防湿性積層スリーブ加熱器とその製造方法
隆起フランジを形成する両端部を有する基板と、該両端部間に延びるスロットと、該スロットに沿って延び、隆起フランジにもおよぶ対向面取り面とを含む加熱器組み立て体を提供する。一実施形式では、複数の層が、1対の端子パッドと共に、基板上に設けられている。少なくとも1開口を有する保護カバーが、複数層上に配置され、隆起フランジと基板の対向面取り面とに固定され、該開口が端子パッドの直近に設けられている。1対のリード線が前記端子パッド対に取り付けられ、リード線キャップ組み立て体が、前記リード線対の周囲に配置され、かつ保護カバーに固定されている。本発明により、加熱器組み立て体の製造方法も提供される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば積層加熱器等の抵抗加熱器に係わり、より具体的には該抵抗加熱器内へ浸入する湿分を低減するための装置と方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この項目のもとに述べることは、本発明に関係する背景技術情報を提供するもので、先行技術をなすものではない。
【0003】
積層加熱器が通常用いられるのは、スペースが制限されていて、急速な熱反応が望ましい表面の端から端までの間の熱出力需要が一様でない場合、又は湿分その他の汚染物質が従来式の加熱器に浸入する可能性がある超清浄な用途の場合である。積層加熱器は、概して、異なる材料の、すなわち誘電性材料と抵抗性材料との層を含み、これらの層が基板に被着されている。基板には、先ず、誘電性材料が被着され、基板と電気抵抗性材料との間が電気絶縁され、かつ作動時に大地への漏電が低減される。抵抗性材料は、予め定めたパターンで誘電性材料に付加され、加熱器の抵抗回路を形成する。積層加熱器は、また、加熱器の抵抗回路を電源に接続するリード線を含み、電源は、通常、温度制御装置によって周期化されている。リード線と抵抗回路とのインターフェースは、また、通常、保護層によりひずみ除去と電気絶縁とがなされることで、異物との接触が機械的にも電気的にも防止されている。したがって、積層加熱器は、様々な加熱用途に応じて顧客の要求に答えることができる。
【0004】
積層加熱器は、とりわけ「厚」膜、「薄」膜、「溶射」膜いずれかの積層体で構成でき、その場合、それらの種類の積層加熱器の主な相違点は、積層を形成する方法にある。例えば、厚膜加熱器の積層は、通常、例えばとりわけスクリーン印刷、デカルコマニア、フィルム巻き出しヘッドのいずれかを用いて形成される。
【0005】
薄膜加熱器の積層は、通常、例えばとりわけイオン・プレーティング、スパッタリング、化学蒸着法、(CVD)、物理蒸着法(PVD)のいずれかの方法で被着される。厚膜技術や薄膜技術とは異なる別の方法が、溶射法として知られる技術であり、この技術には、例えばとりわけ火炎溶射、プラズマ溶射、溶線アーク溶射、HVOF(High Velocity Oxygen Fuel)が含まれよう。
【0006】
溶射積層加熱器は、概して、溶融粉体又は溶線材料を、既述の必要な複数層として基板に溶射することで形成される。溶融材料は、基板又は、先行し基板に被着されていた積層に衝突し、その結果、より低温の表面に比較的高速で当たることにより扁平化した小滴が急速に固化することでレンズ状又は板状薄の粒子構造が生じる。その結果形成される粒子構造により、溶射加熱器の一般特性は多孔性となり、これは、破断強さの点から見れば利点だが、湿分吸収の点では欠点である。加熱器という用途の場合、溶射積層が過剰な湿分を吸収すると、その湿分のために、作業中、例えば個々の層の剥離、給電の停止、大地への過剰な漏電が生じる機序によって、往々にして加熱器が故障する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
湿分の吸収は、また他の多くの種類の抵抗加熱器でも問題になっており、したがって、加熱器の性能に対する湿分の悪影響に対処する装置及び方法の改良が、抵抗加熱器の分野で継続的に高く評価される。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一実施例の場合、積層加熱器は、隆起したフランジを形成する両端部と、両端部間に延びるスロットと、スロットに沿って延び、隆起したフランジにも及ぶ対向面取り面とを有する基板を含むように構成されている。基板全面にわたって第1誘電層が被着され、該誘電層全面にわたり抵抗素子層が被着され、第1誘電層には1対の端子パッドが配置され、抵抗素子層に接触している。抵抗素子層の全面にわたり第2誘電層が被着されるが、端子パッドを完全には覆っていない。少なくとも1開口を有する保護カバーが、第2誘電層全面にわたって取り付けられ、隆起フランジと基板の対向面取り面とに固定され、しかも、前記開口が端子パッドの直近に設けられている。前記端子パッド対には1対のリード線が取り付けられ、リード線キャップ組み立て体が、前記リード線対の周囲に配置され、かつ保護カバーに固定されている。
【0009】
別の実施例の場合、端子接続バネが抵抗加熱素子に1対のリード線を接続するために用いられ、該端子接続バネは、近位端部及び遠位端部を有するフレキシブルな第1アームと、該第1アームの反対側に設けられ、近位端部及び遠位端部を有するフレキシブルな第2アームと、第1アームの近位端部と第2アームの近位端部間に延びる連結部とを含んでいる。第1アームの近位端部は、第2アームの遠位端部と対角線上に位置し、リード線が両アームの遠位端部に取り付けられる。
【0010】
本発明の方法によれば、積層加熱器は、基板上に溶射法により複数層を積層することで製造され、その場合、端子用の凹部が積層上に形成される。電気端子は凹部の直近に形成され、保護カバーが、レーザー溶接法を用いて積層に固定される。保護カバー縁部は、基板の隆起端部の周囲に溶接され、かつ基板のスロット部分に沿って長手方向にも溶接される。凹部内の電気端子には、1対のリード線が取り付けられ、リード線キャップ組み立て体が、前記リード線対の周囲に、かつまた保護カバーに固定される。
【0011】
適用可能な他の分野は、本明細書で行われる説明から明らかになろう。その説明および実例形式は、単に説明目的のものであり、本発明の範囲を制限する意図はない点を理解されたい。
ここに示す図面は、単に説明目的のもので、本発明の範囲を何らかの点で制限する意図のものではない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の原理により構成された加熱器組み立て体の斜視図。(実施例1)
【図2】本発明の原理による加熱器組み立て体の拡大斜視図。
【図3】本発明の原理による加熱器組み立て体の分解斜視図。
【図4】本発明の原理による加熱器組み立て体の平面図。
【図5a】図4のA−A線に沿って截断した縦断面図。本発明の原理による加熱器組み立て体の内部構造を示す。
【図5b】図5aのB−B線に囲まれた部分の詳細図。本発明により構成された、加熱器組み立て体の異なる複数層を示す。
【図6a】図4のC−C線に沿って截断した断面図。本発明の原理により構成された、加熱器組み立て体の端子区域を示している。
【図6b】図6aのD−D線に囲まれた部分の詳細図。本発明の原理により構成された、加熱器組み立て体の積層及び端子パッドを示している。
【図7】図4のE−E線に沿って截断した断面図。本発明の原理により構成された端子形成区域と器具支持体を示している。
【図8】本発明の原理により構成された基板の斜視図。
【0013】
【図9】本発明の原理により構成された基板の平面図。
【図10】本発明の原理により構成された保護カバーの斜視図。
【図11】本発明の原理により構成されたリード線キャップ組み立て体の斜視図。
【図12a】本発明の原理により構成された加熱器組み立て体及び1組の副次リード線の斜視図。
【図12b】熱収縮チューブを用い、本発明の原理により構成されたリード線間の接続部の部分断面図。
【図13】本発明の原理により構成された端子接続バネの平面図。
【図14】本発明の原理により構成された端子接続バネに取り付けられる位置で示すリード線の拡大斜視図。
【図15】本発明の原理による加熱器組み立て体を製造する方法を示す流れ図。(実施例2)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下の説明は、単に実例の説明であり、本発明、その適用、その使用を制限する意図のものではない。すべての図面を通じて、類似の又は等しい部品の特徴には、等しい符号が付されている。
