説明

開口部装置の設置構造

【課題】建物の躯体に対するサッシなどの開口部装置の設置に関し、溶接作業の必要のない設置構造を提案するものである。
【解決手段】施工が完了した建物の躯体1の開口部2にサッシ3などの開口部装置を設置するための開口部装置の設置構造において、躯体1側に固定される第一固定部材としての躯体側固定部材10と、サッシ3の枠体31側に固定される第二固定部材としての枠側固定部材40と、を用い、前記躯体側固定部材10が第一面部12を有し、前記枠側固定部材40が第二面部42を有し、前記第一面部12と第二面部42の相対位置が調整可能に構成され、前記第一面部12と第二面部42が互いに固定される、こととする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開口部装置を開口部に設置するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ビルなどの建物の躯体の開口部に、ガラスサッシなどの窓や、ドアといった各種開口部装置を設ける形態について開示する文献が知られている(特許文献1参照。)。
この特許文献1では、コンクリート製の躯体に予め埋設された鉄筋に対し、サッシ枠側の固定具を溶接固定することで、サッシ枠を躯体の開口部に設置する構造について開示がされている。また、水切皿板についても、固定具を介して鉄筋に対し溶接固定される形態が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−223073号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、サッシ枠を躯体側に溶接固定をする施工形態では、溶接作業が必要となって施工期間の短縮化を図る上で大きな障害となる。また、溶接作業のための人員確保や溶接機の搬入の必要が生じることはもちろんのこと、この溶接機を使用するためだけに、200Vの電源を施工現場に引き込むといった必要も生じるものであった。
【0005】
また、溶接作業においては、火気を伴うため、施工作業において防火のための対策が必要となる。また、火花の飛散することが想定される。特に、ガラスが組み込まれたサッシを施工する際には、ガラス部分の養生が必要となる。火花によってガラスの表面に傷が生じたり、表面が溶けるなどの不具合が生じた場合には、ガラス交換が必要となってしまうためである。
【0006】
また、溶接作業に伴ってサッシに品質上の不具合が生じることも想定されるが、品質保証という観点で、サッシなどを供給するメーカー側と施工者側での責任の所在の切り分けが難しいという問題も生じる。
【0007】
さらに、溶接固定のために必要となる鉄筋は、躯体に予め埋設されるものである。このため、躯体の施工業者においては、規定の位置に鉄筋を埋設する施工管理が必要となることはもちろんのこと、その鉄筋の埋設位置にばらつきが生じることも想定される。このようなことから、特許文献1に開示される形態においても、鉄筋や固定具の寸法に余裕を持たせ、無駄に多くの金属材料が使用されていることが見受けられる。
【0008】
以上のように、建物の躯体に対するサッシの設置においては、溶接作業に伴う課題が多く残るものであり、溶接作業が不要な設置形態が望まれていた。
【0009】
そこで、本発明は、建物の躯体に対するサッシなどの開口部装置の設置に関し、溶接作業の必要のない設置構造を提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0011】
即ち、請求項1に記載のごとく、
建物の躯体の開口部に開口部装置を設置するための開口部装置の設置構造において、
前記躯体側に固定される第一固定部材と、
開口部装置の枠体側に固定される第二固定部材と、を用い、
前記第一固定部材が第一面部を有し、
前記第二固定部材が第二面部を有し、
前記第一面部と第二面部の相対位置が調整可能に構成され、
前記第一面部と第二面部が互いに固定される、こととするものである。
【0012】
また、請求項2に記載のごとく、
前記相対位置の調整は、
前記第二固定部材の前記枠体の長手方向に対する位置を調整する、
及び/又は、
前記第二固定部材の角度を変更して調整する、
こととするものである。
【0013】
また、請求項3に記載のごとく、
前記第二固定部材は、
前記枠体に固定するための固定部と、前記固定部に対して直交する面を形成する第二面部とを有し、
前記第二面部は、前記固定部に対し角度調整可能な回転ピースに設けられる、こととするものである。
【0014】
また、請求項4に記載のごとく、
前記第二固定部材は、
前記枠体に固定するための固定部と、前記固定部に対して直交する面を形成する第二面部とを有し、
前記第二面部は、前記固定部の横幅方向に対してスライド可能なスライドピースに設けられる、こととするものである。
【0015】
また、請求項5に記載のごとく、
前記第二固定部材は、躯体の開口部に前記枠体を納めた後に、前記枠体に対して固定され得る、
こととするものである。
【0016】
また、請求項6に記載のごとく、
前記相対位置の調整は、
前記第一固定部材の前記枠体の長手方向に対する位置を調整する、
及び/又は、
前記第一固定部材の角度を変更して調整する、こととするものである。
【0017】
また、請求項7に記載のごとく、
前記第一固定部材は、
前記躯体に固定するための固定部と、前記固定部に対して直交する面を形成する第一面部とを有し、
前記第一面部は、前記固定部に対し角度調整可能な回転ピースに設けられる、
こととするものである。
