説明

除湿機

【課題】家庭で使用される除湿機の運転により除湿された水をためる貯水タンクの形状を工夫することで、貯水タンクにたまった水を利用しやすくことを目的とする。
【解決手段】除湿された水分をためて利用することを前提とした貯水タンク1を備え、貯水タンク1は除湿機の運転により除湿された水分を取り込むための開口部2と除湿された水分を排水するための伸縮する排水用開口部3と任意の方向に回転する取っ手4とを備え、貯水タンク1の形状を取っ手4側の底が深くなるようにすることで持ちやすく排水を利用しやすい貯水タンク1を備えた除湿機が得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家庭で使用される除湿機の運転により除湿された水をためる貯水タンクの形状を工夫することで、貯水タンクにたまった水を利用しやすくする装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境問題の意識が高まっており、電力の省エネだけでなく節水など水の使用についても感心が高まりつつある。しかし、一般家庭で使用される除湿機では、除湿された水をためる貯水タンクがたまった水を利用しやすい形になっておらず、たまった水を捨ててしまう場合が多い。しかし、除湿機の除湿された水がたまる貯水タンクを水が利用しやすい形にすることで、人々に高まりつつある節水の意識に働きかけて植木や加湿機などの水に利用してもらうことが有効である。
【0003】
しかしながら、排水口の位置や構造を考慮して点検や清掃を容易に行うことができる貯水タンクは開発されているが、除湿機の運転により除湿されてたまった水が利用しやすい形状となっている貯水タンクを特徴とした除湿機は開発されていない(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
以下、その貯水タンクについて説明する。
【0005】
貯水タンクの天面に取り外しが容易な排水用の蓋を設け、この蓋の裏面に水位検知用のユニットを設けることにより、貯水タンクにたまった水を排水するときに水位検知用のユニットを簡単に点検でき、清掃も容易となるような構造となっているものである。
【特許文献1】特開2001−182966号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような従来の方法では、除湿機により除湿された水は排水することを前提としており、貯水タンクにたまった水を利用するときには、利用する場所以外に排水時の水がこぼれないように使用者の工夫が必要となるため、貯水タンクにたまった水は捨てられてしまうことが多い。
【0007】
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、除湿された水を使用しやすくすることで、人々の節水の意識を高めて除湿された水を利用してもらう機会を多くする除湿機を提供することができる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は上記目的を達成するために、除湿された水分をためて利用することを前提とした貯水タンクを備え、前記貯水タンクは除湿機の運転により除湿された水分を取り込むための開口部と除湿された水分を排水するための排水用開口部と手で持つための取っ手とを備えた構成としたものである。
【0009】
この手段により、貯水タンクにたまった水を利用しやすい貯水タンクを備えた除湿機が得られる。
【0010】
さらに、取っ手が垂直になっていることを特徴としたものである。
【0011】
この手段により、たまった水を利用するときに持ちやすい貯水タンクを備えた除湿機が得られる。
【0012】
さらに、取っ手が斜めに傾いていることを特徴としたものである。
【0013】
この手段により、たまった水を利用するときに持ちやすい貯水タンクを備えた除湿機が得られる。
【0014】
さらに、取っ手が回転することを特徴としたものである。
【0015】
この手段により、持ちやすい取っ手の向きに使用者が調整することのできる貯水タンクを備えた除湿機が得られる。
【0016】
さらに、取っ手が着脱できることを特徴としたものである。
【0017】
この手段により、取っ手の部分を設けるために貯水タンクの側面を窪ませて容量を減らす必要のない貯水タンクを備えた除湿機が得られる。
【0018】
さらに、取っ手を手で握ることができる形状にしたものである。
【0019】