【実施例1】
【0015】
図1〜図4には、本発明の原理による加熱器組み立て体が、全体を符号10で示されている。一実施形式の場合、加熱器組み立て体は、基板12と、基板上に被着され詳しくは後述する複数層(図示せず)と、複数層上に配置され、かつ基板12に固定された保護カバー14と、加熱器組み立て体10に取り付けられた1対のリード線16(絶縁体17に囲まれている)と、1対のリード線16の周囲に配置され、保護カバー14に固定されたリード線キャップ組み立て体18とを含んでいる。加熱器組み立て体10は、加熱される目標物、例えばホットランナー・ノズル(図示せず)の周囲に使用するようにされており、ちなみに、図示のように、円筒形の幾何形状を有している。加熱器組み立て体10は、他の幾何形状、例えば平らな形状、長方形状、その他の多角形形状をとることもでき、それらの形状も、本発明の範囲に含まれる。加えて、積層加熱器の構成は、ここに図示し説明しているような加熱器組み立て体10に採用されているが、他の種類の加熱器、例えば抵抗線、抵抗フォイル、圧縮セラミックの加熱器にも使用でき、それらも、本発明の範囲に含まれることを理解されたい。
【0016】
図3に、更に詳しくは図8及び図9に示した基板12の一実施形式を、以下で詳しく説明する。この実施形式の場合、基板12は、それぞれ隆起フランジ24,26を形成する両端部20,22を含んでいる。両端部20,22間にはスロット28が延び、両側の面取り面30,32は、スロット28に沿って延び、隆起フランジにも及んでいる。基板12は、図示のように、円筒形状を形成し、被加熱目標物、例えばホットランナー・ノズルの周囲に配置できるようにされた内腔34を含んでいる。隆起フランジ20,22の間には外面36が延び、外面36には凹部38が設けられている。凹部38は、詳しく後述されるように、端子配置区域をなしている。基板12は、一実施形式ではステンレス鋼だが、種々の材料を使用でき、それらも本発明の範囲に含まれることを理解されたい。
【0017】
図4〜図6には、複数の層が示されているが、これらの層について以下で詳説する。複数層には、例えば第1誘電層40が含まれ、該第1誘電層40は、基板を被覆し、一実施形式では、隆起フランジ24,26間に延び、基板12の面取り面30,32に直近している。第1誘電層40は、また基板12の凹部38を覆うように形成され、したがって、図示のように、凹部38の形状を帯びている。一実施形式では、第1誘電層40は、溶射法を用いて形成され、概して一定の厚さを有している。第1誘電層40の形成には、他の方法及び構成(とりわけ厚さ及び/又は材料)を採用することもでき、それらも、本発明の範囲に含まれることを理解されたい。
【0018】
抵抗素子層42は、第1誘電層40上に配置され、抵抗回路44の形式(図4に破線で示す)でも、連続的な層の形式でもよい。一実施形式では、抵抗素子層42は、溶射法を用いて形成され、概して一定厚さを有している。抵抗回路44のパターンは、幾つかの方法で形成でき、一実施形式では、レーザー除去法、例えば米国出願10/872,752号の明細書に開示された方法を使用して形成される。該文献の出願は、本出願と譲受人を共通として、ここに引用することで、その内容全体が本明細書に取り入れられている。抵抗素子層42を形成するための他の方法及び構成(例えばとりわけ不定厚さ及び/又は材料)も採用でき、それらも本発明の範囲内であることを理解されたい。加えて、抵抗素子層42は、また第1誘電層40に沿って基板12の凹部38上に形成され、図示のように、凹部38の形状をなしている。
【0019】
第1誘電層40上には1対の端子パッド46が配置され、図示のように、抵抗素子層42に接触している。端子パッド46は、詳しくは後述されるリード線16と接続され、加熱器組み立て体10に電力を加えるようにされている。一実施形式では、端子パッド46は溶射法で形成されるが、他の方法も使用でき、それらも、本発明の範囲に含まれることを理解されたい。
抵抗素子層42の上には、熱及び電気を絶縁するための第2誘電層48が被着されている。図示のように、第2誘電層38は端子パッド46を覆っていないので、端子パッド46の少なくとも一部は露出したままで、リード線16に接続できる。より詳しく言えば、図6bから最もよく分かるように、第2誘電層48は、図示のように凹部38の周囲で終わっているので、端子パッド46は露出してリード線16に電気接続されている。一実施形式では、第2誘電層48は、溶射法で形成され、概して一定の厚さを有している。第2誘電層の形成には、別の方法及び構成(例えばとりわけ不定厚さ及び/又は材料)を採用してもよく、それらも本発明に含まれることを理解されたい。
【0020】
第1誘電層40、抵抗素子層42、端子パッド46、第2誘電層48は、各々、溶射法で形成されるが、これらの層の1つ以上が何らかの複数の方法、例えば米国出願10/752,359号の明細書に開示された方法で形成できることを理解されたい。該文献の出願は、本出願と譲受人を共通として、その全内容は、ここに引用することにより本明細書に取り入れられる。
【0021】
次に図1〜図10を参照すると、保護カバー14が第2誘電層48を覆っており、かつ隆起フランジ24,26と対向面取り面30,32とに固定されている。図10に示すように、一実施形式では、保護カバー14は、円筒形の前形状を有し、湾曲外壁52と、両端部56,58間に延びる長手方向の扁平部54とを有している。一実施形式では、保護カバー14は、一定厚さのフォイル材料製であり、基板12の隆起フランジ24,26の周囲にレーザ溶接され、かつまた長手方向に基板12のスロット28に沿って面取り面30,32にレーザ溶接される。詳しく言えば、端部56,58は、隆起フランジ24,26にレーザ溶接され、長手方向の扁平部54は、面取り面30,32にレーザ溶接される。したがって、加熱器組み立て体10の内部に配置された複数層は、外部環境から、詳しく言えば湿分の浸入から、保護カバー14によって部分的に保護される。
【0022】
更に、図示のように、保護カバー14は、カバーを貫通する開口60を含み、しかも、開口60は、より明瞭には図6a,図6b、更に図2に示すように、端子パッドに近接して設けられている。したがって、リード線を取り付けるさい、開口60により、詳しくは後述する端子パッド46への接近が可能になる。
【0023】
次に、図1〜図3、図6a、図6b、図11を参照すると、リード線キャップ組み立て体18が、リード線対16及びその絶縁部材17の周囲に配置され、開口60の直近の保護カバー14に固定される。一実施形式では、リード線キャップ組み立て体18は、キャップ64、キャップ64に固定された1対のキャップ延長部66、キャップ延長部66に固定された1対のスリーブ68を含んでいる。加えて、絶縁ディスク69が、図示のように、キャップ64に近接配置されている。絶縁ディスク69は、露出したリード線16とリード線キャップ組み立て体18との間に位置し、キャップ64に沿って延び、リード線16とリード線キャップ組み立て体18との間の誘電的な隔離絶縁体を形成している。一実施形式では、絶縁ディスク69は、雲母材料製だが、他の材料、例えば酸化アルミニウム又はステアタイトを使用することもでき、それらも本発明の範囲に含まれる。リード線16とその絶縁部材17とは、スリーブ対68、キャップ延長部66、キャップ64、図6bから最もよく見ることができる絶縁ディスク69を貫通して延びている。
【0024】
本発明の一実施形式では、リード線16は、図3、図13、図14に示す革新的な端子接続バネ70を介して端子パッド46に固定されている。端子接続バネ70は、近位端部74及び遠位端部76を有するフレキシブルな第1アーム72と、第1アーム72の反対側に設けられ、同じく近位端部80及び遠位端部82を有するフレキシブルな第2アーム78とを含んでいる。第1アーム72の近位端部74と第2アーム78の近位端部80との間には、連結部84が設けられている。更に、第1アーム72の遠位端部76は、第2アーム78の遠位端部82と対角方向に位置している。一実施形式では、遠位端部76,82は、各々の開口86,88を有している。該開口を貫通して、リード線16が延び、固定される。加えて、位置決め手段85(この実施形式では穴として示す)が、端子接続バネを加熱器組み立て体10内で端子パッド46に取り付けるさいの位置決め用に設けられている。
