説明

間仕切家具

【課題】
病室の大部屋や介護・養護施設の多床室のベッド間に設置する間仕切家具において、間仕切家具で仕切られた一方側空間の明るさを抑えつつ、他方側空間を明るくする、使い勝手の良い間仕切家具を提供することを課題とする。
【解決手段】
天板と、該天板の左右両端部にそれぞれ配置された板状の脚体と、天板上に立設される仕切壁を備え、仕切壁は、天板上方を前後方向で仕切り、正面板と背面板と縦枠と上枠とから内部に空洞部を有し、正面板と背面板それぞれに投光部を備え、空洞部に照明装置を備えるとともに、照明装置の光源を投光部の投光口の外縁より外側の空洞部に配設し、照明装置の光を投光部から照射するように構成され、さらに、空洞部に照明装置の光源の光を受け投光口側に反射させる反射板を備え、照明装置の光を投光口から照射するように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、病室の大部屋や介護・養護施設の多床室のベッド間に設置する間仕切家具に関する。
【背景技術】
【0002】
病室などの大部屋に収容された患者のプライバシー空間を形成するため、大部屋に複数配置されたベッドの間に、間仕切家具を設置する方法が知られている。
【0003】
通常、大部屋は、平面視略四角形を成した部屋であって、部屋の一壁面が、病院内の廊下側に面して形成され、該壁面の略中央に引戸式出入口扉が設けられ、該壁面の対向側の壁面に窓が設置される。
【0004】
そして、この部屋は、出入口扉から窓側に向って設定された通路により二分され、二分された病室の一方の廊下側に、廊下側壁面と平行にベッドが配置され、窓側に、窓側壁面と平行にベッドが配置され、通路を挟む対向側にも、同様な方向でベッドが配置され、合計で4台のベッドが配置され4床室とされる。
【0005】
そして、窓側に配置されたベッドと廊下側に配置されたベッドとの間に、ベッドと平行に間仕切家具が設置され、各々のベッド空間のプライバシーが確保されている。
【0006】
このような、ベッド間に設置される間仕切家具は、一般的に、仕切壁部と収納体そしてテーブル用天板を備えており、仕切壁部には、半透明の採光板が嵌め込まれている。
【0007】
採光板は、一方(間仕切家具が設置された病室の明るい方のベッド空間、例えば窓側のベッド空間)側からの光を他方(間仕切家具が設置された病室の暗い方のベッド空間、例えば廊下側のベッド空間)側に透過させるとともに、プライバシーが保たれるよう、半透明の素材ものが採用されることが多い。(例えば、特許文献1参照。)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2005−218701号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、このような採光板は一方側からの光を他方側に透過させるだけのものであるから、一方側と他方側の採光板は、通常一枚の採光板で共用される。
【0010】
したがって、このような採光板を有する間仕切家具がベッド間に設置された場合、窓側(明るい側)のベッド空間は、窓からの採光に加え、室内の天井に備えた照明器具からの明かりが、直接的に取り入れられるが、廊下側(暗い側)のベッド空間の壁面には窓を備えていないため、室内の天井に備えた照明器具からの直接的な明かりと、間仕切家具の採光板を透過した窓側(明るい側)のベッド空間からの採光のみで、窓側(明るい側)のベッド空間と廊下側(暗い側)のベッド空間における採光環境に大きな違いが発生していた。
【0011】
そのため、廊下側のベッド空間を明るくするため採光板の面積を大きく取ると、採光板越しに他方側の人影が見えやすくなり、プライバシー空間が保たれず落ち着きに欠けるといった問題も発生する。
【0012】
本発明は、このような問題点に鑑み、間仕切家具が設置されていても、間仕切りとしての機能を十分に有しながら、両側のベッド空間の明るさに極端な差を生じさせない使い勝手に優れた間仕切家具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
