開閉検知装置
【課題】種々の開閉方向や配置に対応して取り付けることができる開閉検知装置を提供する。
【解決手段】開閉する構造物に取り付けられて該構造物の開閉を検知する開閉検知装置に、正面開放のボックス状の収容ケースと、該収容ケースに収容される本体と、収容された該本体を前記収容ケースに固定する固定手段とを備え、前記収容ケースの一側面を、前記構造物に取り付ける取付面とし、前記固定手段を、正面から見て前記取付面の両端方向に対称に備えた。
【解決手段】開閉する構造物に取り付けられて該構造物の開閉を検知する開閉検知装置に、正面開放のボックス状の収容ケースと、該収容ケースに収容される本体と、収容された該本体を前記収容ケースに固定する固定手段とを備え、前記収容ケースの一側面を、前記構造物に取り付ける取付面とし、前記固定手段を、正面から見て前記取付面の両端方向に対称に備えた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば2枚一組の窓の一方に本体を、他方に被検知体を取り付け、窓が開閉された際に前記本体が前記被検知体の移動を検知するような開閉検知装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、窓や扉の開閉を検知する装置として、扉の開閉を監視することが可能な磁気近接スイッチが提案されている(特許文献1参照)。この磁気近接スイッチは、扉枠にスイッチ本体を取り付け、マグネット本体を扉に取り付けて、扉を閉じたときにマグネット本体の一面とスイッチ本体の一面とが対面するように構成されている。そして、扉が閉じているとき、近接しているマグネット本体の磁束がスイッチ本体に設けられたリードスイッチを通過し、該リードスイッチの接点が閉鎖する。扉が開くと、マグネット本体が離れるため磁束がリードスイッチを通過せず、該リードスイッチの接点が開放される。このようにして、磁気近接スイッチは扉の開閉を検知できる。
【0003】
また、窓の開閉を検知するワイヤレス防犯システムが提案されている(特許文献2参照)。このワイヤレス防犯システムは、2枚窓の一方の窓枠体の側縁部にワイヤレス送信器が取り付けられ、このワイヤレス送信器に対応して、他方の窓枠体の側縁部あるいは窓ガラスに永久磁石が取り付けられている。これにより、ワイヤレス防犯システムは、上述した磁気近接スイッチと同様に磁束によって窓の開閉を検知できる。
【0004】
他にも、磁界を利用して窓の開閉を検知する検出装置が提案されている(特許文献3参照)。この検出装置も、サッシに取り付けたマグネットユニットと、窓に取り付けたセンサユニットとを用いて、窓の開閉を検知できる。
【0005】
一方、扉は右開きや左開きなどいずれの開閉も存在し、また一対の窓にも右側の窓が手前に配置されたものや左側の窓が手前に配置されたものなどいずれの配置も存在する。
しかし、前記磁気近接スイッチ、ワイヤレス防犯システム、および検出装置は、いずれもスイッチ本体やマグネット本体の取り付けについて特に考慮されておらず、扉や窓の種々の開閉方向や配置に対応できるというものではなかった。
【0006】
【特許文献1】特開平10−12109号公報
【特許文献2】特許第2756611号公報
【特許文献3】特開2003−223683号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この発明は上述の問題に鑑み、種々の開閉方向や配置に対応して取り付けることができる開閉検知装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は、開閉する構造物に取り付けられて該構造物の開閉を検知する開閉検知装置であって、正面開放のボックス状の収容ケースと、該収容ケースに収容される本体と、収容された該本体を前記収容ケースに固定する固定手段とを備え、前記収容ケースの一側面を、前記構造物に取り付ける取付面とし、前記固定手段を、正面から見て前記取付面の両端方向に対称に備えた開閉検知装置であることを特徴とする。
【0009】
前記構造物は、窓と窓、窓と窓枠、扉と扉枠、引き出しと引き出し収納枠など、開閉する構造物で構成することができる。従って開閉検知装置は、窓、扉、または引き出しといった開閉する際に移動する構造物に取り付ける、または窓枠、扉枠、引き出しの収納枠といった開閉する際に移動しない構造物に取り付ける、あるいは移動する構造物と移動しない構造物の両方に取り付けるなど、開閉する構造物のどこかに取り付けることができる。
前記収容ケースは、正面視長方形、正面視正方形、正面視六角形など、様々な形状に形成することができる。
【0010】
この発明により、種々の開閉方向や配置に対応して開閉検知装置を取り付けることができる。例えば、左右に開く一対の扉のサッシに開閉検知装置を取り付ける場合であれば、取付面を左側にした場合、サッシに右側から収容ケースを取り付け、本体を正面から収容することができる。逆に取付面を右側にした場合、サッシに左側から収容ケースを取り付け、本体を正面から収容することができる。このとき、固定手段は取付面の両端方向に対称(すなわちこの例では上下方向に対称)であるため、収容ケースが上下逆に取り付けられても、本体は上下の向きがそのままで収容ケースに収容し固定手段で固定することができる。
【0011】
この発明の態様として、前記固定手段を、前記収容ケースの前記取付面側とその反対面側との両内側に対向配置されたケース側係合部と、前記本体に設けられて前記ケース側係合部と係合する本体側係合部とで構成し、前記ケース側係合部と前記本体側係合部の少なくとも一方に、係合する相手側へ向けて付勢する付勢手段を備えることができる。
【0012】
前記ケース側係合部は、本体側係合部に向かって付勢する付勢突起、本体側係合部として設けられた付勢突起が嵌合する溝や穴、あるいは該付勢突起がひっかかる突起部など、本体側係合部と係合する適宜の構成とすることができる。
【0013】
前記本体側係合部は、ケース側係合部に向かって付勢する付勢突起、ケース側係合部として設けられた付勢突起が嵌合する溝や穴、あるいは該付勢突起がひっかかる突起部など、ケース側係合部と係合する適宜の構成とすることができる。
【0014】
この態様により、収容ケースに本体を収容して固定する作業を容易化することができる。
【0015】
またこの発明の態様として、前記反対面側より前記取付面側の付勢力が強くなるように前記ケース側係合部を構成することができる。
前記ケース側係合部の付勢力の違いは、前記本体側係合部に前記付勢手段を設けた場合にケース側係合部に形成した突起の高さの違いによって実現する、あるいはケース側係合部に設けた前記付勢手段の弾性力の違いによって実現するなど、適宜の構成で実現することができる。
