説明

防音壁の改修方法

【課題】既設透光板を支柱に固定するための支柱貫通孔を利用して、既設透光板を新規透光板に取り替える防音壁の改修方法を提供する。
【解決手段】既設透光板を撤去する工程と、表面ボルト41とプレート貫通孔42と裏面ボルト43とを具備する取付プレート4を、支柱貫通孔11に裏面ボルト43を挿入して支柱1に固定する工程と、下段枠貫通孔52とプレート貫通孔42とに片面締結ボルト53に通して下段枠5を取付プレート4に固定する工程と、下段枠5の凹溝51に新規透光板3の下縁を装入する工程と、新規透光板3の上縁を中間枠7の凹溝75に装入して、中間枠貫通孔72とプレート貫通孔42とに片面締結ボルト73に通して中間枠7を取付プレート4に固定する工程と、縦枠貫通孔61に表面ボルト41を通して新規透光板3を保持した状態で、縦枠6を取付プレート4に固定する工程と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は防音壁の改修方法、特に、道路や橋梁の側縁部に設置されている防音壁の改修方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、道路や橋梁の側縁部に設置される防音壁(本発明において、遮音壁、吸音壁等をまとめて「防音壁」と称する)は、道路や橋梁の側縁部に所定の間隔を設けて立設された複数本の断面H型の支柱と、該支柱のうち隣接する一対の支柱に、それぞれ固定された複数枚の吸音板と、を具備している。そして、当該道路や橋梁を走行する際の景観に配慮するため、低い位置には透明な防音板(以下、「透光板」と称する)が設置されている。
かかる透光板は、ポリカーボネイト製の板材であって、ボルトを用いて支柱に直接固定されたり、取り付け金具を介して支柱に固定されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1に開示された発明は、ポリカーボネイト製の透光板であるため、アクリル板に比べて全光線透過が劣り、しかも、耐候性による耐用期間(寿命)が短かく、それによって全光線透過が低減するため、使い古したポリカーボネイト製の透光板に替えて、新たにアクリル製の透光板を、迅速に取り付けたいという要請があった。
また、かかる取り替えに際しては、透光板や取り付け金具あるいはこれら同士の間に塵埃や汚れが溜まらないようにしたいという要請があった。
【0004】
本発明は、このような要請に応えるためになされたものであって、ポリカーボネイト製の透光板を支柱に固定するために既に設けられている貫通孔を利用して、迅速に新規透光板を固定することができると共に、景観性に優れた防音壁に改修することができる防音壁の改修方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1)本発明に係る防音壁の改修方法は、側縁に沿って貫通孔が形成された既設透光板と、既設透光板を固定するための既設透光用固定ボルトが貫通する支柱貫通孔を具備する複数本の断面H型の支柱と、を有する防音壁における、前記既設透光板を取り外して新たな新規透光板に取り替えるための改修方法であって、
前記既設透光板固定ボルトを撤去して前記既設透光板を取り外す工程と、
表面に固定された表面ボルトと、裏面に固定された前記支柱貫通孔を貫通自在な裏面ボルトとを具備する取付プレートの前記裏面ボルトを、前記支柱貫通孔に装入して前記取付プレートを前記支柱に固定する工程と、
前記取付プレートの前面に前記新規透光板の側縁を配置する工程と、
前記表面ボルトが貫通自在な縦枠貫通孔を具備する縦枠の前記縦枠貫通孔に、前記表面ボルトを通して前記新規透光板を保持した状態で、前記縦枠を前記取付プレートに固定する工程と、
を有する。
【0006】
(2)また、本発明に係る防音壁の改修方法は、側縁に沿って貫通孔が形成された既設透光板と、既設透光板を固定するための既設透光用固定ボルトが貫通する支柱貫通孔を具備する複数本の断面H型の支柱と、を有する防音壁における、前記既設透光板を取り外して新たな新規透光板に取り替えるための改修方法であって、
前記既設透光板固定ボルトを撤去して前記既設透光板を取り外す工程と、
表面に固定された表面ボルトと、裏面に固定された前記支柱貫通孔を貫通自在な裏面ボルトと、後記下段枠固定ボルトが貫通自在なプレート貫通孔とを具備する下段取付プレートの前記裏面ボルトを、前記支柱貫通孔に装入して前記下段取付プレートを前記支柱に固定する工程と、
前記新規透光板の下縁を、上面に凹溝および両端部に下段枠貫通孔を具備する下段枠の前記凹溝に装入する工程と、
前記下段取付プレートの前面に前記新規透光板の側縁を配置する工程と、
前記下段枠の下段枠貫通孔および前記下段取付プレートのプレート貫通孔に下段枠固定ボルトを通して、前記下段枠を前記下段取付プレートに固定する工程と、
前記表面ボルトが貫通自在な縦枠貫通孔を具備する縦枠の前記縦枠貫通孔に、前記表面ボルトを通して前記新規透光板を保持した状態で、前記縦枠を前記下段取付プレートに固定する工程と、
を有する。
【0007】
