説明

閾値イベントを介したアプリケーション管理のためのシステム及び方法

【課題】無線ネットワークにおいて、遠隔コンピューター装置および移動コンピューター装置上の遠隔アプリケーション管理を可能にするシステムおよび方法を提供する。
【解決手段】無線通信ネットワーク100上の、携帯電話のような、遠隔通信装置1−6上のアプリケーションを管理するためのシステム、方法、およびプログラム。無線ネットワーク100上のサーバー112は、アプリケーション閾値イベントデータを記憶し、サービス側アプリケーションへのアクセスを制限したり、アプリケーションを更新したり、または他のアプリケーションユーザーに対する閾値イベントの発生を記録したりするような通信装置常駐アプリケーションを、装置相互作用を介して管理する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、一般にコンピューターネットワークと無線通信に関する。特に、この発明は、アプリケーションの実行中に閾値イベントを生じる無線通信ネットワークにおけるリモートアプリケーションを管理することに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話およびパーソナルデジタルアシスタントのような移動通信装置は、簡単な音声またはデータ通信サービスよりもより多くのサービスを供給することができるコンピュータープラットフォームを有する。現存の携帯電話は、ページングメッセージまたは電子メールのような「ショートメッセージ」を受信することができる。携帯電話はまた、ウエブブラウザとして動作することもでき、ユーザーがインターネットにアクセスしていろいろな情報を見ることを可能にする。現在の移動装置のプロセッサーは、一般に任意の常駐アプリケーションを管理し、装置プロセッサーは、単にアプリケーションを実行し、無線ネットワーク上のサーバーまたは他のコンピューター装置と相互作用しない。
【0003】
既存の無線ネットワークにおいて、単方向通信は一般的である。一例は、ページまたはeメールのように、サーバーから移動装置にダウンロードされたショートメッセージである。これらの単方向通信は一般にセルラーネットワークの限定された量の高価な帯域を使用する。従って、双方向通信は、ネットワーク上のメンバー間の音声呼のために用意されている。
【0004】
有線に基づくLANまたはインターネット上のパーソナルコンピューター装置間で複数のユーザー環境および実質的にリアルタイムな相互作用を有することも知られている。そのような相互作用は、一般的に、インターネットまたはLAN上のサーバーを介して、または選択的に通信して生じる。そして、アプリケーション管理、市場データの収集、およびソフトウエアパッチおよび更新の普及のように、サーバーは、何がしかの目的でホストが所望する複数のユーザー相互作用のレコードを記憶することができる。しかしながら、そのようなアプリケーションの相互作用と管理は、帯域幅の制約と複数ユーザーの対話環境の欠如により無線装置においては、不必要であり実用的でなかった。
【0005】
従って、無線ネットワークにおいて、遠隔コンピューター装置および移動コンピューター装置上の遠隔アプリケーション管理を可能にするシステムおよび方法を提供することは利点があるであろう。従って、それは、この発明が主に向けられているそのようなシステムおよび方法を提供することである。
【発明の概要】
【0006】
この発明は、異なる地理的位置に位置する複数のユーザー間で双方向型のゲームまたはアプリケーションを提供するシステム、方法、およびプログラムである。この場合、システムは、アプリケーションにおいて生じる閾値イベントに応じてアプリケーションを管理する。そのような閾値イベントは、共有アプリケーションにおける個々のユーザーまたは集合的なグループのユーザーに対して生じることができる。
【0007】
システムは、無線通信ネットワークに接続されたサーバーを含み、任意で、サーバーによりアクセス可能なデータベースを含む。サーバーは、無線通信ネットワークを介して、携帯電話または他の携帯端末のような複数の無線通信装置と通信する。一人以上のユーザーは、サーバーに接続し、アプリケーションを選択することによりアプリケーションを開始することができる。サーバーは携帯端末に関連する識別情報を介してユーザーを識別し、一人以上のユーザーのための適切なレベルまたはアクセスまたはアプリケーションを検索する。また、サーバーは、そのユーザーに対してチームメートとして識別される他のユーザーに招待状を送信することができ、または、所望であれば、マルチユーザー環境のための他のユーザーを獲得することができる。アプリケーションが対戦相手を含むなら、サーバーは対戦相手のリストを送信することができ、ユーザーに対戦相手を選択させることができる。ユーザーが対戦相手を選択した後、サーバーは対戦相手に招待状を送信することができ、二人のメンバー間でアプリケーションをセットアップする。