【0016】
この態様により、収容ケースを様々な向きにして取付面を構造物に取り付けても、該収容ケースに収容した本体を取付面側に付勢することができる。従って、開閉検知装置の全体の重心を取付面側に寄せることができる。
【0017】
またこの発明の態様として、正面から見て前記取付面両端側のいずれか一方に位置する前記本体の一側面に発光部を突出して備え、正面から見て前記取付面両端側に位置する前記収容ケースの両側面に、前記発光部を突出許容する溝部を設けることができる。
【0018】
これにより、収容ケースに対して本体の向きを変えて収容しても、発光部を収容ケースの溝から突出させることができる。従って、収容する向きにかかわらず、利用者は発光部を視認できる。
【0019】
またこの発明の態様として、開閉検知用の検知手段を前記本体の裏面側に設け、前記収容ケースの裏面側に、前記検知手段が設けられた部位を収容する検知手段収容部を、正面から見て前記取付面の両端方向に対称に設けることができる。
【0020】
前記検知手段は、被検知体となる永久磁石の磁束が通過すれば接点を閉鎖し磁束が通過しなければ接点を開放するリードスイッチなど、被検知体の近接と離間を検知できる適宜の検知手段で構成することができる。
【0021】
検知手段収容部は、収容ケースの裏面中央に設ける、あるいは裏面の両端部近傍に対称に設けるなど、対称となる適宜の位置に設けることができる。また、該検知手段収容部は、収容ケースの裏面に形成した穴あるいは凹部など、検知手段を収容できる部分で構成することができる。
【0022】
この態様により、収容ケースに対して本体の向きを変えて収容しても、検知手段を検知手段収容部に収容することができる。従って、収容する向きにかかわらず、検知手段を効果的に作用させることができる。
【0023】
またこの発明の態様として、前記本体内に電池を収納する電池収納部を備え、前記取付面側に位置する前記本体の取付側面またはその反対側面に、前記電池収納部への前記電池の着脱を許容する開口部を設けることができる。
前記電池は、乾電池やボタン電池などの1次電池、または蓄電池や燃料電池などの2次電池など、適宜の電池を使用することができる。
【0024】
この態様により、電池交換するに際して、収容ケースから本体を取り出す過程で電池収納部から電池が抜け落ちることや、収容ケースに本体を収容する過程で電池の装着不良により収容不良が生じることを防止できる。すなわち、仮に裏面に開口部を設けた場合、収容ケースから本体を取り出す過程で電池が抜け落ちることが考えられる。仮に電池の抜け落ち防止に蓋を設けたとしても、この蓋の閉じ方が完全でなければ、収容ケースに本体が最後まできちんと収容できないといったことが考えられる。本体の側面となる前記取付側面や反対側面に開口部を設けることで、このようなことを防止できる。
【0025】
またこの発明の態様として、前記本体内に音声を発声するスピーカを備え、前記スピーカが発声した音声を通過させる音声通過穴を前記本体の正面に備えることができる。
これにより、スピーカから発声した音声を本体の正面側(例えば室内など)に効率よく伝えることができる。
【発明の効果】
【0026】
この発明により、種々の開閉方向や配置に対応して取り付けることができる開閉検知装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
この発明の一実施形態を以下図面と共に説明する。
図1は、センサユニット6の使用状態の斜視図を示し、図2は、開閉検知装置8の斜視図を示し、図3は、本体10を裏面側から見た斜視図を示し、図4は、開閉検知装置8の縦断右側面図を示し、図5は、収容ケース40の正面図を示し、図6は、収容ケース40の横断底面図を示す。
【0028】
センサユニット6は、図1に示すように、2枚一組に構成される2枚窓1に取り付けられて使用される。
2枚窓1は、左奥に位置する左奥窓2と、右手前に位置する右手前窓3が前後互い違いに左右に並べて配され、各窓2,3がいずれも左右に開閉する引き違い窓で構成されている。左奥窓2は、ガラス2aとサッシ2bとで構成されており、右手前窓3は、ガラス3aとサッシ3bとで構成されている。
【0029】
この2枚窓1は、左奥窓2と右手前窓3とがそれぞれ個別に左右にスライド移動可能に図示省略する外枠に嵌め込まれており、閉状態で左奥窓2のサッシ2bと右手前窓3のサッシ3bとが前後に重合する位置に配置されている。
【0030】
この右手前窓3のサッシ3bの左側面に、開閉検知装置8が化粧面11を正面に向けて接着固定されている。この接着固定は、両面テープで固定する、あるいは接着剤で固定するなど、適宜の方法で固定するとよい。
【0031】
左奥窓2のガラス2aには、開閉検知装置8の裏側に位置合わせされた被検知体としての永久磁石7が接着固定されている。この接着固定は、両面テープで固定する、あるいは接着剤で固定するなど、適宜の方法で固定するとよい。
【0032】
開閉検知装置8は、図2に示すように本体10と、該本体10を着脱可能に収容する収容ケース40とで構成されている。
【0033】
本体10は、全体が略直方体であり、左右の幅が上下方向に一定で両側面が一直線状の平行な形状に形成されている。該本体10の正面は一回り大きい板状に形成されて、その表面に化粧面11が設けられている。この化粧面11は、本実施の形態ではサッシ3bに取り付けられた際に室内側に向く面であり、印刷や彫刻等によって図示省略する適宜のデザイン加工が施されている。化粧面11の下端近傍には、内部に設けられたスピーカの音声を通過させる放音孔12が設けられている。
【0034】
本体10の下面には、導光体35と押下ボタン39とが設けられている。この導光体35と押下ボタン39は、本体10の幅方向中央位置に設けられ、本体10を収容ケース40に収容する際の収容方向(この例では前後方向)に一直線に配置されている。
【0035】
本体10の右側面には、上下に長い溝状の凹部18が、上下方向に3つ配設されている。この3つの凹部18は、いずれも本体10の表裏方向に同一の高さに設けられており、本体10の上下方向中央位置に設けられた凹部18を中心に上下対称に形成されている。
【0036】
本体10の左側面には、図3の裏側から見た斜視図に示すように、3つの凹部18が上述した右側面の凹部18と左右対称に設けられている。また、本体10の左側面には、電池の着脱を許容する開口部15が設けられ、該開口部15の内側に電池を収納する電池収納部16が設けられている。電池収納部16の上部には、電池蓋21の着脱突起23を着脱する着脱穴14が設けられ、電池収納部16の下部には、電池蓋21の図示省略する係合突起と係合する係合穴17が設けられている。
