説明

閉鎖膜付きチューブ容器およびその容器に内容物が充填されたチューブ

【課題】開封されるまで、内容物の保存性に優れた閉鎖膜チューブ容器およびそのチューブ容器に内容物が充填されたチューブを提供する。
【解決手段】チューブ容器1と、該チューブ容器1の口部2の雄ねじ部に螺合されるキャップ15とから成り、(1)前記チューブ容器は、口部に嵌合され、かつ弁体が内装された逆流防止弁と、該逆流防止弁の上方の口部に形成される閉鎖膜とから成り、(2)前記キャップは、天面部に前記チューブ容器の閉鎖膜を穿孔するための針体を有することを特徴とする閉鎖膜付きチューブ容器およびそのチューブ容器に内容物が充填されたチューブ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内容物の逆流、エアバックを防止した逆流防止弁付きチューブ容器および内容物を常に一定量注出する滴下機能付きチューブ容器に関し、さらに詳しくは、開封時までの内容物の保存性にすぐれた閉鎖膜付きチューブ容器およびその容器に内容物が充填されたチューブに関する。
【背景技術】
【0002】
【特許文献1】特開平9−202338号公報
【0003】
従来、クリーム、軟膏等の薬剤等の内容物を充填するチューブ容器として、逆流防止弁付きチューブ容器が使用されている。又目薬等の薬剤を充填するチューブ容器として、滴下機能付きチューブ容器が使用されている。逆流防止弁付きチューブ容器は、容器の復元力により、一旦外部に注出した内容物、外気が、容器内に吸引されるのを防止することを目的とし、滴下機能付きチューブ容器は、内容物を切れ良く、常に一定量を滴下させることを目的として提案されたチューブ容器である。
【0004】
従来、逆流防止弁付きチューブ容器としては、図6に示すようなチューブ容器がある。図中100は容器本体であり、この容器本体100の口部101には、逆流防止弁102が嵌合されている。そして、この逆流防止弁102の球体収納部103内には、球体106が内装され、球体106は、上部の玉止部109と、下部104に形成された突起部108の間を、上下動自在に動く。この容器本体100の口部101には、キャップ107が螺合されることにより、容器本体100の口部101の開口が閉鎖されている。
【0005】
図7に示す逆流防止弁202は、同様に容器本体200の口部201内に、筒部203が嵌合されている。この筒部203の下方には、半径方向中心に向かって突出する底部204と、この底部204と幅の狭い連結部によって一体的に連結されている舌状弁体206が形成されている。そして、これらの容器本体100、200の口部101、201には、通常のキャップ107、207が螺合されている。
【0006】
これらの逆流防止弁が嵌合されたチューブ容器100、200内に、内容物が充填された後、チューブ容器100、200の胴部を押圧すると、球体106又は舌片状弁206を押し上げて、内容物が外部に吐出される。チューブ容器100、200の胴部の押圧を止めると、チューブ容器100、200の胴部の復元力により、球体収納部103又は筒部203内に残留する内容物は、チューブ容器100、200内に引き戻されると同時に、外気を吸い込もうとするが、球体106又は舌片状弁206が、弁孔105、205を塞ぐことにより、一旦球体106又は舌片状弁206より上に注出した内容物が、容器本体100、200内へ逆流するのが防止されると共に、容器本体内100、200内へのエアーバックが防止される。このような逆流防止弁200の文献としては特許文献1がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の逆流防止弁付きチューブ容器にあっては、消費者がチューブ容器内の内容物を使用するまで、流通、陳列等の販売段階に置かれるが、開封前の段階で外気がキャップ及びチューブ容器の口部を透過して、内容物と混合するため短期間に内容物が劣化するという欠点があった。特に逆流防止弁付きチューブ容器内に充填される内容物は、若干の外気に触れても劣化する医薬品等であることが多い。
【0008】
本発明は、このような課題に着目してなされたものであり、逆流防止弁付きチューブ容器又は滴下機能付きチューブ容器において、開封されるまで、内容物の保存性に優れたチューブ容器を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この課題を解決するため、請求項1記載の発明の解決手段は、チューブ容器本体と、そのチューブ容器本体の口部の雄ねじ部に螺合されるキャップとから成り、(1)チューブ容器本体は、口部に装着された流入を規制する逆流防止弁と、該逆流防止弁の上方の口部に形成される閉鎖膜とを有し、(2)キャップは、天面部に前記チューブ容器の閉鎖膜を穿孔するための針体を有することを特徴とする閉鎖膜付きチューブ容器であることを特徴としている。逆流防止弁付きチューブ容器の口部に閉鎖膜を形成したから、内容物の使用まで内容物の保存性に優れる。