【0008】
一実施形態において、サーバーは、獲得した得点またはアプリケーションの使用の継続期間のようなユーザーの以前のアプリケーションデータによってユーザーに利用可能なアプリケーションを選択する。従って、サーバーは、アプリケーションデータを比較し、閾値イベントがユーザーまたはユーザーのグループによって届けられたかどうか判断し、閾値イベントが届けられたなら、サーバーは、ユーザーに存在するアプリケーションを変更することができ、ユーザーに異なるレベルのアクセスを供給することができ、さもなければ、届けられたイベントを記録することができる。サーバーまたは他のデータベースは、特に遠隔的に使用されるアプリケーションに対してそのユーザーまたはグループのためのアプリケーションイベントデータを追跡して記憶し、従って、閾値データがユーザーにより改ざんされる可能性を消去する。
【0009】
他の実施形態において、サーバーは、各移動通信装置上のスクリーンに送信された表示情報を用いて選択されたアプリケーションを実行し、各ユーザーは自分の移動通信装置からデータを入力し、入力は、無線通信ネットワークを介して移動装置からサーバーに送信される。サーバーは入力を受け取りアプリケーションに組み込む。アプリケーションからの出力は、サーバーにより、表示のために各携帯端末にブロードキャストされる。サーバーは、マルチユーザー相互作用のイベントを追跡する。
【0010】
代わりの実施形態において、選択されたアプリケーションは各移動装置にダウンロードすることができ、そこで実行される。この実施形態において、ユーザーは入力を取り込み、移動装置は、入力を局所的に実行し、またアプリケーションデータをネットワーク上のサーバーに送信する。そのように、サーバー側ユーザーは、単一の移動装置に生じる閾値イベントを決定することができる。
【0011】
それゆえ、システム、方法、およびプログラムは、遠隔移動装置上でアプリケーションを管理する際に、およびサーバー側のアプリケーションへのアクセスを制御する際に利点を提供し、閾値イベントのサーバー側の判断を介してユーザーに利益を供給する。この発明は一人のユーザーまたは装置上のアプリケーションが共通のユーザーチームとともに使用することができ、従ってマルチユーザーアプリケーションに拡張可能である。そして、移動装置のためのアプリケーションデータは少なくともサーバー側に保持されているので、データは、ユーザーの改ざんに対して安全である。
【0012】
この発明の他の目的、利点、および特徴は、以下に記載する図面の簡単な説明、発明の詳細な記載、およびクレームを精査した後に明白になるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
この記述において、用語「ゲーム」と「アプリケーション」は互換性を有して使用される。「得点」と「閾値イベント」は互換性を有して使用される。いくつかの図面の全体にわたって類似の符号は類似のエレメントを参照する。第三世代(3G)無線通信のための技術が成熟するにつれ、より多くのサービスプロバイダーが無線ネットワークのデータ転送速度と通信能力を更新し始めている。3G技術を用いて、送信速度は、固定環境では、2.4百万ビット/秒(mbps)または移動環境においては500キロビット/秒(kbps)まで増大することができる。この送信速度の増加は、移動通信、並びに無線ネットワークを介して他の移動コンピュータ装置および固定コンピュータ装置との間でデータを通信することができる他の移動通信に対してより多くの帯域幅を提供する。
【0014】
携帯電話およびパーソナルデジタルアシスタンスのような移動通信装置は、簡単な音声サービスまたはデータ通信サービスよりもより多くのサービスを提供することができるコンピュータープラットフォームを有する。3G携帯電話は、ウエブブラウザとして動作することができ、インターネットにアクセスしていろいろな情報を見ることを可能にし、またはサーバーに接続し、ソフトウエアアプリケーションをダウンロードすることを可能にする。3G携帯電話ネットワークにおいて可能であるより高いデータ転送速度を用いて、複数のユーザーと対話側コンピューターセッションを可能にする非常に高速の単方向また
は双方向通信が可能である。そのような対話型セッションは、アプリケーションの実行中に移動装置がデータのダウンロードおよびアップロードに従事することを要求するゲームまたは他のコンピュータアプリケーションを含むことができる。
【0015】
