説明

間仕切り装置

【課題】天板上から、大容量のケーブル等を、間仕切パネル本体に設けた通線空間内に、左右方向の任意の位置から容易に、かつ体裁よく配線しうるようにする。
【解決手段】床面に立設された左右方向を向く間仕切パネル本体1の前面に、上面に左右方向を向く配線取出口が形成された通線空間を内部に有する配線収容体2を、前方に突出させて設け、かつこの配線収容体2よりも上方において間仕切パネル本体1の前面に、前方を向く天板61を、その後端と間仕切パネル本体1の前面との間に、配線取出口と対向する配線挿通空間63が形成されるようにして設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通線空間を備えるとともに、間仕切パネル本体の前面に天板を設けてなる間仕切り装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近のオフィスにおいては、パソコン等のOA機器を用いた作業が不可欠となっており、このようなオフィスに設置される間仕切り装置の中には、間仕切パネル本体の前面に取付けた天板、もしくは間仕切パネル本体の前面に近接して配置されたデスクで使用されるOA機器等のケーブルなどを、体裁よく配線するために、通線空間を設けたものがある(例えば特許文献1、2参照)。
【特許文献1】特開2000−73477号公報
【特許文献2】特許第3871158号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記特許文献1に記載されている間仕切り装置においては、間仕切パネル本体の前面に設けた天板で使用されるOA機器等のケーブルを、間仕切パネル本体の前面側より、その内部に設けた配線ダクトに直接配線するか、または前面パネルに設けた複数のスリット状の配線口を介して、内部の配線ダクトに配線するようにしている。
そのため、ケーブル等の配線量が多いと、それらが左右方向に乱雑に配線されるとともに、天板の後上方に大きく露呈するので、体裁が悪くなる。
また、パネルに配線口を設けたものでは、パネル前面に配線口が露出しているので間仕切り装置としての見栄えが損なわれる。
【0004】
特許文献2に記載のものでは、間仕切パネル本体のパネル前面に近接して取付けられた天板の下方に、配線収容空間を設け、天板の後側の両端部より、配線収容空間内に配線するようにしているので、左右方向の配線位置及び配線量が限定されるとともに、配線する際の作業性も悪い。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、天板上から、大容量のケーブル等を、間仕切パネル本体に設けた通線空間内に、左右方向の任意の位置から容易に、かつ体裁よく配線しうるようにした間仕切り装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によると、上記課題は、次のようにして解決される。
(1)床面に立設された、前後面にパネルが取付可能な左右方向を向くフレームを備える間仕切パネル本体における前記フレームの少なくとも前面に、上面に左右方向を向く配線取出口が形成された通線空間を内部に有する配線収容体を、前方に突出させて設け、かつこの配線収容体よりも上方において前記間仕切パネル本体の前面に、前方を向く天板を、その後端と間仕切パネル本体の前面との間に、前記配線取出口と対向する配線挿通空間が形成されるようにして設ける。
【0007】
(2)上記(1)項において、配線収容体の左右寸法を、間仕切パネル本体の左右寸法とほぼ等しくし、配線取出口を、配線収容体の左右方向全長に亘って形成するとともに、間仕切パネル本体の左右寸法より小とした天板を、左右位置変更可能として設ける。
【0008】
(3)上記(2)項において、間仕切パネル本体のフレームの前面に、左右方向を向く係止溝を設け、この係止溝に、間仕切パネル本体よりも左右寸法を小とした天板を、連結手段をもって、左右位置変更可能に取付ける。
【0009】
(4)上記(1)〜(3)項のいずれかにおいて、配線収容体の配線取出口を、一部が上下方向に弾性変形しうる上カバーにより閉塞する。
