説明

関節炎治療剤

【課題】リウマチ関節炎等の関節炎を効果的に治療でき、副作用のおそれの小さい関節炎治療剤を安価に提供することを目的とする。
【解決手段】関節炎治療剤は、microRNA(miRNA)と安定化剤とを含有する。安定化剤としてアテロコラーゲンが好ましい。また、リウマチ関節炎の治療剤としは、miRNAとして合成miRNA−15a、合成miRNA−146、或いは、合成miRNA−34aが好ましい。miRNAは安定化剤に保護され、分解されずに滑膜組織に広範囲に渡って取り込まれる。投与したmiRNAが、関節炎を引き起こす遺伝子へタンパク翻訳されるmessengerRNA(mRNA)を直接分解、或いはmRNAのタンパク翻訳を阻害するので、滑膜細胞の細胞死が導かれることにより関節炎を治療できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リウマチ関節炎等、関節炎の治療に用いる関節炎治療剤に関する。
【背景技術】
【0002】
関節炎は関節の炎症性疾患であり、主な疾患として、リウマチ関節炎や関節に炎症が認められるその類縁疾患があげられる。リウマチ関節炎は関節リウマチともいわれ、関節内包層の滑膜における炎症性変化を主要病変とする慢性多発性関節炎である。リウマチ関節炎などの関節炎は進行性であり、関節の変形、強直などの関節障害をきたし、効果的な治療が施されずに進行すれば、重症の身体障害にいたることも多い。
【0003】
リウマチ関節炎等の関節炎治療では、手術療法或いは薬物療法がなされている。薬物療法では、生物学的製剤が浸透してきている。生物学的製剤とは化学的に合成したものではなく、生体が作る物質を薬剤として使用する製剤である。
【0004】
その他、関節炎治療薬について、特許文献1〜3に開示されている。特許文献1では、チアジアゾリン誘導体を有効成分として含有する関節炎の治療及び/又は予防剤について開示されている。特許文献2では、主たる構成成分としてアンチトロンビンを含有する関節リウマチおよび若年性関節リウマチの治療用薬剤について開示されている。特許文献3では、キノリンまたはキナゾリン系関節炎予防・治療剤と速効性消炎鎮痛剤を組み合わせてなる医薬について開示されている。
【0005】
【特許文献1】特開2008−137893号公報
【特許文献2】特開2004−231617号公報
【特許文献3】特開平9−169646号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述の生物学的製剤は非常に高価という問題がある。
【0007】
また、上述の生物学的製剤や関節炎治療剤を投与すると、いくつかの副作用が生じるおそれがある。例えば、副作用として結核や肺炎等の感染症、アレルギーを発症してしまう。
【0008】
本発明は上記実状に鑑みてなされたものであり、リウマチ関節炎等の関節炎に有効に作用し、副作用のおそれが小さい安価な関節炎治療剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明に係る関節炎治療剤は、microRNAと安定化剤とを含有することを特徴とする。
【0010】
また、前記microRNAが合成microRNA−15a、合成microRNA−146、或いは合成microRNA−34aであることが好ましい。
【0011】
更に、前記安定化剤がアテロコラーゲンであることが好ましい。
【0012】
更に、リウマチ関節炎治療剤であってもよい。
【0013】
更に、関節注射用製剤であってもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、リウマチ関節炎等の関節炎を効果的に治療でき、副作用のおそれの少ない関節炎治療剤を安価に提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本実施形態に係る関節炎治療剤は、microRNA(以下、miRNA)と安定化剤とを含有する。
【0016】
miRNAは、22〜23塩基対からなる機能性non−coding RNAである。miRNAは、遺伝子発現の転写後抑制をする機能を有する。具体的には、miRNAが複数のタンパク質と複合体を形成し、標的となるmessengerRNA(以下、mRNA)に結合してmRNAのタンパク翻訳を抑制している。このようにして、miRNAの機能により人間の全遺伝子の凡そ1/3が制御されているものと考えられている。
