説明

防水及び通気性を具備した窓構造

【課題】 学校、病院、及びビル等の建築物の窓に適用される防水及び通気性を具備した窓構造が開示される。
【解決手段】 防水及び通気性を具備した窓構造は、外側窓、内側窓、及び固定手段を含む。外側窓は、所定の間隔をおいて外側換気孔が形成される。内側窓は、外側換気孔と対応するように内側換気孔が形成される。固定手段は、内側窓が外側窓の一側に密着され内側窓及び外側窓のうち少なくとも1つがスライド移動できるように構成される。この際、内側窓及び外側窓のうち少なくとも1つがスライド移動することにより内側窓の内側換気孔及び前記外側窓の外側換気孔は交互に配置される。従って、室内の空気を換気又は遮断させることができ、雨風が吹き付ける日に雨水が室内に入らないようにしながらも、室内の空気を換気させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、学校、病院、及びビル等の建築物の窓に適用され室内と室外との間の通風が可能であり、雨風が吹き付ける日に室外の雨水が室内に降り込まないように構成された防水及び通気性を具備した窓構造に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、公共建物、作業場、事務室、及び共同住宅等を含む各種建築物には、透明なガラス窓が普遍的に設置されるが、前記のガラス窓は、生活空間に対する美麗な景観の確保と、充分な日照量の確保、断熱と防音機能の付与、及び外部汚染物質の流入を遮断して、快適な室内環境を造成するために、等多様な目的として設置されている。
【0003】
何よりも、窓は開閉可能に設置されることにより、窓の開閉を通じて室内の空気を換気させるのが最も重要な機能である。特に、最近は、室内空気は室内で食べ物を作る過程で発生する燃焼ガスや各種建築材料と電子機器によって発生する有害物質等によって汚染されやすいが、このように汚染された空気が室内に持続的に蓄積されると、事務室で勤務する会社員や住宅の居住者の健康を悪化させ、各種疾病を誘発させる虞があるので、これを防止するために、室内の空気をよく換気させなければならない。
【0004】
現在、一般的に広く使用されている建築物のガラス窓は、図1に示すように、ガラス窓10の下端に形成された窓20のハンドル31を回転させて窓20を窓枠30に固定している掛け具32の固定を解除した後、窓20を建物の外側に押して、窓20が開かれるようにすることにより、空気を循環させる構造である。
【0005】
前記のような一般的な構造の窓20は、雨風が吹き付ける日に雨水が室内に入るので、雨降る日には窓20を開くことができないという問題点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、本発明は、このような問題点を解決するためのもので、本発明は、換気孔が穿孔された二重のガラスを対面させて窓を構成することにより、二重の窓のうち、内側又は外側の窓がスライド移動しつつ換気孔を選択的に開閉することができる防水及び通気性を具備した窓構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の目的を達成するために、本発明の一実施例による防水及び通気性を具備した窓構造は、外側窓、内側窓、及び固定手段を含む。前記外側窓には、所定の間隔をおいて外側換気孔が形成される。前記内側窓には、前記外側換気孔と対応するように内側換気孔が形成される。前記固定手段は、前記内側窓が前記外側窓の一側に密着され前記内側窓及び前記外側窓のうち少なくとも1つがスライド移動できるように構成される。この際、前記内側窓及び前記外側窓のうち少なくとも1つがスライド移動することにより前記内側窓の内側換気孔及び前記外側窓の外側換気孔は交互に配置される。
【0008】
この際、前記内側窓には、ハンドルが形成されることができる。
【0009】
又、前記固定手段は、内側窓の上下側に形成されたスライディングガイドでも良い。
【0010】
一実施例として、前記窓構造は、前記内側窓の内側換気孔の間に配置され、前記外側窓側に突出した嵌め具を更に含むことができ、前記内側窓及び前記外側窓のうち少なくとも1つがスライド移動することにより前記嵌め具が前記外側窓の外側換気孔を開閉するように構成されることができる。
【0011】
他の実施例として、前記窓構造は、前記外側窓の外側換気孔の間に配置され、前記内側窓側に突出した嵌め具を更に含むことができ、前記内側窓及び前記外側窓のうち少なくとも1つがスライド移動することにより前記嵌め具が前記内側窓の内側換気孔を開閉するように構成されることができる。