【0010】
(5)上記(4)項において、上カバーと天板の連結手段とを、上カバーが着脱しうる寸法だけ離間させる。
【0011】
(6)上記(1)〜(5)項のいずれかにおいて、配線収容体を、間仕切パネル本体におけるフレームの前面に取外し可能に設け、配線収容体を取外した部分におけるフレームの前面に、パネルを取付可能とする。
【0012】
(7)上記(1)〜(6)項のいずれかにおいて、間仕切パネル本体のフレームの前面に、左右方向を向く係止溝を設け、この係止溝に、前後方向を向く左右1対の連結アームの後端部を取付け、両連結アームの前端部に、天板が取付けられたテーブルにおける左右1対の側脚を、その後端が、間仕切パネル本体における前面パネルの前方に離間するようにして連結する。
【発明の効果】
【0013】
請求項1記載の発明によれば、天板に載置したOA機器等の大容量のケーブルを、配線挿通空間及びその下方の配線取出口を介して、配線収容体の通線空間内に、左右方向の任意の位置から容易に配線することができ、使い勝手が向上する。
また、配線取出口は、天板の後下方に位置しているので、配線取出口はもとより、それに配線されたケーブルが外部に大きく露呈することがなく、体裁がよい。
【0014】
請求項2記載の発明によれば、配線収容体の左右寸法を、間仕切パネル本体の左右寸法とほぼ等しくし、配線取出口を、配線収容体の左右方向全長に亘って形成してあるので、配線取出口の任意の位置から引き込んだケーブルを、間仕切パネル本体の前面に沿って左右方向に配線することができる。
また、天板の左右位置を変更した際でも、配線し直すことなく、配線取出口の左右方向の任意の位置から容易に配線収容体の通線空間に配線することができる。
【0015】
請求項3記載の発明によれば、天板を、フレームの係止溝に強固に取付けうるとともに、天板の左右位置を、フレームの係止溝に沿って容易に変更することができる。
【0016】
請求項4記載の発明によれば、配線収容体における通線空間の内部が上カバーにより目隠しされるので、体裁がよくなるとともに、上カバーの一部を弾性変形させることにより、通線空間内にケーブルを容易に配線することができる。
【0017】
請求項5記載の発明によれば、天板を取付けたまま、上カバーを着脱しうるので、通線空間への配線やメンテナンス等が容易となる。
【0018】
請求項6記載の発明によれば、万一、配線収容体が不要となって取り外した際でも、その部分にパネルを取付けることにより、仕様の異なる間仕切り装置に、体裁よく変更することができる。
【0019】
請求項7記載の発明によれば、天板が、フレームに連結アームを介して連結された左右の側脚により安定よく支持されるので、大きな天板を使用して、OA機器等の載置面積や作業領域を増大することができる。
また、側脚の後端を、前面パネルより前方に離間させてあるので、テーブルを間仕切パネル本体に取付けたまま、前面パネルを前方から着脱することができ、間仕切パネル本体に通線空間を設けるなどした際において、それへの配線作業やメンテナンス作業等が容易となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の間仕切り装置の斜視図で、この間仕切り装置は、間仕切パネル本体1と、その前面(以下、図1の右方を前として説明する)に取付けられた配線収容体2と、この配線収容体2の前方に位置するようにして、間仕切パネル本体1の前面に取付けられた側面視L字状の左右1対の脚体3、3及びテーブル4とを備えている。
【0021】
図2は、脚体3及びテーブル4を取り外した状態の間仕切パネル本体1と、配線収容体2の右半部を分解して示す斜視図、図3は、同じく、一部切欠き拡大正面図、図4は、図3のIV-IV線拡大縦断側面図(脚体とテーブルは図示略)である。
【0022】
間仕切パネル本体1は、左右1対の支柱5、5の上下両端部と上方寄りの中間部同士とを、上下3個の横連結杆6により連結して形成された、横長の方形枠状をなすフレーム7を備え、各横連結杆6の前後両面には、先端に互いに対向する上下1対の内向突片6a、6aを突設することにより、開口部の上下寸法が奥部内の上下寸法よりも小とされた、あり溝状の係止溝8が、左右方向に全長に亘って形成されている。