【0037】
電池収容後に前記開口部15を塞ぐ電池蓋21は、上部にツマミ部22が設けられ、装着時の内側面に電池を押圧する押圧部材24が設けられている。この押圧部材24は、例えばスポンジで構成されている。電池蓋21の内側には、着脱突起23も設けられている。この着脱突起23は、弾性を有して電池蓋21本体とツマミ部22とを接続する役割も有しており、この弾性力で利用者がツマミ部22を容易につまんで電池蓋21を取り外せるようにしている。
【0038】
図4に示すように、本体10の内部には、電池収納部16と、基板30とが設けられている。基板30は、本体10の裏面に近い部分に設けられており、磁束の通過の有無によってスイッチON/OFFが切り替わるリードスイッチ31と、アラーム音を鳴らすスピーカ32と、発光を行うLED33が設けられている。
【0039】
リードスイッチ31は、基板30の裏面部分で、本体10の上下方向中央部に設けられている。本体10の裏面25の上下方向中央部には、このリードスイッチ31を収容できるように裏面側へ突出した凸部26が設けられている。また、本体10の裏面25の下端近傍にも、裏面側へ突出した凸部27が設けられている。
【0040】
LED33の先端部分に対向して、導光体35の導光部38が設けられている。この導光部38は、LED33が正面へ向けて発した光を下方へ屈曲させる。そして、導光体35の下端部分には、光を外部へ放出する発光部36が設けられている。これにより、LED33の光を外部へ誘導し、外から発光を視認できるようにしている。
【0041】
また、この開閉検知装置8は左奥窓2(図1参照)または右手前窓3の開閉を検知すると無線通信で図示省略するセンタコントローラに検知信号を送信するものであるから、図示省略する無線通信部と制御部とが基板30に設けられている。この制御部の制御により、非警戒モードではLED33を消灯し、警戒モードではLED33を10秒間隔で点滅させ、警戒モードで開閉を検知したときにLED33を1秒間隔で点滅させると共にセンタコントローラに開閉検知信号を送信する。
【0042】
図5に示すように、収容ケース40は、正面を完全開放した直方体であり、裏面81に、突出部用穴82,82およびセンサ用穴83が設けられている。センサ用穴83は上下方向中央に設けられており、突出部用穴82,82は、上下端部にそれぞれ上下対称に設けられている。また、右側面61と左側面71は一直線状に平行に構成され、収容ケース40の内部幅が上下方向に同一になるように構成されている。
【0043】
収容ケース40の右側面61には、図2に示すように、サッシ3b(図1参照)に取り付ける両面テープを貼り付けるための接着取付部57,57が上下対称に設けられている。
【0044】
また、収容ケース40の右側面61には、付勢部62が上下方向に3つ配設されている。この付勢部62は、前記センサ用穴83が設けられている上下方向中央位置に1つ設けられ、前記突出部用穴82が設けられている上下端部近傍位置にそれぞれ1つずつ設けられて、上下対称に配設されている。
【0045】
また、収容ケース40の左側面71には、付勢部72が上下方向に3つ配設されている。この付勢部72は、前記センサ用穴83が設けられている上下方向中央位置に1つ設けられ、前記突出部用穴82が設けられている上下端部近傍位置にそれぞれ1つずつ設けられて、上下対称に配設されている。
【0046】
図6に示すように、付勢部62と付勢部72は、互いに左右対向して配置されている。ここで、図6(A)は図5のA−A矢視断面図を示し、図6(B)は図5のB−B矢視断面図を示す。
【0047】
付勢部72は、図4に示すように右側面71に設けられた抜き窓75部分の正面側端に、正面から裏面へ向けて垂れ下がるように設けられた弾性板73と、該弾性板73の裏面側端に図6に示すように内側へ向けて突出形成された凸部74とで構成されている。弾性板73は、凸部74が設けられている端部に向けて内側へ少し傾斜するように形成されている。このため、付勢部72は、収容される本体10をしっかりと付勢することができる。この付勢部72は、樹脂で形成される収容ケース40と一体形成されている。
【0048】
付勢部62は、前記付勢部72と同様に、抜き窓65に設けられた弾性板63と凸部64とで構成されており、凸部64の表裏方向の位置は凸部74と同一であるが、凸部64の幅方向の突出高さH1が凸部74の突出高さH2より低く形成されている。また、弾性板63の厚みおよび大きさは、弾性板73の厚みおよび大きさと同一に形成されており、この弾性板63による弾性力は弾性板73による弾性力と同一になるように構成されている。
【0049】
収容ケース40の上面51には、幅方向中央位置に表裏方向に一直線に溝52と穴53とが設けられている。収容ケース40の下面54にも、溝52と穴53とが設けられている。この溝52と穴53は、上面51と下面54とで上下対称に設けられている。そして、収容ケース40に本体10を収容した状態で、溝52内に本体10の導光体35が位置し、穴53内に本体10の押下ボタン39が位置するように構成されている。
【0050】
以上の構成により、種々の開閉方向や配置に対応して取り付けることができる開閉検知装置8を提供できる。詳述すると、図1に示したように、サッシ3bの左側面に接着固定する場合には、収容ケース40の接着取付部57を図2に示したように右側面に位置させ、この接着取付部57に両面テープを貼り付けてサッシ3bの左側面に固定することができる。
【0051】
そして、この固定した状態で、収容ケース40の正面から裏面へ向けて本体10を挿入し収容することができる。収容された本体10は、両側面に凹部18を備えているため、この凹部18に収容ケース40の凸部64や凸部74がそれぞれ嵌合し、本体10と収容ケース40とが固定される。
【0052】
さらに、凸部64の突出高さH1が凸部74の突出高さH2より低いため、本体10はサッシ3bに取り付けられている接着取付部57側へより強く付勢される。これにより、開閉検知装置8全体の重心をサッシ3bに近づけることができる。
【0053】
収容ケース40の下面54に設けられた溝52内には、本体10の導光体35が位置し、同様に穴53内には押下ボタン39が位置する。このため、本体10を収容ケース40に収容した状態で、導光体35の発光を外部から視認でき、押下ボタン39を押下操作することができる。
【0054】
また、本体10の裏面25に設けられた凸部26は、収容ケース40の裏面81に設けられたセンサ用穴83内に嵌まり込み、同様に凸部27は突出部用穴82内に嵌まり込む。
【0055】
