防水仕様のキーボード
【課題】 不注意にこぼした液体が下方のマザーボードに流入し、同マザーボードに損傷を与えることを防止する防水仕様のキーボードを提供する。
【解決手段】 防水仕様のキーボードはキーと、弾性を備えたゴム層と、回路層と、基板と、封止層から構成される。キーは上面に複数の開口部が設けられた基板上に取り付けられる。封止層は基板の底面の下面に設けられる。基板上の開口部に対応して、接着剤がそれぞれ封止層上に形成され、これにより封止層が基板の底面に対して堅固に接着可能となる。
【解決手段】 防水仕様のキーボードはキーと、弾性を備えたゴム層と、回路層と、基板と、封止層から構成される。キーは上面に複数の開口部が設けられた基板上に取り付けられる。封止層は基板の底面の下面に設けられる。基板上の開口部に対応して、接着剤がそれぞれ封止層上に形成され、これにより封止層が基板の底面に対して堅固に接着可能となる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はキーボードに関する。より具体的にはマザーボードへの液体の流入を防止する防水仕様のキーボードに関する。
【背景技術】
【0002】
図1に示すように、通常のノートブック型コンピュータ10は主にディスプレイ20、キーボード30、及び基部40とから構成される。ディスプレイ20及び基部40はヒンジにより一体的に連結される。キーボード30はマザーボードを含む基部40上に設けられる。マザーボードはその表面上にCPU及びその他の電子要素を有し、キーボード30の下に設けられる。
【0003】
キーボード30は複数のキー31、上方を向いた端部37を有する基板35、弾性を備えたゴム層33、及び回路層34(後者2点については後述する)を備える。電気要素は図2及び3に示すようにキーボードモジュールに組み立てられ(ワイヤ配線は図示しない)、組み立てられたモジュールは基部40上に取り付けられる。
【0004】
キーボード30の構成は図4乃至8を参照して更に後述する。
図4は封止層38が基板35から分離し(即ち、まだ接着されていない状態)、同基板35上に複数のキー31が設けられたキーボード30を示す。封止層38の形状は基板35の形状に対応する。封止層38は柔軟なプラスチック材料、又は堅固なプラスチック材料から形成可能である。図5を参照すると、複数の開口部36が図4の基板35上に圧力によるパンチングのような技術を使用して形成される。圧力によるパンチング工程において、突起(図示しない)も弾性を備えたゴム層33及び回路層34を係止して固定するために形成される。図4に示す基板35と、図5に示す封止層38とは同基板35の底部表面の端部にグルー39を使用することにより、或いは図6に示すように封止層38の上部表面の端部にグルー39を使用することにより一体的に接合される。キーボード30には封止層38が接着されるが、加熱処理を施してグルーが封止層38と基板35とを接合させるべく凝固する必要性がある。加熱処理後は、図2に示すようなキーボード30のモジュールが形成される。図7及び8に示すキーボードの断面図を参照すると、キーボード30は上方から見ると主にキー31、弾性を備えたゴム層33、回路層34、基板35、及び封止層38を含むことが理解される。キーボード30の構成は周知の技術であるため、ここでは詳述することは差し控える。
【0005】
(図1に示すような)ノートブック型コンピュータ10はコンパクトであり且つ携帯可能な特徴を備え、通常デスクトップパソコンと比較してより高価である。時に使用者はノートブック型コンピュータの使用の際に、飲料のような液体を不注意にキーボード30上にこぼすことがある。液体がキーボード30を通過して流入し、通常高価であるノートブック型コンピュータの損傷の原因となることを防止するために、通常周知のキーボード30は基板35の底部表面下に封止層38を設け、キーボード30を防水仕様とする。基板35上の開口部36を塞ぐ不浸透性の封止層38を使用することにより、不注意にこぼした液体が更に流入することを防止する。液体は基板35上に留まり、基板35上の開口部36を通過して下部に設けられたマザーボードへ流入することを防止する。従って、液体によるマザーボードへの損傷を確実に防止し、ノートブック型コンピュータの正常な作動を確実に保持する。
【0006】
