開封性と密閉性に優れた紙製液体包装容器
【課題】開封容易性と密閉性に優れた液体包装容器。
【解決手段】紙製包装容器で注出口に抗接着剤を塗布して接着強度を制御する場合、裏面で、胴部を形成する各壁面を、1、2、3、4とし塗布箇所を、3には、両側の隅のシールに幅を採った位置の一対の縦線と、縦線間の上辺と、第1横罫線とで囲んだ範囲、2には、左側の隅のシールに幅を採った位置に縦線と、3上辺と水平な位置に上辺を引き、上辺は縦線から中心線を超えた開口の端緒となる長さと、下辺は縦線から中心線までの第1横罫線と、上辺の右端と下辺の右端とを斜線で結んだ線の各線で囲んだ範囲、4には、右側の隅のシールに必要な幅を採った位置に縦線と、3上辺と水平な位置に上辺を引き、上辺は縦線から中心線を超えた開口の端緒となる長さと、下辺は縦線から中心線までの第1横罫線と、上辺の左端と下辺の左端とを斜線で結んだ線の各線で囲んだ範囲、に抗接着剤を塗布した紙製液体用包装容器。
【解決手段】紙製包装容器で注出口に抗接着剤を塗布して接着強度を制御する場合、裏面で、胴部を形成する各壁面を、1、2、3、4とし塗布箇所を、3には、両側の隅のシールに幅を採った位置の一対の縦線と、縦線間の上辺と、第1横罫線とで囲んだ範囲、2には、左側の隅のシールに幅を採った位置に縦線と、3上辺と水平な位置に上辺を引き、上辺は縦線から中心線を超えた開口の端緒となる長さと、下辺は縦線から中心線までの第1横罫線と、上辺の右端と下辺の右端とを斜線で結んだ線の各線で囲んだ範囲、4には、右側の隅のシールに必要な幅を採った位置に縦線と、3上辺と水平な位置に上辺を引き、上辺は縦線から中心線を超えた開口の端緒となる長さと、下辺は縦線から中心線までの第1横罫線と、上辺の左端と下辺の左端とを斜線で結んだ線の各線で囲んだ範囲、に抗接着剤を塗布した紙製液体用包装容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、開封性と密閉性に優れた紙製液体包装容器に関する。さらに詳しくは、四角柱状の筒体の上部が屋根型の形状の容器(以下「ゲーブルトップ」という)において、これの開封の容易性と密封性とをバランス良く兼ね備えた包装容器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、牛乳、ジュースなどの飲料、酒、スープなどは、紙を容器材料主体とする容器が多く使用されている。とりわけ、ゲーブルトップで供給されている牛乳、ジュース等がよく知られている。
これらの容器は、紙と合成樹脂等が交互に積層された構成であり、強靭であると共に、低コストであること及び軽くて取扱いが容易である等の利便性から広く普及している。
【0003】
このゲーブルトップのシールは密閉性が高く、そのシール性も強固であり品質保持の見地からは好ましいが、反面、シールが強すぎて開封しにくいことが知られている。
そこで、このゲーブルトップに関し、その強すぎる接着力を制御して、その開封を容易化する方法に関心が集まり、種々の提案がされている。
【0004】
例えば、注出口となる選定された個所に低接着剤環化ゴムの組成物を塗布することが示されている(特許文献1参照)。
また、注出口となるべき個所にアルコール可溶性耐熱樹脂被膜を施してなることを特徴とする接着強度を制御した注出口を有する容器が提案されている(特許文献2参照)。
【0005】
他に、ゲーブルトップにおいて、開口側の上部折込み側壁の上端リブとそれが対抗するリブの双方か、あるいはいずれか一方の内面に熱可塑性樹脂の溶融温度で加圧することにより形成された凹部処理パターンを設けた液体容器が知られている(特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】 特公昭51−30831号公報
【特許文献2】 特開昭59−1428号公報
【特許文献3】 特開平09−99940公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この発明は、紙製液体用包装容器に関する。
紙製液体用包装容器には2つの基本的な課題がある。1つは、包装容器本来の機能である密閉機能が高く完全であること。他の1つは、使用者がこれを容易に開封できることである。
この2つの機能がバランスを欠き、どちらか一方に傾いていることは好ましくない。
即ち、紙製包装容器は、この両方の機能がバランス良く保たれていることが求められている。
とりわけ、家庭等での消費が益々増加している紙製液体用包装容器においては、力の弱い子供及び老人等が求める開封容易性は、現在では極めて重要な課題と成って来た。
そこで、本願発明は、紙製包装容器において、両方の機能をバランスよく保った容器を提供することを目的とした。
以下に、順次2つの課題の問題点の詳細及び解決手段を述べる。
【0008】
現在、ゲーブルトップ状(屋根型)の紙製包装容器は、殆どが抗接着剤を塗布したタイプのものが使用されている。容器メーカーは、所定の領域に抗接着剤を印刷手段により塗布し、紙製包装材料を所定の形状に打抜き、ブランクスを得る。
次に、容器縦方向の糊代をサイドシール加工する。容器メーカーはこの状態にしたものをユーザーに渡す。ユーザーのこれの使用は、充填機内でサイドシール加工したものから底部を熱シール形成した後に、上部開口部から、牛乳、ジュース又はその他の飲料の被充填物を充填し、上部を熱シールして包装物が得られる。
そして、容器上部の開口部の熱シールは、あらかじめ設けてある折線に従い、容器の上部を曲折して全体を屋根型に形成する。
これらの包装材には、その表面に包装した製品の外観デザインが印刷されているものである(図2参照)。
【0009】
包装容器の切妻形状の頂部から垂直に立ち上がっている部分をトップシールして形成されたトップシール部がこの容器上部の封止箇所である。
これらの紙製容器は、紙と合成樹脂層が交互に複数層積層された積層包装材であり、極めて強靭な素材である。そして、包装材の表面及び裏面は合成樹脂層となっている。これの封止された前記トップシールの箇所は、屋根型の合わせ目を加熱し、シーラーで左右から挟んで加熱加圧し、素材の表裏面の合成樹脂層を熱溶融して封止(ヒートシール)する手段が採られている。
この封止は、熱圧着であるから、極めて強力な密着状態となっており、大人でも、容易に開封できない合成樹脂層同士の熱溶融による強固な密封状態となっている。
【0010】
とりわけ、用途が食品包装容器の場合、食品・食品添加物等の規格基準によれば、内容物の直接接触する部分に使用できる樹脂は限られており、主にPE(ポリエチレン)同士の接着となるから、その接着は強固となることが知られている。
ゲーブルトップに包装された充填物を摂食する際には、これを開封する必要がある。
これの開封は、前記トップシール部の縁を拡げて、トップシール部の内側に折り畳まれている箇所を外側に引き出し、注出口を作るが、これには大きな力を必要とし、特に力の弱い子供や老齢者にとっては難しいことが指摘されている。
【0011】
また、無理に力を入れると、容器自体が不規則に損傷して内容物がこぼれたり、正しく注げなかったり、さらに、開封後、注出口を再度押し込んで、残した内容物を保存することが出来なくなってしまう等の不都合が発生する。さらに、広く普及している業務用大型容器においても、その開封時の不便・非効率についての不満が寄せられている。
【0012】
そこで、これの開封を容易化するための手段が種々提案されている。
その代表的な例が、容器(ブランクス)の製造に当たり、当初より所定の位置に注出口となるべき個所を設定したものが多く、屋根型容器の頂部の一方を開口部・開封箇所・注ぎ口・注出口・あけ口等の表示をし、開封者に対し開封する箇所を指定している。
そして、前記注出口は、トップシール部の長さの半分がこれに当てられ、トップシール部内に折り畳まれて溶着収納されている部分を手前に引き出し、この半分の部分が略四角に全開でき注出口が形成される。
【0013】
そこで、開封容易化のため、この注出口となるべき部分に抗接着剤を塗布しておき、強くなり過ぎるシールの接着力を制御する手段が採られている。
この手段により、消費者に届くまでの運搬・流通過程における容器に加えられる多少の圧迫・落下等の衝撃程度では、シール部の剥離が起こらなく、他方、開封時には力を加えれば開封することが可能となっている。
【0014】
この手段は、内容物の漏洩を防止し密閉性を保持すると共に、かつ、他方では開封時の剥れやすさを持つという二律背反する要求を解決しなければならない難題である。両機能の微妙なバランスが求められるが、現状では満足すべき解決が得られておらず、更に有効な解決策が求められている。
【0015】
現在、我が国で実用化されているゲーブルトップには、2つのタイプがある。
一つは、ピュアカートンタイプと呼ばれるものである(図1参照)。実施例1から5に記載のものはこれに当たる。
他の1つは、テトラカートンタイプである。実施例6から10までに記載したものである(図10参照)。
両者は、ブランクスの形状が、細部において異なる箇所があり、さらに、その抗接着剤を塗布する箇所及び形状にも違いがある。両者を比較対照すれば明白であるが、テトラカートンタイプの従来型においても、ピュアカートンタイプ従来型とは抗接着剤の塗布箇所及びその形状が異なる構成となっている〔図6図(a)と図10(a)との比較〕。
その結果、機能においてテトラカートンタイプには、ピュアカートンタイプが有する開封容易性が欠けている。
【0016】
さらに、説明の便宜のため、ピュアカートンタイプ及びテトラカートンタイプについて、それぞれブランクスの裏面で、胴部を形成する4つの各壁面を、右から順に1、2、3、4と呼ぶことにする。
容器の上部のトップシール部の形成に関与する容器上部の第1横罫線5aで仕切られた各箇所を、略中心線で2区分して、1は(1a、1b)、2は(2a、2b)、3は(3a、3b)、4は(4a、4b)と呼ぶ(図1)。テトラカートンタイプについても同様とする(図9)。
【0017】
また、以下の説明においては、合成樹脂層同士の熱加圧により溶融して強固に接着している部分を(以下「強い接着部」という。)、合成樹脂層同士の接着部分に抗接着剤層を介在させて接着力を制御している部分を(以下「弱い接着部」という。)。
【0018】
以下の説明は、先ず、このピュアカートンタイプと呼ばれる方式のものについて説明する。
現在、市場で実施されているものは(以下「従来型」という。)、抗接着剤を塗布する箇所は図5(a)記載のものであり、その塗布面の形状は、それぞれ横長の長方形である。
この従来型では、開封容易性を優先させた結果、その分シール性にやや欠ける嫌いが見られると評価される場合がある。
その理由とするところは、容器製造メーカーは、ブランクスをサイドシール加工したもの(角筒状のもの畳んだ状態にして)を容器の使用者に渡す。使用者は自己の保有する充填機を使用するが、この場合、その使用する機種や充填機の状態よっては、シールが不十分となり、シール洩れが発生するケースがある。
そこで、容器の充填機に対する汎用性を高め、シール性の向上と開封容易性をバランスよく実現したのが本願発明である。
従来型及び本願発明において、開封容易性とは以下の意味を有するものである。
【0019】
従来型では、抗接着剤の塗布箇所は、図5(a)記載の如く2a、2b、3a、3b、4a、4bの6箇所に設けた構成である。この構成により、開封容易性は改善された。
【0020】
開封操作を以下に説明する。(図3参照)
(右利きの場合を例に説明する。)これの開封操作は、左手で容器の胴部を持ち、トップシール部の注出口と指定されている箇所である図3の2a、2bの両側を夫々右手の親指と人差し指との間で挟むように持って、これを矢示2c、2dの方向に180度以上、後ろ方向に完全に押し開くと、2eの箇所が、梃子で押された状態となって、2eの箇所(具体的には2aと2bとの谷折された箇所)が、左右各10mm程度のシール部分(開口の端緒となる個所)が、梃子で持ち上げられた状態になる結果、この部分のシールの弱い接着部分が壊されて全体が剥離されて開口されることはないが、極めて剥離し易い状態になる。
【0021】
十分に押し開かれた状態では、2eの箇所が、への字状に突起した状態になっている。次に、2aと2bの左右の端部を親指と人差し指とで挟んでこれを折り返して、これを元の向かい合わせた状態に戻すと(引き戻して閉じる)、前記の壊された状態の2e部分が、押し拡げた際と、直ちに折り返して元に戻した(引き戻して閉じる)際に生じた歪みが作用して、2e部分が引き剥がされ、2eが手前に飛び出して、僅かに口を開けた状態が作り出される。これが、開口の端緒となる。
上記の操作により、開口の端緒を得ることができ、これは殆ど力を要しない作業である。
【0022】
さらに、引き続き、前記の僅かに口を開けた状態を、押し広げるように2aと2bの左右の両側を親指と人差し指とで挟んで、両指の間の幅を狭め、これを絞るように僅かに手前に引きながら、さらに開口部を拡大するように操作し、注出口が完全に開封・形成できるまで継続して行う。
この操作の押し開きには梃子の原理をも応用するが梃子の働きは、シールされた状態の1aと2a及び2bと3aとの合わせ目が梃子の支点の役割を果し、第1段階として接着箇所を開口しない程度に破壊する。
【0023】
以上の押し開き、またこれを元の状態に戻す(引き戻して閉じる)操作は、子供(幼児を除く)でも理解できる簡単なものであり、一度学習すれば次回からは、容易に繰り返すことができるものである。
大人は、学習しなくとも、2a、2bを押し広げて、また元の状態に戻す(引き戻して閉じる)操作だけを指示すれば、その状態を見ながら、次に行うべき操作を理解できるものである。
従って、殆ど力を要することなく、子供(幼児を除く)及び力のない老齢者にも容易に開口することが可能となった。
【0024】
また、この開封方式の優れている点は、開口部の抗接着剤の接着強度と、押し広げ及びこれの戻し(引き戻し)により紙容器の歪みの発生、人の親指と人差し指との力加減の微妙なコントロール性を精緻に且つ巧妙に利用することによって、開封容易性が得られ、しかも開封口には、一切指等を触れないで注出口を形成できる点である。
【0025】
紙製包装容器の1リットル牛乳等は、通常、一回に飲みきれないので、飲み残しを冷蔵庫等で長く保管することが多く、開封の際に、開封口に指等が接触すると指等からの微生物汚染が発生する可能性があるので、衛生上好ましくない。従来型及びこの発明の開封容易性も、開封口には、一切指等を触れない方式であるから食品向け容器には衛生上極めて好ましいものといえる。
【0026】
以上の従来型の有する開封容易性は、2a、4bの箇所に新たに抗接着剤を塗布したことにより実現できた効果である。因みに、それ以前のタイプのものは、2b、3a、3b、4aの4箇所に塗布したものが知られている。図示していない。
また、この開封容易性の作用は、極めて安定していて、多数個を開封しても、殆ど失敗なく実現することができる。即ち、抗接着剤を新たに塗布する箇所を増加したことにより、この部分が開封操作の際に、開口の端緒とすることができ、以降の開封操作を容易にする作用を果たすことを実現できたのである。
【0027】
この従来型の構成によって、開封容易性を実現したもので、トップシール部の、押し開き、引き戻すという簡単な操作をするだけで、格段に開封容易性が図られている。
【0028】
前記の通り、開封容易性は達成できたが、従来型には、解決すべき課題としてシール性の向上が残されている。
即ち、具体的には、シール不良に起因する内容物の漏洩の発生率を減少する必要があるが、内容物の漏洩原因としては種々のものがある。
紙製包装容器は、充填機(サイドシール加工したものから製箱機能を有する)の種類または状態によっては、トップシール部内に、山折りに折り畳まれ、左右から寄せ合わされた封止片同士が左右から当接し、密封状態を構成する部分に僅かな隙間が生じ、そこから内容物が漏出すると言う不良品が発生する。即ち、弱い接着部同士の封鎖が完全に行われず、いわゆるシール不良が生じる欠点が知られていた。
【0029】
また、上記のシール漏れは、容器の使用者である食品メーカー等及び容器の製造者にとっては、全数から見れば、僅かな発生率とはいえ、極めて重大且つ深刻な問題である。
即ち、上記のシール不良品が市場に流通した場合、内容物の腐敗、いわゆる食品事故等に繋がり、消費者の健康を害する重大な事態を招くおそれがある。従って、シール不良品の発生の抑制ないしは減少に極力努める必要がある。
【0030】
しかし、抗接着剤を塗布し弱い接着部となる箇所であっても、搬送中の衝撃によって容易に剥離しない程度の強度を保持するように制御されているから、搬送中の衝撃により、シール漏れが発生することはない。
発明者は、シール漏れを仔細に検討した結果、この主な原因は、抗接着剤自体の問題ではなく、箱の構造及び抗接着剤を塗布する箇所及びその塗布する形状に由来するものであるとの認識を得た。
【0031】
このトップシールの箇所は、折り曲げられた1aと3bとが当接した状態で抗接着剤が接触して接着力に影響を及ぼした状態となるが、その上、図4記載の通り、製箱した際、1aへ接着された糊代5が1aと4との間に容器の紙1枚分だけ多く、挟まれそこに段差が生じる構造となっている。さらに詳細に枚数で言うと、糊代のある方は内側に3枚、糊代のない方は2枚となる。そしてトップシールは、1と3とを内側に折り畳んだ状態にして、2と4とで両外側から挟むように、一括し一気に加熱加圧し、一体にシールしてトップシール部が形成されることになる(図4参照)。
【0032】
箱の胴部を貼り合わせた上記糊代5によって紙材1枚分の段差が生ずるが、紙と合成樹脂との積層材でそれ自体に弾力性があり、これが前記の通り4枚又は5枚を重ねた状態でシールされるから、強い加圧・加熱シールによる一体的な圧縮で段差は自ずから解消され、大部分のシールは、完全に密閉されるから問題は生じない。
【0033】
しかし、僅かな発生率で、糊代の境目のシールが上手く行かない場合があり、前記の段差の箇所に僅かな隙間が生じ、これが不良品の原因となる。また、トップシール部に施されるいわゆる横エンボスバー8aのシール不良があれば、上記と同様に、漏出事故の原因となることが解かっている。
この場合、容器の外部から圧力を受けた場合、内容物の液体が、弱い接着部にできた境目の隙間又は横エンボスバー8aの接液面から上昇して来て、これが液漏れの原因となっている。
【0034】
また、このゲーブルトップを直立した状態であれば、漏出が起こらないケースであっても、配送過程や店頭においてしばしば容器を横置き・横積みする場合が多く、この場合には、横置きされた状態で、下に積まれた容器は、その上に積まれた容器の全重量が負荷されるので、シールが弱かったり、僅かな隙間があったりした場合は、この圧力で押された液体が浸透することが洩れの原因ともなる。
【0035】
前記シール漏れの防止は、包装品に対する衝撃又は圧迫が加えられた場合、内容物の圧迫により、上方向へ加えられる力への耐圧力があれば安全である。容器の底部の接着箇所には、抗接着剤は使用されておらず、全ての接着部分が強い接着部で構成され、強固なシールが形成されており、シール漏れは殆ど発生せず、また万一漏れが発生したとしても、底部の漏れは、製造中又は保管中に発見され、除かれるから問題が少ない。従って、ここでは容器上部の耐圧力のみを問題とする。
そこでシール漏れの防止は、下部方向から、上部のトップシールの方向に対し、圧迫された液体が上昇して来る力だけを考慮すればよいこととなる。
【0036】
上記の通りシール不良の問題は、上記のような種々の多様な原因で発生するが、例えば、サイドシール加工した用紙・容器自体に欠陥のない完全なものを使用したとしても、充填・シール段階で不都合が発生すれば、シール漏れに繋がる。
従って、可能な限り、現在得られている開封容易性を損なわないで維持しつつ、シール段階で発生する不都合となる原因を事前に減少ないし除去することが本願発明の課題である。
【課題を解決するための手段】
【0037】
そこで本願発明者は、従来型と同様な開封容易性の機能を維持すると共に、シール漏れを解消することを課題として鋭意検討を行った。