【0012】
前記嵌め具300は、一例として、弾性材質であり得る。
【0013】
一方、前記窓構造は、前記内側窓の内側に配置されスライド移動し、換気孔が形成されない主窓を更に含むことができ、この際、前記内側窓及び前記外側窓は脱着可能な補助窓として活用されることができる。
【0014】
一実施例として、前記窓構造は、前記内側窓と前記外側窓との間に配置された防虫網を更に含むことができる。この際、前記防虫網は、一側から他側に向かって広がるようにロールスクリーン形態に形成されることができる。
【0015】
一実施例として、前記内側窓は、一側が固定され所定角度に開閉することができる。
【発明の効果】
【0016】
このような防水及び通気性を具備した窓構造によると、内側窓及び外側窓のうち少なくとも1つがスライド移動することにより、内側窓の内側換気孔及び外側窓の外側換気孔が交互に配置されるので、室内の空気を換気又は遮断させることができ、雨風が吹き付ける日に雨水が室内に降り込まないようにしながらも、室内の空気を換気させることができる。
【0017】
又、内側窓又は外側窓に嵌め具を配置することにより、内側窓又は外側窓を選択的に開閉することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】従来の窓を示す斜視図である。
【図2】本発明による窓を示す正面図である。
【図3】図2のA−A線断面図である。
【図4】外側窓に嵌め具が付着された状態を示す分解斜視図である。
【図5】内側窓に嵌め具が付着された状態を示す分解斜視図である。
【図6】内側窓のスライド移動による換気状態を示す状態図である。
【図7】内側窓のスライド移動による換気状態を示す状態図である。
【図8】内側窓のスライド移動による換気状態を示す状態図である。
【図9】嵌め具を外側窓又は内側窓に装着する他の形態の実施例である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、添付する図面を参照して本発明を詳細に説明する。
図2は、本発明による窓を示した正面図であり、図3は、図2のA−Aに沿って見た断面図であり、図4は、外側窓に嵌め具の付着された状態を示した分解斜視図であり、図5は、内側窓に嵌め具の付着された状態を示した分解斜視図であり、図6乃至図8は、内側窓のスライド移動による換気状態を示した状態図であり、図9は、嵌め具を外側窓または内側窓に装着する他の形態の実施例である。
【0020】
本発明による放水及び通気性を具備した窓の構造は、図2及び図3に示したように、外側窓200と、前記外側窓200の室内側の方向に重なって2重に設けうる内側窓100で構成される。この際、使用者が前記内側窓100を容易に開閉しうるように内側窓100にハンドル102を形成してもよい。前記内側窓100及び前記外側窓200のうち少なくとも一つは、スライド移動することが可能である。
【0021】
前記内側窓100は、窓枠30または外側窓200に形成された固定手段によって外側窓200に密着するように付着することができるものの、本発明の一実施例として図2及び図3に示したように窓枠30に形成されたスライディングガイド103が内側窓100を外側窓200に密着させながら内側窓100がスライディング移動できるように構成する。勿論、本発明の固定手段は、前記のようにスライディングガイド103に限定されるのではなく、内側窓100が外側窓200に密着されかつスライディング移動可能な全ての構成を意味するのである。
【0022】
前記窓の構造は、図2に示したように、前記外側窓200は、所定の間隔に離隔されて外側換気孔201が形成され、前記内側窓100は、前記外側換気孔201と対応するように内側換気孔101が形成される。例えば、前記外側窓200に穿孔された外側換気孔201と内側窓100に穿孔された内側換気孔101とは互いに対応するように、即ち、同一の形状と位置に穿孔することができる。
【0023】
前記のような窓の構造によると、内側窓100及び外側窓200の少なくとも一つがスライド移動することによって内側窓100の内側換気孔101及び外側窓200の外側換気孔201とが交互に配置されることが可能である。よって、雨風が吹き付ける日に雨水が室内に降り込まないようにしながらも室内の空気を換気させることができる。また、内側換気孔101及び外側換気孔201の大きさと孔との間隔を調節して交互に配置すると、前記窓の構造を防虫網の代用として活用することもできる。
【0024】
