説明

間葉系幹細胞の肝細胞への分化方法及び人工ヒト肝臓細胞

肝細胞は樹立化が困難であるので、増殖手法が確立している間葉系幹細胞、特に、骨髄由来の間葉系幹細胞であるストローマ細胞を用いて、肝細胞に分化させ、肝障害の肝細胞移植治療法に役立つ肝細胞を調製する手段を提供することを課題とする。 薬剤投与を継続することにより慢性の肝障害を起こした哺乳動物、例えば、ラットの肝臓に、ヒト間葉系幹細胞を移植することで、ヒト間葉系幹細胞を肝細胞、成熟肝細胞に分化できることを見出し、間葉系幹細胞から成熟肝細胞へ分化させる手段を開発した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、間葉系細胞の肝細胞への分化技術に関する。本発明は、更に、肝障害を受けた人を含む動物に対する、肝臓再生医療技術に関する。
【背景技術】
肝臓は、人体の生化学工場とも呼ばれ、体内で栄養に関係深い中間代謝、胆汁生成、血液成分の生成・変換、解毒等多様な生化学機能を持つ、重要な臓器である。
ところが、アルコール、ウイルス、薬物、又は自己免疫疾患等により肝臓に障害が起きると、肝炎、更に肝硬変となり、時に重大な結果を招く。
例えば、アルコール性肝障害では、アルコール性飲料の慢性過剰摂取によって肝臓の細胞に障害が起き、脂肪肝、アルコール性肝炎、さらに終末的な肝硬変と進行する。1日に摂取するアルコール量が60〜80g以上あると、脂肪肝が発生する可能性が高く、1日あたり100〜120g以上のアルコールを10年以上摂取すると肝硬変を発生するといわれている。
従来の肝障害治療においては、(1)肝障害の原因となるアルコールなどの毒物を排除する、(2)ビタミン等の補給により肝細胞の自然再生を待つ、(3)薬剤による治療としては、(i)グリチルリチン製剤(肝臓の働きを守る)、(ii)小柴胡湯(肝臓の炎症軽減、肝機能改善)、(iii)胆汁酸製剤(胆石や胆汁鬱滞による肝障害に有用)、(4)ウイルス性肝炎への治療薬としては、(i)インターフェロン、(ii)レベトール(抗ウイルス薬、インターフェロンとの併用:ウイルス量の多いC型慢性肝炎用)、(iii)ラミブジン(抗ウイルス薬、B型肝炎用、DNAポリメラーゼ阻害剤)、及び(5)生体肝移植などの方法がある。
また、アルカリフォスファターゼ陽性ラット幹細胞様セルラインをインビトロで肝細胞系統に分化させたことが非特許文献1に、成人多能細胞からの肝細胞への分化が非特許文献2に報告されている。
さらに、分化誘導剤を用いて、骨髄細胞を肝実質細胞に分化させることについては、特許文献1に記載されている。
【特許文献1】特開2002−78482号
【非特許文献1】Stem Cells Vol.21,p.428−436
【非特許文献2】The Journal of Clinical Investigation Vol.109,p.1291−1302
【発明の開示】
肝臓治療の薬物療法は、対症療法にすぎず、十分ではなく、他方、細胞移植治療法に必要な、肝細胞及びMAPC(多能性成人前駆細胞:Multipotent adult progenitor cell)は、樹立化が困難である。
そこで、増殖手法が確立している間葉系幹細胞、特に、骨髄由来の間葉系幹細胞であるストローマ細胞を用いて、肝細胞に分化させ、肝障害の肝細胞移植治療法に役立つ肝細胞を調製する手段を提供することを課題としている。
間葉系幹細胞、間葉系前駆細胞又は間葉系細胞を、薬剤投与を継続することにより慢性の肝障害を起こした哺乳動物、例えば、ラットの肝臓に移植することで、肝細胞、成熟肝細胞に分化することを見出し、間葉系幹細胞、間葉系前駆細胞又は間葉系細胞から成熟肝細胞へ分化せせる手段を開発した。
本件発明によれば、十分量入手可能な、間葉系幹細胞、間葉系前駆細胞又は間葉系細胞を用いて、成熟型の肝細胞を調製することができる。これにより、例えば、個人から調製した間葉系幹細胞、間葉系前駆細胞又は間葉系細胞から肝細胞を分化させ、個人別の肝細胞遺伝子プロファイルが作成でき、テイラーメイド医療に役立てることもできる。また、肝細胞を多量に調製できるので、C型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルスの増殖機構の分析、更には、抗ウイルス剤の作用機序の解析にも用いることができる。更に、従来得られなかったヒト正常成熟肝細胞が多量に得られるので、薬剤スクリーニング、薬剤毒性試験に用いることもできる。又更に、分離され、回収されたヒト肝細胞を用いて、肝不全・先天的代謝肝疾患者に移植する細胞治療若しくは人工肝臓の製造にも用いることができる。