そこで、上記課題を解決する為、本発明が第1の手段として構成したところは、室内に複数台配設されたベッド間に設置され、ベッド間を仕切る方向に立設する仕切壁を備える間仕切家具において、光が互いの方向に漏れないよう設けられた仕切り板の正面側と背面側で、仕切壁内部に正面用照明装置と背面用照明装置を備え、該両照明装置が発する光をベッド空間に照射する正面投光部と背面投光部を仕切壁のベッド側の両面に備えるとともに、該両投光部のうち一方側の投光部からベッド空間に照射される照射量を他方側より多くなるようにしたものである。
【0014】
次に、上記課題を解決する為、本発明が第2の手段として構成したところは、第1の手段に加え、両照明装置の光源を、仕切壁内部で両投光部の投光口の外縁より外側に配設するものである。
【0015】
次に、上記課題を解決する為、本発明が第3の手段として構成したところは、第1の手段、又は、第2の手段に加え、仕切壁は、両投光部の前面を覆う開閉自在な正面覆い体と背面覆い体と、それぞれの覆い体の開閉操作に合わせて、それぞれの照明装置の点灯、消灯を行なうスイッチを備えて成るものである。
【発明の効果】
【0016】
第1の手段としての構成によると、投光部を仕切壁の両面側に設置し、一方側の投光部からベッド空間に照射される照射量を他方側より多くなるようにしたものであるから、多い側の投光部(例えば、開口面積が大きい側の投光口)を、窓を備えていない廊下側のベッド空間側に、他方、照射量の少ない方(例えば、開口面積が小さい側の投光口)の投光部を、窓を備えた窓側のベッド空間側に面するように設置することによって、廊下側のベッド空間の明るさを確保しつつ、窓側のベッド空間の明るさを抑え、廊下側のベッド空間と窓側のベッド空間の採光環境の大きな違いを緩和することができる。
【0017】
第2の手段としての構成によると、第1の手段としての構成による効果に加え、それぞれの投光部に照明装置の光源が映らないから、それぞれ投光部から照射される光は、直接光ではなく間接光にでき、直接光に比べ眩しさを抑え、自然な光とすることができる。
【0018】
第3の手段としての構成によると、第1、第2の手段としての構成による効果に加え、窓側の患者が窓に設置されたカーテン、ブラインドや雨戸を閉める動作と同じように、患者が覆い体を閉めることによって自動で照明装置の光が消すことができるので、覆い体は遮光性にこだわる必要がなく、薄い布状の安価なものを使用できるばかりでなく、レースのカーテンや障子といった透過性のあるものを使用できるのでデザインの自由度が増し、より自然な形で窓際にいる雰囲気を醸し出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の間仕切家具の使用例を示す斜視図。
【図2】本発明の間仕切家具の斜視図。
【図3】本発明の間仕切家具の正面図。
【図4】本発明の間仕切家具の背面図。
【図5】図3のA−A線断面図。
【図6】図3のB−B線断面図。
【図7】図3のC−C線断面図。
【図8】配線の接続状態を示す要部拡大斜視図。
【図9】図5のA部拡大図。
【図10】クロースが開いている状態を示す覆い体の概略的正面断面図。
【図11】クロースが閉じている状態を示す覆い体の概略的正面断面図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明は、ベッド間を仕切る方向、すなわちベッドの長尺方向と平行な方向を左右方向とし、天板と、該天板の左右両端部にそれぞれ配置された板状の脚体と、天板上に立設される仕切壁を備え、仕切壁は、天板上方を前後方向で仕切り、正面板と背面板と縦枠と上枠とから内部に空洞部を有し、正面板に正面投光部、背面板に背面投光口を備え、空洞部の正面投光部と背面投光口間に仕切り板を備え、仕切り板の正面側と背面側で、仕切壁内部に正面用照明装置と背面用照明装置を備えるとともに、それぞれの照明装置の光源をそれぞれの投光部の投光口の外縁より外側の空洞部に配設し、両照明装置の光をそれぞれの投光部から照射するように構成され、さらに、仕切り板の正面側と背面側に空洞部に両照明装置の光源の光を受けそれぞれの投光口側に反射させる反射板を備えた、間仕切家具である。
