説明

防水構造及び防水構造形成方法

【課題】 従来の塗膜防水工法では、施工後の湧水、ガスの発生、クラックなどで防水性能が失われることがあった。一方、シート防水では、複雑な形状には適用しにくく、シート間の継目や固定部で破損が生じ、防水性能が失われることがあった。
【解決手段】施工される構造体1の上に、遮蔽フィルム2を、構造体全面に密着させないように固定し、この上に樹脂層5を形成する。遮蔽フィルム2と構造体1の間で湧水、水蒸気などを流出させることにより破損の危険性を大幅に低下させる。樹脂層5は、遮蔽フィルムの上から構造体1に締結要素4により固定された固着補強要素3に固着させることで構造体と連結する。これにより剥落などに対し十分な強度が付与される。また、構造体1と遮蔽フィルム2の間に流れる流体を検査することにより、漏洩の有無を検査できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、樹脂による構造体の防水構造、及び、防水構造を形成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の構造体の防水構造は、下地にプライマーを塗布し、樹脂を塗ることにより塗膜を形成する塗膜防水工法(例えば特許文献1参照)と、シート状の皮膜をコンクリート面に接着、又は機械的に接合し、シート間のつなぎ目を熱溶着、接着等で接合するシート工法(例えば特許文献2参照)がある。また、乾燥が困難な施工場所では、湿潤接着性エポキシ樹脂を用いた工法もある。(例えば特許文献3参照)更に、施工後において湧水が生じた場合、樋を設置する工法(例えば特許文献4参照)が提案されている。
【0003】
一方施工性の向上、構造体からの水蒸気を有効に逃がす手段としてシートを接着又は機会結合により防水面に取り付けその上からFRPを積層する方法(例えば特許文献5)や、ウレタン樹脂を塗布する方法(例えば特許文献6)も提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−259493号公報
【特許文献2】特開2002−195000号公報
【特許文献3】特開2002−292335号公報
【特許文献4】特開2003−172099号公報
【特許文献5】特開2004−003137号公報
【特許文献6】特開2001−303723号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
強度の低い樹脂での塗膜防水工法や、接着によるシート工法は、塗膜全面が塗膜及びシートよりも剛性、強度ともに高い構造体に被着されることで皮膜が補強(母材効果)される必要がある。
【0006】
しかしながら、接着された塗膜及びシートは構造体にクラックが発生すると追従できずに破れ、防水性能が失われたり、構造体から湧水や水蒸気などが流出する場合、その圧力を逃がせないために、接着の比較的弱い部分や構造体の表面の弱い部分から剥離が始まり、膨れが生じ破損する。特に、トンネル、地中の水槽、地下設備では、地盤の変動や高い圧力の湧水、コンクリートの剥落などにより、塗膜及びシートが破損することが多い。
【0007】
また、施工においては、全面を十分な強度で被着させるためには、構造体の構成素材の水分が十分抜けるまでの養生期間が必要で、更にレイタンスの除去、空洞や継目の修復、旧塗膜の除去、表面の劣化コンクリートや腐食部の除去、脱脂などに多大な労力と施工時間を要するが、これらを省略すれば、施工中のピンホールや、施工後の膨れが生じる。
【0008】
一方、機械式結合によるシート防水では、クラックの影響や構造体からの湧水及び発生ガスなどの影響は受けにくいものの、通常、アンカーなどの締結要素をシートの上から打ち込むので、後からこの部分を防水する必要があり、これは二次接着となり強度及び信頼性が低下し、更に、この箇所は応力集中が生じるので破損が発生しやすい。更に、シートの継目から破損することもある。特に防水面が複雑な形状の場合、結合部が増え、施工時間が長くなり、信頼性は低下する上、3次元曲面のように適用が不可能な場合もある。
【0009】
これらの問題を解決するために、先にシートを敷き機械的に固定した上でウレタン防水材を塗布する方法も提案されているが、固定部強度は先に引いたシートに依存するため湧水、剥落、槽内液体の攪拌などの荷重には耐えられない。このため、用途は屋上防水などの負荷の小さい箇所に限られる。また、下地のシートに強度が必要で、ウレタン防水剤と下地シートの接合にも十分な強度が要求される。このことは、それぞれの欠点を補うために2重の材料と施工が必要であることを意味している。また、強度のある下地材は、シート防水と同様、複雑な形状や3次元曲面になじませることが出来ない。