また、電池を着脱する開口部15が本体10の一側面に設けられているため、収容ケース40に対する本体10の着脱時に電池が抜け落ちることを防止できる。この抜け落ち防止は、電池蓋21によって確実になされる。
【0056】
そして、この電池蓋21が側面にあることから、電池蓋21が完全にはまっていないような場合に電池蓋21が開口部15から浮くことになり、収容ケース40に本体10を収容しようとすれば、収容ケース40の右側面61あるいは左側面71に浮いた電池蓋21が引っかかって収容できないことになる。従って、電池蓋21をしっかりはめた状態で収容ケース40に本体10を収容することができる。
【0057】
このように開閉検知装置8をサッシ3bに取り付けて、図7の斜視図に示すように左奥窓2または右手前窓3を開けば、開閉検知装置8のリードスイッチ31に近接していた永久磁石7が離間し、開閉を検知することができる。
【0058】
さらに、窓の構成がこれと逆に左側が手前で右側が奥であった場合、図8の斜視図に示すように収容ケース40を上下反転させ、サッシの右側面に、上下反転によって左側面に位置した接着取付部57を両面テープで固定することができる。
【0059】
そして、上述した収容ケース40の溝52、穴53、凸部64、凸部74、突出部用穴82、およびセンサ用穴83は上下対称であるため、これらの構成要素が本体10に設けられた凹部18、凸部26,27、導光体35、および押下ボタン39に行う作用を、全く同一に得ることができる。
【0060】
このようにして、取り付け対象となる窓や扉の配置にかかわらず、収容ケース40の向きを適宜設定して接着固定し、本体10はそのままの向きで収容ケース40に収容できる開閉検知装置8を提供することができる。そして、収容ケース40を窓や扉に接着固定する向きが変わっても、本体10および化粧面11の向きは変わらないため、化粧面11に施した意匠が正しい向きの状態で開閉検知装置8を設置できる。
【0061】
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
この発明の本体の取付側面および反対側面は、実施形態の本体10の左右側面に対応し、
以下同様に、
構造物は、サッシ3bに対応し、
音声通過穴は、放音孔12に対応し、
本体側係合部は、凹部18に対応し、
固定手段は、凹部18および付勢部62,72に対応し、
検知手段は、リードスイッチ31に対応し、
発光部は、導光体35に対応し、
溝部は、溝52に対応し、
取付面は、右側面61に対応し、
付勢手段は、付勢部62,72に対応し、
ケース側係合部は、凸部64,74に対応し、
検知手段収容部は、センサ用穴83に対応し、
正面から見て前記取付面の両端方向は、上下方向に対応するも、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
【0062】
例えば、片方の窓(例えば左奥窓2または右手前窓3)のみが開閉して他方は固定である片引き窓にセンサユニット6を取り付けても良い。この場合、永久磁石7および開閉検知装置8の一方を開閉する窓に取り付け、他方を固定の窓あるいは窓枠に取り付けると良い。
【0063】
また、上下に上げ下げする2枚一組の上げ下げ窓の場合は、上述した実施の形態での左右の引き違い窓を90度回転させた状態と同様に永久磁石7および開閉検知装置8を取り付ければよい。
【0064】
また、固定された窓枠の中の窓が回動して開閉する外開き窓や内開き窓や滑り出し窓等の窓の場合は、永久磁石7および開閉検知装置8の一方を窓に取り付け、他方を窓枠に取り付けると良い。
【0065】
また、戸を内側に引いて回動させて開閉する引き戸や、戸を外側へ回動させて開閉する開き戸などの場合も、永久磁石7および開閉検知装置8の一方を戸に取り付け、他方を戸枠に取り付けると良い。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】センサユニットの使用状態の斜視図。
【図2】開閉検知装置の斜視図。
【図3】本体を裏面側から見た斜視図。
【図4】開閉検知装置の縦断右側面図。
【図5】収容ケースの正面図。
【図6】収容ケースの横断底面図。
【図7】センサユニットの使用状態の斜視図。
【図8】サッシに対して左右逆側から取り付ける場合の開閉検知装置の斜視図。
【符号の説明】
【0067】
3b…サッシ
8…開閉検知装置
10…本体
12…放音孔
15…開口部
18…凹部
62,72…付勢部
31…リードスイッチ
32…スピーカ
35…導光体
40…収容ケース
52…溝
61…右側面
62,72…付勢部
64,74…凸部
83…センサ用穴
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば2枚一組の窓の一方に本体を、他方に被検知体を取り付け、窓が開閉された際に前記本体が前記被検知体の移動を検知するような開閉検知装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、窓や扉の開閉を検知する装置として、扉の開閉を監視することが可能な磁気近接スイッチが提案されている(特許文献1参照)。この磁気近接スイッチは、扉枠にスイッチ本体を取り付け、マグネット本体を扉に取り付けて、扉を閉じたときにマグネット本体の一面とスイッチ本体の一面とが対面するように構成されている。そして、扉が閉じているとき、近接しているマグネット本体の磁束がスイッチ本体に設けられたリードスイッチを通過し、該リードスイッチの接点が閉鎖する。扉が開くと、マグネット本体が離れるため磁束がリードスイッチを通過せず、該リードスイッチの接点が開放される。このようにして、磁気近接スイッチは扉の開閉を検知できる。
【0003】
また、窓の開閉を検知するワイヤレス防犯システムが提案されている(特許文献2参照)。このワイヤレス防犯システムは、2枚窓の一方の窓枠体の側縁部にワイヤレス送信器が取り付けられ、このワイヤレス送信器に対応して、他方の窓枠体の側縁部あるいは窓ガラスに永久磁石が取り付けられている。これにより、ワイヤレス防犯システムは、上述した磁気近接スイッチと同様に磁束によって窓の開閉を検知できる。
【0004】
他にも、磁界を利用して窓の開閉を検知する検出装置が提案されている(特許文献3参照)。この検出装置も、サッシに取り付けたマグネットユニットと、窓に取り付けたセンサユニットとを用いて、窓の開閉を検知できる。
【0005】
一方、扉は右開きや左開きなどいずれの開閉も存在し、また一対の窓にも右側の窓が手前に配置されたものや左側の窓が手前に配置されたものなどいずれの配置も存在する。
しかし、前記磁気近接スイッチ、ワイヤレス防犯システム、および検出装置は、いずれもスイッチ本体やマグネット本体の取り付けについて特に考慮されておらず、扉や窓の種々の開閉方向や配置に対応できるというものではなかった。
