医療従事者が見直し、変更、または他の編集を行うことが可能となる。収集された情報に基づいて、このシステムは自動的な記録と課題リストとを生成する。
【0008】
この形式のシステムは、特に、長期疾病管理のために必要とされるデータの文書化、認証、および統合にうってつけである。処理が継続して実行される疾病の管理には(例えば、心臓発作のように特定の事象の発生に応じて開始されるのとは対照的に)、長期間に亘り異なる供給元からのデータの収集が必要となるのが一般的である。患者がデータベースの管理に参加することは、医療従事者の観点で効率を改善し、患者に疾病管理において所有者としての役割を与える。疾病管理に関わる期間が延長された結果、疾病の管理に関するデータの構築は事実上長期間に亘るものとなる。本発明の1つの適用先としての肥満症治療手術では、患者および医療従事者からの情報の収集、認証機関による認証(例えば、計画的手術の承認)のための収集データの構築、および手術後における長期間観察用のデータの統合を必要とする。以下に開示する記載は、このような具体的な適用として本発明を説明するものであるが、本発明は他の様々な長期間疾病管理にそれぞれ適用されうる。
【0009】
図1は、本発明の一実施形態に係る長期医療行為結果収集および報告システム10(以下、LMOCRシステム10という)によるデータの収集を示すブロック図である。図1に示すように、LMOCRシステム10は、病院情報システム12(以下、HIS12という)に通信を行うために接続されるとともに、離れた位置にある患者機器14および医療従事者機器16と通信を行い、これら患者機器14および医療従事者機器16は、患者と医療従事者とがインターネット18を介してLMOCRシステム10にアクセス可能になっている。ファイアウォール20は、LMOCRシステム10と接続された機器との間の通信の安全を提供する。
【0010】
患者機器14は、LMOCRシステム10がホストとなる、インターネット対応(すなわち、ウェブ対応)インタフェースを用い、患者に、予約の設定/閲覧、オンライン上の問診票を介する情報提供、医療従事者への質問/懸念の伝達、および患者が達成すべき課題の閲覧を可能にする。ホストとなるアプリケーションプログラム(図3Bに基づき、より詳細に説明する)は、LMOCRシステム10にローカルに搭載されているが、正規にログイン認証された患者がアクセス可能であり、当該患者はLMOCRシステム10とのやりとりを行うことができる。
【0011】
医療従事者機器16は、同様に、LMOCRシステム10がホストとなる、インターネット対応(すなわち、ウェブ対応)インタフェースを用い、医療従事者(例えば、看護師や、医師、助手等)による予約の設定/閲覧、医療従事者の記録の作成、患者の課題の生成/閲覧、および報告の作成/閲覧を可能にする。ホストとなるアプリケーションプログラム(図3Bに基づき、より詳細に説明する)である医療従事者ポータル16は、LMOCRシステム10にローカルに搭載されているが、ログイン認証された医療従事者によってアクセス可能であり、当該医療従事者は、LMOCRシステム10とやりとりを行うことができる。
【0012】
病院情報システム(HIS)12は、患者の記録が蓄積されたデータベースである。病院情報システムという言葉は、一般的に、評価/管理(EM)システムや、患者スケジューリングシステム、患者費用請求システム、および患者検査システムを含む、医療分野で用いられる情報システムのことを示す際に用いられる。図1に示す本実施形態では、LMOCRシステム10は、情報を共有するようにHIS12と統合されている。肥満症治療手術の処置を開始する患者は、LMOCRシステム10に取り込むことが可能な医療記録がHIS12に蓄積されている可能性がある。例えば、HIS12によって既に収集された、患者の属性や、アレルギ、投与薬物、生命維持に必要な情報、および検査結果等に関する情報である。この情報は、LMOCRシステム10に提供され、医療従事者による再入力を要することなくデータ領域に登録することができる。別の実施形態として、LMOCRシステム10は、HIS12と情報を共有しない独立型のシステムであってもよい。独立型のシステムでは、HIS12による提供に代えて、LMOCRシステム10が情報を収集し、HIS12から独立して患者の計画/支払い請求の報告を作成する。
【0013】
LMOCRシステム10は、ハードウェア構成とソフトウェア構成との組み合わせによって成る。ソフトウェア構成は、コンピュータが読み出し可能な媒体に蓄積され、実行時には、患者と医療従事者とLMOCRシステム10との間のやりとりを提供する際に用いられるインタフェースおよびモジュールとして機能すべく作動する。これらのインタフェースを介して収集されたデータだけでなく、HIS12等の他のシステムから受信したデータも、LMOCRシステム10のデータベースに蓄積される。具体的には、データベースの関連付けによって、データが一旦収集されると、患者や医療従事者による同じデータの再入力を要することなく、そのデータが自動的に様々なインタフェースおよびひな形に挿入されるようにリンクが生成される。これらのインタフェースに関連し、かつ様々なインタフェース間におけるデータのリンクに関連するLMOCRシステム10の運用について説明する。さらに、LMOCRシステム10は、費用請求目的、紹介状、および記録のために使用可能な自動的な書簡/報告書として、収集したデータをまとめるためのモジュールを含む。
【0014】
図2は、本発明の一実施形態に係る、肥満症治療手術に関連する長期に亘るデータ収集と報告の作成とを示すブロック図である。この処理は、ユーザによるデータ入力/収集(ブロック30)、処理を取りまとめる段階またはワークフロー(ブロック32)、処理の結果としての生成される出力(ブロック34)、および処理により作成される報告(ブロック36)という各段階に分割して示されている。
【0015】
図2に示す実施形態では、ステップ48において、電子患者問診票(図1に示す患者機器14に表示される)に応答して、患者および/または管理者が情報を提供する。電子患者問診票を介して収集されたデータは、ステップ62で、出力として提供される。処理の様々な段階で、追加の電子問診票を患者が記入できるようにしてもよい。例えば、手術前の問診票は、手術後の患者の健康に特に関連する追加情報の収集が必要となることがある。詳細には後述するが、電子問診票が用いられて患者から収集された情報は、医療従事者によって記入される代わりに、自動的にデータ領域に登録される。これにより、医療従事者による情報入力に要する時間を削減する。データが登録されたデータ領域は、医療従事者によって再検討可能であり、必要に応じて修正が可能であるので、データ入力の反復が軽減される。
【0016】
別の実施形態として、患者がインターネットへのアクセス手段を有しない場合に、手作業で情報を入力するために、管理者に電話する/管理者を訪れるようにしてもよい。管理者によって収集された情報は、LMOCRシステム10に入力され、その後の診察の際に電子問診票を介して収集されたデータと同様に用いられる。
【0017】
ステップ50では、看護師/助手は、患者の訪問(すなわち、診察)の際に、電子患者問診票を介して提供された回答を検討する。もし電子問診票を変更する必要があれば、看護師/助手は、医療従事者機器16(図1に示す)を介して電子問診票にアクセスし、必要な変更を行う。さらに、看護師/助手は、生命維持のための情報(例えば、心拍数、血圧等)を取得し、医療従事者機器16を介してその情報を記録してLMOCRシステム10に蓄積する。
【0018】