【0010】
また、、先にシートを敷きその上でFRPを積層する方法は、FRPの中間層で、機械的に固定をすることで防水と機械的強度の両立を図っているが、面外方向に荷重がかかった場合、層間に応力がかかり、その上、曲げ応力も発生するため高い強度とするためには十分な積層数が必要で、材料の使用量、施工時間とも増加してしまう。更に、ウレタン等の樹脂系防水材に比べ面内剛性がはるかに高いため熱膨張や構造体の変形で、機械的な結合部で繰り返し大きな力が作用し、結合部が破損する。
【0011】
樋を敷設する工法では、あらかじめ湧水位置が把握できなければならないため、補修以外には利用できず、また、新たな湧水が生じるとそのたびに施工する必要がある。
【0012】
更に、既設の構造体の場合、施工期間が限られることが多く、上に述べた、従来の工法では、強度不足など不完全な防水施工となったり、補修期間が取れず防水機能が損なわれているまま使用せざるを得ないことも多い。
【0013】
密着させる防水構造の槽では、防水膜の破損状況が感知しにくく、主に定期検査での排液後の目視検査に頼らざるを得ない。この場合、微細な漏洩箇所を検知することは難しく、また、運用中は、液量が急激に減少するなど極端な場合を除いて漏洩を検知することは不可能である。
【0014】
密着させる防水構造では、一度防水膜が形成されると、構造物への関与は出来ない。このため、構造物内ではすでに侵入した有害物質や、クラック等による外部からの有害物質の侵入による劣化を阻止することが出来ない。
【0015】
本発明は、このような従来の工法が有していた問題を解決しようとするものであり、構造体から流入する液体、気体の圧力を有効に逃がし、かつ防水膜が受ける荷重を高い信頼性で保持し、湿潤面に対しても短時間で製作することができる継目のない防水構造を実現するこを目的とするものである。また、この防水構造により、漏洩検知、防水施工後の構造体の表面の薬液処理も可能とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
そして、本発明は、上記目的を達成するために、まず、遮蔽フィルムを構造体に隙間が無いように配して、作業終了まで、ずれ、剥がれないように接着、テープ、釘などで固定する。次に、この遮蔽フィルムの上から、固着補強要素を締結要素により構造体に結合する。次に、遮蔽フィルムおよび固着補強要素および締結要素の上から、隙間が無いように防水面全面に樹脂を塗り樹脂層とし防水構造を得る。
【0017】
前記遮蔽フィルムは防水膜を形成する前記樹脂層を構造体に密着させないことで湧水、ガスなどを逃がす流路を確保し、前記樹脂層の硬化時においては構造体表面からの水、油、水蒸気、ガス、空隙などの影響を遮蔽する。
【0018】
遮蔽フィルムは、樹脂層が硬化した後の荷重を負担させる必要が無いため、薄いもの、柔軟なものでも良く、また、細かくつなぎ合わせて複雑な形状に沿わせることも出来る。また、外側に凸の局面では熱収縮フィルムを使用することも出来る。遮蔽フィルムの接合部から防水樹脂層に大きな力が作用しないように、遮蔽フイルムは樹脂層よりも剛性が低いものか、樹脂層との接着性の悪いものが望ましい。また、長期間の耐久性は要求されない。
【0019】
前記固着補強要素は、樹脂層を構造体に固着させ、広い面積で受ける外力による荷重に対して樹脂層を補強するとともに、樹脂層のたわみを抑制するためのものである。
【0020】
固着補強要素は、必要な強度を有したものを使用し、特に、結合要素部では応力集中が起こるので、必要に応じダブラーなどで補強する。また、本発明の構造は、張力場構造なので、材料の強度だけではなく伸びも負荷できる荷重に影響を与えるので、強度が確保でき、かつ要求されるたわみ量以下となる面内剛性、強度となるような材料及び形状のものを使用する。更に、集中荷重部や締結要素部で局所的に屈曲が生じるので、この屈曲に対しての十分な柔軟性を有するものを選択する。また、その素材は、使用環境下において必要な耐久性を有したものとする。
【0021】
固着補強要素の配置は、要求されるたわみ量と強度から決定され、並行に配置することも出来るし、格子状とすることも出来る。また、たわみに対する許容値が大きい場合や、高い負荷が作用しない場合は、固着補強要素が締結要素間で連続ではなく、締結要素周辺にのみ配置されることも可能である。逆に、たわみの許容値が小さい場合は、全面に配置することも出来る。
【0022】
前記締結要素は、防水構造全体を構造体に締結するためのものであり、アンカー、スクリューなどが利用できるが、必要な強度が得られるように選定され、また、その素材は、使用環境下において必要な耐久性を有したものとしなければならない。
【0023】