【0018】
また、請求項8に記載のごとく、
前記第一固定部材は、
前記躯体に固定するための固定部と、前記固定部に対して直交する面を形成する第一面部とを有し、
前記第一面部は、前記第一面部に対して傾斜する方向に対してスライド可能なスライドピースに設けられる、
こととするものである。
【0019】
また、請求項9に記載のごとく、
前記第一面部と前記第二面部は、接触する、
こととするものである。
【0020】
また、請求項10に記載のごとく、
前記第一面部、及び、前記第二面部は、前記第二固定部材が固定される枠体の長手方向に対して傾斜する、
こととするものである。
【0021】
また、請求項11に記載のごとく、
前記第一面部、又は、前記第二面部には、
前記第一面部と前記第二面部を固定する際に用いる固定具を挿通するための複数の長孔が形成される、
こととするものである。
【発明の効果】
【0022】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0023】
即ち、請求項1に記載の発明においては、
溶接作業を行わずに開口部装置を躯体の開口部に設置することが可能となり、溶接作業に伴う課題の解決が可能となる。また、躯体に予め鉄筋などを埋設することが不要となり、躯体の施工業者の負担軽減や、鉄筋の埋設位置のばらつきの問題の解消を図ることができる。
【0024】
また、請求項2に記載の発明においては、
第一面部の位置に施工のばらつきが生じる場合においても、適宜、第一面部と第二面部の相対位置を調整することによって対応することができ、施工時間の短縮を図ることが可能となる。
【0025】
また、請求項3に記載の発明においては、
回転ピースによって第二面部の角度を調整することが可能となる。
【0026】
また、請求項4に記載の発明においては、
スライドピースによって第二面部の位置を調整することが可能となる。
【0027】
また、請求項5に記載の発明においては、
躯体側に取付けられた第一固定部材の位置を確認しつつ、第二固定部材の固定位置を決めることができるため、第二固定部材が第一固定部材から大きくずれた位置に固定された場合の作業やり直しなどの不具合を回避することができ、施工負担の解消、施工時間の短縮を図ることができる。
【0028】
また、請求項6に記載の発明においては、
第一固定部材側において、相対位置の調整が可能となる。
【0029】
また、請求項7に記載の発明においては、
回転ピースによって第一面部の角度を調整することが可能となる。
【0030】
また、請求項8に記載の発明においては、
スライドピースによって第一面部の位置を調整することが可能となる。
【0031】
また、請求項9に記載の発明においては、
第一面部と第二面部を接触させるだけで、第一固定部材と第二固定部材の位置決めを行うことが可能となり、また、別部材を用いることがなく、部品点数の少ない構成を実現することができる。
【0032】
また、請求項10に記載の発明においては、
枠体の見込方向の荷重に対する第一面部、第二面部の断面二次モーメントを大きく確保することができ、第一固定部材、第二固定部材において、より高い剛性を確保することができる。
また、第一面部に第二面部を突き合わせることによって、枠部材の長手方向における枠側固定部材の位置が決められるとともに、同時に、枠部材(開口部)の見込方向における枠側固定部材の位置を決めることが可能となる。このようにして位置決め作業が容易となり、作業時間の短縮を図ることが可能となる。
また、第一面部と第二面部が固定された状態においては、仮に、第二面部を回転させるような荷重が生じた場合でも、第二面部の端部が第一面部に突き当たるため、第二面部の回転(時計周り方向、及び、反時計回り方向の両方)を、第一面部によって規制することができ、枠側固定部材の回転によるズレを防止することができる。
また、仮に、第一面部と第二面部を水平とする場合には、固定具を枠部材の長手方向から挿入する必要があるため、工具を用いた作業が極めて困難になることが考えられる。
【0033】
また、請求項11に記載の発明においては、
開口部の見込方向と直交する方向において、躯体側固定部材と枠側固定部材の相対位置が一定とならない状況においても、この長孔の適切な位置から図示せぬ固定具を締結することによって、第一面部と第二面部を互いに固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】開口部装置としてのサッシの躯体開口部への設置について示す図。
【図2】枠側固定部材と躯体側固定部材の構成について示す斜視図。
【図3】枠側固定部材と躯体側固定部材を固定した状態について示す水平断面図。
【図4】枠側固定部材の固定について説明する図。
【図5】枠側固定部材の固定について説明する図。
【図6】(a)は第一面部と第二面部を傾斜させることによる効果について説明する図。(b)は仮に第一面部と第二面部を水平とした場合の弊害について説明する図。
【図7】(a)は躯体側固定部材について示す図。(b)は枠側固定部材について示す図。(c)は枠側固定部材の別形態について示す図。(d)は枠側固定部材の別形態について示す図。
【図8】第一面部と第二面部の固定について工具を斜め方向に操作する例について示す図。
【図9】(a)は実施例2の枠側固定部材の構成について示す図。(b)は回転ピースの角度変更について示す図。(c)は枠側固定部材と躯体側固定部材を固定した状態について示す水平断面図。
【図10】(a)は実施例3の枠側固定部材の構成について示す図。(b)はスライドピースの移動について示す図。(c)は枠側固定部材と躯体側固定部材を固定した状態について示す水平断面図。