ステップ54では、患者は、特定看護師(ナースプラクティショナ:NP)、医師助手(フィジシャンアシスタント:PA)、および/または医学博士(MD)(すなわち、医師)に会い、可能な処置について話し合う。話し合いのための訪問の際に、医師は、医療従事者機器16(図1に示す)を介して、患者について集められた情報に注釈をつけたり、追加を行ったりすることができる。患者と医療従事者との間のミーティングは、全般的に「診察」と称する。各診察において、医療従事者は、患者に関して既に収集されたデータを医療従事者機器16を用いて検討/修正する。LMOCRシステム10は、ステップ64において、集められたデータに基づき、自動化規則を用いて、個々の患者についての健康および身体の評価と、処置計画の評価との少なくとも一方を生成する。健康および身体の評価は、患者の総合的な健康と手術への適合性とに関連がある。健康および身体の評価の生成は、患者から提供された問診票および診察の際に看護師/医師によって入力された追加情報に部分的に基づいて自動化されてもよい。情報の要素としては、喫煙歴、体重、年齢、過去の健康状態だけではなく、患者の総合的な健康に関連する別の要素を含んでいてもよい。処置計画には、医師が推奨する手術の形式、手術前に達成すべき課題(すなわち、減量の必要性、計画的な栄養士の訪問等)、および選択された行動計画に対応したその他の記録が含まれる。
【0019】
健康、および身体/処置計画の評価といった自動的な出力は、医師の経験に基づいて医師によって修正されるようにしてもよい。電子問診票の使用を通して行われる医師によるデータ収集の量を削減し、収集されたデータに基づく計画の評価を自動化することにより、医師に必要とされる総合的な時間を減少させる。特に、LMOCRシステム10は、医療従事者に必要とされた、反復され、かつ誤りがちなデータ入力を減少させる。LMOCRシステム10により、医師は、自動的に生成された計画および/または評価の検討と、必要に応じた修正とを行うことが可能になる。
【0020】
さらに、ステップ64で、LMOCRシステム10は、収集された情報に基づいて、紹介先の医師への紹介状と医療保険会社に要求された承認書との作成を自動的に行う。自動的に作成された紹介状および承認書は、医師によって修正可能である。改めて、LMOCRシステム10によって紹介状および承認書が自動的に作成されることの利点は、医師が書簡を口述したり作成したりするのに要する時間を最短化する点にある。
【0021】
さらに、話し合いのための訪問の間(すなわち、診察の際)に収集されたデータは、蓄積され、その後の訪問の際の基準として用いられる。このように、反復する情報は、その後の診察では再検討することも再入力することもない。その代わりに、患者/医師は、情報を検討し、変化のあった領域の情報のみを修正することができる。例えば、もし投与薬物が前回の診察から変更されていない場合に、患者/医師は、患者が現在摂取している全ての投与薬物について列挙したり話し合ったりする必要がなくなる。他のいくつかの例では、理事会や認証機関が、様々な処置の利点または効果の評価、および推奨された手当ての承認のいずれかのために、患者のデータを検討する必要がある。LMOCRシステム10は、要求された情報をアップロードするか、あるいは認証機関に伝達することを可能とする。
【0022】
ステップ56では、患者は、手術前の訪問(すなわち、別の診察)として、看護師、NP/PA/MDと会う。さらに、このような話し合いのための訪問に加え、患者は手術前に何度か医師に診察を受けてもよい。それぞれの診察では、ほぼ同じように処理が進み、患者/医師は収集された情報を検討し、ファイルの変更や修正を行い、健康、および身体の情報/計画の再評価を行い、記録および/または書簡を作成する。
【0023】
前述したように、以前の診察で収集された患者の情報は、医療従事者機器16を介して患者/医師によって検討され、必要に応じて修正可能である。これにより、医師や医師の助手が反復する情報の多量な再入力を行わずにすむ。また、時間の短縮に加え、繰り返しのデータ入力において生じる間違いや誤りの発生を防ぐことにもなる。
【0024】
手術の前の訪問の際に収集された情報に応じ、LMOCRシステム10は、ステップ66で自動的に手術前記録66を作成する。改めて、医師は、医療従事者機器16を介して、作成された手術前記録66にアクセスしてもよいし、必要に応じて変更または修正してもよい。手術前記録66は、必要に応じて、理事会/認証機関に伝達されるようにしてもよい。手術前記録66は、LMOCRシステム10に蓄積される。
【0025】
ステップ58において、患者は手術を受ける。前述したように、データは、このときに医療従事者機器16を介してもう一度収集/検討される。手術の後に、ステップ68で、LMOCRシステム10は、必要に応じて、医師が検討/修正するための手術記録を作成する。例えば、手術記録は、手術において用いられた肥満症治療器具のタイプ、器具の適合度、手術中に生じた合併症、またはその後の経過観察のための記録を含んでいてもよい。手術記録も、必要に応じて、理事会/認証機関に伝達されてもよい。術後記録も、LMOCRシステム10に蓄積される。
【0026】
ステップ60で、患者は手術後の訪問のために診察に訪れる。この診察の際に、患者/医師は、収集された患者の情報を検討し、収集された情報を変更または修正し、そして、新たな情報を収集する。例えば、肥満症治療の手術に関して、各診察の際に総減少体重を厳密に測定し、減量率が健康的であるか否かについて判断する。手術後記録70は、医師が必要に応じて検討/修正するため、および必要に応じて理事会/認証機関に提供するために、自動的に作成される。手術後記録70は、LMOCRシステム10に蓄積もされる。
【0027】
上述した出力34に加え、報告36は処理の間のいつ作成されてもよい。報告は、患者に特定なこと(例えば、特定の患者の経時的な体重低下量)や一般的なことである。例えば、報告には、現在何人の患者が手術前の過程にあるのかや、手術の様々なタイプに応じた各患者の体重低下量の平均値を示すようにしてもよい。これらの報告は、多くの患者の様々な処置の長期間に亘る効果の観察に特に有益である。このような情報を用い、医師は、どの処置が患者にとって最も有益であったかをより良好に決定することが可能になる。
【0028】
図3Aは、本発明に係る一実施形態に係るLMOCRシステム10の実行に用いるハードウェア環境を示すブロック図である。図3Aに示す実施形態では、LMOCRシステム10は、アプリケーションサーバ80と患者データベース82とを含む。アプリケーションサーバ80は、プロセッサ84と、オペレーティングシステム88およびアプリケーションモジュール90が格納されたメモリ86とを含む。アプリケーションサーバ80は、プロセッサ84による実行のためにアプリケーションサーバ80のメモリ86内に起動されたオペレーションシステム88の制御に従って動作する。次に、オペレーションシステム88は、アプリケーションモジュール90の実行を制御する。アプルケーションモジュール90は、アプリケーションサーバ80が、患者機器14、医療従事者機器16、および患者データベース82との間でやりとりできるようにする。図3Aに示された環境が本発明の範囲を限定するものではないことを当業者であれば認識するであろう。それどころか、当業者は、他の代替のハードウェア環境を、本発明の範囲から逸脱することなく使用できることを認識するであろう。
【0029】
図3Bは、アプリケーションサーバ80、患者機器14および医療従事者機器16によって実行される様々なアプリケーションモジュール間の通信を示すブロック図である。図3Bに示す実施形態では、アプリケーションサーバ80は、患者モジュール91、医療従事者モジュール92、記録/報告作成モジュール93、および課題リストモジュール94を含むアプリケーションモジュールを提供する。患者モジュール91は、患者データベース82および患者デバイス14とやりとりし、一方では医療従事者モジュール92および記録/報告作成モジュール93がそれぞれ患者データベース82および医療従事者機器16とやりとりする。課題リストモジュール94は、患者機器14、医療従事者機器16および患者データベース82とやりとりし、疾病管理処理の一部として患者によって達成すべき課題のリストを生成および保守する。
【0030】