前記樹脂層は、密な膜を形成し、防水、剥落の阻止、構造体に有害な液体、気体を遮断するためのものである。
【0024】
前記樹脂層の樹脂は硬化後に必要な強度および柔軟性を発現するもので無ければならない。特に、固着補強要素との結合部では応力集中が起こるので、必要に応じ増厚などで補強する。本発明の構造は、張力構造なので、材料の強度だけではなく破断伸びも負荷できる荷重に影響を与えるので、強度が確保できる以上のたわみ量が得られることとと、逆に要求されるたわみ量以下となることが両立する面内剛性のものを使用する。また、集中荷重部や締結要素部および固着補強要素との結合部で局所的に屈曲が生じるので、この屈曲に対して破損しない十分な柔軟性も必要である。また、その素材は、固着補強要素との十分な固着力が得られ、使用環境下において必要な耐久性を有したものとしなければならない。
【0025】
第2の解決手段は、固着補強要素にパンチングメタルのような複数の穴を開けた穴付板又はメッシュプレート、網、織物を用い、板の穴や網の素線、織物の繊維に絡みつくように樹脂を塗ることで、樹脂層と固着補強要素を機械的に結合させる構成としたものである。これにより、接着のみによる方法に比べ、高い強度と信頼性が得られる。
【0026】
第3の解決手段は、ポリウレア、速乾性ポリウレタン、またはこれらのハイブリッドの柔軟性が高く短時間で硬化する樹脂を樹脂層の材料として用いることである。これにより、屈曲部での柔軟性を有しつつ必要な強度および面内剛性となる厚さの樹脂層を短時間に製作することが出来る。特に、湿潤環境では、硬化反応の安定性からポリウレアが最も望ましい。
【0027】
第4の解決手段は、遮蔽フィルムと構造体の間を流れる液体及び気体を採取し、検査することで、防水構造の健全性の確認を行い、漏洩防止の信頼性を上げることである。
【0028】
第5の解決手段は、遮蔽フィルムと構造体の間に、アルカリ補填剤、防錆剤、防黴剤、殺菌剤などを注入することで、構造体を延命化や、衛生面の向上を行うことである。
【発明の効果】
【0029】
上述したように、構造体から流出する湧水および水蒸気などのガスによる圧力は、構造体と遮蔽フィルムの間を自由に流れるため防水構造を破壊する高い圧力とはならず、構造体に付着していないためクラックの影響を受けず、膨れ、破損が生じない防水構造を提供できる。また、樹脂層が受けた外力は、固着補強要素に伝わり締結要素を経て構造体へと伝えられるため、締結要素での樹脂層の応力集中が緩和され、更に、締結要素部や複雑な形状部でも樹脂層が一体で成形されるため二次接着となる箇所が無く、高い信頼性と強度のある防水構造を提供できる。
【0030】
施工時においては遮蔽フィルムにより、樹脂層の硬化時に構造体表面の影響を遮断するため、レイタンス層の除去や空隙部の穴埋めなどの下地処理が不要で、構造体の表面が塗れていたり含水率が高い場合でも施工でき、ピンホールなどの不具合の無い防水構造を短時間で提供することが出来る。
【0031】
第2の解決手段により、固着補強要素と皮膜が化学的結合だけでなく、機械的な結合となるため、さらに高い強度と信頼性が得られる。特に、湿潤環境ではポリウレア樹脂との組み合わせで、結露の可能性がある場合でも施工することが可能となる。
【0032】
第3の解決手段により、硬化、塗布を繰り返して皮膜の厚さを作る必要が無いため、母材効果が無くとも十分な強度となる厚さの樹脂層を、さらに短時間で提供することが出来る。また、柔軟性が高いため、構造体から流出する湧水、水蒸気などのガスによる圧力の変動、温度変化に伴う伸縮による繰り返し荷重や、屈曲、構造体のクラック、剥落時の衝撃、磨耗などに対してさらに高い強度と信頼性が得られる。
【0033】
第4の解決手段により、この発明を適用した液体を入れる槽では、運用中に漏洩のモニターが可能となり、漏洩事故を防ぐことが出来る。
【0034】
第5の解決手段により、この発明を適用した構造体では、運用中にコンクリート面の薬剤処理が可能となり、構造体の延命、衛生面の向上を図ることが出来る。
【0035】
上記すべて、または一部の効果は、防水の要求される構造体の多くに有効であるが、湧水、剥落などの構造体側から防水構造に外力が作用する場所での使用が特に有効である。また、吸湿性のあるコンクリート、モルタル、石膏ボード、木材などが素材の構造体や、乾燥や表面劣化部の除去に時間がかかる欠損のあるFRP、腐食した金属などに有効である。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】この発明の実施形態を示す断面図である。
【図2】この発明の第一実施形態の一例(地下廃液槽)を示す斜視図である。
【図3】この発明の第一実施形態における排水機構を示す断面図である。
