説明

除草効果を有する非水性の活性成分濃縮液

本発明は除草効果を有する活性成分濃縮液に関し、該活性成分濃縮液は、a) 10〜100g/lの少なくとも1種の式Iの4-ベンゾイル置換ピラゾール化合物:


[式中、R1、R3はそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、メチル、ハロメチル、メトキシ、ハロメトキシ、メチルチオ、メチルスルフィニルまたはメチルスルホニルであり、R2は5員の複素環式基であり、該複素環式基は無置換であるか、またはハロゲン、C1-C6-アルキル、C1-C4-アルコキシ、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-ハロアルコキシおよびC1-C4-アルキルチオからなる群より選択される1、2、3または4個の置換基を有し、R4は水素、ハロゲンまたはメチルであり、R5はC1-C6-アルキル、C3-C6-シクロアルキルまたはC3-C6-シクロアルキルメチルであり、R6は水素またはC1-C4-アルキルである]またはその農業上有用な塩の1種、b) 200〜700g/lの2-クロロ-N-(2,4-ジメチル-3-チエニル)-N-(2-メトキシ-1-メチルエチル)アセトアミド、およびc) 10〜200g/lの、少なくとも1種の陰イオン性界面活性剤と少なくとも1種の非イオン性界面活性剤との混合物から選択される少なくとも1種の界面活性剤S、を含んでなり、その際、成分a)、b)およびc)は有機溶媒混合物中に溶解されており、該有機溶媒混合物は、該溶媒混合物に基づいて、少なくとも95重量%の、d1) 25℃、1バールで水との混和性が少なくとも50g/lである少なくとも1種の非プロトン性極性有機溶媒、およびd2) 25℃、1バールで水への溶解度が5g/lより低い少なくとも1種の有機溶媒を含んでなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、
a) 少なくとも1種の式Iの4-ベンゾイル置換ピラゾール化合物:
【化1】

【0002】
[式中、
R1、R3は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、メチル、ハロメチル、メトキシ、ハロメトキシ、メチルチオ、メチルスルフィニルまたはメチルスルホニルであり、
R2は、5員の複素環式基であり、該複素環式基は無置換であるか、またはハロゲン、C1-C6-アルキル、C1-C4-アルコキシ、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-ハロアルコキシおよびC1-C4-アルキルチオからなる群より選択される1、2、3または4個の置換基を有し、
R4は、水素、ハロゲンまたはメチルであり、
R5は、C1-C6-アルキル、C3-C6-シクロアルキルまたはC3-C6-シクロアルキルメチルであり、
R6は、水素またはC1-C4-アルキルである]
またはその農業上有用な塩の1種、および
b) 2-クロロ-N-(2,4-ジメチル-3-チエニル)-N-(2-メトキシ-1-メチルエチル)アセトアミド(ジメテナミド(dimethenamid))、
を含んでなる、除草作用を有する活性化合物濃縮液に関する。
【0003】
本発明はまた、不要な植生を防除するための、特にイネ科の有害植物を防除するための、前記活性化合物濃縮液の使用に関する。
【背景技術】
【0004】
工業化された農業を効率的に高い収益率で実施するために、また、生産物の一定の品質を保つために、農業上興味のある有用植物の高純度の作物が必要とされる。農業上の栽培が行われている区域での不要な異種植生(有害植物の成長)を標的として防除するために、特定の代謝阻害剤または他の細胞毒素に対する各種植物群の選択的感受性を利用することができる。その際、使用する活性化合物(除草剤)の有害植物に対する絶対的効力と特異性の両方を増強することが基本的に望ましいことである。
【0005】
特異性と、一定の範囲内での絶対的効力は、標的植物の異なる代謝経路を攻撃する複数の特異的活性化合物の組合せを利用することで高めることができる。こうした組合せ物の活性が個々の活性の合計を有意に上回る場合には、それを相乗効果という(超相加効果(superadditive effects)ともいう)。
【0006】
式Iの4-ベンゾイル置換ピラゾール化合物の除草作用はWO 96/26206およびWO 98/31681から公知である。
【0007】
2-クロロ-N-(2,4-ジメチル-3-チエニル)-N-(2-メトキシ-1-メチルエチル)アセトアミド(ジメテナミドともいう)の除草作用はGB 2,114,566から公知である。2つのキラル要素(チオフェン環の3位とアミド基の窒素原子の間の結合に沿ったキラル軸、および2-メトキシ-1-メチルエチル基の炭素1での不斉中心)の存在のため、ジメテナミドは4つの立体異性体の混合物である。2-メトキシ-1-メチルエチル基の不斉炭素原子に関して、S立体配置を有するジメテナミドの立体異性体は、S異性体またはジメテナミド-Pとも呼ばれる。
【0008】
式Iの4-ベンゾイル置換ピラゾール化合物とジメテナミドの併用が、個々の化合物を使用する場合と比べて、増加した除草効果をもたらすことは、WO 99/65314から公知である。この公開公報には両方の活性化合物を含む製剤は記載されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
望まれるもの(特に実用性の理由のため)は、式Iの4-ベンゾイル置換ピラゾール化合物とジメテナミドの両方を比較的濃縮された状態で含有する製剤である。その際、いくつかの問題点を解決する必要があり、特に、製剤がこれらの活性化合物を濃縮状態で含む場合がそうである。それらの施用に先立って、通常、そうした活性化合物濃縮液は水で希釈されるので、濃縮液を何の問題もなく水で希釈することができ、また、得られる水性希釈物が比較的均質に分散した状態で活性化合物を含むことが保証されねばならない。しかしながら、多くの場合、特に濃縮活性化合物製剤(活性化合物濃縮液)は、長期貯蔵時に相が分離しかつ/または固体が沈殿する傾向がある。水で希釈すると、結果的にこれは水性希釈物中の活性化合物の不均質な分散および/または活性化合物計量時の不正確さにつながり、しばしば所望の超相加効果を消失させることとなる。