【図11】実施例3における固定の形態について説明する図。
【図12】(a)は実施例4の枠側固定部材の構成について示す図。(b)はスライドピースの移動について示す図。(c)は枠側固定部材と躯体側固定部材を固定した状態について示す水平断面図。(d)は枠側固定部材と躯体側固定部材を固定した状態について示す正面図。
【図13】(a)は実施例5の躯体側固定部材の構成について示す図。(b)は枠側固定部材の移動について示す図。(c)は枠側固定部材と躯体側固定部材を固定した状態について示す水平断面図。(d)は枠側固定部材と躯体側固定部材を固定した状態について示す正面図。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明は、図1及び図2の実施形態に参照されるように、
施工が完了した建物の躯体1の開口部2にサッシ3などの開口部装置を設置するための開口部装置の設置構造において、
躯体1側に固定される第一固定部材としての躯体側固定部材10と、
サッシ3の枠体31側に固定される第二固定部材としての枠側固定部材40と、を用い、
前記躯体側固定部材10が第一面部12を有し、
前記枠側固定部材40が第二面部42を有し、
前記第一面部12と第二面部42の相対位置が調整可能に構成され、
前記第一面部12と第二面部42が互いに固定される、こととするものである。
【0036】
このような設置構造とすることにより、溶接作業を行わずに開口部装置を躯体の開口部に設置することが可能となり、溶接作業に伴う課題の解決が可能となる。
【0037】
以下では、実施例を用いてより具体的に説明する。
【実施例1】
【0038】
図1に示すごとく、本実施例1では、開口部装置としてのサッシ3を、施工された躯体1の開口部2に設置するものである。
また、図2に示すごとく、躯体1側に固定される第一固定部材としての躯体側固定部材10と、サッシ3の枠体31側に固定される第二固定部材としての枠側固定部材40が互いに固定されることで、サッシ3の枠体31が躯体1に対して固定されることとなっている。
【0039】
また、図2乃至図6図7(a)に躯体側固定部材10の構造を示す。
躯体側固定部材10は、躯体1側に固定するための固定部11と、固定部11から立ち上げられる第一面部12と、を有し、例えば、板金加工された金具にて構成することができる。また、固定部11がコンクリートビスなどの固定具51によって躯体1に対して留め付けられることで、躯体1の開口部の所定の箇所に躯体側固定部材10が設置される。この躯体側固定部材10の躯体1への設置は、躯体1の施工完了後に行うことができるため、躯体側固定部材10の設置において、溶接作業は不要である。また、躯体に予め鉄筋などを埋設することが不要となり、躯体の施工業者の負担軽減や、鉄筋の埋設位置のばらつきの問題の解消を図ることができる。
【0040】
また、図2乃至図6図7(b)に枠側固定部材40の構造を示す。
枠側固定部材40は、サッシ3の枠体31に固定するための固定部41と、固定部41と直交する面を形成する第二面部42・42と、を有し、例えば、板金加工された金具にて構成することができる。また、本実施例では二つの第二面部42・42が互いに直交し、かつ、固定部41の横幅方向Xにおいて左右対称に配置される構成としている。これにより、サッシの枠体31の左右の縦枠部材について、共通の枠側固定部材40を使用することが可能となる。即ち、左右の縦枠部材に対する枠側固定部材40の取付け向きは逆になった場合でも、いずれか一方の第二面部42・42を使用することで対応することができる。なお、図6図7(c)(d)に示すごとく、一つの第二面部42A・42Bをそれぞれ有する枠側固定部材40A・40Bを構成し、使用場所において適宜使い分けることとしてもよい。
【0041】
また、図2乃至図6図7(b)に示すごとく、枠側固定部材40の固定部41において、その横幅方向Xの両端部には、サッシの枠体を構成する枠部材32の長手方向に形成される二列の片部33a・33bの裏側にそれぞれ差し込まれ得る複数の差込部41a・41bと、片部33a・33bの表側に配置され得る被せ部41c・41dが設けられている。また、側面から見た場合(図2参照)に、差込部41a・41bと、被せ部41c・41dの位置が、板厚方向においてずれており、これにより、片部33a・33bの裏側に差込部41a・41b、表側に被せ部41c・41dが配置され得るようになっている。
【0042】
また、図6図7(b)に示すごとく、差込部41aと被せ部41c、差込部41bと被せ部41dの間には、それぞれ、切欠部44a・44bが形成されている。これにより、図4に示すごとく、サッシの枠部材32の長手方向Yに対して、枠側固定部材40の横幅方向Xを傾けつつ、切欠部44a・44bにサッシの枠部材32の片部33a・33bを挿入した上で、枠側固定部材40を回転させることによって、差込部41a・41bと被せ部41c・41dの間に片部33a・33bが挟装された状態となり、これにより、枠側固定部材40が枠部材32に対して固定された状態となる。また、この固定の形態によれば、枠部材32の長手方向Yの任意の位置において、枠側固定部材40を枠部材32に対して固定することができる。
【0043】
また、図3及び図4に示すごとく、枠側固定部材40が枠部材32に固定された状態においては、躯体側固定部材10の第一面部12と、枠側固定部材40の第二面部42が当接される状態を形成できるようになっている。この当接は、本実施例においては、枠側固定部材40の位置や角度を適宜調整することで確保できるようになっている。
