説明

開閉式パネル装置

【課題】簡易な構成で、かつ簡単に収納可能な開閉式パネル装置を提供する。
【解決手段】回転による開閉動作の際に支点となる回転軸部53を有するパネル部32と、当該パネル部の収納空間を形成するケース本体部、及び当該回転軸部を回転自在な状態で保持する回転軸保持部43を有するパネル収納ケース部31とを設け、当該パネル部32の形状は、当該回転軸部53を支点とした鉛直線とのなす開角度θが所定の均衡角度θ´=27度になった時点で当該パネル収納ケース部31に引き込まれるような重量配分に選定されているようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開閉式パネル装置に関し、例えばミニコンポーネントステレオに適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ミニコンポーネントステレオにおいては、ユーザにとって操作が容易な前面部分に操作ボタンが配置されることが多い。また、通常時には操作ボタンを搭載したパネルを収納して、使用時にのみ当該パネルを開動作することによって露出させ、操作ボタンを使用できるようにする開閉式のパネル装置が提案されている。
【0003】
このような開閉式のパネル装置としては、回転軸を支点とした回転動作によって操作パネルを開閉するようになされたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−174267公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところでかかる構成の開閉式パネル装置においては、開動作方向に常時加えられているバネの付勢力によって操作パネルを開くため、収納時にはユーザに当該バネの付勢力に対抗して当該操作パネルを収納位置まで戻させた後、係止具を用いて当該操作パネルを係止させければならなかった。この結果、この開閉式操作パネル装置では、ユーザの収納に係る作業を煩雑にさせると共に、バネ及び係止具が必要となる分だけ構成が複雑になるという問題があった。
【0005】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、簡易な構成で、かつユーザによる簡単な操作により収納可能な開閉式パネル装置を提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる課題を解決するため本発明の開閉式パネル装置においては、回転による開閉動作の際に支点となる回転軸部を有するパネル部と、当該パネル部の収納空間を形成する収納空間形成部、及び当該回転軸部を回転自在な状態で保持する回転軸保持部を有するパネル収納部とを具え、当該パネル部の形状は、当該回転軸部を支点として、所定の角度になった時点で当該収納空間形成部に引き込まれるような重量配分に選定されるようにした。
【0007】
これにより、ユーザによるパネル部を所定の角度まで閉じる操作の後は、当該パネル部の自重によって当該パネルが収納空間形成部へ自動的に引き込まれて収納される。
【0008】
さらに本発明の開閉式パネル装置においては、開状態又は閉状態にするための回転動作の際に支点となる回転軸部、及び当該閉状態において当該回転動作を停止するための被固定部を有するパネル部と、当該パネル部の収納空間を形成する収納空間形成部、当該回転軸部を回転自在な状態で保持する回転軸保持部、及び当該被固定部を磁力によって固定する固定部を有するパネル収納部とを具え、当該パネル部の形状は、当該回転軸部を支点として、所定の角度になった時点で当該収納空間形成部に引き込まれるような重量配分に選定されるようにした。
【0009】
これにより、ユーザによるパネル部を所定の角度まで閉じる操作の後は、当該パネル部の自重によって当該パネル部が収納空間形成部へ自動的に引き込まれて収納される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によればパネル部を所定の角度まで閉じる操作の後は、当該パネル部の自重によって当該パネル部が収納空間形成部へ自動的に引き込まれて収納されるため、簡易な構成で、かつユーザによる簡単な操作によって収納可能な開閉式パネル装置を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
【0012】
(1)ミニコンポーネントステレオの全体構成
図1に示すように、ミニコンポーネントステレオ(以下、これをミニコンポと呼ぶ)1においては、全体として直方体形状でなり、フロント操作盤部2を有する方向を前方向とした時に、前面の中央部に当該フロント操作盤部2、前面の両端部にスピーカ3、上面の中央部にトップ操作盤部4を有している。
【0013】
フロント操作盤部2は、MD(Mini Disc(登録商標))挿入口5と、CD(Compact Disc)挿入口6と、LCD(Liquid Crystal Display)等からなる表示部8とを有している。一方トップ操作盤部4は、カセットテープ収納部9を有している。
【0014】
ミニコンポ1では、スピーカ3を介してMD挿入口5、CD挿入口6に挿入、又はカセットテープ収納部9に収納された各種記録媒体に記録された音楽情報及び図示しないチューナ部によって受信したラジオ番組をユーザに対して聴取させ、又は記録可能な媒体に記録させると共に、表示部8を介して当該各種記録媒体及びチューナ部から取得した再生及び受信に関する種々の情報を表示し得るようになされている。
【0015】
(2)メイン機能ボタン群