【0017】
本発明者らは、リウマチ関節炎の滑膜細胞において、あるmiRNAの発現量が大きく変化していることを見いだした。体内で自己治癒すべく、miRNAが関節リウマチの滑膜細胞を減少させるために発現が増加したり、或いは、病態に関与している何らかの因子が、関節リウマチの滑膜細胞の細胞死を阻害しないよう、miRNAの発現を抑えているものと考えられる。したがって、リウマチ関節炎等の病態によって発現量が変化するmiRNAを、人為的に制御することで、リウマチ関節炎等の新たな治療となる。
【0018】
miRNAを滑膜組織に人為的に投与することで、リウマチ関節炎の滑膜細胞等、関節炎の原因となる滑膜細胞の増殖或いは細胞死の阻害に関与する遺伝子の発現を制御できる。miRNAが関節炎を司る遺伝子へタンパク翻訳されるmRNAを分解、或いは当該遺伝子へのタンパク翻訳を阻害することにより、関節炎を効果的に治療することができる。
【0019】
また、miRNAは前述のように体内にて自然に発現するものゆえ、体内に人為的に投与したとしても副作用のおそれは少ない。
【0020】
図1から図3は、リウマチ関節炎マウス(RA)の滑膜組織、及び通常のマウス(Normal)の滑膜組織における各種miRNAの発現量を相対的に示したものである。それぞれreal time PCRを用いて評価した結果である。
【0021】
リウマチ関節炎の滑膜組織において、図1に示すように、miRNA−15aの発現量が減少している。これは、リウマチ関節炎に関与している何らかの因子が滑膜細胞の細胞死を阻害しないよう、miRNAの発現を抑えていること、或いはmiRNA−15aがリウマチ関節炎に関与している何らかの因子の排除に用いられ、相対的に減少したものと考えられる。
【0022】
また、図2に示すように、リウマチ関節炎マウスでは滑膜組織におけるmiRNA−146の発現量が増加している。同様に、図3に示すように、リウマチ関節炎マウスでは滑膜組織におけるmiRNA−34aの発現量が増加している。これは、miRNA−146、miRNA−34aが遺伝子へタンパク翻訳されるmRNAを分解或いは当該遺伝子へのタンパク翻訳を阻害するため、相対的に発現量が増加したものと考えられる。
【0023】
リウマチ関節炎の滑膜組織では、上述のように、miRNA−15a、miRNA−146、及び、miRNA−34aの発現量が大きく変化していることから、リウマチ関節炎の治療を行う観点からは、miRNAとして、miRNA−15a、miRNA−146、或いはmiRNA−34aを用いるとよい。これらのmiRNAは合成したものを用いればよい。合成は既知の手法によって行うことができ、安価に提供することが可能である。
【0024】
リウマチ関節炎の場合、関節の滑膜組織に抗アポトーシス作用を有する遺伝子であるBCL2(B Cell Leukemia/Lymphoma 2)が発現し、BCL2がリウマチ関節炎の滑膜細胞の細胞死を抑制している。アポトーシスとは、細胞死を導く性質をいう。したがって、リウマチ関節炎では、滑膜組織に発現するBCL2の抗アポトーシス作用により、滑膜細胞の細胞死が起こりにくいため、リウマチ関節炎の滑膜細胞が増殖してしまう。この結果、滑膜が肥厚化して炎症がおこる。
【0025】
miRNAによって、BCL2へタンパク翻訳されるmRNAが直接分解されること、或いは、mRNAのタンパク翻訳が阻害されることにより、BCL2の発現が抑えられる。BCL2の発現が抑えられれば、リウマチ関節炎の滑膜細胞の細胞死が阻害されず、壊死することになる。リウマチ関節炎の滑膜細胞が壊死によって減少し、関節滑膜の肥厚化が抑えられるので、効果的にリウマチ関節炎を治療できる。
【0026】
しかしながら、miRNAは非常に分解されやすい性質を有する。分解されやすい性質ゆえ、そのまま合成miRNAを関節の滑膜組織に投与しても、miRNAが分解されて一部の滑膜細胞にしか取り込まれない。従って、BCL2の発現を効果的に抑制できない。miRNAを分解されることなく、広範囲に渡って滑膜細胞に取り込ませるために、miRNAに安定化剤を混入させる。
【0027】
miRNAに安定化剤を混入すると、図4の模式図に示すように、安定化剤12がmiRNA11を被覆した形態になる。miRNA11が安定化剤12に保護されるので、分解しにくい形態となる。
【0028】
混入した安定化剤によって、滑膜組織に投与されたmiRNAが分解されずに、広範囲に渡って滑膜細胞に取り込まれる。そして、滑膜細胞に取り込まれたmiRNAが上述した機能を発揮し、滑膜組織におけるBCL2の発現が効果的に抑えられる。