キー31は使用者からの指の押圧力を支持する必要があり、キー31を支持する基板35はキーボード30の変形を防止すべく金属材料のような堅固、且つ耐久が高い材料から形成される必要がある。封止層38は、全体の厚みを上昇させることのない一定の防水仕様の物質の肉薄なシートから形成される必要がある。
【0007】
しかしながら、それぞれが10cm×27cmの寸法を有する封止層38と基板35の底面とを接合するためにグルーが使用されていることに留意する必要がある。封止層38の物質と基板35の物質とは異なる熱膨張率を有するため、図9に示すように熱膨張により生じる歪みは加熱処理後に発生する(図7に示すような、キーボードの底部が水平面の状態を保持するものを比較して参照)。熱膨張はキーボード30の両端部が僅かに上昇し、割れ目をなす原因となる。同割れ目は基板35と水平線32との間における高さの差Dである。即ち、封止層と基板35とは完全には連結できない。あまりに多くの液体がこぼされて、キーボード30に進入すると、液体は排出されることなく封止層38と基板35との間の割れ目に保持されるか、或いは液体は割れ目に沿って下部のマザーボードに流入し、マザーボードの正常な作動を妨害する損傷の原因となる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
簡潔にまとめると、基板と封止層には異なる熱膨張率を有する2つの異なる物質を使用する。従って、キーボードの歪みが加熱処理後に発生する。歪みにより封止層と基板とは完全に連結することが防止され、液体はキーボードの下のマザーボードに流入する。これはマザーボードの正常な作動を妨害する損傷の原因となる。従って、関連産業はこのような技術的課題を解決する必要がある。
【0009】
本発明の目的は不注意にこぼした液体が下方のマザーボードに流入し、同マザーボードに損傷を与えることを防止する防水仕様のキーボードを提供することにある。
本発明の別の目的は基板及び封止層からなる周知のキーボードへの歪みの短所を克服する防水仕様のキーボードを提供することにある。歪みは基板及び封止層に異なる物質が使用されているため熱膨張率に差が生じることにより、熱処理後にこれらが完全に連結されることが防止されることに起因する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
防水仕様のキーボードはキーと、弾性を備えたゴム層と、回路層と、基板と、封止層から構成される。キーは上面に複数の開口部が設けられた基板上に取り付けられる。封止層は基板の底面の下面に設けられる。基板上の開口部に対応して、接着剤がそれぞれ封止層上に形成され、これにより封止層が基板の底面に対して堅固に接着可能となる。
【0011】
封止層上の接着剤はそれぞれ基板上の各開口部の端部の周囲に設けられる。
封止層上の接着剤はそれぞれ基板上の各開口部の端部を覆うことにより設けられる。
封止層上の接着剤はそれぞれプリント技術により形成される。
封止層上の接着剤はそれぞれグルーである。
別例における防水仕様のキーボードはキーと、弾性を備えたゴム層と、回路層と、基板と、封止層から構成される。キーは上面に複数の開口部が設けられた基板上に取り付けられる。封止層は基板の底面の下面に設けられ、更に同基板上の開口部に対応すべく複数の領域に分割される。接着剤は封止層上の複数の領域にそれぞれ形成され、これにより封止層は基板の底面に対して堅固に接着可能となる。
【0012】
封止層上の接着剤はそれぞれ各領域の端部の周囲に設けられる。
封止層上の接着剤はそれぞれ各領域の全体を覆うことにより設けられる。
封止層上の接着剤はそれぞれプリント技術により形成される。
封止層上の接着剤はそれぞれグルーである。
本発明の防水仕様のキーボードは、基板の底面上の開口部に対応すべく接着剤をそれぞれ封止層上に設けることにより、封止層と基板とをより堅固に連結する。これにより、周知の技術によるキーボードへの歪みの短所、即ち基板と封止層とに異なる物質を使用することにより熱膨張率に差が生じることに起因する歪みの短所を好適に克服する。更に、歪みにより周知のキーボードの封止層と基板とが完全に連結されることが防止され、これにより液体がキーボード下のマザーボードに流入して同マザーボードの正常な作動を妨害する損傷の原因となるという短所も好適に克服する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図10乃至13は本発明の様々な実施例を示す。図10及び11は防水仕様のキーボードの封止層を示す平面図である。図12及び13は防水仕様のキーボードの封止層を示す底面図である。封止層60を除き、防水仕様のキーボードの要素は図1乃至9に示す周知のキーボードの要素と同じである。