図2に示すように、ミニコンポ1では、トップ操作盤部4に操作ボタンであるメイン機能ボタン群19を有し、ユーザによる当該メイン機能ボタン群19の操作に応じて、各種処理を実行するようになされている。ここで、トップ操作盤部4のメイン機能ボタン群19は、主電源ボタン19Aと、再生モード切換ボタン19B、19Cと、カセットイジェクトボタン19Dとによって構成される。
【0016】
また図3に示すように、ミニコンポ1では、フロント操作盤部2に操作ボタンであるメイン機能ボタン群20を有し、ユーザによる当該メイン機能ボタン群20の操作に応じて、各種処理を実行するようになされている。ここで、フロント操作盤部2のメイン機能ボタン群20は、MD再生/一時停止ボタン20Aと、CD再生/一時停止ボタン20Bと、テープ再生/一時停止ボタン20Cと、チューナバンド切換ボタン20Dと、中止ボタン20Eと、MD録音ボタン20Fと、MDイジェクトボタン20Gと、プリセットボタン20Iと、キャンセルボタン20Jと、メニューボタン20Kと、スキップボタン20Lと、音量調整ダイアル20Nと、CDイジェクトボタン20Pとによって構成されている。以下、当該各種処理について簡単に説明する。
【0017】
ミニコンポ1では、主電源ボタン19A(図2)が操作されると、ミニコンポ1における主電源のON/OFFを切り換えるようになされている。
【0018】
ミニコンポ1では、ユーザによるMD再生/一時停止ボタン20A(図3)の操作に応じて動作モードをMD再生モードに設定すると共に、MD挿入口5に挿入されたMDの再生処理及び一時停止処理を行うようになされている。さらにミニコンポ1では、スキップボタン20Lの操作に応じたMD収納曲の選曲と、MDイジェクトボタン20Gの操作に応じたMD挿入口5の引出処理とを行うようになされている。
【0019】
同様にミニコンポ1では、ユーザによるCD再生/一時停止ボタン20Bの操作に応じて動作モードをCD再生モードへ切り換えると共に、MD挿入口5に挿入されたCDの再生処理及び一時停止処理を行うようになされている。さらにミニコンポ1では、スキップボタン20Lに応じたCD収納曲の選曲と、CDイジェクトボタン20Pの操作に応じたCD挿入口6の引出処理とを行うようになされている。
【0020】
またミニコンポ1では、ユーザによるテープ再生/一時停止ボタン20Cの操作に応じて動作モードをテープ再生モードへ切り換えると共に、カセットテープ収納部9に収納されたカセットテープの再生処理及び一時停止処理を行うようになされている。さらにミニコンポ1では、再生モード切換ボタン19B、19C(図2)の操作に応じた再生モードの切換処理と、スキップボタン20L(図3)に応じたカセットテープ収納曲の選曲と、図示しない録音ボタンに応じたダビング処理又は録音処理と、カセットイジェクトボタン19D(図2)の操作に応じたカセットテープ収納部9の開動作処理とを行うようになされている。
【0021】
またミニコンポ1では、ユーザによるチューナバンド切換ボタン20D(図3)の操作に応じて動作モードをラジオ受信モードへ切り換えてラジオ番組の受信処理を実行すると共に、受信周波数帯をAM又はPMに切り換える周波数帯選択処理を行うようになされている。さらにミニコンポ1では、ユーザによるプリセットボタン20Iの操作に応じた受信周波数を予め設定されたチャンネルへのチャンネル設定処理と、スキップボタン20Lの操作に応じた当該受信周波数の変更処理とを実行するようになされている。
【0022】
またミニコンポ1では、上述したMD、CD、カセットテープに対する再生処理又はラジオ番組の受信処理中において、ユーザによる音量調整ダイアル20Nの操作に応じた音量の調整と、中止ボタン20Eの操作に応じた当該再生又は受信の中止処理とを実行するようになされている。
【0023】
さらにミニコンポ1では、ユーザによるMD録音ボタン20Fの操作に応じて、CD又はカセットテープに記録された音楽情報をMD挿入口5に挿入されたMDに記録するダビング処理、又は受信したラジオ番組を当該MDに記録する録音処理を実行するようになされている。
【0024】
またミニコンポ1では、ユーザによるメニューボタン20Kの操作に応じて動作モードをMD編集モードへ切り換えて表示部8に例えば消去、結合等の編集メニューを表示すると、プリセットボタン20Iとメニューボタン20Kとの操作に応じて当該編集メニューを決定し、又はキャンセルボタン20Jの操作に応じて当該MD編集モードを解除するようになされている。
【0025】
このようにしてミニコンポ1では、トップ操作盤部4及びフロント操作盤部2におけるメイン機能ボタン群19及び20によって、ミニコンポ1の使用に係る操作の殆どを行い得るようになされている。
【0026】
(3)開閉式パネル部
ミニコンポ1では、図4に示すように、フロント操作盤部2の下部に通常使用時には閉状態にして収納し(図1)、使用時には開状態にして使用する略三角形状の断面を有する開閉式パネル部30が設けられている。
【0027】
(3−1)サブ機能ボタン群
ミニコンポ1では、開閉式パネル部30にサブ機能ボタン群70が設けられ(図4)、ユーザによる当該サブ機能ボタン群70の操作により、各種処理を実行するようになされている。ここで図5に示すように、サブ機能ボタン群70は録音モードボタン70Aと、圧縮モードボタン70Bと、ファンクションボタン70Cと、PCモードボタン70Dと、時間機能ボタン70Eと、アラームボタン70Fと、時間合わせボタン70Gと、スリープタイマーボタン70Hと、スタンバイボタン70Iとによって構成されている。以下、当該処理の内容について簡単に説明する。
