防寒具兼用ベンチコート
【課題】ベンチコートとして使用したり、地震などの被災時において避難場所での防寒具や毛布代わりとして用いることができる防寒具兼用ベンチコートを提供する。
【解決手段】前部を開放自在に形成されたフード付のコート本体1の内面には、脚袋収納部8が形成されている。この脚袋収納部8内には、前身頃と後身頃とは片方のサイドで連結されていて、もう一方のサイドは面ファスナー5、5a及びスナップ6、6aにより開閉自在に形成されている。また、前身頃と後身頃には面ファスナーが取り付けられている。また、前記脚袋収納部8内に脚袋を収納したときに脚袋収納部8内の面ファスナーに留めるための面ファスナーが脚袋に取り付けられている。
【解決手段】前部を開放自在に形成されたフード付のコート本体1の内面には、脚袋収納部8が形成されている。この脚袋収納部8内には、前身頃と後身頃とは片方のサイドで連結されていて、もう一方のサイドは面ファスナー5、5a及びスナップ6、6aにより開閉自在に形成されている。また、前身頃と後身頃には面ファスナーが取り付けられている。また、前記脚袋収納部8内に脚袋を収納したときに脚袋収納部8内の面ファスナーに留めるための面ファスナーが脚袋に取り付けられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スポーツ観戦とか被災時における防寒対策等において有効なベンチコートに関する。
【背景技術】
【0002】
サッカー等のアウトドアスポーツの観戦用であって、寒い季節に着用する防寒具としてベンチコートがある。このベンチコートには、各種の機能が付与されているものは多いが、このベンチコートとしての用途以外に地震や台風等により被災した人が例えば避難場所において着用したり、毛布や敷き物の代用としても使用できる機能を付加したものはない。
【0003】
例えば特開平8―296104号公報には、地震・火事・台風等の被災時において寒さ等から身を守ると共に避難先において寝袋として使用でき、且つ平常時には例えばキャンプ等のアウトドア又はスポーツ観戦において防寒用ウェアとして用いても好適な寝袋兼用コートとして、上部にフード部11を有する前開きコート本体12と、該コート本体12の裾回り部13にスライドファスナ等の脱着部材14を介して着脱自在に一体に設けられた略半円形状の寝袋下部15とからなり、該寝袋下部15は、前開きコート本体12の内側に取外し自在に止着するための止着部16を形成したものが紹介されている。
【特許文献1】特開平8―296104号
【0004】
しかし、このコートの場合、次のような欠点がある。
1.寝袋下部15は、コート本体12の裾回り部13に着脱部材14で取り付け、この
寝袋下部15を用いない時はコート本体12の内側に折り返して留め具17で留めて
おくため、この留め具17が寝た際に邪魔になる。
【0005】
2.また、寝袋下部15は、開いた状態でコート本体12の内面全体に広げて折り返さ
れているため、コートとして着用している場合には前身頃側がモコモコして行動しに
くいと共にこの折り返した状態の寝袋下部15は、その表面が折り返した時にはコー
ト本体12の内面となるため、寝袋や下半身の保温のために寝袋下部15を使用した
後は、その汚れや水滴が直接身体に付いてしまうという問題がある。
【0006】
3.次に、寝袋下部15は、上部を除きスライドファスナー21aで閉塞してしまうた
め、足が外に出ないことから、寝袋下部15を着けたまま歩行が出来ない。このた
め、スポーツ観戦等においては靴を脱ぐ必要があり、また災害の避難場所において
トイレに立つような時には寝袋下部15を全開にする必要があり、大変不便である
。
【0007】
4.次に、寝袋下部15はコート本体12の裾部から下に取り付けられているため、コ
ート本体12の丈によっては非常に短くなり、また最大でハーフコート丈であったと
しても丈は腰から下の長さとなるため、寝袋下部15は広げてもそれほど大きな面積
とはならない。このため、避難場所において敷き物として使用するとしても一人が腰