(3)また、本発明に係る防音壁の改修方法は、側縁に沿って貫通孔が形成された既設透光板と、既設透光板を固定するための既設透光用固定ボルトが貫通する支柱貫通孔を具備する複数本の断面H型の支柱と、を有する防音壁における、前記既設透光板を取り外して新たな新規透光板に取り替えるための改修方法であって、
前記既設透光板固定ボルトを撤去して前記既設透光板を取り外す工程と、
表面に固定された表面ボルトと、裏面に固定された前記支柱貫通孔を貫通自在な裏面ボルトと、後記下段枠固定ボルトが貫通自在なプレート貫通孔とを具備する上段取付プレートの前記裏面ボルトを、前記支柱貫通孔に装入して前記上段取付プレートを前記支柱に固定する工程と、
前記新規透光板の上縁を、下面に凹溝および両端部に上段枠貫通孔を具備する上段枠の前記凹溝に装入する工程と、
前記上段取付プレートの前面に前記新規透光板の側縁を配置する工程と、
前記上段枠の上段枠貫通孔および前記上段取付プレートのプレート貫通孔に上段枠固定ボルトを通して、前記上段枠を前記上段取付プレートに固定する工程と、
前記表面ボルトが貫通自在な縦枠貫通孔を具備する縦枠の前記縦枠貫通孔に、前記表面ボルトを通して前記新規透光板を保持した状態で、前記縦枠を前記上段取付プレートに固定する工程と、
を有する防音壁の改修方法。
【0008】
(4)また、本発明に係る防音壁の改修方法は、側縁に沿って貫通孔が形成された既設透光板と、既設透光板を固定するための既設透光用固定ボルトが貫通する支柱貫通孔を具備する複数本の断面H型の支柱と、を有する防音壁における、前記既設透光板を取り外して新たな新規透光板に取り替えるための改修方法であって、
前記既設透光板固定ボルトを撤去して前記既設透光板を取り外す工程と、
表面に固定された表面ボルトと、裏面に固定された前記支柱貫通孔を貫通自在な裏面ボルトと、後記下段枠固定ボルトが貫通自在なプレート貫通孔とを具備する下段取付プレートの前記裏面ボルトを、前記支柱貫通孔に装入して前記下段取付プレートを前記支柱に固定する工程と、
表面に固定された表面ボルトと、裏面に固定された前記支柱貫通孔を貫通自在な裏面ボルトと、後記下段枠固定ボルトが貫通自在なプレート貫通孔とを具備する上段取付プレートの前記裏面ボルトを、前記支柱貫通孔に装入して前記上段取付プレートを前記支柱に固定する工程と、
前記新規透光板の下縁を、上面に凹溝および両端部に下段枠貫通孔を具備する下段枠の前記凹溝に装入する工程と、
前記新規透光板の上縁を、下面に凹溝および両端部に上段枠貫通孔を具備する上段枠の前記凹溝に装入する工程と、
前記下段取付プレートの前面および前記上段取付プレートの前面に、前記新規透光板の側縁を配置する工程と、
前記下段枠の下段枠貫通孔および前記下段取付プレートのプレート貫通孔に下段枠固定ボルトを通して、前記下段枠を前記下段取付プレートに固定する工程と、
前記上段枠の上段枠貫通孔および前記上段取付プレートのプレート貫通孔に上段枠固定ボルトを通して、前記上段枠を前記上段取付プレートに固定する工程と、
前記表面ボルトが貫通自在な縦枠貫通孔を具備する縦枠の前記縦枠貫通孔に、前記表面ボルトを通して前記新規透光板を保持した状態で、前記縦枠を前記上段取付プレートに固定する工程と、を有する。
【0009】
(5)また、本発明に係る防音壁の改修方法は、側縁に沿って貫通孔が形成された既設透光板と、既設透光板を固定するための既設透光用固定ボルトが貫通する支柱貫通孔を具備する複数本の断面H型の支柱と、を有する防音壁における、前記既設透光板を取り外して新たな新規透光板に取り替えるための改修方法であって、
前記既設透光板固定ボルトを撤去して前記既設透光板を取り外す工程と、
表面に固定された表面ボルトと、裏面に固定された前記支柱貫通孔を貫通自在な裏面ボルトと、後記中間枠固定ボルトが貫通自在なプレート貫通孔とを具備する中間取付プレートの前記裏面ボルトを、前記支柱貫通孔に装入して前記中間取付プレートを前記支柱に固定する工程と、
前記新規透光板の上縁を、上下面に凹溝および両端部に中間枠貫通孔を具備する中間枠の前記下面の凹溝に装入する工程と、
前記中間取付プレートの前面に前記新規透光板の側縁を配置する工程と、
前記中間枠の中間枠貫通孔および前記中間取付プレートのプレート貫通孔に中間枠固定ボルトを通して、前記中間枠を前記中間取付プレートに固定する工程と、
前記表面ボルトが貫通自在な下段縦枠貫通孔を具備する下段縦枠の前記下段縦枠貫通孔に、前記表面ボルトを通して前記新規透光板を保持した状態で、前記下段縦枠を前記中間取付プレートに固定する工程と、
を有する。
【0010】
(6)また、本発明に係る防音壁の改修方法は、前記(5)における新規透光板に追加して、第2の新規透光板の下縁を、前記中間枠の前記上面の凹溝に装入する工程と、
前記中間取付プレートの前面に前記第2の新規透光板の側縁を配置する工程と、
前記中間枠の中間枠貫通孔および前記中間取付プレートのプレート貫通孔に中間枠固定ボルトを通して、前記中間枠を前記中間取付プレートに固定する工程と、
前記表面ボルトが貫通自在な上段縦枠貫通孔を具備する上段縦枠の前記上段縦枠貫通孔に、前記表面ボルトを通して前記第2の新規透光板を保持した状態で、前記上段縦枠を前記中間取付プレートに固定する工程と、