本明細書は本願の優先権の基礎である日本国特許出願2003−303229号の明細書および/または図面に記載される内容を包含する。
【図面の簡単な説明】
図1は、ヒト間葉系幹細胞の調製
図2は、慢性肝障害を引き起こすアリルアルコールの投与方法
図3は、ヒト間葉系幹細胞の移植後14日目の抗体染色
図4は、ヒト間葉系幹細胞の移植後28日目の抗体染色
図5は、ヒト間葉系幹細胞を移植したラット肝臓中におけるヒトアルブミンの発現
図6は、ヒト間葉系幹細胞を移植したラット肝臓中におけるヒトアルファフィトプロテインの発現
図7は、ヒトアルブミンの生産量
図8は、ヒト間葉系幹細胞、ヒトCD34+細胞又は非間葉系細胞/非CD34+細胞をアリルアルコール処理を1回又は継続的に行った場合の、ヒト肝細胞への分化の有無
図9は、TERT導入ヒト間葉系肝細胞(MSC)の肝分化(TERT導入MSCの肝分化)
【発明を実施するための最良の形態】
本件発明は、間葉系幹細胞(Mesenchymal Stem Cell;MSCとも言う)、間葉系前駆細胞又は間葉系細胞を、薬剤投与を継続することにより慢性の肝障害を起こした哺乳動物に移植することで、肝細胞、成熟肝細胞に分化させる、間葉系幹細胞、間葉系前駆細胞又は間葉系細胞の肝細胞への分化方法を提供する。
本発明では、また、間葉系幹細胞、間葉系前駆細胞又は間葉系細胞を、急性の肝障害を起こした哺乳動物に移植し、移植後に肝障害性薬剤を継続的に投与することにより、肝障害を慢性化させると共に、移植した間葉系幹細胞、間葉系前駆細胞又は間葉系細胞を成熟肝細胞に分化させる方法を提供する。
[間葉系幹細胞、間葉系前駆細胞、間葉系細胞]
間葉系幹細胞、間葉系前駆細胞又は間葉系細胞としては、任意の哺乳類由来の間葉系幹細胞、間葉系前駆細胞又は間葉系細胞を用いることができるが、好適には、ヒト又は、実験動物として常用される、マウス、ラット、サルなどが挙げられる。
間葉系幹細胞としては、例えば、骨髄、末梢血、皮膚、毛根、筋組織、子宮内膜、血液、臍帯血、更には、種々の組織の初期培養物から得ることができる幹細胞を用いることができる。また、ES細胞やテラトーマ細胞からも間葉系幹細胞が分離できることが知られている。ここで、幹細胞とは、全能性を有する全ての細胞に分化できる全能性幹細胞や、胎児性幹細胞のように三胚葉の系統には分化できるが胚外栄養膜細胞への分化は限定的であるpluripotencyである幹細胞、更には、ある組織の多くの細胞に分化することができる多能性幹細胞などがあるが、間葉系幹細胞は、pluiripotentであると考えられている。
間葉系幹細胞として、好適には、骨髄の初期培養を行い、カルチャーディッシュの底面に付着した間質細胞から取得する幹細胞を用いることができる。
間葉系細胞の前駆細胞とは、間葉系幹細胞から分化し、間葉系細胞への分化の途上にある細胞のことを意味する。
間葉系細胞は、間葉系幹細胞の分化により生じ、幹細胞のように多方面に分化する能力はないが、ある方向への分化能力と増殖能力を有している細胞である。正常の状態ではG0期に止まっているが、刺激によりG1期(分裂開始)に移行できる細胞である。間葉系細胞は、例えば、ストローマ細胞、ストローマ細胞の性質を有する細胞も包含している。間葉系細胞は、皮下組織、肺、肝等あらゆる臓器に存在しており、骨、軟骨、脂肪、腱、骨格筋、骨随間質と言った間葉系組織に存在している。
更に、本件発明においては、不死化遺伝子、例えば、テロメラーゼ又はテロメラーゼの発現又は活性を調節する遺伝子、好適には、ヒトテロメラーゼ又はヒトテロメラーゼ触媒活性サブユニット(hTERT)を用いて、不死化した上記間葉系幹細胞、間葉系前駆細胞又は間葉系細胞を用いることができる。
不死化遺伝子を、ストローマ細胞等、間葉系幹細胞等への導入方法としては、公知の種々の方法を用いることができるが、例えば、不死化遺伝子をプラスミドベクターに組み込み、当該ベクターをカルシウムーリン酸の存在下でストローマ細胞のような間葉系細胞、間葉系幹細胞等に導入して、形質転換する方法、或いは不死化遺伝子をリポソームの様なベシクルとともに、間葉系細胞又は間葉系幹細胞に接触させ導入する方法、更に、不死化遺伝子の存在下でエレクトロポレーションにより導入する方法、又は不死化遺伝子を各種ウイルスベクターに組み込み、間葉系細胞若しくは間葉系幹細胞等に感染させて導入する方法などを用いることができる。
ウイルスベクターを用いる導入方法としては、レトロウイルス、アデノウイルス、又はアデノ随伴ウイルスを用いる方法があり、レトロウイルスベクターとしては、MoMLVウイルスを用いる方法などがある。好適には、pBabeベクターを用いることができる。