【0028】
ミニコンポ1では、ユーザによる録音モードボタン70Aの操作に応じて、録音モード選択状態に設定されると、圧縮モードボタン70Bの操作に応じてMD、MDLP(Mini Disc Long Play mode)2、MDLP4等の録音モードを順次選択し、録音モードボタン70Aの再操作に応じて、圧縮モードボタン70Bより選択された録音モードを最終的に決定するようになされている。
【0029】
またミニコンポ1では、ユーザによるファンクションボタン70Cの操作に応じて、パソコンモード選択状態へ切り換えられると、PCモードボタン70Dの操作に応じて動作モードをパソコン編集、パソコンからの再生等のパソコンモードを順次選択し、ファンクションボタン70Cの再操作に応じて、PCモードボタン70Dより選択されたパソコンモードを最終的に決定するようになされている。
【0030】
またミニコンポ1では、ユーザによる時間機能ボタン70Eの操作に応じて、時間機能選択状態へ切り換えられると、アラームボタン70F、時間合わせボタン70G、スリープタイマーボタン70Hの操作に応じて動作モードをそれぞれアラームモード、時間合わせモード、スリープタイマーモードへ切り換えると、当該時間機能ボタン70Eの再操作に応じて各モードにおける設定時間を選択し、スタンバイボタン70Iの操作に応じて当該設定時間を最終的に決定するようになされている。
【0031】
このようにしてミニコンポ1では、比較的使用頻度の低いサブ機能ボタン群70を開閉式パネル部30に搭載し、使用時以外は当該開閉式パネル部30が閉状態にされ当該サブ機能ボタン群70が隠れることによって、ミニコンポ1の表面に露出するボタン構成をメイン機能ボタン群19、20だけに限定させ得、ユーザに対するボタンの操作性を向上し得るようになされている。
【0032】
(3−2)開閉式パネル部の構成
図6において、30は全体として閉状態における開閉式パネル部を示し、パネル収納ケース部31と、パネル部32とによって構成されている。
【0033】
パネル部32においては、その閉状態の時に垂直面となるパネル露出板部54が設けられ、矩形の板状でなるパネル露出板本体部54Cと、上部のパネル露出板上縁部54Dと、左右両端のパネル露出板側縁部54Eとによって構成されている。
【0034】
ここで、パネル露出板部54のパネル収納ケース部31に対向する面をパネル露出板背面54B、その対向する面をパネル露出板正面54Aとし、当該パネル露出板背面54Bの向く方向を後方向、当該パネル露出板正面54Aの向く方向を前方向、当該パネル露出板正面54Aにユーザが対峙した状態において右側を右方向、左側を左方向として以下、説明する。
【0035】
このパネル部32には、パネル露出板側縁部54Eの下部両端におけるパネル露出板背面54B側に回転軸部53が形成されている。
【0036】
一方パネル収納ケース部31は、1/4円状のケース側面部41Bを有する1/4円柱形状のケース本体部41と、矩形状のケース上縁部42とで構成され、当該ケース本体部41ではその前面部分が開口して空洞を形成し、当該空洞部分にパネル部32を収納し得るようになされている。
【0037】
このパネル収納ケース部31では、ケース側面部41Bの前方向端面であるケース側面部端面41BAの下部に回転軸保持部43が設けられ、当該回転軸保持部43には左右方向に貫通する円形の貫通孔43Aが形成されている。
【0038】
そしてパネル収納ケース部31は、回転軸保持部43の貫通孔43Aの内側から、パネル部32の回転軸部53を嵌合することによって、当該パネル部32を装着し得るようになされている。この結果パネル収納ケース部31では、回転軸部53を支点として当該パネル部32を回転自在に保持することができ、回転動作によって当該パネル部32を開状態にしたり、あるいは閉状態にしてサブ機能ボタン群70を収納し得るようになされている。
【0039】
図7に示すように、開状態における開閉式パネル部30では、パネル部32のパネル露出板部54におけるパネル露出板背面54B側に、側面が直角二等辺三角形でなる三角柱形状の柱部51が設けられている。この柱部51は、開状態の時にその後方向が開口して空洞になっており、パネル露出板部54に対して斜め45度に形成されたパネル操作面部51Aと、当該パネル操作面51Aと直交する直角二等辺三角形状のパネル側面部51Bとによって形成されている。
【0040】
パネル操作面部51Aには、全体に渡って複数の貫通孔52が形成されており、上述した柱部51の空洞部分にサブ機能ボタン群70が一体化された装着ボタン部33が取り付けられ、当該貫通孔52から外側へ向かって当該サブ機能ボタン群70が僅かに突出するようになされている。
【0041】
これにより開閉式パネル部30では、パネル部32が開状態(図4)の時には当該パネル部32に搭載されたサブ機能ボタン群70を表面に露出させることにより、ユーザに当該サブ機能ボタン群70を使用させることができる。そして開閉式パネル部30では、当該サブ機能ボタン群70を使用しない時には当該サブ機能ボタン群70を閉状態にさせ、当該パネル部32を収納(図1)することによって、操作ボタンが設置されていないパネル露出板正面54Aを表面に露出させ、使用頻度の多いメイン機能ボタン群19及び20だけを露出するようになされている。
【0042】
さらにパネル部32(図7)では、柱部51における90度をなす頂点近傍でパネル側面部51Bから突出する回転軸部53が設けられている。
【0043】