掛ける程度の面積しか確保できないという欠点がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記従来例が有する欠点の解消を図るのが目的であって、具体的にはベンチコートとして、あるいは災害発生時の避難場所においては防寒用の寝袋として、更に毛布がわりとして使用することができる使い勝手に特に工夫を凝らした防寒具兼用ベンチコートを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために提案する本願発明に係る防寒具兼用ベンチコートの構成は、a.前身頃側を開放自在に形成して成るコート本体と、
b.サイド及び足先を開放自在に形成し、下半身を足元を含めて収容自在に形成して成
る脚袋と、
c.前記コート本体の後身頃の内側に形成された上下を開放自在に形成して成る脚袋収納部と、
d.から成ることを特徴とするものである。
【0010】
更に、請求項2に記載の防寒具兼用ベンチコートは、前記コート本体の上下の開口部には閉塞手段が取り付けられていることを特徴とするものである。
【0011】
更に、請求項3に記載の防寒具兼用ベンチコートは、前記コート本体の脚袋収納部内の上部には、脚袋を収納した上でこの脚袋を留めて置くための脚袋留め具が設けられていることを特徴とするものである。
【0012】
更に、請求項4に記載の防寒具兼用ベンチコートは、前記コート本体側の脚袋留め具と脚袋側の留め具のところに、留め位置を定めるための目印が設けられていることを特徴とするものである。
【0013】
更に、請求項5に記載の防寒具兼用ベンチコートは、前記脚袋の前身頃と後身頃は、一方のサイドで連結されていて、他方のサイド同士はスライドファスナで留めることができるように形成されていると共に足元側はスライドファスナー又は面ファスナーで留めることができるように形成されていることを特徴とするものである。
【0014】
更に、請求項6に記載の防寒具兼用ベンチコートは、前記脚袋には、専用の携帯用袋が用意されていることを特徴とするものである。
【0015】
更に、請求項7に記載の防寒具兼用ベンチコートは、前記脚袋において、その上部には、開口部を絞るための絞り具が取り付けられていることを特徴とするものである。
【0016】
更に、請求項8に記載の防寒具兼用ベンチコートにおいて、前記絞り具は留め具付のベルト又は結び紐から成ることを特徴とするものである。
【0017】
更に、請求項9に記載の防寒具兼用ベンチコートにおいて、前記ベルト又は結び紐には伸縮性が付与されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明は以上のとおり、コート本体を丈の長いベンチコートスタイルに形成すると共に脚袋をこのコート本体の背中の部分に形成された脚袋収納部内に収納しておくことができるため、ベンチコート等として着用している場合には背中が温かく、またモコモコといった着用感も無くなる。
【0019】
また、脚袋が汚れていたり、濡れていたような場合、脚袋は収納部内に収められてしまうため、この汚れが直接身体に触れることはない。
また、脚袋の足元に開放自在の脚出口を形成したことにより、ここから足を出してそのまま歩行したりすることができるので、例えば夜間トイレに立つような場合に便利である。
【0020】
また、脚袋の足元を開放自在としたことにより、女性の場合に脚袋内に入って立ちながら着替えを行うことができて便利である。
また、脚袋は、全面開放することにより大きな面積を確保できるため、敷き物として使用する場合には毛布代わりとなり有効である。
また、脚袋収納部は、脚袋以外の物を収納して携帯あるいは保管することができる便利さがある。
【実施例1】
【0021】
上記した本発明に係る防寒具兼用ベンチコートの実施例を図1〜図11に基づいて詳細に説明する。先ず、図1(A)(B)はコート本体の説明図、図2(A)(B)は脚袋の説明図、図3は脚袋を入れて携帯又は保管するための袋の説明図、図4はベンチコートとして着用している状態の説明図、図5はA−A´線断面図、図6は本発明防寒具を寝袋として用いている状態の説明図、図7は脚袋内に下半身を入れて足を伸ばして腰掛けている状態の説明図、図8は脚袋に下半身入れて椅子に腰掛けている状態の説明図、図9は脚袋の先を閉じて寝袋として用いている状態の説明図、図10は脚袋の先を開いてここから足を出し、歩行している状態の説明図、図11は脚袋をコート本体の脚袋収納部内に収納した状態の説明図である。