【0010】
請求項2記載の発明の解決手段は、逆流防止弁が球状弁であることを特徴とする閉鎖膜付きチューブ容器である。
【0011】
請求項3記載の発明の解決手段は、逆流防止弁が舌片状弁であることを特徴とする閉鎖膜付きチューブ容器である。
【0012】
請求項4記載の発明の解決手段は、球状収納部に球体が挿入され、球体が接触する球体収納部内に、球体が上下動しないように玉止部で固定した滴下機能付きチューブ容器において、球状収納部の上方の口部に閉鎖膜が形成されたことを特徴とする閉鎖膜付きチューブ容器である。滴下機能付きチューブ容器の口部に閉鎖膜を形成したから、内容物の使用まで内容物の保存性に優れる。
【0013】
請求項5記載の発明の解決手段は、前記いずれかの閉鎖膜付きチューブ容器において、チューブ容器が、ラミネートチューブ容器であることを特徴とする閉鎖膜付きチューブ容器である。
【0014】
請求項6記載の発明の解決手段は、前記いずれかの閉鎖膜付きチューブ容器において、チューブ容器が、樹脂チューブ容器であることを特徴とする閉鎖膜付きチューブ容器である。
【0015】
請求項7の発明の解決手段は、前述の閉鎖膜付きチューブ容器と、そのチューブ容器に充填される内容物とからなるチューブである。
【0016】
請求項8の発明の解決手段は、前記内容物が薬効成分を含むものであるチューブである。
【0017】
請求項9の発明の解決手段は、前記内容物の薬効成分が抗ヒスタミン剤、抗炎症剤、鎮痒剤、抗真菌剤、角質軟化剤、収斂・皮膚保護剤、局所麻酔剤及び保湿剤からなる群より選ばれる1種以上であるチューブである。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る閉鎖膜付きチューブ容器は、逆流防止弁付きチューブ容器又は滴下機能付きチューブ容器において、開封時まで内容物の保存性に優れる効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施例の一例を図面に基づいて説明する。図1は本発明に係る第1の実施形態のチューブ容器を示す断面図、図2は図1のチューブ容器の閉鎖膜を穿孔している状態を示す断面図、図3は本発明に係る第2の実施形態チューブ容器を示す断面図、図4は図3のチューブ容器の閉鎖膜を穿孔している状態を示す断面図、図5は本発明に係る第3の実施形態のチューブ容器を示す断面図である。
【0020】
図1および図2は、本発明の第1の実施形態を示している。その第1の実施形態のチューブ容器は、単層、多層又はラミネートのチューブ容器本体1と、そのチューブ容器本体の口部2に設けられる逆流防止弁3とからなる。その逆流防止弁3は、口部2の下方から内部に圧入し嵌合され、口部2に装着されている。前記逆流防止弁3は球状弁であり、上端に外向きに延びるフランジ部5を有する筒状の球体収納部4と、この球体収納部4内に内装される球体6から構成されている。前記球体収納部4の下端は開口しており、球体6を圧入する挿入口7となっている。その球体収納部4の上端の内面からは、球体6を係止する複数の球止部8が内むきに突出している。一方、下端の内面からは球体6と密に当接する突起部9が内向きに突出している。前記球体6はそれら球止部8と突起部との間を上下動することにより、逆止弁機能を果たす。なお、本発明の用いられる内容物の粘度としては、100〜10000mPa・s(B型粘度計、ロータNo.4、回転数60rpm、25℃)が好ましい。
【0021】
また、チューブ容器本体1は、キャップ15と螺合する雄ねじが形成された筒状の口部2と、その口部2の下端から連続し、斜め外向きに広がる肩部11と、その肩部11の下端から下方に延びる略有底筒状で内容物を押し出す胴部とからなる。前記口部2の上端からは、内向きに延びて段部を形成し、筒状内部を縮径する狭板2aと、その狭板の内端からさらに上方に突出し、中央にチューブ容器本体1の内部と連通する開口部が形成された開口突部14が設けられている。その開口突部14の開口部は、内径が2mm以上で、好ましくは2〜3mmで、高さが4mm以上で、好ましくは4〜10mmである。
【0022】