【0023】
左右の支柱5の外側面には、側部カバー9、9が、また、最上部の横連結杆6の上面には、上部カバー10が、それぞれ着脱可能に止着されている。
最下部の横連結杆6における両側端部の下面には、高さ調整用のアジャスタ11、11が取付けられている。
【0024】
最上部の横連結杆6と中間部の横連結杆6との前後それぞれの対向面間には、上下寸法の小さな目隠しパネル12、12が、また、最下部の横連結杆6と中間部の横連結杆6との後部側の対向面間には、後部化粧パネル13が、それぞれ、支柱5の前後両面に形成された上下複数の係合孔14の少なくとも上下2個のものに、各パネル12、13における支柱5との対向面に突設された上下の係止爪(図示略)を係止することにより、取外し可能として装着されている。
【0025】
次に、配線収容体2について詳細に説明する。なお、配線収容体2は、右半部と左半部が同一構成となっているため、右半部のみを説明する。
図2に示すように、右半部の配線収容体2は、左右方向を向く上下1対の横支持杆15、16と、左右対象をなす1対の縦支持杆17、17と、上下2個の配線トレー18、18と、前面パネル19とを備えている。
【0026】
上下の横支持杆15、16は、それぞれ鋼板により形成されたもので、間仕切パネル本体1における中間部と下部の横連結杆6、6及び左右の支柱5の前面に、次のようにして取付けられている。
【0027】
図4に示すように、上部の横支持杆15における両側端部の後面には、側面視上向き鉤状の係止片20が固着され、この係止片20を、中間部の横連結杆6の下面における前後の端縁に下向き突設された左右方向を向く前後1対の突条片21、21の前部側のものに、後下方より係合させたのち、横支持杆15の下端に全長に亘って連設された、側面視倒立L字状断面をなす後向折曲片15aの両側端部を、左右の支柱5の前面に、止めねじ22をもって固定することにより、上部の横支持杆15は、その上端が、中間部の横連結杆6の突片6aの下面に当接または近接するようにして、中間部の横連結杆6の下部と左右の支柱5の中間部前面に取付けられている。なお、左右の係止片20が横連結杆6の突条片21に係合しているので、横支持片15の上部が前方に倒れる恐れはない。
【0028】
下部の横支持杆16における両側端部の後面には、側面視下向鉤状の係止片23が固着され、この係止片23を、下部の横連結杆6における上面の中央部に上向き突設された左右方向を向く前後1対の突条片24の前部側のものに、後上方より係合させたのち、横支持杆16の上端に全長に亘って連設された、側面視L字状断面をなす後向折曲片16aの両側端部を、左右の支柱5の前面下部に、止めねじ22をもって固定することにより、下部の横支持杆16は、その下端が、下部の横連結杆6の内向突片6aの上面に当接または近接するようにして、下部の横連結杆6の上部と左右の支柱5の下部前面に取付けられている。
【0029】
上下の横支持杆15、16における後向折曲片15a、16aの前面には、左右の支柱5、5と、中間部と下部の横連結杆6、6とにより囲まれた空間を閉塞する閉塞板23の上下の端部が、複数のねじ24により固定されている。
【0030】
上記左右の縦支持杆17、17は、それぞれ、鋼板を折曲することにより、前面板17aと後面板17b、側面板17c及び上面板17dを有する縦長箱状に形成され、互いに対向する側面と下面は、配線用に開口してある。また、側面板17cの上下の端部には、方形の通線孔25、25が形成され、この通線孔25を通して、左右方向に連続して配線しうるようにしてある。
【0031】
左右の縦支持杆17は、それらの前面板17aの上下の端部に形成された左右2個ずつの通孔26から内部に挿入したボルト27を、後面板17bの図示しない取付孔を介して、上下の横支持杆15、16の側端部と中央部に設けた左右2個ずつの取付孔28に挿入し、かつ各取付孔28と対応する後面に溶接された左右2個ずつのナット29に螺合させて締め付けることにより、上下の横支持杆15、16の側端部と中央部の前面に固着されている。