図3Bに示す実施形態では、患者機器14は、ウェブブラウザ95を含む。アプリケーションサーバ80によって用いられるハードウェアとソフトウェアとの組み合わせに類似し、患者機器14は、インターネット18を介して患者機器14が、患者モジュール91と通信可能とするウェブブラウザ95(例えば、インターネットエクスプローラ(登録商標)、グーグルクローム(商標)、ファイアフォックス(登録商標)等)を実行するためのハードウェアとソフトウェアとの組み合わせを含みうるものであり、患者モジュール91は、ウェブブラウザ95内に表示される患者ポータル96のホストとなる。患者ポータル96を介して、患者はLMOCRシステム10とやりとりすることができる。図4を参照してさらに詳細に説明すると、患者モジュール91は、患者ポータル96を介して患者からのデータを収集するための電子患者問診票のホストとなる。さらに、患者モジュール91は、患者から収集された情報に応じて、問診票を動的に修正し、関連性のある全ての患者の情報が確実に収集されるようにする。電子問診票を介して患者から収集された情報は、蓄積のため、およびその後の他のモジュール(医療従事者モジュール92および記録/報告作成モジュール93等)によるアクセスのために、患者モジュール91によって患者データベース82に提供される。
【0031】
同様に、医療従事者機器16は、医療従事者機器16における実行時に、インターネット18を介して医療従事者機器16が医療従事者モジュール92と通信できるようにするウェブブラウザ94を提供するハードウェアとソフトウェアとの組み合わせを含む。医療従事者モジュール92は、医療従事者機器16に表示される医療従事者ポータル98のホストとなって、医療従事者がLMOCRシステム10とやりとりをできるようにする。特に、医療従事者モジュール96は、医療従事者の検討に有用となるように、患者の情報を正しく変換し、必要に応じた医療従事者による情報の修正を可能にする。
【0032】
記録/報告作成モジュール93は、医療従事者ポータル98および患者データベース82とやりとりし、医療従事者記録の作成を自動的に行う。特に、医療従事者は、(医療従事者ポータル98を介して)記録/報告作成モジュール93とやりとりして、作成すべき記録のタイプを指示し、記録/報告作成モジュール93は、患者データベース82とやりとりして、所望の記録を自動的に作成する。これにより、医療従事者が記録を指示したり、入力したりする必要性をなくすことができる。
【0033】
課題リストモジュール94は、医療従事者ポータル98および患者データベース82とやりとりして、自動的に課題リスト(すなわち、患者が達成すべき活動のリスト)を生成する。課題リストモジュール94は、患者ポータル96とやりとりし、生成した課題リストを表示すると共に、患者が達成した課題に関する入力情報を受けとる。入力情報には、患者ポータル96を介して患者によってアップロードされた文書や、電子メールメッセージ、課題リストモジュール94と通信可能な別の形式の電子データが含まれていてもよい。これら入力情報の1つ以上に応じて、課題リストモジュール94は、入力情報を患者データベース82に蓄積する。
【0034】
図4は、本発明の一実施形態に係るLMOCRシステム10の動作を示すフローチャートである。処理の説明のために、図3Bに基づき述べたハードウェア構成を参照するが、以下に述べる各ステップを実行する上で別のハードウェア構成を使用してもよいことは理解されよう。
【0035】
ステップ102では、図5Aおよび図5Bに代表的な部分が示されて以下に記載されているように、患者モジュール91によって作成された患者受け入れ問診票が、検討や患者からの応答のために、患者ポータル96に供給される。患者受け入れ問診票は、患者ポータル96を介してユーザに対して表示される。表示された患者受け入れ問診票により、ユーザは、患者の医療履歴に関する情報を思い出す。
【0036】
ステップ104では、患者受け入れ問診票が患者によって提供された回答に応じて変更される。1つの実施形態によれば、患者モジュール91は、患者によって提供された回答に適用される第1組の規則(すなわち、問診票規則)を有する。このようにして、患者からの確かな回答に基づいて、医療従事者(すなわち、看護師、医師等)とのやりとりを要することなく、関連性のある追跡の質問を行うために問診票が変更される。例えば、もし患者がアルコール飲料を飲んでいるかどうかに関する質問に対して否定的な回答した場合、患者には追跡の質問は提示されない。しかしながら、患者が肯定的な回答をした場合、患者のアルコール飲料の消費に関するより具体的な質問を行う自動的な追跡の質問がユーザに提示される。
【0037】
ステップ106では、患者受け入れ問診票に応答してユーザから提供された情報が、患者データベース82に蓄積される。患者データベース82に蓄積された情報には、特に長期疾病の管理には必要な日付情報を含んでいてもよい。さらに、患者データベース82に蓄積される情報には、情報の提供者(すなわち、患者、医療従事者等)に関する情報を含んでいてもよい。
【0038】
ステップ108では、患者データベース82に蓄積されているデータが、医療従事者による検討のために、患者データベース82におけるデータから患者診察用データに変換される。具体的には、医療従事者モジュール92が、患者データベース82から患者の情報を読み出して、この読み出したデータである患者受け入れデータに第2組の規則(すなわち、医療従事者変換規則)を適用し、変換された患者診察用データを生成する。患者受け入れデータの患者診察用データへの変換は、医療従事者にとってより有用な形式の患者受け入れデータを提示することになる。例えば、患者が提供した体重と身長とのデータは、ボディマス指数に変換され、患者の体重/身長の情報とともに、ボディマス指数が医師に表示されるようにしてもよい。データの変換処理には、さらに、自動的な助言の生成や患者が提供する情報に応じた質問の生成が含まれたりしてもよい。図6Aおよび図6Bに示す例では、ある種の糖尿病であると以前に診断されたことがあると患者への問診票(図6A)に患者が知らせていれば、医療従事者は、一次診断と関連付けて共存症に注意を向けるように促される。図6Bに示す例では、共存症が、痛風/高尿酸血症および脂肪症を含む。このようにして、患者から収集した情報に基づいて、医療従事者は、患者からは注意を向けられ得ない質問に注意を向けるように、自動的に助言される
【0039】
ステップ112では、検討/修正のために、医療従事者ポータル98を介して医療従事者に対して患者診察用データが表示される。収集された情報をこのようにして医療従事者のために変換/表示することの利点は、医療従事者が患者問診票や回答の全てについて目を通したり検討したりせずにすむことにある。むしろ、医療従事者が容易に検討できるように情報が提示される。さらに、患者データベース82におけるデータから患者診察用データへの変換により、医療従事者が検討および回答する様々な自動的な助言と質問とが得られることになり、後で患者データベース82に手作業で入力しなければならない記録や指示を作成する必要なく、医療従事者が、患者診察データに関する情報を修正/追加することが可能になる。このように、別個に記録を作成する必要なく医師による検討と修正とを可能にする形式にデータが変換されるので、医療従事者の効率が改善される。さらに、患者データの修正には、記録を作成した医師と、医療記録システムに記録/指示を転載した看護師や助手との両方の参加は必要としない。それによってより大きな効果を医療従事者に提供する。
【0040】
ステップ114では、患者によって提供され、医療従事者によって検討/修正されて収集されたデータに基づき、医療従事者の自動的な記録/書簡が記録/報告作成モジュール93によって作成される。複数の記録116が図示されているように、医療従事者は、複数の自動的な記録/書簡を作成してもよい。例えば、医師は、紹介先の医師だけでなく、他の医療関係者にも、診断内容と計画された処置とについて通知する記録/書簡を送ろうとするのが一般的である。とはいえ、複数の記録の作成は時間を要する処理である。
【0041】
図3Bに示す実施形態では、記録/報告作成モジュール93が、医療従事者ポータル86および患者データベース82とやりとりして、医療従事者記録を自動的に作成する。記録を作成するために、医療従事者は、医療従事者ポータル98を介して記録/報告作成モジュール93とやりとりし、作成すべき記録の形式を指示する。作成すべき記録の形式に基づいて、記録/報告作成モジュール93は、第3組の規則(すなわち、記録作成規則)を適用して、患者データベース82に蓄積されている患者特有のデータを読み出し、読み出したデータを記録/書簡に配置する。