【0025】
更に、図示されているように、フレキシブルな第1と第2のアーム72,78は、本発明の一実施形式では弓形を有している。したがって、フレキシブルなアーム72,78により、リード線16から端子パッド46への荷重の移行が、より円滑に可能になるが、このことは、詳しくは後述する製造方法を参照することで、更に完全に理解されよう。端子接続バネ70は、更に連結部84とフレキシブルなアーム72,78との間に寸法縮小部90,92を含んでいる。これらの寸法縮小部90,92は切り離し可能に形成されており、リード線16が端子パッド46に固定された後、第1アーム72と第2アーム78とは分離することができる。好ましくは、端子接続バネは、ステンレス鋼製であり、打ち抜き加工で形成されるが、例えば銅合金等の他の材料や機械加工等の他の加工法を用いて形成することもでき、それらも本発明の範囲に含まれるものである。
【0026】
リード線16は、開口86,88を通して端子接続バネ70に固定された後、絶縁ディスク6に通され、次いでリード線キャップ組み立て体18に通される。次いで、リード線キャップ組み立て体18は、図1及び図2に示すように、開口60の周囲で保護カバー14に固定される。一実施形式では、開口60は隆起周壁94を有し、該周壁により、加熱器組み立て体10内で端子接続バネ70及びリード線16を端子パッド46に固定するスペースが増大する。好ましくは、リード線キャップ組み立て体18は、開口60の周囲にレーザ溶接されるが、他の方法で固定してもよく、それらの方法も、開口60を外部環境から密閉するものであれば、本発明の範囲に含まれる。
【0027】
図12a及び図12bを参照すると、本発明の一実施形式では、1対の副次リード線96がリード線16に結合されている。この場合、副次リード線対96は絶縁材料で形成されるが、この絶縁材料は、リード線16のよう耐熱性を有しておらず、(ただし、リード線96は非吸湿性であり)例えばテフロン(登録商標)(ポリテトラフルオロエチレン−PTFE)である。副次リード線対96は、加熱器組み立て体10から、したがって熱源から離れているので、リード線16及びリード線キャップ組み立て体18と等しいレベルの耐熱性を有している必要はない。しかし、リード線16、リード線キャップ組み立て体18、副次リード線対96は、すでに図示し説明したように、湿分が加熱器組み立て体10に、より詳しく言えば加熱器組み立て体10の積層に浸入しないように非吸湿性であるのがよい。
【0028】
したがって、一実施形式では、副次リード線96は、2重壁の熱収縮チューブ98を使用してリード線16に固定される。図12bから最もよく分かるように、リード線16,96は、互いに継ぎ合わされ、そのインターフェースの周囲に熱収縮チューブ98が配置されている。熱収縮チューブ98は、一実施形式では、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製外壁97とペルフルオロアルコキシ(PFA)製内壁99とを含んでいる。外壁97及び内壁99と熱収縮チューブ98のヒートシール性とによって、リード線16と副次リード線96間の接続部は良好な防湿性を有している。
【0029】
次に、図1〜図3及び図7を参照すると、加熱器組み立て体10は、一実施形式では、更に、基板12のスロット28に沿って配置された器具支持体100,102を含んでいる。一実施形式では、器具支持体100,102は、図7及び図8に最もよく示されているように、基板12のスロット28に沿って形成された棚状部103に沿って配置されている。概して、器具支持体100,102は、器具の取り付け及び除去に好都合なように備えられ、これにより、加熱器組み立て体10は、目標物の装入及び取り出しのために拡げることができる。図示のように、少なくとも一方の器具支持体100には、取り外し可能な器具を拘束かつ案内するための湾曲壁部104が形成されており、これによって、取り外し可能な器具を器具支持体100,102の間隙内で回転させることで、より容易に加熱器組み立て体10を拡開することができる。
【0030】
この全体的な概念は、米国出願11/602,707号の明細書に図示され詳説されている。該特許出願は、本出願と譲受人を共通として、ここに引用することで本明細書にその内容の全体が取り入れられるものである。加熱器組み立て体10は、器具支持体100,102を有していても有していなくともよく、いずれもが本発明の範囲に含まれることを理解されたい。
【実施例2】
【0031】
次に図15を参照して、加熱器組み立て体10の製造方法を詳説する。先ず、溶射法を用いて、複数の層(既述のような)を基板12上に形成し、そのさい、積層に凹部を形成する。次に、電気端子(例えば端子パッド46)を凹部の直近に、好ましくは溶射法を用いて形成する。次いで、保護カバー14を、レーザ溶接を用いて積層上に固定する。その場合、保護カバー14の縁部は、基板12の隆起端部の周囲に溶接され、かつ基板12のスロット28に沿って長手方向に溶接される。次いで、リード線対16を端子接続バネ70に、好ましくはレーザ溶接により固定した後、この組み立て体を、再びレーザ溶接によって端子パッド46に固定する。より詳しく言えば、端子接続バネ70の各近位端部74,80を端子パッド46に固定し、その後で寸法縮小部90,92を切断する。これにより、フレキシブルなアーム72,78各々が電気的に隔離される。
【0032】
次に、リード線16を、絶縁ディスク69と、リード・キャップ組み立て体18とに通して、リード・キャップ組み立て体18を、好ましくはレーザ溶接により開口60の直近の保護カバー14に固定する。次いで、副次リード線対96を、既述のように、熱収縮チューブ98を用いてリード線16に継ぎ合わせて、防湿性加熱器組み立て体10が完成する。
【0033】
好ましくは、図1及び図2に示すように、リード線キャップ組み立て体18のスリーブ68は、基板12の長手軸線に対し約45度に配向される。このようにスリーブ68を配向することにより、リード線16,98は、加熱器組み立て体10に沿って長手方向に配向されるか、又は各個のリード線が他のリード線を妨害することなく加熱器組み立て体10に対し横方向に配向できる。
ここに開示した実施形式は説明目的のものに過ぎず、したがって、種々の変更が本発明の要旨を離れることなく可能であり、それらも本発明の範囲に含まれるものである。それらの変更は、本発明の精神の範囲を逸脱したものとは見なされない。
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば積層加熱器等の抵抗加熱器に係わり、より具体的には該抵抗加熱器内へ浸入する湿分を低減するための装置と方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この項目のもとに述べることは、本発明に関係する背景技術情報を提供するもので、先行技術をなすものではない。
【0003】
積層加熱器が通常用いられるのは、スペースが制限されていて、急速な熱反応が望ましい表面の端から端までの間の熱出力需要が一様でない場合、又は湿分その他の汚染物質が従来式の加熱器に浸入する可能性がある超清浄な用途の場合である。積層加熱器は、概して、異なる材料の、すなわち誘電性材料と抵抗性材料との層を含み、これらの層が基板に被着されている。基板には、先ず、誘電性材料が被着され、基板と電気抵抗性材料との間が電気絶縁され、かつ作動時に大地への漏電が低減される。抵抗性材料は、予め定めたパターンで誘電性材料に付加され、加熱器の抵抗回路を形成する。積層加熱器は、また、加熱器の抵抗回路を電源に接続するリード線を含み、電源は、通常、温度制御装置によって周期化されている。リード線と抵抗回路とのインターフェースは、また、通常、保護層によりひずみ除去と電気絶縁とがなされることで、異物との接触が機械的にも電気的にも防止されている。したがって、積層加熱器は、様々な加熱用途に応じて顧客の要求に答えることができる。
【0004】
積層加熱器は、とりわけ「厚」膜、「薄」膜、「溶射」膜いずれかの積層体で構成でき、その場合、それらの種類の積層加熱器の主な相違点は、積層を形成する方法にある。例えば、厚膜加熱器の積層は、通常、例えばとりわけスクリーン印刷、デカルコマニア、フィルム巻き出しヘッドのいずれかを用いて形成される。