【0044】
また、図2及び図3に示すごとく、枠側固定部材40の第二面部42には、複数列の長孔42a・42bが形成されることで、開口部の見込方向Mと直交する方向Z(図3参照)において、躯体側固定部材10と枠側固定部材40の相対位置が一定とならない状況においても、この長孔42a・42bにおける適切な位置から固定具52を締結することによって、第一面部12と第二面部42を互いに固定することができる。
【0045】
さらに、図2及び図3に示すごとく、枠側固定部材40の第二面部42には、複数列の長孔42a・42bが設けられることによって、第一面部12と第二面部42の固定作業のやり直しへの対応も可能となる。つまり、例えば、一方の長孔42aを使用して固定を行った後に、作業のやり直しの必要が生じ、第一面部12と第二面部42の固定を解除する必要が生じたとする。この場合、一方の長孔42aに対応する第一面部12の側には、固定具52により留め付け孔が形成されてしまっていることになるため、長孔42aの使用が困難となる。このような場合において、もう一方の長孔42bを使用することができるのである。そして、これによれば、躯体側固定部材10を取替えずに第一面部12と第二面部42の固定作業をやり直すことができ、作業時間の短縮を図ることができる。
【0046】
以上の構成において、サッシの躯体への設置の手順について説明すると、まず、図4に示すごとく、躯体の開口部の施工が完了した状態において、躯体側固定部材10を躯体1に対して固定具51にて留め付ける。なお、この躯体側固定部材10は、図1に示すごとく、サッシ3や開口部2の大きさに応じて、適宜複数箇所に設けられる。
【0047】
次に、サッシを躯体の開口部内に納めた状態とし、図4に示すごとく、躯体側固定部材10が存在する位置の近傍において、枠側固定部材40を枠部材32に対して仮止めする。なお、この仮止めは、事前に行なわれてもよい。そして、枠側固定部材40を回転や、移動をさせることによって、躯体側固定部材10の第一面部12に対し、枠側固定部材40の第二面部42を当接させる。そして、図2及び図3に示すごとく、固定具52によって、第一面部12と第二面部42を互いに固定する。なお、このように固定具を用いた固定の形態ほか、接着剤などの別の固定手段による固定の形態も考えられる。
【0048】
そして、以上の形態においては、図4に示すごとく、枠側固定部材40は枠部材32の長手方向Yの任意の位置において、枠側固定部材40を枠部材32に対して固定することができるため、前記第一面部12と第二面部42の相対位置を調整可能な構成が実現できる。ここでの相対位置は、主に、枠部材32の長手方向Yに対応する方向である。即ち、相対位置の調整は、第二固定部材としての枠側固定部材40の枠体31(枠部材32)の長手方向Yに対する位置を調整するものである。また、本実施例では、第二面部42が傾斜していることによって、枠側固定部材40の長手方向Yの位置を調整することによって、枠体31(枠部材32)の見込方向Mに対する位置も調整されることになる。
【0049】
このため、躯体側固定部材10の取付けにおいて、枠部材32の長手方向Y、及び、見込方向Mの位置に施工のばらつきが生じる場合においても、適宜、枠側固定部材40の位置を調整(第一面部12と第二面部42の相対位置の調整)することによって対応することができ、施工時間の短縮を図ることが可能となる。
【0050】
具体的には、図5に示すごとく、見込方向Mにおける規定位置Cに対し、状態C1のように躯体側固定部材10が配置されることが施工設計されていたとする。しかしながら、現場作業となるため、実際には状態C2・C3のように、規定位置Cからずれた位置に躯体側固定部材10が固定されることも想定される。図の状態C2においては、躯体側固定部材10が規定位置Cから図において右側にずれた位置に固定され、状態C3においては、躯体側固定部材10が規定位置Cから図において左側にずれた位置に固定されてしまっているものである。
【0051】
そして、このような状態C2・C3が生じた場合においても、枠側固定部材40の長手方向Yの位置を調整することによって、第一面部12と第二面部42の接触を確保することができるのである。長手方向Yの位置調整による第一面部12と第二面部42の接触は、第一面部12と第二面部42を長手方向Yに対して傾斜させていることによって得られるものである。なお、図から明らかなように、枠部材32(規定位置C)に対する枠側固定部材40の見込方向Mの位置は、いずれの状態においても同一である。
【0052】
また、図5の状態C2・C3を比較して判るように、第一面部12と第二面部42の接触する範囲に変化が生じることになる。この点、第二面部42に複数列の長孔42a・42bが設けられることによって、状態C3のように、図において第一面部12の下部と第二面部42の上部が接触するような状態においても、接触が確保される位置にある長孔42aを使用することによって、第一面部12と第二面部42の固定を行うことができるのである。仮に、一列の長孔だけの場合には、このような対応ができないこととなるのである。
【0053】
また、図4に示すごとく、枠部材32に枠側固定部材40を固定した状態が維持される限りにおいては、枠側固定部材40の角度を調整することができる。このことからも、前記第一面部12と第二面部42の相対位置を調整可能な構成が実現できる。ここでの相対位置は、主に、第二面部42の角度である。このように、第二固定部材としての枠側固定部材40は、第二面部42の角度を調整することで、第一面部12との相対位置が調整可能な構成となっている。即ち、相対位置の調整は、第二面部42の角度(固定部41を枠部材32に取付けた状態で固定部41を枠部材32に対して回転させた際に変更される第二面部42の角度)を変更して調整するものである。