【0010】
したがって、本発明の目的は、冒頭で定義したとおりの式Iの4-ベンゾイル置換ピラゾール化合物とジメテナミドの混合物のための製剤であって、これら2種類の活性化合物を比較的濃縮された状態で含有する上記製剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1の態様によれば、この目的および更なる目的は非水性の活性化合物濃縮液により達成され、前記活性化合物濃縮液は、
a) 10〜100g/l、特に20〜50g/lの、少なくとも1種の式Iの4-ベンゾイル置換ピラゾール化合物(先に定義したとおり)またはその農業上有用な塩の1種、
b) 200〜700g/l、特に400〜600g/lの、2-クロロ-N-(2,4-ジメチル-3-チエニル)-N-(2-メトキシ-1-メチルエチル)アセトアミド、および
c) 10〜200g/l、特に20〜100g/lの、少なくとも1種の界面活性剤S(少なくとも1種の陰イオン性界面活性剤または界面活性化合物と少なくとも1種の非イオン性界面活性剤または界面活性化合物との混合物から選択される)、
を含んでなり、
その際、成分a)、b)およびc)は有機溶媒の混合物中に溶解した状態で存在し、該有機溶媒混合物が、該溶媒混合物に基づいて、少なくとも95重量%の、特に少なくとも99重量%の、
d1) 25℃、1バールで水との混和性が少なくとも50g/lである、少なくとも1種の非プロトン性極性有機溶媒、および
d2) 25℃、1バールで水への溶解度が5g/lより低い、特に1g/lより低い、少なくとも1種の有機溶媒、
を含んでなる。
【0012】
そのような非水性の活性化合物濃縮液は特に貯蔵安定性があり、水を用いて所望の施用濃度に、何の問題もなしに希釈することができる。さらに、非水性活性化合物濃縮液を用いて調製した水性活性化合物調製物は、泡の発生をほとんど示さない(Ross-Miles法に従って測定)。その上、得られた水性活性化合物調製物は脱混合に対して特に安定している(CIPAC MTにより測定)。さらに驚いたことに、本発明による非水性活性化合物濃縮液の施用の際には、式Iの活性化合物とジメテナミドの個別の活性化合物製剤を併用した場合と比較して、増大した除草効果が観察される。
【0013】
本発明の第2の態様によれば、上記の目的は水性の活性化合物濃縮液によっても達成され、前記水性活性化合物濃縮液は、
a) 10〜100g/l、特に20〜50g/lの、少なくとも1種の式Iの4-ベンゾイル置換ピラゾール化合物(先に定義したとおり)、
b) 200〜700g/l、特に400〜600g/lの、2-クロロ-N-(2,4-ジメチル-3-チエニル)-N-(2-メトキシ-1-メチルエチル)アセトアミド、および
c) 10〜200g/l、特に20〜100g/lの、少なくとも1種の界面活性剤S(非イオン性界面活性剤およびそれと陰イオン性界面活性剤との混合物から選択される)、
を含んでなり、その際、成分a)およびb)は水性希釈剤中に分散状態で存在する。
【0014】
本発明による水性活性化合物組成物もまた、長期間にわたり昇温でさえも貯蔵安定性があり、水を用いて所望の施用濃度に、何の問題もなしに希釈することができる。さらに、それらは揮発性有機炭化水素の含量が低いことによって特徴づけられる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本明細書において、アルキル、ならびにアルキルカルボニル、アルコキシ、アルキルチオおよびアルキルフェニル中のアルキル部分は、直鎖または分枝鎖の飽和炭化水素基である。対応して、アルケニルはモノ不飽和の直鎖または分枝鎖炭化水素基を表す。ハロアルキルおよびハロアルコキシ中のハロアルキル部分は、1個以上、例えば1、2、3、4、5個または全部の水素原子がハロゲン、特に塩素またはフッ素で置換された直鎖または分枝鎖アルキル基をさす。フェニルアルキルは、分子の残部にアルキル基を介して連結されるフェニル基をさす。シクロアルキルは環状の飽和炭化水素基を表す。接頭語Cn-Cm はそれぞれの場合に可能な炭素原子の数を示す。
【0016】
アルキルの例は、C1-C4-アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、1-メチルエチル、ブチル、1-メチルプロピル、2-メチルプロピルおよび1,1-ジメチルエチル)、さらにC1-C6-アルキル(C1-C4-アルキルについて挙げた基に加えて、ペンチル、1-メチルブチル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、2,2-ジメチルプロピル、1-エチルプロピル、ヘキシル、1,1-ジメチルプロピル、1,2-ジメチルプロピル、1-メチルペンチル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、4-メチルペンチル、1,1-ジメチルブチル、1,2-ジメチルブチル、1,3-ジメチルブチル、2,2-ジメチルブチル、2,3-ジメチルブチル、3,3-ジメチルブチル、1-エチルブチル、2-エチルブチル、1,1,2-トリメチルプロピル、1,2,2-トリメチルプロピル、1-エチル-1-メチルプロピルおよび1-エチル-2-メチルプロピルを含む)、そしてさらに比較的長鎖のアルキル基(例えば、n-ヘプチル、n-オクチル、n-ノニル、イソノニル、2-エチルヘキシル、n-デシル、イソデシル、2-プロピルヘプチル、ドデシル、トリデシル、イソトリデシル、ペンタデシル、ラウリル、ミリスチル、パルミチル、ステアリル、ベヘニルなど)である。
【0017】
アルキルカルボニルは、カルボニル基を介して結合される上記のアルキル基をさす。
【0018】