従来型をベースにして、これを改良したものを提案する。本願発明においても、注出口となるべき個所に、抗接着剤をあらかじめ塗布して置き、接着強度を制御するのは、同じである。
【0038】
この発明は、トップシール部の開封容易性に必要な開口の端緒となるべき機能(弱い接着部である)を必要最小限度に残し、それ以外の部分は、挙げて強い接着部(抗接着剤が塗布されていない部分)となるように抗接着剤の塗布形状及びその塗布場所を検討して設計した。
【0039】
容器上部のトップシール部の直下近辺に、全体として、強い接着部の面積が増加し、弱い接着部の面積が減少すれば、トップシール部のシール性が強化され、結果的にシール漏れの減少に有効なことは明らかである。
【0040】
具体的には、従来型の抗接着剤の成分及び塗布箇所を大きく変更することなく、抗接着剤の塗布面の形状の一部を変更すること又は塗布場所を変更することにより、シール漏れのかなりの部分を解決できることを見い出し課題を解決した。
即ち、トップシール部に強い接着部を増加したこと及びトップシール部全体のシール性を強化したことによる。
【0041】
以下に、解決手段を具体的に示す。
ピュアカートンタイプの従来型では、抗接着剤を塗布する箇所は、図5(a)記載の2、3、4の3カ所であり、その塗布面の形状は、それぞれ横長の長方形である。
そして、この従来型の場合、その主な漏洩原因は、図5(a)記載の1a、1bに接着される糊代5の側部付近である1a及び1bで発生するから、この部分に強い接着部を増加させれば、漏洩が減少するのは、当然のことである。
【0042】
本願発明は、下記の第1発明〜第10発明を含む。
この発明は、紙製包装容器において、開封容易性を得ると共に、シール性の向上のため、抗接着剤を塗布して接着強度を制御する包装容器で、その抗接着剤の塗布形状及び塗布場所に関する発明である。
第1発明は、図5(b)に記載のものである。
第2発明は、図5(c)に記載のものである。
第3発明は、図6(a)に記載のものである。
第4発明は、図6(b)に記載のものである。
第5発明は、図6(c)に記載のものである。
【0043】
第6発明は、図10(b)に記載のものである。
第7発明は、図10(c)に記載のものである。
第8発明は、図11(a)に記載のものである。
第9発明は、図11(b)に記載のものである。
第10発明は、図11(c)に記載のものである。
【0044】
上記の発明は、2つの群に分けることができる。
第1群は、第1発明から第5の発明である(ピュアカートンタイプ)。第2群は、第6発明から第10発明である(テトラカートンタイプ)である。
【0045】
さらに、第1群のうち、第1のグループは、第1発明と、第2発明であり、従来型をベースに、抗接着剤の塗布箇所は変えないで、その塗布形状の一部を変更したものである。
第2のグループは、第3発明、第4発明、第5発明であり、抗接着剤の塗布箇所の一部を離れた箇所に移転させたものである。
【0046】
また、第2群のうち、第1のグループは、第6発明と、第7発明であり、従来型をベースに、抗接着剤の塗布箇所は変えないで、その塗布形状の一部を延長したものである。
第2のグループは、第8発明、第9発明、第10発明であり、抗接着剤の塗布箇所の一部を離れた箇所に移転させたものである。
【0047】
第1群の第1のグループは、従来型と第3発明、第1発明と第4発明、第2発明と第5発明とは、互いに対応していて、抗接着剤の塗布形状のパターンが類似しており、また、その抗接着剤の塗布面積は同じで変わらないが、その一部の塗布箇所が、離れた場所の1a、1bの箇所に移転した構成のものである。
【0048】
即ち、抗接着剤の塗布箇所は、図5(b)、(c)に記載のとおり2、3、4の3箇所である点は同じであるが、2及び4の箇所の抗接着剤の塗布面の形状を一端が切欠した逆台形又は台形にし、強い接着部を増加して、漏洩を減少し課題を解決した。
また、図6(a)、(b)(c)の如く、前記抗接着剤の塗布箇所の一部を、離れた箇所に移転した構成とし、強い接着部と弱い接着部とを混在させ、全体としてトップシール部のシール性の向上を図った。
その結果、本願発明の剥離剤の総塗布面積は、従来型と比較して、塗布面積が切欠された箇所の分だけ減少した形状となっている〔図5(b)、(c)、図6(b)(c)参照〕。
但し、図6(a)についてのみは、塗布面積は従来型と同じである。
【0049】
上記の抗接着剤の塗布箇所が減少した結果、抗接着剤の影響を受けなくなった箇所(図7の14a、14b、15a、15b)は、容器が持つ本来の強い接着部に復帰するから、その分、漏洩に対する封止力が増加し、圧力に対する耐圧力が増加する。
また、一括し、一気にトップシールする際に強い接着部が増加した分、シールが良好な状態で行われる確率が高くなる。
【0050】
また、この各発明の開封容易性に与える影響は、強い接着部と弱い接着部との増減する差異は、僅かな面積であるから、加える力を調整できる開封者にとっては、全体としての開封容易性には、殆ど影響を及ぼすことはない。
【0051】
即ち、抗接着剤の塗布形状の一部を変更したが、注出口の開封操作は、トップシール部の上方向から、下方向へ向けて行われるから、開封時の抵抗感は従来型と殆ど変化がないか、むしろ抵抗感が少なくなる。
然しこれに対し、漏洩防止の効果に関しては、その位置が漏洩通路を塞ぐ位置を占めるので、得られる効果には大きなものがある。
【0052】
尤も、抗接着剤を塗布する箇所は、何れも前記注出口を形成する箇所及びこれに関係する箇所であり、かつ、容器を封止(シール)した状況では、トップシール部の内側に隠されていて、容器の表面には露出していない。従って、開封・開口した状態にして、初めてその箇所を目視することが可能となる箇所であり、封止状態の外観からはその変更は窺知できず、外観上は、従来例と全く同じで変化がない。
【0053】
即ち、ゲーブルトップ型紙製包装容器で注出口となるべき個所に抗接着剤を塗布して接着強度を制御するピュアカートンタイプの容器において、ブランクスの裏面で、胴部を形成する各壁面を、右から順に1、2、3、4として抗接着剤の塗布箇所を、
ブランクスの裏面3には、両側の隅のシールに必要な幅を採った位置に左右対称に引いた一対の縦線と、前記縦線間の上辺と、第1横罫線とで囲んだ範囲、
ブランクスの裏面2には、左側の隅のシールに必要な幅を採った位置に縦線と、前記3上辺と水平な位置に上辺を引き、上辺は前記縦線から中心線を超えた開口の端緒となる長さと、下辺は前記縦線から中心線までの第1横罫線と、前記上辺の右端と前記下辺の右端とを斜線で結んだ線の各線で囲んだ範囲、
ブランクスの裏面4には、右側の隅のシールに必要な幅を採った位置に縦線と、前記3上辺と水平な位置に上辺を引き、上辺は前記縦線から中心線を超えた開口の端緒となる長さと、下辺は前記縦線から中心線までの第1横罫線と、前記上辺の左端と前記下辺の左端とを斜線で結んだ線の各線で囲んだ範囲、
前記の範囲にそれぞれ抗接着剤を塗布したことを特徴とするゲーブルトップ型紙製液体用包装容器であり、
ゲーブルトップ型紙製包装容器で注出口となるべき個所に抗接着剤を塗布して接着強度を制御するピュアカートンタイプの容器において、ブランクスの裏面で、胴部を形成する各壁面を、右から順に1、2、3、4として抗接着剤の塗布箇所を、
ブランクスの裏面3には、両側の隅のシールに必要な幅を採った位置に、左右対称に引いた一対の縦線と、縦線間の上辺と、第1横罫線とで囲んだ範囲、
ブランクスの裏面2には、左側の隅のシールに必要な幅を採った位置に引いた縦線と、前記3上辺と水平な位置に上辺を引き、上辺は前記縦線から中心線まで、下辺は前記縦線から中心線を超えた開口の端緒となる長さと、前記上辺の右端と前記下辺の右端とを斜線で結んだ線の各線で囲んだ範囲、
ブランクスの裏面4には、右側の隅のシールに必要な幅を採った位置に引いた縦線と、前記3上辺と水平な位置に上辺を引き、上辺は前記縦線から中心線まで、下辺は前記縦線から中心線を超えた開口の端緒となる長さの第1横罫線と、前記上辺の左端と前記下辺の左端とを斜線で結んだ線の各線で囲んだ範囲、
前記の範囲にそれぞれ抗接着剤を塗布したことを特徴とするゲーブルトップ型紙製液体用包装容器である。
【0054】
また、ゲーブルトップ型紙製包装容器で注出口となるべき個所に抗接着剤を塗布して接着強度を制御するピュアカートンタイプの容器において、ブランクスの裏面で、胴部を形成する各壁面を、右から順に1、2、3、4として抗接着剤の塗布箇所を、
ブランクスの裏面3には、両側の隅のシールに必要な幅を採った位置に左右対称に引いた一対の縦線と、前記縦線間の上辺と、第1横罫線とで囲んだ範囲、
ブランクスの裏面2には、左側の隅のシールに必要な幅を採った位置に縦線と、前記3の上辺と水平な位置に上辺を引き、上辺は前記縦線から中心線までの長さと、下辺は前記縦線から中心線までの第1横罫線との、各線で囲んだ範囲、
ブランクスの裏面4には、右側の隅のシールに必要な幅を採った位置に縦線と、前記3の上辺と水平な位置に上辺を引き、上辺は前記縦線から中心線までの長さと、下辺は前記縦線から中心線までの第1横罫線との各線で囲んだ範囲、
ブランクスの裏面1には、前記3の上辺と水平な位置に上辺、上辺は中心線から左右に開口の端緒となる長さ、前記開口の端緒となる長さの位置に左右一対の縦線と、下辺は第1横罫線との各線で囲まれた範囲、
前記の範囲にそれぞれ抗接着剤を塗布したことを特徴とするゲーブルトップ型紙製液体用包装容器であり、
ゲーブルトップ型紙製包装容器で注出口となるべき個所に抗接着剤を塗布して接着強度を制御するピュアカートンタイプの容器において、ブランクスの裏面で、胴部を形成する各壁面を、右から順に1、2、3、4として抗接着剤の塗布箇所を、
ブランクスの裏面3には、両側の隅のシールに必要な幅を採った位置に左右対称に引いた一対の縦線と、前記縦線間の上辺と、下辺は第1横罫線とで囲んだ範囲、
ブランクスの裏面2には、左側の隅のシールに必要な幅を採った位置に縦線と、前記3の上辺と水平な高さに上辺を引き、上辺は前記縦線から中心線までの長さと、下辺は前記縦線から中心線までの第1横罫線と、
ブランクスの裏面4には、右側の隅のシールに必要な幅を採った位置に縦線と、上辺は前記3の上辺と水平な高さに上辺を引き、上辺は前記縦線から中心線までの長さと、下辺は前記縦線から中心線までの第1横罫線と、
ブランクスの裏面1には、前記3の上辺と水平な高さに上辺、上辺は中心線から左右に夫々開口の端緒となる長さ、下頂点は第1横罫線と中心点との交点、前記上辺と前記下頂点とを夫々斜線で結んでできる逆三角形の範囲、
前記の範囲にそれぞれ抗接着剤を塗布したことを特徴とするゲーブルトップ型紙製液体用包装容器である。
さらに、ゲーブルトップ型紙製包装容器で注出口となるべき個所に抗接着剤を塗布して接着強度を制御するピュアカートンタイプの容器において、ブランクスの裏面で、胴部を形成する各壁面を、右から順に1、2、3、4として抗接着剤の塗布箇所を、
ブランクスの裏面3には、両側の隅のシールに必要な幅を採った位置に、左右対称に引いた一対の縦線と、縦線間の上辺と、下辺は第1横罫線とで囲んだ範囲、
ブランクスの裏面2には、左側の隅のシールに必要な幅を採った位置に引いた縦線と、前記3の上辺と水平な高さに上辺を引き、上辺は前記縦線から中心線まで、下辺は前記縦線から中心線までの長さの第1横罫線とで囲んだ範囲、
ブランクスの裏面4には、右側の隅のシールに必要な幅を採った位置に引いた縦線と、前記3の上辺と水平な高さに上辺を引き、上辺は前記縦線から中心線まで、下辺は前記縦線から中心線までの長さの第1横罫線と、の各線で囲んだ範囲、
ブランクスの裏面1には、前記3の上辺と水平な高さの線と中心線との交点、下辺は中心線から左右に夫々開口の端緒となる長さ、下辺の両端から前記交点とを斜線で結んだ三角形の範囲、
前記の範囲にそれぞれ抗接着剤を塗布したことを特徴とするゲーブルトップ型紙製液体用包装容器。
【0055】
また、ゲーブルトップ型紙製包装容器で注出口となるべき個所に抗接着剤を塗布して接着強度を制御するテトラカートンタイプの容器において、ブランクスの裏面で、胴部を形成する各壁面を、右から順に1、2、3、4として抗接着剤の塗布箇所を、
ブランクスの裏面2には、両側の隅のシールに必要な幅を採った位置に左右対称に引いた一対の縦線と、前記縦線間の上辺と、第1横罫線とで囲んだ範囲、
ブランクスの裏面1には、左側の隅のシールに必要な幅を採った位置に縦線と、前記2の上辺と水平な位置に上辺を引き、上辺は前記縦線から中心線を超えた開口の端緒となる長さと、下辺は前記縦線から中心線までの第1横罫線と、前記上辺の右端と前記下辺の右端とを斜線で結んだ線の各線で囲んだ範囲、
ブランクスの裏面3には、右側の隅のシールに必要な幅を採った位置に縦線と、前記2上辺と水平な位置に上辺を引き、上辺は前記縦線から中心線を超えた開口の端緒となる長さと、下辺は前記縦線から中心線までの第1横罫線と、前記上辺の左端と前記下辺の左端とを斜線で結んだ線の各線で囲んだ範囲、
前記の範囲にそれぞれ抗接着剤を塗布したことを特徴とするゲーブルトップ型紙製液体用包装容器であり、
ゲーブルトップ型紙製包装容器で注出口となるべき個所に抗接着剤を塗布して接着強度を制御するテトラカートンタイプの容器において、ブランクスの裏面で、胴部を形成する各壁面を、右から順に1、2、3、4として抗接着剤の塗布箇所を、
ブランクスの裏面2には、両側の隅のシールに必要な幅を採った位置に、左右対称に引いた一対の縦線と、縦線間の上辺と、第1横罫線とで囲んだ範囲、
ブランクスの裏面1には、左側の隅のシールに必要な幅を採った位置に引いた縦線と、前記2の上辺と水平な位置に上辺を引き、上辺は前記縦線から中心線まで、下辺は前記縦線から中心線を超えた開口の端緒となる長さと、前記上辺の右端と前記下辺の右端とを斜線で結んだ線の各線で囲んだ範囲、
ブランクスの裏面3には、右側の隅のシールに必要な幅を採った位置に引いた縦線と、前記2の上辺と水平な位置に上辺を引き、上辺は前記縦線から中心線まで、下辺は前記縦線から中心線を超えた開口の端緒となる長さの第1横罫線と、前記上辺の左端と前記下辺の左端とを斜線で結んだ線の各線で囲んだ範囲、
前記の範囲にそれぞれ抗接着剤を塗布したことを特徴とするゲーブルトップ型紙製液体用包装容器である。
さらに、ゲーブルトップ型紙製包装容器で注出口となるべき個所に抗接着剤を塗布して接着強度を制御するテトラカートンタイプの容器において、ブランクスの裏面で、胴部を形成する各壁面を、右から順に1、2、3、4として抗接着剤の塗布箇所を、
ブランクスの裏面2には、両側の隅のシールに必要な幅を採った位置に左右対称に引いた一対の縦線と、前記縦線間の上辺と、第1横罫線とで囲んだ範囲、
ブランクスの裏面1には、左側の隅のシールに必要な幅を採った位置に縦線と、前記2の上辺と水平な位置に上辺を引き、上辺は前記縦線から中心線までの長さと、下辺は前記縦線から中心線までの第1横罫線と、中心線との各線で囲んだ範囲、
ブランクスの裏面3には、右側の隅のシールに必要な幅を採った位置に縦線と、前記2の上辺と水平な位置に上辺を引き、上辺は前記縦線から中心線までの長さと、下辺は前記縦線から中心線までの第1横罫線との各線で囲んだ範囲、
ブランクスの裏面4には、前記3の上辺と水平な位置に上辺、上辺は中心線から左右にそれぞれ開口の端緒となる長さ、前記開口の端緒となる長さの位置に左右一対の縦線と、下辺は第1横罫線との各線で囲まれた範囲、
前記の範囲にそれぞれ抗接着剤を塗布したことを特徴とするゲーブルトップ型紙製液体用包装容器である。
【0056】
また、ゲーブルトップ型紙製包装容器で注出口となるべき個所に抗接着剤を塗布して接着強度を制御するテトラカートンタイプの容器において、ブランクスの裏面で、胴部を形成する各壁面を、右から順に1、2、3、4として抗接着剤の塗布箇所を、
ブランクスの裏面2には、両側の隅のシールに必要な幅を採った位置に左右対称に引いた一対の縦線と、前記縦線間の上辺と、下辺は第1横罫線とで囲んだ範囲、
ブランクスの裏面1には、左側の隅のシールに必要な幅を採った位置に縦線と、前記2の上辺と水平な高さに上辺を引き、上辺は前記縦線から中心線までの長さと、下辺は前記縦線から中心線までの第1横罫線と、中心線との各線で囲んだ範囲、
ブランクスの裏面3には、右側の隅のシールに必要な幅を採った位置に縦線と、上辺は前記2の上辺と水平な高さに上辺を引き、上辺は前記縦線から中心線までの長さと、下辺は前記縦線から中心線までの第1横罫線と、中心線との各線で囲んだ範囲、
ブランクスの裏面4には、前記2の上辺と水平な高さに上辺、上辺は中心線から左右に夫々開口の端緒となる長さ、下頂点は第1横罫線と中心線との交点、前記上辺と前記下頂点とを夫々斜線で結んでできる逆三角形の範囲、
前記の範囲にそれぞれ抗接着剤を塗布したことを特徴とするゲーブルトップ型紙製液体用包装容器であり、
ゲーブルトップ型紙製包装容器で注出口となるべき個所に抗接着剤を塗布して接着強度を制御するテトラカートンタイプの容器において、ブランクスの裏面で、胴部を形成する各壁面を、右から順に1、2、3、4として抗接着剤の塗布箇所を、
ブランクスの裏面2には、両側の隅のシールに必要な幅を採った位置に、左右対称に引いた一対の縦線と、縦線間の上辺と、下辺は第1横罫線とで囲んだ範囲、
ブランクスの裏面1には、左側の隅のシールに必要な幅を採った位置に引いた縦線と、前記2の上辺と水平な高さに上辺を引き、上辺は前記縦線から中心線まで、下辺は前記縦線から中心線までの長さの第1横罫線と中心線とで囲んだ範囲、
ブランクスの裏面3には、右側の隅のシールに必要な幅を採った位置に引いた縦線と、前記2の上辺と水平な高さに上辺を引き、上辺は前記縦線から中心線まで、下辺は前記縦線から中心線までの長さの第1横罫線と中心線との各線で囲んだ範囲、
ブランクスの裏面4には、前記2の上辺と水平な高さの線と中心線との交点、下辺は中心線から左右に夫々開口の端緒となる長さ、下辺の両端から前記交点とを斜線で結んだ三角形の範囲、
前記の範囲にそれぞれ抗接着剤を塗布したことを特徴とするゲーブルトップ型紙製液体用包装容器である。
【発明の効果】
【0057】
この発明によれば、容器の開封容易性と密封性との二律背反する要請をバランスよく兼ね備えた紙製包装容器を実現したものである。即ち、子供又は力のない老齢者であっても、容易に注出口の形成ができる。また、開封の際に注出口に指を触れないで、注出口を形成することができ衛生的である。
【0058】
また、使用されている抗接着剤の成分及び塗布箇所を大きく変えることなく、抗接着剤の塗布面の一部の形状を変え又は一部の塗布場所を変えることにより、従来型と変わらない開封容易性を維持しつつ、且つ密封漏れ(シール漏れ)を解消することができた。
【0059】
また、充填機の状態に対する適応性を高めて、各種充填機に対する機械適性の高い紙製包装容器が得られた。
【0060】
この発明は、現在、市場で販売されているピュアカートンタイプ及びテトラカートンタイプのと呼ばれる2つの代表的な紙製液体用包装容器の何れのタイプのものであっても適用できるから、実用性が極めて高い。
【発明を実施するための形態】
【0061】
以下に、この発明を実施するための形態を説明する。
ゲーブルトップ型紙製容器は、広く家庭にまで普及し、良く知られているので、その構造及び開封の方法及び注出口の構造、その形成方法等についての一般的な説明は煩瑣となるから省略し、必要な限度で言及するに止める。
【0062】
この発明は、前記のピュアカートンタイプと呼ばれる方式のものについて先ず、説明する(図4)の5参照)が、前記のテトラカートンタイプの容器であってもこの発明を適用出来るのは言うまでもない。
【0063】
また、抗接着剤を塗布して、接着強度を制御する構成の場合、箱の構造から、箱の四隅を構成し向い合わせにトップシールされる箇所は(両側の隅のシールに必要な箇所)、本来の強い接着箇所とし保持することが必要であり、即ち、ブランクスの各1、2、3、4の両側端部は適宜な幅を残して置く必要がある。この箇所に抗接着剤を塗布することは、内容物の漏出に繋がるから技術上の見地から好ましくないと考えられている。
因みに、従来型に於いても1、2、3、4の各両側端部に抗接着剤の塗布は、回避された構成となっている(図5(a)参照)。
【0064】