【0054】
このため、躯体側固定部材10の取付けにおいて、第一面部12の設置角度に施工のばらつきが生じる場合においても、適宜枠側固定部材40の位置を調整(第一面部12と第二面部42の相対位置の調整)することによって対応することができ、施工時間の短縮を図ることが可能となる。
【0055】
また、図3に示すごとく、第二固定部材としての枠側固定部材40は、躯体の開口部2にサッシ枠を納めた後に、枠体31(枠部材32)に対して固定され得ることとなっている。
【0056】
これにより、躯体側に取付けられた躯体側固定部材10の位置を確認しつつ、枠側固定部材40の固定位置を決めることができるため、枠側固定部材40が躯体側固定部材10から大きくずれた位置に固定された場合の作業やり直しなどの不具合を回避することができ、施工負担の解消、施工時間の短縮を図ることができる。
【0057】
また、本実施例1では、図2乃至図4に示すごとく、第一面部12と第二面部42は、接触する構造としているものである。
【0058】
これにより、第一面部12と第二面部42を接触させるだけで、躯体側固定部材10と枠側固定部材40の位置決めを行うことが可能となり、また、別部材を用いることがなく、部品点数の少ない構成を実現することができる。
【0059】
また、本実施例1では、図4に示すごとく、躯体側固定部材10の第一面部12、及び、枠側固定部材40の第二面部42は、枠側固定部材40が固定される枠体31(枠部材32)の長手方向Yに対して傾斜する、構成とするものである。
【0060】
これにより、図5(a)に示すごとく、第一面部12に第二面部42を突き合わせることによって、枠部材32の長手方向Yにおける枠側固定部材40の位置が決められるとともに、同時に、枠部材32(開口部)の見込方向Mにおける枠側固定部材40の位置を決めることが可能となる。このようにして位置決め作業が容易となり、作業時間の短縮を図ることが可能となる。
【0061】
また、図6(a)に示すごとく、第一面部12と第二面部42が固定された状態においては、仮に、第二面部42を回転させるような荷重が生じた場合でも、第二面部42の端部42x・42yが第一面部12に突き当たるため、第二面部42の回転(時計周り方向R、及び、反時計回り方向Lの両方)を、第一面部12によって規制することができ、枠側固定部材40の回転によるズレを防止することができる。仮に、図6(b)に示すごとく、第一面部12Sと第二面部42Sが水平である場合には、例えば、第二面部42Sが時計回り方向Rに回転してしまう(ズレる)ということが懸念される(第二面部42Sの図の右側端部42Syが第一面部12Sから離れることが可能なため)。また、第一面部12Sと第二面部42Sを水平とする場合には、固定具52Sを枠部材32の長手方向Yから挿入する必要があるため、工具を用いた作業が極めて困難になることが考えられる。
【0062】
また、図6(a)に示すごとく、枠部材32の長手方向Yに対し、第一面部と第二面部を傾斜させることで、開口部の見込方向Mの荷重Fに対する第一面部12、第二面部42の断面二次モーメントを大きく確保することができ、躯体側固定部材10、枠側固定部材40において、より高い剛性を確保することができる。また、この剛性の確保によって、耐用年数の長期化を図ることが可能となる。
【0063】
さらに、図8に示すごとく、第一面部12、第二面部42が傾斜する構成とすることによって、両者を固定する際に、ドライバーなどの工具90を斜め方向(枠部材32の長手方向Yに対して傾斜する方向)から操作することが可能となり、優れた作業性を実現できることになる。図8の例では、上位置Uについては、工具90を斜め下から操作することができ、下位置Vについては、工具90を斜め上から操作することができ、優れた作業性を実現できることとなる。これに対し、工具90を水平に操作する場合には、脚立が必要になったり、低くしゃがむ必要が生じることが想定される。
【実施例2】
【0064】
本実施例2では、図9(a)〜(c)に示すごとく、枠側固定部材140において、固定部141に対し角度調整可能な回転ピース145を設け、この回転ピース145に第二面部142が形成される構成とするものである。回転ピース145は、固定部141に軸部材146を介して角度調整可能(軸部材146を中心とする回転方向)に取付けられる板状のベース部147と、このベース部147から略垂直に立ち上げられる板状の第二面部142を有して構成され、例えば、板金加工された金具にて構成することができる。
【0065】
また、図9(a)〜(c)に示すごとく、枠側固定部材140における固定部141は、実施例1におけるものと同様の構成であり説明を省略する。また、回転ピース145の第二面部142には、複数列の長孔142a・142bが形成されることで、開口部の見込方向Mと直交する方向Zにおいて、躯体側固定部材10と枠側固定部材140の相対位置が一定とならない状況においても、この長孔142a・142bの適切な位置から図示せぬ固定具を締結することによって、第一面部12と第二面部142を互いに固定することができる。
【0066】