を有する。
【0011】
(7)また、本発明に係る防音壁の改修方法は、側縁に沿って貫通孔が形成された既設透光板と、既設透光板を固定するための既設透光用固定ボルトが貫通する支柱貫通孔を具備する複数本の断面H型の支柱と、を有する防音壁における、前記既設透光板を取り外して新たな下方新規透光板および上方新規透光板に取り替えるための改修方法であって、
前記既設透光板固定ボルトを撤去して前記既設透光板を取り外す工程と、
表面に固定された表面ボルトと、裏面に固定された前記支柱貫通孔を貫通自在な裏面ボルトと、後記下段枠固定ボルトが貫通自在なプレート貫通孔とを具備する下段取付プレートの前記裏面ボルトを、前記支柱貫通孔に装入して前記下段取付プレートを前記支柱に固定する工程と、
表面に固定された表面ボルトと、裏面に固定された前記支柱貫通孔を貫通自在な裏面ボルトと、後記中間枠固定ボルトが貫通自在なプレート貫通孔とを具備する中間取付プレートの前記裏面ボルトを、前記支柱貫通孔に装入して前記中間取付プレートを前記支柱に固定する工程と、
表面に固定された表面ボルトと、裏面に固定された前記支柱貫通孔を貫通自在な裏面ボルトと、後記下段枠固定ボルトが貫通自在なプレート貫通孔とを具備する上段取付プレートの前記裏面ボルトを、前記支柱貫通孔に装入して前記上段取付プレートを前記支柱に固定する工程と、
前記下方新規透光板の下縁を、上面に凹溝および両端部に下段枠貫通孔を具備する下段枠の前記凹溝に装入する工程と、
前記下段取付プレートの前面に前記下方新規透光板の側縁を配置する工程と、
前記下段枠の下段枠貫通孔および前記下段取付プレートのプレート貫通孔に下段枠固定ボルトを通して、前記下段枠を前記下段取付プレートに固定する工程と、
前記下方新規透光板の上縁を、上下面に凹溝および両端部に中間枠貫通孔を具備する中間枠の前記下面の凹溝に装入する工程と、
前記中間取付プレートの前面に前記下方新規透光板の側縁を配置する工程と、
前記中間枠の中間枠貫通孔および前記中間取付プレートのプレート貫通孔に中間枠固定ボルトを通して、前記中間枠を前記中間取付プレートに固定する工程と、
前記表面ボルトが貫通自在な縦枠貫通孔を具備する下段縦枠の前記縦枠貫通孔に、前記表面ボルトを通して前記下方新規透光板を保持した状態で、前記下段縦枠を前記下段取付プレートに固定する工程と、
前記上方新規透光板の下縁を、前記中間枠の前記上面の凹溝に装入する工程と、
前記上方新規透光板の上縁を、下面に凹溝および両端部に上段枠貫通孔を具備する上段枠の前記凹溝に装入する工程と、
前記上段取付プレートの前面に前記上方新規透光板の側縁を配置する工程と、
前記上段枠の上段枠貫通孔および前記上段取付プレートのプレート貫通孔に上段枠固定ボルトを通して、前記上段枠を前記上段取付プレートに固定する工程と、
前記表面ボルトが貫通自在な縦枠貫通孔を具備する上段縦枠の前記縦枠貫通孔に、前記表面ボルトを通して前記新規透光板を保持した状態で、前記上段縦枠を前記上段取付プレートに固定する工程と、
を有する。
【0012】
(8)また、前記(5)乃至(7)の何れかにおいて、前記中間枠を前記中間取付プレートに固定する工程の後、前記上方の新規透光板の下縁を、前記中間枠の前記上面の凹溝に装入する工程を有する。
(9)さらに、前記(1)乃至(8)の何れかにおいて、前記既設透光板が、ポリカーボネイト板であることを特徴とする。
(10)さらに、前記(1)乃至(9)の何れかにおいて、前記新規透光板が、アクリル板であることを特徴とする。
(11)さらに、前記(1)乃至(9)の何れかにおいて、前記新規透光板が、繊維補強型のアクリル板であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る防音壁の改修方法は、以上であるから、下記の効果を奏する。
(i)裏面ボルトおよび表面ボルトを具備する取付プレートを用意して、支柱に既に設けられている支柱貫通孔および裏面ボルトを利用して取付プレートを支柱に固定し、表面ボルトを利用して縦枠を取付プレートに固定するから、改修現場における溶接作業や穿孔(孔加工)作業が不要となり、作業の迅速化、且つ、天候に左右されることのない進捗の円滑化を図ることが可能になると共に、作用に要する面積(作業スペース)を狭くすることができ、交通規制を最小にとどめることができる。
また、新規透光板の端部の段差を隠すことができるから、塵埃や汚れが目地に溜まることがなく、景観性に優れた防音壁に改修することができる。
【0014】
(ii)裏面ボルト、表面ボルトおよびプレート貫通孔を具備する下段取付プレートを用意して、支柱に既に設けられている支柱貫通孔および裏面ボルトを利用して下段取付プレートを支柱に固定し、プレート貫通孔および下段枠の下段枠貫通孔に下段枠固定ボルトを通して、下段枠を下段取付プレートに固定し、さらに、表面ボルトを利用して縦枠を取付プレートに固定するから、改修現場における溶接作業や穿孔(孔加工)作業を要することなく、下段枠を迅速かつ簡便に固定することができる。したがって、前記(i)の効果と共に、下段枠による新規透光板の剛性向上および破損防止を図ることができる。