【0029】
安定化剤として、アテロコラーゲン(Atelo Collagen)が好ましい。アテロコラーゲンは、不溶性コラーゲンをプロテアーゼ(タンパク分解酵素)処理して、コラーゲン分子の両末端にある抗原性のあるテロペプチドを除いて精製される。テロペプチドはコラーゲン分子本体とは異質なもので、アミノ酸組成も本体とは異なりアレルギー反応の原因にもなりやすい。したがって、テロペプチドを切断除外したアテロコラーゲンはアレルギー反応を起こしにくいコラーゲンであり、生体親和性に優れる。この様な理由から、滑膜組織に投与しても副作用が生じるおそれが小さい。
【0030】
本実施形態に係る関節炎治療剤は、上述したように、安定化剤にmiRNAを混入することで得られる。そして、この関節炎治療剤は、生理学的に許容されうる担体、賦形剤、結合剤、希釈剤などが混合していてもよい。
【0031】
そして、関節注射用製剤として、関節注射により滑膜組織へ非経口投与することが好ましい。関節注射にて直接投与することで、リウマチ関節炎の滑膜細胞に効率よくmiRNAを行き渡らせることができる。
【0032】
注射用製剤、例えば、無菌注射用水性懸濁物あるいは油性懸濁物は、適当な分散化剤または湿化剤及び懸濁化剤を用いて当該分野で知られた方法で調整されうる。無菌注射用製剤は、例えば水溶液などの非毒性の非経口投与できる希釈剤、あるいは無菌の注射可能な溶液または懸濁液であってよい。
【実施例】
【0033】
リウマチ関節炎マウスを用い、関節炎治療剤に含有するmiRNA−15aが滑膜細胞に取り込まれ、BCL2の発現の抑制、及びリウマチ関節炎の滑膜細胞のアポトーシスを導くことを検証した。
【0034】
DBA1/Jマウス雄7週齢を用いて、抗(II)型コラーゲン抗体誘導による関節炎マウスを準備した。
【0035】
合成miRNA−15aを準備し、10μlの純水に10μgの合成miRNA−15aを溶解し、10μlのアテロコラーゲンに混入して関節炎治療剤を用意した。この関節炎治療剤には、蛍光標識として蛍光蛋白を結合させた抗体を混入した。この抗体はmiRNA−15aに特異的に結合する抗体である。以下、これを試薬1と記す。
【0036】
また、10μlの純水に10μgの合成scramble short interfering RNA(合成siRNA)を溶解し、10μlのアテロコラーゲンに混入し、更に、試薬1と同様、蛍光標識として蛍光蛋白を結合させた抗体を混入した。以下、これを試薬2と記す。合成siRNAは、mRNAのタンパク翻訳を阻害する機能を有しないRNAである。
【0037】
試薬1及び試薬2それぞれ20mlをリウマチ関節炎マウスの右膝関節の滑膜組織に関節注射した。なお、それぞれの試薬について、5体のマウスの右膝関節に注射した。
【0038】
それぞれの試薬の投与から24時間後、投与した合成miRNA−15aが滑膜組織に取り込まれているか否かをreal time PCRにより評価した。
【0039】
図5は、試薬1及び試薬2を投与した滑膜組織におけるmiRNA−15aの相対量を示している。試薬1を投与した場合のmiRNA−15aの発現量は、試薬2を投与した場合の発現量に比べ凡そ3.5倍となっている。アテロコラーゲンの作用により、投与したmiRNA−15aは24時間後にも分解されず、滑膜組織に取り込まれたことがわかる。
【0040】
続いて、滑膜組織におけるmiRNA−15aの分布状況を顕微鏡により観察した。図6が試薬1を投与したマウスの右膝関節の滑膜組織の写真であり、図6(A)が光学顕微鏡写真、図6(B)が図6(A)と同部位におけるmiRNA−15aの分布状況を示す蛍光顕微鏡写真である。また、図7は試薬2を投与したマウスの右膝関節の滑膜組織の写真であり、図7(A)が光学顕微鏡写真、図7(B)が図7(A)と同部位におけるmiRNA−15aの分布状況を示す蛍光顕微鏡写真である。図6(B)及び図7(B)では、前述の蛍光蛋白で染色された箇所が表れている。
【0041】
試薬1を投与した場合では、図6(B)を見ると、滑膜組織が染色されていることがわかる。合成miRNA−15aが広範囲に渡って滑膜組織に取り込まれていることがわかる。
【0042】
一方、試薬2を投与した場合には、図7(B)に示すように、骨以外はあまり染色されていないことから、miRNA−15aは滑膜組織にほとんど存在しないことがわかる。
