説明

開閉作業工具

【課題】本発明は、極めて商品価値の高い画期的な開閉作業工具を提供することを目的とする。
【解決手段】一対の半体1,2同志を枢着し、この枢着部3の一端側に設けられる握持操作部4の開閉操作により開閉動して切断,挟持,圧搾,孔開け等の手動作業をする開閉作業部5を前記枢着部3の他端側に設けた開閉作業工具において、前記開閉作業部5を開放方向に付勢する開放付勢を発揮する付勢機構6を具備し、この付勢機構6は、開閉作業部5を閉塞方向に付勢する閉塞付勢を発揮するように付勢方向を切り替え自在に構成したものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペンチやニッパなどの開閉作業工具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、ペンチやニッパなどの開閉作業工具として、一対の半体同志を交叉枢着し、この枢着部の一端側に設けられる一対の握持半体から成る握持操作部の開閉操作により開閉動する一対の作業半体から成る開閉作業部を前記枢着部の他端側に設け、前記握持操作部の閉塞動に伴い握持操作部を開放方向に付勢する開放付勢作用を生じる開放付勢体を設けた開閉作業工具が提案されている。
【0003】
この開放付勢体を設けた開閉作業工具は、握持操作部を握る力を抜くだけで開放付勢体の開放付勢により先端部の開閉作業部が開放することになるから、被挟持物を摘んでは直ぐ離す、摘んでは直ぐ離す、といった開閉作業部の開閉を素早く繰り返し行なう作業に便利である(仮に開閉付勢体を具備しないタイプの開閉作業工具でこの作業を行なう場合、握持操作部を広げる方向への操作は一方の半体を指で挟んで行なうことになるが、これは非常に厄介で作業性が悪い。)。
【0004】
ところが、この開放付勢体を設けた開閉作業工具は、前述した構造上、通常は開閉作業部における刃が露出した状態となる為、例えば不使用時に保管する場合などに安全性に問題点がある。
【0005】
そこで、従来において、握持操作部に開閉作業部の閉塞状態を保持するストッパーを設けたタイプの開閉作業工具(以下、従来例という。)が提案されている。
【0006】
この従来例は、一方の握持半体の基端部に、他方の握持半体の基端部に架け渡して係止するリング部材を擺動自在に設けたものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、この従来例は、それまで提案される開放付勢体を具備しないタイプのものに比し、この開放付勢体の他にもストッパー構造を別途設けることになる為、量産性が悪くコスト高であり、作業の邪魔になる場合があるなどの問題点がある。
【0008】
本発明は、上述した問題点に着目し、極めて商品価値の高い画期的な開閉作業工具を開発した。
【課題を解決するための手段】
【0009】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0010】
一対の半体1,2同志を枢着し、この枢着部3の一端側に設けられる握持操作部4の開閉操作により開閉動して切断,挟持,圧搾,孔開け等の手動作業をする開閉作業部5を前記枢着部3の他端側に設けた開閉作業工具において、前記開閉作業部5を開放方向に付勢する開放付勢を発揮する付勢機構6を具備し、この付勢機構6は、開閉作業部5を閉塞方向に付勢する閉塞付勢を発揮するように付勢方向を切り替え自在に構成したことを特徴とする開閉作業工具に係るものである。
【0011】
また、前記付勢機構6は、閉じ状態の前記開閉作業部5を切断,挟持,圧搾,孔開け等の手動作業に必要となる開放位置となるまで開放方向に付勢する開放付勢状態と、前記開閉作業部5を閉塞方向に付勢して閉じ状態で該開閉作業部5を保持する閉塞付勢状態とを切り替え自在に構成したことを特徴とする請求項1記載の開閉作業工具に係るものである。
【0012】
また、一方向及びこの一方向と反対となる他方向いずれの方向への変形に際して戻り付勢を生じる付勢体7を具備し、この付勢体7を一方向に変形させた際に生じる戻り付勢が前記開閉作業部5を開放方向に付勢する開放付勢として発揮するとともに、他方向へ変形させた際に生じる戻り付勢が前記開閉作業部5を閉塞方向に付勢する閉塞付勢として発揮するように設けて、前記付勢方向が切り替え自在な前記付勢機構6を構成したことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の開閉作業工具に係るものである。