【図4】この発明の第二実施形態の一例(トンネル内壁)の斜視図である。
【図5】この発明の試験例1の試験状況の斜視図である。
【図6】この発明の剥落があった場合の強度計算モデルである。
【図7】この発明の試験例2の試験片の平面図である。
【図8】試験例2で用いた装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、図面を参照して、この発明の実施形態について詳しく説明する。図1は、この発明による防水構造の断面図である。図1の1は、防水を行う構造体で、1aは1の構造の表面にある従来の塗膜防水工法やシート防水の接着工法では除去しなければならない旧塗膜、腐食層、レイタンス層などで、1bは表面の空隙を現している。
【0038】
構造体として修繕すべき破損部や、すでに膨れ、破れの生じた旧塗膜および樹脂層を傷つける可能性のある突起部などの補修、除去を行った後、それ以上は1aおよび1bは何も処置することなく、ゴム、合成樹脂、防水紙、布、金属箔のうちひとつ、または複数種を組み合わせた遮蔽フィルム2を、テープ、接着剤、釘、ピンまたはこれに類するもののうち、一種類又は複数種を組み合わせて隙間が無いように固定する。この固定は、樹脂層5の硬化が終わるまで維持できれば良く、また、本発明の耐クラックや湧水に対する効果を出すために強固な広い面積の接着は避けなければならない。
【0039】
遮蔽フィルム2の目的は構造体と樹脂層を接着、接触させないことにあるので、防音、保温など他の目的が無い場合は耐久性を考慮しない安価な材料でよいが、水分、ガスを透過させない素材とする。遮蔽フィルムの端部同士は重なってもよい。
【0040】
この上から、ステンレス又はアルミ又はFRPまたはこれに類するもののうち、一種類又は複数種を組み合わせた板や、ステンレス線、ガラス繊維、アラミド繊維、カーボン繊維、合成樹脂繊維またはこれに類するもののうち、一種類又は複数種を組み合わせた網による固着補強要素3を締結要素4で固定する。遮蔽フィルム2端部、固着補強要素3端部、締結要素4と遮蔽フィルム2の間に隙間がある場合は、充填材などで埋めておくか、テープで隙間の無い状態とする。
【0041】
外力が大きい場合は、固着補強要素3には網又は織物又はパンチングメタルのように複数の穴を開けたを穴付板を使用し樹脂層5が硬化後に機械的に結合されることが好ましい。外力が小さく穴のない板を使用する場合、使用する固着補強要素の材料及び樹脂に適合した研磨、脱脂、イトロ処理、化成処理、プライマー処理などのうち一種類又は複数種類の組み合わせによる表面処理を行うことが好ましい。網又は複数の穴を開けたを穴付板の場合でも、前記表面処理を行ってもよい。
【0042】
締結要素4が取り付けられる部分は、固着補強要素3にダブラーや端部金具3aをハンダ付け、ロウ付け、溶接、増厚、樹脂含浸などで補強することも出来る。
【0043】
締結要素4は、アンカー、釘、スクリュー等の使用環境で劣化が無く、十分な強度があるものを選択する。また、これらを組み合わせることも出来、必要に応じ座金やあて板を使用する。特に、ステンレスが腐食される環境では、PEEKなどの樹脂製の締結要素4遮蔽フィルム2を貼り付ける前に構造体に埋め込んでおくことも可能である。
【0044】
樹脂を塗布する前に締結要素にキャップ6をかぶせておくことにより、キャップ6の周囲ををカッターなどで切り開けることで、補修時、解体時などに容易に防水構造を除去することが出来るようにすることも出来る。
【0045】
次に、樹脂を遮蔽フィルム2および固着補強要素3に対して、連続的に塗布し樹脂層5を作る。この樹脂層5の厚さは、外力により破損せず、予想される剥落などでのたわみが事故につながらないように決定する。固着補強要素3の上とその周囲を厚くすることで、少ない材料で強度を上げることもできる。樹脂層5の材料としては、使用環境で劣化せず十分な柔軟性と強度を有する防水として利用できる各種の樹脂が使用できるが、垂直面でも短時間で必要な膜厚を確保できるポリウレア、ポリウレタン、またはこれらのハイブリッドの短時間硬化樹脂が好ましく、更に湿潤環境では反応の安定性からウレタン結合によらないピュアポリウレアが最も望ましい。
【0046】
湧水がある構造体においては排水装置、水蒸気などのガスの発生が予想される構造体においては排気装置を適宜設置する。これらの装置は、使用環境や流量により、動力によるもの、重力のような自然力によるものが利用できる。
【0047】
「実施形態の効果」
構造体1の外側からの湧水の流入や、温度変化による構造体1内部からガスの発生があっても、適当な排気、排水設備を設置することにより、樹脂層5がたわみ流路が確保され圧力の上昇が抑えられるとともに、機械結合でありながら固着補強要素により樹脂層の応力が軽減されるため、通常考えられる湧水程度では破損に至る可能性はない。