また、剥離容易性の機能を付与するために、開口の端緒となるべき抗接着剤を塗布する適宜な長さ(開口の端緒として機能する長さ)についても、下記の如く調整が必要である。
【0065】
前記の、両側端部の残すべき適宜な幅及び開口の端緒となる適宜な長さは(例えば、図5(b)の9b、12b等)使用する原材料の用紙の性質によって異なって来る。従って、具体的に使用する用紙(原紙)の性質によって、予め両側端部の残すべき適宜な幅及び開口の端緒となる抗接着剤を塗布する適宜な長さは試作決定して、行わなければならない。
【0066】
例えば、使用する用紙が強い熱溶着力を有するものである場合、又は使用する抗接着剤の強弱等を考慮して、予め両側端部の残すべき適宜な幅は、短くて済む場合もあるであろうし、開口の端緒となる抗接着剤を塗布する適宜な長さは、長くしなければならない場合もある。
【0067】
即ち、使用する用紙の性質及び抗接着剤の強弱等を考慮して、抗接着剤の塗布する長さを適宜調整する必要がある。
また、上記の事前の調整を行えば、テトラカートンタイプにもこの発明を適用することができる。
【0068】
紙製包装容器の技術は、長年に亘り、試行錯誤の結果、精緻に組み立てられた微妙なバランスの上に築き上げられた技術であるから、一部であってもそれの変更には、細心の注意を払う必要がある。
【0069】
一般的に抗接着剤は、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化エチレン−酢酸ビニル共糾合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、環化ゴム、ポリアミド系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、アルキッド樹脂の単体又はこれらの混合物からなる樹脂インキを使用してベタ印刷することにより形成することができる。
この抗接着剤の塗布工程は、容器メーカーがブランクスを製造する際に、印刷手段により実施される。
【0070】
本願発明で使用する抗接着剤は、エチルセルロース・シリコン樹脂の混合物である。
抗接着剤の塗布は、公知の印刷方式、塗布方式が採用できる。例えばグラビアコーター、フレキソコーター、ロールコーター等などがある。
【0071】
塗布量は成分によっても異なるが、0.5〜5g/平方メートル、好ましくは1.5〜3.5g/平方メートルである。
因みに、本願発明ではグラビア印刷したが、その塗布は1〜4ミクロンの厚さ程度である。
【0072】
以下に本願各発明の第1発明〜第5発明につき、順次詳細に説明する。
それぞれ、相互に抗接着剤の塗布箇所、塗布形状、塗布面積の何れかが相違しているものである。
【0073】
図5(a)、(b)、(c)は、それぞれ従来型、第1発明、第2発明の抗接着剤の塗布部を部分的に詳細に示したものである。
図6(a)、(b)、(c)は、それぞれ第3発明、第4発明、第5発明の抗接着剤の塗布部を部分的に詳細に示したものである。
【0074】
この発明の構成により、トップシール部の漏れが減少する理由は次の通りである。
【0075】
図1は、容器全体を示したもので、製箱前のブランクスの展開図の裏面図である。これの注出口となるべき個所のシール部は、容器の内側となる2b、3a、3b、4aであり、接着力を制御するための抗接着剤はブランクス裏面の2、3、4の3箇所に塗布する。図5参照。
【0076】
注出口は、2b、3a、3b、4a、とで構成される。そして、封鎖された状態では、1bと2a、2bと3a、3bと4a、4bと1aとが向き合った状態で接着されている。
1の幅の中心線、3の幅の中心線で谷折りにした頂部同士が左右から当接した状態に配され、外側からトップシール部の2と4が両外側からこれを挟みこんだ状態でシールされる。このシールと同時に横エンボスバー8aも形成される。横エンボスバー8aの上の部分は、4と2の2枚のみが対向する状態となり、しかも抗接着剤の塗布されていない部分であるから、強い接着部となり、漏洩を最終段階で阻止する最後の砦の機能を果している。
【0077】
図7は、従来型、第1発明、第2発明のそれぞれの形状に抗接着剤を塗布して、これを一旦製箱し、トップシールしたものを、抗接着剤がどの場所にどのように接触して接着力にその影響を及ぼしたのかを見るために、これを剥がして、展開したブランクスの裏面図である。
【0078】
これによると、トップシールした際には、抗接着剤を塗布していない箇所の図7の1a、1bに抗接着剤が接触して接着力に影響を及ぼしていることが解かる。
図7の1aには4b、1bには2aに夫々塗布された抗接着剤が接触して接着力に影響を及ぼした痕跡が記録されている。
【0079】
抗接着剤を塗布した箇所及び抗接着剤が介在した接着箇所は、弱い接着部となることを意味しているから、図7の1a、1bに抗接着剤が接触して接着力に影響を及ぼすことにより、開封操作の際の開封容易性を作り出す作用に寄与している。即ち、谷折りされ注出口を形成する部分を手前に引き出す際に、窮屈な状態を緩和して、開口の端緒の隙間を形成し、スムースに注出口を形成するのに寄与している。
【0080】
従来型〔図5(a)〕についてみれば、これの痕跡図の図7(a)の2a、4bに接触して接着力に影響を及ぼした痕跡が、1に横長の長方形13として表されている。
図7の痕跡図でみると、従来型と第1発明、第2発明との相違点は、図7(b)の4b、2aに接触して接着力に影響を及ぼした痕跡が、従来型では横長の長方形13〔図7(a)〕であるのに対し、第1発明の痕跡では14〔図7(b)〕、第2発明の痕跡図では、15〔図7(c)〕となっている。
【0081】
この場合、塗布された抗接着剤は、図7(b)、(c)の2a、4bへそのまま転写された状態となる訳ではなく、影響を与えた痕跡が残り、抗接着剤を介在した状態のまま弱い接着状態となっているだけである。この部分が弱い接着状態となることが、剥離容易性に寄与しているものと考えられる。
【0082】
この抗接着剤が接触して接着力に影響を及ぼした痕跡の図7(b)、(c)の2a、4bは、本来注出口の形成部を構成する箇所ではない。然しながら、注出口の形成部に隣接しているので、注出口の形成に際し、窮屈な注出口の形成作業に当たり、この部分に抗接着剤が接触して接着力に影響を及ぼしていて、梃子の原理で当該個所が引っ張られた結果、この部分が剥離に至らない状態に破壊されて開口の端緒となり開口容易性に寄与していることが解かる。
【0083】
本願各発明の効果の内の開封容易性は、抗接着剤が開口部の接着力を制御していることにより得られるものであるから、開口部の接着力を制御できる構成であれば、その抗接着剤の塗布箇所がその位置を移動した場合であっても、必要な箇所に抗接着剤が介在していて接着力を制御できる構成であれば、同じ効果が得られる。
【0084】
そこで、本願発明の第3発明〔図6(a)〕、第4発明〔図6(b)〕、第5発明〔図6(c)〕に記載の通り、ブランクスの1の箇所に抗接着剤を塗布したものを提案した。
即ち、第3発明、第4発明、第5発明に記載のものは、従来型及び第1発明、第2発明の9a、9b、9c、及び12a、12b、12cを離れた場所であるブランクスの1の箇所に塗布したものである。
【0085】
上記の例によって、開封容易性及びシール漏れ原因の減少効果を実現したものである。
【0086】
本願発明で提案した第1発明、第2発明のタイプのものは、トップシールした場合、前記の通り抗接着剤の塗布面積を減少した箇所が、強い接着部に変り、弱い接着部がその分だけ、減少していることが両者の差異となっていると言える。
この結果、第1発明、第2発明では、従来型よりも強い接着部が増加し、弱い接着部が減少したことにより、この部分の接着力が向上した。
【0087】
本願発明の第3発明、第4発明、第5発明のタイプのものは、抗接着剤の塗布箇所をトップシール部の1、2、3、4の各部に分散した形態となっている。
これは、強い接着部と弱い接着部とが散在し、交互に入り混じった状態となっているから、シール性が向上したと言える。抗接着剤を細長く塗布するよりも、同じ長さを塗布するにしても、短く切れ切れに塗布した方がシール性向上の見地から好ましいと言える。
前記の通り、強い接着部はその接着力は強力であるから、その効果は大きなものがある。
【0088】
また、第1発明、第2発明は、従来型と比較して、全体の塗布面積が減少しているので、シール洩れの防止効果の向上が得られた。
また、第3〜第5発明についても、開口容易性の効果を齎すメカニズムは、前記第1及び第2発明の〔図5(b)、(c)〕の場合と同様なので、説明を省略する。
【0089】
即ち、本願第1発明から第5発明は、従来型の持つ開封容易性を維持するため、開封の端緒となる部分の機能はそのまま残して維持し、それと直接関連しない部分を、強い接着部分に振り向けた構成にした。
【0090】
上記の通り、本願第1発明から第5発明は、この開封容易性に寄与する機能を損なわないで従来型と同様な開封容易性の効果を維持しつつ、強い接着部となる箇所を増加させてシール洩れを減少した。これにより増加した強い接着部は、図8の14a、14b、15a、15bの点線で囲まれた箇所がこれに当る(図8参照)。
また、抗接着剤の塗布箇所をトップシール部に分散させて全体としてシール性を向上することを実現したものである。
【0091】
本願各発明を適用した後の開封容易性については、弱い接着部は、開封して注出口を作る操作の際に、力はトップシールの上方向から下方向に加えられるので、上方から見ると、弱い接着部の長さは、従来型の場合とは変わらず、これと全く同一の長さなので(開口の端緒となる箇所は減少されていない)、開封時に注出口を作る操作に要する力は、従来と殆ど変化がなく、開封容易性が適切に維持されていると言える。
【0092】
従来型と同様な開封容易性を維持しつつ、密封漏れ(シール漏れ)を解消することが出来た。
【0093】
次に、テトラカートンタイプの発明につき、ピュアカートンタイプとの主な相違点及び共通点を簡略に説明する。
【0094】
テトラカートンタイプの従来型〔図10(a)〕は、ピュアカートンタイプの従来型及び本願発明が備えている開封容易性を供えていない。即ち、開封容易性の端緒となる〔図10(b)〕記載の9b、12bが設けられていないからである。
然しながら、本願発明では、消費者が受けるメリットである開封容易性も重視しなければならない重要なファクターの1つであると考えた。
【0095】
そこで、この発明では、このテトラカートンタイプについても、ピュアカートンタイプと同様に、開封容易性の機能を付与すると共に、接着剤の塗布形状及び塗布箇所を変えて、トップ部のシール性を向上させ、両者のバランスのとれたものを実現した。
【0096】
ピュアカートンタイプにおいて解決した技術的課題を、このテトラカートンタイプのものにも適用したものである。従って、これにより得られる効果は、ピュアカートンタイプの場合と同じである。
【0097】
このタイプのものは、ピュアカートンタイプについて、上記に説明した理論がそのまま当てはまるものである。
【0098】
何故なら、ブランクスの形状の一部及び抗接着剤の塗布箇所が異なっているが、トップ部を構成するブランクス(図9参照)1、2、3、4が持つ機能のそれは全く同じであり、ただ、その配列の順序が異なっているのみであるからである。
とりわけ、抗接着剤を塗布して接着力を制御する本願発明の場合は、抗接着剤を塗布する箇所が違っていても、抗接着剤が介在して接着力を制御する機能により開口部が形成されれば、目的は達成されるからである。
【0099】
また、トップシール部のシール性を向上させるために、従来のものと比較して、抗接着剤の塗布箇所を分散・散在させて、全体としてのトップシール性の向上を図ること、トップシール部に、全体として弱い接着部を減少して、強い接着部を増加した構成にすることは、実施例1〜5記載のピュアカートンタイプの場合と全く同じ理論であるからである。
【0100】
例えば、図12(a)は、抗接着剤の塗布箇所を分散・散在させ(13、14)て、全体としてのトップシール性の向上を図ったものであるし、図12(b)、(c)は、トップシール部に、全体として弱い接着部を減少して、強い接着部を増加(15、15a、16、16b)の効果が得られことは、ピュアカートンタイプの場合の図8(b)、(c)の場合と同じである。
【0101】
また、テトラカートンタイプ及びピュアカートンタイプともに、箱の四隅の形成に必要不可欠な長さには、抗接着剤を塗布しない構成も同じである。
ピュアカートンタイプの図6(a)は、従来型の抗接着剤の塗布パターンであるが、抗接着剤を塗布していない3a、3bは、製箱の技術的見地から、いわゆる四隅の強いシールを確保するのに必要な箇所であり、強い接着部として残しておかなければならない箇所である。使用する製箱用用紙の接着力の強さに左右されるものであるから、一律に必要とされる長さが理論的に決まっているものではない。
9の左側、12の右側の抗接着剤を塗布していない箇所も同様である。テトラカートンタイプにおいても、同様である。
【0102】
また、開封容易性の端緒を得るのに必要とされる長さは、両タイプとも必要であり、使用する製箱用用紙の接着力の強さに左右されるものである。
【0103】
即ち、剥離容易性の機能を付与するために、開口の端緒となるべき抗接着剤を塗布する適宜な長さ(開口の端緒として機能する長さ)についても、一律に必要とされる長さが理論的に決まっているものではない。
【0104】
なお、この発明品の使用方法は、所定の形状に抗接着剤を塗布されサイドシール加工されたものを、食品メーカー等が、従来通り充填機を使用して行えばよく、格別な取扱いを必要としない。
また、消費者が行うこれの開封操作は、従来のゲーブルトップの場合と何ら変わりはなく、指定されて注出口を形成する操作を行えば良い。
【0105】
この発明は、食品・食品添加物等の規格基準以外の他の規格の容器であっても、適宜調整して適用することができる。
【0106】
また、この発明は、容量が1リットルの他、750ml、500ml、250mlのものにも適用することができる。何故ならば、このタイプの紙製液体容器は、容量の違いを、箱の高さで調整しているものであって、容器の底部の形成及びトップシール部の形成箇所の寸法は1リットルのものと寸法は変わらず、容器の高さ(背丈)の違いだけだからである。
【0107】
(試験例1)
シール性試験
従来型のブランクスを使用した場合、シール不良が発生しやすいとされている充填機を使用し、本願発明である実施例1、2、3、4、5、6、7、8、9,10記載のブランクスを使用して製箱し、夫々1,000本ずつ、合計10,000本に水を充填してシールを行い、その全数に付き人手による押圧・目視による点検を行ったが、シール漏れの不良品は見出せなかった。
【0108】
(試験例2)
開封容易性試験
1リットルの本願発明の実施例1、2、3、4、5、6、7、8、9、10記載のブランクスを使用して(本願発明である〔図5の(b)、(c)、図6の(a)、(b)、(c)〕及び〔図10(b)、(c)、図11(a)、(b)、(c)〕につき、水を充填した夫々500本について開封容易化試験を行った。開封はスムースに行うことができ、スムースに開封できないと評価されるものは、見い出せなかった。
【0109】
(試験例3)
次に振動試験例を示す。
試験目的
内容物を充填済みのカートンに振動試験機による振動を加えて、液洩れ発生の有無を確認した。
現実の輸送実態においては、振動周波数及び振幅の変化の再現は略不可能であるから、更に一定の振動条件の試験結果を以って、輸送時の安全性を保証することは困難であることから、JIS規格より過度の振動衝撃を加え、液漏れの原因究明(液漏れの危険性)と対策(輸送に対してより安全な対策)のデータを得ることを目的とした振動試験を実施した。
【0110】
1.振動試験条件について
(1)JIS規格
充填成型したカートンの振動試験条件について、下記のJISの振動試験方法(JISZ0200/包装貨物−評価試験方法通則、Z0232/包装貨物の振動試験方法)の基本に準拠した内容を採用した。
(2)振動試験の準拠内容
あらかじめ定めた振動加速度(0.5⇒2.3G)及び振動数範囲(5〜50Hz)の条件内で、共振振動数帯を含み、振動振幅を一定にして、時間につれて直線的に周波数を変化させた加振の実施により、カートンの振動耐久を調査する。
【0111】
2.振動試験の内容について
(1)振動試験機
メーカー アイデックス 型式 BF−500UC型
輸送に関わる振動試験をコンパクトに実施することを目的としている。振動振幅(P−Pmm)を手動にて一定条件を定め、周波数変動条件をプログラムした加振試験を実施して、加速度(G)の変化による影響を調査する。
【0112】
(2)当社振動試験条件について
▲1▼振動強度(振動加速度 G)の計算式
A(G)=(2π振動周波数Hz)2×片振幅cm/980
▲2▼振動試験条件
振動振幅(P−P) 1mm
加振周波数 5〜50Hz
加振時間 40分
1000km以上相当の過酷な輸送に相当する条件設定。
【0113】
3.振動試験の方法
中身を充填したパックを1クレート(500mlは20本入りで、クレート(通い箱)内の下段に12本入れ、その上段に8本載せる)に入れ、クレートを振動試験機の上に置き、加振(1000km以上相当の過酷な輸送に相当する)し、現物の漏れの状態を確認する。
図13参照。上下二段積みにした状態を示している。過酷な条件であると言える。
【0114】
今回は、特にトップ部の漏れを確認する為、クレート内の上段に載せた8本の加重がかかる下段の12本のトップ部の漏れ率を下記に示す。
図6(a)13/1200本 (従来型の場合)
図6(b)0/1200本
図6(c)0/1200本
図7(a)0/1200本
図7(b)0/1200本
図7(c)0/1200本
【0115】
上記試験結果は、現実の配送場面で起こる加圧条件の数倍の過酷な条件下においても、漏れが少なかったという結果は、シール性が極めて強固である証左であり、シール性が向上したと評価することができる。
【0116】
次に、この発明の実施例を示すが、この発明は、実施例に限定されるものではない。
実施例1〜5までは、ピュアカートンタイプと呼ばれるものである。
実施例6〜10までは、テトラカートンタイプと呼ばれるものである。
【実施例1】
【0117】
紙製包装容器(図1)は、北越パッケージ株式会社製のいわゆるミルクカートンである。
液体用1リットルのものを使用した。これは広く市販されているものである。
これは、縦295.00mm、全横幅295.80mmのものである。糊代は15.7mmである。
これは標準的な紙製容器の原材料であるから、他の市販の紙製容器にも適用できる。
【0118】
図5(b)の例の説明
上記牛乳の1リットル入りの紙製包装容器に基づき説明する。
1リットルの紙製容器は、四角柱状であり、これを展開すると1枚のブランクスからなるものである(図1)。図1は、ブランクスの裏面であり、容器の内側となる面である。左側は胴張りの糊代5である。四角柱状容器は折線を介して壁面1、2、3、4で構成されていて、横幅は295.80mm、高さは295.00mmである。2、3、4の各面の横幅は70.20mmであり、1は69.50mmである。
【0119】
注出口はブランクス裏面の2、3、4の面で形成されるので、抗接着剤の塗布は、この3面に施すことになる。抗接着剤はエチルセルロース・シリコン樹脂の混合物である。
これをグラビア印刷で、注出口となるべき個所に塗布した(図5)。抗接着剤の塗布はグラビア印刷で、3ミクロンの厚さとした。
【0120】
次に、順次抗接着剤を塗布する位置及びその形状について説明する。
以下は図5(b)に基づき説明する。
抗接着剤を塗布する箇所及びその形状は、まず、3に、10、11の形状に塗布する。上辺に接して縦8.70mm、横50.40mmの横長の長方形に塗布するが、3の中心線から左右対称に25.20mmずつになる位置にする。
【0121】
次に、前記3と水平の高さに、2に、9、9bの形状に塗布する。2の中心線に接して左側に縦8.7mm、長さ25.20mmの形状9の長方形にする。前記中心線に接して右側に上辺の長さ6.8mmの位置から、前記長方形9の下辺にかけて斜線を引いて、斜めに切欠した切出し小刀の刃先のような形状9bにする。即ち逆台形にする。