【0006】
【特許文献1】特開平10−12109号公報
【特許文献2】特許第2756611号公報
【特許文献3】特開2003−223683号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この発明は上述の問題に鑑み、種々の開閉方向や配置に対応して取り付けることができる開閉検知装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は、開閉する構造物に取り付けられて該構造物の開閉を検知する開閉検知装置であって、正面開放のボックス状の収容ケースと、該収容ケースに収容される本体と、収容された該本体を前記収容ケースに固定する固定手段とを備え、前記収容ケースの一側面を、前記構造物に取り付ける取付面とし、前記固定手段を、正面から見て前記取付面の両端方向に対称に備えた開閉検知装置であることを特徴とする。
【0009】
前記構造物は、窓と窓、窓と窓枠、扉と扉枠、引き出しと引き出し収納枠など、開閉する構造物で構成することができる。従って開閉検知装置は、窓、扉、または引き出しといった開閉する際に移動する構造物に取り付ける、または窓枠、扉枠、引き出しの収納枠といった開閉する際に移動しない構造物に取り付ける、あるいは移動する構造物と移動しない構造物の両方に取り付けるなど、開閉する構造物のどこかに取り付けることができる。
前記収容ケースは、正面視長方形、正面視正方形、正面視六角形など、様々な形状に形成することができる。
【0010】
この発明により、種々の開閉方向や配置に対応して開閉検知装置を取り付けることができる。例えば、左右に開く一対の扉のサッシに開閉検知装置を取り付ける場合であれば、取付面を左側にした場合、サッシに右側から収容ケースを取り付け、本体を正面から収容することができる。逆に取付面を右側にした場合、サッシに左側から収容ケースを取り付け、本体を正面から収容することができる。このとき、固定手段は取付面の両端方向に対称(すなわちこの例では上下方向に対称)であるため、収容ケースが上下逆に取り付けられても、本体は上下の向きがそのままで収容ケースに収容し固定手段で固定することができる。
【0011】
この発明の態様として、前記固定手段を、前記収容ケースの前記取付面側とその反対面側との両内側に対向配置されたケース側係合部と、前記本体に設けられて前記ケース側係合部と係合する本体側係合部とで構成し、前記ケース側係合部と前記本体側係合部の少なくとも一方に、係合する相手側へ向けて付勢する付勢手段を備えることができる。
【0012】
前記ケース側係合部は、本体側係合部に向かって付勢する付勢突起、本体側係合部として設けられた付勢突起が嵌合する溝や穴、あるいは該付勢突起がひっかかる突起部など、本体側係合部と係合する適宜の構成とすることができる。
【0013】
前記本体側係合部は、ケース側係合部に向かって付勢する付勢突起、ケース側係合部として設けられた付勢突起が嵌合する溝や穴、あるいは該付勢突起がひっかかる突起部など、ケース側係合部と係合する適宜の構成とすることができる。
【0014】
この態様により、収容ケースに本体を収容して固定する作業を容易化することができる。
【0015】
またこの発明の態様として、前記反対面側より前記取付面側の付勢力が強くなるように前記ケース側係合部を構成することができる。
前記ケース側係合部の付勢力の違いは、前記本体側係合部に前記付勢手段を設けた場合にケース側係合部に形成した突起の高さの違いによって実現する、あるいはケース側係合部に設けた前記付勢手段の弾性力の違いによって実現するなど、適宜の構成で実現することができる。
【0016】
この態様により、収容ケースを様々な向きにして取付面を構造物に取り付けても、該収容ケースに収容した本体を取付面側に付勢することができる。従って、開閉検知装置の全体の重心を取付面側に寄せることができる。
【0017】
またこの発明の態様として、正面から見て前記取付面両端側のいずれか一方に位置する前記本体の一側面に発光部を突出して備え、正面から見て前記取付面両端側に位置する前記収容ケースの両側面に、前記発光部を突出許容する溝部を設けることができる。
【0018】
これにより、収容ケースに対して本体の向きを変えて収容しても、発光部を収容ケースの溝から突出させることができる。従って、収容する向きにかかわらず、利用者は発光部を視認できる。
【0019】
またこの発明の態様として、開閉検知用の検知手段を前記本体の裏面側に設け、前記収容ケースの裏面側に、前記検知手段が設けられた部位を収容する検知手段収容部を、正面から見て前記取付面の両端方向に対称に設けることができる。
【0020】
前記検知手段は、被検知体となる永久磁石の磁束が通過すれば接点を閉鎖し磁束が通過しなければ接点を開放するリードスイッチなど、被検知体の近接と離間を検知できる適宜の検知手段で構成することができる。
【0021】
検知手段収容部は、収容ケースの裏面中央に設ける、あるいは裏面の両端部近傍に対称に設けるなど、対称となる適宜の位置に設けることができる。また、該検知手段収容部は、収容ケースの裏面に形成した穴あるいは凹部など、検知手段を収容できる部分で構成することができる。
【0022】
この態様により、収容ケースに対して本体の向きを変えて収容しても、検知手段を検知手段収容部に収容することができる。従って、収容する向きにかかわらず、検知手段を効果的に作用させることができる。
【0023】
またこの発明の態様として、前記本体内に電池を収納する電池収納部を備え、前記取付面側に位置する前記本体の取付側面またはその反対側面に、前記電池収納部への前記電池の着脱を許容する開口部を設けることができる。
前記電池は、乾電池やボタン電池などの1次電池、または蓄電池や燃料電池などの2次電池など、適宜の電池を使用することができる。
【0024】
この態様により、電池交換するに際して、収容ケースから本体を取り出す過程で電池収納部から電池が抜け落ちることや、収容ケースに本体を収容する過程で電池の装着不良により収容不良が生じることを防止できる。すなわち、仮に裏面に開口部を設けた場合、収容ケースから本体を取り出す過程で電池が抜け落ちることが考えられる。仮に電池の抜け落ち防止に蓋を設けたとしても、この蓋の閉じ方が完全でなければ、収容ケースに本体が最後まできちんと収容できないといったことが考えられる。本体の側面となる前記取付側面や反対側面に開口部を設けることで、このようなことを防止できる。
【0025】
またこの発明の態様として、前記本体内に音声を発声するスピーカを備え、前記スピーカが発声した音声を通過させる音声通過穴を前記本体の正面に備えることができる。