この無線通信ネットワークにおける帯域幅の増加は、グラフィックディスプレイを有した対話型アプリケーションが、ユーザー間で通常の遠隔通信サービスを提供することに加えて、複数のこれらのユーザー間で試合をすることを可能にする。図1に示す無線通信ネットワーク100は、複数の通信塔102を含む。各通信塔102は、基地局104、および通信装置106を有するサービングユーザーに接続される。通信装置106は、携帯電話、ポケットベル、PDAs、ラップトップコンピューター、または、無線およびセルラー遠隔通信ネットワークを使用する、携帯型、固定のまたはポータブル通信装置であり得る。各ユーザーにより入力されるコマンドおよびデータはデジタルデータとして通信塔102に送信される。通信装置106を用いるユーザーと通信塔103との間の通信は、符号分割多元接続、時分割多元接続、周波数分割多元接続、移動通信のためのグローバルシステム(GSM)、または無線通信ネットワークまたはデータ通信ネットワークにおいて、使用してもよい他のプロトコルのような異なる技術に基づくことができる。
【0016】
各ユーザーからのデータは、通信塔102から、基地局(BS)104に送信されるとともに、公衆交換電話網(PSTN)110に接続されてもよい移動体通信向け交換機(MSC)108に送られる。MSC108は、MSC108またはPSTN110に直接接続してもよいサーバー112にデータを送信する。
【0017】
サーバー112は、データを解析してそれに従う応答を供給する特別なコンピュータープログラムであってよいアプリケーションを実行する。この応答は、グラフィカルディスプレイ、コマンド、またはデータであり得る。この応答は無線通信ネットワーク100を介して一人以上のユーザーにブロードキャストされる。
【0018】
サーバー112により実行されるアプリケーションは、図2のブロック図に示されるアーキテクチャー200を有していてもよく、アプリケーションは、サーバー、ブロック202上で作動する。アプリケーションは、アプリケーションデータが記憶されるデータベース、ブロック204にアクセスしてもよい。アプリケーションは、ダウンロードリンク208またはアップロードリンク210を介して、移動通信装置206上で作動するアプレットと通信する。アプレットは、アプリケーションからコマンドまたはデータを受信し、通信装置上のディスプレイ212を変更する。アプレットは、また入力装置214を介してユーザーから入力を受信し、入力をサーバー上のアプリケーションにアップロードする。アプレットは、通信装置上で独立して作動する簡単なソフトウエアアプリケーションであり得る。
【0019】
アーキテクチャー300の代わりの実施形態が図3のブロック図に示される。この実施形態において、アプリケーションのコピーが各通信装置、ブロック302にダウンロードされ、より簡単なアプレットがサーバー、ブロック304上で作動する。この実施形態において、サーバー上のアプレットは、各通信装置から入力を受信し、それらの入力を、同じアプリケーションを作動するすべての通信装置106にブロードキャストするという簡単なタスクを実行する。入力は各通信装置により受信され、通信装置106上のアプリケーションにより実行される。ほとんどの場合、各アプリケーションは、通信装置106上のグラフィカルディスプレイを変更する。
【0020】
サーバー、ブロック304上のアプレットは、また得点または閾値イベントを追跡し、データベース、ブロック204上のアプリケーションデータをアクセスすることを担う。通信装置1におけるユーザーが通信装置2における他のユーザーに対して得点すると、得点またはイベントが通信装置1からサーバーに送信される。サーバーにおけるアプレットは、得点またはイベントを受信し、それを通信装置2にブロードキャストする。アプリケーションの終了時に、アプレットは、得点またはイベント情報をサーバー側のデータベース204に記憶する。得点情報をデータベース204に記憶することにより、システムは、可能性のある、ユーザーによる得点の改ざんを防止する。得点、またはアプリケーション使用の期間またはアプリケーションの使用の基準のような閾値データをデータベースに記憶することができる。それにより、進歩したアプリケーション可用性、競争エントリー、アプリケーション更新、または、閾値イベントの発生時にユーザー(複数の場合もある)に供給される他の利点のような特別なサービスをアプリケーションのユーザー(複数の場合もある)に供給することができる。
【0021】