【0005】
薄膜加熱器の積層は、通常、例えばとりわけイオン・プレーティング、スパッタリング、化学蒸着法、(CVD)、物理蒸着法(PVD)のいずれかの方法で被着される。厚膜技術や薄膜技術とは異なる別の方法が、溶射法として知られる技術であり、この技術には、例えばとりわけ火炎溶射、プラズマ溶射、溶線アーク溶射、HVOF(High Velocity Oxygen Fuel)が含まれよう。
【0006】
溶射積層加熱器は、概して、溶融粉体又は溶線材料を、既述の必要な複数層として基板に溶射することで形成される。溶融材料は、基板又は、先行し基板に被着されていた積層に衝突し、その結果、より低温の表面に比較的高速で当たることにより扁平化した小滴が急速に固化することでレンズ状又は板状薄の粒子構造が生じる。その結果形成される粒子構造により、溶射加熱器の一般特性は多孔性となり、これは、破断強さの点から見れば利点だが、湿分吸収の点では欠点である。加熱器という用途の場合、溶射積層が過剰な湿分を吸収すると、その湿分のために、作業中、例えば個々の層の剥離、給電の停止、大地への過剰な漏電が生じる機序によって、往々にして加熱器が故障する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
湿分の吸収は、また他の多くの種類の抵抗加熱器でも問題になっており、したがって、加熱器の性能に対する湿分の悪影響に対処する装置及び方法の改良が、抵抗加熱器の分野で継続的に高く評価される。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一実施例の場合、積層加熱器は、隆起したフランジを形成する両端部と、両端部間に延びるスロットと、スロットに沿って延び、隆起したフランジにも及ぶ対向面取り面とを有する基板を含むように構成されている。基板全面にわたって第1誘電層が被着され、該誘電層全面にわたり抵抗素子層が被着され、第1誘電層には1対の端子パッドが配置され、抵抗素子層に接触している。抵抗素子層の全面にわたり第2誘電層が被着されるが、端子パッドを完全には覆っていない。少なくとも1開口を有する保護カバーが、第2誘電層全面にわたって取り付けられ、隆起フランジと基板の対向面取り面とに固定され、しかも、前記開口が端子パッドの直近に設けられている。前記端子パッド対には1対のリード線が取り付けられ、リード線キャップ組み立て体が、前記リード線対の周囲に配置され、かつ保護カバーに固定されている。
【0009】
別の実施例の場合、端子接続バネが抵抗加熱素子に1対のリード線を接続するために用いられ、該端子接続バネは、近位端部及び遠位端部を有するフレキシブルな第1アームと、該第1アームの反対側に設けられ、近位端部及び遠位端部を有するフレキシブルな第2アームと、第1アームの近位端部と第2アームの近位端部間に延びる連結部とを含んでいる。第1アームの近位端部は、第2アームの遠位端部と対角線上に位置し、リード線が両アームの遠位端部に取り付けられる。
【0010】
本発明の方法によれば、積層加熱器は、基板上に溶射法により複数層を積層することで製造され、その場合、端子用の凹部が積層上に形成される。電気端子は凹部の直近に形成され、保護カバーが、レーザー溶接法を用いて積層に固定される。保護カバー縁部は、基板の隆起端部の周囲に溶接され、かつ基板のスロット部分に沿って長手方向にも溶接される。凹部内の電気端子には、1対のリード線が取り付けられ、リード線キャップ組み立て体が、前記リード線対の周囲に、かつまた保護カバーに固定される。
【0011】
適用可能な他の分野は、本明細書で行われる説明から明らかになろう。その説明および実例形式は、単に説明目的のものであり、本発明の範囲を制限する意図はない点を理解されたい。
ここに示す図面は、単に説明目的のもので、本発明の範囲を何らかの点で制限する意図のものではない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の原理により構成された加熱器組み立て体の斜視図。(実施例1)
【図2】本発明の原理による加熱器組み立て体の拡大斜視図。
【図3】本発明の原理による加熱器組み立て体の分解斜視図。
【図4】本発明の原理による加熱器組み立て体の平面図。
【図5a】図4のA−A線に沿って截断した縦断面図。本発明の原理による加熱器組み立て体の内部構造を示す。
【図5b】図5aのB−B線に囲まれた部分の詳細図。本発明により構成された、加熱器組み立て体の異なる複数層を示す。
【図6a】図4のC−C線に沿って截断した断面図。本発明の原理により構成された、加熱器組み立て体の端子区域を示している。
【図6b】図6aのD−D線に囲まれた部分の詳細図。本発明の原理により構成された、加熱器組み立て体の積層及び端子パッドを示している。
【図7】図4のE−E線に沿って截断した断面図。本発明の原理により構成された端子形成区域と器具支持体を示している。
【図8】本発明の原理により構成された基板の斜視図。
【0013】
【図9】本発明の原理により構成された基板の平面図。
【図10】本発明の原理により構成された保護カバーの斜視図。
【図11】本発明の原理により構成されたリード線キャップ組み立て体の斜視図。
【図12a】本発明の原理により構成された加熱器組み立て体及び1組の副次リード線の斜視図。
【図12b】熱収縮チューブを用い、本発明の原理により構成されたリード線間の接続部の部分断面図。
【図13】本発明の原理により構成された端子接続バネの平面図。
【図14】本発明の原理により構成された端子接続バネに取り付けられる位置で示すリード線の拡大斜視図。
【図15】本発明の原理による加熱器組み立て体を製造する方法を示す流れ図。(実施例2)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下の説明は、単に実例の説明であり、本発明、その適用、その使用を制限する意図のものではない。すべての図面を通じて、類似の又は等しい部品の特徴には、等しい符号が付されている。
【実施例1】
【0015】
図1〜図4には、本発明の原理による加熱器組み立て体が、全体を符号10で示されている。一実施形式の場合、加熱器組み立て体は、基板12と、基板上に被着され詳しくは後述する複数層(図示せず)と、複数層上に配置され、かつ基板12に固定された保護カバー14と、加熱器組み立て体10に取り付けられた1対のリード線16(絶縁体17に囲まれている)と、1対のリード線16の周囲に配置され、保護カバー14に固定されたリード線キャップ組み立て体18とを含んでいる。加熱器組み立て体10は、加熱される目標物、例えばホットランナー・ノズル(図示せず)の周囲に使用するようにされており、ちなみに、図示のように、円筒形の幾何形状を有している。加熱器組み立て体10は、他の幾何形状、例えば平らな形状、長方形状、その他の多角形形状をとることもでき、それらの形状も、本発明の範囲に含まれる。加えて、積層加熱器の構成は、ここに図示し説明しているような加熱器組み立て体10に採用されているが、他の種類の加熱器、例えば抵抗線、抵抗フォイル、圧縮セラミックの加熱器にも使用でき、それらも、本発明の範囲に含まれることを理解されたい。
【0016】
図3に、更に詳しくは図8及び図9に示した基板12の一実施形式を、以下で詳しく説明する。この実施形式の場合、基板12は、それぞれ隆起フランジ24,26を形成する両端部20,22を含んでいる。両端部20,22間にはスロット28が延び、両側の面取り面30,32は、スロット28に沿って延び、隆起フランジにも及んでいる。基板12は、図示のように、円筒形状を形成し、被加熱目標物、例えばホットランナー・ノズルの周囲に配置できるようにされた内腔34を含んでいる。隆起フランジ20,22の間には外面36が延び、外面36には凹部38が設けられている。凹部38は、詳しく後述されるように、端子配置区域をなしている。基板12は、一実施形式ではステンレス鋼だが、種々の材料を使用でき、それらも本発明の範囲に含まれることを理解されたい。
【0017】
図4〜図6には、複数の層が示されているが、これらの層について以下で詳説する。複数層には、例えば第1誘電層40が含まれ、該第1誘電層40は、基板を被覆し、一実施形式では、隆起フランジ24,26間に延び、基板12の面取り面30,32に直近している。第1誘電層40は、また基板12の凹部38を覆うように形成され、したがって、図示のように、凹部38の形状を帯びている。一実施形式では、第1誘電層40は、溶射法を用いて形成され、概して一定の厚さを有している。第1誘電層40の形成には、他の方法及び構成(とりわけ厚さ及び/又は材料)を採用することもでき、それらも、本発明の範囲に含まれることを理解されたい。