以上のように、回転ピース145を備える形態においては、躯体側固定部材10の第一面部12に対する枠側固定部材140の第二面部142の相対位置の調整に関し、固定部141の角度変更によって調整が可能となることに加え、回転ピース145の角度変更によって調整が可能となるため、調整作業がより容易な構成を実現することができる。
【実施例3】
【0067】
本実施例3では、図10に示すごとく、枠側固定部材240において、固定部241に対し、固定部241の横幅方向X、換言すれば、第二面部242に対して傾斜する方向(本実施例3では横幅方向X)に対してスライド移動可能なスライドピース245を設け、このスライドピース245に第二面部242が形成される構成とするものである。
【0068】
スライドピース245は、固定部241の横幅方向Xに対してスライド移動可能なベース部247と、このベース部247から略垂直に立ち上げられる板状の第二面部242を有して構成され、例えば、板金加工された金具にて構成することができる。
【0069】
また、固定部241には、二列の平行な長孔246a・246bが横幅方向Xに設けられ、ベース部247から突設されるガイド部材247a・247bが長孔246a・246bに対して摺動可能に挿入される。これにより、スライドピース245が固定部241の横幅方向Xにのみ移動し、第二面部242の横幅方向Xの位置調整が行えるようになっている。
【0070】
また、図10に示すごとく、枠側固定部材240における固定部241における主な構成や機能は、実施例1におけるものと同様の構成であり説明を省略する。また、スライドピース245の第二面部242には、複数列の長孔242a・242bが形成されることで、開口部の見込方向Mと直交する方向Zにおいて、躯体側固定部材10と枠側固定部材240の相対位置が一定とならない状況においても、この長孔242a・242bの適切な位置から図示せぬ固定具を締結することによって、第一面部12と第二面部242を互いに固定することができる。
【0071】
以上のように、スライドピース245を備える形態においては、躯体側固定部材10の第一面部12に対する枠側固定部材240の第二面部242の相対位置の調整に関し、固定部241の角度変更によって調整が可能となることに加え、スライドピース245の位置変更によって調整が可能となるため、調整作業がより容易な構成を実現することができる。
【0072】
本実施例3における固定の形態について具体的に説明すると、図11の状態D1のように、枠部材の長手方向Yにおける躯体側固定部材10の位置に合わせるように、
枠側固定部材240を枠部材に取付ける。ここで、状態D1においては、躯体側固定部材10が、見込方向Mにおける規定位置Cに対して施工設計どおりに固定されていた場合を想定している。
【0073】
しかしながら、現場作業となるため、実際には状態D2・D3のように、規定位置Cからずれた位置に躯体側固定部材10が固定されることも想定される。図の状態D2においては、躯体側固定部材10が規定位置Cから図において左側にずれた位置に固定され、状態D3においては、躯体側固定部材10が規定位置Cから図において右側にずれた位置に固定されてしまっているものである。
【0074】
そして、このような状態D2・D3が生じた場合においても、スライドピース245の見込方向Mの位置を調整することによって、第一面部12と第二面部242の接触を確保することができるのである。見込方向Mの位置調整による第一面部12と第二面部242の接触は、第一面部12と第二面部242を枠部材の長手方向Yに対して傾斜させていることによって得られるものである。なお、図から明らかなように、規定位置Cに対する固定部241の見込方向Mの位置は、いずれの状態においても同一である。
【0075】
また、図11の状態D1・D4・D5のように、枠側固定部材240の枠部材の長手方向Yにおける取付位置は、バラつきが生じるものである。理想的には、状態D1であるが、現場作業となるため、凡そ状態D1となるように作業をした場合であっても、枠側固定部材240は、状態D4のように上下基準位置Dに対して上側に位置する場合や、状態D5のように上下基準位置Dに対して下側に位置する場合が想定される。
【0076】
このように、枠側固定部材240の長手方向Yの取付位置にズレが生じた場合においても、第一面部12と第二面部242を枠部材の長手方向Yに対して傾斜させていることによって、第一面部12と第二面部242の接触を確保することができる。また、適宜、スライドピース245を見込方向Mに移動させることによって、より広い接触面積を確保することが可能となる。
【0077】
また、状態D4・D5を比較して判るように、第一面部12と第二面部242の接触する範囲に変化が生じることになる。この点、第二面部242に複数列の長孔242a・242bが設けられることによって、状態D4のように、図において第一面部12の上部と第二面部242の下部が接触するような状態においても、接触が確保される位置にある長孔242bを使用することによって、第一面部12と第二面部242の固定を行うことができるのである。仮に、一列の長孔だけの場合には、このような対応ができないこととなるのである。
【実施例4】
【0078】
本実施例4では、図12(a)〜(d)に示すごとく、枠側固定部材340において、固定部341に対し、固定部341の横幅方向Xに対して略30度ずれる斜め方向N、換言すれば、第二面部342に対して傾斜する方向(斜め方向N)にスライド移動可能なスライドピース345を設け、このスライドピース345に第二面部342が形成される構成とするものである。第二面部342は、枠部材の長手方向Yと平行となるように構成される。
【0079】