更に、不死化した細胞をヒトの治療に用いる場合、不死化遺伝子などの外来遺伝子はできるだけ除去しておいた方が安全性が高いと考えられ、既に確立した技術により、細胞に導入した不死化遺伝子を除去することができる。例えば、好適には、不死化遺伝子がloxP配列またはloxP様配列にはさまれて、Creリコンビナーゼなどのリコンビナーゼ処理により特異的に除去する手法を用いることができる。
ヒト間葉系幹細胞としては、好適には、骨髄由来の間葉系幹細胞を用いることができる。
[移植対象動物、慢性肝障害手段]
以下、間葉系幹細胞について説明するが、間葉系前駆細胞、間葉系細胞を用いても同様に、肝細胞に分化させることができる。
間葉系幹細胞の肝細胞への分化に有効な環境を与える慢性肝障害組織を提供する、哺乳動物(以下移植対象動物と呼ぶ)としては、種々の実験動物を用いることができるが、例えば、好適には、マウス、SCIDマウス、ラット等、特に好適には、SDラットを用いることができる。なお、ラットに関しては、なるべく週齢の若いもの、例えば、4週から6週齢のものが好適である。
肝障害性薬剤としては、肝障害を与える種々の薬物を用いることができ、例えば、choline deficiency(CD)ethionine、galactosamine、Dimethylnitrosamine(DMN)、Jo2抗体(抗Fas抗体;アポトーシス誘導)が肝臓障害剤として知られており、好適には、アリルアルコール(Allyl Alcohol)、四塩化炭素(CCl4)、四塩化炭素(CCl4)及び2−acetylaminofluorene(2−AAF)を組み合わせて、又は肝部分切除し2−AAFを用いることができ、特に好適には、アリルアルコール(Allyl Alcohol)用いることが望ましい。アリルアルコールは、特に門脈周囲の肝細胞をネクローシスにより傷害する効果がある。
間葉系幹細胞の由来哺乳動物と、移植対象哺乳動物とが同じ動物でない場合は、移植における免疫反応の低減のために、免疫抑制剤を予め、好適には、間葉系幹細胞の移植1〜2日前に、移植対象動物に投与することが望ましい。
移植対象動物への移植方法としては、例えば、間葉系細胞含有溶液を上記対象動物の肝臓に局部注射、門脈内注射、尾静脈注射を採用することができる。
肝障害剤により肝障害を慢性化させる場合、間葉系幹細胞の移植時期としては、肝障害性薬剤の影響があるので、早くとも最初の肝障害性薬剤を対象動物に投与後24時間後から3日以内に、好適には、1日後に移植することができる。
なお、既に慢性の肝障害を有する肝臓、例えば、ウイルソン病肝硬変モデルであるLECラットや高チロシン血症による肝障害をきたすFAH−/−マウスの肝臓に移植することもできる。
移植対象動物において、肝障害を慢性化させる手段としては、間葉系幹細胞を移植対象動物に移植後、肝障害性薬剤の投与を続けて肝障害を慢性化する方法がある。
肝障害性薬剤の投与量としては、第一回目の投与は、肝臓に急性に障害を与えるが、動物の生存に影響しない程度に十分な程度の量を選択することができ、例えば、アリルアルコールをラットに用いる場合は、0.5mmol/Kg〜0.7mmol/Kg程度、好適には、0.6mmol/Kg程度の量を採用することができる。第2回目以降の投与は、肝障害性薬剤が肝障害を慢性化するために十分な量とすることができ、例えば、アリルアルコールを用いる場合は、0.3mmol/Kgとすることができる。
肝障害性薬剤の投与形態としては、その薬剤により好適な投与方法を選択することができるが、例えば、経口投与、静脈注射、腹腔注射によることができ、アリルアルコールをラットに投与する場合は、好適には腹腔注射によることができる。
肝障害性薬剤の投与期間は、肝障害を慢性化させるのに十分な期間投与する。好適には、間葉系幹細胞が成熟肝細胞に分化するのに必要な期間、例えば、2週間〜3月間、好適には3〜5週間、更に好適には、4週間投与数することができる。例えば、肝障害薬剤としてアリルアルコールを用い、ヒト間葉系幹細胞をラットに移植する場合には、0.3mmol/kgの腹腔内注射を、週3回、1月間続けることことができる。
[肝細胞への分化の確認]
未分化肝細胞(未熟肝細胞)のマーカー(標識)としては、GST−P、サイトケラチン19、α−フェトプロテインがあり、これらマーカーの検出には、これらマーカーに対する抗体、又はマーカーをコードする遺伝子特異的なプライマー若しくはプローブを用いることができる。又、更に、γ−GTP染色により、未分化肝細胞(未熟肝細胞)を分別することもできる。