アルコキシは、酸素を介して結合される先に定義したとおりのアルキル基をさし、特にC1-C4-アルコキシ、例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、1-メチルエトキシ、ブトキシ、1-メチルプロポキシ、2-メチルプロポキシおよび1,1-ジメチルエトキシである。
【0019】
ハロアルキルは、1個以上、例えば1、2、3、4、5個または全部の水素原子がハロゲン、特に塩素またはフッ素で置換された、先に定義したとおりのアルキル基をさす。例としては、フルオロメチル、クロロメチル、トリフルオロメチル、ジフルオロエチル、2,2,2-トリフルオロエチル、ペンタフルオロエチル、2-フルオロ-1-メチルエチル、2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチルなどがある。
【0020】
シクロアルキルは、環状の飽和炭化水素基を表し、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルである。
【0021】
フェニルアルキルは、アルキル基を介して結合されるフェニル基を表し、例えば、ベンジル、1-または2-フェニルエチルである。
【0022】
5員の複素環式基は、5個の環原子(環員)を有し、環員としての炭素原子に加えて、1個以上、例えば1、2、3もしくは4個のヘテロ原子、特に1もしくは2個のヘテロ原子を環員として有する飽和環、部分飽和環、または芳香環である。ヘテロ原子は好ましくはO、SおよびNからなる群より選択される。これらの基の例として、2-テトラヒドロフラニル、3-テトラヒドロフラニル、2-テトラヒドロチエニル、3-テトラヒドロチエニル、2-ピロリジニル、3-ピロリジニル、3-イソキサゾリジニル、4-イソキサゾリジニル、5-イソキサゾリジニル、3-イソチアゾリジニル、4-イソチアゾリジニル、5-イソチアゾリジニル、3-ピラゾリジニル、4-ピラゾリジニル、5-ピラゾリジニル、2-オキサゾリジニル、4-オキサゾリジニル、5-オキサゾリジニル、2-チアゾリジニル、4-チアゾリジニル、5-チアゾリジニル、2-イミダゾリジニル、4-イミダゾリジニル、1,2,4-オキサジアゾリジン-3-イル、1,2,4-オキサジアゾリジン-5-イル、1,2,4-チアジアゾリジン-3-イル、1,2,4-チアジアゾリジン-5-イル、1,2,4-トリアゾリジン-3-イル、1,3,4-オキサジアゾリジン-2-イル、1,3,4-チアジアゾリジン-2-イル、1,3,4-トリアゾリジン-2-イル、2,3-ジヒドロフル-2-イル、2,3-ジヒドロフル-3-イル、2,4-ジヒドロフル-2-イル、2,4-ジヒドロフル-3-イル、2,3-ジヒドロチエン-2-イル、2,3-ジヒドロチエン-3-イル、2,4-ジヒドロチエン-2-イル、2,4-ジヒドロチエン-3-イル、2-ピロリン-2-イル、2-ピロリン-3-イル、3-ピロリン-2-イル、3-ピロリン-3-イル、2-イソキサゾリン-3-イル、3-イソキサゾリン-3-イル、4-イソキサゾリン-3-イル、2-イソキサゾリン-4-イル、3-イソキサゾリン-4-イル、4-イソキサゾリン-4-イル、2-イソキサゾリン-5-イル、3-イソキサゾリン-5-イル、4-イソキサゾリン-5-イル、2-イソキサゾリン-3-イル、3-イソキサゾリン-3-イル、4-イソキサゾリン-3-イル、2-イソチアゾリン-4-イル、3-イソチアゾリン-4-イル、4-イソチアゾリン-4-イル、2-イソチアゾリン-5-イル、3-イソチアゾリン-5-イル、4-イソチアゾリン-5-イル、2,3-ジヒドロピラゾール-1-イル、2,3-ジヒドロピラゾール-2-イル、2,3-ジヒドロピラゾール-3-イル、2,3-ジヒドロピラゾール-4-イル、2,3-ジヒドロピラゾール-5-イル、3,4-ジヒドロピラゾール-1-イル、3,4-ジヒドロピラゾール-3-イル、3,4-ジヒドロピラゾール-4-イル、3,4-ジヒドロピラゾール-5-イル、4,5-ジヒドロピラゾール-1-イル、4,5-ジヒドロピラゾール-3-イル、4,5-ジヒドロピラゾール-4-イル、4,5-ジヒドロピラゾール-5-イル、2,3-ジヒドロオキサゾール-2-イル、2,3-ジヒドロオキサゾール-3-イル、2,3-ジヒドロオキサゾール-4-イル、2,3-ジヒドロオキサゾール-5-イル、3,4-ジヒドロオキサゾール-2-イル、3,4-ジヒドロオキサゾール-3-イル、3,4-ジヒドロオキサゾール-4-イル、3,4-ジヒドロオキサゾール-5-イル、3,4-ジヒドロオキサゾール-2-イル、3,4-ジヒドロオキサゾール-3-イル、3,4-ジヒドロオキサゾール-4-イル、2-フリル、3-フリル、2-チエニル、3-チエニル、2-ピロリル、3-ピロリル、3-イソキサゾリル、4-イソキサゾリル、5-イソキサゾリル、3-イソチアゾリル、4-イソチアゾリル、5-イソチアゾリル、3-ピラゾリル、4-ピラゾリル、5-ピラゾリル、2-オキサゾリル、4-オキサゾリル、5-オキサゾリル、2-チアゾリル、4-チアゾリル、5-チアゾリル、2-イミダゾリル、4-イミダゾリル、1,2,4-オキサジアゾール-3-イル、1,2,4-オキサジアゾール-5-イル、1,2,4-チアジアゾール-3-イル、1,2,4-チアジアゾール-5-イル、1,2,4-トリアゾール-3-イル、1,3,4-オキサジアゾール-2-イル、1,3,4-チアジアゾール-2-イル、1,3,4-トリアゾール-2-イル、ピロール-1-イル、ピラゾール-1-イル、イミダゾール-1-イル、1,2,3-トリアゾール-1-イルおよび1,2,4-トリアゾール-1-イルがある。
【0023】