【0032】
上下の配線トレー18は、平板状鋼板よりなり、前端と後端には、左右方向を向く上向片18aと下向片18bが、また両側端には、下向側片18c、18cがそれぞれ連設されている。
配線トレー18の上面には、上下方向に配線するための複数(実施形態では3個)の方形をなす通線孔30が穿設されている。
【0033】
上下の配線トレー18は、図4に示すように、左右の下向側片18cを、左右の縦支持杆17における互いに対向する側の開口縁に連設された、互いに対向する内向折曲片17e、17eの切欠き段部の上縁に上方より係止したのち、内方より止めねじ31をもって固定することにより、上向片18aの前面と縦支持杆17の前面とがほぼ整合するとともに、下向片18bの後面が、閉塞板23の前面と当接または近接するように、かつ上面が通線孔25と連続するようにして、上下2段に取付けられている。なお、止めねじ31は省略することもある。
【0034】
上記前面パネル19は、その両側端部後面に設けた、係止部としての上下1対の下向鉤状の係止フック32、32を、左右の縦支持杆17における前面板17aの上下両端部に設けた、被係止部としての係止孔33、33に係止することにより、両縦支持杆17と上下の配線トレー18の前面を覆うようにして、着脱可能に取付けられている。
前面パネル19の取付後において、その後面と閉塞板23の前面との間に、通線空間Sが形成される。
【0035】
左右の縦支持杆17における上面板17dには、上カバー34が、その両側端部下面のスペーサ35に取付けた公知の止め具35aを、上面板17dに設けた係合孔(図示略)に弾性係合させることにより、着脱可能に止着されている。
図4に示すように、上カバー34の後端と横支持杆15の前面との間には、テーブル4で使用されるOA機器等のケーブルなどを通線空間S内に引き込んだり、上方に引き出したりするための配線取出口36が、左右方向に沿って形成され、この配線取出口36は、上カバー34の後端部に取付けられた、上下方向に弾性変形可能なゴムまたはエラストマーよりなるカバー片37により塞がれている。
【0036】
側端部の縦支持杆17の外側面には、サイドカバー38が、その内側面の下部と上部寄りに突設された前後2個ずつの下向鉤状の係止フック39を、側面板17cの上下の通線孔25の下縁部に係止することにより、着脱可能に取付けられている。なお、間仕切パネル本体1を左右方向に複数並べて設置する際には、各間仕切パネル本体1に設けた配線収容体2の通線空間S同士が、互いに左右方向に連通するように、サイドカバー37は省略して実施される。
【0037】
また、上記と同様の配線収容体2を、間仕切パネル本体1のフレーム7の後面側にも取付けることができるが、この際には、前後の配線収容体2の通線空間S同士を連通させて、間仕切パネル本体1を挟む前後両方向にも配線しうるように、閉塞板23を省略することもある。
【0038】
配線収容体2、すなわちそれを構成している全ての部材は、間仕切パネル本体1のフレーム7に取外し可能に取付けられているので、もし、配線収容体2が不要となった際には、これを取り外してフレーム7の前面に化粧パネルを取り付けることにより、通常仕様の間仕切り装置に変更することもできる。
【0039】
次に、図5〜図7を参照して、上記脚体3、3の間仕切パネル本体1への連結構造について説明する。なお、図1に示すように、脚体3は、その垂直をなす脚柱3aの上下の端部が、間仕切パネル本体1における中間部と下部の横連結杆6の前面に連結されるものであるが、上下の連結構造は同一であるため、上部のみ説明し、下部のものは省略する。
【0040】
脚柱3aの上端部は、アルミニウム合金等よりなる前後方向を向く左右2個の連結アーム40、40と、左右2個の連結金具41、41とにより、中間部の横連結杆6の前面に、次のようにして連結されている。
【0041】
連結アーム40、40は、左右対称で、かつ上述した配線収容体2の前後寸法よりも長寸をなし、後端部には、横連結杆6の上下の内向突片6a、6aの前面に当接可能な上下寸法の平面視直角三角形状の固定部40a、40aが、互いに外側方に反対向きに一体的に連設されている。