【0013】
また、前記付勢体7として一方向及び他方向いずれの方向への曲げ変形に際して戻り付勢を生じる付勢体7を採用し、この付勢体7を曲げ変形する方向を切り替えることで前記付勢方向が切り替え自在となるように設けて前記付勢機構6を構成したことを特徴とする請求項3記載の開閉作業工具に係るものである。
【0014】
また、前記付勢機構6は、前記握持操作部4を構成する一対の握持半体1a,2aのうち一方の握持半体1aに突設した付勢体7により押圧付勢される受け体8を他方の握持半体2aに設けて構成されており、この付勢体7の受け体8に対する当接位置を可変して付勢体7を曲げ変形する方向を切り替えることで前記付勢方向が切り替わるように前記付勢機構6を構成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の開閉作業工具に係るものである。
【0015】
また、前記付勢機構6は、前記握持操作部4を構成する一対の握持半体1a,2aのうち一方の握持半体1aに突設した付勢体7により押圧付勢される受け体8を他方の握持半体2aに設けて構成されており、前記付勢体7は、前記一方の握持半体1aから突出する突出位置Pから一方向及び他方向いずれの方向への曲げ変形に際して前記突出位置Pまで戻り付勢を生じるように構成されており、前記開閉作業部5を閉塞する握持操作部4の操作に際し、他方の握持半体2aに設けた受け体8の一側部8aが前記付勢体7に圧接して該付勢体7を前記突出位置Pから一方向に曲げ変形させた際、前記開閉作業部5を開放方向に付勢する開放付勢が生じ、この開放付勢を生じる曲げ変形方向と反対方向にして前記突出位置Pから他方向に前記付勢体7を曲げ変形させ前記受け体8の他側部8bに該付勢体7を圧接させた際、開閉作業部5の閉塞状態を保持する閉塞付勢が生じるように構成したことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の開閉作業工具に係るものである。
【0016】
また、前記付勢体7の先端部に曲がり部9を設け、この曲がり部9の曲がり外面9aを、開閉作業部5を閉塞する握持操作部4の操作に際し、他方の握持半体2aに設けた前記受け体8の一側部8aが圧接する部位とし、前記曲がり部9の曲がり内面9bを、開放付勢を生じる曲がり変形方向と反対方向にして突出位置Pから他方向に付勢体7を曲がり変形させることで受け体8の他側部8bに圧接する部位としたことを特徴とする請求項5,6のいずれか1項に記載の開閉作業工具に係るものである。
【0017】
また、前記一方の握持半体1aを構成する棒状材14に被嵌されるグリップ材10に設けた配設部10a若しくは棒状材14と該棒状材14に被嵌されるグリップ材10との間に長尺の付勢体7の基端部を配設して前記付勢機構6を構成したことを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の開閉作業工具に係るものである。
【0018】
また、前記開閉作業部5として、作業半体1b,2b夫々の内縁に刃部11,12が設けられた開閉作業部5を採用したことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の開閉作業工具に係るものである。
【発明の効果】
【0019】
本発明は上述のように構成したから、例えば使用時には開放付勢機能を有するため非常に便利であり、不使用時には閉塞付勢機能を有するため良好な保管状態が得られることになり、しかも、この開閉作業部を開放方向に付勢する開放付勢と開閉作業部の閉塞状態を保持する閉塞付勢が一の構造で兼用される非常に効率の良い構造であるから、前述した従来例が持つ問題点を確実に解消し得ることになるなど、極めて商品価値の高い画期的な開閉作業工具となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