【0018】
抵抗素子層42は、第1誘電層40上に配置され、抵抗回路44の形式(図4に破線で示す)でも、連続的な層の形式でもよい。一実施形式では、抵抗素子層42は、溶射法を用いて形成され、概して一定厚さを有している。抵抗回路44のパターンは、幾つかの方法で形成でき、一実施形式では、レーザー除去法、例えば米国出願10/872,752号の明細書に開示された方法を使用して形成される。該文献の出願は、本出願と譲受人を共通として、ここに引用することで、その内容全体が本明細書に取り入れられている。抵抗素子層42を形成するための他の方法及び構成(例えばとりわけ不定厚さ及び/又は材料)も採用でき、それらも本発明の範囲内であることを理解されたい。加えて、抵抗素子層42は、また第1誘電層40に沿って基板12の凹部38上に形成され、図示のように、凹部38の形状をなしている。
【0019】
第1誘電層40上には1対の端子パッド46が配置され、図示のように、抵抗素子層42に接触している。端子パッド46は、詳しくは後述されるリード線16と接続され、加熱器組み立て体10に電力を加えるようにされている。一実施形式では、端子パッド46は溶射法で形成されるが、他の方法も使用でき、それらも、本発明の範囲に含まれることを理解されたい。
抵抗素子層42の上には、熱及び電気を絶縁するための第2誘電層48が被着されている。図示のように、第2誘電層38は端子パッド46を覆っていないので、端子パッド46の少なくとも一部は露出したままで、リード線16に接続できる。より詳しく言えば、図6bから最もよく分かるように、第2誘電層48は、図示のように凹部38の周囲で終わっているので、端子パッド46は露出してリード線16に電気接続されている。一実施形式では、第2誘電層48は、溶射法で形成され、概して一定の厚さを有している。第2誘電層の形成には、別の方法及び構成(例えばとりわけ不定厚さ及び/又は材料)を採用してもよく、それらも本発明に含まれることを理解されたい。
【0020】
第1誘電層40、抵抗素子層42、端子パッド46、第2誘電層48は、各々、溶射法で形成されるが、これらの層の1つ以上が何らかの複数の方法、例えば米国出願10/752,359号の明細書に開示された方法で形成できることを理解されたい。該文献の出願は、本出願と譲受人を共通として、その全内容は、ここに引用することにより本明細書に取り入れられる。
【0021】
次に図1〜図10を参照すると、保護カバー14が第2誘電層48を覆っており、かつ隆起フランジ24,26と対向面取り面30,32とに固定されている。図10に示すように、一実施形式では、保護カバー14は、円筒形の前形状を有し、湾曲外壁52と、両端部56,58間に延びる長手方向の扁平部54とを有している。一実施形式では、保護カバー14は、一定厚さのフォイル材料製であり、基板12の隆起フランジ24,26の周囲にレーザ溶接され、かつまた長手方向に基板12のスロット28に沿って面取り面30,32にレーザ溶接される。詳しく言えば、端部56,58は、隆起フランジ24,26にレーザ溶接され、長手方向の扁平部54は、面取り面30,32にレーザ溶接される。したがって、加熱器組み立て体10の内部に配置された複数層は、外部環境から、詳しく言えば湿分の浸入から、保護カバー14によって部分的に保護される。
【0022】
更に、図示のように、保護カバー14は、カバーを貫通する開口60を含み、しかも、開口60は、より明瞭には図6a,図6b、更に図2に示すように、端子パッドに近接して設けられている。したがって、リード線を取り付けるさい、開口60により、詳しくは後述する端子パッド46への接近が可能になる。
【0023】
次に、図1〜図3、図6a、図6b、図11を参照すると、リード線キャップ組み立て体18が、リード線対16及びその絶縁部材17の周囲に配置され、開口60の直近の保護カバー14に固定される。一実施形式では、リード線キャップ組み立て体18は、キャップ64、キャップ64に固定された1対のキャップ延長部66、キャップ延長部66に固定された1対のスリーブ68を含んでいる。加えて、絶縁ディスク69が、図示のように、キャップ64に近接配置されている。絶縁ディスク69は、露出したリード線16とリード線キャップ組み立て体18との間に位置し、キャップ64に沿って延び、リード線16とリード線キャップ組み立て体18との間の誘電的な隔離絶縁体を形成している。一実施形式では、絶縁ディスク69は、雲母材料製だが、他の材料、例えば酸化アルミニウム又はステアタイトを使用することもでき、それらも本発明の範囲に含まれる。リード線16とその絶縁部材17とは、スリーブ対68、キャップ延長部66、キャップ64、図6bから最もよく見ることができる絶縁ディスク69を貫通して延びている。
【0024】
本発明の一実施形式では、リード線16は、図3、図13、図14に示す革新的な端子接続バネ70を介して端子パッド46に固定されている。端子接続バネ70は、近位端部74及び遠位端部76を有するフレキシブルな第1アーム72と、第1アーム72の反対側に設けられ、同じく近位端部80及び遠位端部82を有するフレキシブルな第2アーム78とを含んでいる。第1アーム72の近位端部74と第2アーム78の近位端部80との間には、連結部84が設けられている。更に、第1アーム72の遠位端部76は、第2アーム78の遠位端部82と対角方向に位置している。一実施形式では、遠位端部76,82は、各々の開口86,88を有している。該開口を貫通して、リード線16が延び、固定される。加えて、位置決め手段85(この実施形式では穴として示す)が、端子接続バネを加熱器組み立て体10内で端子パッド46に取り付けるさいの位置決め用に設けられている。
【0025】
更に、図示されているように、フレキシブルな第1と第2のアーム72,78は、本発明の一実施形式では弓形を有している。したがって、フレキシブルなアーム72,78により、リード線16から端子パッド46への荷重の移行が、より円滑に可能になるが、このことは、詳しくは後述する製造方法を参照することで、更に完全に理解されよう。端子接続バネ70は、更に連結部84とフレキシブルなアーム72,78との間に寸法縮小部90,92を含んでいる。これらの寸法縮小部90,92は切り離し可能に形成されており、リード線16が端子パッド46に固定された後、第1アーム72と第2アーム78とは分離することができる。好ましくは、端子接続バネは、ステンレス鋼製であり、打ち抜き加工で形成されるが、例えば銅合金等の他の材料や機械加工等の他の加工法を用いて形成することもでき、それらも本発明の範囲に含まれるものである。
【0026】
リード線16は、開口86,88を通して端子接続バネ70に固定された後、絶縁ディスク6に通され、次いでリード線キャップ組み立て体18に通される。次いで、リード線キャップ組み立て体18は、図1及び図2に示すように、開口60の周囲で保護カバー14に固定される。一実施形式では、開口60は隆起周壁94を有し、該周壁により、加熱器組み立て体10内で端子接続バネ70及びリード線16を端子パッド46に固定するスペースが増大する。好ましくは、リード線キャップ組み立て体18は、開口60の周囲にレーザ溶接されるが、他の方法で固定してもよく、それらの方法も、開口60を外部環境から密閉するものであれば、本発明の範囲に含まれる。
【0027】
図12a及び図12bを参照すると、本発明の一実施形式では、1対の副次リード線96がリード線16に結合されている。この場合、副次リード線対96は絶縁材料で形成されるが、この絶縁材料は、リード線16のよう耐熱性を有しておらず、(ただし、リード線96は非吸湿性であり)例えばテフロン(登録商標)(ポリテトラフルオロエチレン−PTFE)である。副次リード線対96は、加熱器組み立て体10から、したがって熱源から離れているので、リード線16及びリード線キャップ組み立て体18と等しいレベルの耐熱性を有している必要はない。しかし、リード線16、リード線キャップ組み立て体18、副次リード線対96は、すでに図示し説明したように、湿分が加熱器組み立て体10に、より詳しく言えば加熱器組み立て体10の積層に浸入しないように非吸湿性であるのがよい。