成熟肝細胞のマーカー(標識)としては、アルブミン、α1−アンチトリプシン、トランスフェリン、CK18、AGPR等があり、これらマーカーは、該マーカーに対する抗体又マーカーをコードする遺伝子特異的なプライマー若しくはプローブを用いて検出することができる。
なお、抗アルブミン抗体、抗AFP(αフィトプロテイン)抗体、抗CK19抗体(CKはサイトケラチン(Cytokeratin)の略。 以下同じ。)、抗CK18抗体、抗AGPR抗体(AGPRは、アシアログリコプロテイン レセプター(asialoglycoprotein receptor)の略。以下同じ。)等との反応性の比較により、未分化、成熟の検討ができる。
更に、間葉系幹細胞が由来する動物とは異なる動物の肝臓へ、間葉系幹細胞を移植した場合、例えば、ヒト間葉系幹細胞をラットの肝障害肝臓へ移植する場合は、間葉系細胞由来の動物特異的捏上記成熟肝細胞マーカー特異的な抗体、ヒトアルブミン特異的抗体を用いて、免疫染色法、免疫酵素染色法、サンドイッチ抗体法などの方法により確認することができる。
又マーカー特異的プライマーを用いる場合は、遺伝子増幅法、例えば、PCRを用いることができる。
[分化した肝細胞の回収]
例えば、実験動物から肝臓を摘出し、肝細胞に分離し、間葉系細胞が由来する動物に特異的でかつ成熟肝細胞特異的である蛍光標識した抗体や細胞表面マーカー(HLAなど)に対する抗体で処理し、蛍光細胞分別機(FACS)で、間葉系幹細胞から分化した成熟肝細胞を単離することができる。
ヒトテロメラーゼを導入して、不死化したTERT導入MSCを上述の方法で肝に分化させ、灌流分離したものを培養する。ラット由来の肝細胞は通常一週間程度で死滅することから、残存した細胞が間葉系幹細胞から分化した成熟肝細胞である。これを適当な培地で培養増殖させる。
[分化した肝細胞の利用]
個人から調製した間葉系幹細胞から分化させた肝細胞を回収し、個人別の肝細胞遺伝子プロファイルが作成でき、テイラーメイド医療に役立てることもできる。また、肝細胞を多量に調製できるので、C型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルスの増殖機構の分析、更には、抗ウイルス剤の作用機序の解析にも用いることができる。更に、従来得られなかったヒト正常成熟肝細胞が多量に得られるので、薬剤スクリーニング、薬剤毒性試験に用いることもできる。
又更に、分離され、回収されたヒト肝細胞を用いて、肝不全・先天的代謝肝疾患者に移植する細胞治療若しくは人工肝臓の製造にも用いることができる。
[間葉系幹細胞を用いた細胞治療剤]
又、間葉系幹細胞は、慢性肝炎の細胞治療に、適切な担体と共に、肝臓疾患部に直接投与する、細胞治療剤として用いることもできる。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、実施例は本発明の一態様にすぎず、本発明は実施例に限定されるものではない。
【実施例1】
[間葉系幹細胞から肝細胞への分化]
1−1 間葉系幹細胞(MSC):
健康成人の腸骨より骨髄穿刺を行い、比重遠心法により単核球を採取、10%非働化胎児ウシ血清含有DMEMにて一晩培養。翌日より付着細胞(adherent cell)を培養する。2週後にT−E(トリプシンーEDTA)にて細胞を回収したものを初代間葉系幹細胞とし凍結保存した。初代培養の間葉系幹細胞は、10%非働化胎児ウシ血清含有DMEMで継代培養し、初代培養からPD6から9(6から9回の世代分裂population doublingを経た時期)で、以下の実験に使用した(図1)。
1−2 実験動物:
日本チャールズリバーより購入したSpragne−Dawley(SD)ラット(5週齢,雌もしくは雄)を使用した。
1−3 肝障害モデルとMSC投与法:
MSC投与前々日(day−1)よりサイクロスポリンA、(CyA、サンディミュンSandimmun:ノバルティスファーマより購入)10mg/kg/dayで腹腔内投与を開始した。さらに翌日(day−0)肝障害を起こすためにYavorkovskyら(Hepatology 1995;21:1702−1712)の報告に基づきallyl alcohol(AA)(0.62mmol/kg)を腹腔内投与した。翌々日(day 1)、2x106細胞/300ulに調整したMSC(間葉系幹細胞)を23G注射器を用いてラット肝臓に直接局所注入した。その後、AA(0.3mmol/kg)週3回投与による慢性肝障害を行った(図2)。
2 肝細胞への分化の確認