【0043】
続いて、滑膜細胞にmiRNA−15aが取り込まれているかを、細胞核の免疫染色により検証した。
【0044】
図8(A)は図6(B)の破線で囲った箇所の拡大写真である。また、図8(B)は図8(A)と同部位の細胞核を免疫染色した蛍光顕微鏡写真である。そして、図8(C)は滑膜細胞と細胞核双方の染色状況を示した写真である。なお、図8(C)は、理解の容易のため、図8(B)の色調を反転させ、図8(A)と合成したものである。
【0045】
図8(C)を見ると、miRNA−15aが取り込まれた細胞とその細胞核は一致していることがわかる。従って、miRNA−15aは広範囲に渡って滑膜組織に取り込まれ、且つ、それぞれの滑膜細胞に取り込まれていることを確認した。
【0046】
続いて、miRNA−15aによってBCL2の発現が減少することを、western blotting、及び滑膜組織中のBCL2の免疫染色により検証した。
【0047】
western blotting検出は、前述の試薬1を投与した滑膜組織及び試薬2を投与した滑膜組織を磨りつぶしたものを用意して行った。
【0048】
図9(A)に、western blotting検出によるBCL2の発現量を示す。なお、western blotting検出において、52kDaのバンドにBCL2が検出される。また、図9(B)は、43kDaのバンドにて検出されるActinの結果であり、BCL2の検出結果の妥当性を示す指標となる。図9(B)で試薬1及び試薬2を投与した滑膜組織では、Actinの検出結果に差がないため、図9(A)に示すBCL2の検出結果は妥当性を有している。
【0049】
図9(A)中に、黒く現れている箇所がBCL2の発現を示している。試薬1を投与した滑膜組織では、試薬2を投与した滑膜組織に比べ、黒く現れている部分が少ない。したがって、試薬1を投与することにより、BCL2の発現が減少することを確認した。
【0050】
図10は、試薬1を投与した滑膜組織を用い、BCL2の免疫染色を行った蛍光顕微鏡写真である。また、図11は、試薬2を投与した滑膜組織を用いてBCL2の免疫染色を行った蛍光顕微鏡写真である。図10及び図11いずれもBCL2が染色されて表れている。
【0051】
試薬1を投与した場合では、試薬2を投与した場合に比べて、染色部分が小さいことから、投与したmiRNA−15aの作用によりBCL2の発現が減少していることがわかる。
【0052】
以上のwestern blotting検出及びBCL2の免疫染色の結果から、投与された合成miRNA−15aはアテロコラーゲンの作用により、滑膜組織の細胞に取り込まれ、BCL2の発現が抑えられることを確認した。
【0053】
更に、関節注射3日後におけるマウスの右膝関節に、アポトーシスの指標であるカスパーゼ3の免疫染色を行い、リウマチ関節炎の滑膜細胞のアポトーシスが誘導されるか否かを検証した。なお、カスパーゼは、細胞にアポトーシスを起因させるシグナル伝達経路を構成する、一群のシステインプロテアーゼであり、カスパーゼ3はアポトーシスの実行そのものに関わるエフェクター・カスパーゼの一種である。
【0054】
試薬1及び試薬2を投与して3日経過した後のマウスの右膝関節に、カスパーゼ3と特異的に結合する抗体を反応させた。この抗体には蛍光標識として蛍光蛋白を結合させている。
【0055】
図12(A)は試薬1を投与した滑膜組織のカスパーゼ3の免疫染色を示す蛍光顕微鏡写真、図12(B)は図12(A)と同部位の細胞核の免疫染色を示す蛍光顕微鏡写真である。一方、図13(A)は試薬2を投与した滑膜組織のカスパーゼ3の免疫染色を示す蛍光顕微鏡写真、図13(B)は図13(A)と同部位の細胞核の免疫染色を示す蛍光顕微鏡写真である。
【0056】
図12(A)を見ると、図13(A)の結果に比べ、カスパーゼ3が多く発現していることがわかる。また、図12(B)を見ると、図13(B)と比較して細胞核が少ないことがわかる。カスパーゼ3の免疫染色の結果から、試薬1を投与することで、BCL2の発現が抑制され、細胞のアポトーシスを起因するカスパーゼ3が発現し、リウマチ関節炎の滑膜細胞のアポトーシスが導かれ、滑膜細胞に細胞死を起こさせ得ることを確認した。
【0057】
続いて、関節注射した合成miRNA−15aによる他の臓器への影響を、各臓器におけるmiRNA−15aの発現量にて検証した。miRNA−15aの発現は、real time PCRを用いて評価した。
【0058】