また、図12(a)〜(d)に示すごとく、スライドピース345は、斜め方向Nにスライド移動可能なベース部347と、このベース部347から略垂直に立ち上げられる板状の第二面部342を有して構成され、例えば、板金加工された金具にて構成することができる。また、ベース部347は、第二面部342からそれぞれ逆方向に突出する板面にて形成されている。
【0080】
また、図12(a)〜(d)に示すごとく、固定部341には二列の平行な長孔346a・346bが斜め方向Nに設けられ、ベース部347から突設されるガイド部材347a・347bが長孔346a・346bに対して摺動可能に挿入される。これにより、スライドピース345が固定部341の斜め方向Nにのみ移動し、第二面部342の斜め方向Nの位置調整が行えるようになっている。
【0081】
また、図12(d)に示すごとく、本実施例の枠側固定部材340は、サッシの枠体を構成する枠部材32に取付けられた状態において、第二面部342が枠部材32の長手方向Yと平行となるように構成される。これに伴い、本実施例の枠側固定部材340を使用する場合には、躯体側固定部材110における第一面部112は、長手方向Yと平行となるように設置される。このように、本実施例では、第一面部112、及び、第二面部342が長手方向Yと平行に配置される形態であるため、サッシの枠体の左右の縦枠部材(枠部材32)について、共通の枠側固定部材340を使用することが可能となる。
【0082】
また、図12(a)〜(d)に示すごとく、枠側固定部材340における固定部341における主な構成や機能は、実施例1におけるものと同様の構成であり説明を省略する。また、図12(d)スライドピース345の第二面部342には、複数列の長孔342a・342bが形成されることで、開口部の見込方向M(図12(c))と直交する方向Zにおいて、躯体側固定部材110と枠側固定部材340の相対位置が一定とならない状況においても、この長孔342a・342bの適切な位置から固定具55を締結することによって、第一面部112と第二面部342を互いに固定することができる。
【0083】
以上のように、スライドピース345を備える形態においては、躯体側固定部材110の第一面部112に対する枠側固定部材340の第二面部342の相対位置の調整に関し、固定部341の角度変更によって調整が可能となることに加え、スライドピース345の位置変更によって調整が可能となるため、調整作業がより容易な構成を実現することができる。
【0084】
なお、本実施例4においても、実施例3における図11を用いた説明と同様の効果を得ることができる。
【実施例5】
【0085】
本実施例5では、図13(a)〜(d)に示すごとく、躯体側固定部材210は、躯体1の表面に固定するための躯体側固定部217と、この躯体側固定部217の横幅方向Xに対して略30度ずれる斜め方向N、換言すれば、第一面部212に対して傾斜する方向(斜め方向N)にスライド移動可能なスライドピース215と、このスライドピース215に立設される第一面部212と、から構成される。第一面部212は、枠部材の長手方向Yと平行となるように構成される。
【0086】
また、図13(a)〜(d)に示すごとく、スライドピース215には、二列の平行な長孔216a・216bが斜め方向Nに設けられ、躯体側固定部217から突設されるガイド部材217a・217bが長孔216a・216bに対して摺動可能に挿入される。これにより、スライドピース215が斜め方向Nにのみ移動し、第一面部212の斜め方向Nの位置調整が行えるようになっている。
【0087】
また、図13(a)、(c)、(d)に示すごとく、スライドピース215は、斜め方向Nにスライド移動可能な板面部216と、この板面部216から略垂直に立ち上げられる板状の第一面部212を有して構成され、例えば、板金加工された金具にて構成することができる。また、板面部216は、第二面部342からそれぞれ逆方向に突出する板面にて形成されている。
【0088】
また、図13(b)に示すごとく、枠側固定部材440は、固定部441から略垂直の第二面部442が立設される板状の部材にて構成されている。第二面部442は、枠側固定部材440を枠部材に取付けた状態において、枠部材の長手方向Y(図12図13(d))と平行となるように構成される。また、枠側固定部材440における固定部441における主な構成や機能は、実施例1におけるものと同様の構成であり説明を省略する。
【0089】
また、図13(d)に示すごとく、本実施例では、躯体側固定部材210の第一面部212と、枠側固定部材440の第二面部442は、枠部材の長手方向Yと平行となるように構成されるため、サッシの枠体の左右の縦枠部材について、共通の躯体側固定部材210、及び、枠側固定部材440を使用することが可能となる。
【0090】
また、図13(d)に示すごとく、スライドピース215の第一面部212には、複数列の長孔212a・212bが形成されることで、開口部の見込方向M(図13(c)参照)と直交する方向Z(図3参照)において、躯体側固定部材210と枠側固定部材440の相対位置が一定とならない状況においても、この長孔212a・212bの適切な固定具56を締結することによって、第一面部212と第二面部442を互いに固定することができる。
【0091】