【0015】
(iii)裏面ボルト、表面ボルトおよびプレート貫通孔を具備する上段取付プレートを用意して、前記(2)と同様に、支柱に固定されている上段取付プレートに上段枠を固定するから、前記(ii)と同様の効果を奏する。
(iv)前記(2)の下段取付プレートおよび前記(3)の上段取付プレートを用意するから、前記(ii)と同様の効果を奏する。
【0016】
(v)裏面ボルト、表面ボルトおよびプレート貫通孔を具備する中間取付プレートを用意して、前記(2)と同様に、支柱に固定されている中間取付プレートに中間枠を固定するから、特に、下方の新規透光板の取り替えに際し、を前記(ii)と同様の効果を奏する。
(vi)裏面ボルト、表面ボルトおよびプレート貫通孔を具備する中間取付プレートを用意して、前記(2)と同様に、支柱に固定されている中間取付プレートに中間枠を固定するから、特に、上方の新規透光板の取り替えに際し、前記(ii)と同様の効果を奏する。
(vii)前記(2)の下段取付プレート、前記(3)の上段取付プレートおよび前記(5)の中間取付プレートを用意するから、特に、上下方向で一対の新規透光板の取り替えに際し、前記(ii)と同様の効果を奏する。
【0017】
(viii)前記(5)または(6)において、上方の新規透光板の下縁を中間枠の上面の凹溝に装入する工程を有し、上方の新規透光板を新規透光板と、中間枠を下段枠と、それぞれ読み替えることができるから、上方の新規透光板に対して前記(ii)の効果を奏することができる。
【0018】
(ix)既設透光板がポリカーボネイト板であるから、ポリカーボネイト板を支柱に固定するために穿設された支柱貫通孔を有効に利用することができる。
(x)新規透光板がアクリル板であるから、アクリル板に比べて全光線透過が優れ、しかも、耐用期間(寿命)の長い防音壁に改修することができる。
(xi)新規透光板が繊維補強型のアクリル板であるから、さらに、剛性や強度が増し、耐用期間(寿命)の長い防音壁に改修することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
[実施形態1]
図1〜図4は本発明の実施形態1に係る防音壁の改修方法を説明するものであって、図1は改修前の防音壁を模式的に示す平面図、図2は改修後の防音壁を模式的に示す平面視の断面図、図3は改修後の防音壁の一部を模式的に示す側面視の断面図、図4は改修に使用する部材を示す平面視の断面図、図5〜図10は工程を追って模式的に示す正面図である。なお、各図において同じ部分にはこれと同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
【0020】
(改修前の防音壁)
図1において、改修前の防音壁100は、道路または橋梁の側縁に沿って連続して設置するものであって、所定の間隔を設けて立設された複数本の断面H型の支柱1と、支柱1のうち隣接する一対の支柱1のそれぞれの道路側の支柱フランジ1f(道路側の面)に、両側部が固定された複数枚の既設透光板2と、一対の支柱1の上端同士を連結する連結材(図示しない)と、を有している(図示しない)。
このとき、支柱1の道路側の支柱フランジ1fには、所定の間隔を設けて支柱貫通孔が形成され、既設透光板2の両側縁に沿って所定の間隔を設けて既設透光板貫通孔21が形成されている。そして、既設透光板貫通孔21および支柱貫通孔11を貫通する既設透光板固定ボルト12および既設透光板固定ナット13によって、既設透光板2が支柱1に固定されている(図1の(a)参照)。
【0021】
また、支柱1の道路側の支柱フランジ1fには、所定の間隔を設けて支柱貫通孔が形成され、取り付け金具22の側縁に沿って所定の間隔を設けて取り付け金具貫通孔23が形成されている。そして、取り付け金具貫通孔23および支柱貫通孔11を貫通する既設透光板固定ボルト12および既設透光板固定ナット13によって、取り付け金具貫通孔23が支柱1に固定されている。なお、既設透光板2は取り付け金具貫通孔23に形成された取り付け用凹溝24に把持されている(図1の(b)参照)。
なお、既設透光板2はポリカーボネイト製の板材である場合について以下説明するが、金属(鉄鋼、ステンレス鋼、アルミニウム等)製であって、不透明であってもよく、このときは、既設防音板と読み替える。
【0022】
(改修後の防音壁)
図2〜図4において、改修後の防音壁100は、既設透光板2に替えて、新規透光板3が新たに取り付けたものである。
すなわち、支柱1の道路側の支柱フランジ1fに取付プレート4が設置され、取付プレート4に縦枠6および下段枠5が設置されている。そして、新規透光板3は側縁において、取付プレート4と縦枠6とによって水平方向が保持され、下縁および上縁において、水平方向および鉛直方向が、それぞれ下段枠5および中間枠7によって支持されている。
なお、新規透光板3の材質は、アクリル樹脂製の板やナイロンコード等によって補強されたアクリル樹脂製の板であるが、本発明はこれに限定するものではなく、これらと同等の耐候性や全光線透過度を具備するガラス等であってもよい。以下、詳細に説明する。
【0023】