固定部40aを含む連結アーム40の外側面には、前後方向を向く凹溝42が、前端部まで形成され、固定部40aにおける前後両面が垂直をなす固定片40bには、前後方向を向く取付孔43が穿設されている。
【0042】
両固定片40bの後面の外側端部と対向端側には、それぞれ横連結杆6の上下の内向突片6a間に嵌合可能な突部44、45が後向きに突設されている。対向端側の両突部45、45は、両連結アーム40の対向面側にも突出し、図6に示すように、互いの対向面が当接しうるようになっている。この当接時において、両連結アーム40の対向面間に、脚柱3aの左右寸法とほぼ等しい幅の隙間46が形成されるようにしてある。各連結アーム40の突部44、45は、連結金具41が嵌合しうる寸法だけ離間させてある。
【0043】
左右の連結アーム40の前端部には、ボルト47を挿入しうるとともに、ナット48を回り止めして挿入可能な左右方向を向く段付孔49、49が、左右対称をなすように形成され、いずれか一方の段付孔49に挿入したナット48に、他方の段付孔49より挿入したボルト47を螺合することにより、両連結アーム40の前端部同士が固定されるようになっている。
両連結アーム40における段付孔49を挟む前端部の対向面には、上下方向を向く前後1対の突部50、50が突設されている。
【0044】
上記左右の連結金具41は、横連結杆6の上下の内向突片6a間に嵌合可能な垂直平板状の基片41aと、この基片41aの両側端に連設され、上端に上向きの係合突部41bを有する側片41c、41cとを備え、基片41aの中央には、めねじ孔51が設けられている。
【0045】
脚体3を横連結杆6の前面に取付けるには、まず2個の連結金具41を係止溝8に嵌合して、それらの係合突部41bを上部の内向突片6aの後面に係合させる。
ついで、左右の連結アーム40における固定部40aの後面の突部44、45を、係止溝8に嵌合するとともに、両突部44、45間に連結金具41を嵌合させて、固定片40bの後面を上下の内向突片6aの前面に当接し、この状態で、固定片40bに設けた取付孔43に前方より挿入したボルト52を、連結金具41のめねじ孔51に螺合し、両連結アーム40を横連結杆6の前面に仮固定する。
【0046】
ついで、脚柱3aの上端部を、左右の連結アーム40の前端部間に挾入し、脚柱3aの上端部に穿設された縦長の嵌合孔53と、後方及び両側方に開口する切欠き孔54とに、両連結アーム40の前後の突部50、50を嵌合させたのち、一方の連結アーム40の段付孔49より挿入したボルト47を、脚柱3aの上端部の通孔55に挿通し、他方の連結アーム40の段付孔49に挿入したナット48に螺合させて締め付ける。
【0047】
ついで、上記ボルト52を強く締め付けると、連結金具41の係合突部41bが内向突片6aの後面に強く係合し、かつ固定片40bの後面が上下の内向突片6aの前面に押し付けられることにより、左右の連結アーム40は、両内向突片6aを挟んで、横連結杆6の前面に強固に固定されるとともに、脚体3も、両連結アーム40を介して横連結杆6に強固に連結される。連結後において、脚体3の前方を向くベース脚3bの前端に設けたアジャスタ56が、床面に接床することにより、間仕切パネル本体1が安定よく支持され、前方に倒れるのが防止される。
【0048】
連結アーム40の前後寸法を、配線収容体2の前後寸法より長寸としてあるので、図1に示すように、脚体3の連結後において、脚柱3aと配線収容体2の前面パネル19との間には、前面パネル19を着脱しうるだけの空間57が形成される。従って、脚体3を間仕切パネル本体1に連結したままで、前面パネル19を取り外し、配線作業を容易に行うことができる。
また、配線収容体2は、上位の連結アーム40よりも下方に位置しているので、配線主要部2の上面に取付けた上カバー34も、脚体3を連結したままで着脱することができる。
なお、横連結杆6の係止溝8は、左右方向に連続しているので、ボルト52を緩めるだけで、脚体3の位置を左右方向に容易に変更することができる。
【0049】