前記開口突部14と口部2との間は、閉鎖膜12により塞がれている。その閉鎖膜12は、口部2の狭板2aの下面に沿うように配置され、口部2の筒状の内周面に沿って下方に延び、肩部11の内周面に沿って斜め下方に延びている。その閉鎖膜12のさらに内側には内ショルダー13がある。前記閉鎖膜12は、その内ショルダー13と肩部11とで両側から挟着されている。内ショルダー13は、肩部11とほぼ同じ形状である。そして、その上端の部分は口部2の狭板2aの下面側に沿うように内向きに延びる鍔状部13aを備えている。その鍔状部13aは口部2(開口突部14)の開口部の内面と面一になる位置まで延びており、その内側が開口10である。なお、図示していないが、内ショルダー13を設けずに、閉鎖膜12を肩部11の内周面に溶着してもよい。
【0023】
前記閉鎖膜12は、例えば、アルミニウム箔に、ポリエチレン樹脂又はポリエチレンテレフタレート樹脂等を積層した構成、或いはナイロン樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体等のガスバリア性樹脂に、ポリエチレン樹脂又はポリエチレンテレフタレート樹脂等を積層した構成である。なお、閉鎖膜12の厚みは100〜200μm、好ましくは110〜150μmである。
【0024】
前記キャップ15は、内側に内筒16が形成され、内筒16の天面には針体17が形成されている。チューブ容器1の開口10の閉鎖膜12を穿孔する場合は、図2に示すように、キャップ15をチューブ容器1から螺合を外し、逆さにしてキャップ15の針体17を、開口突起14の開口から挿入して閉鎖膜12を穿孔する。その針体17の直径は2mm以下で、好ましくは0.8〜1.5mmである。
【0025】
前記閉鎖膜付チューブ容器に充填される内容物としては、例えば、液剤、軟膏剤、クリーム剤、ゲルクリーム剤やゲル剤等が挙げられる。液剤、クリーム剤、ゲルクリーム剤及びゲル剤は、通常、アルコール、ゲル化剤、油分、水、及び界面活性剤等を含有する。
【0026】
アルコールは、好ましくは低級アルコール、より好ましくは炭素数1〜3のアルコールが挙げられる。炭素数1〜3のアルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール等が挙げられる。ゲル化剤は、例えば、カルボキシビニルポリマー等のアクリル酸系高分子、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース等のセルロース系高分子やポリビニルアルコール等が挙げられる。油分は、例えば、スクワラン、流動パラフィン等の炭化水素類や、ミリスチン酸イソプロピル、アジピン酸ジイソプロピル及びミリスチン酸オクチルドデシル等のエステル類等が挙げられる。
【0027】
界面活性剤としては、陽イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤が挙げられ、好ましくは非イオン性界面活性剤である。非イオン性界面活性剤の具体例としては、プロピレングリコールモノ脂肪酸エステル、エチレングリコールモノ脂肪酸エステル、グリセリンモノ脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、メチルグルコシド脂肪酸エステル、アルキルポリグルコシド等の多価アルコール脂肪酸エステル又は多価アルコールアルキルエーテル;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロール、ポリオキシエチレンフィトスタノール、ポリオキシエチレンコレステロール、ポリオキシエチレンコレスタノール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル等のポリオキシエチレンエーテル;ポリオキシエチレンモノ脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールジ脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンメチルグルコシド脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油・硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン植物油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール等のエーテルエステル等が挙げられ、特にグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが好ましい。非イオン性界面活性剤のHLBは2〜18が好ましく、特に3〜17が好ましい。例えば、グリセリン脂肪酸エステルのHLBが3〜10が好ましく、特に4〜8が好ましい。ソルビタン脂肪酸エステルのHLBが2〜10が好ましく、特に3〜6が好ましい。ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルのHLBが9〜18が好ましく、特に14〜17が好ましい。