【0021】
以下、実施例を添付図面に基づいて詳述する。
【0022】
本発明に係る間仕切家具1は、図1に示すように、病室の大部屋や介護・養護施設の多床室のベッドの間に設置し、患者のプライバシー空間を形成するものである。
【実施例1】
【0023】
第1実施例の間仕切家具1は、廊下側壁面(図示せず。)と建屋外を臨む窓S側壁面と、廊下側壁面と窓S側壁面の端部をつなぐ壁面Wで形成された病室で使用されるものであって、壁面W側を枕元側にして、廊下側壁面に平行に設置されるベッドB1と、窓S側壁面に平行に設置されるベッドB2との間に、ベッドの長尺方向と平行に配設されるものである。
【0024】
間仕切家具1は、ベッド間を仕切る方向、すなわちベッドB1、B2の長尺方向を左右方向とし、左右方向に延びる所定高さに位置する天板10と、該天板10の左右両端部のそれぞれに取付けられる板状の脚体11、11と、天板10の上方に形成され天板10を前後に仕切る仕切体12と、天板10の下方に形成され天板を前後に仕切る区画体13を備えている。
【0025】
仕切体12は、天板10の前後方向略中央部上に立設される仕切壁121と、仕切壁121の左右方向のやや壁面W側で上方に位置する前後一対の上部収納装置122、122を備えており、該上部収納装置122、122の下面と天板10の上面との間にはテレビが設置できる程度の空間が設けられている。
【0026】
上部収納装置122は、上板122aと左右の側板122b、122bと底板122cと背板122dにより前面側が開口状態の筐体であって、該前面側が開き戸式扉122e、122eで閉塞されている。
【0027】
区画体13は、天板10の前後方向略中央部の下方に設けられる区画壁131と前後一対の下部収納装置132、132を備えている。
【0028】
下部収納装置132は、上板132aと左右の側板132b、132bと底板132cと背板133dにより前面側が開口状態の筐体であって、該前面側が開き戸式扉132e、132eで閉塞されている。
【0029】
上部収納装置122と下部収納装置132の前面の開口部は、引き戸式扉や、開き戸式扉、シャッター式扉などの閉塞手段で閉塞してもよく、閉塞手段を用いずオープン型の収納としてもよい(図示せず)。
そして、間仕切家具1のベッドの足元側となる端部には、間仕切家具1と略同じ高さの仕切パネル102が、仕切壁121、区画壁131と直行するように取付けられ、足元側からの視線を遮っている
【0030】
下部収納装置132でベッドの足元側とベッドの枕元側とに区切られた区画壁131のうち、ベッドの足元側の所定場所には、半透明の樹脂製の採光板131aが嵌め込まれ、採光性が保たれているが、採光板131aは病室のレイアウトや照明器具の配置に応じて、半透明、不透明を使い分けてよい。
【0031】
次に、天板10は、ベッドの足元側の天板10aと、上部収納装置122の下部側の天板10bと、ベッドの枕元側、すなわち室内の壁面W側の天板10cに分けられ、足元側の天板10aは、該足元側n天板10aの下方部にチェア100を配設することにより、患者用デスクとして使用され、上部収納装置122の下方側の天板10bは、主にテレビなどの機器が載置される載置台として使用され、壁面W側の天板10cは、主に看護師用の作業台として使用され、血圧計などの小型の装置を置き、吸引ビン交換準備といった時に一時的に利用される。
【0032】
足元側の天板10aの左右幅は、椅子が収納できる程度であり、奥行き寸法は、A4用紙を横向きに置き筆記ができる程度大きさで、具体的には220ミリメートルから300ミリメートルであり、患者の移動時に障害にならないように配慮されている。
当然のごとく病室スペースに余裕がある場合は、天板の奥行き寸法を大きくしても構わない。
【0033】
壁面W側の天板10cは、天板を貫通する貫通孔10dを備え、該貫通孔10dは、開閉自在な出入口101aを備えた閉塞蓋101で閉塞される。