【0028】
したがって、一実施形式では、副次リード線96は、2重壁の熱収縮チューブ98を使用してリード線16に固定される。図12bから最もよく分かるように、リード線16,96は、互いに継ぎ合わされ、そのインターフェースの周囲に熱収縮チューブ98が配置されている。熱収縮チューブ98は、一実施形式では、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製外壁97とペルフルオロアルコキシ(PFA)製内壁99とを含んでいる。外壁97及び内壁99と熱収縮チューブ98のヒートシール性とによって、リード線16と副次リード線96間の接続部は良好な防湿性を有している。
【0029】
次に、図1〜図3及び図7を参照すると、加熱器組み立て体10は、一実施形式では、更に、基板12のスロット28に沿って配置された器具支持体100,102を含んでいる。一実施形式では、器具支持体100,102は、図7及び図8に最もよく示されているように、基板12のスロット28に沿って形成された棚状部103に沿って配置されている。概して、器具支持体100,102は、器具の取り付け及び除去に好都合なように備えられ、これにより、加熱器組み立て体10は、目標物の装入及び取り出しのために拡げることができる。図示のように、少なくとも一方の器具支持体100には、取り外し可能な器具を拘束かつ案内するための湾曲壁部104が形成されており、これによって、取り外し可能な器具を器具支持体100,102の間隙内で回転させることで、より容易に加熱器組み立て体10を拡開することができる。
【0030】
この全体的な概念は、米国出願11/602,707号の明細書に図示され詳説されている。該特許出願は、本出願と譲受人を共通として、ここに引用することで本明細書にその内容の全体が取り入れられるものである。加熱器組み立て体10は、器具支持体100,102を有していても有していなくともよく、いずれもが本発明の範囲に含まれることを理解されたい。
【実施例2】
【0031】
次に図15を参照して、加熱器組み立て体10の製造方法を詳説する。先ず、溶射法を用いて、複数の層(既述のような)を基板12上に形成し、そのさい、積層に凹部を形成する。次に、電気端子(例えば端子パッド46)を凹部の直近に、好ましくは溶射法を用いて形成する。次いで、保護カバー14を、レーザ溶接を用いて積層上に固定する。その場合、保護カバー14の縁部は、基板12の隆起端部の周囲に溶接され、かつ基板12のスロット28に沿って長手方向に溶接される。次いで、リード線対16を端子接続バネ70に、好ましくはレーザ溶接により固定した後、この組み立て体を、再びレーザ溶接によって端子パッド46に固定する。より詳しく言えば、端子接続バネ70の各近位端部74,80を端子パッド46に固定し、その後で寸法縮小部90,92を切断する。これにより、フレキシブルなアーム72,78各々が電気的に隔離される。
【0032】
次に、リード線16を、絶縁ディスク69と、リード・キャップ組み立て体18とに通して、リード・キャップ組み立て体18を、好ましくはレーザ溶接により開口60の直近の保護カバー14に固定する。次いで、副次リード線対96を、既述のように、熱収縮チューブ98を用いてリード線16に継ぎ合わせて、防湿性加熱器組み立て体10が完成する。
【0033】
好ましくは、図1及び図2に示すように、リード線キャップ組み立て体18のスリーブ68は、基板12の長手軸線に対し約45度に配向される。このようにスリーブ68を配向することにより、リード線16,98は、加熱器組み立て体10に沿って長手方向に配向されるか、又は各個のリード線が他のリード線を妨害することなく加熱器組み立て体10に対し横方向に配向できる。
ここに開示した実施形式は説明目的のものに過ぎず、したがって、種々の変更が本発明の要旨を離れることなく可能であり、それらも本発明の範囲に含まれるものである。それらの変更は、本発明の精神の範囲を逸脱したものとは見なされない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱器組み立て体において、該加熱器組み立て体に、
隆起フランジを形成する両端部分と、該両端部間に延びるスロットと、スロットに沿って延び、かつ隆起フランジにも及ぶ対向面取り面とを含む基板と、
前記基板に被覆された第1誘電層と、
前記第1誘電層に被覆された抵抗素子層と、
前記第1誘電層上に配置され、かつ前記抵抗素子層に接触する1対の端子パッドと、
前記抵抗素子層に被覆され、かつ前記端子パッドには完全には被覆されていない第2誘電層と、
少なくとも1開口を有する保護カバーとが含まれており、該保護カバーが、前記第2誘電層に被覆され、かつ基板の隆起フランジと対向面取り面とに固定され、しかも、前記開口が前記端子パッドの直近に設けられており、更に、前記加熱器組み立て体に、
前記1対の端子パッドに取り付けられた1対のリード線と、
前記1対のリード線を囲んで配置され、かつ前記保護カバーに取り付けられたリード線キャップ組み立て体とが含まれている、加熱器組み立て体。
【請求項2】
前記基板が、更に、
前記隆起フランジ間に延びる外面と、
前記外面に設けられ、かつ前記保護カバーの開口の直近に位置する凹部とを含み、しかも、該凹部内に前記端子パッドが配置されている、請求項1記載の加熱器組み立て体。
【請求項3】
保護カバーの前記開口に、隆起した周壁が形成されている、請求項1記載の加熱器組み立て体。
【請求項4】
更に、前記基板のスロットに沿って配置された器具支持体が含まれている、請求項1記載の加熱器組み立て体。
【請求項5】
前記器具支持体の少なくとも1つに湾曲壁部が形成されている、請求項5記載の加熱器組み立て体。
【請求項6】
更に、前記リード線に固定された端子接続バネが含まれ、該端子接続バネには、
開口を有する遠位端部を形成するフレキシブルな第1アームが含まれ、該開口を前記リード線の1つが貫通し固定されており、また、
前記フレキシブルな第1アームの反対側に配置され、開口を有する遠位端部を備えたフレキシブルな第2アームとが含まれ、該開口を他方のリード線が貫通し固定されている、請求項1記載の加熱器組み立て体。
【請求項7】
前記フレキシブルなアームが、近位端部から遠位端部へ弓形に延びている、請求項6記載の加熱器組み立て体。
【請求項8】
前記リード線キャップ組み立て体が、
キャップと、
前記キャップに固定された1対のスリーブとを含み、該スリーブ対とキャップとを貫通して、前記リード線が延びている、請求項1記載の加熱器組み立て体。
【請求項9】
更に、
前記キャップに固定された1対のキャップ延長部が含まれ、
しかも、前記1対のスリーブが該キャップ延長部に固定され、かつリード線が、前記1対のスリーブと、キャップ延長部と、キャップとを貫通して延びている、請求項8記載の加熱器組み立て体。
【請求項10】
前記1対のスリーブが、基板の長手軸線に対して約45度に配向されている、請求項8記載の加熱器組み立て体。
【請求項11】
更に、前記1対のリード線に固定された1対の副次リード線が含まれている、請求項8記載の加熱器組み立て体。
【請求項12】
更に、熱収縮チューブが含まれ、該熱収縮チューブが前記1対の副次リード線と前記1対のリード線間のインタフェース周囲に配置されている、請求項11記載の加熱器組み立て体。
【請求項13】
前記抵抗素子層と誘電層とが溶射法によって形成される、請求項1記載の加熱器組み立て体。
【請求項14】
更に、前記リード線キャップ組み立て体の下と、前記1対のリード線の周囲とに配置された絶縁ディスクが含まれている、請求項1記載の加熱器組み立て体。
【請求項15】
加熱器組み立て体において、
基板と、
前記基板に被覆された第1誘電層と、
前記第1誘電層に被覆された抵抗素子層と、
前記第1誘電層上に配置され、かつ前記抵抗素子層と接触する1対の端子パッドと、
前記抵抗素子層に被覆され、かつ前記端子パッドには完全には被覆されていない第2誘電層と、
少なくとも1開口を有する保護カバーとが含まれ、該保護カバーが、第2誘電層に被覆され、かつ基板に固定され、しかも該開口が前記端子パッドの直近に設けられ、更に、
前記1対の端子パッドに固定された1対のリード線と、
前記1対のリード線の周囲に配置され、かつ前記保護カバーに固定されたリード線キャップ組み立て体とが含まれており、
しかも、前記保護カバーと前記リード線キャップ組み立て体との取り付けにより、積層への湿分浸入が防止されている、加熱器組み立て体。