ヒト肝細胞への分化の確認は、1)ヒト特異的な肝特異マーカーによる染色すること,2)ヒト特異的なアルブミン(Alb)及びアルファフェトプロテイン(AFP)のmRNAを検出すること,並びに3)ヒト特異的なアルブミン蛋白の産生をELISA法での検出により、行った。
2−1 ヒト肝臓特異マーカーによる染色:
MSC投与から14日目(day 14)と28日目(day 28)に屠殺し、肝臓を4%パラホルムアルデヒドで灌流固定しOTC compoundで包埋後、凍結切片(6μm)を作製した。これらを予めラット肝臓組織と交差反応しない事を確かめた抗ヒトAlb(アルブミン)抗体(Sigma社、A6684),抗ヒトAFP抗体(Sigma社、A8452),抗ヒトCK19抗体(Sigma社、C6930),抗ヒトCK18抗体(PROGEN社,RCK106),AGPR抗体(Kohgoら,Hybridoma 1993;12.591−598)とコントロール抗体で染色を用いて免疫染色した。
図3にMSC移植後14目の結果を400倍の倍率で示す。図3の上段,中段に示すように、径20−25μm程度の抗ヒトAFP抗体,坑ヒトCK19抗体,坑ヒトAlb抗体,坑ヒトCK18抗体,又は抗AGPR抗体の陽性細胞が同一切片上で50から80個程度のクラスター状に認められた。コントロール抗体では染色は認められなかった。下段に示す蛍光免疫染色では,赤で示されるローダミン(Rodamine)標識抗ヒトAFP抗体(左側)と緑で示されるFITC標識抗ヒトAlb抗体(中央)で染色され、右側に示すこれらの重ね合わせ(マージ)像では、黄色に見えることから、これらの移植MSCはAFPとAlbを発現しているものと考えられた。これらの染色パターンは比較的未分化なヒト肝細胞であることを示している。
図4にMSC移植後28日後の免疫染色の結果を示す。14日後と同様に400倍の倍率であるが、上段,中段に示すように、径25−30μmの坑ヒトAlb抗体,坑ヒトCK18抗体,又はAGPR抗体の陽性細胞が同一切片上で300個以上のクラスター状に認められた。一方,坑ヒトAFP抗体,又は抗ヒトCK19抗体の陽性細胞はわずかに散見されるのみであった。下段に示す蛍光免疫染色では、同様に赤で示されるRodamine標識抗ヒトAFP抗体陽性細胞が一部に認められFITC標識抗ヒトAlb抗体では全体に染色された(中央)。右側に示すマージ像では,AFP抗体陽性細胞部分は黄色に見えることから、これらの移植MSCのほとんどはAlbを発現しているが一部にAFPの発現も残存しているものと考えられた。これらの染色パターンはヒト成熟肝細胞を示すものである。
2−2ヒト特異的なアルブミン(Alb),ならびにアルファフェトプロテイン(AFP)のmRNAの検出
肝組織からRNAを抽出し、逆転写酵素を用いてcDNAを調製した。このcDNAを鋳型にして、ヒト特異的Alb、AFPについて、対応するプライマーを用いてPCRを行い、バンドの増幅をアガロースゲル電気泳動にて確認した。
プライマー配列としては、ヒトアルブミン用のプライマーセンス鎖(Hu−Albumin(S))として5’−cttcgtctgccaaacagagactca−3’(24mer)を、ヒトアルブミン用プライマーアンチセンス鎖(Hu−Albumin(AS))として5’−acagagtaatcaggatgccttcttg−3’(25mer)を、ヒトアルファフィトプロテイン用プライマーセンス鎖(Hu−AFP(S))として5’−ttggagaagtacggacattcagact−3’(25mer)を、及びヒトアルファフィトプロテイン用プライマーアンチセンス鎖(Hu−AFP(AS))として5’−gactcagtttagtaacagttatggct−3’(26mer)を用いた。DNA試料は94度で5分間変性し、94度で1分(変性)、65度で1分(アニーリング)、更に72度で30秒(伸長)からなるサイクルを40サイクルし増幅した。増幅産物は、2.5%アガロースゲル電気泳動上でエチジウムブロマイド染色でAlbは482bp,AFPは420bpのバンドとして可視化される(図5,6)。
Albの発現を検討した図5では、1;肝癌細胞であるHepG2細胞(ポジテイブコントロール)、2;ラット肝臓(ネガテイブコントロール)、3;MSCを肝局注後,週三回のAA投与したもの、4;コントロールとしたCD34+細胞を肝局注後、週三回のAA投与したもの、5;コントロールとしたMSCとCD34を除いたNon−MSC/non−CD34+細胞を肝局注後、週三回のAA投与したもの、6;MSCを肝局注後、一度のみAA投与したもの、7;コントロールとしたCD34+細胞を肝局注後、一度のみAA投与したもの、及び8;コントロールとしたMSCとCD34を除いたNon−MSC/non−CD34+細胞を肝局注後、一度のみAA投与したもの、を示している。MSC投与後14日目(Day 14)及び28日目(Day 28)ではMSCを肝局注後、週三回のAA投与したもののみヒトAlbのバンドが示された。