好適と考える本発明の実施形態(発明をどのように実施するか)を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0021】
本発明に係る付勢機構6は、例えば閉じ状態の開閉作業部5を切断,挟持,圧搾,孔開け等の手動作業に必要となる開放位置となるまで開放方向に付勢する開放付勢状態と、開閉作業部5を閉塞方向に付勢して閉じ状態で該開閉作業部5を保持する閉塞付勢状態とが切り替え自在となる。
【0022】
従って、例えば使用時には開放付勢機能を有するため非常に便利であり、不使用時には閉塞付勢機能を有するため良好な保管状態が得られることになり、しかも、この開閉作業部5を開放方向に付勢する付勢力と開閉作業部5の閉塞状態を保持する付勢力が一の構造で兼用される非常に効率の良い構造となる。
【実施例】
【0023】
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0024】
本実施例は、一対の半体1,2同志を交叉枢着し、この枢着部3の一端側に設けられる一対の握持半体1a,2aから成る握持操作部4の開閉操作により開閉動する一対の作業半体1b,2bから成る開閉作業部5を前記枢着部3の他端側に設けたものである。
【0025】
具体的には、図1に図示したように適宜な金属製の一対の半体1,2を設け、この半体1,2夫々の先端寄りの部位を軸部材13を介して交叉状態で重合枢着し、この枢着部3よりも基端側の部位(棒状材9)にグリップ10を被覆した一対の握持半体1aから成る握持操作部4を設け、一方、枢着部3よりも先端側の部位に刃部11,12を形成した一対の作業半体1b,2bから成る開閉作業部5を設けている。
【0026】
尚、本実施例では、握持操作部4の閉塞動により開閉作業部5が閉塞動する構造としたが、例えばく字形状の半体の折曲部同志を枢着した構造とすることで握持操作部4の開放動により開閉作業部5が開放動する構造としても良いなど、本実施例の特性を発揮する構成であれば適宜採用し得るものである。
【0027】
また、本実施例では、開閉作業部5として被挟持物を切断する切断刃11,12を設けた切断作業部5を採用したが、作業半体1b,2b夫々の対向部位に平坦状の挟持面を設けた挟持作業部5を採用しても良いなど、本実施例の特性を発揮する構成であれば適宜採用するものであり(本明細書で言う開閉作業とは、挟持作業や切断作業など種々の開閉して行なう作業の意である。)、また、開閉作業部5における閉塞状態とは、必ずしも挟持面同志が当接せず隙間が生じている場合であってもその工具の開閉作業部5としての機能が発揮されている状態であれば閉塞状態と言う。
【0028】
また、本実施例は、開閉作業部5を閉塞する握持操作部4の操作に際し、前記開閉作業部5が開放状態となるまで付勢する開放付勢を生じ、且つ、閉塞状態とした開閉作業部5の閉塞状態を保持する閉塞付勢を生じる付勢機構6を設けており、この付勢機構6は、前述した開放付勢と閉塞付勢の付勢方向を切り替え自在に構成されている。即ち、一方向及びこの一方向と反対となる他方向いずれの方向への変形に際して戻り付勢を生じる付勢体7を具備し、この付勢体7を一方向に変形させた際に生じる戻り付勢が前記開閉作業部5を開放方向に付勢する開放付勢として発揮するとともに、他方向へ変形させた際に生じる戻り付勢が前記開閉作業部5を閉塞方向に付勢する閉塞付勢として発揮するように設けて、前記付勢方向が切り替え自在な前記付勢機構6は構成されている。
【0029】
具体的には、図1に図示したように握持操作部4を構成する一方の握持半体1aに他方の握持半体2aに向けて突出する付勢体7を設け、この付勢体7は、前記一方の握持半体1aから突出する所定の突出位置Pから一方向及び他方向いずれの方向への曲げ変形(撓み変形)に際して突出位置Pまで戻り付勢力を生じるように構成されており、開閉作業部5を閉塞する握持操作部4の操作に際し、他方の握持半体2aに設けた受け体8の一側部8aが前記付勢体7に圧接して該付勢体7を突出位置Pから一方向に曲げ変形させた際、開閉作業部5が開放状態となるまで付勢する開放付勢(図1中の矢印S1)が生じるように構成し、この開放付勢を生じる曲げ変形方向と反対方向にして突出位置Pから他方向に前記付勢体7を曲げ変形させることで受け体8の他側部8bに該付勢体7を圧接させた際、開閉作業部5の閉塞状態を保持する閉塞付勢力(図1中の矢印S2)が生じるように構成されている。