ここで、パネル部32の回転軸部53は、大小2つの円柱が同一の中心軸を介してを重ねられた形状でなり、パネル側面部51Bに設けられた大径円柱部の大径回転軸部53Bと、当該大径回転軸部53Bに重ねられた小径円柱部の回転中心軸部53Aとによって構成されている。この回転中心軸部53Aが回転軸保持部43の貫通孔43Aに嵌合される一方、直径が当該貫通孔43Aよりも大きい当該大径回転軸部53Bは、当該貫通孔43Aに嵌合されることはない。これにより開閉式パネル部30では、当該大径回転軸部53Bによってパネル側面部51Bとケース側面部41Bとの間に隙間を形成し得、パネル部32の回転動作における当該パネル側面部51Bと当該ケース側面部41Bとの接触を防止し、滑らかな回転動作を行い得るようになされている。
【0044】
さらにパネル部32では、パネル露出板側縁部54Eのパネル露出板背面54B側に上述した回転軸部53に沿うように溝状の回転軸溝部60が設けられている。この回転軸溝部60により、パネル露出板側縁部54Eと回転軸保持部43とが引っ掛かることなく回転でき、滑らかな回転動作を行い得るようになされている。さらに当該開閉式パネル部30では、当該回転軸保持部43の突出部分を当該回転軸溝部60によって吸収できるため、パネル収納ケース部31とパネル部32との間の隙間を無くすことができると共に、当該開閉式パネル部30を小型化することが可能となる。
【0045】
さらに開閉式パネル部30では、パネル露出板上縁部54Dの左右端におけるパネル露出板背面54B側に磁石からなる被固定部58と、ケース上縁部42の当該被固定部58に対向する部分に金属板からなる固定部45とが設けられ、閉状態において当該被固定部58を当該固定部45に固定し得るようになされている。
【0046】
これにより、開閉式パネル部30では、閉状態においてパネル部32をパネル収納ケース部31に磁力によって固定し得、振動によって生じる当該パネル部32のガタツキを防止し得るようになされている。
【0047】
また図8に示すように、開状態の開閉式パネル部30では、パネル収納ケース部31におけるケース側面部41Bの前方向下部に矩形状の切抜部分である角度保持凹部44が設けられ、一方、パネル部32におけるパネル露出板部54の後端部には、柱部51より大きく形成された部分である角度保持凸部54Fが設けられている。そして開閉式パネル部30では、当該パネル部32を開動作した際、回転軸部53を支点とした時に鉛直方向と当該パネル露出板部54とのなす角度(以下、これを開角度θと呼ぶ)が90度になった際、当該角度保持凹部44の水平辺部分に当該角度保持凸部54Fが係止され、当該パネル露出板部54を水平状態で保持するようになされている。
【0048】
この結果パネル操作面部51Aは、上述した水平状態のパネル露出板部54に対して45度に交差しているため、水平から45度の角度に保持され得るようになされている。このため開閉式パネル部30では、ユーザに当該パネル操作面部51A上のサブ機能ボタン群70を斜め上から視認させ易くし得るため、例えばミニコンポ1がユーザの視線より低い位置にある場合でも、当該サブ機能ボタン群70をユーザに視認させ易くし得るようになされている。さらに開閉式パネル部30では、パネル部32及びパネル収納ケース部31の形状を変えるだけで上述した角度保持凹部44と角度保持凸部54Fとを設けることができるため、当該パネル部32の角度を保持するために特別な部品を必要せず、簡易な構成にすることができる。
【0049】
このようにしてミニコンポ1では、開閉式パネル部30が組み込まれ、回転軸部53を支点とした回転動作によってパネル部32を開閉し得るようになされている。これによりミニコンポ1は、閉状態では、当該パネル部32におけるパネル露出面54Aをフロント操作盤部2の一部として周囲面から突出することなく同一面上に露出させる(図1)と共に、当該パネル部32の開状態では、当該パネル部32に搭載されたサブ機能ボタン群70を露出させる(図4)ようになされている。
【0050】
(3−3)開閉式パネル部の開動作
開閉式パネル部30では、パネル露出板側縁部54Eの右端部におけるパネル露出板背面54B側に半円状のくり抜き部である指掛部56(図7)が設けられている。一方、ミニコンポ1には、当該開閉式パネル部30を閉状態にした時に当該指掛部56と隣接する部分に図示しない凹部が設けられている。従って、ユーザは閉状態においてこの凹部から当該指掛部56に指を挟み入れ、当該指掛部56に指を引っ掛けた状態で当該指を前方向に移動することによって、当該パネル部32を小さな力で簡単に開動作し得るようになされている。なお、ユーザは指以外にも、例えばフックや鉛筆などの身近な道具を当該指掛部56に引っ掛けて当該パネル部32を開動作するようにしてもよい。
【0051】
ここで指掛部56は、パネル露出板側縁部54Eの右端部に設けられているため、開閉式パネル部30の上部に設けられているCD挿入口6(図1)が引き出されている場合であっても、当該CD挿入口6が障害となることなく当該指掛部56の右側からユーザに指を入れさせることができ、パネル部32を簡単に開動作し得るようになされている。さらにこの指掛部56は、パネル露出板正面54A側を切り欠くことなく形成されているため、前方向からの外観に影響を与えないようになされている。
【0052】
このようにして開閉式パネル部30では、指掛部56を設けることにより、当該指掛部56に指を引っ掛けさせることによって、ユーザに簡単な操作でパネル部32を開動作させ得るようになされている。
【0053】
(3−4)開閉式パネル部の閉動作