【0048】
構造体1に接着させていないため、たわみが生じることにより高い負荷に耐えることができ、クラックだけでなくコンクリートに剥落が生じても、防水性能が維持されるとともに落下事故の防止にもなる。この場合、たわみにより剥落の発生を容易に目視で検知することが出来る。
【0049】
また、固着補強要素3、締結要素4、樹脂層5の形状や素材の選択により各種状況に応じて必要な強度が得られる。また、主に機械的な結合によるため、信頼性が高く、特に固着補強要素3に穴付板、網、織物を用い樹脂を絡みつかせて樹脂層5を製作する方法では更に強度及び信頼性が向上する。
【0050】
新設のコンクリート構造においてはコンクリートの硬化直後より作業にかかれるため、工期が短縮され、また、新設、既設によらず、構造体1の施工面の乾燥、平滑化、レイタンス層、表面劣化層、旧塗膜の除去、プライマーの塗布が不要となるために、遮蔽フィルム2の貼り付け、固着補強要素3の固定作業を含めても作業時間が数分の1となる。また、これらの遮蔽フィルム2の貼り付け、固着補強要素3の固定作業は、補修用の樹脂モルタルやプライマーの工程と異なり硬化時間が必要ではなく、作業人員を増加させることにより時間を短縮することが可能なため、緊急性のある工事や、工場の稼働時間を確保したい場合などに特に有効である。更に、速乾性のポリウレタン樹脂やポリウレア樹脂を使用することで、工期が短縮される。
【0051】
遮蔽フィルム2により、樹脂層5の塗布作業中に空隙や水分の影響を受けないため、ピンホールの発生の可能性がまったく無く、防水性に対しても信頼性の高い防水構造が得られる。更に高湿度環境下でも、ピュアポリウレア樹脂の使用により、良好な樹脂層を得ることが出来る上、固着補強層に金属メッシュ、穴付板、織物を使用することで機械的な結合となるため、高い強度と信頼性の高い防水構造が得られる。
【0052】
施工後、新たな設備追加や部分補修の必要が生じたときも、容易に防水構造を除去することができ、作業後に再度同様な工法にて防水構造の復元が可能である。
【0053】
上記すべて、または一部の効果は、吸湿性のあるコンクリート、モルタル、石膏ボード、木材、欠損のあるFRP、防食性ないし防食処理された金属など、幅広い素材の構造体に有効である。
【実施例1】
【0054】
図2〜図4は、実施例1として、既存のコンクリート製の地下廃液槽への本発明の適用例の説明図である。
【0055】
図2はこの実施例の斜視図であり、天板と手前側の壁面2面を省略している。既存の廃液槽の場合、排水し、必要に応じて洗浄を行った後、構造体として修繕すべきコンクリートの破損部や、すでに膨れの生じた旧塗膜、防水構造を傷つける可能性のある突起部などの補修、除去を行う。その後、基本的にレイタンス層1aおよび空隙1bは何も処置することなく、合成樹脂フィルムの遮蔽フイルム2を、釘やピンにより隙間が無いように固定する。遮蔽フイルム2の端部は隣り合うフィルムにテープにて浮きが無いように貼り付ける。遮蔽フイルム2の端部同士は重なってもよい。
【0056】
この上から、30mm幅の素線径0.29mm、メッシュ数40本/インチのステンレスメッシュ3aに厚さ0.3mm、幅、長さがそれぞれ30mmのステンレス板をハンダ付けし固着補強要素端部金具3bとし、アンカー、釘などの締結要素4で固定する。廃液層の場合、締結要素4に大きな引抜力がかかることはないので、締結要素4は約1mのピッチで設置する。遮蔽フィルム2端部、固着補強要素3端部、締結要素4と遮蔽フィルム2の間に隙間がある場合は、充填材などで埋めておくか、テープで隙間の無い状態とする。
【0057】
次に、ポリウレア樹脂を専用装置を用いて全面に塗り樹脂層5を製作する。このとき、固着補強要素3には樹脂が含浸し、一体化された継目のない皮膜となる。樹脂層の厚みは、一般部で1.0mm、補強層3の周辺では3.0mmとする。図2では、天板、マンホールなどを省略したが、これらも、同様な方法で、連続した継目の無い防水皮膜を形成することが出来る。
【0058】
図3は、排水ピット7及びドレイン9を含む断面図である。地下水等の湧水に備え、図5のように、現有ピット6を2重にして、排水ポンプの給水部8を設置する。この場合、ピット6を二重にするための板7は、水が通り、貯水液の水圧に耐えうる構造としなければならない。板7には、他の部位と同じく遮蔽フィルム2を設置し、その後も他の部位と同じように施工を行う。排水ポンプの修理の際は、防水皮膜が密着していないので、カッター等で切り明ける、ポンプの修理後、本発明の方法により復旧する。このための、アクセスドアを設置しても良い。