【0028】
液剤における、アルコールの含有量は、全量に対して通常25〜60質量%、好ましくは30〜55質量%である。ゲル化剤の含有量は、全量に対して通常0〜5質量%、より好ましくは0.05〜5質量%である。油分の含有量は、全量に対して通常0〜10質量%、より好ましくは1〜8質量%である。界面活性剤の含有量は、全量に対して通常0〜10質量%、より好ましくは0〜5質量%である。水の含有量は、全量に対して通常20〜60質量%、より好ましくは30〜50質量%である。
【0029】
クリーム剤における、アルコールの含有量は、全量に対して通常0〜25質量%、好ましくは0〜10質量%である。ゲル化剤の含有量は、全量に対して通常0〜5質量%、より好ましくは0.05〜2質量%である。油分の含有量は、全量に対して通常5〜30質量%、より好ましくは7〜30質量%である。界面活性剤の含有量は、全量に対して通常0.01〜10質量%、より好ましくは0.05〜5質量%である。水の含有量は、全量に対して通常20〜90質量%、より好ましくは40〜80質量%である。
【0030】
ゲルクリーム剤における、アルコールの含有量は、全量に対して通常25〜60質量%、好ましくは30〜50質量%、特に好ましくは30〜40質量%である。ゲル化剤の含有量は、全量に対して通常0.01〜5質量%、より好ましくは0.05〜5質量%、特に好ましくは0.5〜2.5質量%である。油分の含有量は、全量に対して通常5〜30質量%、より好ましくは7〜30質量%、特に好ましくは7〜20質量%である。界面活性剤の含有量は、全量に対して通常0.01〜10質量%、より好ましくは0.05〜5質量%、特に好ましくは0.1〜5質量%である。水の含有量は、全量に対して通常20〜60質量%、より好ましくは30〜50質量%、特に好ましくは40〜50質量%である。
【0031】
ゲル剤における、アルコールの含有量は、全量に対して通常25〜60質量%、より好ましくは30〜50質量%である。ゲル化剤の含有量は、全量に対して通常0.01〜5質量%、好ましくは0.05〜5質量%である。油分の含有量は、全量に対して通常0〜10質量%、より好ましくは1〜8質量%である。界面活性剤の含有量は、全量に対して通常0〜10質量%、より好ましくは0〜5質量%である。水の含有量は、全量に対して通常20〜60質量%、より好ましくは30〜50質量%である。
【0032】
前記チューブ容器に充填される内容物には、薬効成分や各種任意成分(例えば、pH調節剤、保存剤、安定化剤及び湿潤剤等)を所望に応じて含有させることが可能である。
薬効成分としては特に限定されるものではなく、例えば、抗ヒスタミン剤、抗炎症剤、鎮痒剤、抗真菌剤、角質軟化剤、収斂・皮膚保護剤、局所麻酔剤、保湿剤等が挙げられ、これら薬効成分は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせてもよい。
抗ヒスタミン剤としては、例えば、ジフェンヒドラミン、塩酸ジフェンヒドラミン、ラウリル硫酸ジフェンヒドラミン、マレイン酸クロルフェニラミン、塩酸イソチペジル等が挙げられる。
【0033】
抗炎症剤としては、例えば、酢酸ヒドロコルチゾン、酢酸プロピオン酸ヒドロコルチゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、酢酸メチルプレドニゾロン、吉草酸酢酸プレドニゾロン、ジフルプレドナート、吉草酸酢酸ジフルコルトロン、フルオシノロンアセトニド、フルドキシコルチド、フルオシノニド、ハルシノニド、アムシノニド、ピバル酸フルメタゾン、トリアムシノロンアセトニド、デキサメタゾン、酢酸デキサメタゾン、吉草酸デキサメタゾン、プロピオン酸デキサメタゾン、ジプロピオン酸ベタメタゾン、プロピオン酸ベクロメタゾン、酪酸クロベタゾン、プロピオン酸クロベタゾール、酢酸ジフロラゾン、酪酸プロピオン酸ベタメタゾン、ブフェキサマック、ベンダザック、フルフェナム酸ブチル等のステロイド系抗炎症剤、テノキシカム、インドメタシン、ジクロフェナクナトリウム、フルフェナム酸、ブフェキサマック、ザルトプロフェン、ナプロキセン、イブプロフェン、フルルビプロフェン、ケトチフェン、フルルビプロフェンアキセチル、フェンブフェン、ロキソプロフェンナトリウム、フェルビナク、メフェナム酸、ピロキシカム、アンピロキシカム等の非ステロイド系抗炎症剤が挙げられる。