【0030】
この付勢機構6における開放付勢S1は、握持操作部4に係る握持半体1a,2aを開放方向に付勢することで開閉作業部5に係る作業半体1b,2bを開放方向に付勢するものであり、閉塞付勢S2は、握持操作部4に係る握持半体1a,2aを閉塞方向に付勢することで開閉作業部5に係る作業半体1b,2bを閉塞方向に付勢するものである。
【0031】
付勢体7は、図1に図示したように一方の握持半体1aを構成する棒状材9に被嵌されるグリップ材10に設けた配設部10aに長尺状のバネ材7の基端部を配設して前記付勢体7を構成している。
【0032】
また、付勢体7は、その先端部に曲がり部9が設けられており、この曲がり部9の曲がり外面9aを、開閉作業部5を閉塞する握持操作部4の操作に際し、他方の握持半体2aに設けた受け体8の一側部8aが圧接する部位とし、前記曲がり部9の曲がり内面9bを、開放付勢力を生じる曲げ変形方向と反対方向に付勢体7を曲げ変形させることで受け体8の他側部8bに圧接する部位としている。
【0033】
また、付勢体7は、その先端部に操作部7aが突出形成されており、この操作部7aに指をかけて付勢体7の曲げ変形操作が行えることになる。
【0034】
受け体8は、図1に図示したように他方の握持半体2aの内面にして一方の握持半体1aの内面と摺り合せする摺り合わせ内面に突起8を突出形成して構成されている。尚、この受け体8は一体であっても別体であっても良い。
【0035】
以上の構成からなる本工具の動作について説明する。
【0036】
本工具の使用時には、開閉作業部5を閉塞すべく握持操作部4に係る握持半体1a,2aを閉塞操作した際、他方の握持半体2aに設けた受け体8の一側部8aが付勢体7に圧接して該付勢体7を一方向に曲げ変形させた際、前記開閉作業部5が開放状態となるまで付勢する開放付勢S1が生じ(図3参照)、この握持操作部4を操作する力を緩めると、付勢体7と受け体8で生じる開放付勢S1により開閉作業部5は開放状態となる(図2参照)。従って、被切断物を切断しては直ぐ離す、切断しては直ぐ離す、といった開閉作業部5の開閉を素早く繰り返し行なう作業が行なえることになる。
【0037】
本工具の不使用時には、開放付勢S1を生じる曲げ変形方向と反対方向にして他方向に付勢体7を曲げ変形させ受け体8の他側部8bに該付勢体7を圧接させた際、開閉作業部5の閉塞状態を保持する閉塞付勢S2が生じることになる(図4,5参照)。
【0038】
本実施例は上述のように構成したから、例えば使用時には開放付勢機能を有するため非常に便利であり、不使用時には閉塞付勢機能を有するため良好な保管状態が得られることになり、しかも、この開閉作業部5を開放方向に付勢する付勢力と開閉作業部5の閉塞状態を保持する付勢力が一の構造で兼用される非常に効率の良い構造となる。
【0039】
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本実施例を示す正面図である。
【図2】本実施例の動作説明図である。
【図3】本実施例の動作説明図である。
【図4】本実施例を示す斜視図である。
【図5】本実施例に係る要部の動作説明図である。
【符号の説明】
【0041】
P 突出位置
1 半体
1a 握持半体
2 半体
2a 握持半体
3 枢着部
4 握持操作部
5 開閉作業部
6 付勢機構
7 付勢体
8 受け体
8a 一側部
8b 他側部
9 曲がり部
9a 曲がり外面
9b 曲がり内面
10 グリップ材
10a 配設部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の半体同志を枢着し、この枢着部の一端側に設けられる握持操作部の開閉操作により開閉動して切断,挟持,圧搾,孔開け等の手動作業をする開閉作業部を前記枢着部の他端側に設けた開閉作業工具において、前記開閉作業部を開放方向に付勢する開放付勢を発揮する付勢機構を具備し、この付勢機構は、開閉作業部を閉塞方向に付勢する閉塞付勢を発揮するように付勢方向を切り替え自在に構成したことを特徴とする開閉作業工具。
【請求項2】