【0022】
これら各図において、符号の1はコート本体であって、このコート本体1は図1(B)に示すように、中間層に綿、羽毛等の保温層3を形成し、この保温層3の表面を防水及び難燃性材料から成る表皮2で覆った生地で全体が形成されている。そして、前身頃4にはスライドファスナー5及びスナップ6、6aが取り付けられている。但し、このスライド
ファスナー5とスナップ6、6aの一方は、面ファスナーであっても良い。
7はフードであって、このフード7は、実施例の場合はくくり付けとなっているが、面ファスナー又はスナップあるいはスライドファスナーにより着脱自在に形成しても良い。
【0023】
8はコート本体1の内側の背中の部分に形成された脚袋収納部であって、この収納部8は上部及び下部がそれぞれ開放されていて、上部開放口10の内面には、この開放口10を閉じておくための面ファスナー11、11aと後述する脚袋を収納したときにこの脚袋を留めておくための面ファスナー12が取り付けられ、更に収納部8の下部開放口9には、この開放口9を閉じるためのスライドファスナー13及びスライダー14が取り付けられている。
【0024】
図2(A)(B)において、15は脚袋であって、この脚袋15は前記したコート本体1と同じ生地で作られており、前身頃16と後身頃17とは、展開したとき中央15aで連結されていて、両サイド縁にはスライドファスナー18、18aが取り付けられ、下部(先端)19は円弧状に形成されている。そして、前身頃16側の下部19の内面には、ヨーク20が形成され、このヨーク20の表面には、脚袋15の下部19を閉じるための面ファスナー21が取り付けられていると共にこの面ファスナー21と対面する後身頃17の内面にも面ファスナー21aが取り付けられている。但し、ヨーク20は形成せず、
面ファスナー21を直接前身頃16の内面に取り付けるようにしても良い。
因みに、前記したコート本体1及び脚袋15の表地はナイロン、裏地はポリエステル、中間層にはポリエステル繊維が充填されている。
コート本体1と脚袋15の寸法例を表1に示す。
【表1】
【0025】
次に、図4〜図11に基づいて前記したコート本体1及び脚袋15の使用例を説明する。図4はベンチコートとして着用している例であって、このとき、脚袋15は、図3に示す袋15a内に収納しておいても良いし、図1の一点鎖線aに示すように、脚袋15を逆さの状態で脚袋収納部8に挿入し、この脚袋収納部8の開放口10内に取り付けた面ファスナー12に面ファスナー22を留めておく。このとき、位置決め目印23、23´を利用して位置がずれないように気をつける。その上で脚部収納部8の下部開放口9のスライドファスナー13を閉じておく。なお、面ファスナー22は脚袋15において前身頃16又は後身頃17のどちら側の身頃に取り付けても良い。
そして、再度脚袋15を使用する場合には、スライダー14を引いてスライドファスナー13を開き、脚袋収納部8内から脚袋15を取り出す。
【0026】
次に、脚袋15の使用例について説明すると、脚袋15を毛布代わりに広げて使用する場合には、図2に示すようにサイドのスライドファスナー5、5a及びスナップ6、6a
を開き、前身頃16と後身頃17を一枚に広げて使う。
次に、寝袋として使用する場合には、図2の目印24、24aを合わせるようにして図9に示すように脚袋15の面ファスナー21、21a(又はスライドファスナー)を閉じて袋状に形成したところに下半身を入れ、図6に示すようにコート本体1を着て寝袋とする。
【0027】
次に、脚袋15から足を出して休む場合には、図7に示すように脚袋15の面ファスナー21、21a(又はスライドファスナー)を開いて下部を開放し、ここから足を外に出す。
次に、脚袋15を椅子等に腰掛けたときの防寒具として用いる場合には、図8に示すように袋状に形成した脚袋15内に下半身を入れて椅子等に腰掛ける。
【0028】
次に図6に示すように寝袋として使用していて、例えばトイレに立つようなときは、図9の状態で閉じられている面ファスナー21、21a(又はスライドファスナー)を開き、ヨーク20を裏返しとすることにより、面ファスナー21、21aが閉じないようにしてから脚袋15の下部19を開き、図10に示すようにこの下部の開放口10から足を出す。