【0034】
貫通孔10dの下方部の区画壁131には、前記配線を通す配線空間131bが設けられ、配線空間131b前面側は、開閉自在なメンテナンスパネル131cで閉塞される。
【0035】
壁面W側の天板10c側の前記脚体11には、配線空間131bと連通する貫通孔の接続開口11aが設けられ、室内の壁面Wに、接続開口11aに臨む雌型接続端子W1が設けられている。
【0036】
必要に応じて、間仕切家具1の天板10の上に設置されるテレビや照明器具やパソコン等の電子機器の電気、通信電波等の配線101を、出入口101aより挿入し、配線空間131aを通し、接続開口11aより雌型接続端子W1に接続する。
また、後記する正面側照明装置16、背面側照明装置17の電源への配線は、仕切壁121に設けられた空洞部121eを通り、仕切壁121の底面に接する天板10の所定の位置の貫通する通し孔を通って、配線空間131bを通り、前記雌型接続端子W1に接続している。
【0037】
このように、配線は、極力外部に露出しないように間仕切家具1内を通り、埃などの付着を防ぐことができるので、院内感染の防止に役立つ。そしてメンテナンスパネル131cの開閉により、配線と雌型接続端子W1が簡単に着脱可能なため、簡単に間仕切家具1を移動することができる。
したがって間仕切家具1は、病室内に固定せず、脚体の下面にアジャスター脚111やキャスターを設けて、容易に移動可能な状態で設置するといった使い方ができる。
尚、配線空間の一部を区切って収納部にすることも可能である。その場合メンテナンスパネルは、収納部の扉としても使用される。
【0038】
実施例では、仕切壁121と区画壁131は、天板10によって上下に分割されているが、これは運搬、搬入などが容易になるように上下に分離させるためである。
分離の必要がない場合は、仕切壁121と区画壁131を上下方向に一体に一つの仕切壁として形成し、前後面の所定高さに前後一対の天板を連結して構成することも可能である。
この場合、天板上方が仕切壁、天板下方が区画壁となる。
又、前後面に天板を連結しない場合は、ベッド高さを基準として、上方部分が仕切壁、下方部分が区画壁となる。
【0039】
仕切壁121は、片方のベッド側に面し、所定の厚みを有する正面視横長長方形の正面板121aと、他方のベッド側に面し、正面板121aに対して前後方向に所定の間隔をあけ配置される、所定の厚みを有し正面板121aと同じ外側寸法の横長長方形の背面板121bと正面板121aと背面板121bの左右端部間そして上部端部間をつないで閉塞する縦枠121c、121c、上枠121dとから成り、内部に空洞部121eを形成するように構成されている。
そして、仕切壁121は、上部収納装置122によってベッドの足元側とベッドの枕元側とに区切られていることになる。
【0040】
ベッドの足元側の正面板121aの鉛直面と、ベッドの足元側の背面板121bの鉛直面には、正面投光部14と背面投光後部15が設けられ、正面投光部14と背面投光部15間の空洞部121eには、正面用照明装置16と背面用照明装置17の光が互いの方向に漏れないように仕切板18が設けられている。
正面投光部14と背面投光部15は、正面視縦長長方形の開口の正面投光口141と背面投光口151と、正面投光口141と背面投光口151にそれぞれ取付けられる、乳白色で光の透過性のある樹脂製の正面投光口パネル14aと背面投光口パネル15aよりなり、正面投光口パネル14aと背面投光口パネル15aは、照射される光を和らげるとともに空洞部121e内への埃やゴミが入り込むのを防止している。
【0041】
そして、正面投光口141及び背面投光口151の上縁より上方の前記空洞部121eに、蛍光管などの正面光源16a及び背面光源17aを備えた正面用照明装置16と背面用照明装置が設けられ、正面光源16a及び背面光源17aから発せられる光を正面投光部14及び背面投光部15部から照射するとともに、正面投光部14及び背面投光部15の正面から正面光源16a及び背面光源17aが視認できないように構成されている。