【0014】
図10は本発明の第1の実施例を示す。接着剤61は(図12に示す)基板上の開口部51の端部に対応すべく、基板の底面の下面に設けられる封止層60上にそれぞれ形成される。封止層上の接着剤61はそれぞれ基板上の各開口部の端部の周囲に設けられる。複数の接着剤61が基板に接着されるように設けられ、これにより封止層60と基板とがより堅固に連結可能となる。
【0015】
通常の接着技術を使用して、封止層60上において複数の接着剤61が開口部51の端部に接着される。そして、熱処理後に封止層60及び基板の底面は堅固に連結可能である。周知のキーボードにおいては、グルーは基板の底面の端部にのみ塗布されるか、又は封止層の端部にのみ塗布される。基板と封止層とには異なる物質が使用されているため膨張率に差が生じ、これにより歪みが熱処理後に発生することとなる。歪みにより封止層及び基板は完全に連結されることが防止され、更に割れ目を生じ得る。過度の量の飲料のような液体が不注意にキーボード上にこぼれた場合に、液体は排出されることなく封止層及び基板35の間の割れ目に留まるか、或いは液体は割れ目に沿って下方のマザーボードに流れ、マザーボードの正常な作動を妨害する損傷の原因となる。しかしながら、本発明の防水仕様のキーボードを使用することにより、上記課題は解決可能となる。
【0016】
図11は本発明の第2の実施例を示す。接着剤61はそれぞれ封止層60上に形成される。封止層60は基板の底面下において基板上の(図12に示す)開口部51に対応すべく設けられる。封止層上の接着剤61は基板上の各開口部を覆うべくそれぞれ設けられる。複数の接着剤61は基板に接着されるように設けられ、これにより封止層60及び基板は堅固に連結可能となる。この接着剤を設ける方法により、図10に示す実施例の効果と同等の効果を生じさせることができる。
【0017】
図12に本発明の第3の実施例を示す。防水仕様のキーボードの封止層60は基板の底面下に設けられる。封止層は基板上の複数の開口部51に対応すべく複数の領域62に分割される。接着剤61は各領域62の端部を包囲することによりそれぞれ同領域に設けられる。これにより封止層60は基板の底面に堅固に接着可能となる。この接着剤を設ける方法により図10に示す実施例の効果と同等の効果を生じさせることができる。
【0018】
図13に本発明の第4の実施例を示す。防水仕様のキーボードの封止層60は基板の底面下に設けられる。封止層は基板上の複数の開口部51に対応すべく複数の領域62に分割される。接着剤61は各領域62の全体を覆うことによりそれぞれ同領域に設けられる。これにより封止層60は基板の底面に堅固に接着可能となる。この接着剤を設ける方法により図10に示す実施例の効果と同等の効果を生じさせることができる。
【0019】
本発明の防水仕様のキーボードの別例において、接着剤は封止層と基板の両者に接着可能なグルーやその他の物質であってもよい。更に、封止層上の接着剤はプリント技術により形成される。
【0020】
本発明の防水仕様のキーボードにおいて、基板の底面上の開口部に対応すべく接着剤を設けることにより、封止層と基板とは堅固に一体的に構成可能となる。従って、周知のキーボードにおいて封止層と基板とに異なる物質が使用され、これにより熱膨張率に差が生じることとなったがために歪みが発生してしまうという課題を好適に解決可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】ディスプレイスクリーンを開いたノートブック型コンピュータの正面斜視図。
【図2】図1に示すノートブック型コンピュータに使用される周知のキーボードの正面斜視図。
【図3】図2に示すキーボードの平面図。
【図4】図2に示す、基板から分離する封止層を備えたキーボードの正面分解図。
【図5】図4に示すキーボードの平面図。
【図6】図4に示す、基板と接着する封止層を備えた基板の底面図。
【図7】図3に示すキーボードをA−A線に沿って切断した断面図。
【図8】図7に示すキーボードの部分拡大図。
【図9】加熱処理後の周知のキーボードの歪みを示す概略図。
【図10】本発明の第1の実施例における防水仕様のキーボードの封止層を示す平面図。
【図11】本発明の第2の実施例における防水仕様のキーボードの封止層を示す平面図。