次に、4に前記1と左右対称に同じ位置・寸法の形状12、12bに塗布する〔図5(b)参照〕。これにより、上記の構成のブランクスが得られる。
【実施例2】
【0122】
図5(c)の例の説明
抗接着剤の塗布、その他は実施例1の記載と同じであるから、記載を省略し、異なる点のみ記載する。
【0123】
図5(c)記載の如く、2への塗布形状は前記実施例1と同じであるが、1及び3の抗接着剤の塗布形状が異なっている。図5(c)の9c、12cである。それぞれの、端部の切欠部分が、図5(b)の天地を逆転した台形の形状にしたものである。
上記の変更箇所を除き、寸法その他は、実施例1に記載のものが適用される。
これにより、上記の構成のブランクスが得られる。
【実施例3】
【0124】
図6(a)に基づき、説明する。
従来型の図5(a)に対応するものである。
従来型に対応するものであるが、〔図5(a)〕の9a及び12aの抗接着剤の塗布箇所のこの部分を、ブランクス1の中心線の左右に配置した。前記中心線の右側に9a、左側に12aを配置した構成にしたものである。
上記の変更箇所を除き、寸法その他は、実施例1に記載のものが適用される。
これにより、上記の構成のブランクスが得られる。
【実施例4】
【0125】
図6(b)に基づき、説明する。本願発明の〔図5(b)〕に対応するものである。〔図5(b)〕では、9b及び12bと従来型〔図5(a)〕よりも抗接着剤の塗布箇所を減じた形状としたが、この減じた形状のものをブランクス1の中心線の左右に配置した。前記中心線の右側に9b、左側に12bを配置して、逆三角形の形状に構成したものである。
上記の変更箇所を除き、寸法その他は、実施例1に記載のものが適用される。
これにより、上記の構成のブランクスが得られる。
【実施例5】
【0126】
図6(c)に基づき、説明する。本願発明の〔図5(c)〕に対応するものである。〔図5(c)では、9c及び12cと従来型〔図5(a)〕よりも抗接着剤の塗布箇所を減じた形状としたが、この減じた形状のものをブランクス1の中心線の左右に配置した。前記中心線の右側に9c、左側に12cを配置して、三角形の形状に構成したものである。
上記の変更箇所を除き、寸法その他は、実施例1に記載のものが適用される。
これにより、上記の構成のブランクスが得られる。
【実施例6】
【0127】
図9はテトラカートンタイプのブランクスの裏面を示す図である。以下実施例6から10までは、このタイプのものに関する。
抗接着剤の塗布面積に関する寸法等は、実施例1記載のものと殆ど同じなので、抗接着剤の塗布箇所を示すに止める。
参考までに示す図10(a)は、テトラカートンタイプの従来型であり、現在市場で販売されているものである。このものは、開封容易性の機能を付与する抗接着剤の塗布箇所が延長されていないので、開封容易性の効果は得られていないものである。
【0128】
そこで、本願発明はこれをベースに開封容易性及びシール性の向上を求めて、抗接着剤の塗布箇所を工夫したものである。
図10(b)に基づき説明する。
テトラカートンタイプの場合は、抗接着剤の塗布されている箇所がブランクスにおいて、ピュアパックタイプのものと異なっているが、その機能の説明は全く同じなので、以下は簡略に述べる。
ブランクス1には9、9b、2には10、11、3には12、12bの形状に抗接着剤を塗布する。4には、全く塗布しない。
特に9b、12bは、開封容易性の機能を得るために追加したものである。また、その形状が切り出し小刀の刃先のような形状にすることによって、切欠された部分が、トップシール部に強い接着部を増加したものである。
抗接着剤を図10(b)の記載ように塗布したものである。
これにより、上記の構成のブランクスが得られる。
【実施例7】
【0129】
テトラカートンタイプである。図10(c)に基づき説明する。
抗接着剤を図10(c)の記載ように塗布したものである。
これにより、上記の構成のブランクスが得られる。
図12は、実施例8、9、10の構成により、抗接着剤を離れた箇所に散在させて、全体としてのシール性を向上させた状態を示したものである。
【実施例8】
【0130】
テトラカートンタイプである。図11(a)に基づき説明する。
抗接着剤を図11(a)の記載ように塗布したものである。抗接着剤の塗布面の一部13、14を離れた場所に移したものである。
ブランクス4の、離れた箇に13、14の塗布箇所を移転し、トップシール部全域に散在させたことにより、トップシール部全体としてシール性が強化されている。
これにより、上記の構成のブランクスが得られる。
【実施例9】
【0131】
テトラカートンタイプである。図11(b)に基づき説明する。
抗接着剤を図11(b)の記載ように塗布したものである。抗接着剤の塗布面の一部9b、12bを離れた場所に移したものである。
図12(b)は、実施例9について、上記の抗接着剤の塗布箇所を散在させると共に、15、15aの部分が、本来の強い接着部に変わっているので、この分シール性が向上したと評価することができる。
これにより、上記の構成のブランクスが得られる。
【実施例10】
【0132】
テトラカートンタイプである。図11(c)に基づき説明する。
抗接着剤を図11(c)の記載ように塗布したものである。抗接着剤の塗布箇所の一部を離れた場所に移したものである。図12(c)は、実施例10について、上記の抗接着剤の塗布箇所を散在させると共に、16、16bの部分が、本来の強い接着部に変わっているので、この分シール性が向上したと評価することができる。
これにより、上記の構成ブランクスが得られる。
【図面の簡単な説明】
【0133】
【図1】は、本願発明ピュアカートンタイプのブランクスの展開裏面図。
【図2】は、同じく、ゲーブルトップ型容器の外観斜視図。
【図3】は、同じく、ピュアカートンタイプ容器上部のトップシール部の斜視図。
【図4】は、同じく、ピュアカートンタイプのトップシール前の容器上部の斜視図。
【図5】は、ピュアカートンタイプの従来型及び本願発明の抗接着剤の塗布箇所及び形状を示す一部省略部分図。(a)は、ピュアカートンタイプの従来型 (b)は、ピュアカートンタイプの本願第1発明の一部部分図 (c)は、ピュアカートンタイプの本願第2発明の一部部分図
【図6】(a)は、ピュアカートンタイプの本願第3発明の一部部分図 (b)は、ピュアカートンタイプの本願第4発明の一部部分図 (c)は、ピュアカートンタイプの本願第5発明の一部部分図
【図7】は、ピュアカートンタイプの改良型及び本願発明の抗接着剤が接触して接着力に影響を及ぼした痕跡を示す一部省略部分図。(a)は、従来型 (b)は、本願第1発明の一部部分図 (c)は、本願第2発明の一部部分図
【図8】は、ピュアカートンタイプの本願第1発明、第2発明により強い接着部が増加した状態を示す一部省略部分図。(a)は、従来型 (b)は、本願第1発明 (c)は、本願第2発明
【図9】は、テトラカートンタイプのブランクスの裏面図である。
【図10】(a)は、テトラカートンタイプの従来型のものの一部部分図 (b)は、テトラカートンタイプの本願第6の発明の一部部分図 (c)は、テトラカートンタイプの本願第7の発明の一部部分図
【図11】(a)は、テトラカートンタイプの本願第8の発明の一部部分図 (b)は、テトラカートンタイプの本願第9の発明の一部部分図 (c)は、テトラカートンタイプの本願第10の発明の一部部分図
【図12】(a)は、テトラカートンタイプの抗接着剤の塗布部を一部移転した状態を示す図。(b)は、テトラカートンタイプの抗接着剤の塗布部を一部移転し、その一部が強い接着部に変更された状態を示す図。(c)は、テトラカートンタイプの抗接着剤の塗布部を一部移転し、その一部が強い接着部に変更された状態を示す図。
【図13】は、振動試験のクレートに被試験品を積んだ状態を示す概念図。
【符号の説明】
【0134】
1(1a、1b)、2(2a、2b)、3(3a、3b)、4(4a、4b) 包装容器のトップシール箇所
2c、2d 矢示
2e 剥離され開口する箇所
5 糊代
5a 第1横罫線
6 紙製包装容器(ゲーブルトップ)
7 注出口
8 トップシール部
8a 横エンボスバー
9、9a、9b、9c、10、11、12a、12b、12c 抗接着剤の塗布部
12、13、14 抗接着剤が接触して影響を及ぼした箇所
14a、14b、15a、15b 弱い接着部から強い接着部に変わった部分
【技術分野】
【0001】
この発明は、開封性と密閉性に優れた紙製液体包装容器に関する。さらに詳しくは、四角柱状の筒体の上部が屋根型の形状の容器(以下「ゲーブルトップ」という)において、これの開封の容易性と密封性とをバランス良く兼ね備えた包装容器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、牛乳、ジュースなどの飲料、酒、スープなどは、紙を容器材料主体とする容器が多く使用されている。とりわけ、ゲーブルトップで供給されている牛乳、ジュース等がよく知られている。
これらの容器は、紙と合成樹脂等が交互に積層された構成であり、強靭であると共に、低コストであること及び軽くて取扱いが容易である等の利便性から広く普及している。
【0003】
このゲーブルトップのシールは密閉性が高く、そのシール性も強固であり品質保持の見地からは好ましいが、反面、シールが強すぎて開封しにくいことが知られている。
そこで、このゲーブルトップに関し、その強すぎる接着力を制御して、その開封を容易化する方法に関心が集まり、種々の提案がされている。
【0004】
例えば、注出口となる選定された個所に低接着剤環化ゴムの組成物を塗布することが示されている(特許文献1参照)。
また、注出口となるべき個所にアルコール可溶性耐熱樹脂被膜を施してなることを特徴とする接着強度を制御した注出口を有する容器が提案されている(特許文献2参照)。
【0005】
他に、ゲーブルトップにおいて、開口側の上部折込み側壁の上端リブとそれが対抗するリブの双方か、あるいはいずれか一方の内面に熱可塑性樹脂の溶融温度で加圧することにより形成された凹部処理パターンを設けた液体容器が知られている(特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】 特公昭51−30831号公報
【特許文献2】 特開昭59−1428号公報
【特許文献3】 特開平09−99940公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この発明は、紙製液体用包装容器に関する。
紙製液体用包装容器には2つの基本的な課題がある。1つは、包装容器本来の機能である密閉機能が高く完全であること。他の1つは、使用者がこれを容易に開封できることである。
この2つの機能がバランスを欠き、どちらか一方に傾いていることは好ましくない。
即ち、紙製包装容器は、この両方の機能がバランス良く保たれていることが求められている。
とりわけ、家庭等での消費が益々増加している紙製液体用包装容器においては、力の弱い子供及び老人等が求める開封容易性は、現在では極めて重要な課題と成って来た。
そこで、本願発明は、紙製包装容器において、両方の機能をバランスよく保った容器を提供することを目的とした。
以下に、順次2つの課題の問題点の詳細及び解決手段を述べる。
【0008】
現在、ゲーブルトップ状(屋根型)の紙製包装容器は、殆どが抗接着剤を塗布したタイプのものが使用されている。容器メーカーは、所定の領域に抗接着剤を印刷手段により塗布し、紙製包装材料を所定の形状に打抜き、ブランクスを得る。
次に、容器縦方向の糊代をサイドシール加工する。容器メーカーはこの状態にしたものをユーザーに渡す。ユーザーのこれの使用は、充填機内でサイドシール加工したものから底部を熱シール形成した後に、上部開口部から、牛乳、ジュース又はその他の飲料の被充填物を充填し、上部を熱シールして包装物が得られる。
そして、容器上部の開口部の熱シールは、あらかじめ設けてある折線に従い、容器の上部を曲折して全体を屋根型に形成する。
これらの包装材には、その表面に包装した製品の外観デザインが印刷されているものである(図2参照)。
【0009】
包装容器の切妻形状の頂部から垂直に立ち上がっている部分をトップシールして形成されたトップシール部がこの容器上部の封止箇所である。
これらの紙製容器は、紙と合成樹脂層が交互に複数層積層された積層包装材であり、極めて強靭な素材である。そして、包装材の表面及び裏面は合成樹脂層となっている。これの封止された前記トップシールの箇所は、屋根型の合わせ目を加熱し、シーラーで左右から挟んで加熱加圧し、素材の表裏面の合成樹脂層を熱溶融して封止(ヒートシール)する手段が採られている。
この封止は、熱圧着であるから、極めて強力な密着状態となっており、大人でも、容易に開封できない合成樹脂層同士の熱溶融による強固な密封状態となっている。
【0010】
とりわけ、用途が食品包装容器の場合、食品・食品添加物等の規格基準によれば、内容物の直接接触する部分に使用できる樹脂は限られており、主にPE(ポリエチレン)同士の接着となるから、その接着は強固となることが知られている。
ゲーブルトップに包装された充填物を摂食する際には、これを開封する必要がある。
これの開封は、前記トップシール部の縁を拡げて、トップシール部の内側に折り畳まれている箇所を外側に引き出し、注出口を作るが、これには大きな力を必要とし、特に力の弱い子供や老齢者にとっては難しいことが指摘されている。
【0011】
また、無理に力を入れると、容器自体が不規則に損傷して内容物がこぼれたり、正しく注げなかったり、さらに、開封後、注出口を再度押し込んで、残した内容物を保存することが出来なくなってしまう等の不都合が発生する。さらに、広く普及している業務用大型容器においても、その開封時の不便・非効率についての不満が寄せられている。
【0012】
そこで、これの開封を容易化するための手段が種々提案されている。
その代表的な例が、容器(ブランクス)の製造に当たり、当初より所定の位置に注出口となるべき個所を設定したものが多く、屋根型容器の頂部の一方を開口部・開封箇所・注ぎ口・注出口・あけ口等の表示をし、開封者に対し開封する箇所を指定している。
そして、前記注出口は、トップシール部の長さの半分がこれに当てられ、トップシール部内に折り畳まれて溶着収納されている部分を手前に引き出し、この半分の部分が略四角に全開でき注出口が形成される。
【0013】
そこで、開封容易化のため、この注出口となるべき部分に抗接着剤を塗布しておき、強くなり過ぎるシールの接着力を制御する手段が採られている。
この手段により、消費者に届くまでの運搬・流通過程における容器に加えられる多少の圧迫・落下等の衝撃程度では、シール部の剥離が起こらなく、他方、開封時には力を加えれば開封することが可能となっている。
【0014】
この手段は、内容物の漏洩を防止し密閉性を保持すると共に、かつ、他方では開封時の剥れやすさを持つという二律背反する要求を解決しなければならない難題である。両機能の微妙なバランスが求められるが、現状では満足すべき解決が得られておらず、更に有効な解決策が求められている。
【0015】
現在、我が国で実用化されているゲーブルトップには、2つのタイプがある。
一つは、ピュアカートンタイプと呼ばれるものである(図1参照)。実施例1から5に記載のものはこれに当たる。
他の1つは、テトラカートンタイプである。実施例6から10までに記載したものである(図10参照)。
両者は、ブランクスの形状が、細部において異なる箇所があり、さらに、その抗接着剤を塗布する箇所及び形状にも違いがある。両者を比較対照すれば明白であるが、テトラカートンタイプの従来型においても、ピュアカートンタイプ従来型とは抗接着剤の塗布箇所及びその形状が異なる構成となっている〔図6図(a)と図10(a)との比較〕。
その結果、機能においてテトラカートンタイプには、ピュアカートンタイプが有する開封容易性が欠けている。
【0016】
さらに、説明の便宜のため、ピュアカートンタイプ及びテトラカートンタイプについて、それぞれブランクスの裏面で、胴部を形成する4つの各壁面を、右から順に1、2、3、4と呼ぶことにする。
容器の上部のトップシール部の形成に関与する容器上部の第1横罫線5aで仕切られた各箇所を、略中心線で2区分して、1は(1a、1b)、2は(2a、2b)、3は(3a、3b)、4は(4a、4b)と呼ぶ(図1)。テトラカートンタイプについても同様とする(図9)。
【0017】
また、以下の説明においては、合成樹脂層同士の熱加圧により溶融して強固に接着している部分を(以下「強い接着部」という。)、合成樹脂層同士の接着部分に抗接着剤層を介在させて接着力を制御している部分を(以下「弱い接着部」という。)。
【0018】
以下の説明は、先ず、このピュアカートンタイプと呼ばれる方式のものについて説明する。
現在、市場で実施されているものは(以下「従来型」という。)、抗接着剤を塗布する箇所は図5(a)記載のものであり、その塗布面の形状は、それぞれ横長の長方形である。
この従来型では、開封容易性を優先させた結果、その分シール性にやや欠ける嫌いが見られると評価される場合がある。
その理由とするところは、容器製造メーカーは、ブランクスをサイドシール加工したもの(角筒状のもの畳んだ状態にして)を容器の使用者に渡す。使用者は自己の保有する充填機を使用するが、この場合、その使用する機種や充填機の状態よっては、シールが不十分となり、シール洩れが発生するケースがある。
そこで、容器の充填機に対する汎用性を高め、シール性の向上と開封容易性をバランスよく実現したのが本願発明である。
従来型及び本願発明において、開封容易性とは以下の意味を有するものである。
【0019】
従来型では、抗接着剤の塗布箇所は、図5(a)記載の如く2a、2b、3a、3b、4a、4bの6箇所に設けた構成である。この構成により、開封容易性は改善された。
【0020】
開封操作を以下に説明する。(図3参照)
(右利きの場合を例に説明する。)これの開封操作は、左手で容器の胴部を持ち、トップシール部の注出口と指定されている箇所である図3の2a、2bの両側を夫々右手の親指と人差し指との間で挟むように持って、これを矢示2c、2dの方向に180度以上、後ろ方向に完全に押し開くと、2eの箇所が、梃子で押された状態となって、2eの箇所(具体的には2aと2bとの谷折された箇所)が、左右各10mm程度のシール部分(開口の端緒となる個所)が、梃子で持ち上げられた状態になる結果、この部分のシールの弱い接着部分が壊されて全体が剥離されて開口されることはないが、極めて剥離し易い状態になる。
【0021】
十分に押し開かれた状態では、2eの箇所が、への字状に突起した状態になっている。次に、2aと2bの左右の端部を親指と人差し指とで挟んでこれを折り返して、これを元の向かい合わせた状態に戻すと(引き戻して閉じる)、前記の壊された状態の2e部分が、押し拡げた際と、直ちに折り返して元に戻した(引き戻して閉じる)際に生じた歪みが作用して、2e部分が引き剥がされ、2eが手前に飛び出して、僅かに口を開けた状態が作り出される。これが、開口の端緒となる。
上記の操作により、開口の端緒を得ることができ、これは殆ど力を要しない作業である。
【0022】
さらに、引き続き、前記の僅かに口を開けた状態を、押し広げるように2aと2bの左右の両側を親指と人差し指とで挟んで、両指の間の幅を狭め、これを絞るように僅かに手前に引きながら、さらに開口部を拡大するように操作し、注出口が完全に開封・形成できるまで継続して行う。
この操作の押し開きには梃子の原理をも応用するが梃子の働きは、シールされた状態の1aと2a及び2bと3aとの合わせ目が梃子の支点の役割を果し、第1段階として接着箇所を開口しない程度に破壊する。
【0023】
以上の押し開き、またこれを元の状態に戻す(引き戻して閉じる)操作は、子供(幼児を除く)でも理解できる簡単なものであり、一度学習すれば次回からは、容易に繰り返すことができるものである。
大人は、学習しなくとも、2a、2bを押し広げて、また元の状態に戻す(引き戻して閉じる)操作だけを指示すれば、その状態を見ながら、次に行うべき操作を理解できるものである。