図14に、他の臓器におけるmiRNA−15aの発現量を示す。試薬1を投与した場合、膝関節におけるmiRNA−15aの発現量は試薬2を投与した場合に比べて大きく増加しているが、他の肝臓、肺、脾臓、腎臓、及び心臓におけるmiRNA−15aの発現量は、試薬2を投与した場合と比べてさほど差がないことがわかる。したがって、本実施形態に係る関節炎治療剤を投与しても、体内のmiRNA−15aの量的バランスが崩れることに起因して副作用が生じるおそれは少ない。
【0059】
以上の結果から、滑膜組織に投与された合成miRNA−15aは滑膜細胞内に取り込まれており、BCL2の発現が少なくなっていることから、BCL2の発現が抑制されること、或いはBCL2にタンパク翻訳されるmRNAが分解されることが検証できた。そして、BCL2の発現が抑えられることで、細胞死を導くカスパーゼの発現が促進されることから、リウマチ関節炎の滑膜細胞は減少していくものと考えられる。従って、リウマチ関節炎に対する治療効果を有する。
【産業上の利用可能性】
【0060】
医療現場において、リウマチ関節炎等、種々の関節炎の薬物療法に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】リウマチ関節炎の滑膜組織におけるmiRNA−15aの発現量を示す図である。
【図2】リウマチ関節炎の滑膜組織におけるmiRNA−146の発現量を示す図である。
【図3】リウマチ関節炎の滑膜組織におけるmiRNA−34aの発現量を示す図である。
【図4】安定化剤に被覆されたmiRNAの模式図である。
【図5】実施例において、試薬1及び試薬2を投与した滑膜組織のmiRNA−15aの発現量を示す図である。
【図6】実施例において試薬1を投与した滑膜組織の顕微鏡写真(A)、蛍光顕微鏡写真(B)である。
【図7】実施例において試薬2を投与した滑膜組織の顕微鏡写真(A)、蛍光顕微鏡写真(B)である。
【図8】実施例において試薬1を投与した滑膜組織の蛍光顕微鏡写真(A)、細胞核を染色した蛍光顕微鏡写真(B)、及び図8(A)と図8(B)を合成した写真(C)である。
【図9】実施例におけるwestern blotting結果を示すBCL2の検出写真(A)及びActinの検出写真(B)である。
【図10】実施例において試薬1を投与した滑膜組織のBCL2の免疫染色を示す蛍光顕微鏡写真である。
【図11】実施例において試薬2を投与した滑膜組織のBCL2の免疫染色を示す蛍光顕微鏡写真である。
【図12】実施例において試薬1を投与した滑膜組織のカスパーゼ3の免疫染色を示す蛍光顕微鏡写真(A)、及び細胞核を染色した蛍光顕微鏡写真(B)である。
【図13】実施例において試薬2を投与した滑膜組織のカスパーゼ3の免疫染色を示す蛍光顕微鏡写真(A)、及び細胞核を染色した蛍光顕微鏡写真(B)である。
【図14】実施例において試薬1及び試薬2を投与したマウスの他の臓器におけるmiRNA−15aの発現量を示す図である。
【符号の説明】
【0062】
11 miRNA
12 安定化剤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
microRNAと安定化剤とを含有することを特徴とする関節炎治療剤。
【請求項2】
前記microRNAが合成microRNA−15a、合成microRNA−146、或いは合成microRNA−34aであることを特徴とする請求項1に記載の関節炎治療剤。
【請求項3】
前記安定化剤がアテロコラーゲンであることを特徴とする請求項1に記載の関節炎治療剤。
【請求項4】
リウマチ関節炎治療剤であることを特徴とする請求項2に記載の関節炎治療剤。
【請求項5】
関節注射用製剤であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の関節炎治療剤。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図14】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−100581(P2010−100581A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−274703(P2008−274703)
【出願日】平成20年10月24日(2008.10.24)
【出願人】(504136568)国立大学法人広島大学 (924)
【Fターム(参考)】