【請求項16】
前記基板が、更に、
隆起フランジを形成する両端部と、
前記両端部間に延びるスロットと、
前記スロットの沿って延び、かつ隆起フランジにもわたって延びる対向面取り面とを含み、
しかも、前記保護カバーが、隆起フランジと基板の前記対向面取り面とに固定されている、請求項15記載の加熱器組み立て体。
【請求項17】
前記抵抗素子層と誘電層とが溶射法により形成される、請求項15記載の加熱器組み立て体。
【請求項18】
更に、前記リード線に固定された端子接続バネが含まれ、該端子接続バネが、
開口を有する遠位端部を備えたフレキシブルな第1アームを含み、該開口を前記リード線の一方が貫通して延び、かつ固定されており、前記端子接続バネが、また、
フレキシブルな第2アームを含み、該アームが、前記第1アームの反対側に配置され、かつ開口を有する遠位端部を備え、該開口を前記リード線の他方が貫通して延び、かつ固定されている、請求項15記載の加熱器組み立て体。
【請求項19】
加熱器組み立て体において、
基板と、
前記基板に溶射により形成された複数の層と、
前記基板に取り付けられた保護カバーとが含まれ、
しかも、前記保護カバーの取り付けによって、溶射により形成された複数の層への湿分の浸入が防止されている、加熱器組み立て体。
【請求項20】
前記複数層が、
前記基板を被覆された第1誘電層と、
前記第1誘電層に被覆された抵抗素子層と、
前記抵抗素子層に被覆され、かつ前記端子パッドには完全には被覆されていない第2誘電層とを含む、請求項19記載の加熱器組み立て体。
【請求項21】
更に、前記第1誘電層に被覆され、かつ前記抵抗素子層と接触する1対の端子パッドを含む、請求項20記載の加熱器組み立て体。
【請求項22】
更に、前記1対の端子パッドに取り付けられた1対のリード線と、
前記1対のリード線の周囲に配置され、かつ前記保護カバーに固定されたリード線キャップ組み立て体とを含み、
しかも、前記保護カバーと前記リード線キャップとが、溶射により形成された積層への湿分の浸入を防止するように取り付けられている、請求項21記載の加熱器組み立て体。
【請求項23】
前記リード線キャップ組み立て体が、
キャップと、
前記キャップに固定された1対のキャップ延長部と、
前記キャップに固定された1対のスリーブとを含み、
しかも、前記リード線が、前記1対のスリーブ、前記キャップ延長部、前記キャップを貫通して延びている、請求項22記載の加熱器組み立て体。
【請求項24】
更に、前記リード線に固定された端子接続バネが含まれ、該端子接続バネが、
開口を有する遠位端部を備えたフレキシブルな第1アームを含み、該開口を前記リード線の一方が貫通して延び、かつ固定され、前記端子接続バネが、また、
前記フレキシブルな第1アームの反対側に配置され、開口を有する遠位端部を備えたフレキシブルな第2アームを含み、該開口を他方のリード線が貫通して延び、かつ固定されている、請求項22記載の加熱器組み立て体。
【請求項25】
加熱器組み立て体を形成する方法において、
溶射法を用いて基板上に複数層を形成し、そのさい端子配置用の凹部を積層上に設ける段階と、
前記凹部の直近に電気端子を設ける段階と、
レーザ溶接法を用いて積層上に保護カバーを固定する段階とを含み、
そのさい、保護カバーの縁部は、基板の隆起端部の周囲に溶接され、かつ基板のスロット形成部分に沿って長手方向に溶接され、前記方法が、更に、
1対のリード線を凹部内の電気端子に取り付ける段階と、
前記リード線の周囲と前記保護カバーとにリード線キャップ組み立て体を固定する段階とを含む、加熱器組み立て体を形成する方法。
【請求項26】
前記複数の層が、レーザ除去法により形成された抵抗素子層を含む、請求項25記載の方法。
【請求項27】
前記リード線が、レーザ溶接法を用いて電気端子に取り付けられる、請求項25記載の方法。
【請求項28】
前記リード線キャップ組み立て体が、レーザ溶接法を用いて保護カバーに取り付けられる、請求項25記載の方法。
【請求項29】
前記リード線が、端子接続バネを介して電気端子に取り付けられ、前記端子接続バネが、電気端子に固定された後に切断される、請求項25記載の方法。
【請求項30】
積層加熱器組み立て体を形成する方法において、
抵抗素子層を含む複数の層を基板上に形成する段階と、
前記抵抗素子層に接触する電気端子を配置する段階と、
レーザ溶接法を用いて前記複数層に保護カバーを固定する段階とを含み、その場合、保護カバーの縁部は、基板の隆起端部の周囲に溶接され、かつ基板のスロット部分に沿って長手方向に溶接され、前記方法が、更に、
1対のリード線を電気端子に取り付ける段階と、
前記1対のリード線の周囲及び前記保護カバーに、リード線キャップ組み立て体をレーザ溶接法によって固定する段階とを含む、積層加熱器組み立て体を形成する方法。
【請求項31】
前記複数の層が溶射法によって形成される、請求項30記載の方法。
【請求項32】
更に、電気端子用の凹部を形成する段階を含む、請求項30記載の方法。
【請求項33】
前記抵抗素子層がレーザ除去法によって形成される、請求項30記載の方法。
【請求項34】
前記リード線が端子接続バネを介して電気端子に取り付けられ、該端子接続バネの一部が、電気端子への固定後に切断される、請求項30記載の方法。
【請求項1】
加熱器組み立て体において、該加熱器組み立て体に、
隆起フランジを形成する両端部分と、該両端部間に延びるスロットと、スロットに沿って延び、かつ隆起フランジにも及ぶ対向面取り面とを含む基板と、
前記基板に被覆された第1誘電層と、
前記第1誘電層に被覆された抵抗素子層と、
前記第1誘電層上に配置され、かつ前記抵抗素子層に接触する1対の端子パッドと、
前記抵抗素子層に被覆され、かつ前記端子パッドには完全には被覆されていない第2誘電層と、
少なくとも1開口を有する保護カバーとが含まれており、該保護カバーが、前記第2誘電層に被覆され、かつ基板の隆起フランジと対向面取り面とに固定され、しかも、前記開口が前記端子パッドの直近に設けられており、更に、前記加熱器組み立て体に、
前記1対の端子パッドに取り付けられた1対のリード線と、
前記1対のリード線を囲んで配置され、かつ前記保護カバーに取り付けられたリード線キャップ組み立て体とが含まれている、加熱器組み立て体。
【請求項2】
前記基板が、更に、
前記隆起フランジ間に延びる外面と、
前記外面に設けられ、かつ前記保護カバーの開口の直近に位置する凹部とを含み、しかも、該凹部内に前記端子パッドが配置されている、請求項1記載の加熱器組み立て体。
【請求項3】
保護カバーの前記開口に、隆起した周壁が形成されている、請求項1記載の加熱器組み立て体。
【請求項4】
更に、前記基板のスロットに沿って配置された器具支持体が含まれている、請求項1記載の加熱器組み立て体。
【請求項5】
前記器具支持体の少なくとも1つに湾曲壁部が形成されている、請求項5記載の加熱器組み立て体。
【請求項6】
更に、前記リード線に固定された端子接続バネが含まれ、該端子接続バネには、
開口を有する遠位端部を形成するフレキシブルな第1アームが含まれ、該開口を前記リード線の1つが貫通し固定されており、また、
前記フレキシブルな第1アームの反対側に配置され、開口を有する遠位端部を備えたフレキシブルな第2アームとが含まれ、該開口を他方のリード線が貫通し固定されている、請求項1記載の加熱器組み立て体。
【請求項7】
前記フレキシブルなアームが、近位端部から遠位端部へ弓形に延びている、請求項6記載の加熱器組み立て体。
【請求項8】
前記リード線キャップ組み立て体が、
キャップと、
前記キャップに固定された1対のスリーブとを含み、該スリーブ対とキャップとを貫通して、前記リード線が延びている、請求項1記載の加熱器組み立て体。
【請求項9】
更に、
前記キャップに固定された1対のキャップ延長部が含まれ、
しかも、前記1対のスリーブが該キャップ延長部に固定され、かつリード線が、前記1対のスリーブと、キャップ延長部と、キャップとを貫通して延びている、請求項8記載の加熱器組み立て体。
【請求項10】
前記1対のスリーブが、基板の長手軸線に対して約45度に配向されている、請求項8記載の加熱器組み立て体。
【請求項11】
更に、前記1対のリード線に固定された1対の副次リード線が含まれている、請求項8記載の加熱器組み立て体。
【請求項12】