【0042】
ステップ118では、患者データに基づいて、患者のための自動的な課題リストが生成される。図3Bに示す実施形態では、課題リストモジュール94が、医療従事者ポータル98、患者データベース82、および患者ポータル96とやりとりし、患者が検討して達成すべき課題リストを生成する。患者によって提供され、診察の際に医療従事者によって検討された情報に基づいて、課題リストモジュール94は、第4組の規則(すなわち、課題リスト規則)を適用し、患者が達成すべき自動的な課題リストの組を生成する。肥満症治療手術の例では、心理学者とともに訪問して患者の承諾の確認や、手術前の必要な減量等が課題リストに含まれる。医療従事者は、医療従事者ポータル98を介して自動的な課題リストの組を検討し、必要があれば課題リストの組を修正する。検討された課題リストは、患者ポータル96および課題リストモジュール94を介して患者がアクセス可能である患者データベース82に蓄積される。患者が課題を達成すると、患者は課題を達成したことを証明する文書を提示したり、アップロードしたりすることができるようにしてもよい。
【0043】
生成された課題リストは、複数の文書120で示されており、患者ポータル96を介して患者による検討および編集を可能としてもよい。課題リストの編集は、患者ポータル96を介して患者によって課題リストモジュール94にアップロードされる特定の文書やメッセージ等に基づいて行われるようにしてもよい。課題リストの更新だけではなく、患者によってアップロードされる文書の更新も、課題リストモジュール94によって患者データベース82に蓄積される。
【0044】
図4を参照して説明した処理の利点は、患者が患者モジュール91を介して患者データベース82に多くのデータを登録することができることである。患者によって提供されたこのようなデータの基盤は、患者モジュール91によって、関連する追跡の質問(例えば、問診票規則の適用)、医療従事者による有意義な検討のための収集データの変換(例えば、医療従事者変換規則の適用)、医師の記録の自動的な作成(例えば、記録作成規則の適用)、および課題リストの自動的な生成(例えば、課題リスト規則の適用)に利用される。
【0045】
図5Aおよび図5Bは、患者ポータル96(図3Bに示されている)を介して患者に対して表示される問診票を示すスクリーンショット(それぞれの参照符号は130および132である)である。具体的には、図5Aには、ユーザが自由に見直し可能な複数の項目を含む、ユーザに対して提示する医療履歴の問診票の概観が示されている。この例では、患者は、特に、肥満症治療(すなわち、減量)手術に関連する質問に答えている。図5Aに示されている例では、以下に示す表示がなされた14の項目からなっている。
1.体重増加の履歴(History of Weight Gain)
2.減量治療(Weight Loss Medications)
3.試みたダイエットの履歴(History of Attempted Diets)
4.減量手術の履歴(Weight Loss Surgery History)
5.食事療法および身体運動の評価(Dietary and Physical Activity Assessment)
6.社会心理的履歴(Psychosocial History)
7.家族歴(Family History)
8.医療履歴(Past Medical History)
9.手術歴(Surgical History)
10.器官組織の検討(Review of Systems)
11.産婦人科歴(OB/GYN History)
12.アレルギと制限事項(Allergies and Restrictions)
13.診断法(Diagnostic Procedures)
14.肥満症の医学的な問題(Medical Problems of Obesity)
【0046】
一般的に、この問診票は、後に見直して患者の回答を病院の電子データ蓄積システムに入力する必要がある紙の問診票である。さらに、患者は、例えば、それらの質問が患者に関係なかったとしても、全ての質問について検討する/回答する必要があるのが一般的である。これとは異なり、患者モジュール91によって適用される問診票規則は、患者によって提供された回答に基づいて、問診票が患者に提示する質問を動的に変更する。
【0047】
図5Bには、ユーザに提示される質問を動的に変更する規則の単純な適用例が示されている。問診票のこの部分では、患者は、過去/現在の麻薬およびアルコール飲料の摂取について問われている。まず、患者は、アルコール飲料を摂取する頻度について、稀または全く摂取しないのか、つきあい程度なのかまたは定期的なのかを問われている。もし患者が定期的にアルコール飲料を摂取していると回答すると、患者モジュール91が適用する問診票規則に基づいて、それぞれの日においてどれくらいの量を摂取するのかに関し、追跡の質問がユーザに提示される。この追跡の質問は、アルコール飲料を定期的に摂取しているとの患者の提示に基づき、当該患者のみに提示される。同様に、もし患者が麻薬を、稀に、概ね週に1回、または毎日に近い、のいずれかの頻度で使用していると回答すると、患者モジュール91が適用する問診票規則に基づいて、どの種類の麻薬を摂取するのかに関し、追跡の質問がユーザに提示される。このようにして、患者は関連する質問についてだけ検討/回答すればよい。さらに、ユーザに提示される質問を変更する問診票規則の適用は、ユーザには見えないようになっている。
【0048】
図6Aおよび図6Bは、患者問診票を介して患者から提供された情報に医療従事者モジュール92が適用するデータ変換と、その結果として医療従事者に表示される情報との例を示すスクリーンショット(それぞれの参照符号は134および136である)である。
【0049】
図6Aには、以前診断された代謝異常、具体的には糖尿病の状況に関して、患者機器14を介してユーザに表示された問診票の一部が示されている。この例では、過去に糖尿病と診断され、単一の経口薬で状態を調整していることが患者によって示されている。医療従事者には同様な形式でこの情報を単純に表示するのではなく、医療従事者モジュール92が、受信した患者データに1組の変換規則を適用し、医療従事者にとって有意義となるように情報を表示する。このように、患者から収集された情報は、患者が接しやすく理解可能なものとなっているが、この情報は、医療従事者にとって有意義となる形式に変換される。
【0050】
図6Bには、医療従事者ポータル98を介して医療従事者に提供された表示の一部が示され、潜在的な共存症に関連した今後の留意事項についての医療従事者への注意がデータの変換に含まれる実施形態が示されている。このようにして、医療従事者にとって有意義な言葉に情報が変換されるだけでなく、患者から収集された情報に基づいて提示されうるさらなる共存症についても注意が促される。
【0051】
この例は、患者問診票に設けられる糖尿病に関する質問への患者の回答を用いている。単一の経口薬によって調整が行われている糖尿病があると以前に診断されたことを患者が示したことに応じ、医療従事者モジュール92によって適用された1組の医療従事者変換規則が情報を医療従事者にとって有用となるように、変換する。この具体例では、変換により、糖尿病の状態が医療従事者に示されているだけでなく、患者が第1の疾病、この例では糖尿病と併せて何らかの共存症に冒されているか否かを医療従事者が判断するように求められる。共存症は、糖尿病のように基となる病気が関連するもしくは原因となる病気による可能性があり、あるいは一次的な病気には関連しないものの、一次的な病気を有した患者に潜在的な問題がある場合に、当該問題を出現させるような病気の可能性がある。この例では、医療従事者モジュール92が、患者モジュール91(例として、図6Bに画面図が表示されている)を介して患者により入力された情報を変換し、医療従事者ポータル98を介し、医療従事者への共存症ウィンドウ136の表示を行わせる。この共存症ウィンドウ136は、患者が糖尿病であり、経口薬で調整していることを医療従事者に伝達する「ブドウ糖代謝」と題された第1部位138を含む。さらに、医療従事者には、「痛風/高尿酸血症」と題された第2部位140と、「脂肪症(異脂肪症/高脂血症)」と題された第3部位142とが示され、これらの特定の共存症が存在するか否かを判断して示すよう医療従事者に要求がなされる。