図4は、閾値イベントにおいて生じるゲームアプリケーション可用性における変更を含むゲームをプレイするための通信装置プロセス400のための例示フローチャートを図解する。ユーザーは通信装置106をアクティブにし、サーバー112にアクセスすることにより、通信装置プロセス400を開始する。ユーザーは、サーバー112により割り当てられた、あらかじめ定義されたアクセス番号をダイアルすることによりサーバー112に接続してもよい。また、通信装置106とサーバー112との間の接続は、あらかじめ決められたデータ通信チャネルを介してもよく、およびあらかじめ決められた通信プロトコルに従ってもよい。通信装置106がサーバー112に接続された後に、通信装置106は識別情報をサーバー112、ブロック402に送信する。識別は、一例として、ユーザーのイニシャルまたは個人識別番号(PIN)、または携帯端末に割り当てられた移動識別番号(MIN)、または、携帯端末の電子シリアル番号(ESN)または機器識別番号(EID)、またはそれらの組み合わせのようなユーザーの識別情報であってよい。
【0022】
識別情報を送信した後、通信装置106はユーザーに合わせたメニューを受信し(ブロック404)、それを通信装置106上の表示スクリーン上に表示する。通信装置により受信したメニューは、ユーザーに応じて変更することができる。メニューはユーザーにより入手可能なアプリケーションのリストであってよく、レベルのリストを含むことができる。より進歩したレベルへのユーザーのアクセスは、より低いレベルでのユーザーの過去の動作に依存し、より低いレベルでのユーザーの得点は、望ましくはデータベース204に記憶される。賞品または競争を含まないアプリケーションの場合、ユーザーの得点は局所的に通信装置106に記憶してもよい。ユーザーはメニューからアプリケーションを選択することができ(ブロック406)、選択したアプリケーションに対して複数のレベルがあるなら、ユーザーはアプリケーションレベルも選択することができる。しかしながら、複数レベルのアプリケーションにおいて、サーバー112は自動的にアプリケーションレベルを決定してもよい。サーバー112はそのようなアプリケーションに関連するユーザーの得点を検索し、その得点を得点表と比較することによりアプリケーションレベルを決定する。比較の結果は、ユーザーがプレイしなければならないレベルを決定する。従って、ユーザーがプレイの期間の閾値イベントを獲得するなら、進歩したゲームアプリケーションをユーザーの通信装置106に供給することができる。
【0023】
ユーザーがアプリケーションを選択した後、選択情報はサーバー112に送られ(ブロック408)、サーバー112は、アプリケーションを実行のために通信装置106に送り出す。通信装置106はアプリケーションを受信し(ブロック410)、アプリケーションを実行する(ブロック412)。通信装置におけるアプリケーションの実行は図6において、さらに説明される。サーバーはまた上述したようにアプリケーションに関連するアプレットを送り出すことができる。
【0024】
図5は通信装置106上で実行するゲームアプリケーションを管理するためのサーバープロセス500の例示フローチャートである。サーバー112は、通信装置106から識別情報を受信し、それをユーザーテーブルまたは加入者テーブルに対してチェックする。ユーザーが加入者またはそうでなければ認定ユーザーであるなら、サーバーはメニューを通信装置に送り出す(ブロック504)。ユーザーがビジターであるなら、サーバーは、ユーザーをシステムにアクセス可能にする前にユーザーのホームサーバーからユーザーの情報を検索する必要がある。
【0025】
ユーザーが選択を行った後、サーバーは、選択を受信し(ブロック506)、データベースからユーザーの得点を検索する(ブロック508)。得点は、各アプリケーションに関連し、データベースに記憶される。サーバーは、ユーザーの得点を得点テーブルと比較し、ユーザーがアプリケーションをプレイする資格があるか、またはあるレベルでアプリケーションをプレイする資格があるかどうかを判断する(ブロック510)。次に、サーバーは得点に基づいてアプリケーションを選択し(ブロック512)、アプリケーションを通信装置106に送り出す(ブロック514)。
【0026】
選択されたアプリケーションがチームアプリケーションなら、すなわち2以上のユーザーと通信装置106を含むなら、サーバーは、他のチームメートについての情報に対してユーザーに問い合わせをすることができ、チームメートを招待する(ブロック518)。この招待は、メンバーが用意されているときにチームゲームをプレイしたいことを示したメッセージを見つけ他の通信装置106に送信することから生じることができる。チームメート情報はまたデータベースに記憶してもよく、サーバーは、チームメートを招待する前にデータベースからチームメート情報を検索することができる。
【0027】