図11は脚袋収納部8内に脚袋15を収納し、面ファスナー12と22を合わせて固定した状態の説明図である。
以上の使用例は一例であって、本発明のコート本体1及び脚袋15は、任意の形態で多様に使用することができることはいうまでもない。
【実施例2】
【0029】
本実施例2は、脚袋15の上部開口部を使用形態によっては絞り込むことができるように工夫したものであって、図12に示すように脚袋15の上部開口部に近い位置にベルト通し26を取り付け、このベルト通し26にベルト25を通し、留め具27で絞り込んで腰又は胸の囲りで留めることができるように構成したものである。
【0030】
なお、上記実施例2では、ベルト25を利用しているが、その他結び紐等であっても良い。また、ベルト25及び結び紐には絞り込みをソフトにするため、あるいはベルト25や結び紐を結んだままで身体を出し入れできるようにゴム体で伸縮性を付与しても良い。
【0031】
このように、ベルト25を取り付けた場合、図10に示すように歩行時に脚袋15がずれ落ちないばかりではなく、図6〜図8に示すような脚袋15の使用形態においては、脚袋15の開口部を閉じることにより外気が中に侵入するのを防ぎ、温かく保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】(A)はコート本体の前を開いた状態の説明図、(B)は生地の説明図
【図2】(A)は脚袋の説明図、(B)は脚袋を開いた状態の説明図
【図3】脚袋を入れて携帯又は保管するための袋の説明図
【図4】ベンチコートとして着用している状態の説明図
【図5】A−A´線断面図
【図6】本発明防寒具を寝具として用いている状態の説明図
【図7】脚袋内に下半身を入れて足を伸ばして腰をおろしている状態の説明図
【図8】脚袋に下半身入れて椅子に腰掛けている状態の説明図
【図9】脚袋の先を閉じて寝具として用いている状態の説明図
【図10】脚袋の先を開いてここから足を出し、歩行している状態の説明図
【図11】脚袋収納部内に脚袋を収納した状態の説明図
【図12】脚袋の上部開口部を絞り込むことができるようにベルトを取り付けた実施例2の説明図
【符号の説明】
【0033】
1 コート本体
4 前身頃
8 脚袋収納部
15 脚袋
20 ヨーク
25 ベルト
【技術分野】
【0001】
本発明は、スポーツ観戦とか被災時における防寒対策等において有効なベンチコートに関する。
【背景技術】
【0002】
サッカー等のアウトドアスポーツの観戦用であって、寒い季節に着用する防寒具としてベンチコートがある。このベンチコートには、各種の機能が付与されているものは多いが、このベンチコートとしての用途以外に地震や台風等により被災した人が例えば避難場所において着用したり、毛布や敷き物の代用としても使用できる機能を付加したものはない。
【0003】
例えば特開平8―296104号公報には、地震・火事・台風等の被災時において寒さ等から身を守ると共に避難先において寝袋として使用でき、且つ平常時には例えばキャンプ等のアウトドア又はスポーツ観戦において防寒用ウェアとして用いても好適な寝袋兼用コートとして、上部にフード部11を有する前開きコート本体12と、該コート本体12の裾回り部13にスライドファスナ等の脱着部材14を介して着脱自在に一体に設けられた略半円形状の寝袋下部15とからなり、該寝袋下部15は、前開きコート本体12の内側に取外し自在に止着するための止着部16を形成したものが紹介されている。
【特許文献1】特開平8―296104号
【0004】
しかし、このコートの場合、次のような欠点がある。
1.寝袋下部15は、コート本体12の裾回り部13に着脱部材14で取り付け、この
寝袋下部15を用いない時はコート本体12の内側に折り返して留め具17で留めて
おくため、この留め具17が寝た際に邪魔になる。
【0005】
2.また、寝袋下部15は、開いた状態でコート本体12の内面全体に広げて折り返さ
れているため、コートとして着用している場合には前身頃側がモコモコして行動しに
くいと共にこの折り返した状態の寝袋下部15は、その表面が折り返した時にはコー
ト本体12の内面となるため、寝袋や下半身の保温のために寝袋下部15を使用した