かかる構成に加えて、本発明の開閉式パネル部30では、図9に示すように、パネル部32における重量配分の選定によって、当該パネル部32の回転軸部53を支点にしてパネル露出板部54と鉛直線VLとのなす開角度θが27度になった時点で、当該パネル部32全体の前方向と後方向との重量バランスが均衡する均衡角度θ´になり、その後は当該パネル部32がパネル収納ケース部31に自動的に引き込まれるようになされている。
【0054】
(3−4−1)パネル部の形状
本実施の形態におけるパネル部32では、当該パネル部32の形状における重量配分の選定によって所定の均衡角度θ´に設定されるようになされている。
【0055】
図10(A)に示すように、仮にパネル部32をパネル露出板本体部54Cと回転軸部53とからなるパネル部32aと考えた場合、当該パネル部32aの重心Gaは4辺の中点を結んだ線上にあり、開角度θが0度である閉状態の時が当該パネル部32aにおける均衡角度θ´aとなる。このためパネル部32aは、開角度θが90度である開状態から閉動作された場合でも、開角度θが0度になって閉状態になる時点まで、重心Gaが回転軸部53を通る鉛直線VLより前方向に位置するため、自重によって前方向に倒れて開状態に引き戻される。
【0056】
図10(B)に示すように、パネル部32aとは異なりパネル露出板本体部54Cに対して後方向に柱部51が設けられた形状のパネル部32bでは、パネル部32b全体の重心Gbが柱部51の内部に位置している。このため当該パネル部32bは、開状態と閉状態との間で均衡するようになされており、このとき均衡角度θ´bが0度よりも大きくなる。この結果パネル部32bは、開状態から閉動作されると、当該均衡角度θ´bになった時点で重心Gbが鉛直線VL上に位置し、続いて重心Gbが当該鉛直線VLより後方向に位置することになるため、その後は当該パネル部32bに力が加えられなくても、当該パネル部32bは自重によって後方向に傾いてパネル収納ケース部31に引き込まれる。
【0057】
図10(C)に示すように、パネル部32bに加えてパネル露出板上縁部54Dが設けられた形状のパネル部32cでは、その全体形状の重量バランスが当該パネル部32bと比較して前方向に重く、パネル部32c全体の重心Gcが重心Gbよりも前方向に位置している。このため当該パネル部32cは、パネル部32bの均衡状態(図10(B))と閉状態との間で均衡するようになされており、均衡角度θ´cは0度よりも大きく、均衡角度θ´bよりも小さくなる。この結果当該パネル部32cは、開状態から閉動作されると、均衡角度θ´cになった時点で、重心Gcが鉛直線VL上に位置し、続いて重心Gcが当該鉛直線より後方向に位置することになるため、その後は当該パネル部32cに力を加えられなくても、当該パネル部32cは自重によって後方向に傾いてパネル収納ケース部31に引き込まれる。
【0058】
ここでパネル部32cでは、均衡角度θ´cのときに重心線GLcから最も離れた位置にあるパネル露出板本体部54Cの上端にパネル露出板上縁部54Dが設けられたことによって、てこの原理により、効果的に当該パネル部32cの全体形状における重心Gcの位置を重心Gbよりも前方向に変え、均衡角度θ´cを小さくすることができる。さらに当該パネル部32cでは、このような位置にあるパネル露出板上縁部54Dが形成されることによって、当該パネル露出板上縁部54Dの上端と重心線GLcと間の距離D1がパネル露出板本体部54C上端からの距離D2より大きくなり、重心線GLcから一段と離れた位置に荷重をかけられるため、効果的にパネル部32cの全体形状における重心Gcの位置を重心Gbよりも前方向に変化させることができる。
【0059】
このようにして開閉式パネル部30では、パネル部32の形状による重量配分の選定によって、当該パネル部32が所定の均衡角度θ´になった時点でパネル収納ケース部31に自動的に引き込まれるようになされている。
【0060】
(3−4−2)装着ボタン部の装着
本実施の形態における開閉式パネル部30では、上述したパネル部32の形状に加え、装着ボタン部33におけるサブ機能ボタン群70の当該パネル部32への装着位置による重量配分の選定によって均衡角度θ´=27度に設定されている。
【0061】
図5に示したように、パネル部32に装着された装着ボタン部33には、2列に配置された合計9個のサブ機能ボタン群70が設けられている。この装着ボタン部33は、中心線33Aを境に前方向に5つのサブ機能ボタン群70(E〜I)が、後方向に4つのサブ機能ボタン群70(A〜D)が位置するため、前方向が重く、後方向が軽くなるようになされている。そして、この装着ボタン部33は、部品未装着の状態であるパネル部32cの重心線GLc(図10(C))上にその中心線33Aが位置するように装着される。
【0062】
そしてパネル部32では、このようなサブ機能ボタン群70の位置によって重量配分が選定された装着ボタン部33がパネル操作面部51Aに装着されることによって、装着ボタン部33が装着されたパネル部32全体における重心G(図9)が重心Gc(図10(C))より前方向に変わり、均衡角度θ´=27度に設定される。
【0063】
このように、パネル部32では、当該パネル部32の形状と、サブ機能ボタン群70の装着位置とによる重量配分によって、当該パネル部32が所定の均衡角度θ´=27度になった時点でパネル収納ケース部31に自動的に引き込まれるようになされている。
【0064】