AFPの発現を検討した図6では、1;肝癌細胞であるHepG2細胞(ポジテイブコントロール)、2;ラット胎児肝臓(ネガテイブコントロール)、3;MSCを肝局注後、週三回のAA投与したもの、4;コントロールとしたCD34+細胞を肝局注後、週三回のAA投与したもの、5;コントロールとしたMSCとCD34を除いたNon−MSC/non−CD34+細胞を肝局注後、週三回のAA投与したもの、6;MSCを肝局注後、一度のみAA投与したもの、7;コントロールとしたCD34+細胞を肝局注後、一度のみAA投与したもの、及び8;コントロールとしたMSCとCD34を除いたNon−MSC/non−CD34+細胞を肝局注後、一度のみAA投与したもの、を示している。Day 14ではMSCを肝局注後、週三回のAA投与したもののみヒトAFPのバンドが示されたが、Day 28では認めなかった。
2−3 ヒト特異的なアルブミン蛋白の産生をELISA法で検出
次に移植ヒトMSCが実際にヒトAlbを産生しているか、すなわち機能しているか(functionalなものであるか)どうかを確認するためMSC局注部の肝組織10mgを採取し、そのホモジェネイトを用いてヒト特異的なAlb蛋白を検出可能なヒトアルブミンELISA kit(Bethyl Laboratories,Montgomery,Texas)で検討した。
Albの産生を検討した図7では、右から順に1;ヒト肝組織(ポジテイブコントロール)、2;ラット肝臓(ネガテイブコントロール)、3;MSCを肝局注後、週三回のAA投与したもの、4;コントロールとしたCD34+細胞を肝局注後、週三回のAA投与したもの、5;コントロールとしたMSCとCD34を除いたNon−MSC/non−CD34+細胞を肝局注後,週三回のAA投与したもの、6;MSCを肝局注後、一度のみAA投与したもの、7;コントロールとしたCD34+細胞を肝局注後、一度のみAA投与したもの、及び8;コントロールとしたMSCとCD34を除いたNon−MSC/non−CD34+細胞を肝局注後、一度のみAA投与したもの、を示している。
MSC移植AA持続投与肝障害ラットでは移植後14日目にヒトAlbの産生が4ng/mg of tissue/ml,移植後28日後の肝組織中に7.6ng/mg of tissue/mlと他のコントロールと比較し有意に増加しヒト肝組織に近いヒトAlbの産生を確認した。
3.結論
アリルアルコール(AA)を用いた肝障害においては、急性肝炎群ではなくAAを週3回投与する慢性肝障害モデルにおいてMSCの肝分化が示された。このことはAAによる持続肝障害がMSCの肝臓への分化誘導に好適な環境であることを示すものと考えられた。
他方MSC以外の骨髄分画を局注した系ではいずれの肝障害モデルにおいても肝への分化が認められなかった。このことは、これまでの報告(Wang Xら.Am J Pathol 2002;161:565−574.)で示されているように、HSC(造血幹細胞:Hematopoietic Stem Cell)や骨髄細胞を用いた肝分化には放射線(radiaton)による骨髄細胞の除去(bone marrow ablation)を行い移植細胞の骨髄生着をさせることが必須であることを裏付ける結果であると考えられる。
【実施例2】
TERT導入MSCの肝分化
kawanoら(Blood.2003;101,532−40)の方法に基づき、以下の参考例1に記載の方法で、調製したhTERTを導入したMSC(TERT−MSC)を作製し、実施例1の方法で肝に局注後28日後に観察した。
その結果、図9に示されるように、正常のラット肝組織中にヒトアルブミンの発現を呈する細胞が確認され、成熟肝細胞に分化したものと考えられた。
【実施例3】
間葉性幹細胞由来肝細胞様細胞の灌流による分離