後は、その汚れや水滴が直接身体に付いてしまうという問題がある。
【0006】
3.次に、寝袋下部15は、上部を除きスライドファスナー21aで閉塞してしまうた
め、足が外に出ないことから、寝袋下部15を着けたまま歩行が出来ない。このた
め、スポーツ観戦等においては靴を脱ぐ必要があり、また災害の避難場所において
トイレに立つような時には寝袋下部15を全開にする必要があり、大変不便である
。
【0007】
4.次に、寝袋下部15はコート本体12の裾部から下に取り付けられているため、コ
ート本体12の丈によっては非常に短くなり、また最大でハーフコート丈であったと
しても丈は腰から下の長さとなるため、寝袋下部15は広げてもそれほど大きな面積
とはならない。このため、避難場所において敷き物として使用するとしても一人が腰
掛ける程度の面積しか確保できないという欠点がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記従来例が有する欠点の解消を図るのが目的であって、具体的にはベンチコートとして、あるいは災害発生時の避難場所においては防寒用の寝袋として、更に毛布がわりとして使用することができる使い勝手に特に工夫を凝らした防寒具兼用ベンチコートを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために提案する本願発明に係る防寒具兼用ベンチコートの構成は、a.前身頃側を開放自在に形成して成るコート本体と、
b.サイド及び足先を開放自在に形成し、下半身を足元を含めて収容自在に形成して成
る脚袋と、
c.前記コート本体の後身頃の内側に形成された上下を開放自在に形成して成る脚袋収納部と、
d.から成ることを特徴とするものである。
【0010】
更に、請求項2に記載の防寒具兼用ベンチコートは、前記コート本体の上下の開口部には閉塞手段が取り付けられていることを特徴とするものである。
【0011】
更に、請求項3に記載の防寒具兼用ベンチコートは、前記コート本体の脚袋収納部内の上部には、脚袋を収納した上でこの脚袋を留めて置くための脚袋留め具が設けられていることを特徴とするものである。
【0012】
更に、請求項4に記載の防寒具兼用ベンチコートは、前記コート本体側の脚袋留め具と脚袋側の留め具のところに、留め位置を定めるための目印が設けられていることを特徴とするものである。
【0013】
更に、請求項5に記載の防寒具兼用ベンチコートは、前記脚袋の前身頃と後身頃は、一方のサイドで連結されていて、他方のサイド同士はスライドファスナで留めることができるように形成されていると共に足元側はスライドファスナー又は面ファスナーで留めることができるように形成されていることを特徴とするものである。
【0014】
更に、請求項6に記載の防寒具兼用ベンチコートは、前記脚袋には、専用の携帯用袋が用意されていることを特徴とするものである。
【0015】
更に、請求項7に記載の防寒具兼用ベンチコートは、前記脚袋において、その上部には、開口部を絞るための絞り具が取り付けられていることを特徴とするものである。
【0016】
更に、請求項8に記載の防寒具兼用ベンチコートにおいて、前記絞り具は留め具付のベルト又は結び紐から成ることを特徴とするものである。
【0017】
更に、請求項9に記載の防寒具兼用ベンチコートにおいて、前記ベルト又は結び紐には伸縮性が付与されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明は以上のとおり、コート本体を丈の長いベンチコートスタイルに形成すると共に脚袋をこのコート本体の背中の部分に形成された脚袋収納部内に収納しておくことができるため、ベンチコート等として着用している場合には背中が温かく、またモコモコといった着用感も無くなる。
【0019】
また、脚袋が汚れていたり、濡れていたような場合、脚袋は収納部内に収められてしまうため、この汚れが直接身体に触れることはない。
また、脚袋の足元に開放自在の脚出口を形成したことにより、ここから足を出してそのまま歩行したりすることができるので、例えば夜間トイレに立つような場合に便利である。
【0020】
また、脚袋の足元を開放自在としたことにより、女性の場合に脚袋内に入って立ちながら着替えを行うことができて便利である。