(取付プレート)
取付プレート4は、両側縁に沿ってプレート貫通孔42が穿設(形成)された矩形状の板材であって、一方の面(便宜上、「裏面」と称す)に溶接固定された裏面ボルト43と、他方の面(便宜上、「表面」と称す)に溶接固定された表面ボルト41と、を具備している。なお、後記するように下段枠5等が設置されない取付プレートにおいてはプレート貫通孔42が設けられないものもある(図4の(a)参照)。
取付プレート4の裏面ボルト43が、支柱フランジ1fの支柱貫通孔を貫通し裏面ボルト43に螺合する裏面ナット44によって、取付プレート4は支柱1に固定されている(図4の(b)参照)。
【0024】
(下段枠)
下段枠5は、上面に凹溝51が形成され、両端部に下段枠貫通孔52が形成(穿設)されている。
そして、下段枠貫通孔52および取付プレート4のプレート貫通孔42を貫通する片側締結ボルト(ワンサイドボルト、B.N.W.に同じ)53によって、下段枠5は、取付プレート4を介して支柱1に固定されている。
なお、凹溝51に弾性ゴム(ガスケットに同じ)54が設置され、凹溝51に装入された新規透光板3は、弾性ゴム54を介して保持されている。
【0025】
(中間枠)
中間枠7は、上面に凹溝71が、下面に凹溝75が形成され、両端部に中間枠貫通孔72が形成(穿設)されている。
そして、中間枠貫通孔72および取付プレート4のプレート貫通孔42を貫通する片側締結ボルト(ワンサイドボルト、B.N.W.に同じ)73によって、中間枠7は、取付プレート4を介して支柱1に固定されている。
なお、凹溝71、75に弾性ゴム(ガスケットに同じ)76が設置され、凹溝71、75に装入された新規透光板3は、弾性ゴム76を介して保持されている。
【0026】
(縦枠)
縦枠6は、幅方向の中央に所定の間隔を設けて縦枠貫通孔61が形成された矩形状の板材である。そして、取付プレート4に固定されて表面ボルト41が縦枠貫通孔61を貫通して、表面ボルト41に螺合する表面ナット45によって、縦枠6は取付プレート4を介して支柱1に固定されている。
【0027】
したがって、新規透光板3は、支柱1に既に形成されている支柱貫通孔を活用するため、改修現場において溶接作業や穿孔(孔加工)作業が不要になり、改修作業が迅速になる。また、新規透光板3の端部の段差を隠すことができるから、景観上も優れた構造になっている。
【0028】
(防音壁の改修方法)
次に、図5〜図9に基づいて、防音壁100の改修方法を工程を追って説明する。
図5において、既設透光板固定ボルト12を撤去して既設透光板2を取り外している。したがって、正面視の支柱1には、支柱フランジ1fに形成された支柱貫通孔11が直接視認される。
【0029】
図6において、支柱フランジ1fに下から上に向かって、取付プレート4a、4b、4c、4dがそれぞれ固定され、さらに、取付プレート4a(以下、「下段取付プレート4a」と称す場合がある)に下段枠5が固定されている。なお、以下の説明において、共通する内容については添え字「a、b、c、d」の記載を省略する。
このとき、取付プレート4の裏面ボルト43は、支柱1の支柱貫通孔11を貫通し、裏面ボルト43に螺合する裏面ナット44によって、取付プレート4は支柱フランジ1fに固定されている。
また、下段枠5の下段枠貫通孔52と下段取付プレート4aのプレート貫通孔42aとを貫通する片側締結ボルト53(図3参照)によって、下段枠5は下段取付プレート4aに固定、すなわち、下段枠5は下段取付プレート4aを介して、支柱1に固定されている。
【0030】
図7において、下段枠5の上面に形成された凹溝51(図3参照)に下方の新規透光板3a(以下、「下段新規透光板3a」と称す場合がある)の下縁が装入され、新規透光板3aは、一方の支柱1を隔てて隣接する改修済みの下段新規透光板3aと、支柱ウエブ1wを貫通する新規透光板落下防止ワイヤ9aによって連結されている。なお、下段新規透光板3aを透視して下段取付プレート4aが視認可能であるが、図面を簡素にするため、下段取付プレート4aの記載を省略している。
このとき、新規透光板落下防止ワイヤ9aの両端にはねじ部が固定され、該ねじ部はそれぞれ下段新規透光板3aおよび改修済みの下段新規透光板3aに形成されたワイヤ用貫通孔(図示しない)を貫通し、これに螺合するナットによって下段新規透光板3aおよび改修済みの下段新規透光板3aに固定されている。
【0031】
図8において、中間枠7bの下面に形成された凹溝75に下段新規透光板3aの上縁が装入され、中間枠7bが下段取付プレート4aに固定されている。
このとき、中間枠7bの中間枠貫通孔72および下段取付プレート4aのプレート貫通孔42を貫通する片側締結ボルト73によって、中間枠7は、取付プレート4を介して支柱1に固定されている。
【0032】
図9において、下段新規透光板3aの側部を保持する縦枠6(以下、「下段縦枠6a」と称す場合がある)が、下段取付プレート4aに固定されている。
このとき、下段取付プレート4aの表面ボルト41aが下段縦枠6aの縦枠貫通孔61aを貫通し、これに螺合する表面ナット45によって、縦枠6は下段取付プレート4aを介して支柱1に固定されている。