これにより、スピーカから発声した音声を本体の正面側(例えば室内など)に効率よく伝えることができる。
【発明の効果】
【0026】
この発明により、種々の開閉方向や配置に対応して取り付けることができる開閉検知装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
この発明の一実施形態を以下図面と共に説明する。
図1は、センサユニット6の使用状態の斜視図を示し、図2は、開閉検知装置8の斜視図を示し、図3は、本体10を裏面側から見た斜視図を示し、図4は、開閉検知装置8の縦断右側面図を示し、図5は、収容ケース40の正面図を示し、図6は、収容ケース40の横断底面図を示す。
【0028】
センサユニット6は、図1に示すように、2枚一組に構成される2枚窓1に取り付けられて使用される。
2枚窓1は、左奥に位置する左奥窓2と、右手前に位置する右手前窓3が前後互い違いに左右に並べて配され、各窓2,3がいずれも左右に開閉する引き違い窓で構成されている。左奥窓2は、ガラス2aとサッシ2bとで構成されており、右手前窓3は、ガラス3aとサッシ3bとで構成されている。
【0029】
この2枚窓1は、左奥窓2と右手前窓3とがそれぞれ個別に左右にスライド移動可能に図示省略する外枠に嵌め込まれており、閉状態で左奥窓2のサッシ2bと右手前窓3のサッシ3bとが前後に重合する位置に配置されている。
【0030】
この右手前窓3のサッシ3bの左側面に、開閉検知装置8が化粧面11を正面に向けて接着固定されている。この接着固定は、両面テープで固定する、あるいは接着剤で固定するなど、適宜の方法で固定するとよい。
【0031】
左奥窓2のガラス2aには、開閉検知装置8の裏側に位置合わせされた被検知体としての永久磁石7が接着固定されている。この接着固定は、両面テープで固定する、あるいは接着剤で固定するなど、適宜の方法で固定するとよい。
【0032】
開閉検知装置8は、図2に示すように本体10と、該本体10を着脱可能に収容する収容ケース40とで構成されている。
【0033】
本体10は、全体が略直方体であり、左右の幅が上下方向に一定で両側面が一直線状の平行な形状に形成されている。該本体10の正面は一回り大きい板状に形成されて、その表面に化粧面11が設けられている。この化粧面11は、本実施の形態ではサッシ3bに取り付けられた際に室内側に向く面であり、印刷や彫刻等によって図示省略する適宜のデザイン加工が施されている。化粧面11の下端近傍には、内部に設けられたスピーカの音声を通過させる放音孔12が設けられている。
【0034】
本体10の下面には、導光体35と押下ボタン39とが設けられている。この導光体35と押下ボタン39は、本体10の幅方向中央位置に設けられ、本体10を収容ケース40に収容する際の収容方向(この例では前後方向)に一直線に配置されている。
【0035】
本体10の右側面には、上下に長い溝状の凹部18が、上下方向に3つ配設されている。この3つの凹部18は、いずれも本体10の表裏方向に同一の高さに設けられており、本体10の上下方向中央位置に設けられた凹部18を中心に上下対称に形成されている。
【0036】
本体10の左側面には、図3の裏側から見た斜視図に示すように、3つの凹部18が上述した右側面の凹部18と左右対称に設けられている。また、本体10の左側面には、電池の着脱を許容する開口部15が設けられ、該開口部15の内側に電池を収納する電池収納部16が設けられている。電池収納部16の上部には、電池蓋21の着脱突起23を着脱する着脱穴14が設けられ、電池収納部16の下部には、電池蓋21の図示省略する係合突起と係合する係合穴17が設けられている。
【0037】
電池収容後に前記開口部15を塞ぐ電池蓋21は、上部にツマミ部22が設けられ、装着時の内側面に電池を押圧する押圧部材24が設けられている。この押圧部材24は、例えばスポンジで構成されている。電池蓋21の内側には、着脱突起23も設けられている。この着脱突起23は、弾性を有して電池蓋21本体とツマミ部22とを接続する役割も有しており、この弾性力で利用者がツマミ部22を容易につまんで電池蓋21を取り外せるようにしている。
【0038】
図4に示すように、本体10の内部には、電池収納部16と、基板30とが設けられている。基板30は、本体10の裏面に近い部分に設けられており、磁束の通過の有無によってスイッチON/OFFが切り替わるリードスイッチ31と、アラーム音を鳴らすスピーカ32と、発光を行うLED33が設けられている。
【0039】
リードスイッチ31は、基板30の裏面部分で、本体10の上下方向中央部に設けられている。本体10の裏面25の上下方向中央部には、このリードスイッチ31を収容できるように裏面側へ突出した凸部26が設けられている。また、本体10の裏面25の下端近傍にも、裏面側へ突出した凸部27が設けられている。
【0040】
LED33の先端部分に対向して、導光体35の導光部38が設けられている。この導光部38は、LED33が正面へ向けて発した光を下方へ屈曲させる。そして、導光体35の下端部分には、光を外部へ放出する発光部36が設けられている。これにより、LED33の光を外部へ誘導し、外から発光を視認できるようにしている。
【0041】
また、この開閉検知装置8は左奥窓2(図1参照)または右手前窓3の開閉を検知すると無線通信で図示省略するセンタコントローラに検知信号を送信するものであるから、図示省略する無線通信部と制御部とが基板30に設けられている。この制御部の制御により、非警戒モードではLED33を消灯し、警戒モードではLED33を10秒間隔で点滅させ、警戒モードで開閉を検知したときにLED33を1秒間隔で点滅させると共にセンタコントローラに開閉検知信号を送信する。
【0042】
図5に示すように、収容ケース40は、正面を完全開放した直方体であり、裏面81に、突出部用穴82,82およびセンサ用穴83が設けられている。センサ用穴83は上下方向中央に設けられており、突出部用穴82,82は、上下端部にそれぞれ上下対称に設けられている。また、右側面61と左側面71は一直線状に平行に構成され、収容ケース40の内部幅が上下方向に同一になるように構成されている。
【0043】
収容ケース40の右側面61には、図2に示すように、サッシ3b(図1参照)に取り付ける両面テープを貼り付けるための接着取付部57,57が上下対称に設けられている。
【0044】
また、収容ケース40の右側面61には、付勢部62が上下方向に3つ配設されている。この付勢部62は、前記センサ用穴83が設けられている上下方向中央位置に1つ設けられ、前記突出部用穴82が設けられている上下端部近傍位置にそれぞれ1つずつ設けられて、上下対称に配設されている。