また、脚袋は、全面開放することにより大きな面積を確保できるため、敷き物として使用する場合には毛布代わりとなり有効である。
また、脚袋収納部は、脚袋以外の物を収納して携帯あるいは保管することができる便利さがある。
【実施例1】
【0021】
上記した本発明に係る防寒具兼用ベンチコートの実施例を図1〜図11に基づいて詳細に説明する。先ず、図1(A)(B)はコート本体の説明図、図2(A)(B)は脚袋の説明図、図3は脚袋を入れて携帯又は保管するための袋の説明図、図4はベンチコートとして着用している状態の説明図、図5はA−A´線断面図、図6は本発明防寒具を寝袋として用いている状態の説明図、図7は脚袋内に下半身を入れて足を伸ばして腰掛けている状態の説明図、図8は脚袋に下半身入れて椅子に腰掛けている状態の説明図、図9は脚袋の先を閉じて寝袋として用いている状態の説明図、図10は脚袋の先を開いてここから足を出し、歩行している状態の説明図、図11は脚袋をコート本体の脚袋収納部内に収納した状態の説明図である。
【0022】
これら各図において、符号の1はコート本体であって、このコート本体1は図1(B)に示すように、中間層に綿、羽毛等の保温層3を形成し、この保温層3の表面を防水及び難燃性材料から成る表皮2で覆った生地で全体が形成されている。そして、前身頃4にはスライドファスナー5及びスナップ6、6aが取り付けられている。但し、このスライド
ファスナー5とスナップ6、6aの一方は、面ファスナーであっても良い。
7はフードであって、このフード7は、実施例の場合はくくり付けとなっているが、面ファスナー又はスナップあるいはスライドファスナーにより着脱自在に形成しても良い。
【0023】
8はコート本体1の内側の背中の部分に形成された脚袋収納部であって、この収納部8は上部及び下部がそれぞれ開放されていて、上部開放口10の内面には、この開放口10を閉じておくための面ファスナー11、11aと後述する脚袋を収納したときにこの脚袋を留めておくための面ファスナー12が取り付けられ、更に収納部8の下部開放口9には、この開放口9を閉じるためのスライドファスナー13及びスライダー14が取り付けられている。
【0024】
図2(A)(B)において、15は脚袋であって、この脚袋15は前記したコート本体1と同じ生地で作られており、前身頃16と後身頃17とは、展開したとき中央15aで連結されていて、両サイド縁にはスライドファスナー18、18aが取り付けられ、下部(先端)19は円弧状に形成されている。そして、前身頃16側の下部19の内面には、ヨーク20が形成され、このヨーク20の表面には、脚袋15の下部19を閉じるための面ファスナー21が取り付けられていると共にこの面ファスナー21と対面する後身頃17の内面にも面ファスナー21aが取り付けられている。但し、ヨーク20は形成せず、
面ファスナー21を直接前身頃16の内面に取り付けるようにしても良い。
因みに、前記したコート本体1及び脚袋15の表地はナイロン、裏地はポリエステル、中間層にはポリエステル繊維が充填されている。
コート本体1と脚袋15の寸法例を表1に示す。
【表1】
【0025】
次に、図4〜図11に基づいて前記したコート本体1及び脚袋15の使用例を説明する。図4はベンチコートとして着用している例であって、このとき、脚袋15は、図3に示す袋15a内に収納しておいても良いし、図1の一点鎖線aに示すように、脚袋15を逆さの状態で脚袋収納部8に挿入し、この脚袋収納部8の開放口10内に取り付けた面ファスナー12に面ファスナー22を留めておく。このとき、位置決め目印23、23´を利用して位置がずれないように気をつける。その上で脚部収納部8の下部開放口9のスライドファスナー13を閉じておく。なお、面ファスナー22は脚袋15において前身頃16又は後身頃17のどちら側の身頃に取り付けても良い。
そして、再度脚袋15を使用する場合には、スライダー14を引いてスライドファスナー13を開き、脚袋収納部8内から脚袋15を取り出す。
【0026】
次に、脚袋15の使用例について説明すると、脚袋15を毛布代わりに広げて使用する場合には、図2に示すようにサイドのスライドファスナー5、5a及びスナップ6、6a
を開き、前身頃16と後身頃17を一枚に広げて使う。