前記付勢機構は、閉じ状態の前記開閉作業部を切断,挟持,圧搾,孔開け等の手動作業に必要となる開放位置となるまで開放方向に付勢する開放付勢状態と、前記開閉作業部を閉塞方向に付勢して閉じ状態で該開閉作業部を保持する閉塞付勢状態とを切り替え自在に構成したことを特徴とする請求項1記載の開閉作業工具。
【請求項3】
一方向及びこの一方向と反対となる他方向いずれの方向への変形に際して戻り付勢を生じる付勢体を具備し、この付勢体を一方向に変形させた際に生じる戻り付勢が前記開閉作業部を開放方向に付勢する開放付勢として発揮するとともに、他方向へ変形させた際に生じる戻り付勢が前記開閉作業部を閉塞方向に付勢する閉塞付勢として発揮するように設けて、前記付勢方向が切り替え自在な前記付勢機構を構成したことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の開閉作業工具。
【請求項4】
前記付勢体として一方向及び他方向いずれの方向への曲げ変形に際して戻り付勢を生じる付勢体を採用し、この付勢体を曲げ変形する方向を切り替えることで前記付勢方向が切り替え自在となるように設けて前記付勢機構を構成したことを特徴とする請求項3記載の開閉作業工具。
【請求項5】
前記付勢機構は、前記握持操作部を構成する一対の握持半体のうち一方の握持半体に突設した付勢体により押圧付勢される受け体を他方の握持半体に設けて構成されており、この付勢体の受け体に対する当接位置を可変して付勢体を曲げ変形する方向を切り替えることで前記付勢方向が切り替わるように前記付勢機構を構成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の開閉作業工具。
【請求項6】
前記付勢機構は、前記握持操作部を構成する一対の握持半体のうち一方の握持半体に突設した付勢体により押圧付勢される受け体を他方の握持半体に設けて構成されており、前記付勢体は、前記一方の握持半体から突出する突出位置Pから一方向及び他方向いずれの方向への曲げ変形に際して前記突出位置Pまで戻り付勢を生じるように構成されており、前記開閉作業部を閉塞する握持操作部の操作に際し、他方の握持半体に設けた受け体の一側部が前記付勢体に圧接して該付勢体を前記突出位置Pから一方向に曲げ変形させた際、前記開閉作業部を開放方向に付勢する開放付勢が生じ、この開放付勢を生じる曲げ変形方向と反対方向にして前記突出位置Pから他方向に前記付勢体を曲げ変形させ前記受け体の他側部に該付勢体を圧接させた際、開閉作業部の閉塞状態を保持する閉塞付勢が生じるように構成したことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の開閉作業工具。
【請求項7】
前記付勢体の先端部に曲がり部を設け、この曲がり部の曲がり外面を、開閉作業部を閉塞する握持操作部の操作に際し、他方の握持半体に設けた前記受け体の一側部が圧接する部位とし、前記曲がり部の曲がり内面を、開放付勢を生じる曲がり変形方向と反対方向にして突出位置Pから他方向に付勢体を曲がり変形させることで受け体の他側部に圧接する部位としたことを特徴とする請求項5,6のいずれか1項に記載の開閉作業工具。
【請求項8】
前記一方の握持半体を構成する棒状材に被嵌されるグリップ材に設けた配設部若しくは棒状材と該棒状材に被嵌されるグリップ材との間に長尺の付勢体の基端部を配設して前記付勢機構を構成したことを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の開閉作業工具。
【請求項9】
前記開閉作業部として、作業半体夫々の内縁に刃部が設けられた開閉作業部を採用したことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の開閉作業工具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−142381(P2008−142381A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−334395(P2006−334395)
【出願日】平成18年12月12日(2006.12.12)
【出願人】(391013634)株式会社ツノダ (4)
【Fターム(参考)】