更に、熱収縮チューブが含まれ、該熱収縮チューブが前記1対の副次リード線と前記1対のリード線間のインタフェース周囲に配置されている、請求項11記載の加熱器組み立て体。
【請求項13】
前記抵抗素子層と誘電層とが溶射法によって形成される、請求項1記載の加熱器組み立て体。
【請求項14】
更に、前記リード線キャップ組み立て体の下と、前記1対のリード線の周囲とに配置された絶縁ディスクが含まれている、請求項1記載の加熱器組み立て体。
【請求項15】
加熱器組み立て体において、
基板と、
前記基板に被覆された第1誘電層と、
前記第1誘電層に被覆された抵抗素子層と、
前記第1誘電層上に配置され、かつ前記抵抗素子層と接触する1対の端子パッドと、
前記抵抗素子層に被覆され、かつ前記端子パッドには完全には被覆されていない第2誘電層と、
少なくとも1開口を有する保護カバーとが含まれ、該保護カバーが、第2誘電層に被覆され、かつ基板に固定され、しかも該開口が前記端子パッドの直近に設けられ、更に、
前記1対の端子パッドに固定された1対のリード線と、
前記1対のリード線の周囲に配置され、かつ前記保護カバーに固定されたリード線キャップ組み立て体とが含まれており、
しかも、前記保護カバーと前記リード線キャップ組み立て体との取り付けにより、積層への湿分浸入が防止されている、加熱器組み立て体。
【請求項16】
前記基板が、更に、
隆起フランジを形成する両端部と、
前記両端部間に延びるスロットと、
前記スロットの沿って延び、かつ隆起フランジにもわたって延びる対向面取り面とを含み、
しかも、前記保護カバーが、隆起フランジと基板の前記対向面取り面とに固定されている、請求項15記載の加熱器組み立て体。
【請求項17】
前記抵抗素子層と誘電層とが溶射法により形成される、請求項15記載の加熱器組み立て体。
【請求項18】
更に、前記リード線に固定された端子接続バネが含まれ、該端子接続バネが、
開口を有する遠位端部を備えたフレキシブルな第1アームを含み、該開口を前記リード線の一方が貫通して延び、かつ固定されており、前記端子接続バネが、また、
フレキシブルな第2アームを含み、該アームが、前記第1アームの反対側に配置され、かつ開口を有する遠位端部を備え、該開口を前記リード線の他方が貫通して延び、かつ固定されている、請求項15記載の加熱器組み立て体。
【請求項19】
加熱器組み立て体において、
基板と、
前記基板に溶射により形成された複数の層と、
前記基板に取り付けられた保護カバーとが含まれ、
しかも、前記保護カバーの取り付けによって、溶射により形成された複数の層への湿分の浸入が防止されている、加熱器組み立て体。
【請求項20】
前記複数層が、
前記基板を被覆された第1誘電層と、
前記第1誘電層に被覆された抵抗素子層と、
前記抵抗素子層に被覆され、かつ前記端子パッドには完全には被覆されていない第2誘電層とを含む、請求項19記載の加熱器組み立て体。
【請求項21】
更に、前記第1誘電層に被覆され、かつ前記抵抗素子層と接触する1対の端子パッドを含む、請求項20記載の加熱器組み立て体。
【請求項22】
更に、前記1対の端子パッドに取り付けられた1対のリード線と、
前記1対のリード線の周囲に配置され、かつ前記保護カバーに固定されたリード線キャップ組み立て体とを含み、
しかも、前記保護カバーと前記リード線キャップとが、溶射により形成された積層への湿分の浸入を防止するように取り付けられている、請求項21記載の加熱器組み立て体。
【請求項23】
前記リード線キャップ組み立て体が、
キャップと、
前記キャップに固定された1対のキャップ延長部と、
前記キャップに固定された1対のスリーブとを含み、
しかも、前記リード線が、前記1対のスリーブ、前記キャップ延長部、前記キャップを貫通して延びている、請求項22記載の加熱器組み立て体。
【請求項24】
更に、前記リード線に固定された端子接続バネが含まれ、該端子接続バネが、
開口を有する遠位端部を備えたフレキシブルな第1アームを含み、該開口を前記リード線の一方が貫通して延び、かつ固定され、前記端子接続バネが、また、
前記フレキシブルな第1アームの反対側に配置され、開口を有する遠位端部を備えたフレキシブルな第2アームを含み、該開口を他方のリード線が貫通して延び、かつ固定されている、請求項22記載の加熱器組み立て体。
【請求項25】
加熱器組み立て体を形成する方法において、
溶射法を用いて基板上に複数層を形成し、そのさい端子配置用の凹部を積層上に設ける段階と、
前記凹部の直近に電気端子を設ける段階と、
レーザ溶接法を用いて積層上に保護カバーを固定する段階とを含み、
そのさい、保護カバーの縁部は、基板の隆起端部の周囲に溶接され、かつ基板のスロット形成部分に沿って長手方向に溶接され、前記方法が、更に、
1対のリード線を凹部内の電気端子に取り付ける段階と、
前記リード線の周囲と前記保護カバーとにリード線キャップ組み立て体を固定する段階とを含む、加熱器組み立て体を形成する方法。
【請求項26】
前記複数の層が、レーザ除去法により形成された抵抗素子層を含む、請求項25記載の方法。
【請求項27】
前記リード線が、レーザ溶接法を用いて電気端子に取り付けられる、請求項25記載の方法。
【請求項28】
前記リード線キャップ組み立て体が、レーザ溶接法を用いて保護カバーに取り付けられる、請求項25記載の方法。
【請求項29】
前記リード線が、端子接続バネを介して電気端子に取り付けられ、前記端子接続バネが、電気端子に固定された後に切断される、請求項25記載の方法。
【請求項30】
積層加熱器組み立て体を形成する方法において、
抵抗素子層を含む複数の層を基板上に形成する段階と、
前記抵抗素子層に接触する電気端子を配置する段階と、
レーザ溶接法を用いて前記複数層に保護カバーを固定する段階とを含み、その場合、保護カバーの縁部は、基板の隆起端部の周囲に溶接され、かつ基板のスロット部分に沿って長手方向に溶接され、前記方法が、更に、
1対のリード線を電気端子に取り付ける段階と、
前記1対のリード線の周囲及び前記保護カバーに、リード線キャップ組み立て体をレーザ溶接法によって固定する段階とを含む、積層加熱器組み立て体を形成する方法。
【請求項31】
前記複数の層が溶射法によって形成される、請求項30記載の方法。
【請求項32】
更に、電気端子用の凹部を形成する段階を含む、請求項30記載の方法。
【請求項33】
前記抵抗素子層がレーザ除去法によって形成される、請求項30記載の方法。
【請求項34】
前記リード線が端子接続バネを介して電気端子に取り付けられ、該端子接続バネの一部が、電気端子への固定後に切断される、請求項30記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5a】
【図5b】
【図6a】
【図6b】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12a】
【図12b】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5a】
【図5b】
【図6a】
【図6b】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12a】
【図12b】
【図13】
【図14】
【図15】
【公表番号】特表2011−503826(P2011−503826A)
【公表日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−534161(P2010−534161)
【出願日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際出願番号】PCT/US2008/083376
【国際公開番号】WO2009/064862
【国際公開日】平成21年5月22日(2009.5.22)
【出願人】(500157653)ワトロウ エレクトリック マニュファクチュアリング カンパニー (25)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際出願番号】PCT/US2008/083376
【国際公開番号】WO2009/064862
【国際公開日】平成21年5月22日(2009.5.22)
【出願人】(500157653)ワトロウ エレクトリック マニュファクチュアリング カンパニー (25)
【Fターム(参考)】
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