尚、実施例では、背面投光口151の開口面積を正面投光口141の開口面積より60パーセント以下になるように設定し、正面光源16aの正面投光部14からベッド空間に照射される照射量を、背面光源17aの背面投光部15より照射される照射量より多くなるようにしている。
【0042】
一方、仕切板18と正面投光口14間の空洞部121eには、正面投光口141に臨む平板状の正面反射板19が、やや上向きに起立した状態で設置されており、具体的には、正面反射板19の下端部が正面投光口141寄りで上端部が仕切板18寄りに設置され、正面光源16aの発する光を受け、その光を正面投光口141側に反射させる角度に設定されている。
同様に仕切板18と背面投光口151間の空洞部121eには、背面投光口151に臨む平板状の背面反射板20が、やや上向きに起立した状態で設置されており、具体的には、背面反射板20の下端部が背面投光口151寄りで上端部が仕切板18寄りに設置され、背面光源17aの発する光を受け、その光を背面投光口151側に反射させる角度に設定されている。
尚、正面反射板19と背面反射板20の平面部のそれぞれの投光口側面が光の反射率の高い白色または鏡面状に仕上げられ、それぞれ反射面19a、20aとされる。
【0043】
尚、実施例1において、正面投光口141、背面投光口151の大きさを変えることで、背面側と正面側の照射量(それぞれのベッド空間に照射される明るさ)を変えているが、前記上部収納装置122によってベッドの足元側とベッドの枕元側とに区切られた仕切壁121のうち、ベッドの足元側の仕切壁部に、四方縁を残して設置されているが、光の設計に応じて、投光口の大きさ、形状、個数は適宜設定される。
また、正面投光口パネル14a、背面投光口パネル15aの透明度や色や柄の選択、あるいは、異なった照度で正面光源16aと背面光源17aを選択する等、光の設計に応じて適宜設定される。
【0044】
このように構成された間仕切家具を、多床室の窓側のベッド空間に小さな投光口、すなわち背面投光口15が向くように、廊下側のベッド空間に大きな投光口、すなわち正面投光口が向くように設置すれば、大きな投光口に比べ小さな投光口は光の照射量が少ないから、窓側のベッド空間の明るさが抑えられ、反対に廊下側のベッド空間が明るくなり、窓側と廊下側の明るさのバランスを保つことができる。
【0045】
次に、仕切壁121には、正面投光口14の前面を遮蔽できる正面覆い体(実施例ではカーテン)21、背面投光口15の前面を遮蔽できる背面覆い体(実施例ではカーテン)22が開閉自在に吊設され、必要に応じて正面投光口14、背面投光口15からの光を遮ることができる。
【0046】
正面覆い体21と背面覆い体22は同じように施されているので、正面覆い体21側についてのみ説明する。
【0047】
正面覆い体21は、カーテンレール211、クロース212を備え、カーテンレール211は、正面投光口14の上部に左右方向に向けて取り付けられ、カーテンレール211に内蔵している吊具211aにクロース212が吊下げられて、クロース212が左右方向に開閉自在とされている。
そしてカーテンレール21のクロース212の閉じ側には、スイッチ211bが設置され、クロース212を閉じると、吊具211aによってスイッチ211bが押され、クロース212が閉じたことを知らせる電気信号が発信される。
該電気信号は、間仕切内に設置された配線を通って正面用照明装置16の制御部に送られ、信号を受けた制御部の制御によって正面用照明装置16の正面光源16aが消灯する。
【0048】
カーテンレール211のクロース212の閉じ側スイッチ211b付近の所定の位置に、クロース212を閉じてスイッチ211bが押された状態が維持できるように、板バネで形成され、吊具211aの動きを規制するストッパー装置213が設けられている。
【0049】
そしてクロース212を開けると、スイッチ211bが開放され、クロース212が開いたことを知らせる電気信号が発信される。該電気信号は、正面用照明装置16の制御部に送られ、信号を受けた制御部の制御によって正面用照明装置16の正面光源16aが点灯する。