上述したテーブル4は、図1及び図8に示すように、前部下端にアジャスタ58を有する左右1対の側脚59、59と、それらの上端部に固着された前後方向を向く支持杆60と、その上面に支持固定された天板61とからなり、上記と同様、間仕切パネル本体1における中間部と下部の横連結杆6の前面に連結されている。
すなわち、上記と同形をなす1個の連結アーム40の後端を、上記と同じ連結金具(図示略)を用いて、上下の横連結杆6の前面の係止溝8に取付けた後、両連結アーム40の前端部に、左右の側脚59における上下両端部の内側面をねじにより固定することにより、テーブル4は、両側脚59の後端と配線収容体2の前面との間に、配線収容体2の前面パネル19を着脱しうるだけの空間62が形成されるようにして、かつ左右位置を変更可能として、上下の横連結杆6の前面に連結されている。
これにより、間仕切パネル本体1の前面に、テーブル4を安定よく連結しうるとともに、間仕切パネル本体1もテーブル4により安定して支持される。
また、テーブル4を間仕切パネル本体1に連結したままで、配線収容体2の前面パネル19の着脱が可能となり、配線作業を容易に行うことができる。
さらに、図8に示すように、配線収容体2の上カバー34は、上位の連結アーム40の下方に位置しているので、テーブル4を連結したまま、上カバー34を着脱することができる。
【0050】
連結後において天板61は、配線収容体2の上方に位置するとともに、後端を間仕切パネル本体1の前面より離間させることにより、配線収容体2の上方に配線挿通空間63が形成されるようにしてあり、天板61に載置したOA機器等のケーブルを、配線挿通空間63より通線空間S内に引き込むことができるようにしてある。
【0051】
以上説明したように、上記実施形態の間仕切り装置においては、間仕切パネル本体1の前面に、内部に通線空間Sを有する配線収容体2を、間仕切パネル本体1の前面に沿って左右方向に設け、かつ配線収容体2よりも上方において、間仕切パネル本体1におけるフレーム7の横連結杆6に、テーブル4を、天板61と間仕切パネル本体1との間に、通線空間Sの配線取出口36と対向する配線挿通空間63が形成されるように連結してあるので、天板61に載置したOA機器等の大容量のケーブルを、配線挿通空間63及びその下方の配線取出口36を介して、配線収容体2の通線空間S内に、左右方向の任意の位置から容易に配線することができる。
【0052】
また、配線取出口36は、天板61の後下方に位置しているので、配線取出口36はもとより、それに配線されたケーブルが外部に大きく露呈することがなく、体裁がよい。
【0053】
さらに、配線収容体2の左右寸法は、間仕切パネル本体1の左右寸法とほぼ等しされ、配線取出口36を、配線収容体2の左右方向全長に亘って形成してあるので、配線取出口36の任意の位置から引き込んだケーブルを、間仕切パネル本体1の前面に沿って左右方向に配線することができる。
しかも、テーブル4の左右位置を変更した際でも、配線し直すことなく、配線取出口36の左右方向の任意の位置から容易に配線収容体2の通線空間Sに配線することができる。
【0054】
上記実施形態においては、間仕切パネル本体1のフレーム7の前面にのみ、配線収容体2及びテーブル4を設けているが、フレーム7の後面にも、上記実施形態と同様の配線収容体及びテーブルをもうけてもよい。
また、天板61を有するテーブル4の代わりに、天板単体のみを、ブラケットを介してフレーム7における横連結杆6に取付けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の間仕切り装置の一実施形態の斜視図である。
【図2】同じく、右半部の配線収容体を分解した間仕切パネル本体の斜視図である。
【図3】同じく、一部切欠き拡大正面図である。
【図4】図3のIV-IV線拡大縦断側面図である。
【図5】横連結杆と脚体との連結部の拡大分解斜視図である。
【図6】同じく連結後の拡大横断平面図である。
【図7】図6のVII-VII線縦断側面図である。
【図8】脚体を省略して示す間仕切り装置の側面図である。
【符号の説明】