従って、殆ど力を要することなく、子供(幼児を除く)及び力のない老齢者にも容易に開口することが可能となった。
【0024】
また、この開封方式の優れている点は、開口部の抗接着剤の接着強度と、押し広げ及びこれの戻し(引き戻し)により紙容器の歪みの発生、人の親指と人差し指との力加減の微妙なコントロール性を精緻に且つ巧妙に利用することによって、開封容易性が得られ、しかも開封口には、一切指等を触れないで注出口を形成できる点である。
【0025】
紙製包装容器の1リットル牛乳等は、通常、一回に飲みきれないので、飲み残しを冷蔵庫等で長く保管することが多く、開封の際に、開封口に指等が接触すると指等からの微生物汚染が発生する可能性があるので、衛生上好ましくない。従来型及びこの発明の開封容易性も、開封口には、一切指等を触れない方式であるから食品向け容器には衛生上極めて好ましいものといえる。
【0026】
以上の従来型の有する開封容易性は、2a、4bの箇所に新たに抗接着剤を塗布したことにより実現できた効果である。因みに、それ以前のタイプのものは、2b、3a、3b、4aの4箇所に塗布したものが知られている。図示していない。
また、この開封容易性の作用は、極めて安定していて、多数個を開封しても、殆ど失敗なく実現することができる。即ち、抗接着剤を新たに塗布する箇所を増加したことにより、この部分が開封操作の際に、開口の端緒とすることができ、以降の開封操作を容易にする作用を果たすことを実現できたのである。
【0027】
この従来型の構成によって、開封容易性を実現したもので、トップシール部の、押し開き、引き戻すという簡単な操作をするだけで、格段に開封容易性が図られている。
【0028】
前記の通り、開封容易性は達成できたが、従来型には、解決すべき課題としてシール性の向上が残されている。
即ち、具体的には、シール不良に起因する内容物の漏洩の発生率を減少する必要があるが、内容物の漏洩原因としては種々のものがある。
紙製包装容器は、充填機(サイドシール加工したものから製箱機能を有する)の種類または状態によっては、トップシール部内に、山折りに折り畳まれ、左右から寄せ合わされた封止片同士が左右から当接し、密封状態を構成する部分に僅かな隙間が生じ、そこから内容物が漏出すると言う不良品が発生する。即ち、弱い接着部同士の封鎖が完全に行われず、いわゆるシール不良が生じる欠点が知られていた。
【0029】
また、上記のシール漏れは、容器の使用者である食品メーカー等及び容器の製造者にとっては、全数から見れば、僅かな発生率とはいえ、極めて重大且つ深刻な問題である。
即ち、上記のシール不良品が市場に流通した場合、内容物の腐敗、いわゆる食品事故等に繋がり、消費者の健康を害する重大な事態を招くおそれがある。従って、シール不良品の発生の抑制ないしは減少に極力努める必要がある。
【0030】
しかし、抗接着剤を塗布し弱い接着部となる箇所であっても、搬送中の衝撃によって容易に剥離しない程度の強度を保持するように制御されているから、搬送中の衝撃により、シール漏れが発生することはない。
発明者は、シール漏れを仔細に検討した結果、この主な原因は、抗接着剤自体の問題ではなく、箱の構造及び抗接着剤を塗布する箇所及びその塗布する形状に由来するものであるとの認識を得た。
【0031】
このトップシールの箇所は、折り曲げられた1aと3bとが当接した状態で抗接着剤が接触して接着力に影響を及ぼした状態となるが、その上、図4記載の通り、製箱した際、1aへ接着された糊代5が1aと4との間に容器の紙1枚分だけ多く、挟まれそこに段差が生じる構造となっている。さらに詳細に枚数で言うと、糊代のある方は内側に3枚、糊代のない方は2枚となる。そしてトップシールは、1と3とを内側に折り畳んだ状態にして、2と4とで両外側から挟むように、一括し一気に加熱加圧し、一体にシールしてトップシール部が形成されることになる(図4参照)。
【0032】
箱の胴部を貼り合わせた上記糊代5によって紙材1枚分の段差が生ずるが、紙と合成樹脂との積層材でそれ自体に弾力性があり、これが前記の通り4枚又は5枚を重ねた状態でシールされるから、強い加圧・加熱シールによる一体的な圧縮で段差は自ずから解消され、大部分のシールは、完全に密閉されるから問題は生じない。
【0033】
しかし、僅かな発生率で、糊代の境目のシールが上手く行かない場合があり、前記の段差の箇所に僅かな隙間が生じ、これが不良品の原因となる。また、トップシール部に施されるいわゆる横エンボスバー8aのシール不良があれば、上記と同様に、漏出事故の原因となることが解かっている。
この場合、容器の外部から圧力を受けた場合、内容物の液体が、弱い接着部にできた境目の隙間又は横エンボスバー8aの接液面から上昇して来て、これが液漏れの原因となっている。
【0034】
また、このゲーブルトップを直立した状態であれば、漏出が起こらないケースであっても、配送過程や店頭においてしばしば容器を横置き・横積みする場合が多く、この場合には、横置きされた状態で、下に積まれた容器は、その上に積まれた容器の全重量が負荷されるので、シールが弱かったり、僅かな隙間があったりした場合は、この圧力で押された液体が浸透することが洩れの原因ともなる。
【0035】
前記シール漏れの防止は、包装品に対する衝撃又は圧迫が加えられた場合、内容物の圧迫により、上方向へ加えられる力への耐圧力があれば安全である。容器の底部の接着箇所には、抗接着剤は使用されておらず、全ての接着部分が強い接着部で構成され、強固なシールが形成されており、シール漏れは殆ど発生せず、また万一漏れが発生したとしても、底部の漏れは、製造中又は保管中に発見され、除かれるから問題が少ない。従って、ここでは容器上部の耐圧力のみを問題とする。
そこでシール漏れの防止は、下部方向から、上部のトップシールの方向に対し、圧迫された液体が上昇して来る力だけを考慮すればよいこととなる。
【0036】
上記の通りシール不良の問題は、上記のような種々の多様な原因で発生するが、例えば、サイドシール加工した用紙・容器自体に欠陥のない完全なものを使用したとしても、充填・シール段階で不都合が発生すれば、シール漏れに繋がる。
従って、可能な限り、現在得られている開封容易性を損なわないで維持しつつ、シール段階で発生する不都合となる原因を事前に減少ないし除去することが本願発明の課題である。
【課題を解決するための手段】
【0037】
そこで本願発明者は、従来型と同様な開封容易性の機能を維持すると共に、シール漏れを解消することを課題として鋭意検討を行った。
従来型をベースにして、これを改良したものを提案する。本願発明においても、注出口となるべき個所に、抗接着剤をあらかじめ塗布して置き、接着強度を制御するのは、同じである。
【0038】
この発明は、トップシール部の開封容易性に必要な開口の端緒となるべき機能(弱い接着部である)を必要最小限度に残し、それ以外の部分は、挙げて強い接着部(抗接着剤が塗布されていない部分)となるように抗接着剤の塗布形状及びその塗布場所を検討して設計した。
【0039】
容器上部のトップシール部の直下近辺に、全体として、強い接着部の面積が増加し、弱い接着部の面積が減少すれば、トップシール部のシール性が強化され、結果的にシール漏れの減少に有効なことは明らかである。
【0040】
具体的には、従来型の抗接着剤の成分及び塗布箇所を大きく変更することなく、抗接着剤の塗布面の形状の一部を変更すること又は塗布場所を変更することにより、シール漏れのかなりの部分を解決できることを見い出し課題を解決した。
即ち、トップシール部に強い接着部を増加したこと及びトップシール部全体のシール性を強化したことによる。
【0041】
以下に、解決手段を具体的に示す。
ピュアカートンタイプの従来型では、抗接着剤を塗布する箇所は、図5(a)記載の2、3、4の3カ所であり、その塗布面の形状は、それぞれ横長の長方形である。
そして、この従来型の場合、その主な漏洩原因は、図5(a)記載の1a、1bに接着される糊代5の側部付近である1a及び1bで発生するから、この部分に強い接着部を増加させれば、漏洩が減少するのは、当然のことである。
【0042】
本願発明は、下記の第1発明〜第10発明を含む。
この発明は、紙製包装容器において、開封容易性を得ると共に、シール性の向上のため、抗接着剤を塗布して接着強度を制御する包装容器で、その抗接着剤の塗布形状及び塗布場所に関する発明である。
第1発明は、図5(b)に記載のものである。
第2発明は、図5(c)に記載のものである。
第3発明は、図6(a)に記載のものである。
第4発明は、図6(b)に記載のものである。
第5発明は、図6(c)に記載のものである。
【0043】
第6発明は、図10(b)に記載のものである。
第7発明は、図10(c)に記載のものである。
第8発明は、図11(a)に記載のものである。
第9発明は、図11(b)に記載のものである。
第10発明は、図11(c)に記載のものである。
【0044】
上記の発明は、2つの群に分けることができる。
第1群は、第1発明から第5の発明である(ピュアカートンタイプ)。第2群は、第6発明から第10発明である(テトラカートンタイプ)である。
【0045】
さらに、第1群のうち、第1のグループは、第1発明と、第2発明であり、従来型をベースに、抗接着剤の塗布箇所は変えないで、その塗布形状の一部を変更したものである。
第2のグループは、第3発明、第4発明、第5発明であり、抗接着剤の塗布箇所の一部を離れた箇所に移転させたものである。
【0046】
また、第2群のうち、第1のグループは、第6発明と、第7発明であり、従来型をベースに、抗接着剤の塗布箇所は変えないで、その塗布形状の一部を延長したものである。
第2のグループは、第8発明、第9発明、第10発明であり、抗接着剤の塗布箇所の一部を離れた箇所に移転させたものである。
【0047】
第1群の第1のグループは、従来型と第3発明、第1発明と第4発明、第2発明と第5発明とは、互いに対応していて、抗接着剤の塗布形状のパターンが類似しており、また、その抗接着剤の塗布面積は同じで変わらないが、その一部の塗布箇所が、離れた場所の1a、1bの箇所に移転した構成のものである。
【0048】
即ち、抗接着剤の塗布箇所は、図5(b)、(c)に記載のとおり2、3、4の3箇所である点は同じであるが、2及び4の箇所の抗接着剤の塗布面の形状を一端が切欠した逆台形又は台形にし、強い接着部を増加して、漏洩を減少し課題を解決した。
また、図6(a)、(b)(c)の如く、前記抗接着剤の塗布箇所の一部を、離れた箇所に移転した構成とし、強い接着部と弱い接着部とを混在させ、全体としてトップシール部のシール性の向上を図った。
その結果、本願発明の剥離剤の総塗布面積は、従来型と比較して、塗布面積が切欠された箇所の分だけ減少した形状となっている〔図5(b)、(c)、図6(b)(c)参照〕。
但し、図6(a)についてのみは、塗布面積は従来型と同じである。
【0049】
上記の抗接着剤の塗布箇所が減少した結果、抗接着剤の影響を受けなくなった箇所(図7の14a、14b、15a、15b)は、容器が持つ本来の強い接着部に復帰するから、その分、漏洩に対する封止力が増加し、圧力に対する耐圧力が増加する。
また、一括し、一気にトップシールする際に強い接着部が増加した分、シールが良好な状態で行われる確率が高くなる。
【0050】
また、この各発明の開封容易性に与える影響は、強い接着部と弱い接着部との増減する差異は、僅かな面積であるから、加える力を調整できる開封者にとっては、全体としての開封容易性には、殆ど影響を及ぼすことはない。
【0051】
即ち、抗接着剤の塗布形状の一部を変更したが、注出口の開封操作は、トップシール部の上方向から、下方向へ向けて行われるから、開封時の抵抗感は従来型と殆ど変化がないか、むしろ抵抗感が少なくなる。
然しこれに対し、漏洩防止の効果に関しては、その位置が漏洩通路を塞ぐ位置を占めるので、得られる効果には大きなものがある。
【0052】
尤も、抗接着剤を塗布する箇所は、何れも前記注出口を形成する箇所及びこれに関係する箇所であり、かつ、容器を封止(シール)した状況では、トップシール部の内側に隠されていて、容器の表面には露出していない。従って、開封・開口した状態にして、初めてその箇所を目視することが可能となる箇所であり、封止状態の外観からはその変更は窺知できず、外観上は、従来例と全く同じで変化がない。
【0053】
即ち、ゲーブルトップ型紙製包装容器で注出口となるべき個所に抗接着剤を塗布して接着強度を制御するピュアカートンタイプの容器において、ブランクスの裏面で、胴部を形成する各壁面を、右から順に1、2、3、4として抗接着剤の塗布箇所を、
ブランクスの裏面3には、両側の隅のシールに必要な幅を採った位置に左右対称に引いた一対の縦線と、前記縦線間の上辺と、第1横罫線とで囲んだ範囲、
ブランクスの裏面2には、左側の隅のシールに必要な幅を採った位置に縦線と、前記3上辺と水平な位置に上辺を引き、上辺は前記縦線から中心線を超えた開口の端緒となる長さと、下辺は前記縦線から中心線までの第1横罫線と、前記上辺の右端と前記下辺の右端とを斜線で結んだ線の各線で囲んだ範囲、
ブランクスの裏面4には、右側の隅のシールに必要な幅を採った位置に縦線と、前記3上辺と水平な位置に上辺を引き、上辺は前記縦線から中心線を超えた開口の端緒となる長さと、下辺は前記縦線から中心線までの第1横罫線と、前記上辺の左端と前記下辺の左端とを斜線で結んだ線の各線で囲んだ範囲、
前記の範囲にそれぞれ抗接着剤を塗布したことを特徴とするゲーブルトップ型紙製液体用包装容器であり、
ゲーブルトップ型紙製包装容器で注出口となるべき個所に抗接着剤を塗布して接着強度を制御するピュアカートンタイプの容器において、ブランクスの裏面で、胴部を形成する各壁面を、右から順に1、2、3、4として抗接着剤の塗布箇所を、
ブランクスの裏面3には、両側の隅のシールに必要な幅を採った位置に、左右対称に引いた一対の縦線と、縦線間の上辺と、第1横罫線とで囲んだ範囲、
ブランクスの裏面2には、左側の隅のシールに必要な幅を採った位置に引いた縦線と、前記3上辺と水平な位置に上辺を引き、上辺は前記縦線から中心線まで、下辺は前記縦線から中心線を超えた開口の端緒となる長さと、前記上辺の右端と前記下辺の右端とを斜線で結んだ線の各線で囲んだ範囲、
ブランクスの裏面4には、右側の隅のシールに必要な幅を採った位置に引いた縦線と、前記3上辺と水平な位置に上辺を引き、上辺は前記縦線から中心線まで、下辺は前記縦線から中心線を超えた開口の端緒となる長さの第1横罫線と、前記上辺の左端と前記下辺の左端とを斜線で結んだ線の各線で囲んだ範囲、
前記の範囲にそれぞれ抗接着剤を塗布したことを特徴とするゲーブルトップ型紙製液体用包装容器である。
【0054】
また、ゲーブルトップ型紙製包装容器で注出口となるべき個所に抗接着剤を塗布して接着強度を制御するピュアカートンタイプの容器において、ブランクスの裏面で、胴部を形成する各壁面を、右から順に1、2、3、4として抗接着剤の塗布箇所を、
ブランクスの裏面3には、両側の隅のシールに必要な幅を採った位置に左右対称に引いた一対の縦線と、前記縦線間の上辺と、第1横罫線とで囲んだ範囲、
ブランクスの裏面2には、左側の隅のシールに必要な幅を採った位置に縦線と、前記3の上辺と水平な位置に上辺を引き、上辺は前記縦線から中心線までの長さと、下辺は前記縦線から中心線までの第1横罫線との、各線で囲んだ範囲、
ブランクスの裏面4には、右側の隅のシールに必要な幅を採った位置に縦線と、前記3の上辺と水平な位置に上辺を引き、上辺は前記縦線から中心線までの長さと、下辺は前記縦線から中心線までの第1横罫線との各線で囲んだ範囲、
ブランクスの裏面1には、前記3の上辺と水平な位置に上辺、上辺は中心線から左右に開口の端緒となる長さ、前記開口の端緒となる長さの位置に左右一対の縦線と、下辺は第1横罫線との各線で囲まれた範囲、
前記の範囲にそれぞれ抗接着剤を塗布したことを特徴とするゲーブルトップ型紙製液体用包装容器であり、
ゲーブルトップ型紙製包装容器で注出口となるべき個所に抗接着剤を塗布して接着強度を制御するピュアカートンタイプの容器において、ブランクスの裏面で、胴部を形成する各壁面を、右から順に1、2、3、4として抗接着剤の塗布箇所を、
ブランクスの裏面3には、両側の隅のシールに必要な幅を採った位置に左右対称に引いた一対の縦線と、前記縦線間の上辺と、下辺は第1横罫線とで囲んだ範囲、
ブランクスの裏面2には、左側の隅のシールに必要な幅を採った位置に縦線と、前記3の上辺と水平な高さに上辺を引き、上辺は前記縦線から中心線までの長さと、下辺は前記縦線から中心線までの第1横罫線と、
ブランクスの裏面4には、右側の隅のシールに必要な幅を採った位置に縦線と、上辺は前記3の上辺と水平な高さに上辺を引き、上辺は前記縦線から中心線までの長さと、下辺は前記縦線から中心線までの第1横罫線と、
ブランクスの裏面1には、前記3の上辺と水平な高さに上辺、上辺は中心線から左右に夫々開口の端緒となる長さ、下頂点は第1横罫線と中心点との交点、前記上辺と前記下頂点とを夫々斜線で結んでできる逆三角形の範囲、
前記の範囲にそれぞれ抗接着剤を塗布したことを特徴とするゲーブルトップ型紙製液体用包装容器である。
さらに、ゲーブルトップ型紙製包装容器で注出口となるべき個所に抗接着剤を塗布して接着強度を制御するピュアカートンタイプの容器において、ブランクスの裏面で、胴部を形成する各壁面を、右から順に1、2、3、4として抗接着剤の塗布箇所を、
ブランクスの裏面3には、両側の隅のシールに必要な幅を採った位置に、左右対称に引いた一対の縦線と、縦線間の上辺と、下辺は第1横罫線とで囲んだ範囲、
ブランクスの裏面2には、左側の隅のシールに必要な幅を採った位置に引いた縦線と、前記3の上辺と水平な高さに上辺を引き、上辺は前記縦線から中心線まで、下辺は前記縦線から中心線までの長さの第1横罫線とで囲んだ範囲、
ブランクスの裏面4には、右側の隅のシールに必要な幅を採った位置に引いた縦線と、前記3の上辺と水平な高さに上辺を引き、上辺は前記縦線から中心線まで、下辺は前記縦線から中心線までの長さの第1横罫線と、の各線で囲んだ範囲、
ブランクスの裏面1には、前記3の上辺と水平な高さの線と中心線との交点、下辺は中心線から左右に夫々開口の端緒となる長さ、下辺の両端から前記交点とを斜線で結んだ三角形の範囲、
前記の範囲にそれぞれ抗接着剤を塗布したことを特徴とするゲーブルトップ型紙製液体用包装容器。
【0055】
また、ゲーブルトップ型紙製包装容器で注出口となるべき個所に抗接着剤を塗布して接着強度を制御するテトラカートンタイプの容器において、ブランクスの裏面で、胴部を形成する各壁面を、右から順に1、2、3、4として抗接着剤の塗布箇所を、
ブランクスの裏面2には、両側の隅のシールに必要な幅を採った位置に左右対称に引いた一対の縦線と、前記縦線間の上辺と、第1横罫線とで囲んだ範囲、
ブランクスの裏面1には、左側の隅のシールに必要な幅を採った位置に縦線と、前記2の上辺と水平な位置に上辺を引き、上辺は前記縦線から中心線を超えた開口の端緒となる長さと、下辺は前記縦線から中心線までの第1横罫線と、前記上辺の右端と前記下辺の右端とを斜線で結んだ線の各線で囲んだ範囲、
ブランクスの裏面3には、右側の隅のシールに必要な幅を採った位置に縦線と、前記2上辺と水平な位置に上辺を引き、上辺は前記縦線から中心線を超えた開口の端緒となる長さと、下辺は前記縦線から中心線までの第1横罫線と、前記上辺の左端と前記下辺の左端とを斜線で結んだ線の各線で囲んだ範囲、
前記の範囲にそれぞれ抗接着剤を塗布したことを特徴とするゲーブルトップ型紙製液体用包装容器であり、
ゲーブルトップ型紙製包装容器で注出口となるべき個所に抗接着剤を塗布して接着強度を制御するテトラカートンタイプの容器において、ブランクスの裏面で、胴部を形成する各壁面を、右から順に1、2、3、4として抗接着剤の塗布箇所を、
ブランクスの裏面2には、両側の隅のシールに必要な幅を採った位置に、左右対称に引いた一対の縦線と、縦線間の上辺と、第1横罫線とで囲んだ範囲、
ブランクスの裏面1には、左側の隅のシールに必要な幅を採った位置に引いた縦線と、前記2の上辺と水平な位置に上辺を引き、上辺は前記縦線から中心線まで、下辺は前記縦線から中心線を超えた開口の端緒となる長さと、前記上辺の右端と前記下辺の右端とを斜線で結んだ線の各線で囲んだ範囲、