この手段により、たまった水を利用するときに力が入りやすく持ちやすい貯水タンクを備えた除湿機が得られる。
【0020】
さらに、開口部と排水用開口部の場所が同じであることを特徴としたものである。
【0021】
この手段により、水を利用するときに水が出入りする場所が1箇所となり、目的外の場所に水をこぼすことのない貯水タンクを備えた除湿機が得られる。
【0022】
さらに、排水用開口部が管になっていることを特徴としたものである。
【0023】
この手段により、たまった水を利用したい場所へ簡単に導くことができる貯水タンクを備えた除湿機が得られる。
【0024】
さらに、排水用開口部が蛇腹になっていること特徴としたものである。
【0025】
この手段により、たまった水を利用したい場所へ障害物などを避けて曲線状に簡単に導くことができる貯水タンクを備えた除湿機が得られる。
【0026】
さらに、排水用開口部の管が伸び縮みすることを特徴としたものである。
【0027】
この手段により、たまった水を使用しないときは管を収納することができる貯水タンクを備えた除湿機が得られる。
【0028】
さらに、排水用開口部の管が着脱できることを特徴としたものである。
【0029】
この手段により、水の利用目的に合わせて排水時の管を選択することができる貯水タンクを備えた除湿機が得られる。
【0030】
さらに、貯水タンクの取っ手側の底が深くなっていることを特徴としたものである。
【0031】
この手段により、水がたまった貯水タンクの重心が取っ手側に近くなり、持ったときに安定する貯水タンクを備えた除湿機が得られる。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、貯水タンクにたまった水を利用しやすい貯水タンクを備えた除湿機が得られる。
【0033】
また、たまった水を利用するときに持ちやすい貯水タンクを備えた除湿機が得られる。
【0034】
また、持ちやすい取っ手の向きに使用者が調整することのできる貯水タンクを備えた除湿機が得られる。
【0035】
また、取っ手の部分を設けるために貯水タンクの側面を窪ませて容量を減らす必要のない貯水タンクを備えた除湿機が得られる。
【0036】
また、たまった水を利用するときに力が入りやすく持ちやすい貯水タンクを備えた除湿機が得られる。
【0037】
また、水を利用するときに水が出入りする場所が1箇所となり、目的外の場所に水をこぼすことのない貯水タンクを備えた除湿機が得られる。
【0038】
また、たまった水を利用したい場所へ簡単に導くことができる貯水タンクを備えた除湿機が得られる。
【0039】
また、たまった水を利用したい場所へ障害物などを避けて曲線状に簡単に導くことができる貯水タンクを備えた除湿機が得られる。
【0040】
また、たまった水を使用しないときは管を収納することができる貯水タンクを備えた除湿機が得られる。
【0041】
また、水の利用目的に合わせて排水時の管を選択することができる貯水タンクを備えた除湿機が得られる。
【0042】
また、水がたまった貯水タンクの重心が取っ手側に近くなり、持ったときに安定する貯水タンクを備えた除湿機を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
本発明の請求項1記載の発明は、除湿された水分をためて利用することを前提とした貯水タンクを備え、前記貯水タンクは除湿機の運転により除湿された水分を取り込むための開口部と除湿された水分を排水するための排水用開口部と手で持つための取っ手とを構成とし、貯水タンクにたまった水を利用しやすいという作用を有する。
【0044】
また、取っ手が垂直になっていることを特徴とした構成とし、貯水タンクにたまった水を利用するときに持ちやすいという作用を有する。
【0045】
また、取っ手が斜めに傾いていることを特徴とした構成とし、貯水タンクにたまった水を利用するときに持ちやすいという作用を有する。
【0046】
また、取っ手が回転することを特徴とした構成とし、貯水タンクの取っ手を持ちやすい向きに使用者が調整することができるという作用を有する。
【0047】
また、取っ手が着脱できることを特徴とした構成とし、取っ手の部分を設けるために貯水タンクの側面を窪ませて容量を減らす必要がないという作用を有する。
【0048】
また、取っ手を手で握ることができる形状にした構成とし、貯水タンクにたまった水を利用するときに力が入りやすく持ちやすいという作用を有する。