【0056】
1 間仕切パネル本体
2 配線収容体
3 脚体
3a 脚柱
3b ベース脚
4 テーブル
5 支柱
6 横連結杆
6a 内向突片
7 フレーム
8 係止溝
9 側部カバー
10 上部カバー
11 アジャスタ
12 目隠しパネル
13 後部化粧パネル
14 係合孔
15 横支持杆
15a 後向折曲片
16 横支持杆
16a 後向折曲片
17 縦支持杆
17a 前面板
17b 後面板
17c 側面板
17d 上面板
17e 内向折曲片
18 配線トレー
18a 上向片
18b 下向片
18c 下向側片
19 前面パネル
20 係止片
21 突条片
22 止めねじ
23 閉塞板
24 ねじ
25 通線孔
26 通孔
27 ボルト
28 取付孔
29 ナット
30 通線孔
31 止めねじ
32 係止フック
33 係止孔
34 上カバー
35 スペーサ
35a 止め具
36 配線取出口
37 カバー片
38 サイドカバー
39 係止フック
40 連結アーム(連結手段)
40a 固定部
40b 固定片
41 連結金具
41a 基片
41b 係合突部
41c 側片
42 凹溝
43 取付孔
44 突部
45 突部
46 隙間
47 ボルト
48 ナット
49 段付孔
50 突部
51 めねじ孔
52 ボルト(連結手段)
53 嵌合孔
54 切欠き孔
55 通孔
56 アジャスタ
57 空間
58 アジャスタ
59 側脚
60 支持杆
61 天板
62 空間
63 配線挿通空間
S 通線空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
床面に立設された、前後面にパネルが取付可能な左右方向を向くフレームを備える間仕切パネル本体における前記フレームの少なくとも前面に、上面に左右方向を向く配線取出口が形成された通線空間を内部に有する配線収容体を、前方に突出させて設け、かつこの配線収容体よりも上方において前記間仕切パネル本体の前面に、前方を向く天板を、その後端と間仕切パネル本体の前面との間に、前記配線取出口と対向する配線挿通空間が形成されるようにして設けたことを特徴とする間仕切り装置。
【請求項2】
配線収容体の左右寸法を、間仕切パネル本体の左右寸法とほぼ等しくし、配線取出口を、配線収容体の左右方向全長に亘って形成するとともに、間仕切パネル本体の左右寸法より小とした天板を、左右位置変更可能として設けてなる請求項1記載の間仕切り装置。
【請求項3】
間仕切パネル本体のフレームの前面に、左右方向を向く係止溝を設け、この係止溝に、間仕切パネル本体よりも左右寸法を小とした天板を、連結手段をもって、左右位置変更可能に取付けてなる請求項2記載の間仕切り装置。
【請求項4】
配線収容体の配線取出口を、一部が上下方向に弾性変形しうる上カバーにより閉塞してなる請求項1〜3のいずれかに記載の間仕切り装置。
【請求項5】
上カバーと天板の連結手段とを、上カバーが着脱しうる寸法だけ離間させてなる請求項4記載の間仕切り装置。
【請求項6】
配線収容体を、間仕切パネル本体におけるフレームの前面に取外し可能に設け、配線収容体を取外した部分におけるフレームの前面に、パネルを取付可能としてなる請求項1〜5のいずれかに記載の間仕切り装置。
【請求項7】
間仕切パネル本体のフレームの前面に、左右方向を向く係止溝を設け、この係止溝に、前後方向を向く左右1対の連結アームの後端部を取付け、両連結アームの前端部に、天板が取付けられたテーブルにおける左右1対の側脚を、その後端が、間仕切パネル本体における前面パネルの前方に離間するようにして連結してなる請求項1〜6のいずれかに記載の間仕切り装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−108642(P2009−108642A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−284014(P2007−284014)
【出願日】平成19年10月31日(2007.10.31)
【出願人】(000000561)株式会社岡村製作所 (1,415)
【Fターム(参考)】