選択されたアプリケーションが試合アプリケーション、すなわち対戦相手を含むなら、サーバーはデータベースから対戦相手リストを検索し、対戦相手リストを通信装置に送信してもよい(ブロック522)。対戦相手リストは、以前にこのアプリケーションをプレイしたすべてのユーザーによってあらかじめ定義することもできるし、またはユーザーによりあらかじめ定義することができる。ユーザーが、個人または数人チームであってもよい対戦相手を選択した後、サーバーは対戦相手選択を受信し、対戦相手を招待する(ブロック526)。
【0028】
チームメートおよび/または対戦相手が招待を受け付けたとき、サーバーは各々にアプリケーションをブロードキャストし(ブロック528)、サーバーはアプリケーションまたはそのアプレットを実行する(ブロック530)。アプリケーションの終了時に、サーバーは、得点とアプリケーション情報をデータベースに記憶する(ブロック532)。
【0029】
図6は、図4のブロック412の詳細である。通信装置106がアプリケーションを実行している間、通信装置106はユーザーから入力があるかどうかチェックする(ブロック602)。ユーザーから入力があるなら、通信装置106はそれを実行し(ブロック604)、入力をサーバーに送信する(ブロック606)。しかしながら、通信装置106がアプリケーションのアプレットのみを実行しているなら、通信装置106は入力をサーバーに送るだけで、局所的に実行しなくてもよい。各ユーザーからの入力は、ユーザーの識別情報を含むデータパケットの一部としてサーバーに送信することができる。
【0030】
通信装置106はまたサーバーからのコマンドをチェックする(ブロック608)。コマンドがサーバーから受信されると、通信装置106はコマンドを実行する(ブロック610)。コマンドの実行は、スクリーンディスプレイを更新すること、音響効果を生成すること、または、通信装置106が備わっている他の効果を含んでいてもよい。通信装置106は、アプリケーションを終了するためのユーザーからの入力が受信されるまで、または終了コマンドがサーバーから受信されるまで図6に示ステップを繰り返し実行する。
【0031】
図7は、図5のブロック530の詳細である。サーバーがアプリケーションを実行している間、サーバーはユーザーからの入力をチェックする、ブロック532。入力がユーザーから受信されると、サーバーは入力を実行し(ブロック534)、結果として生じるコマンドを、同じアプリケーションに接続されたすべての通信装置106にブロードキャストする(ブロック536)。これらのコマンドは、サーバーと同期をとるために通信装置106により使用される。サーバーがアプリケーションのアプレットを実行しているなら、サーバーは、入力を使用してその状態を更新し、入力をすべての通信装置106にブロ
ードキャストする。この場合、入力は、各通信装置上で個々に実行される。
【0032】
サーバーがコマンドを通信装置にブロードキャストした後、サーバー112は、得点をその内部レジスターに記憶する、ブロック538。アプリケーションが終了すると、得点がデータベースに記憶される。サーバー112は、アプリケーション終了イベントが受信されるまで図7に示すステップを繰り返し実行する。アプリケーション終了イベントは、ユーザーからの入力または技術的に知られているであろう他の基準であってよい。
【0033】
通信装置106間で動作を調整することおよび得点または他の閾値を追跡することに加えて、サーバー112はまた、請求書作成を担ってもよい。ユーザーはアクセス時間に対してまたはアプリケーション単位で請求されてもよい。
【0034】
図8は、データベース204に記憶することができるユーザーアプリケーションデータ800を図解する。ユーザージョーについての情報は、彼が加入するアプリケーション、802、彼が加入するアプリケーションごとの得点、アプリケーションごとに彼が加入するチーム、806、および彼が加入するアプリケーションごとに対戦相手、808を含んでいてもよい。アプリケーションが試合アプリケーションでないなら、対戦相手フィールドはそのアプリケーションに対して空白のままである。アプリケーションがチームアプリケーションでないなら、チームフィールドはそのアプリケーションに対して空白のままである。
【0035】
従って、システムは、複数のユーザー試合アプリケーションを実行することができる。この場合、複数のチームは、互いに競争する。例えば、ユーザーは他のチームに対してバスケットボールゲームを選択するように選択してもよい。ユーザーがサーバー112に接続すると、自己の携帯端末のESNのような自己の識別情報がサーバー112に送信される。サーバー112はデータベースに対して自己の識別情報を有効にし、ユーザーがそのサービスへアクセスするための許可を有することを保証する。有効化の一部として、サーバーはまたユーザーにPINを入力するように要求してもよい。