【0049】
また、開口部と排水用開口部の場所が同じであることを特徴とした構成とし、貯水タンクの水を利用するときに水が出入りする場所が1箇所となり、目的外の場所に水をこぼすことのないという作用を有する。
【0050】
また、排水用開口部が管になっていることを特徴とした構成とし、貯水タンクにたまった水を利用したい場所へ簡単に導くことができるという作用を有する。
【0051】
また、排水用開口部が蛇腹になっていること特徴とした構成とし、貯水タンクにたまった水を利用したい場所へ障害物などを避けて曲線状に簡単に導くことができるという作用を有する。
【0052】
また、排水用開口部の管が伸び縮みすることを特徴とした構成とし、貯水タンクにたまった水を使用しないときは管を収納することができるという作用を有する。
【0053】
また、排水用開口部の管が着脱できることを特徴とした構成とし、貯水タンクの水の利用目的に合わせて排水時の管を選択することができるという作用を有する。
【0054】
また、貯水タンクの取っ手側の底が深くなっていることを特徴とした構成とし、水がたまった貯水タンクの重心が取っ手側に近くなり、貯水タンクを持ったときに安定するという作用を有する。
【0055】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0056】
(実施の形態1)
図1に示すように、本発明の実施の形態1の除湿機は、貯水タンク1に除湿機の運転により除湿された水が回収される開口部2と貯水タンク1に溜まった水を排水するための排水用開口部3と貯水タンク1を持つための取っ手4を備え、貯水タンク1の取っ手4側の底が深くなる形状としたものである。また、図2に示すように、取っ手4は手で握ることができる形状となっており、取っ手4を固定板5の固定穴6を通して貯水タンク1の方向、すなわち図2の矢印方向に押さえつけ、貯水タンク1のボス7と固定板5のボス穴8を羽目殺しにし、図3のように固定して任意の方向に回転する構造としている。また、図4に示すように、排水用開口部3は、水を通すための管9と除湿機に収納する際に押し込んで所定の位置で止めるための上ストッパー10とを備え、管9は内側がねじとなっている上ストッパー10を固定するためのネジ部11と排水する際に引き出したときの抜けを防止する下ストッパー12と水漏れを防止するパッキン13とを備えている。また、貯水タンク1には管9を通す管用の穴14と管9を引き出したときにパッキン13が押し込まれて管9を固定するためのパッキン用溝15を備えている。排水用開口部3の組み付けは、上ストッパー10を外した状態で貯水タンク1の内側から管用の穴14に管9通し、上ストッパー10をネジ部11の一番深い所までねじ込んで固定する。
【0057】
上記のように構成した除湿機の貯水タンク1について、図1と図4を参照しながら説明する。
【0058】
除湿機の運転により除湿された水分を開口部2から回収して貯水タンク1に水がたまっていき排水が必要になると、取っ手4を掴んで貯水タンク1を持つことになる。このとき、取っ手4は手で握ることができる形状となっており、さらに取っ手4は使用者の好みの方向に回転できる構造となっており、使用者の最も持ちやすい向きに調整することができるため、力が入りやすくかつ持ちやすくなる。また、貯水タンク1を取っ手4持って持ち上げたときには、貯水タンク1の取っ手4側の底が取っ手4の反対側の底より深くなっているため、貯水タンク1にたまった水の重心が取っ手4の側に寄るため、貯水タンク1を持ったときに手首などに余分な力がかからず安定して持つことができる。そして、貯水タンク1にたまった水を利用したい場所に持って行き、押し込んであった管9をパッキン13がパッキン用溝15に食い込むまで引き出し固定して、水がこぼれないようにしてから排水する。このとき、排水用開口部3は管になっているため水をこぼさず利用したい場所に簡単に注ぐことができる。また、貯水タンク1にたまった水を排水し排水用開口部3が必要なくなれば、押し込んで除湿機に収納することができる。この排水用開口部3の伸縮を利用して、水を回収するときは排水用開口部3を縮めておき、排水するときは排水用開口部3を伸ばす方法で開口部2と排水用開口部3を共用し、貯水タンク1への水の経路をひとつにすることで、排水時に水をこぼすことがなくなる。上記に示すように、持ちやすくたまった水を利用しやすい除湿機の貯水タンクが得られ、捨てられる可能性の高い排水を使用する可能性を高くすることができる。