【0050】
このようにクロース21の開閉に伴い、電気信号をコントロールして正面光源16aの点灯/消灯の制御を行う。
したがって、スイッチ211bのような機械的な方法を用いずとも、近接スイッチを用いて非接触で電気信号をコントロールする手段もある。
【0051】
覆い体は、カーテン以外にブラインドや扉を用いてもよく、この場合でも、これらの開閉に伴い電気信号をコントロールする機械式のスイッチや非接触式の近接センサーを設ければよい。
尚、正面用照明装置16の正面光源16aの点灯/消灯の選択を、覆い体の開閉によるものに加え、リモコン装置や手動スイッチなどを使って強制的に行なう手段を付加するとより使い勝手がよくなる。
【0052】
間仕切家具1のベッドの足元側となる端部には、間仕切家具1と略同じ高さの仕切パネル102が、仕切壁121、区画壁131と直行するように取付けられ、足元側からの視線を遮っている。
また、仕切パネル102と仕切壁121のベッドの枕元側となる端部の下部に設置される補強103によって、仕切壁の揺動を抑えている。
【0053】
本発明の第1実施例の間仕切家具1は、上記の如く構成され、通常、病室の大部屋や介護・養護施設の多床室のベッド間に設置し、患者のプライバシー空間を確保する間仕切りとして使用される。
【0054】
前述の通り、間仕切家具1は、ベッドの長尺寸法と略同じ長さに設定されており、別途、ベッドの足元側にベッドと直行するように、天井に、天井から略床面までの高さの間仕切カーテンが吊下げられ、ベッド周りは間仕切家具1と間仕切カーテンで囲まれ個室風の雰囲気を醸し出すことが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0055】
以上のように、本発明は、病室の大部屋や介護・養護施設の多床室のベッド間に設置し、患者のプライバシー空間を確保する間仕切装置にかかわるものであり、間仕切機能に加え、照明装置を備え、病室のレイアウトに左右されることなく、心地いい明るいベッド空間を提供できるから、病室の大部屋や介護・養護施設の多床室の患者のプライバシー空間を確保する間仕切りとして広く利用することができる。
【符号の説明】
【0056】
B1 廊下側ベッド
B2 窓側ベッド
W 壁面
S 窓
1 間仕切家具
12 仕切体
13 区画体
14 正面投光口
15 背面投光口
16 正面用照明装置
16a 正面光源
17 背面用照明装置
17a 背面光源
19 正面反射板
20 背面反射板
21 正面覆い体
22 背面覆い体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内に複数台配設されたベッド間に設置され、ベッド間を仕切る方向に立設する仕切壁を備える間仕切家具において、光が互いの方向に漏れないよう設けられた仕切り板の正面側と背面側で、仕切壁内部に正面用照明装置と背面用照明装置を備え、該両照明装置が発する光をベッド空間に照射する正面投光部と背面投光部を仕切壁のベッド側の両面に備えるとともに、該両投光部のうち一方側の投光部からベッド空間に照射される照射量を他方側より多くなるようにしたことを特徴とする間仕切家具。
【請求項2】
両照明装置の光源を、仕切壁内部で両投光部の投光口の外縁より外側に配設する請求項1に記載の間仕切家具。
【請求項3】
仕切壁は、両投光部の前面を覆う開閉自在な正面覆い体と背面覆い体と、それぞれの覆い体の開閉操作に合わせて、それぞれの照明装置の点灯、消灯を行なうスイッチを備えて成ることを特徴とする請求項1、又は、請求項2に記載の間仕切家具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−231992(P2012−231992A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−102991(P2011−102991)
【出願日】平成23年5月2日(2011.5.2)
【出願人】(000125990)株式会社くろがね工作所 (84)
【Fターム(参考)】