【0036】
ユーザーがそのサービスへアクセスするための許可を有することを保証した後、サーバー112は、ユーザーが選択するためのゲームのメニューを提供する。ユーザーはバスケットボールゲームを選択し、その選択情報はサーバーに送信される。サーバー112は、ユーザーがあらかじめ決められたチームに属するかどうかチェックし、ユーザーがチームに属しているなら、サーバー112は、招待状をユーザーのチームメートに送信する。サーバー112はまた、ユーザーのチームにより取得した以前の得点をチェックし、対戦相手のリストを選択する。対戦相手のリストはユーザーに送信され、ユーザーは1つの対戦相手チームを選択することができる。対戦相手チームが選択された後で、サーバー112は招待状を対戦相手チームのメンバーに送信する。
【0037】
すべてのチームメートと対戦相手が整った状態で、次にサーバー112はゲームをすべての参加者にブロードキャストする。各通信装置106はゲームのコピーを受信し、それを局所的に実行する。スクリーンディスプレイは、サーバー112により中継されるゲームの出力から局所的に制御される。
【0038】
ゲームの間、各ユーザーからの入力は、局所的に実行され、また、サーバーにアップロードされる。一人にユーザーからの入力を受信した後に、サーバーはそれらの入力を同じゲーム内のすべてのプレーヤーにブロードキャストする。通信装置106が入力を受信すると、各装置は入力を実行し、それに従ってスクリーンを更新する。例えば、ユーザー1がジャンプショット(jump shot)を入力すると、そのユーザーの通信装置106は、ジャンプシュート(jump shoot)を実行し、すべての支持情報を有したジャンプショットをサーバー112にアップロードする。支持情報は、ユーザーの位置、ジャンプショットの角度、ジャンプショットの力等を含んでいてもよい。ジャンプショットはすべての支持情報とともにサーバー112により受信され、サーバーによりすべての通信装置106にブロードキャストされる。各装置はジャンプショットを実行し、ジャンプショットが良好であれば、すべての通信装置は、ユーザーのチームへの得点としてジャンプショットを示す。サーバー112はゲームの期間、通信装置106から情報を受信することにより得点を追跡する。ゲームの終了時に、サーバー112は得点をデータベースに記憶し、この得点は次回にユーザーがバスケットボールゲームを選択する際に利用可能であろう。
【0039】
この発明をいくつかの実施形態を用いて特に示し、記載したけれども、以下のクレームで記載するようにこの発明の精神と範囲を逸脱することなく、形態と細部における種々の変更を実施してもよいことは当業者により理解されるであろう。さらに、この発明のエレメントは単数で記載またはクレームしてもよいけれども、単数への限定が明白に述べられていない限り、複数を意図している。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】図1は、無線通信ネットワークのアーキテクチャである。
【図2】図2は、閾値イベントを介して管理されるアプリケーションの一実施形態のブロック図である。
【図3】図3は、閾値イベントを介して管理されるアプリケーションの他の実施形態のブロック図である。
【図4】図4は、ゲームアプリケーションを受信して実行するために移動装置上で実行するプロセスの一実施形態のためのフローチャートである。
【図5】図5は、図4の装置上で実行するゲームアプリケーションを管理するために無線ネットワークのサーバー上で実行するプロセスの他の実施形態のためのフローチャートである。
【図6】図6は、ゲームのようなアプリケーションを実行中にコマンドを実行する際に、移動装置上で実行するプロセスのためのフローチャートである。
【図7】図7は、図6の移動装置から送信されたコマンドをサーバーが受信し実行するためのフローチャートである。
【図8】図8は、サーバー側データベースに記憶されるアプリケーションデータの一例である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記を具備する、アプリケーションに生じる閾値イベントの監視を介して無線ネットワークの2以上の通信装置上に常駐する分散アプリケーションを管理するシステム:
無線通信ネットワークと通信するサーバー、前記サーバーは少なくとも1つのアプリケーションを含む;
前記無線通信ネットワークを介して前記サーバーと選択的に通信する少なくとも1つの通信装置、通信装置はユーザーを有し、前記ユーザーは選択的にアプリケーションを実行し、アプリケーション使用データを発生する;