ブランクスの裏面3には、右側の隅のシールに必要な幅を採った位置に引いた縦線と、前記2の上辺と水平な位置に上辺を引き、上辺は前記縦線から中心線まで、下辺は前記縦線から中心線を超えた開口の端緒となる長さの第1横罫線と、前記上辺の左端と前記下辺の左端とを斜線で結んだ線の各線で囲んだ範囲、
前記の範囲にそれぞれ抗接着剤を塗布したことを特徴とするゲーブルトップ型紙製液体用包装容器である。
さらに、ゲーブルトップ型紙製包装容器で注出口となるべき個所に抗接着剤を塗布して接着強度を制御するテトラカートンタイプの容器において、ブランクスの裏面で、胴部を形成する各壁面を、右から順に1、2、3、4として抗接着剤の塗布箇所を、
ブランクスの裏面2には、両側の隅のシールに必要な幅を採った位置に左右対称に引いた一対の縦線と、前記縦線間の上辺と、第1横罫線とで囲んだ範囲、
ブランクスの裏面1には、左側の隅のシールに必要な幅を採った位置に縦線と、前記2の上辺と水平な位置に上辺を引き、上辺は前記縦線から中心線までの長さと、下辺は前記縦線から中心線までの第1横罫線と、中心線との各線で囲んだ範囲、
ブランクスの裏面3には、右側の隅のシールに必要な幅を採った位置に縦線と、前記2の上辺と水平な位置に上辺を引き、上辺は前記縦線から中心線までの長さと、下辺は前記縦線から中心線までの第1横罫線との各線で囲んだ範囲、
ブランクスの裏面4には、前記3の上辺と水平な位置に上辺、上辺は中心線から左右にそれぞれ開口の端緒となる長さ、前記開口の端緒となる長さの位置に左右一対の縦線と、下辺は第1横罫線との各線で囲まれた範囲、
前記の範囲にそれぞれ抗接着剤を塗布したことを特徴とするゲーブルトップ型紙製液体用包装容器である。
【0056】
また、ゲーブルトップ型紙製包装容器で注出口となるべき個所に抗接着剤を塗布して接着強度を制御するテトラカートンタイプの容器において、ブランクスの裏面で、胴部を形成する各壁面を、右から順に1、2、3、4として抗接着剤の塗布箇所を、
ブランクスの裏面2には、両側の隅のシールに必要な幅を採った位置に左右対称に引いた一対の縦線と、前記縦線間の上辺と、下辺は第1横罫線とで囲んだ範囲、
ブランクスの裏面1には、左側の隅のシールに必要な幅を採った位置に縦線と、前記2の上辺と水平な高さに上辺を引き、上辺は前記縦線から中心線までの長さと、下辺は前記縦線から中心線までの第1横罫線と、中心線との各線で囲んだ範囲、
ブランクスの裏面3には、右側の隅のシールに必要な幅を採った位置に縦線と、上辺は前記2の上辺と水平な高さに上辺を引き、上辺は前記縦線から中心線までの長さと、下辺は前記縦線から中心線までの第1横罫線と、中心線との各線で囲んだ範囲、
ブランクスの裏面4には、前記2の上辺と水平な高さに上辺、上辺は中心線から左右に夫々開口の端緒となる長さ、下頂点は第1横罫線と中心線との交点、前記上辺と前記下頂点とを夫々斜線で結んでできる逆三角形の範囲、
前記の範囲にそれぞれ抗接着剤を塗布したことを特徴とするゲーブルトップ型紙製液体用包装容器であり、
ゲーブルトップ型紙製包装容器で注出口となるべき個所に抗接着剤を塗布して接着強度を制御するテトラカートンタイプの容器において、ブランクスの裏面で、胴部を形成する各壁面を、右から順に1、2、3、4として抗接着剤の塗布箇所を、
ブランクスの裏面2には、両側の隅のシールに必要な幅を採った位置に、左右対称に引いた一対の縦線と、縦線間の上辺と、下辺は第1横罫線とで囲んだ範囲、
ブランクスの裏面1には、左側の隅のシールに必要な幅を採った位置に引いた縦線と、前記2の上辺と水平な高さに上辺を引き、上辺は前記縦線から中心線まで、下辺は前記縦線から中心線までの長さの第1横罫線と中心線とで囲んだ範囲、
ブランクスの裏面3には、右側の隅のシールに必要な幅を採った位置に引いた縦線と、前記2の上辺と水平な高さに上辺を引き、上辺は前記縦線から中心線まで、下辺は前記縦線から中心線までの長さの第1横罫線と中心線との各線で囲んだ範囲、
ブランクスの裏面4には、前記2の上辺と水平な高さの線と中心線との交点、下辺は中心線から左右に夫々開口の端緒となる長さ、下辺の両端から前記交点とを斜線で結んだ三角形の範囲、
前記の範囲にそれぞれ抗接着剤を塗布したことを特徴とするゲーブルトップ型紙製液体用包装容器である。
【発明の効果】
【0057】
この発明によれば、容器の開封容易性と密封性との二律背反する要請をバランスよく兼ね備えた紙製包装容器を実現したものである。即ち、子供又は力のない老齢者であっても、容易に注出口の形成ができる。また、開封の際に注出口に指を触れないで、注出口を形成することができ衛生的である。
【0058】
また、使用されている抗接着剤の成分及び塗布箇所を大きく変えることなく、抗接着剤の塗布面の一部の形状を変え又は一部の塗布場所を変えることにより、従来型と変わらない開封容易性を維持しつつ、且つ密封漏れ(シール漏れ)を解消することができた。
【0059】
また、充填機の状態に対する適応性を高めて、各種充填機に対する機械適性の高い紙製包装容器が得られた。
【0060】
この発明は、現在、市場で販売されているピュアカートンタイプ及びテトラカートンタイプのと呼ばれる2つの代表的な紙製液体用包装容器の何れのタイプのものであっても適用できるから、実用性が極めて高い。
【発明を実施するための形態】
【0061】
以下に、この発明を実施するための形態を説明する。
ゲーブルトップ型紙製容器は、広く家庭にまで普及し、良く知られているので、その構造及び開封の方法及び注出口の構造、その形成方法等についての一般的な説明は煩瑣となるから省略し、必要な限度で言及するに止める。
【0062】
この発明は、前記のピュアカートンタイプと呼ばれる方式のものについて先ず、説明する(図4)の5参照)が、前記のテトラカートンタイプの容器であってもこの発明を適用出来るのは言うまでもない。
【0063】
また、抗接着剤を塗布して、接着強度を制御する構成の場合、箱の構造から、箱の四隅を構成し向い合わせにトップシールされる箇所は(両側の隅のシールに必要な箇所)、本来の強い接着箇所とし保持することが必要であり、即ち、ブランクスの各1、2、3、4の両側端部は適宜な幅を残して置く必要がある。この箇所に抗接着剤を塗布することは、内容物の漏出に繋がるから技術上の見地から好ましくないと考えられている。
因みに、従来型に於いても1、2、3、4の各両側端部に抗接着剤の塗布は、回避された構成となっている(図5(a)参照)。
【0064】
また、剥離容易性の機能を付与するために、開口の端緒となるべき抗接着剤を塗布する適宜な長さ(開口の端緒として機能する長さ)についても、下記の如く調整が必要である。
【0065】
前記の、両側端部の残すべき適宜な幅及び開口の端緒となる適宜な長さは(例えば、図5(b)の9b、12b等)使用する原材料の用紙の性質によって異なって来る。従って、具体的に使用する用紙(原紙)の性質によって、予め両側端部の残すべき適宜な幅及び開口の端緒となる抗接着剤を塗布する適宜な長さは試作決定して、行わなければならない。
【0066】
例えば、使用する用紙が強い熱溶着力を有するものである場合、又は使用する抗接着剤の強弱等を考慮して、予め両側端部の残すべき適宜な幅は、短くて済む場合もあるであろうし、開口の端緒となる抗接着剤を塗布する適宜な長さは、長くしなければならない場合もある。
【0067】
即ち、使用する用紙の性質及び抗接着剤の強弱等を考慮して、抗接着剤の塗布する長さを適宜調整する必要がある。
また、上記の事前の調整を行えば、テトラカートンタイプにもこの発明を適用することができる。
【0068】
紙製包装容器の技術は、長年に亘り、試行錯誤の結果、精緻に組み立てられた微妙なバランスの上に築き上げられた技術であるから、一部であってもそれの変更には、細心の注意を払う必要がある。
【0069】
一般的に抗接着剤は、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化エチレン−酢酸ビニル共糾合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、環化ゴム、ポリアミド系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、アルキッド樹脂の単体又はこれらの混合物からなる樹脂インキを使用してベタ印刷することにより形成することができる。
この抗接着剤の塗布工程は、容器メーカーがブランクスを製造する際に、印刷手段により実施される。
【0070】
本願発明で使用する抗接着剤は、エチルセルロース・シリコン樹脂の混合物である。
抗接着剤の塗布は、公知の印刷方式、塗布方式が採用できる。例えばグラビアコーター、フレキソコーター、ロールコーター等などがある。
【0071】
塗布量は成分によっても異なるが、0.5〜5g/平方メートル、好ましくは1.5〜3.5g/平方メートルである。
因みに、本願発明ではグラビア印刷したが、その塗布は1〜4ミクロンの厚さ程度である。
【0072】
以下に本願各発明の第1発明〜第5発明につき、順次詳細に説明する。
それぞれ、相互に抗接着剤の塗布箇所、塗布形状、塗布面積の何れかが相違しているものである。
【0073】
図5(a)、(b)、(c)は、それぞれ従来型、第1発明、第2発明の抗接着剤の塗布部を部分的に詳細に示したものである。
図6(a)、(b)、(c)は、それぞれ第3発明、第4発明、第5発明の抗接着剤の塗布部を部分的に詳細に示したものである。
【0074】
この発明の構成により、トップシール部の漏れが減少する理由は次の通りである。
【0075】
図1は、容器全体を示したもので、製箱前のブランクスの展開図の裏面図である。これの注出口となるべき個所のシール部は、容器の内側となる2b、3a、3b、4aであり、接着力を制御するための抗接着剤はブランクス裏面の2、3、4の3箇所に塗布する。図5参照。
【0076】
注出口は、2b、3a、3b、4a、とで構成される。そして、封鎖された状態では、1bと2a、2bと3a、3bと4a、4bと1aとが向き合った状態で接着されている。
1の幅の中心線、3の幅の中心線で谷折りにした頂部同士が左右から当接した状態に配され、外側からトップシール部の2と4が両外側からこれを挟みこんだ状態でシールされる。このシールと同時に横エンボスバー8aも形成される。横エンボスバー8aの上の部分は、4と2の2枚のみが対向する状態となり、しかも抗接着剤の塗布されていない部分であるから、強い接着部となり、漏洩を最終段階で阻止する最後の砦の機能を果している。
【0077】
図7は、従来型、第1発明、第2発明のそれぞれの形状に抗接着剤を塗布して、これを一旦製箱し、トップシールしたものを、抗接着剤がどの場所にどのように接触して接着力にその影響を及ぼしたのかを見るために、これを剥がして、展開したブランクスの裏面図である。
【0078】
これによると、トップシールした際には、抗接着剤を塗布していない箇所の図7の1a、1bに抗接着剤が接触して接着力に影響を及ぼしていることが解かる。
図7の1aには4b、1bには2aに夫々塗布された抗接着剤が接触して接着力に影響を及ぼした痕跡が記録されている。
【0079】
抗接着剤を塗布した箇所及び抗接着剤が介在した接着箇所は、弱い接着部となることを意味しているから、図7の1a、1bに抗接着剤が接触して接着力に影響を及ぼすことにより、開封操作の際の開封容易性を作り出す作用に寄与している。即ち、谷折りされ注出口を形成する部分を手前に引き出す際に、窮屈な状態を緩和して、開口の端緒の隙間を形成し、スムースに注出口を形成するのに寄与している。
【0080】
従来型〔図5(a)〕についてみれば、これの痕跡図の図7(a)の2a、4bに接触して接着力に影響を及ぼした痕跡が、1に横長の長方形13として表されている。
図7の痕跡図でみると、従来型と第1発明、第2発明との相違点は、図7(b)の4b、2aに接触して接着力に影響を及ぼした痕跡が、従来型では横長の長方形13〔図7(a)〕であるのに対し、第1発明の痕跡では14〔図7(b)〕、第2発明の痕跡図では、15〔図7(c)〕となっている。
【0081】
この場合、塗布された抗接着剤は、図7(b)、(c)の2a、4bへそのまま転写された状態となる訳ではなく、影響を与えた痕跡が残り、抗接着剤を介在した状態のまま弱い接着状態となっているだけである。この部分が弱い接着状態となることが、剥離容易性に寄与しているものと考えられる。
【0082】
この抗接着剤が接触して接着力に影響を及ぼした痕跡の図7(b)、(c)の2a、4bは、本来注出口の形成部を構成する箇所ではない。然しながら、注出口の形成部に隣接しているので、注出口の形成に際し、窮屈な注出口の形成作業に当たり、この部分に抗接着剤が接触して接着力に影響を及ぼしていて、梃子の原理で当該個所が引っ張られた結果、この部分が剥離に至らない状態に破壊されて開口の端緒となり開口容易性に寄与していることが解かる。
【0083】
本願各発明の効果の内の開封容易性は、抗接着剤が開口部の接着力を制御していることにより得られるものであるから、開口部の接着力を制御できる構成であれば、その抗接着剤の塗布箇所がその位置を移動した場合であっても、必要な箇所に抗接着剤が介在していて接着力を制御できる構成であれば、同じ効果が得られる。
【0084】
そこで、本願発明の第3発明〔図6(a)〕、第4発明〔図6(b)〕、第5発明〔図6(c)〕に記載の通り、ブランクスの1の箇所に抗接着剤を塗布したものを提案した。
即ち、第3発明、第4発明、第5発明に記載のものは、従来型及び第1発明、第2発明の9a、9b、9c、及び12a、12b、12cを離れた場所であるブランクスの1の箇所に塗布したものである。
【0085】
上記の例によって、開封容易性及びシール漏れ原因の減少効果を実現したものである。
【0086】
本願発明で提案した第1発明、第2発明のタイプのものは、トップシールした場合、前記の通り抗接着剤の塗布面積を減少した箇所が、強い接着部に変り、弱い接着部がその分だけ、減少していることが両者の差異となっていると言える。
この結果、第1発明、第2発明では、従来型よりも強い接着部が増加し、弱い接着部が減少したことにより、この部分の接着力が向上した。
【0087】
本願発明の第3発明、第4発明、第5発明のタイプのものは、抗接着剤の塗布箇所をトップシール部の1、2、3、4の各部に分散した形態となっている。
これは、強い接着部と弱い接着部とが散在し、交互に入り混じった状態となっているから、シール性が向上したと言える。抗接着剤を細長く塗布するよりも、同じ長さを塗布するにしても、短く切れ切れに塗布した方がシール性向上の見地から好ましいと言える。
前記の通り、強い接着部はその接着力は強力であるから、その効果は大きなものがある。
【0088】
また、第1発明、第2発明は、従来型と比較して、全体の塗布面積が減少しているので、シール洩れの防止効果の向上が得られた。
また、第3〜第5発明についても、開口容易性の効果を齎すメカニズムは、前記第1及び第2発明の〔図5(b)、(c)〕の場合と同様なので、説明を省略する。
【0089】
即ち、本願第1発明から第5発明は、従来型の持つ開封容易性を維持するため、開封の端緒となる部分の機能はそのまま残して維持し、それと直接関連しない部分を、強い接着部分に振り向けた構成にした。
【0090】
上記の通り、本願第1発明から第5発明は、この開封容易性に寄与する機能を損なわないで従来型と同様な開封容易性の効果を維持しつつ、強い接着部となる箇所を増加させてシール洩れを減少した。これにより増加した強い接着部は、図8の14a、14b、15a、15bの点線で囲まれた箇所がこれに当る(図8参照)。
また、抗接着剤の塗布箇所をトップシール部に分散させて全体としてシール性を向上することを実現したものである。
【0091】
本願各発明を適用した後の開封容易性については、弱い接着部は、開封して注出口を作る操作の際に、力はトップシールの上方向から下方向に加えられるので、上方から見ると、弱い接着部の長さは、従来型の場合とは変わらず、これと全く同一の長さなので(開口の端緒となる箇所は減少されていない)、開封時に注出口を作る操作に要する力は、従来と殆ど変化がなく、開封容易性が適切に維持されていると言える。
【0092】
従来型と同様な開封容易性を維持しつつ、密封漏れ(シール漏れ)を解消することが出来た。
【0093】
次に、テトラカートンタイプの発明につき、ピュアカートンタイプとの主な相違点及び共通点を簡略に説明する。
【0094】
テトラカートンタイプの従来型〔図10(a)〕は、ピュアカートンタイプの従来型及び本願発明が備えている開封容易性を供えていない。即ち、開封容易性の端緒となる〔図10(b)〕記載の9b、12bが設けられていないからである。
然しながら、本願発明では、消費者が受けるメリットである開封容易性も重視しなければならない重要なファクターの1つであると考えた。
【0095】
そこで、この発明では、このテトラカートンタイプについても、ピュアカートンタイプと同様に、開封容易性の機能を付与すると共に、接着剤の塗布形状及び塗布箇所を変えて、トップ部のシール性を向上させ、両者のバランスのとれたものを実現した。
【0096】
ピュアカートンタイプにおいて解決した技術的課題を、このテトラカートンタイプのものにも適用したものである。従って、これにより得られる効果は、ピュアカートンタイプの場合と同じである。
【0097】
このタイプのものは、ピュアカートンタイプについて、上記に説明した理論がそのまま当てはまるものである。
【0098】
何故なら、ブランクスの形状の一部及び抗接着剤の塗布箇所が異なっているが、トップ部を構成するブランクス(図9参照)1、2、3、4が持つ機能のそれは全く同じであり、ただ、その配列の順序が異なっているのみであるからである。
とりわけ、抗接着剤を塗布して接着力を制御する本願発明の場合は、抗接着剤を塗布する箇所が違っていても、抗接着剤が介在して接着力を制御する機能により開口部が形成されれば、目的は達成されるからである。
【0099】
また、トップシール部のシール性を向上させるために、従来のものと比較して、抗接着剤の塗布箇所を分散・散在させて、全体としてのトップシール性の向上を図ること、トップシール部に、全体として弱い接着部を減少して、強い接着部を増加した構成にすることは、実施例1〜5記載のピュアカートンタイプの場合と全く同じ理論であるからである。
【0100】
例えば、図12(a)は、抗接着剤の塗布箇所を分散・散在させ(13、14)て、全体としてのトップシール性の向上を図ったものであるし、図12(b)、(c)は、トップシール部に、全体として弱い接着部を減少して、強い接着部を増加(15、15a、16、16b)の効果が得られことは、ピュアカートンタイプの場合の図8(b)、(c)の場合と同じである。
【0101】
また、テトラカートンタイプ及びピュアカートンタイプともに、箱の四隅の形成に必要不可欠な長さには、抗接着剤を塗布しない構成も同じである。
ピュアカートンタイプの図6(a)は、従来型の抗接着剤の塗布パターンであるが、抗接着剤を塗布していない3a、3bは、製箱の技術的見地から、いわゆる四隅の強いシールを確保するのに必要な箇所であり、強い接着部として残しておかなければならない箇所である。使用する製箱用用紙の接着力の強さに左右されるものであるから、一律に必要とされる長さが理論的に決まっているものではない。
9の左側、12の右側の抗接着剤を塗布していない箇所も同様である。テトラカートンタイプにおいても、同様である。
【0102】
また、開封容易性の端緒を得るのに必要とされる長さは、両タイプとも必要であり、使用する製箱用用紙の接着力の強さに左右されるものである。
【0103】
即ち、剥離容易性の機能を付与するために、開口の端緒となるべき抗接着剤を塗布する適宜な長さ(開口の端緒として機能する長さ)についても、一律に必要とされる長さが理論的に決まっているものではない。
【0104】
なお、この発明品の使用方法は、所定の形状に抗接着剤を塗布されサイドシール加工されたものを、食品メーカー等が、従来通り充填機を使用して行えばよく、格別な取扱いを必要としない。