(1) hTERT遺伝子の導入された間葉性幹細胞由来(hTERT−MSC)を肝臓内に局注したラット(実施例2)を、局注後28日に深麻酔下に剃毛後開腹し、門脈より37℃ EGTA液(Hanks液 500mL+HEPES 1.19g+EGTA 0.1gにて調整)を灌流する。肝臓の腫大を確認した後、肝の上下の下大静脈を切断し、10mL/minの速度にて10分間灌流する。次に、37℃コラゲナーゼ液((Hanks液 500mL+CaCl2/2H2O 0.235g+HEPES 1.19g+collagenase(collagenase Yakult)100mg(100U/mL)を10mL/minの速度にて10分間灌流する。肝表面に白点が出現していることを確認したのち、hTERT−MSCを局注した部位を鉗子にて切断し、冷却したHanks液内にて摂子および鉗子を用いて細切し、100μmおよび70μmフィルターにて濾過する。続いて、50gにて1分間遠心し、上清を除去後、再び冷却したHanks液内にて懸濁し、50gにて1分間遠心する。これを3回繰り返したのち細胞数を数える。その結果約2x10個の細胞が回収される。
(2) 間葉性幹細胞由来肝細胞様細胞の培養
続いて、上記の灌流によって得られた細胞を培養する。1.4×10cell/cm2にてL15medium(0.2%BSAおよび50mg/Lゲンタマイシン,100nMデキサメタゾンおよび0.5mg/Lインスリンを加えたL15 500mL)に接種する。3時間後にHCM培地(HCM BulletKit(宝酒造))に変え、CO2インキュベーター内で37℃にて培養する。
Rat肝細胞は約1週間で死滅することから、これを約1週間観察しコロニーの形成されたものがhTERT−MSC由来ヒト肝細胞である。
〔参考例1〕
hTERT−MSCの調製
1.間葉系幹細胞の分離 健康成人の腸骨より骨髄穿刺を行い、比重遠心法により単核球を採取、10%非働化胎児ウシ血清含有DMEMにて一晩培養。翌日より付着細胞(adherent cell)を培養する。2週後にT−E(トリプシンーEDTA)にて細胞を回収したものを初代間葉系幹細胞とし凍結保存した。
2.hTERT間葉系幹細胞に導入する遺伝子として、ヒトテロメラーゼの触媒活性サブユニット(hTERT)をコードする遺伝子を用いた。hTERTの配列は、例えば、Science277,p.955−959に記載されている。
3.間葉系幹細胞への遺伝子導入に用いるベクター(図1)
pBABE−hygro−hTERT(Dr.Robert A Weinbergより供与)は、pBABE−hygro−hTERTはProc.Natl.Acad.Sci.USA vol.95,pp.14723−14728中に記載されているとおり、pCI−Neo−hTERT−HAよりPCRにて得たhTERT EcoRV−SalI fragmentをpBABE−hygroにcloningしたものである。
4.レトロウイルス産生細胞の作製とそれによるウイルスの感染は「別冊実験医学 ザ・プロトコールシリーズ 遺伝子導入&発現解析実験法(斎藤 泉 菅野 純夫編 羊土社)」に準じておこなった(P58−62)。
具体的には、BOSC23パッケージング細胞(Proc.Natl.Acad.Sci.USA,90:8392−8396,1993)を用いて、次のように、ΨCRIPパッケージング細胞(Proc.Natl.Acad.Sci.USA,90:3539−3543,1993)を作成した。
4−1.組み換えレトロウイルスベクター産生細胞の作製
(i)BOSC23細胞を10cm dishにトランスフェクションの18〜24時間前に5.5x106個播いた。
(ii)15μgのDNA(レトロウイルスベクター)にOPTI−MEM(Gibco/BRL)を800μl静かに加え、攪拌しA液を調製した。
(iii)滅菌されたチューブにOPTI−MEMを750μl採り、LIPOFECTAMINE(2mg/ml Gibco/BRL)を50μl加えてゆっくり混ぜB液を調製した。
(iv)A液を静かにB液に混ぜC液を調製し、室温で30〜45分放置した。
(v)BOSC23細胞を抗生剤,FBSを除いた37℃の培地で1度洗った。
(vi)C液(1.6ml)を静かにBOSC23細胞に加えた。
(vii)更に、2.4mlのOPTI−MEMを加えた。
(viii)5時間,5%CO2下でインキュベートした。
(ix)4mlの20%胎児ウシ血清を含むDMEMを加え、1晩インキュベートした。
(x)10%胎児ウシ血清を含む37℃の培地に換え、同時にパッケージング細胞であるΨCRIPを10cm dishに1〜2x10個播いた。
(xi)24時間後,BOSC23細胞の培地を0.45または0.20μmのシリンジフィルターで濾過し、ΨCRIPの培地を5mlの濾過した培地に交換した。同時にポリブレン(Hexadimethrine Bromide,SIGMA H−9268)を8μg/mlになるように加えた。
(xii)4〜24時間培養後、5mlの培地を加え、さらに一晩培養した。