本発明は特に、R1およびR3がそれぞれ独立して、好ましくはハロゲン、メチル、メチルチオ、メチルスルフィニルまたはメチルスルホニルである式Iの化合物の活性化合物濃縮液に関する。R2は特にチアゾール-2-イル、チアゾール-4-イル、チアゾール-5-イル、イソキサゾール-3-イル、イソキサゾール-4-イル、イソキサゾール-5-イル、4,5-ジヒドロイソキサゾール-3-イル、4,5-ジヒドロイソキサゾール-4-イル、および4,5-ジヒドロイソキサゾール-5-イルからなる群より選択される基であり、ここで、上記の基は無置換であるか、または先に記載したように置換されていてもよく、特に上記の基は無置換であるか、1または2個のメチル基を置換基として有する。R2は特にイソキサゾール-5-イル、3-メチルイソキサゾール-5-イル、4,5-ジヒドロイソキサゾール-3-イル、5-メチル-4,5-ジヒドロイソキサゾール-3-イル、5-エチル-4,5-ジヒドロイソキサゾール-3-イル、および4,5-ジメチル-4,5-ジヒドロイソキサゾール-3-イルからなる群より選択される。R4は特に水素である。R5は特にメチルである。R6は特に水素またはメチルである。とりわけ、R1は塩素、メチルまたはメチルスルホニルであり、R2は水素または4,5-ジヒドロイソキサゾール-3-イルであり、R3は塩素またはメチルスルホニルであり、R4は水素であり、R5はメチルであり、そしてR6は水素またはメチルである。
【0024】
本発明の特に好ましい実施形態において、活性化合物濃縮液は、R1がメチル、R2が4,5-ジヒドロイソキサゾール-3-イル、R3がメチルスルホニル、R4が水素、R5がメチル、そしてR6が水素である式Iの化合物を含み、すなわち、成分a)は4-[2-メチル-3-(4,5-ジヒドロイソキサゾール-3-イル)-4-メチルスルホニルベンゾイル]-1-メチル-5-ヒドロキシ-1H-ピラゾール(一般名:トプラメゾン)である。
【0025】
本発明による活性化合物濃縮液の成分b)は、ジアステレオマーのラセミ混合物として用いてもよいし、4種のジアステレオマーのうちの1、2または3種を富化した状態で含む混合物の形で用いてもよい。特に好ましい成分はジメテナミドの「S-異性体」、すなわちジメテナミド-Pであり、また、主として1S-2-クロロ-N-(2,4-ジメチル-3-チエニル)-N-(2-メトキシ-1-メチルエチル)アセトアミドからなる前記化合物の立体異性体混合物も好ましいものである。これらのうちで、特に好適な成分b)は、純粋なジメテナミド-Pであるか、または「S-異性体」(ジメテナミド-P、すなわち、2-メトキシ-1-メチルエチル基の不斉炭素原子においてS立体配置を有するジメテナミドの立体異性体)と「R-異性体」(この基の不斉炭素原子においてR立体配置を有する立体異性体)の比が少なくとも8:2、特に少なくとも9:1である前記化合物の立体異性体混合物である。
【0026】
式Iの活性化合物およびジメテナミドまたはジメテナミド-Pに加えて、本発明による非水性活性化合物濃縮液は、水性希釈剤中の水で希釈したときに形成される活性化合物/溶媒液滴を安定化させるのに適している少なくとも1種の界面活性剤を含有する。本発明によれば、これは少なくとも1種の陰イオン性界面活性剤と少なくとも1種の非イオン性界面活性剤との混合物である。少なくとも1種の陰イオン性界面活性剤と少なくとも1種の非イオン性界面活性剤の重量比は、典型的には1:10から10:1までの範囲である。
【0027】
適当な陰イオン性界面活性剤は、基本的に、o/w型水性エマルジョンを安定化するのに通常用いられる全ての陰イオン性界面活性剤である。これらは一般的に、疎水性基(典型的には、炭素原子数6〜40、多くの場合6〜30、特に8〜22の炭化水素基)と少なくとも1個の官能基(水性媒体中で陰イオン形態で存在する基、例えばカルボン酸基、スルホン酸基、硫酸基、ホスホン酸基、リン酸基、リン酸水素基、リン酸二水素基)を有する有機化合物である。適当な場合、陰イオン性界面活性剤はさらに、1〜50(特に2〜30)のC2-C3-アルキレンオキシド繰り返し単位(特にエチレンオキシド繰り返し単位)をもつポリ-C2-C3-アルキレンエーテル基(特にポリエチレンオキシド基)を有する。
【0028】
好適な陰イオン性界面活性剤は、少なくとも1個のSO3基(硫酸基および/またはスルホン酸基)または1個のPO4基(リン酸基)を有するものである。これらのうちで、少なくとも1個(特に1個)の炭素原子数8〜22の脂肪族炭化水素基、または1個の炭素原子数10〜26のアリール脂肪族炭化水素基を有する陰イオン性界面活性剤が好ましいものである。そのような陰イオン性界面活性剤は典型的には、それらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、またはアンモニウム塩の形で、特にそれらのナトリウム、カリウム、カルシウム、またはアンモニウム塩の形で用いられる。本明細書において、「脂肪族」とは、アルキル、アルケニル、およびアルカジエニルを含み、好ましくはアルキルを表す。「アラルキル」は芳香族炭化水素基、例えばフェニルまたはナフチルをさし、好ましくは1個以上(特に1個)のアルキル基を有するフェニルを表す。
【0029】
これらの例は以下のものである:
c.1. C8-C22-アルキルスルホン酸塩、例えば、ラウリルスルホン酸塩およびイソトリデシルスルホン酸塩;
c.2. C8-C22-アルキル硫酸塩、例えば、ラウリル硫酸塩、イソトリデシル硫酸塩、セチル硫酸塩、およびステアリル硫酸塩;
c.3. アリール-およびC4-C20-アルキルアリールスルホン酸塩、例えば、ナフタレンスルホン酸塩、ジブチルナフタレンスルホン酸塩、ドデシルジフェニルエーテルスルホン酸塩、クメンスルホン酸塩、ノニルベンゼンスルホン酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、イソトリデシルベンゼンスルホン酸塩;
c.4. 脂肪酸(好ましくは炭素原子数8〜22)または脂肪酸エステルの硫酸塩およびスルホン酸塩、例えば、モノ-、ジ-およびトリグリセリドまたはC8-C22-アルカン酸C1-C18-アルキルエステルの硫酸塩およびスルホン酸塩;
c.5. エトキシル化C8-C22-アルカノールの硫酸塩、例えば、エトキシル化ラウリルアルコール、エトキシル化イソトリデカノール、エトキシル化C16-C-18-アルカノール混合物、エトキシル化ステアリルアルコールなどの硫酸塩;
c.6. エトキシル化ヒドロキシ芳香族化合物の硫酸塩、特にエトキシル化フェノールの硫酸塩、例えば、エトキシル化C4-C22-アルキルフェノールの硫酸塩、例えば、エトキシル化オクチルフェノール、エトキシル化ノニルフェノール、エトキシル化ドデシルフェノール、およびエトキシル化トリデシルフェノールの硫酸塩、さらにエトキシル化モノ-、ジ-またはトリスチリルフェノールの硫酸塩;