【0045】
また、収容ケース40の左側面71には、付勢部72が上下方向に3つ配設されている。この付勢部72は、前記センサ用穴83が設けられている上下方向中央位置に1つ設けられ、前記突出部用穴82が設けられている上下端部近傍位置にそれぞれ1つずつ設けられて、上下対称に配設されている。
【0046】
図6に示すように、付勢部62と付勢部72は、互いに左右対向して配置されている。ここで、図6(A)は図5のA−A矢視断面図を示し、図6(B)は図5のB−B矢視断面図を示す。
【0047】
付勢部72は、図4に示すように右側面71に設けられた抜き窓75部分の正面側端に、正面から裏面へ向けて垂れ下がるように設けられた弾性板73と、該弾性板73の裏面側端に図6に示すように内側へ向けて突出形成された凸部74とで構成されている。弾性板73は、凸部74が設けられている端部に向けて内側へ少し傾斜するように形成されている。このため、付勢部72は、収容される本体10をしっかりと付勢することができる。この付勢部72は、樹脂で形成される収容ケース40と一体形成されている。
【0048】
付勢部62は、前記付勢部72と同様に、抜き窓65に設けられた弾性板63と凸部64とで構成されており、凸部64の表裏方向の位置は凸部74と同一であるが、凸部64の幅方向の突出高さH1が凸部74の突出高さH2より低く形成されている。また、弾性板63の厚みおよび大きさは、弾性板73の厚みおよび大きさと同一に形成されており、この弾性板63による弾性力は弾性板73による弾性力と同一になるように構成されている。
【0049】
収容ケース40の上面51には、幅方向中央位置に表裏方向に一直線に溝52と穴53とが設けられている。収容ケース40の下面54にも、溝52と穴53とが設けられている。この溝52と穴53は、上面51と下面54とで上下対称に設けられている。そして、収容ケース40に本体10を収容した状態で、溝52内に本体10の導光体35が位置し、穴53内に本体10の押下ボタン39が位置するように構成されている。
【0050】
以上の構成により、種々の開閉方向や配置に対応して取り付けることができる開閉検知装置8を提供できる。詳述すると、図1に示したように、サッシ3bの左側面に接着固定する場合には、収容ケース40の接着取付部57を図2に示したように右側面に位置させ、この接着取付部57に両面テープを貼り付けてサッシ3bの左側面に固定することができる。
【0051】
そして、この固定した状態で、収容ケース40の正面から裏面へ向けて本体10を挿入し収容することができる。収容された本体10は、両側面に凹部18を備えているため、この凹部18に収容ケース40の凸部64や凸部74がそれぞれ嵌合し、本体10と収容ケース40とが固定される。
【0052】
さらに、凸部64の突出高さH1が凸部74の突出高さH2より低いため、本体10はサッシ3bに取り付けられている接着取付部57側へより強く付勢される。これにより、開閉検知装置8全体の重心をサッシ3bに近づけることができる。
【0053】
収容ケース40の下面54に設けられた溝52内には、本体10の導光体35が位置し、同様に穴53内には押下ボタン39が位置する。このため、本体10を収容ケース40に収容した状態で、導光体35の発光を外部から視認でき、押下ボタン39を押下操作することができる。
【0054】
また、本体10の裏面25に設けられた凸部26は、収容ケース40の裏面81に設けられたセンサ用穴83内に嵌まり込み、同様に凸部27は突出部用穴82内に嵌まり込む。
【0055】
また、電池を着脱する開口部15が本体10の一側面に設けられているため、収容ケース40に対する本体10の着脱時に電池が抜け落ちることを防止できる。この抜け落ち防止は、電池蓋21によって確実になされる。
【0056】
そして、この電池蓋21が側面にあることから、電池蓋21が完全にはまっていないような場合に電池蓋21が開口部15から浮くことになり、収容ケース40に本体10を収容しようとすれば、収容ケース40の右側面61あるいは左側面71に浮いた電池蓋21が引っかかって収容できないことになる。従って、電池蓋21をしっかりはめた状態で収容ケース40に本体10を収容することができる。
【0057】
このように開閉検知装置8をサッシ3bに取り付けて、図7の斜視図に示すように左奥窓2または右手前窓3を開けば、開閉検知装置8のリードスイッチ31に近接していた永久磁石7が離間し、開閉を検知することができる。
【0058】
さらに、窓の構成がこれと逆に左側が手前で右側が奥であった場合、図8の斜視図に示すように収容ケース40を上下反転させ、サッシの右側面に、上下反転によって左側面に位置した接着取付部57を両面テープで固定することができる。
【0059】
そして、上述した収容ケース40の溝52、穴53、凸部64、凸部74、突出部用穴82、およびセンサ用穴83は上下対称であるため、これらの構成要素が本体10に設けられた凹部18、凸部26,27、導光体35、および押下ボタン39に行う作用を、全く同一に得ることができる。
【0060】
このようにして、取り付け対象となる窓や扉の配置にかかわらず、収容ケース40の向きを適宜設定して接着固定し、本体10はそのままの向きで収容ケース40に収容できる開閉検知装置8を提供することができる。そして、収容ケース40を窓や扉に接着固定する向きが変わっても、本体10および化粧面11の向きは変わらないため、化粧面11に施した意匠が正しい向きの状態で開閉検知装置8を設置できる。
【0061】
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
この発明の本体の取付側面および反対側面は、実施形態の本体10の左右側面に対応し、
以下同様に、
構造物は、サッシ3bに対応し、
音声通過穴は、放音孔12に対応し、
本体側係合部は、凹部18に対応し、
固定手段は、凹部18および付勢部62,72に対応し、
検知手段は、リードスイッチ31に対応し、
発光部は、導光体35に対応し、
溝部は、溝52に対応し、
取付面は、右側面61に対応し、
付勢手段は、付勢部62,72に対応し、
ケース側係合部は、凸部64,74に対応し、
検知手段収容部は、センサ用穴83に対応し、
正面から見て前記取付面の両端方向は、上下方向に対応するも、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
【0062】
例えば、片方の窓(例えば左奥窓2または右手前窓3)のみが開閉して他方は固定である片引き窓にセンサユニット6を取り付けても良い。この場合、永久磁石7および開閉検知装置8の一方を開閉する窓に取り付け、他方を固定の窓あるいは窓枠に取り付けると良い。