次に、寝袋として使用する場合には、図2の目印24、24aを合わせるようにして図9に示すように脚袋15の面ファスナー21、21a(又はスライドファスナー)を閉じて袋状に形成したところに下半身を入れ、図6に示すようにコート本体1を着て寝袋とする。
【0027】
次に、脚袋15から足を出して休む場合には、図7に示すように脚袋15の面ファスナー21、21a(又はスライドファスナー)を開いて下部を開放し、ここから足を外に出す。
次に、脚袋15を椅子等に腰掛けたときの防寒具として用いる場合には、図8に示すように袋状に形成した脚袋15内に下半身を入れて椅子等に腰掛ける。
【0028】
次に図6に示すように寝袋として使用していて、例えばトイレに立つようなときは、図9の状態で閉じられている面ファスナー21、21a(又はスライドファスナー)を開き、ヨーク20を裏返しとすることにより、面ファスナー21、21aが閉じないようにしてから脚袋15の下部19を開き、図10に示すようにこの下部の開放口10から足を出す。
図11は脚袋収納部8内に脚袋15を収納し、面ファスナー12と22を合わせて固定した状態の説明図である。
以上の使用例は一例であって、本発明のコート本体1及び脚袋15は、任意の形態で多様に使用することができることはいうまでもない。
【実施例2】
【0029】
本実施例2は、脚袋15の上部開口部を使用形態によっては絞り込むことができるように工夫したものであって、図12に示すように脚袋15の上部開口部に近い位置にベルト通し26を取り付け、このベルト通し26にベルト25を通し、留め具27で絞り込んで腰又は胸の囲りで留めることができるように構成したものである。
【0030】
なお、上記実施例2では、ベルト25を利用しているが、その他結び紐等であっても良い。また、ベルト25及び結び紐には絞り込みをソフトにするため、あるいはベルト25や結び紐を結んだままで身体を出し入れできるようにゴム体で伸縮性を付与しても良い。
【0031】
このように、ベルト25を取り付けた場合、図10に示すように歩行時に脚袋15がずれ落ちないばかりではなく、図6〜図8に示すような脚袋15の使用形態においては、脚袋15の開口部を閉じることにより外気が中に侵入するのを防ぎ、温かく保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】(A)はコート本体の前を開いた状態の説明図、(B)は生地の説明図
【図2】(A)は脚袋の説明図、(B)は脚袋を開いた状態の説明図
【図3】脚袋を入れて携帯又は保管するための袋の説明図
【図4】ベンチコートとして着用している状態の説明図
【図5】A−A´線断面図
【図6】本発明防寒具を寝具として用いている状態の説明図
【図7】脚袋内に下半身を入れて足を伸ばして腰をおろしている状態の説明図
【図8】脚袋に下半身入れて椅子に腰掛けている状態の説明図
【図9】脚袋の先を閉じて寝具として用いている状態の説明図
【図10】脚袋の先を開いてここから足を出し、歩行している状態の説明図
【図11】脚袋収納部内に脚袋を収納した状態の説明図
【図12】脚袋の上部開口部を絞り込むことができるようにベルトを取り付けた実施例2の説明図
【符号の説明】
【0033】
1 コート本体
4 前身頃
8 脚袋収納部
15 脚袋
20 ヨーク
25 ベルト
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a.前身頃側を開放自在に形成して成るコート本体と、
b.サイド及び足先を開放自在に形成し、下半身を足元を含めて収容自在に形成して成る脚袋と、
c.前記コート本体の後身頃の内側に形成された上下を開放自在に形成して成る脚袋収納部と、
d.から成る防寒具兼用ベンチコート。
【請求項2】
前記コート本体の上下の開口部には閉塞手段が取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の防寒具兼用ベンチコート。
【請求項3】
前記コート本体の脚袋収納部内の上部には、脚袋を収納した上でこの脚袋を留めて置くための脚袋留め具が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の防寒具兼用ベンチコート。
【請求項4】