【0059】
ここでは、取っ手4を固定するのに2箇所のボス7とボス穴8による羽目殺しで固定したが、取っ手4が回転できるように固定する構造であれば、ボス7とボス穴8の個数や場所や取っ手4の固定方法には限定されず、その作用効果に差異は生じない。
【0060】
ここでは、取っ手4は任意の方向に回転する構造で説明したが、あらかじめ垂直もしくは斜めに傾けた形状で固定した場合でも持ちやすくする構造であれば、その形状には限定されず、その作用効果に差異は生じない。
【0061】
また、図には示していないが、取っ手4が除湿機の表面から出ないようにしようとすると、排水タンク1の側面を窪ませて取っ手4を設ける必要がある。しかし、取っ手4が取れる構造にした場合は、排水タンク1の側面を窪ませる必要がなくなるため、貯水タンクの容量を減らすことなく取っ手4を設けることができる。
【0062】
ここでは、排水用開口部3は押し込んだり引き出したりする構造で説明したが、蛇腹などの伸縮できる構造であれば、その形状には限定されず、その作用効果に差異は生じない。
【0063】
また、ここでは排水用開口部3を管の形状で説明したが、排水用開口部3に蛇腹などの曲線を描くことができる管を利用すれば、排水時に障害物を避けて曲線で水を導くことが可能である。
【0064】
また、図には示していないが、排水用開口部3が着脱可能とした構造にすると、管や蛇腹など使用者の使い道に合わせて排水方法を選択することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明の除湿機の貯水タンクは、水を利用する一般家電用の電化製品等の貯水タンク等に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の実施の形態1の除湿機の貯水タンクの構成図
【図2】同取っ手の固定方法を示す図
【図3】同取っ手の固定状態を示す図
【図4】同排水用開口部の構成図
【符号の説明】
【0067】
1 貯水タンク
2 開口部
3 排水用開口部
4 取っ手
5 固定板
6 固定穴
7 ボス
8 ボス穴
9 管
10 上ストッパー
11 ネジ部
12 下ストッパー
13 パッキン
14 管用の穴
15 パッキン用溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
除湿された水分をためて利用することを前提とした貯水タンクを備え、前記貯水タンクは除湿機の運転により除湿された水分を取り込むための開口部と除湿された水分を排水するための排水用開口部と手で持つための取っ手とを備えたことを特徴とする除湿機。
【請求項2】
取っ手が垂直になっていることを特徴とした請求項1記載の除湿機。
【請求項3】
取っ手が斜めに傾いていることを特徴とした請求項1記載の除湿機。
【請求項4】
取っ手が回転することを特徴とした請求項1記載の除湿機。
【請求項5】
取っ手が着脱できることを特徴とした請求項1、2、3または4記載の除湿機。
【請求項6】
取っ手を手で握ることができる形状にした請求項1、2、3、4または5記載の除湿機。
【請求項7】
開口部と排水用開口部の場所が同じであることを特徴とした請求項1、2、3、4、5または6記載の除湿機。
【請求項8】
排水用開口部が管になっていることを特徴とした請求項1、2、3、4、5、6または7記載の除湿機。
【請求項9】
排水用開口部が蛇腹になっていること特徴とした請求項1、2、3、4、5、6または7記載の除湿機。
【請求項10】
排水用開口部の管が伸び縮みすることを特徴とした請求項8または9記載の除湿機。
【請求項11】
排水用開口部の管が着脱できることを特徴とした請求8、9または10記載の除湿機。
【請求項12】
貯水タンクの取っ手側の底が深くなっていることを特徴とした請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10または11記載の除湿機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−203137(P2007−203137A)
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−22044(P2006−22044)
【出願日】平成18年1月31日(2006.1.31)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】