【0052】
このようにして、患者によって提供された情報は、医療従事者にとって有用となる表示に変換される。さらに、データの変換には、診察の際に医療従事者が分析および留意すべき自動的な追跡事項の生成を含む。なお、このような自動化機能は、医療従事者が検討/分析すべき全ての点を対象とするわけではなく、医療従事者の効率を改善するために共通の追跡事項への留意を目的とするものである。
【0053】
図7A〜図7Hは、計画の策定、データの収集、課題リストの検討、および医療従事者との通信のために、患者ポータル96(図3Bに示されている)によって提供されるインタフェースのスクリーンショットである。
【0054】
図7Aは、患者ポータル96にログイン中の患者が閲覧できるホームページインタフェース150のスクリーンショットである。ホームページインタフェース150は、患者モジュール91を介して患者ポータル96において、取り出し、調査または提供可能な情報の手引きを提供する。例えば、図7Aに記載されている実施形態では、ホームページインタフェース150は、設定された予約の前に患者が記入すべき問診票(例えば、初回診察問診票、バンド評価問診票)を提供する「患者の計画と予約」と題された部分152を含む。ホームページインタフェース150は、患者が確認し、予約した診察の前に達成すべき課題について記載されている「課題リスト」と題された部分154を含む。図3Bに記載されている実施形態では、患者モジュール91が、患者データベース82および患者ポータル96とやりとりして患者に問診票を提供し、一方では、課題リストモジュール94が患者データベース82、医療従事者ポータル98、および患者ポータル96とやりとりして患者に課題リストを提供する。
【0055】
図7Bは、図7Aに示す「患者の計画と予約」ボタンが操作/クリックされたことに応じて、ユーザに対して表示される計画/予約インタフェース156のスクリーンショットである。このページにより、患者は、設定済予約インタフェース158を介して全ての設定済予約を閲覧できると共に、予約詳細インタフェース160を介して特定の予約に関する詳細を閲覧することができる。図7Bに示す実施形態では、設定済予約インタフェース158が、設定された予約日、医療従事者/医師、予約時間、予約の理由、予約の説明、および起動時に予約に関する追加情報を表示するためのリンクを表示する。左側の旗は、設定済予約が、待機中なのか、終了したのか、または履行されなかったのかを色で示している。
【0056】
特定の予約について「詳細」のリンクが有効化されると、選択された予約の詳細が診察予約詳細インタフェース160に示される。日付、時刻、医師および予約の理由に関する詳細に加え、選択された予約に固有の問診票に対するリンクが設けられる。図7Bに示す例では、予約診察の理由は「バンド評価」である。特定の予約診察の「詳細」には、患者が予約した診察の前に電子問診票を閲覧して回答することが可能な「バンド評価問診票の表示」へのリンクが含まれる。このようにして、患者は、医療従事者との診察の前に、情報を患者データベース82に登録することができる。
【0057】
図7Cは、図7Bに示す「バンド評価問診票の表示」へのリンクに対して操作/クリックしたことに応じてユーザに表示する問診票インタフェース162のスクリーンショットである。図7Cに示す問診票は、図5Aおよび図5Bに示されている問診票の具体例に追加されて、または関連付けられていてもよい。問診票インタフェース162は、ユーザが回答する一連の質問を含む。問診票インタフェース162は、はい/いいえを入力するボックスや、ドロップダウン型のリスト等のいくつかの入力方法を利用してもよい。さらに、LMOCRシステム10は、過去に回答された質問や特定の患者について過去に集められた情報に基づいて、所定の問診票を作成するようにしてもよい。初歩的な例は、性別に関する質問である。もし、患者が男性であることを患者の個体情報が示していれば、LMOCRシステム10によって生成される質問は、妊娠に関する質問を含まない。
【0058】
患者モジュール91の指示により問診票インタフェース162によって収集された情報は、患者データベース82に蓄積される。設定された予約(すなわち、診察)の際、質問に対する答えが、LMOCRシステム10によって、正確性を確認するために、医療従事者によって検討される。この情報は、LMOCRシステム10により自動的な診察記録、計画の作成、健康および身体状態の報告、紹介状、承認書ならびに図2および図4を参照して前述したような他の報告に使用される。患者データベース82に蓄積される情報の登録を患者に許容したことによって、医療従事者の負担は軽減され、そのため、医療従事者の全体的な効率が改善される。
【0059】
図7Dは、課題リストモジュール94(図3Bに示されている)によって自動的に生成され、医療従事者によって検討される様々な課題を患者が閲覧/達成可能とする課題インタフェース164のスクリーンショットである。前述したように、課題リストは、患者の計画の一部としてそれぞれ独立して生成され、必要に応じて医師によって検討/修正される。図7Dに示されている実施形態では、各課題は、課題カテゴリ欄166、具体的な課題欄168、目標日欄170、患者の状態欄172、および医療従事者の状態欄174を含む。例えば、具体的な課題欄168には、課題「外科医の予約診察」(Appointment Surgeon)がある。課題達成の目標日が2009年4月1日であり、当該課題の状況は、患者の状態欄172のタブおよび医療従事者の状態欄174のタブの下方の旗の色によって示される。患者は、患者の状態に関する状態のみ変更することが可能である。医療従事者の状態欄174は、課題が達成された場合に医療従事者によって変更されなければならない。
【0060】
図3Bを用いて前述したように、課題リストモジュール94は、問診票を介して患者から提供され、患者の診察中に医療従事者によって修正された情報に1組の規則を適用して課題を自動的に生成する。例えば、特定の年齢(例えば40歳)以上の男性の患者の場合、肥満症治療手術の前に必要な課題は、ほふく運動(prostrate exam)である。さらに、医療従事者は、自己の裁量で課題リストに対して追加したり修正したりしてもよい。
【0061】
課題リストインタフェース164は、肥満症治療手術のような処置が行われる場合に、患者がとるべき行動の手引きを提供する。さらに、処置の次段階は課題リストにおける各課題が達成されたか否かに応じたものとしてもよい。例えば、この処置の課題の1つが、手術の前に20ポンド減量することであるとする。もし患者がこの課題を達成できなければ、手術は延期または中止されることがある。
【0062】
図7Eは、課題を達成するために患者ポータル96を介して患者が使用するインタフェース176のスクリーンショットである。図7Fは、課題を達成するために医療従事者ポータル98を介して医療従事者が使用するインタフェース178のスクリーンショットである。それぞれのインタフェースに対し、患者/医療従事者は、課題を達成した日付と課題に関する任意のコメントとを示すことができる。達成された課題に関するそれぞれの課題リストの状態とコメントとは、LMOCRシステム10に蓄積される。
【0063】
図7Gは、患者が医療従事者への疑問や懸念等の提出に用いる質問インタフェース180のスクリーンショットである。例えば、図7Gに示す実施形態では、患者は、手術前に5ポンド減量するという課題の達成が難しいことを述べている。図7Hは、患者からの質問に対して医療従事者が回答に用いる応答インタフェース182のスクリーンショットである。患者と医療従事者との間のやりとりはLMOCRシステム10に蓄積される。
【0064】
図8A〜図8Jは、計画策定、データ収集、課題リストの検討、報告の作成/修正、および医療従事者による患者との通信のために医療従事者ポータル98(図3Bに示されている)を介して医療従事者が用いるインタフェースのスクリーンショットである。