【0059】
ドレイン部は、樹脂層5の施工前にパテ状の湿潤面用のエポキシ樹脂で処置しておき密着させるか、樹脂層5の施工後、壁面に押し付けるように加工したリング状の金具を中に入れて止水することも出来るし、これらを組み合わせることも可能である。配管10では、樹脂層5の施工後、ホースバンドを用い機械的に止水するか、コーキング剤を用いて止水するか、配管の素材が十分な接着力が得られるものであれば、洗浄、ケレン、脱脂後に信頼性のあるエポキシ樹脂プライマー等を使用してから、樹脂層5の施工を行い止水する。その他の貯水槽内の設備がある場合も同様に機械式又は、施工時の環境で信頼できるコーキング材で止水処理をするか、またはプライマー処理により樹脂を密着させる。
【0060】
その他、既設の設備の周りや、曲面部など複雑な形状がある箇所の場合は、遮蔽フィルム2を取付ける際にテープ、両面テープ、熱収縮フィルムなどを組み合わせて構造面と絶縁し、設備側端部は、パテ状のエポキシ樹脂で密着できるように処理するか、樹脂層5が硬化した後で、機械的またはパテ状のエポキシ樹脂、その他使用環境において信頼性のあるコーキング材などを用いて止水する。遮蔽フィルム2には、樹脂層5の硬化後の強度要求が不要となるので、構造側表面の影響を絶縁できれば、形状に合わせて各種素材をつなぎ合わせて使用することが出来る。
【0061】
ここでは、地下廃液槽を例として取り上げたが、地下廃液槽に限定するものではなく、養魚槽、上水槽、防火水槽などの地下、地上又は屋上の各種の槽、導水路、屋上緑化、池などの防水に適用することが可能である。また、これらに防音、保温、遮熱、補強を行う場合は、遮蔽フィルム2の下にこれらの性能を有する部材を置く事もできるし、遮蔽フィルム2にこれらの機能を有する素材を用いることも出来る。
【0062】
また、ステンレスの腐食環境では、先にコンクリート中に熱可塑性の樹脂製のピンを埋めておき、遮蔽フィルム2、ガラス、合成樹脂の織物の固着補強要素3をこのピンに通した後、ピンの先端を加熱変形させ可締めた状態とし固定することで、金属を使用しない防水構造とすることも出来る。
【0063】
塗膜工法と同じく連続した継目のない防水皮膜をとなり、かつ構造体側からの湧水や水蒸気、クラックなどで破損することが無い信頼性の高い防水構造が得られ、乾燥や下地処理が不要となるため、大幅な工期の短縮が図れる。
【0064】
また、従来の密着させる防水では、防水皮膜の破損による廃液の漏洩は、廃液を排水した上での点検まで発見できない。従って、定期的な点検までの間、廃液が周囲に漏洩し続けることになる。本発明では、コンクリートの亀裂の影響を防水皮膜が受けないため、防水構造が損傷する危険が少ないだけでなく、漏洩した廃液が、遮蔽フィルム2と構造1の間を流れて、図面3の板7の下へと流れるので、ここからの排水の量、水質をモニターすることで容易に、防水塗膜の欠損を検知できるので、周辺汚染の可能性、量ともに格段に減少する。
【実施例2】
【0065】
図4は、湧水とコンクリートの剥落の可能性があるトンネル内壁への実施例の斜視図である。図4では、被覆される構造体1は省略している。
【0066】
まず、樹脂フィルムの遮蔽フィルム2を、テープ、釘、ピンにて隙間が無いように固定する。その上から締結部をステンレス板をダブラーとして溶接したステンレスパンチングメタルの固着補強要素3を、アンカーなど強度の高い締結要素4で固定する。また、ドア等の開口部や、照明などの設備周りにも必要に応じて、その周囲にも固着補強要素3を設置する。固着補強要素3及び締結要素4の形状、設置間隔は、風圧、水圧、剥落など運用上受ける負荷に対して十分な強度が得られ、また、コンクリートの剥落時に危険なたわみが生じないように選択する。
【0067】
次に、被膜材料を塗らない路面上や、照明、配管類などを養生した後、専用装置を用いてポリウレア樹脂を吹き付け、樹脂層5を作ると同時に固着補強要素3のステンレスパンチングメタルの穴に流し入れ、結合させる。この際、被膜の下端5aは、湧水を逃がすために、他の部分同様、構造体には密着させない。樹脂層5の厚さは1.0mm以上とし、コンクリートの剥落時に危険なたわみが生じないように選択する。
【0068】
剥落に対してのたわみの許容値が小さい場合、遮蔽フィルム2と構造1の間に、従来工法用の崩落防止用の金属、アラミド繊維、カーボン繊維など、崩落すると考えられる物の重量を十分支えられる素材からから成るネットを、トンネル表面に、アンカー等十分な強度が得られる締結要素で設置することも可能である。これにより、大きな剥落物でも大きなたわみが生じず、従来のネットでは止められなかった小さな崩落片も止めることが出来るので、安全性が向上する。
【0069】