【0034】
鎮痒剤としては、例えば、クロタミトン、サリチル酸メチル等が挙げられる。
抗真菌剤としては、例えば、硝酸ミコナゾール、ビフォナゾール、塩酸クロコナゾール、クロトリマゾール、硝酸エコナゾール、硝酸イソコナゾール、硝酸オキシコナゾール、硝酸スルコナゾール、ケトコナゾール、塩酸ネチコナゾール、ナイスタチン、ピマリシン、シッカニン、トリコマイシン、バリオチン、トルシクラート、トルナフテート、塩酸ブテナフィン、テルビナフィン、複合ウンデシレン酸、シクロピロクスオラミン、エキサラミド、ハロプロジン、フェニルヨードウンデシレン酸等が挙げられる。
角質軟化剤としては、例えば、サリチル酸、尿素等が挙げられる。
収斂・皮膚保護剤としては、例えば、グアイアズレン、ポビドンヨード、ヘパリン類似物質等が挙げられる。
【0035】
局所麻酔剤としては、例えば、アミノ安息香酸エステル、塩酸オキシブプロカイン、塩酸ジブカイン、塩酸テトラカイン、塩酸パラブチルアミノ安息香酸ジエチルアミノエチル、塩酸ブピバカイン、塩酸プロカイン、塩酸メビバカイン、塩酸ロピバカイン水和物、オキセサゼイン、ピペリジノアセチルアミノ安息香酸エチル、リドカイン、塩酸リドカイン等が挙げられる。
保湿剤としては、例えば、尿素、ヘパリン類似物質、ピロリドンカルボン酸、コラーゲン、γ−オリザノール、γ−リノレイン酸、リノール酸、ビタミンE、ビタミンD、ビタミンA、スクワレン、スクワラン、グリセリン、ポリエチレングリコール、コレステロール、トリグリセリド、セラミド等が挙げられる。
【0036】
pH調節剤としては、クエン酸、リン酸、酒石酸、乳酸等の有機酸、塩酸等の無機酸、水酸化ナトリウム等の水酸化アルカリ金属、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン等のアミン類等が挙げられる。
保存剤としては、バラオキシ安息香酸エステル類、塩化ベンザルコニウム等が挙げられる。
安定化剤としては、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、エデト酸塩等が挙げられる。
また、湿潤剤としては、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、オレイルアルコール、1,3−ブチレングリコール、イソプロピレングリコール、ポリエチレングリコール等の多価アルコールが挙げられる。
なお、液剤、軟膏剤、クリーム剤、クリームゲル剤やゲル剤等の前記チューブ容器に充填される内容物は、公知の方法(例えば、第十五改正日本薬局方 製剤総則等)にしたがって、製造することができる。
【0037】
図3および図4は、本発明の第2の実施形態を示している。図中の符号21は逆流防止機能を有するチューブ容器本体であり、単層、多層又はラミネートのチューブ容器である。チューブ容器本体21の口部22には、舌片状弁である逆流防止弁23が、口部22内に圧入され嵌合されることにより、口部22に装着されている。逆流防止弁23は、本体である筒部24及びこの筒部24の上端に形成されるフランジ部30、さらに筒部24の底部25の中心に穿設される弁孔27を塞ぐための舌片状弁26とから構成されている。底部25と舌片状弁26は幅の狭い連結部によって、一体的に連結され、底部25の上面を水平に形成した弁座28に係脱自在に当接する。
【0038】
一方、チューブ容器21の口部22の雄ねじ部には、キャップ35が螺合される。キャップ35の内側には、内筒36が形成され、内筒36の天面には針体37が形成されている。そして、チューブ容器21の開口20の閉鎖膜29を穿孔する場合は、図4に示すように、キャップ35をチューブ容器21から螺合を外し、逆さにしてキャップ35の針体37を、開口突起34の開口から挿入して閉鎖膜29を穿孔する。
【0039】
図5及び図6は、本発明の第3の実施形態を示している。図中の符号41は滴下機能を有するチューブ容器本体であり、前述の実施形態と同様に単層、多層又はラミネートのチューブ容器本体である。チューブ容器本体41の口部42には、球体収納部44が内装されている。球体46は高い真球度で形成され、かつ球体46は玉止部50によって上下に移動せずに固定されている。又この球体収納部44の上部の内周面には、溝48が形成され、チューブ容器41を押圧すると、内容物がこの溝48を通過して、一定量だけ外部に流出する。溝48の深さ、幅については、内容物の粘度、一滴の抽出量に応じて、任意に形成することができる。なお、溝48に代えて球体46の表面又は球体収納部44の内周面に、シボ加工が施されてもよい。