【0065】
図8Aは、医療従事者が予約の閲覧/管理に用いる診察予約インタフェース190のスクリーンショットである。インタフェース190には、医療従事者が予約の追加(192)、新たな患者の追加(194)、または特定の患者の検索(196)を行うことが可能になるリンク/ボタンが当該インタフェース190の上部にある。診察予約インタフェース190の部分198は、医療従事者が、所定の日または期間について、診察の予定、完了した診察、到来、手術(外科)、および指定どおりに現れなかった予約を閲覧できるようにする。医療従事者は、検索する日の範囲を入力し、医療従事者を選択する。すると全ての診察予約が提示される。図8Aに示す実施形態では、予約は、色によって、予約中なのか、完了したのか、到来したのか、手術日であるのか、または予約どおり現れなかったのかが示される。情報は、要求に応じて修正/編集され、LMOCRシステム10に蓄積される。
【0066】
図8Bは、医療従事者が特定の患者に基づいて予約を検索することができる予約検索インタフェース200のスクリーンショットである。患者検索部202は、医療従事者から入力された患者の名前および/または名字を受け取る。詳細部204は、医療従事者が患者診察に関する詳細を編集することができる。例えば、医療従事者は詳細部204を用いて、診察または訪問を予定に追加することができる。また、医療従事者は、訪問計画通りに患者が到着したか否かを記録することができる。
【0067】
図8Cは、医療従事者が名前以外の条件に基づいて患者を検索することができるアドバンストサーチインタフェース206のスクリーンショットである。例えば、医療従事者は、性別ドロップダウンリストを用いて性別に基づいて患者を検索したり、年齢範囲ボックスを用いて年齢に基づいて患者を検索したりすることができる。別の実施形態では、治療する疾病に関する他の条件が用いられて、医療従事者が選択的に検索して、患者を探し出すことができる。
【0068】
図8Dおよび図8Eは、医療従事者が患者の診察を管理することができる患者診察インタフェース212のスクリーンショットである。具体的には、肥満症治療手術(他の形式の疾病管理も同様)では、患者の情報と医師の記録とが、認証と監視のために検証会/認証機関に報告されなければならない。このことは、与えられる治療による長期に亘る患者への影響が重要となるような、処理継続型の長期の調査検討には特に適切なものである。
【0069】
図8Dは、患者の特定の診察を選択するためのドロップダウンリスト210を用いた所定の診察の選択を示すスクリーンショットである。図8Eには、医療従事者が利用可能な報告の選択肢が示されている。具体的には、個体情報インタフェース214により、医療従事者は患者の個体データを送り、編集し、および検討することが可能となり、診察報告インタフェース216により、医療従事者が特定の患者に関する診察データを送り、開き、生成し、および編集することができる。
【0070】
個体データは、特定の患者(すなわち、患者の名前ではなく)について収集された個人的でない全ての情報を広範に参照する。肥満症治療手術の場合、個体データは、患者の年齢、性別、体重、人種等の情報含んでいてもよい。個体データは、検証/認証機関によって収集および監視されて処置の有効性が監視される。LMOCRシステム10は、必要な情報を収集し、収集した情報を医師の裁量によって検証機関(識別名BOLDという)との通信用に形式を整える。また、個体情報インタフェース214により、医療従事者は、個体データの編集、患者の書類の閲覧、および検証機関に対する個体データの更新または再送をすることができる。
【0071】
診察報告インタフェース216は、医療従事者による患者の診察(すなわち、訪問)を管理することができる。医療従事者は、新たな診察を設定すること、診察情報を開くこと、診察情報を編集すること、および選択された診察情報を検証用に検証機関(例えば、BOLD)に送ることができる。また、診察報告インタフェース216により、医療従事者は、どの診察情報が既に検証機関に送られたか、およびどの診察情報が検証機関に対して送信準備できているかを閲覧することもできる。
【0072】
図8Fは、診察の際にデータの収集に用いられる診察ひな形220のスクリーンショットである。図8Fに示す実施形態では、処理中記録インタフェース224が、複数のデータ領域226と、これに対応して医療従事者が登録するための数値領域228とを含んでいる。医療従事者による数値領域228への登録に費やす時間を削減するために、前回の診察からの情報、患者問診票によって患者が提供した情報、および/または看護師/助手によって収集された情報が、これらの領域への登録に自動的に使用される。医師は、その情報を検討し、必要があれば修正するだけでよい。例えば、データ領域226は、身長とバンドをした日付とを含む。これらの数値は、訪問の度に変更されることはない。しかしながら、肥満症治療手術の場合には、体重のような領域の数値は訪問の度に著しく変化する。従って、医療従事者は、診察毎に体重のデータ領域を確認/修正する必要がある。チェックボックス230により、医療従事者は今回の診察で確認されたこれらのデータ領域を示すことができる。チェックボックス230においてチェックされていない箇所は、他のユーザによって登録され、そして医療従事者によって確認されていないデータ領域を示している。ボディマス指数(BMI)のような他の領域は、身長と体重との情報に基づいて自動的に計算され、手作業で修正することはできない。従って、医療従事者は手動でBMIの値を計算する必要はなく、体重のデータ領域の確認/修正のみをする。
【0073】
特定の診察に関する処理中の記録の記入が完了すると、医療従事者は、BOLD検証チェックボックス232を用い、検証機関に診察記録を報告する準備ができたことを示すことができる。
【0074】
医療従事者は、履歴インタフェース222によって、選択された領域に対して、以前に入力されたデータを検討することができる。例えば、図8Fに示す実施形態では、履歴インタフェース222に過去の各診察の際の患者の体重が表示されるように、患者の体重が選択されている。
【0075】
図8Gは、どのように診察ひな形におけるデータが医療従事者によって修正されるのかの例を含む診察ひな形インタフェース220のスクリーンショットである。この例では、医療従事者は、「訪問の理由」(Reason For Visit)のデータ領域をクリックまたは操作する。これに応答し、ポップアップウィンドウ234が開き、訪問の理由として、医療従事者がいくつかの標準的な理由から選択したり、新たな理由を生成したりすることができる。その情報は、その後診察ひな形に保存される。
【0076】
図8Hは、前に図8Fに示した診察ひな形インタフェース220における「投与薬物」のデータ領域をクリックすることによって有効化された投与薬物インタフェース236のスクリーンショットである。投与薬物インタフェース236は、患者が摂取した投与薬物のリストを収集するために用いられる。図8Hに示す実施形態では、リスト238からの特定の投与薬物の選択により、関連する投薬量領域240、服用方法領域242、および服用頻度領域244の登録が自動的に行われる。例えば、投与薬物であるアテノロール(ATENOLOL)の選択により、投薬量領域240に適当な投与量である100ミリグラム(mg)および50mgが登録される。同様に、服用方法領域242に適切な方法である摂取または投与の方法が登録され、頻度領域244に投与薬物に関連する適切な頻度が登録される。特定の診察において、選択された投与薬物が入力されると、その投与薬物は、医療従事者が修正しない限りその後の診察で登録されることになる。
【0077】
診察で、アレルギ、関わっている医療の問題、過去の手術歴等のようなさらなる情報は、同じような方法で検討および修正される。患者問診票で収集したデータ、看護師が収集したデータ、過去の診察で収集したデータ、および/または病院情報システム(HIS12)によって提供されたデータは、利用可能になると、各データ領域に自動的に登録される。
【0078】