照明、配管、送風ファンなど既設の設備の周りや、曲面部など複雑な形状には、遮蔽フィルム2を取付ける際にテープ、両面テープ、熱収縮フィルムなどを組み合わせて構造1と絶縁し、設備側端部は、パテ状のエポキシ樹脂などで密着できるように処理するか、樹脂層5が硬化した後で、機械的またはパテ状のエポキシ樹脂、その他使用環境において信頼性のあるコーキング材などを用いて止水する。
【0070】
壁面に沿った排水路11がある場合は、下端部5aより壁に水が沿って流れ込むので問題ないが、歩道などがあり壁面に沿わない導水路12や、埋設された導水管の場合には新たに、導水路14、15または、同様な機能を有するものを製作する。
【0071】
ここでは、トンネル内壁を例として取り上げたが、トンネル内壁に限定するものではなく、橋脚、地下設備などの剥落防止、防水に適用することが可能である。
【0072】
固着補強要素3の強度、間隔および、締結要素4の間隔、強度により、防水だけではなく、同時に剥落防止効果を得ることが出来る。この場合、樹脂層5は、構造体1と密着していないため、大きなクラックが発生しても損傷を受けることなく、剥落物を、高い信頼性で保持することが出来る。
【0073】
トンネル壁面から湧水がある場合、水は遮蔽フィルム2と構造体1の間の広い面積を流れることが出来るため、目詰まりを起こすことも、高い圧力を生じることも無い。別に導水樋などを設置する必要がなく、施工時間、コストを削減できるだけでなく、トンネルの有効断面をほとんど減少させない。
【0074】
この工法では、小崩落時に樹脂層5が容易にたわむため、従来の密着工法に比べ発見が容易で、また、3次元測定などで異変を検知した場合も、防水構造を簡単に除去することが出来、構造体1の補修後、本発明の工法で短時間に防水、崩落防止性能を復旧することが可能である。特に、破断伸びが大きい材料を樹脂層5に使用することにより、たわみは大きくなるが、大きな荷重に堪えることが出来、漏水が許されない設備が入った地下設備には特に有効である。
【0075】
実施例1、実施例2とも、例として、具体的な材料名や寸法を表記したが、これらは、本発明を限定するものではない。
【0076】
「試験例1」
固着補強要素3と樹脂層5の結合強度を確認するために、引張り試験を実施した。図5に示すように幅30mm、長さ80mmの固着補強要素3を2枚、60mm離し、これに樹脂を固着補強要素3に30mmの幅で重なりかつ2枚の固着補強要素3がつながるように3mmの厚さで塗り樹脂層5を製作した。樹脂には、NUKOTE社製HTピュアポリウレア樹脂を使用した。5kNのロードセルを取り付けた島津社製万能材料試験機を使用し、固着補強要素3の両端をチャックではさみ、引張り試験を実施し、伸び、荷重を測定し破断状況を観測した。試験結果を表1に示す。
【0077】
【表1】

【0078】
前記試験結果より、パンチングメタル及びメッシュによる固着補強要素3と樹脂層5の結合部は、樹脂層5の厚さを3mmとすることで、使用したポリウレア樹脂の通常使用する膜厚である1mmの引張り強度と同等の強度が得られることが確認された。なお、表1の破断時の伸びは、樹脂層5単独の部分の長さ60mmに対する伸び率である。
【0079】
両端の固着補強要素3を固定、固着補強要素3の間の中央に剥落物1cがありその重量をW、樹脂層5の伸び率ε、単位幅あたりの樹脂層5の破断荷重T、幅Bとする張力計算モデル図7では、これらの関係は、式1となる。
【0080】
【数1】

【0081】
この関係を用いると、破断伸び150%、単位幅あたりの破断荷重Tが20N/mm、幅bが50mmとした場合、150kg以上の強度が得られる。すなわち、二つの固着補強要素3の間に150kgの重さのものが、50mmの幅で乗ったとしても、この防水構造は破壊しない。
【0082】
「試験例2」
湧水に対する処理能力を確認するために、図7の試験片を製作した。長さ1200mm、幅450mm、厚さ11mmのベニヤ板のベースプレート201に、下辺より1000mmの位置に19Aの鉄パイプ202をその外周から水が漏れないように取り付け、長さ1150mm、幅400mmのポリエステルの遮蔽フィルム2を長辺および上辺に25mmの隙間が出来るように両面テープで貼り付け、下辺には30mm幅の素線径0.29mm 素線数40本/インチ平織りのステンレスメッシュ3aに0.3mm厚さのステンレス板3bをハンダで取り付け、このステンレス板を6mmφの木ねじ203で取り付け、固着補強層3の上を3mm、その他の部分を1mmの厚さで樹脂層用材料を吹き付けることにより樹脂層5を製作した。樹脂には、NUKOTE社製HTピュアポリウレア樹脂を使用した。
【0083】