c.7. リン酸のモノ-およびジエステル(リン酸のトリエステルとの混合物を含む)、特にC8-C22-アルカノール、エトキシル化C8-C22-アルカノール、C4-C22-アルキルフェノール、エトキシル化C4-C22-アルキルフェノール、モノ-、ジ-またはトリスチリルフェノール、エトキシル化モノ-、ジ-またはトリスチリルフェノール、およびこれらの混合物によるエステル;
c.8. スルホコハク酸のモノ-およびジ-C4-C22-アルキルエステル、例えば、スルホコハク酸ジヘキシル、スルホコハク酸ジオクチル、およびスルホコハク酸ビス-2-エチルヘキシル;ならびに
c.9. ナフタレンスルホン酸またはフェノールスルホン酸とホルムアルデヒドおよび適宜に尿素との縮合物。
【0030】
本発明による非水性活性化合物濃縮液に適した陰イオン性界面活性剤は、グループc.1.、c.2.、c.3.、c.5.、c.6.およびc.7.に属するものであり、特に炭素原子数8〜22の脂肪族炭化水素基(すなわち、アルキル、アルケニルまたはアルカジエニル基)および/またはC4-C22-アルキルフェニル基を有するものである。本発明の特に好ましい実施形態では、陰イオン性界面活性剤はグループc.2.およびc.3.からの少なくとも1種の界面活性剤とグループc.7.からの少なくとも1種の更なる界面活性剤を含む。
【0031】
適当な非イオン性界面活性剤は、ポリ-C2-C3-アルキレングリコールエーテル基を有するもの(以後、ポリ-C2-C3-アルコキシレートまたはポリ-C2-C3-アルキレングリコールエーテルともいう)およびポリエチレンオキシド/ポリプロピレンオキシドコポリマー、特にブロックコポリマーである。以後、用語ポリ(エチレングリコール-コ-プロピレングリコール)およびポリ(エトキシレート-コ-プロポキシレート)は同義的に用いられ、エチレンオキシド繰り返し単位とプロピレンオキシド繰り返し単位から構成されるポリ-C2-C3-アルキレングリコールエーテル基を有する化合物を表す。
【0032】
ポリ-C2-C3-アルコキシレートのグループからの好ましい界面活性剤の例は以下のものである:
c.10. 直鎖または分枝鎖C8-C22-アルカノールのポリ-C2-C3-アルキレングリコールアルキルエーテル、特にポリエチレングリコールアルキルエーテルおよびポリ(エチレングリコール-コ-プロピレングリコール)アルキルエーテル、特に脂肪アルコールまたはオキソアルコールのポリエトキシレートおよびポリ(エトキシレート-コ-プロポキシレート)、例えば、ラウリルアルコールのポリエトキシレート、ラウリルアルコールのポリ(エトキシレート-コ-プロポキシレート)、イソトリデカノールのポリエトキシレート、イソトリデカノールのポリ(エトキシレート-コ-プロポキシレート)、セチルアルコールのポリエトキシレート、セチルアルコールのポリ(エトキシレート-コ-プロポキシレート)、ステアリルアルコールのポリエトキシレート、およびステアリルアルコールのポリ(エトキシレート-コ-プロポキシレート)、さらにまた、これらの化合物の対応するC1-C4-アルキルエーテル(特にメチルエーテル)およびC1-C4-アルカノエート;
c.11. ポリ-C2-C3-アルキレングリコールアリールエーテル、特にヒドロキシ芳香族化合物(例えば、C1-C22-アルキルフェノール)のポリエトキシレートおよびポリ(エトキシレート-コ-プロポキシレート)、例えば、ノニルフェノール、デシルフェノール、イソデシルフェノール、ドデシルフェノール、イソトリデシルフェノール、モノ-、ジ-またはトリスチリルフェノールおよびこれらの混合物のポリエトキシレートおよびポリ(エトキシレート-コ-プロポキシレート)、さらにまた、上記ポリエトキシレートおよびポリ(エトキシレート-コ-プロポキシレート)のC1-C4-アルキルエーテル(特にメチルエーテル)およびC1-C4-アルカノエート;
c.12. C8-C22-アルキルグルコシドのポリ-C2-C3-アルコキシレート(特にポリエトキシレート)およびC8-C22-アルキルポリグルコシドのポリ-C2-C3-アルコキシレート(特にポリエトキシレート);
c.13. 脂肪アミンのポリ-C2-C3-アルコキシレート、特にポリエトキシレートおよびポリ(エトキシレート-コ-プロポキシレート)、特にステアリルアミン、タロウ脂肪アミン、オレイルアミンおよびココナツ油脂肪アミンのポリエトキシレートおよびポリ(エトキシレート-コ-プロポキシレート);
c.14. 脂肪酸のポリ-C2-C3-アルコキシレート、特にポリエトキシレート、例えばステアリン酸、ラウリン酸、オレイン酸、ミリスチン酸、これらの脂肪酸の混合物のポリエトキシレート;
c.15. ポリエトキシル化油脂、例えば、ココナツ油、パーム核油、タロウ油、パーム油、ナタネ油、ヒマワリ油またはヒマシ油のポリエトキシレート;ならびに
c.16. ソルビタン脂肪エステルのポリ-C2-C3-アルコキシレート、特にポリエトキシレート、例えば、ソルビタンモノ-、ジ-またはトリオレエートおよびこれらの混合物のポリエトキシレート。
【0033】
上記のポリエトキシレートにおいて、エトキシル化度(分子中のエチレンオキシドから誘導される繰り返し単位の平均数)は典型的には2〜100の範囲、好ましくは3〜50の範囲、特に5〜40の範囲である。(ポリ)エトキシレート-コ-プロポキシレートにおいて、エチレンオキシドから誘導される繰り返し単位の平均数は一般的に1〜50、好ましくは2〜40、特に3〜30であり、プロピレンオキシドから誘導される繰り返し単位の平均数は1〜50、好ましくは2〜40、特に2〜30である。
【0034】
好適な非イオン性界面活性剤にはエチレンオキシドとプロピレンオキシドとのコポリマー(以後、EO/POコポリマーという)、特にブロックコポリマーも含まれる。これらは大半(すなわち90重量%以上)が繰り返し単位EO (CH2-CH2-O)およびPO (= CH2-CH(CH3)-O)で構成されたオリゴマーまたはポリマーのエーテル化合物を意味するものとして理解される。これらのうちで、POブロックとEOブロックの数が好ましくは2または特に3であるエチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックコポリマーが好ましいものである。下記式のトリブロックコポリマーが特に好適である:
【化2】

【0035】
ここで、単位 [POy1]A[POy2] は1つのPOブロックとみなされる。上記式中、RxおよびRx’はそれぞれ独立して、水素またはC1-C10-アルキルであり、EOおよびPOは先に定義したとおりである。それぞれ独立して、指数x1およびx2は2〜100、特に4〜50の範囲の数値を表す。指数y1およびy2は、それぞれ独立して、2〜100、特に4〜50の範囲の数値を表す。指数y3は典型的には2〜160、特に4〜100、とりわけ10〜80の数値を表す。指数x3は典型的には4〜200、特に10〜100、とりわけ10〜80の数値を表す。AはC4-C10-アルカンジイルまたはC5-C10-シクロアルカンジイルである。Yは酸素または基NR(ここでRは水素、C1-C4-アルキル、または式Rx[EOx1][POy1]の基である)である。EO/POコポリマーの数平均分子量は、好ましくは300〜10,000ダルトン、特に500〜5000ダルトンの範囲である。EO繰り返し単位の比率は一般に10〜90重量%、特に20〜80重量%の範囲であり、そしてPO繰り返し単位の比率は一般に10〜90重量%、特に20〜80重量%の範囲である(それぞれの場合にEO/POコポリマーの全重量に基づく)。
【0036】
本発明の好ましい実施形態において、非イオン性界面活性剤はポリ-C2-C3-アルコキシレートのグループ(特にグループc.10.、c.11.および/またはc.15.)からの少なくとも1種の界面活性剤、および/または1種以上(例えば1または2種)のポリ-C2-C3-アルコキシレートとEO/POコポリマー(特にEO/POブロックコポリマー)との混合物を含む。
【0037】
さらに、成分d1として、本発明による活性化合物濃縮液は、25℃、1バールで水との混和性が少なくとも50g/l、特に少なくとも100g/lであり、特に水と完全に混和しうる、少なくとも1種の非プロトン性極性有機溶媒を含有する。これらには以下の溶媒が含まれる:
− アミド類、炭素原子数1〜12、特に1〜6の脂肪族カルボン酸のN-C1-C4-アルキルアミドおよびN,N-C1-C4-ジアルキルアミド、特にギ酸、酢酸、プロピオン酸、吉草酸、およびカプロン酸のアミド、N-C1-C2-アルキルアミドおよびN,N-C1-C2-ジアルキルアミド、例えばホルムアミド、ジメチルホルムアミド、アセトアミド、プロピオンアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルプロピオンアミド、およびジメチルバレルアミド;
− スルホン類およびスルホキシド類、例えばスルホランおよびジメチルスルホキシド;
− C1-C3-アルキルニトリル類、例えばアセトニトリルおよびプロピオニトリル;
− 5-、6-および7-員のラクタム類(窒素原子にN-C1-C4-アルキル基、特にメチル基を有していてもよい)、例えばピロリドン、N-C1-C4-アルキルピロリドン(例:N-メチルピロリドン、N-エチルピロリドン)、N-C1-C4-アルキルバレロラクタム(例:N-メチルバレロラクタム);
− 5-または6-員のラクトン類、例えばγ-ブチロラクトン。
【0038】
好ましい非プロトン性極性溶媒は、脂肪族C1-C6-カルボン酸のアミドおよびN,N-C1-C4-ジアルキルアミド、特にこれらのカルボン酸の、とりわけギ酸、酢酸、プロピオン酸、および吉草酸のアミドおよびジメチルアミド、さらにN-C1-C4-アルキルピロリドン、特にN-メチルピロリドン、N-C1-C4-アルキルバレロラクタム、特にN-メチルバレロラクタム、さらにまたジメチルスルホキシド、ならびにこれらの混合物である。
【0039】
非プロトン性極性有機溶媒は特に、製剤中の非プロトン性極性有機溶媒の全量に基づいて、少なくとも80重量%の上記の好ましい非プロトン性極性溶媒の1種、とりわけジメチルスルホキシドおよび/またはN-メチルピロリドンを含む。
【0040】
さらに、本発明による非水性活性化合物濃縮液は、25℃、1バールで水への溶解度が5g/lより低い、特に1g/lより低い、少なくとも1種の有機溶媒を含有する。これらには特に炭化水素溶媒および脂肪酸のC1-C10-アルキルエステルが含まれる。炭化水素溶媒は、乳化可能な活性化合物濃縮液を調製するために通常用いられるような、室温で液体の炭化水素または液状炭化水素混合物である。適当な炭化水素は、好ましくは炭素原子数6〜14のアルカン類、場合により1、2、3または4個のC1-C4-アルキル基を有する合計炭素原子数6〜14のシクロアルカン類、芳香族炭化水素、例えばベンゼン、ナフタレン、モノ-、ジ-およびトリ-C1-C4-アルキル置換ベンゼン、特にトルエン、キシレン、メシチレン、クメン、さらにC1-C4-アルキル置換ナフタレン、そしてまた、上記炭化水素の混合物である。特に好ましいものは、芳香族炭化水素の含量が少なくとも50重量%、特に少なくとも80重量%の炭化水素および炭化水素混合物である。さらに、沸点またはASTM D86による最小沸点が150℃以上、特に180℃以上、とりわけ200℃以上である炭化水素および炭化水素混合物が好ましい。そのような炭化水素および炭化水素混合物は当業者には周知であり、例えばShell AGからShellsol(登録商標)Aという商品名で、また、Solvesso(登録商標)100、Solvesso(登録商標)150、Solvesso(登録商標)150 ND、Solvesso(登録商標)200、Solvesso(登録商標)200 NDおよびSolvesso(登録商標)200 SなどのSolvesso(登録商標)という商品名で販売されている。
【0041】