【0033】
図10において、中間枠7b、7cと中間縦枠6bとによって、新規透光板3b(以下、「中間新規透光板3b」と称す場合がある)が保持されている。
このとき、中間新規透光板3bの改修要領は、下段新規透光板3aの改修要領と同じであって、下段枠5を中間枠7bと読み替え、中間枠7bを中間枠7cと読み替え、下段縦枠6aを中間縦枠6bと、読み替えたものに同じである。
さらに、同様にして、中間枠7cおよび上段枠8と上段縦枠6cとによって、上段新規透光板3c(以下、「上段新規透光板3c」と称す場合がある)が保持されている。
このとき、上段新規透光板3cの改修要領は、下段新規透光板3aの改修要領と同じであって、下段枠5を中間枠7cと読み替え、中間枠7bを上段枠8と読み替え、下段縦枠6aを上段縦枠6cと、読み替えたものに同じである。
【0034】
すなわち、以上の工程によって、改修現場において、溶接作業や孔加工作業(穿孔やタップ立て等)をすることなく、既設透光板2を新規透光板3に取り替えることができる。
なお、以上は、上下2段の新規透光板3に改修する方法を示しているが、本発明はこれに限定するものではなく、新規透光板3は1段であっても3段以上であってもよい。
さらに、支柱1を隔てて隣接する既設透光板が改修されない場合であってもよい。このとき、取付プレート4や縦枠6は、既設透光板と干渉しないように狭く形成され、支柱フランジ1fの幅(梁せいに相当する)の略半分程度の幅になる。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明は、改修作業を迅速化にして作業面積(作業スペース)を狭くすることができるから、道路や橋梁に設置される防音壁の改修方法だけでなく、同様構造の防風壁や遮光壁、さらには防水壁や防砂壁の改修方法として、広く利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の実施形態1に係る防音壁の改修方法を説明するものであって、改修前の防音壁を模式的に示す平面図。
【図2】本発明の実施形態1に係る防音壁の改修方法を説明するものであって、改修後の防音壁を模式的に示す平面視の断面図。
【図3】本発明の実施形態1に係る防音壁の改修方法を説明するものであって、改修後の防音壁を模式的に示す側面視の断面図。
【図4】本発明の実施形態1に係る防音壁の改修方法を説明するものであって、改修に使用する部材を示す平面視の断面図。
【図5】本発明の実施形態1に係る防音壁の改修方法を説明するものであって、既設防音板が撤去されて状況を模式的に示す正面図。
【図6】図5に続く工程であって、取付プレートが設置された状況を示す正面図。
【図7】図6に続く工程であって、下段透光板が設置された状況を示す正面図。
【図8】図7に続く工程であって、中間枠が設置された状況を示す正面図。
【図9】図8に続く工程であって、下段縦枠が設置された状況を示す正面図。
【図10】図9に続く工程であって、防音壁の改修が終了した状況を示す正面図。
【符号の説明】
【0037】
1 支柱
1f 支柱フランジ
1w 支柱ウエブ
2 既設透光板
3 新規透光板
4 取付プレート
5 下段枠
6 縦枠
7 中間枠
8 上段枠
9 新規透光板落下防止ワイヤ
11 支柱貫通孔
12 既設透光板固定ボルト
13 既設透光板固定ナット
21 既設透光板貫通孔
22 取り付け金具
23 取り付け金具貫通孔
24 取り付け用凹溝
41 表面ボルト
42 プレート貫通孔
43 裏面ボルト
44 裏面ナット
45 表面ナット
51 凹溝
52 下段枠貫通孔
53 片側締結ボルト
54 弾性ゴム
61 縦枠貫通孔
71 凹溝
72 中間枠貫通孔
73 片側締結ボルト
75 凹溝
76 弾性ゴム
100 防音壁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
側縁に沿って貫通孔が形成された既設透光板と、既設透光板を固定するための既設透光用固定ボルトが貫通する支柱貫通孔を具備する複数本の断面H型の支柱と、を有する防音壁における、前記既設透光板を取り外して新たな新規透光板に取り替えるための改修方法であって、
前記既設透光板固定ボルトを撤去して前記既設透光板を取り外す工程と、
表面に固定された表面ボルトと、裏面に固定された前記支柱貫通孔を貫通自在な裏面ボルトとを具備する取付プレートの前記裏面ボルトを、前記支柱貫通孔に装入して前記取付プレートを前記支柱に固定する工程と、
前記取付プレートの前面に前記新規透光板の側縁を配置する工程と、
前記表面ボルトが貫通自在な縦枠貫通孔を具備する縦枠の前記縦枠貫通孔に、前記表面ボルトを通して前記新規透光板を保持した状態で、前記縦枠を前記取付プレートに固定する工程と、
を有する防音壁の改修方法。
【請求項2】
側縁に沿って貫通孔が形成された既設透光板と、既設透光板を固定するための既設透光用固定ボルトが貫通する支柱貫通孔を具備する複数本の断面H型の支柱と、を有する防音壁における、前記既設透光板を取り外して新たな新規透光板に取り替えるための改修方法であって、