一方、図4に示したように、放水及び通気性を具備した窓の構造は、外側窓200の外側換気孔201の間に配置され、内側窓100の方に突出した嵌め具300を含むことができる。他の実施例で、図5に示したように、前記嵌め具300は、前記内側窓100の内側換気孔101の間に配置され、前記外側窓200の方に突出することが可能である。
【0025】
また、図9に示したように、前記内側窓100の内側換気孔101または前記外側窓200の外側換気孔201の間に挿入口302を穿孔し、前記挿入口302に嵌め補助具301を挿入して構成してもよい。
【0026】
前記の嵌め補助具301は、両側に固定片303が形成されることによって、嵌め補助具301を挿入口302に挿入すると、軟質の固定片303が収縮されながら嵌め補助具301が挿入口302に挿入される。前記嵌め補助具301が挿入口302に挿入されると、固定片303のキャッチングジョーによって嵌め補助具301が挿入口302に固定される。
【0027】
前記のように構成された本発明の窓の構造は、外側窓200の室内側に内側窓100が前記外側窓200と密着して構成され、前記内側窓100及び前記外側窓200の少なくとも一つがスライド移動することによって前記内側窓100の内側換気孔101及び前記外側窓200の外側換気孔201が交互に配置されて換気させるか、あるいは前記嵌め具300が前記内側窓100の内側換気孔101又は前記外側窓200の外側換気孔201を開閉して換気させることができる。
【0028】
前記嵌め具300は、合成樹脂、シリコン、又はゴムなどの弾性のある材質で成型されることが望ましい。そして、窓の機能上、前記嵌め具300も透明な材質で成型することが望ましい。
【0029】
前述した窓の構造の作動を詳細に説明すると図6乃至図8のようである。
図6は、窓が開いて外部の空気が外側換気孔201及び内側換気孔101を通じて室内に流入される状態を示した断面図である。
【0030】
ここで、前記内側窓100の内側換気孔101と前記外側窓200の外側換気孔201は、同一の位置に配置されるので、外部の空気が前記内側換気孔101及び前記外側換気孔201を通じて室内に流入されることが可能である。
【0031】
一方、雨の日には外部の空気のみならず、雨が外側換気孔201及び内側換気孔101を通じて室内に流入されることが可能である。
【0032】
図7は、本発明の窓が半分ぐらい開けられた状態であって、この状態では雨風が強く吹き付ける日であるとしても外部の空気が室内に流入されることがあるが、雨は室内に流入されない状態である。
【0033】
図7を参照すると、外側窓200の外側換気孔201と内側窓100の内側換気孔101の位置は同一ではなく、前記外側窓200と前記内側窓100との間に配置された嵌め具300によって前記外側窓200と内側窓100は、所定間隔に離隔された状態である。
【0034】
よって、外部の雨が外側窓200の外側換気孔201を通じて降り込んだとしても外側換気孔201と内側換気孔101の位置が同一ではないので、雨水が内側換気孔101を通じて室内に流入されることを防止することができる。
【0035】
この際、外部の空気は外側窓200の外側換気孔201を通じて流入され、嵌め具300によって離隔された外側窓200と内側窓100の隙間を通過して内側窓100の内側換気孔101に流入されるが可能である。
【0036】
図8は、本発明の窓が閉められた状態を示した断面図であり、図7の状態で、内側窓100または外側窓200が所定方向にスライド移動され、前記外側窓200に配置された嵌め具300が前記内側窓100の内側換気孔101を閉鎖すると、窓が閉まるようになる。この場合、雨水は勿論、外部の空気も室内に流入されることが不可能である。
【0037】
図示していないが、雨の日に雨が外側窓200の外側換気孔201を通じて流入されたとき、流入された雨が外側窓200と内側窓100との間に溜まらないよう外側窓200の下端に雨水の排出のための排出孔(図示せず)を構成してもよい。
【0038】
一方、前記説明では、換気孔101、201と嵌め具300がそれぞれ順序に配列された構成で説明するしたが、換気孔101、201−換気孔101、201−嵌め具300−嵌め具300−換気孔101、201−換気孔101、201…などの配列としても本発明を実施することができ、これは本発明の範囲に含まれることと理解されるべきである。
【0039】
また、本発明では、ガラス材質の窓で説明したが、透明アクリル板、金属板、木板、または合板などの材質を用いてもよい。
【0040】
一方、他の実施例で、前記ガラスの構造は、前記内側窓100の内側に配置されてスライド移動し、換気孔の形成されていない主窓(図示せず)を更に含むことができる。ここで、前記内側窓100及び前記外側窓200は、着脱可能な補助窓として活用することができる。