また、消費者が行うこれの開封操作は、従来のゲーブルトップの場合と何ら変わりはなく、指定されて注出口を形成する操作を行えば良い。
【0105】
この発明は、食品・食品添加物等の規格基準以外の他の規格の容器であっても、適宜調整して適用することができる。
【0106】
また、この発明は、容量が1リットルの他、750ml、500ml、250mlのものにも適用することができる。何故ならば、このタイプの紙製液体容器は、容量の違いを、箱の高さで調整しているものであって、容器の底部の形成及びトップシール部の形成箇所の寸法は1リットルのものと寸法は変わらず、容器の高さ(背丈)の違いだけだからである。
【0107】
(試験例1)
シール性試験
従来型のブランクスを使用した場合、シール不良が発生しやすいとされている充填機を使用し、本願発明である実施例1、2、3、4、5、6、7、8、9,10記載のブランクスを使用して製箱し、夫々1,000本ずつ、合計10,000本に水を充填してシールを行い、その全数に付き人手による押圧・目視による点検を行ったが、シール漏れの不良品は見出せなかった。
【0108】
(試験例2)
開封容易性試験
1リットルの本願発明の実施例1、2、3、4、5、6、7、8、9、10記載のブランクスを使用して(本願発明である〔図5の(b)、(c)、図6の(a)、(b)、(c)〕及び〔図10(b)、(c)、図11(a)、(b)、(c)〕につき、水を充填した夫々500本について開封容易化試験を行った。開封はスムースに行うことができ、スムースに開封できないと評価されるものは、見い出せなかった。
【0109】
(試験例3)
次に振動試験例を示す。
試験目的
内容物を充填済みのカートンに振動試験機による振動を加えて、液洩れ発生の有無を確認した。
現実の輸送実態においては、振動周波数及び振幅の変化の再現は略不可能であるから、更に一定の振動条件の試験結果を以って、輸送時の安全性を保証することは困難であることから、JIS規格より過度の振動衝撃を加え、液漏れの原因究明(液漏れの危険性)と対策(輸送に対してより安全な対策)のデータを得ることを目的とした振動試験を実施した。
【0110】
1.振動試験条件について
(1)JIS規格
充填成型したカートンの振動試験条件について、下記のJISの振動試験方法(JISZ0200/包装貨物−評価試験方法通則、Z0232/包装貨物の振動試験方法)の基本に準拠した内容を採用した。
(2)振動試験の準拠内容
あらかじめ定めた振動加速度(0.5⇒2.3G)及び振動数範囲(5〜50Hz)の条件内で、共振振動数帯を含み、振動振幅を一定にして、時間につれて直線的に周波数を変化させた加振の実施により、カートンの振動耐久を調査する。
【0111】
2.振動試験の内容について
(1)振動試験機
メーカー アイデックス 型式 BF−500UC型
輸送に関わる振動試験をコンパクトに実施することを目的としている。振動振幅(P−Pmm)を手動にて一定条件を定め、周波数変動条件をプログラムした加振試験を実施して、加速度(G)の変化による影響を調査する。
【0112】
(2)当社振動試験条件について
▲1▼振動強度(振動加速度 G)の計算式
A(G)=(2π振動周波数Hz)2×片振幅cm/980
▲2▼振動試験条件
振動振幅(P−P) 1mm
加振周波数 5〜50Hz
加振時間 40分
1000km以上相当の過酷な輸送に相当する条件設定。
【0113】
3.振動試験の方法
中身を充填したパックを1クレート(500mlは20本入りで、クレート(通い箱)内の下段に12本入れ、その上段に8本載せる)に入れ、クレートを振動試験機の上に置き、加振(1000km以上相当の過酷な輸送に相当する)し、現物の漏れの状態を確認する。
図13参照。上下二段積みにした状態を示している。過酷な条件であると言える。
【0114】
今回は、特にトップ部の漏れを確認する為、クレート内の上段に載せた8本の加重がかかる下段の12本のトップ部の漏れ率を下記に示す。
図6(a)13/1200本 (従来型の場合)
図6(b)0/1200本
図6(c)0/1200本
図7(a)0/1200本
図7(b)0/1200本
図7(c)0/1200本
【0115】
上記試験結果は、現実の配送場面で起こる加圧条件の数倍の過酷な条件下においても、漏れが少なかったという結果は、シール性が極めて強固である証左であり、シール性が向上したと評価することができる。
【0116】
次に、この発明の実施例を示すが、この発明は、実施例に限定されるものではない。
実施例1〜5までは、ピュアカートンタイプと呼ばれるものである。
実施例6〜10までは、テトラカートンタイプと呼ばれるものである。
【実施例1】
【0117】
紙製包装容器(図1)は、北越パッケージ株式会社製のいわゆるミルクカートンである。
液体用1リットルのものを使用した。これは広く市販されているものである。
これは、縦295.00mm、全横幅295.80mmのものである。糊代は15.7mmである。
これは標準的な紙製容器の原材料であるから、他の市販の紙製容器にも適用できる。
【0118】
図5(b)の例の説明
上記牛乳の1リットル入りの紙製包装容器に基づき説明する。
1リットルの紙製容器は、四角柱状であり、これを展開すると1枚のブランクスからなるものである(図1)。図1は、ブランクスの裏面であり、容器の内側となる面である。左側は胴張りの糊代5である。四角柱状容器は折線を介して壁面1、2、3、4で構成されていて、横幅は295.80mm、高さは295.00mmである。2、3、4の各面の横幅は70.20mmであり、1は69.50mmである。
【0119】
注出口はブランクス裏面の2、3、4の面で形成されるので、抗接着剤の塗布は、この3面に施すことになる。抗接着剤はエチルセルロース・シリコン樹脂の混合物である。
これをグラビア印刷で、注出口となるべき個所に塗布した(図5)。抗接着剤の塗布はグラビア印刷で、3ミクロンの厚さとした。
【0120】
次に、順次抗接着剤を塗布する位置及びその形状について説明する。
以下は図5(b)に基づき説明する。
抗接着剤を塗布する箇所及びその形状は、まず、3に、10、11の形状に塗布する。上辺に接して縦8.70mm、横50.40mmの横長の長方形に塗布するが、3の中心線から左右対称に25.20mmずつになる位置にする。
【0121】
次に、前記3と水平の高さに、2に、9、9bの形状に塗布する。2の中心線に接して左側に縦8.7mm、長さ25.20mmの形状9の長方形にする。前記中心線に接して右側に上辺の長さ6.8mmの位置から、前記長方形9の下辺にかけて斜線を引いて、斜めに切欠した切出し小刀の刃先のような形状9bにする。即ち逆台形にする。
次に、4に前記1と左右対称に同じ位置・寸法の形状12、12bに塗布する〔図5(b)参照〕。これにより、上記の構成のブランクスが得られる。
【実施例2】
【0122】
図5(c)の例の説明
抗接着剤の塗布、その他は実施例1の記載と同じであるから、記載を省略し、異なる点のみ記載する。
【0123】
図5(c)記載の如く、2への塗布形状は前記実施例1と同じであるが、1及び3の抗接着剤の塗布形状が異なっている。図5(c)の9c、12cである。それぞれの、端部の切欠部分が、図5(b)の天地を逆転した台形の形状にしたものである。
上記の変更箇所を除き、寸法その他は、実施例1に記載のものが適用される。
これにより、上記の構成のブランクスが得られる。
【実施例3】
【0124】
図6(a)に基づき、説明する。
従来型の図5(a)に対応するものである。
従来型に対応するものであるが、〔図5(a)〕の9a及び12aの抗接着剤の塗布箇所のこの部分を、ブランクス1の中心線の左右に配置した。前記中心線の右側に9a、左側に12aを配置した構成にしたものである。
上記の変更箇所を除き、寸法その他は、実施例1に記載のものが適用される。
これにより、上記の構成のブランクスが得られる。
【実施例4】
【0125】
図6(b)に基づき、説明する。本願発明の〔図5(b)〕に対応するものである。〔図5(b)〕では、9b及び12bと従来型〔図5(a)〕よりも抗接着剤の塗布箇所を減じた形状としたが、この減じた形状のものをブランクス1の中心線の左右に配置した。前記中心線の右側に9b、左側に12bを配置して、逆三角形の形状に構成したものである。
上記の変更箇所を除き、寸法その他は、実施例1に記載のものが適用される。
これにより、上記の構成のブランクスが得られる。
【実施例5】
【0126】
図6(c)に基づき、説明する。本願発明の〔図5(c)〕に対応するものである。〔図5(c)では、9c及び12cと従来型〔図5(a)〕よりも抗接着剤の塗布箇所を減じた形状としたが、この減じた形状のものをブランクス1の中心線の左右に配置した。前記中心線の右側に9c、左側に12cを配置して、三角形の形状に構成したものである。
上記の変更箇所を除き、寸法その他は、実施例1に記載のものが適用される。
これにより、上記の構成のブランクスが得られる。
【実施例6】
【0127】
図9はテトラカートンタイプのブランクスの裏面を示す図である。以下実施例6から10までは、このタイプのものに関する。
抗接着剤の塗布面積に関する寸法等は、実施例1記載のものと殆ど同じなので、抗接着剤の塗布箇所を示すに止める。
参考までに示す図10(a)は、テトラカートンタイプの従来型であり、現在市場で販売されているものである。このものは、開封容易性の機能を付与する抗接着剤の塗布箇所が延長されていないので、開封容易性の効果は得られていないものである。
【0128】
そこで、本願発明はこれをベースに開封容易性及びシール性の向上を求めて、抗接着剤の塗布箇所を工夫したものである。
図10(b)に基づき説明する。
テトラカートンタイプの場合は、抗接着剤の塗布されている箇所がブランクスにおいて、ピュアパックタイプのものと異なっているが、その機能の説明は全く同じなので、以下は簡略に述べる。
ブランクス1には9、9b、2には10、11、3には12、12bの形状に抗接着剤を塗布する。4には、全く塗布しない。
特に9b、12bは、開封容易性の機能を得るために追加したものである。また、その形状が切り出し小刀の刃先のような形状にすることによって、切欠された部分が、トップシール部に強い接着部を増加したものである。
抗接着剤を図10(b)の記載ように塗布したものである。
これにより、上記の構成のブランクスが得られる。
【実施例7】
【0129】
テトラカートンタイプである。図10(c)に基づき説明する。
抗接着剤を図10(c)の記載ように塗布したものである。
これにより、上記の構成のブランクスが得られる。
図12は、実施例8、9、10の構成により、抗接着剤を離れた箇所に散在させて、全体としてのシール性を向上させた状態を示したものである。
【実施例8】
【0130】
テトラカートンタイプである。図11(a)に基づき説明する。
抗接着剤を図11(a)の記載ように塗布したものである。抗接着剤の塗布面の一部13、14を離れた場所に移したものである。
ブランクス4の、離れた箇に13、14の塗布箇所を移転し、トップシール部全域に散在させたことにより、トップシール部全体としてシール性が強化されている。
これにより、上記の構成のブランクスが得られる。
【実施例9】
【0131】
テトラカートンタイプである。図11(b)に基づき説明する。
抗接着剤を図11(b)の記載ように塗布したものである。抗接着剤の塗布面の一部9b、12bを離れた場所に移したものである。
図12(b)は、実施例9について、上記の抗接着剤の塗布箇所を散在させると共に、15、15aの部分が、本来の強い接着部に変わっているので、この分シール性が向上したと評価することができる。
これにより、上記の構成のブランクスが得られる。
【実施例10】
【0132】
テトラカートンタイプである。図11(c)に基づき説明する。
抗接着剤を図11(c)の記載ように塗布したものである。抗接着剤の塗布箇所の一部を離れた場所に移したものである。図12(c)は、実施例10について、上記の抗接着剤の塗布箇所を散在させると共に、16、16bの部分が、本来の強い接着部に変わっているので、この分シール性が向上したと評価することができる。
これにより、上記の構成ブランクスが得られる。
【図面の簡単な説明】
【0133】
【図1】は、本願発明ピュアカートンタイプのブランクスの展開裏面図。
【図2】は、同じく、ゲーブルトップ型容器の外観斜視図。
【図3】は、同じく、ピュアカートンタイプ容器上部のトップシール部の斜視図。
【図4】は、同じく、ピュアカートンタイプのトップシール前の容器上部の斜視図。
【図5】は、ピュアカートンタイプの従来型及び本願発明の抗接着剤の塗布箇所及び形状を示す一部省略部分図。(a)は、ピュアカートンタイプの従来型 (b)は、ピュアカートンタイプの本願第1発明の一部部分図 (c)は、ピュアカートンタイプの本願第2発明の一部部分図
【図6】(a)は、ピュアカートンタイプの本願第3発明の一部部分図 (b)は、ピュアカートンタイプの本願第4発明の一部部分図 (c)は、ピュアカートンタイプの本願第5発明の一部部分図
【図7】は、ピュアカートンタイプの改良型及び本願発明の抗接着剤が接触して接着力に影響を及ぼした痕跡を示す一部省略部分図。(a)は、従来型 (b)は、本願第1発明の一部部分図 (c)は、本願第2発明の一部部分図
【図8】は、ピュアカートンタイプの本願第1発明、第2発明により強い接着部が増加した状態を示す一部省略部分図。(a)は、従来型 (b)は、本願第1発明 (c)は、本願第2発明
【図9】は、テトラカートンタイプのブランクスの裏面図である。
【図10】(a)は、テトラカートンタイプの従来型のものの一部部分図 (b)は、テトラカートンタイプの本願第6の発明の一部部分図 (c)は、テトラカートンタイプの本願第7の発明の一部部分図
【図11】(a)は、テトラカートンタイプの本願第8の発明の一部部分図 (b)は、テトラカートンタイプの本願第9の発明の一部部分図 (c)は、テトラカートンタイプの本願第10の発明の一部部分図
【図12】(a)は、テトラカートンタイプの抗接着剤の塗布部を一部移転した状態を示す図。(b)は、テトラカートンタイプの抗接着剤の塗布部を一部移転し、その一部が強い接着部に変更された状態を示す図。(c)は、テトラカートンタイプの抗接着剤の塗布部を一部移転し、その一部が強い接着部に変更された状態を示す図。
【図13】は、振動試験のクレートに被試験品を積んだ状態を示す概念図。
【符号の説明】
【0134】
1(1a、1b)、2(2a、2b)、3(3a、3b)、4(4a、4b) 包装容器のトップシール箇所
2c、2d 矢示
2e 剥離され開口する箇所
5 糊代
5a 第1横罫線
6 紙製包装容器(ゲーブルトップ)
7 注出口
8 トップシール部
8a 横エンボスバー
9、9a、9b、9c、10、11、12a、12b、12c 抗接着剤の塗布部
12、13、14 抗接着剤が接触して影響を及ぼした箇所
14a、14b、15a、15b 弱い接着部から強い接着部に変わった部分
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲーブルトップ型紙製包装容器で注出口となるべき個所に抗接着剤を塗布して接着強度を制御するピュアカートンタイプの容器において、ブランクスの裏面で、胴部を形成する各壁面を、右から順に1、2、3、4として抗接着剤の塗布箇所を、
ブランクスの裏面3には、両側の隅のシールに必要な幅を採った位置に左右対称に引いた一対の縦線と、前記縦線間の上辺と、第1横罫線とで囲んだ範囲、
ブランクスの裏面2には、左側の隅のシールに必要な幅を採った位置に縦線と、前記3上辺と水平な位置に上辺を引き、上辺は前記縦線から中心線を超えた開口の端緒となる長さと、下辺は前記縦線から中心線までの第1横罫線と、前記上辺の右端と前記下辺の右端とを斜線で結んだ線の各線で囲んだ範囲、
ブランクスの裏面4には、右側の隅のシールに必要な幅を採った位置に縦線と、前記3上辺と水平な位置に上辺を引き、上辺は前記縦線から中心線を超えた開口の端緒となる長さと、下辺は前記縦線から中心線までの第1横罫線と、前記上辺の左端と前記下辺の左端とを斜線で結んだ線の各線で囲んだ範囲、
前記の範囲にそれぞれ抗接着剤を塗布したことを特徴とするゲーブルトップ型紙製液体用包装容器。
【請求項2】
ゲーブルトップ型紙製包装容器で注出口となるべき個所に抗接着剤を塗布して接着強度を制御するピュアカートンタイプの容器において、ブランクスの裏面で、胴部を形成する各壁面を、右から順に1、2、3、4として抗接着剤の塗布箇所を、
ブランクスの裏面3には、両側の隅のシールに必要な幅を採った位置に、左右対称に引いた一対の縦線と、縦線間の上辺と、第1横罫線とで囲んだ範囲、
ブランクスの裏面2には、左側の隅のシールに必要な幅を採った位置に引いた縦線と、前記3上辺と水平な位置に上辺を引き、上辺は前記縦線から中心線まで、下辺は前記縦線から中心線を超えた開口の端緒となる長さと、前記上辺の右端と前記下辺の右端とを斜線で結んだ線の各線で囲んだ範囲、
ブランクスの裏面4には、右側の隅のシールに必要な幅を採った位置に引いた縦線と、前記3上辺と水平な位置に上辺を引き、上辺は前記縦線から中心線まで、下辺は前記縦線から中心線を超えた開口の端緒となる長さの第1横罫線と、前記上辺の左端と前記下辺の左端とを斜線で結んだ線の各線で囲んだ範囲、
前記の範囲にそれぞれ抗接着剤を塗布したことを特徴とするゲーブルトップ型紙製液体用包装容器。
【請求項3】
ゲーブルトップ型紙製包装容器で注出口となるべき個所に抗接着剤を塗布して接着強度を制御するピュアカートンタイプの容器において、ブランクスの裏面で、胴部を形成する各壁面を、右から順に1、2、3、4として抗接着剤の塗布箇所を、
ブランクスの裏面3には、阿側の隅のシールに必要な幅を採った位置に左右対称に引いた一対の縦線と、前記縦線間の上辺と、第1横罫線とで囲んだ範囲、
ブランクスの裏面2には、左側の隅のシールに必要な幅を採った位置に縦線と、前記3の上辺と水平な位置に上辺を引き、上辺は前記縦線から中心線までの長さと、下辺は前記縦線から中心線までの第1横罫線との、各線で囲んだ範囲、
ブランクスの裏面4には、右側の隅のシールに必要な幅を採った位置に縦線と、前記3の上辺と水平な位置に上辺を引き、上辺は前記縦線から中心線までの長さと、下辺は前記縦線から中心線までの第1横罫線との各線で囲んだ範囲、
ブランクスの裏面1には、前記3の上辺と水平な位置に上辺、上辺は中心線から左右に開口の端緒となる長さ、前記開口の端緒となる長さの位置に左右一対の縦線と、下辺は第1横罫線との各線で囲まれた範囲、
前記の範囲にそれぞれ抗接着剤を塗布したことを特徴とするゲーブルトップ型紙製液体用包装容器。
【請求項4】
ゲーブルトップ型紙製包装容器で注出口となるべき個所に抗接着剤を塗布して接着強度を制御するピュアカートンタイプの容器において、ブランクスの裏面で、胴部を形成する各壁面を、右から順に1、2、3、4として抗接着剤の塗布箇所を、
ブランクスの裏面3には、両側の隅のシールに必要な幅を採った位置に左右対称に引いた一対の縦線と、前記縦線間の上辺と、下辺は第1横罫線とで囲んだ範囲、
ブランクスの裏面2には、左側の隅のシールに必要な幅を採った位置に縦線と、前記3の上辺と水平な高さに上辺を引き、上辺は前記縦線から中心線までの長さと、下辺は前記縦線から中心線までの第1横罫線と、
ブランクスの裏面4には、右側の隅のシールに必要な幅を採った位置に縦線と、上辺は前記3の上辺と水平な高さに上辺を引き、上辺は前記縦線から中心線までの長さと、下辺は前記縦線から中心線までの第1横罫線と、
ブランクスの裏面1には、前記3の上辺と水平な高さに上辺、上辺は中心線から左右に夫々開口の端緒となる長さ、下頂点は第1横罫線と中心点との交点、前記上辺と前記下頂点とを夫々斜線で結んでできる逆三角形の範囲、
前記の範囲にそれぞれ抗接着剤を塗布したことを特徴とするゲーブルトップ型紙製液体用包装容器。
【請求項5】
ゲーブルトップ型紙製包装容器で注出口となるべき個所に抗接着剤を塗布して接着強度を制御するピュアカートンタイプの容器において、ブランクスの裏面で、胴部を形成する各壁面を、右から順に1、2、3、4として抗接着剤の塗布箇所を、