前記サーバーは前記通信装置からアプリケーション使用データを取得し、前記アプリケーション使用データが発生されるユーザーを識別し、前記アプリケーション使用データに基づいて前記通信装置において閾値イベントが生じたかどうかを判断し、前記ユーザーに対して閾値イベントの発生を記録する。
【請求項2】
前記サーバーは、前記ユーザーに対して生じる特定の閾値イベントに基づいて特定のアプリケーションへのアクセスを制限する、請求項1のシステム。
【請求項3】
前記サーバーは、前記ユーザーに対して生じる特定の閾値イベントに基づいて前記通信装置常駐アプリケーションを更新する、請求項1のシステム。
【請求項4】
前記サーバーは、前記通信装置上で実行されるアプリケーションの少なくとも一部をブロードキャストする、請求項1のシステム。
【請求項5】
前記サーバーは、前記アプリケーション使用データがユーザーのグループのためのものかどうかさらに判断し、前記アプリケーション使用データの記録の前に前記グループのユーザーを決定する、請求項1のシステム。
【請求項6】
前記サーバーと通信するデータベースをさらに具備する、請求項1のシステム。
【請求項7】
前記サーバーは前記閾値イベントデータを前記データベースに記憶する、請求項6のシステム。
【請求項8】
前記閾値イベントデータは、前記少なくとも1つのアプリケーションに関連する得点である、請求項1のシステム。
【請求項9】
前記少なくとも1つのアプリケーションは、マルチユーザーゲームである、請求項1のシステム。
【請求項10】
前記閾値イベントは、所定の使用期間である、請求項1のシステム。
【請求項11】
前記識別情報は、通信装置に関連する電子シリアル番号である、請求項1のシステム。
【請求項12】
前記識別情報は通信装置に関連する移動体識別番号である、請求項1のシステム。
【請求項13】
前記ユーザーは個人識別番号に基づいて識別される、請求項1のシステム。
【請求項14】
前記通信装置は携帯電話である、請求項1のシステム。
【請求項15】
下記を具備する、アプリケーションにおいて生じる閾値イベントの監視を介して無線ネットワーク上の分散アプリケーションを管理するシステム:
前記無線ネットワークにデータを送受信するサーバー手段;
前記無線ネットワークにわたってデータを選択的に送受信する遠隔通信手段、前記遠隔通信手段は、アプリケーションを選択的に実行しアプリケーション使用データを発生するユーザーを有する;および
前記サーバー手段は、前記遠隔通信手段から前記アプリケーション使用データを取得し、前記アプリケーション使用データが発生されるユーザーを識別し、前記遠隔通信手段において閾値イベントが生じたかどうかを前記アプリケーション使用データに基づいて判断し、前記ユーザーに対する閾値イベントの発生を記録する。
【請求項16】
無線ネットワークにわたって他のコンピューター装置と選択的に通信する無線通信装置であって、前記無線通信装置は、アプリケーションの実行期間中に少なくとも1つの閾値イベントを含む、常駐する少なくとも1つのアプリケーションを有し、アプリケーション使用データを発生し、前記無線通信装置は、少なくとも1つのアプリケーションを選択的に実行するユーザーをさらに有し、前記無線通信装置は、前記アプリケーション使用データを、前記無線ネットワークにわたって別のコンピューター装置に送信する無線通信装置。
【請求項17】
前記無線ネットワークにわたって、前記アプリケーション使用データを別のコンピュータ装置に送信することに加えて、前記アプリケーション使用データをさらに記憶する、請求項16の無線通信装置。
【請求項18】
前記無線通信装置はアプリケーションを実行し、前記アプリケーションの少なくとも一部が、前記無線ネットワークにわたって別のコンピュータ装置上で実行される、請求項16の無線通信装置。
【請求項19】
前記無線通信装置は、前記無線ネットワークにわたって他のコンピューター装置と協力して実行されるマルチユーザーアプリケーションを実行する請求項16の無線通信装置。
【請求項20】
前記無線通信装置は、携帯電話である、請求項16の無線通信装置。
【請求項21】
下記を具備する、無線ネットワークにわたって少なくとも1つのサーバーと選択的に通信する、前記無線ネットワーク上の通信装置上に常駐する分散アプリケーションを管理する方法:
前記サーバーにおけるユーザーの識別情報を受信する、前記識別情報は、前記通信装置の前記ユーザーを識別する;
前記識別情報を用いてユーザー情報を検索する、前記ユーザー情報は、前記ユーザーのための閾値イベントデータを含む;および
前記閾値イベントデータに基づいて前記通信装置と情報のやりとりをする。
【請求項22】
前記通信装置からアプリケーション使用データを前記サーバーにおいて受信する;および
前記受信したアプリケーション使用データで前記ユーザー情報を更新する;
ことをさらに具備する、請求項21の方法。