以上のように、スライドピース215を備える形態においては、躯体側固定部材210の第一面部212に対する枠側固定部材440の第二面部442の相対位置の調整に関し、枠側固定部材440側の固定部441の角度変更によって調整が可能となることに加え、躯体側固定部材210のスライドピース215の位置変更によって調整が可能となるため、調整作業がより容易な構成を実現することができる。さらに、本実施例5における躯体側固定部材210において、躯体側固定部217に実施例2における回転ピース147(図9(a)参照)を設け、第一面部212の角度を変更可能に構成することとしてもよい。
【0092】
また、図13(c)(d)に示すごとく、本実施例5においては、第一面部212及び第二面部442が見込み方向に対して略垂直面を構成するため、固定具56を水平に操作することが可能となる。例えば、図8の例において、上下位置Nに本実施例5の構成を採用した場合には、工具90を水平に操作することが可能となる。
【0093】
また、以上に説明した各実施例は、開口部装置の適用箇所において、全て同一の実施例を適用してもよいし、各実施例を適宜組みあわせることとしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0094】
本発明は、RC造のビル建物などにおいて、躯体の開口部にサッシなどの開口部装置を設置する際の技術として、幅広く適用可能である。
【符号の説明】
【0095】
1 躯体
2 開口部
3 サッシ
10 躯体側固定部材
11 固定部
12 第一面部
31 枠体
32 枠部材
40 枠側固定部材
41 固定部
42 第二面部
42a 差込部
44a 長孔



【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の躯体の開口部に開口部装置を設置するための開口部装置の設置構造において、
前記躯体側に固定される第一固定部材と、
開口部装置の枠体側に固定される第二固定部材と、を用い、
前記第一固定部材が第一面部を有し、
前記第二固定部材が第二面部を有し、
前記第一面部と第二面部の相対位置が調整可能に構成され、
前記第一面部と第二面部が互いに固定される、
開口部装置の設置構造。
【請求項2】
前記相対位置の調整は、
前記第二固定部材の前記枠体の長手方向に対する位置を調整する、
及び/又は、
前記第二固定部材の角度を変更して調整する、
ことを特徴とする請求項1に記載の開口部装置の設置構造。
【請求項3】
前記第二固定部材は、
前記枠体に固定するための固定部と、前記固定部に対して直交する面を形成する第二面部とを有し、
前記第二面部は、前記固定部に対し角度調整可能な回転ピースに設けられる、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の開口部装置の設置構造。
【請求項4】
前記第二固定部材は、
前記枠体に固定するための固定部と、前記固定部に対して直交する面を形成する第二面部とを有し、
前記第二面部は、前記第二面部に対して傾斜する方向に対してスライド可能なスライドピースに設けられる、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の開口部装置の設置構造。
【請求項5】
前記第二固定部材は、躯体の開口部に前記枠体を納めた後に、前記枠体に対して固定され得る、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の開口部装置の設置構造。
【請求項6】
前記相対位置の調整は、
前記第一固定部材の前記枠体の長手方向に対する位置を調整する、
及び/又は、
前記第一固定部材の角度を変更して調整する、
ことを特徴とする請求項1に記載の開口部装置の設置構造。
【請求項7】
前記第一固定部材は、
前記躯体に固定するための固定部と、前記固定部に対して直交する面を形成する第一面部とを有し、
前記第一面部は、前記固定部に対し角度調整可能な回転ピースに設けられる、
ことを特徴とする請求項6に記載の開口部装置の設置構造。
【請求項8】
前記第一固定部材は、
前記躯体に固定するための固定部と、前記固定部に対して直交する面を形成する第一面部とを有し、
前記第一面部は、前記第一面部に対して傾斜する方向に対してスライド可能なスライドピースに設けられる、
ことを特徴とする請求項6のいずれか一項に記載の開口部装置の設置構造。
【請求項9】
前記第一面部と前記第二面部は、接触する、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の開口部装置の設置構造。
【請求項10】
前記第一面部、及び、前記第二面部は、前記第二固定部材が固定される枠体の長手方向に対して傾斜する、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか一項に記載の開口部装置の設置構造。
【請求項11】
前記第一面部、又は、前記第二面部には、
前記第一面部と前記第二面部を固定する際に用いる固定具を挿通するための複数の長孔が形成される、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれか一項に記載の開口部装置の設置構造。





【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−2126(P2013−2126A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−133835(P2011−133835)
【出願日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【出願人】(302045705)株式会社LIXIL (949)
【Fターム(参考)】