【図12】本発明の第3の実施例における防水仕様のキーボードを示す平面図。
【図13】本発明の第4の実施例における防水仕様のキーボードを示す平面図。
【技術分野】
【0001】
本発明はキーボードに関する。より具体的にはマザーボードへの液体の流入を防止する防水仕様のキーボードに関する。
【背景技術】
【0002】
図1に示すように、通常のノートブック型コンピュータ10は主にディスプレイ20、キーボード30、及び基部40とから構成される。ディスプレイ20及び基部40はヒンジにより一体的に連結される。キーボード30はマザーボードを含む基部40上に設けられる。マザーボードはその表面上にCPU及びその他の電子要素を有し、キーボード30の下に設けられる。
【0003】
キーボード30は複数のキー31、上方を向いた端部37を有する基板35、弾性を備えたゴム層33、及び回路層34(後者2点については後述する)を備える。電気要素は図2及び3に示すようにキーボードモジュールに組み立てられ(ワイヤ配線は図示しない)、組み立てられたモジュールは基部40上に取り付けられる。
【0004】
キーボード30の構成は図4乃至8を参照して更に後述する。
図4は封止層38が基板35から分離し(即ち、まだ接着されていない状態)、同基板35上に複数のキー31が設けられたキーボード30を示す。封止層38の形状は基板35の形状に対応する。封止層38は柔軟なプラスチック材料、又は堅固なプラスチック材料から形成可能である。図5を参照すると、複数の開口部36が図4の基板35上に圧力によるパンチングのような技術を使用して形成される。圧力によるパンチング工程において、突起(図示しない)も弾性を備えたゴム層33及び回路層34を係止して固定するために形成される。図4に示す基板35と、図5に示す封止層38とは同基板35の底部表面の端部にグルー39を使用することにより、或いは図6に示すように封止層38の上部表面の端部にグルー39を使用することにより一体的に接合される。キーボード30には封止層38が接着されるが、加熱処理を施してグルーが封止層38と基板35とを接合させるべく凝固する必要性がある。加熱処理後は、図2に示すようなキーボード30のモジュールが形成される。図7及び8に示すキーボードの断面図を参照すると、キーボード30は上方から見ると主にキー31、弾性を備えたゴム層33、回路層34、基板35、及び封止層38を含むことが理解される。キーボード30の構成は周知の技術であるため、ここでは詳述することは差し控える。
【0005】
(図1に示すような)ノートブック型コンピュータ10はコンパクトであり且つ携帯可能な特徴を備え、通常デスクトップパソコンと比較してより高価である。時に使用者はノートブック型コンピュータの使用の際に、飲料のような液体を不注意にキーボード30上にこぼすことがある。液体がキーボード30を通過して流入し、通常高価であるノートブック型コンピュータの損傷の原因となることを防止するために、通常周知のキーボード30は基板35の底部表面下に封止層38を設け、キーボード30を防水仕様とする。基板35上の開口部36を塞ぐ不浸透性の封止層38を使用することにより、不注意にこぼした液体が更に流入することを防止する。液体は基板35上に留まり、基板35上の開口部36を通過して下部に設けられたマザーボードへ流入することを防止する。従って、液体によるマザーボードへの損傷を確実に防止し、ノートブック型コンピュータの正常な作動を確実に保持する。
【0006】
キー31は使用者からの指の押圧力を支持する必要があり、キー31を支持する基板35はキーボード30の変形を防止すべく金属材料のような堅固、且つ耐久が高い材料から形成される必要がある。封止層38は、全体の厚みを上昇させることのない一定の防水仕様の物質の肉薄なシートから形成される必要がある。
【0007】
しかしながら、それぞれが10cm×27cmの寸法を有する封止層38と基板35の底面とを接合するためにグルーが使用されていることに留意する必要がある。封止層38の物質と基板35の物質とは異なる熱膨張率を有するため、図9に示すように熱膨張により生じる歪みは加熱処理後に発生する(図7に示すような、キーボードの底部が水平面の状態を保持するものを比較して参照)。熱膨張はキーボード30の両端部が僅かに上昇し、割れ目をなす原因となる。同割れ目は基板35と水平線32との間における高さの差Dである。即ち、封止層と基板35とは完全には連結できない。あまりに多くの液体がこぼされて、キーボード30に進入すると、液体は排出されることなく封止層38と基板35との間の割れ目に保持されるか、或いは液体は割れ目に沿って下部のマザーボードに流入し、マザーボードの正常な作動を妨害する損傷の原因となる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