図8Iは、行われる手術の形式と、選択された形式の手術の前に達成すべき必要事項/課題とを確認するために医師が用いる術前インタフェース248のスクリーンショットである。術前インタフェース248を使用して医師から収集されたデータが揃うことによって、手術の前に達成すべき患者の計画/課題のリストが生成される。図8Iに示す実施形態では、医師は、腹腔鏡下や開腹を含む様々な手術方法と、実行すべき手術の形式とを選択する。術前インタフェース248を介して医療従事者によって提供された他のデータには、診察の必要性、栄養士を訪れる必要性、手術前に必要な減量、定期予防健康検査の必要性、定期的な術前検査の評価および初期診察の評価、対診協議およびシステムの評価、医学的な減量の評価、ならびに/もしくは運動の評価を含む。対診協議およびシステムの評価は、心理的な評価、初期診察を行った医療従事者からの書簡、心血管の評価、胃腸の評価、代謝の評価、血液学による評価、および呼吸の評価を含んでいてもよい。
【0079】
さらに、LMOCRシステム10は、事前に収集した情報に基づいて手術前の必要事項を選択する自動的なルールを含む。例えば、50歳以上の患者は自動的に大腸内視鏡検査を受けるよう求められ、3ヶ月以上に亘ってフェンフルラミンとフェンテルミンとを併用する療法を受けていたと問診票に示した患者は心エコーの検査を受けるよう求められる等である。このように、収集された情報は、患者の計画と手術前の課題リストの自動的な生成に用いられる。ただし、医師は、必要と見なしたときにルールを修正することが可能である。
【0080】
図8Jは、術前インタフェース248(図8Iに示されている)を用いて医師が行った入力に応じてLMOCRシステム10が自動的に作成した術前必要事項記録250のスクリーンショットである。例えば、医師による腹腔鏡下の手術方法と、手術の形式との選択に応じて、手術方法領域252と手術の形式領域254に、これらの決定が反映されて自動的に登録される。予約領域256には、所定期間後に面会する医療職員が登録される。必要減量領域258には、診察日時点の体重と手術前までに必要な減量する重さとが登録される。追加領域には患者から事前に集められた情報、または術前インタフェース248を用いて医師が提出した情報に基づく登録が行われる。術前記録領域250は、患者に提供される。さらに、術前インタフェース248を用いて提供された入力に基づき、術前インタフェース248に提示された必要事項を反映して課題リストが自動的に生成される。課題リストはLMOCRシステム10によって蓄積され、患者ポータル96(図3Bに示す)を介して患者が閲覧することができる。
【0081】
このように、本発明は、医師や医師の助手が、医師の記録/指示から反復して手術前の必要事項を入力することを必要としない。その代わり、問診票、診察、および医師の判断から事前に収集されたデータに基づいて自動的に必要事項が入力される。自動的に作成されるにもかかわらず、報告は、患者にとって読みやすく、容易に理解でき、見た目と感じとが口述された文書のようである。
【0082】
図9Aは、患者の診察に応じてLMOCRシステム10の記録/報告作成モジュール93(図3Bに示されている)によって作成された自動医療従事者記録260のスクリーンショットである。この文書は、患者問診票、看護師の訪問、診察ひな形、および/または病院情報システムに蓄積されている医療記録から収集されたデータに基づいて自動的に作成される。一実施形態において、料金請求用の記録として自動医療従事者記録260が用いられる。例えば、LMOCRシステム10が病院情報システム(例えば、図1に示されているHIS12)と統合されている実施形態では、自動医療従事者記録260が、HIS12に伝達されて料金請求作業が開始されるようにしてもよい。LMOCRシステム10が患者への料金請求を取り扱う独立型のシステムである実施形態でも、自動医療従事者記録260は料金請求の際に稼働し、その記録はサービス提供の証明として、請求書と共に医療保険会社および/または患者に伝達される。
【0083】
自動医療従事者記録260の作成により、記録を作成する際の医療従事者の時間を自動的に削減する。ただし、医療従事者は、HIS12、医療保険会社、および/または患者に記録が伝達される前に、自動医療従事者記録260を検討および修正することができる。
【0084】
図9Bは、患者の診察に応じてLMOCRシステム10の記録/報告作成モジュール93(図3Bに示す)によって作成された自動紹介状記録262のスクリーンショットである。紹介状は、紹介先の医師(典型的には、家庭医)が、患者の処置状況を知ることができるよう診察結果を紹介先の医師に通知するために提供される。紹介状は、患者問診票、看護師の訪問、診察ひな形、および/または病院情報システムに蓄積されている記録から収集されたデータに基づいて自動的に作成される。医療従事者は、紹介先の医師に紹介状が伝達される前に、もう一度紹介状記録262を検討し修正することができる。
【0085】
図10Aは、本発明の実施形態に係る記録/報告作成モジュール93によって作成された手術前患者追跡報告264のスクリーンショットである。図2を参照して前述したように、LMOCRシステム10によって収集された情報は、報告にまとめられる。図10Aに示す実施形態では、医療従事者は、(医療従事者ポータル98を介して)記録/報告作成モジュール93とやりとりし、肥満症治療手術前の患者の数および割り当てられた課題を履行している患者の全体的な進捗を調べる。この例では、1人の患者が全ての割り当てられた課題を達成し、2人の患者が割り当てられた課題の51〜75%を達成し、3人の患者が割り当てられた課題の26〜50%を達成し、7人の患者が割り当てられた課題の0〜25%を達成している。このような形式の報告により、医師は、患者の全体的な進捗を評価し、さらなる患者を処理の課程に導入可能であるか否かを判断することができる。
【0086】
図10Bは、各患者の特定の計測値について、記録/報告作成モジュール93によって作成された報告のスクリーンショットである。このような形式の報告は、関連性のあるデータ領域(例えば、体重)に関する特定の処置の効果を評価するのに有用である。これらの報告は医師の使用のために作成されてもよいし、認証機関に伝達されて、特定の処置の効果/利点の分析に用いられるようにしてもよい。医療従事者は、作成すべき報告の形式を(医療従事者ポータル98を介して)記録/報告作成モジュール93に伝達する。これに応答し、記録/報告作成モジュール93は、患者データベース82からデータを取り出す。当該データは、複数の患者から収集された1人の特定の患者、または特定のデータに関連するデータを含んでいてもよい。
【0087】
図10Bに示す例では、単一の患者に関して報告が作成され、当該患者の経時的な減量経過がグラフ形式で提供される。この報告は、本例では肥満症治療手術である特定の処置の結果について、迅速に閲覧し評価する上で、医療従事者および認証機関の双方に有用である。
【0088】
本発明を、具体的な実施形態を参照して説明したが、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能であり、各要素を均等物に置換することができることは、当業者によって理解されるであろう。さらに、本発明の本質的な範囲から逸脱することなく、本発明の教示に特定の状況又は材料を適合させるために多くの変形を行うことができる。従って、本発明は、開示した特定の実施形態に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲に含まれる全ての実施形態を含む。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長期医療行為結果収集および報告システムであって、
複数の患者に関する医療記録と情報とを蓄積する患者データベースと、
前記患者データベース、離れた位置にある患者機器および離れた位置にある医療従事者機器と通信を行うためのアプリケーションプログラムを有するアプリケーションサーバとを備え、
前記アプリケーションサーバは、