これにより開閉式パネル部30では、図9に示したように、開状態にされたパネル部32が徐々に後方向へ傾けられると、開角度θが均衡角度θ´=27度になった時点で、当該パネル部32全体の重心Gが鉛直線VLより後方向側へ遷移し、その後は力を加えなくても自重によって当該パネル部32がパネル収納ケース部31に引き込まれるため、ユーザによる当該パネル部32を均衡角度θ´=27度まで押し込むだけの操作によって当該パネル部32を当該パネル収納ケース部31に収納し得るようになされている。
【0065】
また、パネル部32の形状と、サブ機能ボタン群70の装着位置とによって決定される重量配分によって均衡角度θ´が27度に選定されているため、特別な部品を必要せず、簡易な構成で、当該パネル部32を当該パネル収納ケース部31に収納し得るようになされている。
【0066】
このようにして、本実施の形態におけるミニコンポ1の開閉式パネル部30では、パネル部32の形状と、当該パネル部32に装着される装着ボタン部33におけるサブ機能ボタン群70の装着位置とによって決定される重量配分によって、開角度θが27度になった時点で当該パネル部32がパネル収納ケース部31に引き込まれるようになされているため、簡易な構成で、ユーザによる簡単な操作によって当該パネル部32を当該パネル収納ケース部31に収納し得るようになされている。
【0067】
(4)動作及び効果
以上の構成において、本発明の開閉式パネル部30では、パネル部32の形状において、パネル露出板本体部54Cに対して柱部51とパネル露出板上縁部54Dとが設けられ、サブ機能ボタン群70がパネル操作面部51Aの所定の位置に装着されたことによって当該パネル部32が所定の重量配分に設定されているため、開角度θが27度になった時点で当該パネル部32はパネル収納ケース部31に引き込まれる。
【0068】
この結果、当該パネル部32では、全体としての均衡角度θ´が27度に設定され、当該パネル部32が後方向へ傾けられた場合、開角度θが27度になった時点で重心Gが回転軸部53を通る鉛直線VLより後方向に移動するため、その後は力が加えられなくても自動的にパネル収納ケース部31のケース本体部41に引き込まれる。
【0069】
これにより、開閉式パネル部30では、従来のようなバネ及び係止具が不要になると共に、当該パネル部32の位置を所定の開角度θ=27度まで閉じるユーザの操作のみで、当該パネル部32は自重によってパネル収納ケース部31に引き込まれるため、簡易な構成で、ユーザの簡単な操作によって当該パネル部32の収納をすることができる。
【0070】
また開閉式パネル部30では、バネを使用せず自重によってパネル部32を収納するため、従来のバネを使用する方法と比較して、バネによる開動作方向への反発力によって生じる跳ね返りを防止することができ、確実に当該パネル部32を当該パネル収納ケース部31に収納することができる。
【0071】
さらに開閉式パネル部30では、パネル部32の自重によって跳ね返りが生じた場合でも、自重によって再度、自動的に当該パネル部32が当該パネル収納ケース部31に収納されるため、当該パネル部32が開状態にされたまま放置されることを防止できる。
【0072】
また開閉式パネル部30では、パネル露出板上縁部54Dに磁石からなる被固定部58を設け、ケース上縁部42における当該被固定部58と対向する部分に金属からなる固定部45を設けたことにより、磁力によってパネル部32をパネル収納ケース部31に吸引することができ、閉状態の際に振動によって当該パネル部32が開動作されることを防止できる。
【0073】
さらに、開閉式パネル部30では、上述した磁力による吸引によって、パネル部32がパネル収納ケース部31に引き込まれた後の跳ね返りを防止することができるため、当該パネル部32の静かな開閉が可能となる。また開閉式パネル部30では、被固定部58と固定部45とが周囲より僅かに突出していることから、引き込みによって生じる衝撃を磁石と金属とからなる当該被固定部58及び当該固定部45に集中させることができ、当該衝撃によるパネル露出板上縁部54D及びケース上縁部42の損傷を防止することができる。
【0074】
さらに、開閉式パネル部30では、引掛部としてパネル露出板背面54Bに半円状のくり抜きである指掛部56を設けたことにより、ユーザに当該指掛部56へ指を挟みこませることによって、最小限の力によって簡単にパネル部32を開動作させ得る。
【0075】
また開閉式パネル部30では、指掛部56によってパネル部32を開動作し得るため、従来のバネによって開動作方向に付勢する方法と比較して、バネの弾性力低下による開動作性の低下を防止することができ、当該開閉式パネル部30の耐久性を向上することができる。
【0076】
以上の構成によれば、本発明の開閉式パネル部30では、簡易な構成で、かつユーザの簡単な操作によってパネル部32を閉動作してパネル収納ケース部31に収納することができる。
【0077】
(5)その他の実施の形態
なお上述の実施の形態においては、均衡角度θ´が27度に設定されることによって開角度θが27度の時点においてパネル部32のパネル収納ケース部31へ引き込まれるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、パネルの形状及び部品の装着位置による重量配分に応じた任意の均衡角度θ´に設定するようにしてもよい。
【0078】
例えば、開閉式パネル部30では、上述した均衡角度θ´を27°より大きく設定することによって、開角度θが一段と大きい所定角度において自重によってパネル部32がパネル収納ケース部31へ引き込まれるようにすることができるため、ユーザの一段と簡単な操作によって当該パネル部32を当該パネル収納ケース部31へ収納することが可能となる。
【0079】