【請求項23】
前記受信したアプリケーション使用データに基づいて閾値イベントの発生を判断するステップをさらに具備する、請求項22の方法。
【請求項24】
前記閾値イベントデータを前記ネットワーク上の別個のデータベースに記録するステップをさらに具備する、請求項23の方法。
【請求項25】
前記ユーザー情報に従って、前記ユーザーに対してアクセス可能なサーバー常駐アプリケーションを選択する;および
前記ユーザー情報内の前記閾値イベントデータに従って前記アプリケーションに対してアクセスのレベルを設定する;
ことをさらに具備する、請求項21の方法。
【請求項26】
前記ユーザー情報に従って、前記ユーザーのためのアプリケーションを選択する;および
前記アプリケーションを前記通信装置に送信する;
ことをさらに具備する、請求項21の方法。
【請求項27】
前記識別情報を受信するステップは、移動体識別番号を受信することである、請求項21の方法。
【請求項28】
前記識別情報を受信するステップは、個人識別番号を受信することである、請求項21の方法。
【請求項29】
前記アプリケーション使用データを受信するステップは、前記通信装置上で実行されるゲームからアプリケーション使用データを受信することである、請求項22の方法。
【請求項30】
前記アプリケーション使用データを受信するステップは、複数の装置上で実行されるマルチユーザーゲームからアプリケーション使用データを受信することである、請求項22の方法。
【請求項31】
前記閾値イベントデータは、ゲームの得点である、請求項23の方法。
【請求項32】
前記閾値イベントデータは、所定の使用期間である、請求項23の方法。
【請求項33】
下記を具備する、無線ネットワークにわたって少なくとも1つのサーバーと選択的に通信する、前記無線ネットワーク上の通信装置上に常駐する分散アプリケーションを管理する方法:
前記サーバーと通信する前記通信装置のユーザーを識別するためのユーザー識別ステップ;
閾値イベントデータを含むユーザー情報を検索するためのデータ検索ステップ;および
前記サーバーから前記装置と相互作用する相互作用ステップ、前記相互作用ステップは前記閾値イベントデータに基づく。
【請求項34】
実行されると、無線ネットワーク上の2以上の無線通信装置と通信し、前記無線ネットワーク上の通信装置上に常駐する分散アプリケーションを管理して、下記ステップを実行するようにコンピュータに指示する、コンピュータ読み出し可能な媒体内に常駐するコンピュータープログラム:
装置からの識別情報を受信する、前記識別情報は、前記装置のユーザーを識別する;
前記識別情報を用いてユーザー情報を検索する、前記ユーザー情報は、前記ユーザーのための閾値イベントデータを含む;および
前記閾値イベントデータに基づいて前記装置と相互作用する。
【請求項35】
前記通信装置からアプリケーション使用データを受信し;および
前記受信したアプリケーション使用データで前記ユーザー情報を更新する;
ことを前記コンピュータに実行させることをさらに指示する、請求項34のプログラム。
【請求項36】
前記受信したアプリケーション使用データに基づいて閾値イベントの発生を判断することを前記コンピュータに実行させるようにさらに指示する、請求項35のプログラム。
【請求項37】
前記閾値イベントデータを前記ネットワーク上の別個のデータベースに記録するステップを前記コンピュータに実行させるようにさらに指示する、請求項36のプログラム。
【請求項38】
前記ユーザー情報に従って、前記ユーザーに対してアクセス可能な常駐アプリケーションを選択する;および
前記ユーザー情報内の閾値イベントデータに従って、前記アプリケーションに対するアクセスのレベルを設定する;
ことを前記コンピュータに実行させるようにさらに指示する、請求項34のプログラム。
【請求項39】
前記ユーザー情報に従って前記ユーザーのためのアプリケーションを選択する;および
前記アプリケーションを前記通信装置に送信する;
ことを前記コンピュータに実行させるようにさらに指示する、請求項34のプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−289893(P2008−289893A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−137913(P2008−137913)
【出願日】平成20年5月27日(2008.5.27)
【分割の表示】特願2004−518012(P2004−518012)の分割
【原出願日】平成15年6月28日(2003.6.28)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】