前記既設透光板固定ボルトを撤去して前記既設透光板を取り外す工程と、
表面に固定された表面ボルトと、裏面に固定された前記支柱貫通孔を貫通自在な裏面ボルトと、後記下段枠固定ボルトが貫通自在なプレート貫通孔とを具備する下段取付プレートの前記裏面ボルトを、前記支柱貫通孔に装入して前記下段取付プレートを前記支柱に固定する工程と、
前記新規透光板の下縁を、上面に凹溝および両端部に下段枠貫通孔を具備する下段枠の前記凹溝に装入する工程と、
前記下段取付プレートの前面に前記新規透光板の側縁を配置する工程と、
前記下段枠の下段枠貫通孔および前記下段取付プレートのプレート貫通孔に下段枠固定ボルトを通して、前記下段枠を前記下段取付プレートに固定する工程と、
前記表面ボルトが貫通自在な縦枠貫通孔を具備する縦枠の前記縦枠貫通孔に、前記表面ボルトを通して前記新規透光板を保持した状態で、前記縦枠を前記下段取付プレートに固定する工程と、
を有する防音壁の改修方法。
【請求項3】
側縁に沿って貫通孔が形成された既設透光板と、既設透光板を固定するための既設透光用固定ボルトが貫通する支柱貫通孔を具備する複数本の断面H型の支柱と、を有する防音壁における、前記既設透光板を取り外して新たな新規透光板に取り替えるための改修方法であって、
前記既設透光板固定ボルトを撤去して前記既設透光板を取り外す工程と、
表面に固定された表面ボルトと、裏面に固定された前記支柱貫通孔を貫通自在な裏面ボルトと、後記下段枠固定ボルトが貫通自在なプレート貫通孔とを具備する上段取付プレートの前記裏面ボルトを、前記支柱貫通孔に装入して前記上段取付プレートを前記支柱に固定する工程と、
前記新規透光板の上縁を、下面に凹溝および両端部に上段枠貫通孔を具備する上段枠の前記凹溝に装入する工程と、
前記上段取付プレートの前面に前記新規透光板の側縁を配置する工程と、
前記上段枠の上段枠貫通孔および前記上段取付プレートのプレート貫通孔に上段枠固定ボルトを通して、前記上段枠を前記上段取付プレートに固定する工程と、
前記表面ボルトが貫通自在な縦枠貫通孔を具備する縦枠の前記縦枠貫通孔に、前記表面ボルトを通して前記新規透光板を保持した状態で、前記縦枠を前記上段取付プレートに固定する工程と、
を有する防音壁の改修方法。
【請求項4】
側縁に沿って貫通孔が形成された既設透光板と、既設透光板を固定するための既設透光用固定ボルトが貫通する支柱貫通孔を具備する複数本の断面H型の支柱と、を有する防音壁における、前記既設透光板を取り外して新たな新規透光板に取り替えるための改修方法であって、
前記既設透光板固定ボルトを撤去して前記既設透光板を取り外す工程と、
表面に固定された表面ボルトと、裏面に固定された前記支柱貫通孔を貫通自在な裏面ボルトと、後記下段枠固定ボルトが貫通自在なプレート貫通孔とを具備する下段取付プレートの前記裏面ボルトを、前記支柱貫通孔に装入して前記下段取付プレートを前記支柱に固定する工程と、
表面に固定された表面ボルトと、裏面に固定された前記支柱貫通孔を貫通自在な裏面ボルトと、後記下段枠固定ボルトが貫通自在なプレート貫通孔とを具備する上段取付プレートの前記裏面ボルトを、前記支柱貫通孔に装入して前記上段取付プレートを前記支柱に固定する工程と、
前記新規透光板の下縁を、上面に凹溝および両端部に下段枠貫通孔を具備する下段枠の前記凹溝に装入する工程と、
前記新規透光板の上縁を、下面に凹溝および両端部に上段枠貫通孔を具備する上段枠の前記凹溝に装入する工程と、
前記下段取付プレートの前面および前記上段取付プレートの前面に、前記新規透光板の側縁を配置する工程と、
前記下段枠の下段枠貫通孔および前記下段取付プレートのプレート貫通孔に下段枠固定ボルトを通して、前記下段枠を前記下段取付プレートに固定する工程と、
前記上段枠の上段枠貫通孔および前記上段取付プレートのプレート貫通孔に上段枠固定ボルトを通して、前記上段枠を前記上段取付プレートに固定する工程と、
前記表面ボルトが貫通自在な縦枠貫通孔を具備する縦枠の前記縦枠貫通孔に、前記表面ボルトを通して前記新規透光板を保持した状態で、前記縦枠を前記上段取付プレートに固定する工程と、
を有する防音壁の改修方法。
【請求項5】
側縁に沿って貫通孔が形成された既設透光板と、既設透光板を固定するための既設透光用固定ボルトが貫通する支柱貫通孔を具備する複数本の断面H型の支柱と、を有する防音壁における、前記既設透光板を取り外して新たな新規透光板に取り替えるための改修方法であって、
前記既設透光板固定ボルトを撤去して前記既設透光板を取り外す工程と、
表面に固定された表面ボルトと、裏面に固定された前記支柱貫通孔を貫通自在な裏面ボルトと、後記中間枠固定ボルトが貫通自在なプレート貫通孔とを具備する中間取付プレートの前記裏面ボルトを、前記支柱貫通孔に装入して前記中間取付プレートを前記支柱に固定する工程と、
前記新規透光板の上縁を、上下面に凹溝および両端部に中間枠貫通孔を具備する中間枠の前記下面の凹溝に装入する工程と、
前記中間取付プレートの前面に前記新規透光板の側縁を配置する工程と、
前記中間枠の中間枠貫通孔および前記中間取付プレートのプレート貫通孔に中間枠固定ボルトを通して、前記中間枠を前記中間取付プレートに固定する工程と、