また、開閉式パネル部30では、均衡角度θ´を27度より小さくし、ユーザが指掛部56に指を挟み入れることのみによってパネル部32が自重によって開くようにするようにしても良い。これにより、上述した効果に加えて一段と簡単にパネル部32を開状態にすることができる。
【0080】
また上述の実施の形態においては、柱部51はその断面において底辺と垂直辺とが等しい二等辺三角形状でなるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば閉状態における当該断面形状を底辺が垂直辺より長い直角三角形にすることによって、重心線GLから離れた位置に荷重をかけられる形状にすることができ、てこの原理によってパネル部32全体の重心Gを二等辺三角形の場合よりも後方向に位置させることができる。
【0081】
同様に、閉状態における当該断面形状を底辺が垂直辺より短い直角三角形にすることによって、重心線GLから離れていない位置に荷重をかけられる形状にすることができ、てこの原理によってパネル部32全体の重心Gを二等辺三角形の場合よりも前方向に位置させることができる。
【0082】
また上述の実施の形態においては、柱部51は三角柱形状でなるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、どのような立体形状であっても良い。例えば四角柱や五角柱等の各種柱形状、若しくは変則的な立体形状でも良く、その形状における重量配分の選定によって上述した効果を得ることができる。
【0083】
さらに上述の実施の形態においては、ケース本体部41は1/4円状の側面を有する1/4円柱形状でなるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、パネル部32を収納できる形状であればどのような立体形状でも良い。さらにケース本体部41を設けずに、パネル収納部として例えば各種機器に直接パネルの収納空間及び回転軸保持部43を設け、当該パネル部32の回転軸部53を当該各種機器に直接設けられた当該回転軸保持部43へ嵌合するようにしても良い。
【0084】
さらに上述の実施の形態においては、パネル部32は、パネル操作面部51Aに装着ボタン部33が装着されるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば表示パネル等の各種装着部品をパネル部32の任意の位置に装着することができる。例えばパネル部32は、パネル露出板背面54Bに配線等の部品が装着されるようにしても良い。この時、パネル部32は、てこの原理により重心線GLから離れた位置に部品が装着されることによって、より効果的に重心Gの位置を遷移させることができ、任意の均衡角度θ´において引き込まれるようにすることができる。
【0085】
さらに上述の実施の形態においては、パネル部32は、前後2列に配置されたサブ機能ボタン群70の数を前後列で同一にしないことによって重量バランスを前後方向に不均等にした当該装着ボタン部33が装着される場合について述べたが、本発明はこれに限らず、当該装着ボタン部33やサブ機能ボタン群70の装着位置によって当該パネル部32全体における重心Gを遷移させられれば良く、例えば前後方向の重量バランスが均等な当該装着ボタン部33の中心線33Aを、部品未装着状態のパネル部32における重心線GLから後方向又は前方向にずらした状態で装着されることによって、当該装着ボタン部33が装着された状態のパネル部32全体における重心Gを遷移させるようにしてもよい。
【0086】
さらに上述の実施の形態においては、パネル収納ケース部31の角度保持凹部44は水平辺を有する矩形状の切抜部分によって形成され、当該水平辺部によってパネル部32の角度保持凸部54Fを保持することによってパネル露出板部54を水平に保持するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、当該角度保持凹部44、当該角度保持凸部54Fの形状を変化させることによって当該パネル露出板部54を任意の角度に保持するようにしても良い。
【0087】
さらに上述の実施の形態においては、磁石からなる被固定部58と金属板からなる固定部45とによってパネル部32をパネル収納ケース部31に固定するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、磁力によって固定できるようにすれば良く、金属板からなる被固定部58と磁石からなる固定部45とによって、又は磁石からなる被固定部58と固定部45とによって固定するようにしても良い。
【0088】
さらに上述の実施の形態においては、磁力によってパネル部32をパネル収納ケース部31に固定するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、被固定部58と固定部45を設けなくても本発明の効果は変わらない。この場合、例えばスポンジ等のクッション材をパネル露出板上縁部54D又はケース上縁部42に貼り付ける等の各種処理によって、上述した振動によるガタツキを防止し得る。
【0089】
さらに上述の実施の形態においては、引掛部として指掛部56に指を引掛けることによってパネル部32を開動作させるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば鉛筆やフックなどの道具で開動作するようにしてもよい。
【0090】