【0040】
一方、チューブ容器本体41の口部42の雄ねじには、キャップ55が螺合されている。キャップ55は、内筒56内に雌ねじが形成され、内筒56の天面には針体57が形成されている。チューブ容器41の開口40の閉鎖膜49を穿孔する場合は、同様に、キャップ55をチューブ容器41から螺合を外し、逆さにしてキャップ55の針体57をチューブ容器41のノズル部54の開口から挿入して穿孔する。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明は、外部からのガス透過を完全に防止できるので、開封まで流通、販売過程における内容物の劣化を防止することができる。したがって、従来の逆流防止機能或いは滴下機能に加え、ガス遮断性機能を併せ持つチューブ容器として、医薬品、食品等を充填するのに広く適し、多岐にわたって利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明に係る第1の実施形態のチューブ容器を示す断面図である。
【図2】図1のチューブ容器の閉鎖膜を穿孔している状態を示す断面図である。
【図3】本発明に係る第2の実施形態チューブ容器を示す断面図である。
【図4】図3のチューブ容器の閉鎖膜を穿孔している状態を示す断面図である。
【図5】本発明に係る第3の実施形態のチューブ容器を示す断面図である。
【図6】従来の逆流防止弁付きチューブ容器を示す断面図である。
【図7】従来の逆流防止弁付きチューブ容器を示す断面図である。
【符号の説明】
【0043】
1 21 41 チューブ容器本体
2 22 42 口部
3 23 逆流防止弁
4 44 球状収納部
6 46 球体
8 玉止部
12 29 49 閉鎖膜
15 35 55 キャップ
17 37 57 針体
24 筒部
26 舌片状弁
48 溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
チューブ容器本体と、該チューブ容器本体の口部の雄ねじ部に螺合されるキャップとから成り、
(1)前記チューブ容器本体は、口部に装着された流入を規制する逆流防止弁と、該逆流防止弁の上方の口部に形成される閉鎖膜とを有し、
(2)前記キャップは、天面部に前記チューブ容器の閉鎖膜を穿孔するための針体を有することを特徴とする閉鎖膜付きチューブ容器。
【請求項2】
前記逆流防止弁が、球状弁であることを特徴とする請求項1記載の閉鎖膜付きチューブ容器。
【請求項3】
前記逆流防止弁が、舌片状弁であることを特徴とする請求項1記載の閉鎖膜付きチューブ容器。
【請求項4】
チューブ容器本体と、該チューブ容器本体の口部の雄ねじ部に螺合されるキャップとから成り、チューブ容器本体の球状収納部に球体が挿入され、球体が接触する球体収納部内に、球体が上下動しないように玉止部で固定した滴下機能付きチューブ容器において、
球状収納部の上方の口部に閉鎖膜が形成され、前記キャップに閉鎖膜を穿孔する針体が設けられたことを特徴とする閉鎖膜付きチューブ容器。
【請求項5】
前記チューブ容器本体が、ラミネートチューブ容器であることを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載の閉鎖膜付きチューブ容器。
【請求項6】
前記チューブ容器本体が、樹脂チューブ容器であることを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載の閉鎖膜付きチューブ容器。
【請求項7】
請求項1、2、3、4、5、6あるいは7の閉鎖膜付きチューブ容器と、そのチューブ容器に充填される内容物とからなるチューブ。
【請求項8】
前記内容物が薬効成分を含むものである請求項5記載のチューブ。
【請求項9】
前記内容物の薬効成分が抗ヒスタミン剤、抗炎症剤、鎮痒剤、抗真菌剤、角質軟化剤、収斂・皮膚保護剤、局所麻酔剤及び保湿剤からなる群より選ばれる1種以上である請求項8記載のチューブ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−196672(P2009−196672A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−40539(P2008−40539)
【出願日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願人】(000238614)武内プレス工業株式会社 (72)
【出願人】(000163006)興和株式会社 (618)
【Fターム(参考)】