前記表面ボルトが貫通自在な下段縦枠貫通孔を具備する下段縦枠の前記下段縦枠貫通孔に、前記表面ボルトを通して前記新規透光板を保持した状態で、前記下段縦枠を前記中間取付プレートに固定する工程と、
を有する防音壁の改修方法。
【請求項6】
前記新規透光板に追加して、第2の新規透光板の下縁を、前記中間枠の前記上面の凹溝に装入する工程と、
前記中間取付プレートの前面に前記第2の新規透光板の側縁を配置する工程と、
前記中間枠の中間枠貫通孔および前記中間取付プレートのプレート貫通孔に中間枠固定ボルトを通して、前記中間枠を前記中間取付プレートに固定する工程と、
前記表面ボルトが貫通自在な上段縦枠貫通孔を具備する上段縦枠の前記上段縦枠貫通孔に、前記表面ボルトを通して前記第2の新規透光板を保持した状態で、前記上段縦枠を前記中間取付プレートに固定する工程と、
を有する請求項5記載の防音壁の改修方法。
【請求項7】
側縁に沿って貫通孔が形成された既設透光板と、既設透光板を固定するための既設透光用固定ボルトが貫通する支柱貫通孔を具備する複数本の断面H型の支柱と、を有する防音壁における、前記既設透光板を取り外して新たな下段新規透光板および上段新規透光板に取り替えるための改修方法であって、
前記既設透光板固定ボルトを撤去して前記既設透光板を取り外す工程と、
表面に固定された表面ボルトと、裏面に固定された前記支柱貫通孔を貫通自在な裏面ボルトと、後記下段枠固定ボルトが貫通自在なプレート貫通孔とを具備する下段取付プレートの前記裏面ボルトを、前記支柱貫通孔に装入して前記下段取付プレートを前記支柱に固定する工程と、
表面に固定された表面ボルトと、裏面に固定された前記支柱貫通孔を貫通自在な裏面ボルトと、後記中間枠固定ボルトが貫通自在なプレート貫通孔とを具備する中間取付プレートの前記裏面ボルトを、前記支柱貫通孔に装入して前記中間取付プレートを前記支柱に固定する工程と、
表面に固定された表面ボルトと、裏面に固定された前記支柱貫通孔を貫通自在な裏面ボルトと、後記下段枠固定ボルトが貫通自在なプレート貫通孔とを具備する上段取付プレートの前記裏面ボルトを、前記支柱貫通孔に装入して前記上段取付プレートを前記支柱に固定する工程と、
前記下段新規透光板の下縁を、上面に凹溝および両端部に下段枠貫通孔を具備する下段枠の前記凹溝に装入する工程と、
前記下段取付プレートの前面に前記下段新規透光板の側縁を配置する工程と、
前記下段枠の下段枠貫通孔および前記下段取付プレートのプレート貫通孔に下段枠固定ボルトを通して、前記下段枠を前記下段取付プレートに固定する工程と、
前記下段新規透光板の上縁を、上下面に凹溝および両端部に中間枠貫通孔を具備する中間枠の前記下面の凹溝に装入する工程と、
前記中間取付プレートの前面に前記下段新規透光板の側縁を配置する工程と、
前記中間枠の中間枠貫通孔および前記中間取付プレートのプレート貫通孔に中間枠固定ボルトを通して、前記中間枠を前記中間取付プレートに固定する工程と、
前記表面ボルトが貫通自在な縦枠貫通孔を具備する下段縦枠の前記縦枠貫通孔に、前記表面ボルトを通して前記下段新規透光板を保持した状態で、前記下段縦枠を前記下段取付プレートに固定する工程と、
前記上段新規透光板の下縁を、前記中間枠の前記上面の凹溝に装入する工程と、
前記上段新規透光板の上縁を、下面に凹溝および両端部に上段枠貫通孔を具備する上段枠の前記凹溝に装入する工程と、
前記上段取付プレートの前面に前記上段新規透光板の側縁を配置する工程と、
前記上段枠の上段枠貫通孔および前記上段取付プレートのプレート貫通孔に上段枠固定ボルトを通して、前記上段枠を前記上段取付プレートに固定する工程と、
前記表面ボルトが貫通自在な縦枠貫通孔を具備する上段縦枠の前記縦枠貫通孔に、前記表面ボルトを通して前記上段新規透光板を保持した状態で、前記上段縦枠を前記上段取付プレートに固定する工程と、
を有する防音壁の改修方法。
【請求項8】
前記中間枠を前記中間取付プレートに固定する工程の後、前記上方の新規透光板の下縁を、前記中間枠の前記上面の凹溝に装入する工程を有することを特徴とする請求項5乃至7の何れかに記載の防音壁の改修方法。
【請求項9】
前記既設透光板が、ポリカーボネイト板であることを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載の防音壁の改修方法。
【請求項10】
前記新規透光板が、アクリル板であることを特徴とする請求項1乃至9の何れかに記載の防音壁の改修方法。
【請求項11】
前記新規透光板が、繊維補強型のアクリル板であることを特徴とする請求項1乃至9の何れかに記載の防音壁の改修方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−91775(P2009−91775A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−262273(P2007−262273)
【出願日】平成19年10月5日(2007.10.5)
【出願人】(000231110)JFE建材株式会社 (150)
【Fターム(参考)】