【0063】
また、上下に上げ下げする2枚一組の上げ下げ窓の場合は、上述した実施の形態での左右の引き違い窓を90度回転させた状態と同様に永久磁石7および開閉検知装置8を取り付ければよい。
【0064】
また、固定された窓枠の中の窓が回動して開閉する外開き窓や内開き窓や滑り出し窓等の窓の場合は、永久磁石7および開閉検知装置8の一方を窓に取り付け、他方を窓枠に取り付けると良い。
【0065】
また、戸を内側に引いて回動させて開閉する引き戸や、戸を外側へ回動させて開閉する開き戸などの場合も、永久磁石7および開閉検知装置8の一方を戸に取り付け、他方を戸枠に取り付けると良い。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】センサユニットの使用状態の斜視図。
【図2】開閉検知装置の斜視図。
【図3】本体を裏面側から見た斜視図。
【図4】開閉検知装置の縦断右側面図。
【図5】収容ケースの正面図。
【図6】収容ケースの横断底面図。
【図7】センサユニットの使用状態の斜視図。
【図8】サッシに対して左右逆側から取り付ける場合の開閉検知装置の斜視図。
【符号の説明】
【0067】
3b…サッシ
8…開閉検知装置
10…本体
12…放音孔
15…開口部
18…凹部
62,72…付勢部
31…リードスイッチ
32…スピーカ
35…導光体
40…収容ケース
52…溝
61…右側面
62,72…付勢部
64,74…凸部
83…センサ用穴
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開閉する構造物に取り付けられて該構造物の開閉を検知する開閉検知装置であって、
正面開放のボックス状の収容ケースと、
該収容ケースに収容される本体と、
収容された該本体を前記収容ケースに固定する固定手段とを備え、
前記収容ケースの一側面を、前記構造物に取り付ける取付面とし、
前記固定手段を、正面から見て前記取付面の両端方向に対称に備えた
開閉検知装置。
【請求項2】
前記固定手段を、前記収容ケースの前記取付面側とその反対面側との両内側に対向配置されたケース側係合部と、前記本体に設けられて前記ケース側係合部と係合する本体側係合部とで構成し、
前記ケース側係合部と前記本体側係合部の少なくとも一方に、係合する相手側へ向けて付勢する付勢手段を備えた
請求項1記載の開閉検知装置。
【請求項3】
前記反対面側より前記取付面側の付勢力が強くなるように前記ケース側係合部を構成した
請求項2記載の開閉検知装置。
【請求項4】
正面から見て前記取付面両端側のいずれか一方に位置する前記本体の一側面に発光部を突出して備え、
正面から見て前記取付面両端側に位置する前記収容ケースの両側面に、前記発光部を突出許容する溝部を設けた
請求項1、2または3記載の開閉検知装置。
【請求項5】
開閉検知用の検知手段を前記本体の裏面側に設け、
前記収容ケースの裏面側に、前記検知手段が設けられた部位を収容する検知手段収容部を、正面から見て前記取付面の両端方向に対称に設けた
請求項1から4のいずれか1つに記載の開閉検知装置。
【請求項6】
前記本体内に電池を収納する電池収納部を備え、
前記取付面側に位置する前記本体の取付側面またはその反対側面に、前記電池収納部への前記電池の着脱を許容する開口部を設けた
請求項1から5のいずれか1つに記載の開閉検知装置。
【請求項7】
前記本体内に音声を発声するスピーカを備え、
前記スピーカが発声した音声を通過させる音声通過穴を前記本体の正面に備えた
請求項1から6のいずれか1つに記載の開閉検知装置。
【請求項1】
開閉する構造物に取り付けられて該構造物の開閉を検知する開閉検知装置であって、
正面開放のボックス状の収容ケースと、
該収容ケースに収容される本体と、
収容された該本体を前記収容ケースに固定する固定手段とを備え、
前記収容ケースの一側面を、前記構造物に取り付ける取付面とし、
前記固定手段を、正面から見て前記取付面の両端方向に対称に備えた
開閉検知装置。
【請求項2】
前記固定手段を、前記収容ケースの前記取付面側とその反対面側との両内側に対向配置されたケース側係合部と、前記本体に設けられて前記ケース側係合部と係合する本体側係合部とで構成し、
前記ケース側係合部と前記本体側係合部の少なくとも一方に、係合する相手側へ向けて付勢する付勢手段を備えた
請求項1記載の開閉検知装置。
【請求項3】
前記反対面側より前記取付面側の付勢力が強くなるように前記ケース側係合部を構成した
請求項2記載の開閉検知装置。
【請求項4】
正面から見て前記取付面両端側のいずれか一方に位置する前記本体の一側面に発光部を突出して備え、
正面から見て前記取付面両端側に位置する前記収容ケースの両側面に、前記発光部を突出許容する溝部を設けた
請求項1、2または3記載の開閉検知装置。
【請求項5】
開閉検知用の検知手段を前記本体の裏面側に設け、
前記収容ケースの裏面側に、前記検知手段が設けられた部位を収容する検知手段収容部を、正面から見て前記取付面の両端方向に対称に設けた
請求項1から4のいずれか1つに記載の開閉検知装置。
【請求項6】
前記本体内に電池を収納する電池収納部を備え、
前記取付面側に位置する前記本体の取付側面またはその反対側面に、前記電池収納部への前記電池の着脱を許容する開口部を設けた
請求項1から5のいずれか1つに記載の開閉検知装置。
【請求項7】
前記本体内に音声を発声するスピーカを備え、
前記スピーカが発声した音声を通過させる音声通過穴を前記本体の正面に備えた
請求項1から6のいずれか1つに記載の開閉検知装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【公開番号】特開2007−219981(P2007−219981A)
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−42039(P2006−42039)
【出願日】平成18年2月20日(2006.2.20)
【特許番号】特許第3829876号(P3829876)
【特許公報発行日】平成18年10月4日(2006.10.4)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年2月20日(2006.2.20)
【特許番号】特許第3829876号(P3829876)
【特許公報発行日】平成18年10月4日(2006.10.4)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】
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