簡潔にまとめると、基板と封止層には異なる熱膨張率を有する2つの異なる物質を使用する。従って、キーボードの歪みが加熱処理後に発生する。歪みにより封止層と基板とは完全に連結することが防止され、液体はキーボードの下のマザーボードに流入する。これはマザーボードの正常な作動を妨害する損傷の原因となる。従って、関連産業はこのような技術的課題を解決する必要がある。
【0009】
本発明の目的は不注意にこぼした液体が下方のマザーボードに流入し、同マザーボードに損傷を与えることを防止する防水仕様のキーボードを提供することにある。
本発明の別の目的は基板及び封止層からなる周知のキーボードへの歪みの短所を克服する防水仕様のキーボードを提供することにある。歪みは基板及び封止層に異なる物質が使用されているため熱膨張率に差が生じることにより、熱処理後にこれらが完全に連結されることが防止されることに起因する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
防水仕様のキーボードはキーと、弾性を備えたゴム層と、回路層と、基板と、封止層から構成される。キーは上面に複数の開口部が設けられた基板上に取り付けられる。封止層は基板の底面の下面に設けられる。基板上の開口部に対応して、接着剤がそれぞれ封止層上に形成され、これにより封止層が基板の底面に対して堅固に接着可能となる。
【0011】
封止層上の接着剤はそれぞれ基板上の各開口部の端部の周囲に設けられる。
封止層上の接着剤はそれぞれ基板上の各開口部の端部を覆うことにより設けられる。
封止層上の接着剤はそれぞれプリント技術により形成される。
封止層上の接着剤はそれぞれグルーである。
別例における防水仕様のキーボードはキーと、弾性を備えたゴム層と、回路層と、基板と、封止層から構成される。キーは上面に複数の開口部が設けられた基板上に取り付けられる。封止層は基板の底面の下面に設けられ、更に同基板上の開口部に対応すべく複数の領域に分割される。接着剤は封止層上の複数の領域にそれぞれ形成され、これにより封止層は基板の底面に対して堅固に接着可能となる。
【0012】
封止層上の接着剤はそれぞれ各領域の端部の周囲に設けられる。
封止層上の接着剤はそれぞれ各領域の全体を覆うことにより設けられる。
封止層上の接着剤はそれぞれプリント技術により形成される。
封止層上の接着剤はそれぞれグルーである。
本発明の防水仕様のキーボードは、基板の底面上の開口部に対応すべく接着剤をそれぞれ封止層上に設けることにより、封止層と基板とをより堅固に連結する。これにより、周知の技術によるキーボードへの歪みの短所、即ち基板と封止層とに異なる物質を使用することにより熱膨張率に差が生じることに起因する歪みの短所を好適に克服する。更に、歪みにより周知のキーボードの封止層と基板とが完全に連結されることが防止され、これにより液体がキーボード下のマザーボードに流入して同マザーボードの正常な作動を妨害する損傷の原因となるという短所も好適に克服する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図10乃至13は本発明の様々な実施例を示す。図10及び11は防水仕様のキーボードの封止層を示す平面図である。図12及び13は防水仕様のキーボードの封止層を示す底面図である。封止層60を除き、防水仕様のキーボードの要素は図1乃至9に示す周知のキーボードの要素と同じである。
【0014】
図10は本発明の第1の実施例を示す。接着剤61は(図12に示す)基板上の開口部51の端部に対応すべく、基板の底面の下面に設けられる封止層60上にそれぞれ形成される。封止層上の接着剤61はそれぞれ基板上の各開口部の端部の周囲に設けられる。複数の接着剤61が基板に接着されるように設けられ、これにより封止層60と基板とがより堅固に連結可能となる。
【0015】