前記試験片に図8に示されるように、19Aのパイプ202に圧力計204を取り付け、ホース205で水道の蛇口から給水し、一定時間に、計測用の容器206に溜まる水量を計測することにより流量を求めた。試験結果を表2に示す
【0084】
【表2】

【0085】
表2の圧力は、吹き出し口での圧力で、樹脂層5の膨れ方を観察すると防水構造全体にかかる圧力ではない。従って、固着補強要素及び締結要素にかかる力は十分に小さい。また、吹き出し口の樹脂層の状態を見ても特に大きな変形は見られなかった。更に、0.2MPaの場合でも通水を中止すれば、持ち上がりは消え、残留変形も観測されなかった。一般的な地下設備でこのような大量の湧水が観測されることは考えられず、この方法が十分有効であることが確認された。
【0086】
「試験例3}
結露を生じる環境での施工が可能か確認するために、固着補強要素3、遮蔽フィルム2に霧吹きで水をかけ、その上からNUKOTE社製HTピュアポリウレア樹脂の吹き付けを行った。固着補強要素は、素線径0.4mm、20本/インチのものを用い、遮蔽フィルムはポリエステル樹脂の厚さ0.1mmを用いた。
【0087】
この試験の結果、固着補強要素と樹脂層間の結合は良好であるが、遮蔽フィルム上の樹脂層には水滴の大きい部分で、この水滴の形状の凹凸が見られた。この凹凸を観測すると、最大40%の膜厚の減少が観測された。また、製作した試験片を40℃の環境においたところ水蒸気が生じたが、遮蔽フィルムがわずかに膨らんだだけで、遮蔽フィルムと樹脂層が容易に剥離するため、樹脂層に膨れは観測さなかった。大きな水滴を除去し、樹脂層の厚さを増すことにより、結露の生じる環境下でも施工が可能であることが確認された。
【産業上の利用可能性】
【0088】
工場、発電所等の貯水槽、廃液槽、化学処理槽、防火水槽、養魚水槽などの各種槽や導水路の防水およびその補修、屋上緑化の防水およびその補修、トンネル、橋脚、地下倉庫などの剥落防止を兼用した防水及びその補修などに利用でき、特に、短期間で施工を終了させる必要があり、乾燥に時間がかかる各種構造体で、高い信頼性の防水が要求される構造体に最も適する。
【符号の説明】
【0089】
1 防水を行う構造体
1a 1の表面にあるレイタンス、旧塗膜、劣化コンクリート、錆
1b 1の表面にある空隙
1c 1の表面から剥落したコンクリートの塊
2 遮蔽フィルム
3 固着補強要素
3a 固着補強要素の締結要素部の補強板
4 締結要素
4a 締結要素カバー
5 樹脂層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造体の表面に形成される防水構造において、
前記構造体の表面に貼付される遮蔽フィルムと、
前記遮蔽フィルムの表面に装着されるとともに、締結要素によって前記構造体に固定される固着補強要素と、
前記固着補強要素の上から、前記遮蔽フィルムの表面に樹脂液を塗布して形成された樹脂層とからなる
ことを特徴とする防水構造。
【請求項2】
前記固着補強要素は、平板に複数の穴を明けた穴付板である
ことを特徴とする請求項1に記載の防水構造。
【請求項3】
前記固着補強要素は、網である
ことを特徴とする請求項1に記載の防水構造。
【請求項4】
前記固着補強要素は、織物である
ことを特徴とする請求項1に記載の防水構造。
【請求項5】
前記遮蔽フィルムの前記構造体に接する面の一部だけが前記構造体に固着されている
ことを特徴とする請求項1に記載の防水構造。
【請求項6】
前記樹脂層は、速乾性ポリウレア樹脂又は速乾性ポリウレタン樹脂又はこれらのハイブリッド樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の防水構造。
【請求項7】
構造体の表面に防水構造を形成する構造体の防水方法において、前記構造体の表面に遮蔽フィルムを貼付する遮蔽フィルム貼付工程と、
前記遮蔽フィルムの表面に固着補強要素を装着して、締結要素によって前記固着補強要素を前記構造体に固定する固着補強要素取付工程と、
前記固着補強要素の上から、前記遮蔽フィルムの表面に樹脂液を塗布して、樹脂層を形成する樹脂塗布工程と、を有する
ことを特徴とする構造体の防水方法。
【請求項8】
前記防水方法において、遮蔽フィルムと構造体表面間を流れる液体、気体を集め分析し、漏洩の有無を確認することを特徴とする防水方法。
【請求項9】
前記防水方法において、遮蔽フィルムと構造体表面間に、構造体の延命効果のある薬品を流入させ構造体の延命処置を行うことを特徴とすることを特徴とする防水方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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