患者が当該長期医療行為結果収集および報告システムとやりとりすることを可能にする患者ポータルを前記患者機器に表示し、患者問診票を前記患者ポータルに提供して前記患者から前記患者の情報を収集する患者モジュールであって、収集した前記患者の情報に第1組の規則を適用することにより前記患者問診票を選択的に変更して、前記患者から関連する追跡情報を収集し、収集した全ての患者の情報は前記患者データベースに蓄積される患者モジュールと、
医療従事者が当該長期医療行為結果収集および報告システムとやりとりすることを可能にする医療従事者ポータルを前記医療従事者機器に表示する医療従事者モジュールであって、収集した前記患者の情報に第2組の規則を適用することにより、前記患者の情報を前記医療従事者に関連する形式に変換し、前記医療従事者によって、前記患者データベースに蓄積されている前記患者のデータの検討、修正および追加が可能である医療従事者モジュールとを備える
ことを特徴とする長期医療行為結果収集および報告システム。
【請求項2】
前記アプリケーションサーバは、前記医療従事者ポータルを介して前記医療従事者が使用可能な記録作成モジュールをさらに備え、
前記記録作成モジュールは、作成すべき記録の形式に関し、前記医療従事者によって提示された入力と前記患者データベースに蓄積されている情報とに基づいて医療従事者記録を自動的に作成する
ことを特徴とする請求項1に記載の長期医療行為結果収集および報告システム。
【請求項3】
前記記録作成モジュールは、作成すべき報告の形式に関し、前記医療従事者によって入力された情報と前記患者データベースに蓄積されている情報とに基づいて報告を作成する
ことを特徴とする請求項2に記載の長期医療行為結果収集および報告システム。
【請求項4】
前記報告は、特定の患者に特有に作成される
ことを特徴とする請求項3に記載の長期医療行為結果収集および報告システム。
【請求項5】
前記報告は、複数の患者から収集されたデータについて作成される
ことを特徴とする請求項3に記載の長期医療行為結果収集および報告システム。
【請求項6】
前記アプリケーションサーバは、
前記患者データベースに蓄積されている収集された前記患者のデータに基づいて前記患者の課題リストを自動的に生成し、前記医療従事者が前記医療従事者ポータルを介して前記課題リストの検討および修正を行い、前記患者が前記患者ポータルを介して各課題を達成したことを検討および示す課題リストモジュールを含む
ことを特徴とする請求項1に記載の長期医療行為結果収集および報告システム。
【請求項7】
前記患者データベースは、収集された情報のデータと、収集された情報の提供元に関する情報とを蓄積する
ことを特徴とする請求項1に記載の長期医療行為結果収集および報告システム。
【請求項8】
収集された前記患者の情報の変換には、前記患者の情報中に提示された病気に関連する共存症の情報を、前記医療従事者の検討のために提供することが含まれる
ことを特徴とする請求項1に記載の長期医療行為結果収集および報告システム。
【請求項9】
患者ポータルを介して患者に患者受け入れ問診票を提供し、
前記患者から提供された回答に基づいて前記患者受け入れ問診票を変更して、関連する前記患者の情報を収集し、
収集した前記患者の情報を患者データベースに蓄積し、
収集した前記患者の情報を医療従事者に関連する形式に変換し、
前記医療従事者による検討/修正のために、変換された前記患者の情報を医療従事者ポータルを介して前記医療従事者に対して表示する
ことを特徴とする医療情報システムにおけるデータの収集および構成の方法。
【請求項10】
前記患者受け入れ問診票の変更は、前記患者ポータルを介して前記患者に対して表示するために、前記患者から提供された回答に第1組の規則を適用して追跡の質問を生成することを含む
ことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
収集した前記患者の情報の前記医療従事者に関連する形式への変換は、収集した前記患者の情報中に確認された病気に関連する共存症の情報を含む関連情報を医療従事者に対して表示して前記医療従事者が検討するために、収集した前記患者の情報に第2組の規則を適用することを含む
ことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項12】
さらに、前記医療従事者ポータルを介し、作成すべき医療従事者記録の形式に関して前記医療従事者から受信した入力と、収集した前記患者の情報とに基づいて自動的な医療従事者記録を作成する
ことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項13】
さらに、前記医療従事者ポータルを介し、作成すべき報告の形式に関して前記医療従事者から受信した入力と収集した前記患者の情報とに基づき自動的に報告を作成する
ことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項14】
自動的な報告の作成は、特定の患者に関する報告の作成を含む
ことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
自動的な報告の作成は、複数の患者に関する報告の作成を含む
ことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項16】
さらに、収集した前記患者の情報に基づく自動的な課題リストの生成を含み、生成された前記課題リストは、前記医療従事者ポータルを介して前記医療従事者によって検討可能であり、前記患者ポータルを介して、前記患者がアクセスして閲覧および記入が可能である
ことを特徴とする請求項9に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図10B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図7E】
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【図7F】
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【図7G】
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【図7H】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【図8E】
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【図8F】
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【図8G】
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【図8H】
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【図8I】
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【図8J】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10A】
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【公表番号】特表2012−529701(P2012−529701A)
【公表日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−514945(P2012−514945)
【出願日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際出願番号】PCT/US2010/001668
【国際公開番号】WO2010/144138
【国際公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【出願人】(511300525)ピーアールエム, リミテッド ライアビリティ カンパニー (1)
【氏名又は名称原語表記】PRM, LLC
【住所又は居所原語表記】17581 Haralson Drive, Eden Prairie, Minnesota 55347, U.S.A.
【Fターム(参考)】