通常の接着技術を使用して、封止層60上において複数の接着剤61が開口部51の端部に接着される。そして、熱処理後に封止層60及び基板の底面は堅固に連結可能である。周知のキーボードにおいては、グルーは基板の底面の端部にのみ塗布されるか、又は封止層の端部にのみ塗布される。基板と封止層とには異なる物質が使用されているため膨張率に差が生じ、これにより歪みが熱処理後に発生することとなる。歪みにより封止層及び基板は完全に連結されることが防止され、更に割れ目を生じ得る。過度の量の飲料のような液体が不注意にキーボード上にこぼれた場合に、液体は排出されることなく封止層及び基板35の間の割れ目に留まるか、或いは液体は割れ目に沿って下方のマザーボードに流れ、マザーボードの正常な作動を妨害する損傷の原因となる。しかしながら、本発明の防水仕様のキーボードを使用することにより、上記課題は解決可能となる。
【0016】
図11は本発明の第2の実施例を示す。接着剤61はそれぞれ封止層60上に形成される。封止層60は基板の底面下において基板上の(図12に示す)開口部51に対応すべく設けられる。封止層上の接着剤61は基板上の各開口部を覆うべくそれぞれ設けられる。複数の接着剤61は基板に接着されるように設けられ、これにより封止層60及び基板は堅固に連結可能となる。この接着剤を設ける方法により、図10に示す実施例の効果と同等の効果を生じさせることができる。
【0017】
図12に本発明の第3の実施例を示す。防水仕様のキーボードの封止層60は基板の底面下に設けられる。封止層は基板上の複数の開口部51に対応すべく複数の領域62に分割される。接着剤61は各領域62の端部を包囲することによりそれぞれ同領域に設けられる。これにより封止層60は基板の底面に堅固に接着可能となる。この接着剤を設ける方法により図10に示す実施例の効果と同等の効果を生じさせることができる。
【0018】
図13に本発明の第4の実施例を示す。防水仕様のキーボードの封止層60は基板の底面下に設けられる。封止層は基板上の複数の開口部51に対応すべく複数の領域62に分割される。接着剤61は各領域62の全体を覆うことによりそれぞれ同領域に設けられる。これにより封止層60は基板の底面に堅固に接着可能となる。この接着剤を設ける方法により図10に示す実施例の効果と同等の効果を生じさせることができる。
【0019】
本発明の防水仕様のキーボードの別例において、接着剤は封止層と基板の両者に接着可能なグルーやその他の物質であってもよい。更に、封止層上の接着剤はプリント技術により形成される。
【0020】
本発明の防水仕様のキーボードにおいて、基板の底面上の開口部に対応すべく接着剤を設けることにより、封止層と基板とは堅固に一体的に構成可能となる。従って、周知のキーボードにおいて封止層と基板とに異なる物質が使用され、これにより熱膨張率に差が生じることとなったがために歪みが発生してしまうという課題を好適に解決可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】ディスプレイスクリーンを開いたノートブック型コンピュータの正面斜視図。
【図2】図1に示すノートブック型コンピュータに使用される周知のキーボードの正面斜視図。
【図3】図2に示すキーボードの平面図。
【図4】図2に示す、基板から分離する封止層を備えたキーボードの正面分解図。
【図5】図4に示すキーボードの平面図。
【図6】図4に示す、基板と接着する封止層を備えた基板の底面図。
【図7】図3に示すキーボードをA−A線に沿って切断した断面図。
【図8】図7に示すキーボードの部分拡大図。
【図9】加熱処理後の周知のキーボードの歪みを示す概略図。
【図10】本発明の第1の実施例における防水仕様のキーボードの封止層を示す平面図。
【図11】本発明の第2の実施例における防水仕様のキーボードの封止層を示す平面図。
【図12】本発明の第3の実施例における防水仕様のキーボードを示す平面図。
【図13】本発明の第4の実施例における防水仕様のキーボードを示す平面図。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キーと、弾性を備えたゴム層と、回路層と、基板と、封止層からなる防水仕様のキーボードであって、該キーは上面に複数の開口部が設けられた基板上に取り付けられることと、該封止層は基板の底面下に設けられることと、該基板上の開口部に対応する接着剤がそれぞれ封止層上に形成され、これにより封止層が基板の底面に堅固に対して接着可能であることを特徴とする防水仕様のキーボード。
【請求項2】
前記封止層上の接着剤は基板上の各開口部の端部の周囲にそれぞれ設けられることを特徴とする請求項1に記載の防水仕様のキーボード。