前記コート本体側の脚袋留め具と脚袋側の留め具のところに、留め位置を定めるための目印が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の防寒具兼用ベンチコート。
【請求項5】
前記脚袋の前身頃と後身頃は、一方のサイドで連結されていて、他方のサイド同士はスライドファスナで留めることができるように形成されていると共に足元側はスライドファスナー又は面ファスナーで留めることができるように形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の防寒具兼用ベンチコート。
【請求項6】
前記脚袋には、専用の携帯用袋が用意されていることを特徴とする請求項1乃至6に記載の防寒具兼用ベンチコート。
【請求項7】
前記脚袋において、その上部には、開口部を絞るための絞り具が取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の防寒具兼用ベンチコート。
【請求項8】
前記絞り具は、留め具付のベルト又は結び紐から成ることを特徴とする請求項7に記載の防寒具兼用ベンチコート。
【請求項9】
前記ベルト又は結び紐には伸縮性が付与されていることを特徴とする請求項8に記載の防寒具兼用ベンチコート。
【請求項1】
a.前身頃側を開放自在に形成して成るコート本体と、
b.サイド及び足先を開放自在に形成し、下半身を足元を含めて収容自在に形成して成る脚袋と、
c.前記コート本体の後身頃の内側に形成された上下を開放自在に形成して成る脚袋収納部と、
d.から成る防寒具兼用ベンチコート。
【請求項2】
前記コート本体の上下の開口部には閉塞手段が取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の防寒具兼用ベンチコート。
【請求項3】
前記コート本体の脚袋収納部内の上部には、脚袋を収納した上でこの脚袋を留めて置くための脚袋留め具が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の防寒具兼用ベンチコート。
【請求項4】
前記コート本体側の脚袋留め具と脚袋側の留め具のところに、留め位置を定めるための目印が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の防寒具兼用ベンチコート。
【請求項5】
前記脚袋の前身頃と後身頃は、一方のサイドで連結されていて、他方のサイド同士はスライドファスナで留めることができるように形成されていると共に足元側はスライドファスナー又は面ファスナーで留めることができるように形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の防寒具兼用ベンチコート。
【請求項6】
前記脚袋には、専用の携帯用袋が用意されていることを特徴とする請求項1乃至6に記載の防寒具兼用ベンチコート。
【請求項7】
前記脚袋において、その上部には、開口部を絞るための絞り具が取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の防寒具兼用ベンチコート。
【請求項8】
前記絞り具は、留め具付のベルト又は結び紐から成ることを特徴とする請求項7に記載の防寒具兼用ベンチコート。
【請求項9】
前記ベルト又は結び紐には伸縮性が付与されていることを特徴とする請求項8に記載の防寒具兼用ベンチコート。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−37708(P2010−37708A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−59960(P2009−59960)
【出願日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【出願人】(500130070)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【出願人】(500130070)
【Fターム(参考)】
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