【0041】
更に他の実施例で、前記窓の構造は、前記内側窓100と前記外側窓200との間に配置された防虫網(図示せず)を更に含むことができる。前記防虫網は、外部から室内に昆虫類や異物が流入されることを防止することができる。
【0042】
この際、前記防虫網は、一側から他側に向かって広がるようにロールスクリーンの形態に配置してもよい。例えば、前記防虫網は、上側から下側に広がるように形成され、下側に形成されたキャッチングジョに前記防虫網の一端がかかることによって固定されるように構成することができる。これとは違って、前記防虫網の下端にリングを形成し、下側に形成された掛け金に前記防虫網のリングが掛けられることで固定されるように構成することもできる。
【0043】
一方、前記内側窓100は、一側が固定されて所定角度に開閉することができる。一側が固定された前記内側窓100を室内側に引っ張って前記内側窓100を開けると、前記外側窓200と内側窓100との間に発生した異物を容易に除去することができる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特徴請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0045】
10 ガラス窓
20 窓
30 窓枠
31 ハンドル
32 掛け具
40 壁
100 内側窓
101 内側換気孔
102 ハンドル
103 スライディングガイド
200 外側窓
201 外側換気孔
300 嵌め具
301 嵌め補助具
302 挿入口
303 固定片

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の間隔をおいて外側換気孔201が形成された外側窓200と、
前記外側換気孔201と対応するように内側換気孔101が形成された内側窓100と、
前記内側窓100が前記外側窓200の一側に密着され前記内側窓100及び前記外側窓200のうち少なくとも1つがスライド移動できるように構成された固定手段と、を含み、
前記内側窓100及び前記外側窓200のうち少なくとも1つがスライド移動することにより前記内側窓100の内側換気孔101及び前記外側窓200の外側換気孔201は交互に配置されることを特徴とする防水及び通気性を具備した窓構造。
【請求項2】
前記内側窓100には、ハンドル102が形成されることを特徴とする請求項1記載の防水及び通気性を具備した窓構造。
【請求項3】
前記固定手段は、内側窓100の上下側に形成されたスライディングガイド103であることを特徴とする請求項1記載の防水及び通気性を具備した窓構造。
【請求項4】
前記内側窓100の内側換気孔101の間に配置され、前記外側窓200側に突出した嵌め具300を更に含み、
前記内側窓100及び前記外側窓200のうち少なくとも1つがスライド移動することにより前記嵌め具300が前記外側窓200の外側換気孔201を開閉するように構成されたことを特徴とする請求項1記載の防水及び通気性を具備した窓構造。
【請求項5】
前記外側窓200の外側換気孔201の間に配置され、前記内側窓100側に突出した嵌め具300を更に含み、
前記内側窓100及び前記外側窓200のうち少なくとも1つがスライド移動することにより前記嵌め具300が前記内側窓100の内側換気孔101を開閉するように構成されたことを特徴とする請求項1記載の防水及び通気性を具備した窓構造。
【請求項6】
前記嵌め具300は弾性材質であることを特徴とする請求項4又は5記載の防水及び通気性を具備した窓構造。
【請求項7】
前記内側窓100の内側に配置されスライド移動し、換気孔が形成されない主窓を更に含むことを特徴とする請求項1記載の防水及び通気性を具備した窓構造。
【請求項8】
前記内側窓100と前記外側窓200との間に配置された防虫網を更に含むことを特徴とする請求項1記載の防水及び通気性を具備した窓構造。
【請求項9】
前記防虫網は、一側から他側に向かって広がるようにロールスクリーン形態に形成されたことを特徴とする請求項8記載の防水及び通気性を具備した窓構造。
【請求項10】
前記内側窓100は、一側が固定され所定角度に開閉が可能であることを特徴とする請求項1記載の防水及び通気性を具備した窓構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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