脂肪酸のアルキルエステルには、脂肪族飽和または不飽和C6-C20-モノカルボン酸のC1-C6-アルキルエステル(特にメチルエステル)、例えば、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、またはパルミトレイン酸のエステルが含まれ、さらに、特に天然のトリグリセリドのC1-C6-アルカノール(特にメタノール)とのエステル交換により得られるような、脂肪酸C1-C6-アルキルエステル(特に脂肪酸メチルエステル)の混合物、例えば、ダイズ油メチルエステル、ナタネ油メチルエステル、パルミチン酸メチルエステル、ステアリン酸メチルエステル、およびオレイン酸メチルエステル、ならびにこれらの混合物も含まれる。
【0042】
より好適なものは炭化水素溶媒である。
【0043】
本発明による非水性活性化合物濃縮液において、非プロトン性極性有機溶媒と炭化水素溶媒の重量比は好ましくは1:10から10:1、特に1:5から5:1である。
【0044】
有機溶媒(すなわち、非プロトン性極性有機溶媒と炭化水素溶媒)の合計量は典型的には200〜800g/lの範囲、特に300〜600g/lの範囲である。
【0045】
本発明による非水性活性化合物濃縮液はさらに、除草剤として有効な化合物のエマルジョン濃縮液中で一般的に用いられる慣用成分を含むことができる。かかる成分として、例えば、消泡剤と防腐剤が挙げられる。好ましくは、こうした成分の割合は、非水性活性化合物濃縮液の全重量に基づいて、5重量%、特に1重量%を超えない。
【0046】
本発明による非水性活性化合物濃縮液は通常の乳化性濃縮液の調製と同様に調製することができる。好ましくは最初に、非プロトン性極性溶媒の少なくとも一部に少なくとも1種の4-ベンゾイル置換ピラゾール化合物Iを溶解した溶液を調製する。適宜、この溶液の調製を加熱しながら行う。しかし、好ましくは80℃の温度を超えないようにする。一般的には、この溶液を周囲温度または10〜50℃の範囲で調製する。次いで、このようにして得られた溶液に製剤の他の成分を添加するが、ジメテナミドまたはジメテナミド-Pは溶解した状態でまたは固体として添加することが可能である。多くの場合、非プロトン性極性有機溶媒中の式Iの化合物の溶液に炭化水素溶媒、ジメテナミドまたはジメテナミド-P、界面活性剤、適宜他の成分、を順次添加する。このようにして得られた混合物を適当な装置を使って、例えば撹拌機、溶解機などを使って、透明な均質混合物が得られるまで均質化する。炭化水素溶媒、ジメテナミドまたはジメテナミド-P、界面活性剤、適宜他の成分の添加および均質化は一般的に周囲温度または10〜50℃の範囲で実施する。かかる方法で得られた活性化合物濃縮液はその後、通常の方法で製剤化して包装することができる。
【0047】
本発明の第2の態様は、上記定義に従う水性の活性化合物濃縮液に関する。
【0048】
本発明による水性活性化合物濃縮液では、式Iの活性化合物とジメテナミドは分散状態で、すなわち、微細に分散した粒子の形態で存在する。ここで、「粒子」とは、固体の活性化合物粒子と液体の活性化合物小滴の両方を包含する。いかなる理論にも拘束されないが、少なくとも1種の式Iの活性化合物の主要部は固体の活性化合物粒子の形態で存在すると考えられるが、ジメテナミドの主要部はおそらく油の小滴の形態で存在するらしい。活性化合物粒子(固体の活性化合物粒子および小滴)の粒径は一般に50μm以下、好ましくは20μm以下、特に10μm以下である(d90値、すなわち、濃縮液中の活性化合物粒子の多くとも10重量%が超える数値)。重量平均径(d50値)は一般に0.1〜10μm、好ましくは0.5〜5μmの範囲である。ここに示した数値は、活性化合物濃縮液の希薄な水性サンプル(希釈度1:20から1:200)を用いた準弾性光散乱法により測定された数値をさす。
【0049】
本発明によれば、水性活性化合物濃縮液は少なくとも1種の非イオン性界面活性剤またはそれと少なくとも1種の陰イオン性界面活性剤との混合物を含む。本発明によれば、界面活性剤の全濃度、すなわち、非イオン性界面活性剤+(適宜存在する)陰イオン性界面活性剤の濃度は10〜200g/lの範囲、好ましくは15〜150g/lの範囲、特に20〜100g/lの範囲である。本発明による水性活性化合物濃縮液が少なくとも1種の非イオン性界面活性化合物と少なくとも1種の陰イオン性界面活性化合物の混合物を含む場合、非イオン性界面活性剤と陰イオン性界面活性剤の重量比は好ましくは100:1から10:1、特に50:1から5:1である。
【0050】
適当な非イオン性界面活性剤は、基本的には、非水性活性化合物濃縮液に関して先に挙げた全ての非イオン性界面活性剤でありうるが、ポリ(C2-C3-アルコキシレート)のグループからの非イオン性界面活性剤、例えばグループc.10〜c.16からの物質、特にグループc.10、c.11およびc.12からの非イオン性界面活性剤が好ましい。これらのうちで、グループc.10およびc.11のポリ(エトキシレート-コ-プロポキシレート)が特に好ましいものである。そのような化合物は一般式(III)で表すことができる:
【化3】

【0051】
[式中、
Rは、C10-C22-アルキル、C8-C22-アルキルフェニル、モノ-、ジ-またはトリスチリルであり、
R’は、水素、C1-C10-アルキル、ベンジル、ホルミル、またはC1-C10-アルキルカルボニル、特に水素であり、
Aは、CH(CH3)CH2であり、
Eは、CH2CH2であり、
xは、1〜30、特に1〜10の範囲の数であり、
yは、2〜50、特に2〜30の範囲の数である]。
【0052】
適当な非イオン性界面活性剤には、非水性活性化合物濃縮液に関連してすでに記載したエチレンオキシド/プロピレンオキシドコポリマーも含まれ、特にそこに記載のトリブロックコポリマーが含まれる。
【0053】
好適な実施形態において、非イオン性界面活性剤はグループc.10〜c.16からの、特にグループc.10および/またはc.11からの少なくとも1種の非イオン性界面活性剤、特に少なくとも1種の一般式IIIの非イオン性界面活性剤と、さらに適当な場合には、少なくとも1種のEO/POコポリマー、特に上記のタイプのEO/POブロックコポリマーを含有する。この実施形態では、グループc.10〜c.16からの少なくとも1種の界面活性剤とEO/POコポリマーの重量比は一般に100:1から1:1、特に50:1から5:1の範囲である。