ブランクスの裏面3には、両側の隅のシールに必要な幅を採った位置に、左右対称に引いた一対の縦線と、縦線間の上辺と、下辺は第1横罫線とで囲んだ範囲、
ブランクスの裏面2には、左側の隅のシールに必要な幅を採った位置に引いた縦線と、前記3の上辺と水平な高さに上辺を引き、上辺は前記縦線から中心線まで、下辺は前記縦線から中心線までの長さの第1横罫線とで囲んだ範囲、
ブランクスの裏面4には、右側の隅のシールに必要な幅を採った位置に引いた縦線と、前記3の上辺と水平な高さに上辺を引き、上辺は前記縦線から中心線まで、下辺は前記縦線から中心線までの長さの第1横罫線と、の各線で囲んだ範囲、
ブランクスの裏面1には、前記3の上辺と水平な高さの線と中心線との交点、下辺は中心線から左右に夫々開口の端緒となる長さ、下辺の両端から前記交点とを斜線で結んだ三角形の範囲、
前記の範囲にそれぞれ抗接着剤を塗布したことを特徴とするゲーブルトップ型紙製液体用包装容器。
【請求項6】
ゲーブルトップ型紙製包装容器で注出口となるべき個所に抗接着剤を塗布して接着強度を制御するテトラカートンタイプの容器において、ブランクスの裏面で、胴部を形成する各壁面を、右から順に1、2、3、4として抗接着剤の塗布箇所を、
ブランクスの裏面2には、両側の隅のシールに必要な幅を採った位置に左右対称に引いた一対の縦線と、前記縦線間の上辺と、第1横罫線とで囲んだ範囲、
ブランクスの裏面1には、左側の隅のシールに必要な幅を採った位置に縦線と、前記2の上辺と水平な位置に上辺を引き、上辺は前記縦線から中心線を超えた開口の端緒となる長さと、下辺は前記縦線から中心線までの第1横罫線と、前記上辺の右端と前記下辺の右端とを斜線で結んだ線の各線で囲んだ範囲、
ブランクスの裏面3には、右側の隅のシールに必要な幅を採った位置に縦線と、前記2上辺と水平な位置に上辺を引き、上辺は前記縦線から中心線を超えた開口の端緒となる長さと、下辺は前記縦線から中心線までの第1横罫線と、前記上辺の左端と前記下辺の左端とを斜線で結んだ線の各線で囲んだ範囲、
前記の範囲にそれぞれ抗接着剤を塗布したことを特徴とするゲーブルトップ型紙製液体用包装容器
【請求項7】
ゲーブルトップ型紙製包装容器で注出口となるべき個所に抗接着剤を塗布して接着強度を制御するテトラカートンタイプの容器において、ブランクスの裏面で、胴部を形成する各壁面を、右から順に1、2、3、4として抗接着剤の塗布箇所を、
ブランクスの裏面2には、両側の隅のシールに必要な幅を採った位置に、左右対称に引いた一対の縦線と、縦線間の上辺と、第1横罫線とで囲んだ範囲、
ブランクスの裏面1には、左側の隅のシールに必要な幅を採った位置に引いた縦線と、前記2の上辺と水平な位置に上辺を引き、上辺は前記縦線から中心線まで、下辺は前記縦線から中心線を超えた開口の端緒となる長さと、前記上辺の右端と前記下辺の右端とを斜線で結んだ線の各線で囲んだ範囲、
ブランクスの裏面3には、右側の隅のシールに必要な幅を採った位置に引いた縦線と、前記2の上辺と水平な位置に上辺を引き、上辺は前記縦線から中心線まで、下辺は前記縦線から中心線を超えた開口の端緒となる長さの第1横罫線と、前記上辺の左端と前記下辺の左端とを斜線で結んだ線の各線で囲んだ範囲、
前記の範囲にそれぞれ抗接着剤を塗布したことを特徴とするゲーブルトップ型紙製液体用包装容器。
【請求項8】
ゲーブルトップ型紙製包装容器で注出口となるべき個所に抗接着剤を塗布して接着強度を制御するテトラカートンタイプの容器において、ブランクスの裏面で、胴部を形成する各壁面を、右から順に1、2、3、4として抗接着剤の塗布箇所を、
ブランクスの裏面2には、両側の隅のシールに必要な幅を採った位置に左右対称に引いた一対の縦線と、前記縦線間の上辺と、第1横罫線とで囲んだ範囲、
ブランクスの裏面1には、左側の隅のシールに必要な幅を採った位置に縦線と、前記2の上辺と水平な位置に上辺を引き、上辺は前記縦線から中心線までの長さと、下辺は前記縦線から中心線までの第1横罫線と、中心線との各線で囲んだ範囲、
ブランクスの裏面3には、右側の隅のシールに必要な幅を採った位置に縦線と、前記2の上辺と水平な位置に上辺を引き、上辺は前記縦線から中心線までの長さと、下辺は前記縦線から中心線までの第1横罫線との各線で囲んだ範囲、
ブランクスの裏面4には、前記3の上辺と水平な位置に上辺、上辺は中心線から左右にそれぞれ開口の端緒となる長さ、前記開口の端緒となる長さの位置に左右一対の縦線と、下辺は第1横罫線との各線で囲まれた範囲、
前記の範囲にそれぞれ抗接着剤を塗布したことを特徴とするゲーブルトップ型紙製液体用包装容器。
【請求項9】
ゲーブルトップ型紙製包装容器で注出口となるべき個所に抗接着剤を塗布して接着強度を制御するテトラカートンタイプの容器において、ブランクスの裏面で、胴部を形成する各壁面を、右から順に1、2、3、4として抗接着剤の塗布箇所を、
ブランクスの裏面2には、両側の隅のシールに必要な幅を採った位置に左右対称に引いた一対の縦線と、前記縦線間の上辺と、下辺は第1横罫線とで囲んだ範囲、
ブランクスの裏面1には、左側の隅のシールに必要な幅を採った位置に縦線と、前記2の上辺と水平な高さに上辺を引き、上辺は前記縦線から中心線までの長さと、下辺は前記縦線から中心線までの第1横罫線と、中心線との各線で囲んだ範囲、
ブランクスの裏面3には、右側の隅のシールに必要な幅を採った位置に縦線と、上辺は前記2の上辺と水平な高さに上辺を引き、上辺は前記縦線から中心線までの長さと、下辺は前記縦線から中心線までの第1横罫線と、中心線との各線で囲んだ範囲、
ブランクスの裏面4には、前記2の上辺と水平な高さに上辺、上辺は中心線から左右に夫々開口の端緒となる長さ、下頂点は第1横罫線と中心線との交点、前記上辺と前記下頂点とを夫々斜線で結んでできる逆三角形の範囲、
前記の範囲にそれぞれ抗接着剤を塗布したことを特徴とするゲーブルトップ型紙製液体用包装容器。
【請求項10】
ゲーブルトップ型紙製包装容器で注出口となるべき個所に抗接着剤を塗布して接着強度を制御するテトラカートンタイプの容器において、ブランクスの裏面で、胴部を形成する各壁面を、右から順に1、2、3、4として抗接着剤の塗布箇所を、
ブランクスの裏面2には、両側の隅のシールに必要な幅を採った位置に、左右対称に引いた一対の縦線と、縦線間の上辺と、下辺は第1横罫線とで囲んだ範囲、
ブランクスの裏面1には、左側の隅のシールに必要な幅を採った位置に引いた縦線と、前記2の上辺と水平な高さに上辺を引き、上辺は前記縦線から中心線まで、下辺は前記縦線から中心線までの長さの第1横罫線と中心線とで囲んだ範囲、
ブランクスの裏面3には、右側の隅のシールに必要な幅を採った位置に引いた縦線と、前記2の上辺と水平な高さに上辺を引き、上辺は前記縦線から中心線まで、下辺は前記縦線から中心線までの長さの第1横罫線と中心線との各線で囲んだ範囲、
ブランクスの裏面4には、前記2の上辺と水平な高さの線と中心線との交点、下辺は中心線から左右に夫々開口の端緒となる長さ、下辺の両端から前記交点とを斜線で結んだ三角形の範囲、
前記の範囲にそれぞれ抗接着剤を塗布したことを特徴とするゲーブルトップ型紙製液体用包装容器。
【請求項1】
ゲーブルトップ型紙製包装容器で注出口となるべき個所に抗接着剤を塗布して接着強度を制御するピュアカートンタイプの容器において、ブランクスの裏面で、胴部を形成する各壁面を、右から順に1、2、3、4として抗接着剤の塗布箇所を、
ブランクスの裏面3には、両側の隅のシールに必要な幅を採った位置に左右対称に引いた一対の縦線と、前記縦線間の上辺と、第1横罫線とで囲んだ範囲、
ブランクスの裏面2には、左側の隅のシールに必要な幅を採った位置に縦線と、前記3上辺と水平な位置に上辺を引き、上辺は前記縦線から中心線を超えた開口の端緒となる長さと、下辺は前記縦線から中心線までの第1横罫線と、前記上辺の右端と前記下辺の右端とを斜線で結んだ線の各線で囲んだ範囲、
ブランクスの裏面4には、右側の隅のシールに必要な幅を採った位置に縦線と、前記3上辺と水平な位置に上辺を引き、上辺は前記縦線から中心線を超えた開口の端緒となる長さと、下辺は前記縦線から中心線までの第1横罫線と、前記上辺の左端と前記下辺の左端とを斜線で結んだ線の各線で囲んだ範囲、
前記の範囲にそれぞれ抗接着剤を塗布したことを特徴とするゲーブルトップ型紙製液体用包装容器。
【請求項2】
ゲーブルトップ型紙製包装容器で注出口となるべき個所に抗接着剤を塗布して接着強度を制御するピュアカートンタイプの容器において、ブランクスの裏面で、胴部を形成する各壁面を、右から順に1、2、3、4として抗接着剤の塗布箇所を、
ブランクスの裏面3には、両側の隅のシールに必要な幅を採った位置に、左右対称に引いた一対の縦線と、縦線間の上辺と、第1横罫線とで囲んだ範囲、
ブランクスの裏面2には、左側の隅のシールに必要な幅を採った位置に引いた縦線と、前記3上辺と水平な位置に上辺を引き、上辺は前記縦線から中心線まで、下辺は前記縦線から中心線を超えた開口の端緒となる長さと、前記上辺の右端と前記下辺の右端とを斜線で結んだ線の各線で囲んだ範囲、
ブランクスの裏面4には、右側の隅のシールに必要な幅を採った位置に引いた縦線と、前記3上辺と水平な位置に上辺を引き、上辺は前記縦線から中心線まで、下辺は前記縦線から中心線を超えた開口の端緒となる長さの第1横罫線と、前記上辺の左端と前記下辺の左端とを斜線で結んだ線の各線で囲んだ範囲、
前記の範囲にそれぞれ抗接着剤を塗布したことを特徴とするゲーブルトップ型紙製液体用包装容器。
【請求項3】
ゲーブルトップ型紙製包装容器で注出口となるべき個所に抗接着剤を塗布して接着強度を制御するピュアカートンタイプの容器において、ブランクスの裏面で、胴部を形成する各壁面を、右から順に1、2、3、4として抗接着剤の塗布箇所を、
ブランクスの裏面3には、阿側の隅のシールに必要な幅を採った位置に左右対称に引いた一対の縦線と、前記縦線間の上辺と、第1横罫線とで囲んだ範囲、
ブランクスの裏面2には、左側の隅のシールに必要な幅を採った位置に縦線と、前記3の上辺と水平な位置に上辺を引き、上辺は前記縦線から中心線までの長さと、下辺は前記縦線から中心線までの第1横罫線との、各線で囲んだ範囲、
ブランクスの裏面4には、右側の隅のシールに必要な幅を採った位置に縦線と、前記3の上辺と水平な位置に上辺を引き、上辺は前記縦線から中心線までの長さと、下辺は前記縦線から中心線までの第1横罫線との各線で囲んだ範囲、
ブランクスの裏面1には、前記3の上辺と水平な位置に上辺、上辺は中心線から左右に開口の端緒となる長さ、前記開口の端緒となる長さの位置に左右一対の縦線と、下辺は第1横罫線との各線で囲まれた範囲、
前記の範囲にそれぞれ抗接着剤を塗布したことを特徴とするゲーブルトップ型紙製液体用包装容器。
【請求項4】
ゲーブルトップ型紙製包装容器で注出口となるべき個所に抗接着剤を塗布して接着強度を制御するピュアカートンタイプの容器において、ブランクスの裏面で、胴部を形成する各壁面を、右から順に1、2、3、4として抗接着剤の塗布箇所を、
ブランクスの裏面3には、両側の隅のシールに必要な幅を採った位置に左右対称に引いた一対の縦線と、前記縦線間の上辺と、下辺は第1横罫線とで囲んだ範囲、
ブランクスの裏面2には、左側の隅のシールに必要な幅を採った位置に縦線と、前記3の上辺と水平な高さに上辺を引き、上辺は前記縦線から中心線までの長さと、下辺は前記縦線から中心線までの第1横罫線と、
ブランクスの裏面4には、右側の隅のシールに必要な幅を採った位置に縦線と、上辺は前記3の上辺と水平な高さに上辺を引き、上辺は前記縦線から中心線までの長さと、下辺は前記縦線から中心線までの第1横罫線と、
ブランクスの裏面1には、前記3の上辺と水平な高さに上辺、上辺は中心線から左右に夫々開口の端緒となる長さ、下頂点は第1横罫線と中心点との交点、前記上辺と前記下頂点とを夫々斜線で結んでできる逆三角形の範囲、
前記の範囲にそれぞれ抗接着剤を塗布したことを特徴とするゲーブルトップ型紙製液体用包装容器。
【請求項5】
ゲーブルトップ型紙製包装容器で注出口となるべき個所に抗接着剤を塗布して接着強度を制御するピュアカートンタイプの容器において、ブランクスの裏面で、胴部を形成する各壁面を、右から順に1、2、3、4として抗接着剤の塗布箇所を、
ブランクスの裏面3には、両側の隅のシールに必要な幅を採った位置に、左右対称に引いた一対の縦線と、縦線間の上辺と、下辺は第1横罫線とで囲んだ範囲、
ブランクスの裏面2には、左側の隅のシールに必要な幅を採った位置に引いた縦線と、前記3の上辺と水平な高さに上辺を引き、上辺は前記縦線から中心線まで、下辺は前記縦線から中心線までの長さの第1横罫線とで囲んだ範囲、
ブランクスの裏面4には、右側の隅のシールに必要な幅を採った位置に引いた縦線と、前記3の上辺と水平な高さに上辺を引き、上辺は前記縦線から中心線まで、下辺は前記縦線から中心線までの長さの第1横罫線と、の各線で囲んだ範囲、
ブランクスの裏面1には、前記3の上辺と水平な高さの線と中心線との交点、下辺は中心線から左右に夫々開口の端緒となる長さ、下辺の両端から前記交点とを斜線で結んだ三角形の範囲、
前記の範囲にそれぞれ抗接着剤を塗布したことを特徴とするゲーブルトップ型紙製液体用包装容器。
【請求項6】
ゲーブルトップ型紙製包装容器で注出口となるべき個所に抗接着剤を塗布して接着強度を制御するテトラカートンタイプの容器において、ブランクスの裏面で、胴部を形成する各壁面を、右から順に1、2、3、4として抗接着剤の塗布箇所を、
ブランクスの裏面2には、両側の隅のシールに必要な幅を採った位置に左右対称に引いた一対の縦線と、前記縦線間の上辺と、第1横罫線とで囲んだ範囲、
ブランクスの裏面1には、左側の隅のシールに必要な幅を採った位置に縦線と、前記2の上辺と水平な位置に上辺を引き、上辺は前記縦線から中心線を超えた開口の端緒となる長さと、下辺は前記縦線から中心線までの第1横罫線と、前記上辺の右端と前記下辺の右端とを斜線で結んだ線の各線で囲んだ範囲、
ブランクスの裏面3には、右側の隅のシールに必要な幅を採った位置に縦線と、前記2上辺と水平な位置に上辺を引き、上辺は前記縦線から中心線を超えた開口の端緒となる長さと、下辺は前記縦線から中心線までの第1横罫線と、前記上辺の左端と前記下辺の左端とを斜線で結んだ線の各線で囲んだ範囲、
前記の範囲にそれぞれ抗接着剤を塗布したことを特徴とするゲーブルトップ型紙製液体用包装容器
【請求項7】
ゲーブルトップ型紙製包装容器で注出口となるべき個所に抗接着剤を塗布して接着強度を制御するテトラカートンタイプの容器において、ブランクスの裏面で、胴部を形成する各壁面を、右から順に1、2、3、4として抗接着剤の塗布箇所を、
ブランクスの裏面2には、両側の隅のシールに必要な幅を採った位置に、左右対称に引いた一対の縦線と、縦線間の上辺と、第1横罫線とで囲んだ範囲、
ブランクスの裏面1には、左側の隅のシールに必要な幅を採った位置に引いた縦線と、前記2の上辺と水平な位置に上辺を引き、上辺は前記縦線から中心線まで、下辺は前記縦線から中心線を超えた開口の端緒となる長さと、前記上辺の右端と前記下辺の右端とを斜線で結んだ線の各線で囲んだ範囲、
ブランクスの裏面3には、右側の隅のシールに必要な幅を採った位置に引いた縦線と、前記2の上辺と水平な位置に上辺を引き、上辺は前記縦線から中心線まで、下辺は前記縦線から中心線を超えた開口の端緒となる長さの第1横罫線と、前記上辺の左端と前記下辺の左端とを斜線で結んだ線の各線で囲んだ範囲、
前記の範囲にそれぞれ抗接着剤を塗布したことを特徴とするゲーブルトップ型紙製液体用包装容器。
【請求項8】
ゲーブルトップ型紙製包装容器で注出口となるべき個所に抗接着剤を塗布して接着強度を制御するテトラカートンタイプの容器において、ブランクスの裏面で、胴部を形成する各壁面を、右から順に1、2、3、4として抗接着剤の塗布箇所を、
ブランクスの裏面2には、両側の隅のシールに必要な幅を採った位置に左右対称に引いた一対の縦線と、前記縦線間の上辺と、第1横罫線とで囲んだ範囲、
ブランクスの裏面1には、左側の隅のシールに必要な幅を採った位置に縦線と、前記2の上辺と水平な位置に上辺を引き、上辺は前記縦線から中心線までの長さと、下辺は前記縦線から中心線までの第1横罫線と、中心線との各線で囲んだ範囲、
ブランクスの裏面3には、右側の隅のシールに必要な幅を採った位置に縦線と、前記2の上辺と水平な位置に上辺を引き、上辺は前記縦線から中心線までの長さと、下辺は前記縦線から中心線までの第1横罫線との各線で囲んだ範囲、
ブランクスの裏面4には、前記3の上辺と水平な位置に上辺、上辺は中心線から左右にそれぞれ開口の端緒となる長さ、前記開口の端緒となる長さの位置に左右一対の縦線と、下辺は第1横罫線との各線で囲まれた範囲、
前記の範囲にそれぞれ抗接着剤を塗布したことを特徴とするゲーブルトップ型紙製液体用包装容器。
【請求項9】
ゲーブルトップ型紙製包装容器で注出口となるべき個所に抗接着剤を塗布して接着強度を制御するテトラカートンタイプの容器において、ブランクスの裏面で、胴部を形成する各壁面を、右から順に1、2、3、4として抗接着剤の塗布箇所を、
ブランクスの裏面2には、両側の隅のシールに必要な幅を採った位置に左右対称に引いた一対の縦線と、前記縦線間の上辺と、下辺は第1横罫線とで囲んだ範囲、
ブランクスの裏面1には、左側の隅のシールに必要な幅を採った位置に縦線と、前記2の上辺と水平な高さに上辺を引き、上辺は前記縦線から中心線までの長さと、下辺は前記縦線から中心線までの第1横罫線と、中心線との各線で囲んだ範囲、
ブランクスの裏面3には、右側の隅のシールに必要な幅を採った位置に縦線と、上辺は前記2の上辺と水平な高さに上辺を引き、上辺は前記縦線から中心線までの長さと、下辺は前記縦線から中心線までの第1横罫線と、中心線との各線で囲んだ範囲、
ブランクスの裏面4には、前記2の上辺と水平な高さに上辺、上辺は中心線から左右に夫々開口の端緒となる長さ、下頂点は第1横罫線と中心線との交点、前記上辺と前記下頂点とを夫々斜線で結んでできる逆三角形の範囲、
前記の範囲にそれぞれ抗接着剤を塗布したことを特徴とするゲーブルトップ型紙製液体用包装容器。
【請求項10】
ゲーブルトップ型紙製包装容器で注出口となるべき個所に抗接着剤を塗布して接着強度を制御するテトラカートンタイプの容器において、ブランクスの裏面で、胴部を形成する各壁面を、右から順に1、2、3、4として抗接着剤の塗布箇所を、
ブランクスの裏面2には、両側の隅のシールに必要な幅を採った位置に、左右対称に引いた一対の縦線と、縦線間の上辺と、下辺は第1横罫線とで囲んだ範囲、
ブランクスの裏面1には、左側の隅のシールに必要な幅を採った位置に引いた縦線と、前記2の上辺と水平な高さに上辺を引き、上辺は前記縦線から中心線まで、下辺は前記縦線から中心線までの長さの第1横罫線と中心線とで囲んだ範囲、
ブランクスの裏面3には、右側の隅のシールに必要な幅を採った位置に引いた縦線と、前記2の上辺と水平な高さに上辺を引き、上辺は前記縦線から中心線まで、下辺は前記縦線から中心線までの長さの第1横罫線と中心線との各線で囲んだ範囲、
ブランクスの裏面4には、前記2の上辺と水平な高さの線と中心線との交点、下辺は中心線から左右に夫々開口の端緒となる長さ、下辺の両端から前記交点とを斜線で結んだ三角形の範囲、
前記の範囲にそれぞれ抗接着剤を塗布したことを特徴とするゲーブルトップ型紙製液体用包装容器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−236647(P2012−236647A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−119695(P2011−119695)
【出願日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【出願人】(593074857)北越パッケージ株式会社 (8)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【出願人】(593074857)北越パッケージ株式会社 (8)
【Fターム(参考)】
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