【請求項3】
前記封止層上の接着剤は基板上の各開口部の全体を覆うことを特徴とする請求項1に記載の防水仕様のキーボード。
【請求項4】
前記封止層上の接着剤はそれぞれプリント技術により形成されることを特徴とする請求項1に記載の防水仕様のキーボード。
【請求項5】
前記封止層上の接着剤はそれぞれグルーであることを特徴とする請求項1に記載の防水仕様のキーボード。
【請求項6】
キーと、弾性を備えたゴム層と、回路層と、基板と、封止層からなる防水仕様のキーボードであって、該キーは上面に複数の開口部の領域が設けられた基板上に取り付けられることと、該封止層は基板の底面下に設けられて複数の対応する領域に分割されることと、該封止層上の複数の対応する領域において接着剤がそれぞれ形成され、これにより封止層が基板の底面に対して堅固に接着可能であることを特徴とする防水仕様のキーボード。
【請求項7】
前記封止層上の接着剤は各領域の端部の周囲にそれぞれ設けられることを特徴とする請求項6に記載の防水仕様のキーボード。
【請求項8】
前記封止層上の接着剤は各領域の全体を覆うことを特徴とする請求項6に記載の防水仕様のキーボード。
【請求項9】
前記封止層上の接着剤はそれぞれプリント技術により形成されることを特徴とする請求項6に記載の防水仕様のキーボード。
【請求項10】
前記封止層上の接着剤はそれぞれグルーであることを特徴とする請求項6に記載の防水仕様のキーボード。
【請求項1】
キーと、弾性を備えたゴム層と、回路層と、基板と、封止層からなる防水仕様のキーボードであって、該キーは上面に複数の開口部が設けられた基板上に取り付けられることと、該封止層は基板の底面下に設けられることと、該基板上の開口部に対応する接着剤がそれぞれ封止層上に形成され、これにより封止層が基板の底面に堅固に対して接着可能であることを特徴とする防水仕様のキーボード。
【請求項2】
前記封止層上の接着剤は基板上の各開口部の端部の周囲にそれぞれ設けられることを特徴とする請求項1に記載の防水仕様のキーボード。
【請求項3】
前記封止層上の接着剤は基板上の各開口部の全体を覆うことを特徴とする請求項1に記載の防水仕様のキーボード。
【請求項4】
前記封止層上の接着剤はそれぞれプリント技術により形成されることを特徴とする請求項1に記載の防水仕様のキーボード。
【請求項5】
前記封止層上の接着剤はそれぞれグルーであることを特徴とする請求項1に記載の防水仕様のキーボード。
【請求項6】
キーと、弾性を備えたゴム層と、回路層と、基板と、封止層からなる防水仕様のキーボードであって、該キーは上面に複数の開口部の領域が設けられた基板上に取り付けられることと、該封止層は基板の底面下に設けられて複数の対応する領域に分割されることと、該封止層上の複数の対応する領域において接着剤がそれぞれ形成され、これにより封止層が基板の底面に対して堅固に接着可能であることを特徴とする防水仕様のキーボード。
【請求項7】
前記封止層上の接着剤は各領域の端部の周囲にそれぞれ設けられることを特徴とする請求項6に記載の防水仕様のキーボード。
【請求項8】
前記封止層上の接着剤は各領域の全体を覆うことを特徴とする請求項6に記載の防水仕様のキーボード。
【請求項9】
前記封止層上の接着剤はそれぞれプリント技術により形成されることを特徴とする請求項6に記載の防水仕様のキーボード。
【請求項10】
前記封止層上の接着剤はそれぞれグルーであることを特徴とする請求項6に記載の防水仕様のキーボード。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2009−59340(P2009−59340A)
【公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−80659(P2008−80659)
【出願日】平成20年3月26日(2008.3.26)
【出願人】(502003253)チコニー エレクトロニクス カンパニー リミテッド (12)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−80659(P2008−80659)
【出願日】平成20年3月26日(2008.3.26)
【出願人】(502003253)チコニー エレクトロニクス カンパニー リミテッド (12)
【Fターム(参考)】
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