(xiii)薬剤選択を行い、レトロウイルスを産生するΨCRIP細胞が作成される。
次に、上記のベクターを、レトロウイルス産生細胞(ψCRIP/P131)で増殖させ、間葉系幹細胞は次のように遺伝子導入(感染)された。
まず、感染を行う前日に、間葉系幹細胞を5x10cell/10cm dishとなるように播きなおし、レトロウイルスを産生するψCRIP/P131の培地を10%ウシ血清含有DMEMから12.5%非働化ウマ血清12.5%非働化胎児ウシ血清/2−Mercaptoethanol/hydrocortisone含有α−MEMの培地に代えて培養する。当日に培養上清を0.20μmフィルターで濾過してポリブレン(polybrene)を最終濃度8μg/mlになるように加えた。次に上清に産生された組み換えレトロウイルスベクターを間葉系幹細胞に感染させた。4時間後培養上清を新しい培地に換えてさらに2日間培養した。その後、pBABE−hygro−hTERTはハイグロマイシン100μg/mlで5日間、薬剤選択を行った。
感染には、レトロウイルスベクターを、(1)コントロール、(2)pBABE−hygro−hTERTベクターのみで感染させた。
なおこれらのウイルスおよび細胞は、発明者らが保管しており、特許後いつでも分譲できる状態にある。
本明細書で引用した全ての刊行物、特許および特許出願の内容をそのまま引用により本明細書にとり入れるものとする。
産業上の利用の可能性
本発明は、細胞分化、細胞培養、医薬開発、人工臓器開発などの産業に利用できるほか、更には、肝臓再生医療の技術に関する産業分野で利用することができる。
【配列表】



【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
間葉系幹細胞、間葉系前駆細胞又は間葉系細胞を、慢性肝障害組織を用いて肝細胞に分化させる方法。
【請求項2】
慢性肝障害組織が、肝細胞障害性薬剤を哺乳動物に長期間投与することにより哺乳動物の肝臓に生じた慢性肝障害組織である、請求項1記載の方法。
【請求項3】
間葉系幹細胞、間葉系前駆細胞又は間葉系細胞を肝細胞に分化させる、次の(1)から(3)の工程を含む方法。
(1)肝細胞障害性薬剤を哺乳動物に投与する工程
(2)間葉系細胞、間葉系前駆細胞又は間葉系細胞を当該哺乳動物の肝臓に移植する工程
(3)肝細胞障害性薬剤を継続的に当該哺乳動物に投与する工程
【請求項4】
間葉系幹細胞、間葉系前駆細胞又は間葉系細胞がヒト由来の間葉系幹細胞である請求項1〜3いずれか1項記載の方法。
【請求項5】
間葉系幹細胞がヒト由来の間葉系幹細胞である請求項1〜4いずれか1項記載の方法。
【請求項6】
間葉系幹細胞がhTERT(ヒトテロメラーゼの触媒活性サブユニット)を導入した間葉系幹細胞である請求項1〜5いずれか1項記載の方法。
【請求項7】
肝細胞障害性薬剤が、アリルアルコールである請求項2〜6いずれか1項記載の方法。
【請求項8】
間葉系幹細胞、間葉系前駆細胞又は間葉系細胞の移植前に免疫抑制剤を投与する請求項2〜7いずれか1項記載の方法。
【請求項9】
間葉系細胞、間葉系前駆細胞又は間葉系細胞を肝臓に局部注射する請求項2〜8いずれか1項記載の方法。
【請求項10】
哺乳動物がラットである請求項2〜9いずれか1項記載の方法。
【請求項11】
請求項1〜10いずれか1項記載の方法で分化された肝細胞を間葉系幹細胞由来の肝細胞に特異的標識により、分別して回収する方法。
【請求項12】
請求項1〜10いずれか1項記載の方法により分化された肝細胞。
【請求項13】
間葉系幹細胞、間葉系前駆細胞又は間葉系細胞から分化した肝細胞を有効成分として含む肝障害治療剤。
【請求項14】
間葉系幹細胞、間葉系前駆細胞又は間葉系細胞を有効成分として含む肝障害治療剤。

【国際公開番号】WO2005/024004
【国際公開日】平成17年3月17日(2005.3.17)
【発行日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−513583(P2005−513583)
【国際出願番号】PCT/JP2004/002440
【国際出願日】平成16年2月27日(2004.2.27)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 研究集会名:第2回 日本再生医療学会総会 主催:日本再生医療学会 開催日:平成15年3月10日〜12日 発表日:平成15年3月11日 要旨集発行日:平成15年2月28日
【出願人】(502455393)株式会社レノメディクス研究所 (5)
【Fターム(参考)】