さらに上述の実施の形態においては、パネル部32のパネル収納ケース部31に収納された場合に露出する露出面であるパネル露出板部54のパネル露出板側縁部54Eにおけるパネル露出板背面54B側に半円状の指掛部56を設けるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、パネル露出板部54とパネル収納ケース部31との間に外部から引掛けることのできる例えば四角形や多角形等の各種所定形状の引掛部を設ければよい。例えば、パネル収納ケース部31に当該引掛部を設け、当該引掛部に指や道具を挟み入れてパネル部32を引っ掛けることによって引き出すようにしても、同様の効果を得ることができる。
【0091】
さらに上述の実施の形態においては、開閉式パネル部30はミニコンポ1に組み込まれるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、ラジオカセットレコーダや、ビデオレコーダ等の音響機器や映像機器、さらにエアーコンディショナや電話機などの各種電子機器に組み入れるようにしても良い。
【0092】
さらに上述の実施の形態においては、回転軸部としての回転軸部53と、パネル部としてのパネル部32と、収納空間形成部としてのケース本体部41と、回転軸保持部としての回転軸保持部43と、パネル収納部としてのパネル収納ケース部31とによって開閉式パネル装置としての開閉式パネル部30を構成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、その他種々の装置、部品からなるパネル部、パネル収納部を開閉式パネル装置として使用するようにしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0093】
本発明の開閉式パネル装置は、音楽記録再生装置、電話機、エアーコンディショナ等の各種電子機器に幅広く適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】ミニコンポの全体構成を示す略線的斜視図である。
【図2】トップ操作盤部の構成を示す略線図である。
【図3】フロント操作盤部の構成を示す略線図である。
【図4】開閉式パネル部の開状態の説明に供する略線図である。
【図5】サブ機能ボタン群の構成を示す略線図である。
【図6】開閉式パネル部の構成(閉状態)を示す略線図である。
【図7】開閉式パネル部の構成(開状態)を示す略線図である。
【図8】開閉式パネル部(開状態)を示す略線図である。
【図9】パネル部の閉動作の説明に供する略線図である。
【図10】重心と均衡角度との関係の説明に供する略線的断面図である。
【符号の説明】
【0095】
1……ミニコンポ、2……フロント操作盤部、3……スピーカ、4……トップ操作盤部、30……開閉式パネル部、31……パネル収納ケース部、32……パネル部、33……装着ボタン部、41……ケース本体部、42……ケース上縁部、43……回転軸保持部、45……固定部、51……柱部、51A……パネル操作面、52……貫通孔、53……回転軸部、54……パネル露出板部、54C……パネル露出板本体部、54D……パネル露出板上縁部、56……指掛部、58……被固定部、70……サブ機能ボタン群。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転による開閉動作の際に支点となる回転軸部を有するパネル部と、
上記パネル部の収納空間を形成する収納空間形成部、及び上記回転軸部を回転自在な状態で保持する回転軸保持部を有するパネル収納部と
を具え、
上記パネル部の形状は、上記回転軸部を支点として、所定の角度になった時点で上記収納空間形成部に引き込まれるような重量配分に選定されている
ことを特徴とする開閉式パネル装置。
【請求項2】
上記パネル部は、
上記パネル部に所定の装着部品が取り付けられ、
上記パネル部の形状と上記装着部品の装着位置とによって、上記重量配分に選定されている
ことを特徴とする請求項1に記載の開閉式パネル装置。
【請求項3】
上記パネル部には、
上記パネル収納部に収納された場合であっても露出する露出面に対して外部から引っ掛けることが可能な所定形状の引掛部が設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の開閉式パネル装置。
【請求項4】
開状態又は閉状態にするための回転動作の際に支点となる回転軸部、及び上記閉状態において上記回転動作を停止するための被固定部を有するパネル部と、
上記パネル部の収納空間を形成する収納空間形成部、上記回転軸部を回転自在な状態で保持する回転軸保持部、及び上記被固定部を磁力によって固定する固定部を有するパネル収納部と
を具え、
上記パネル部の形状は、上記回転軸部を支点として、所定の角度になった時点で上記収納空間形成部に引き込まれるような重量配分に選定されている
ことを特徴とする開閉式パネル装置。
【請求項5】
上記パネル部には、
上記パネル収納部に収納された場合であっても露出する露出面に対して外部から引っ掛けることが可能な所定形状の引掛部が設けられている
ことを特徴とする請求項4に記載の開閉式パネル装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−351730(P2006−351730A)
【公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−174258(P2005−174258)
【出願日】平成17年6月14日(2005.6.14)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】