【0054】
さらに、本発明による水性活性化合物濃縮液は1種以上の陰イオン性界面活性剤をも含有することができる。基本的に、適当な界面活性剤は、非水性活性化合物濃縮液に関連して先に記載したもの、特にグループc.1〜c.9の陰イオン性界面活性剤、とりわけグループc.9の陰イオン性界面活性剤である。
【0055】
本発明の水性活性化合物濃縮液はさらに、そうした組成物の目的に直接関係がないが、その施用可能性および/または実用上の性質を改善する更なる物質を含んでいてもよい。それらの例としては特に以下のものがある:
− 粘度調節物質(増粘剤)
− 防腐剤
− 消泡剤
− pH調整剤
− 凍結防止剤。
【0056】
上記のような物質は当業者に広く知られている。かかる物質の合計量は一般に、活性化合物濃縮液に対して10重量%(=約100g/l)を超えることはなく、典型的には活性化合物濃縮液の全重量に基づいて0.1〜10重量%(=1〜100g/l)の範囲である。
【0057】
粘度調節剤(増粘剤)には、擬塑性流動性(すなわち、静止状態では高粘度で、運動状態では低粘度)を水性製剤に付与することが知られている化合物が特に含まれる。基本的に、水性活性化合物濃縮液中でこの目的のために用いられる化合物はすべて適している。例えば、無機物質としてベントナイトまたはアタパルジャイト(例:Engelhardt社製のAttaclay(登録商標))など、および有機物質として多糖類およびヘテロ多糖類、例えばXanthan Gum(登録商標) (Kelco社製のKelzan(登録商標))、Rhone Poulenc社製のRhodopol(登録商標) 23、R.T. Vanderbilt社製のVeegum(登録商標)などが挙げられ、Xanthan-Gum(登録商標)が好ましいものである。粘度調節剤の量は、活性化合物濃縮液の全重量に基づいて、通常0.1〜5重量%である。
【0058】
好ましい消泡剤は、例えば、シリコーン乳剤 (Wacker社製のSilikon(登録商標) SRE、またはRhodia社製のRhodorsil(登録商標))、長鎖アルコール類、脂肪酸類、水性ワックス分散液のタイプの消泡剤、固形消泡剤(「コンパウンド」)、この目的に適することが知られた有機フッ素化合物およびそれらの混合物である。消泡剤の量は、活性化合物濃縮液の全重量に基づいて、泡活性物質として計算して、通常0.1〜3重量%である。
【0059】
防腐剤の例はイソチアゾロン系のものであり、例えば、ICI社製のProxel(登録商標)、Thor Chemie社製のActicide(登録商標) RS、またはRohm & Haas社製のKathon(登録商標) MKである。防腐剤(存在する場合)の量は、活性化合物濃縮液の全重量に基づいて、通常0.05〜0.5重量%である。
【0060】
適当な凍結防止剤は液体アルカノール、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、n-ブタノール、ポリオール(例:エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール)である。凍結防止剤(存在する場合)の量は、活性化合物濃縮液の全重量に基づいて、一般に1〜10重量%である。
【0061】
本発明による水性活性化合物濃縮液は、少なくとも2種の異なる活性化合物を含む懸濁濃縮液またはサスポエマルジョン濃縮液を調製するための公知の方法と同様にして調製することができる。
【0062】
そのために、一般的には、少なくとも1種の式Iの活性化合物の水性懸濁液と、これとは別個に、ジメテナミドの水性懸濁液またはエマルジョンを調製し、これら2つの懸濁液または懸濁液とエマルジョンを一緒にして本発明による水性活性化合物濃縮液とする。化合物Iの懸濁液は、ジメテナミドの懸濁液またはエマルジョンのように、有機作物保護剤の水性懸濁濃縮液の調製と同様にして調製することができる。
【0063】
例えば、最初に少なくとも1種の式Iの活性化合物の水性スラリーを調製し、続いて所望の粒子サイズとするために粉砕することにより、少なくとも1種の式Iの活性化合物の第1の水性懸濁液を調製する。一般に、水性スラリーは濃縮液中に存在する界面活性剤の一部(例えば、エチレンオキシド/プロピレンオキシドコポリマー)と、適宜に陰イオン性界面活性剤と、さらに、適宜に消泡剤と、適宜に凍結防止剤の全部または一部を含む。その後、このようにして得られた少なくとも1種の活性化合物1の水性懸濁液に、水と更なる成分(例えば、残量の凍結防止剤、増粘剤、および殺菌剤)を添加する。通常、これらの補助剤は水溶液の形で添加される。
【0064】
ジメテナミドの水性エマルジョンまたは懸濁液は、ジメテナミドの水性濃縮液の調製法と同様にして、それ自体公知の方法で調製することができる。多くの場合、界面活性剤、特に少なくとも1種の式IIIの界面活性剤の少なくとも一部を含む水溶液を最初にチャージし、そこにジメテナミドを、適宜に加熱しながら、懸濁または乳化させる。この水性初期チャージは水性活性成分濃縮液の更なる成分の一部または全部(例えば、増粘剤、殺菌剤、凍結防止剤の一部、適宜に消泡剤)をさらに含んでいてもよい。
【0065】
その後、少なくとも1種の式Iの活性化合物の懸濁液を、ジメテナミドの水性懸濁液またはエマルジョンと、例えば撹拌しながら、混合することによって一緒にして最終製剤を得る。これに続いて、任意の添加剤の一部を、好ましくは水溶液の状態で、添加することももちろん可能である。
【0066】
本発明による非水性活性化合物濃縮液は、本発明による水性活性化合物濃縮液と同様、不要な植生を防除するためのそれ自体公知の方法において適している。本発明による活性化合物濃縮液は、非作物地帯に生えている不要な植物を、特に高い施用量で、防除するのに特に適している。コムギ、ライムギ、オオムギ、キビ、カラスムギ、ライコムギのような穀物において、さらにトウモロコシにおいても、それらは作物植物に有意な害を与えることなく広葉雑草およびイネ科雑草に対して作用する。こうした作用効果は主に低い施用量で観察される。
【0067】
施用法次第では、本発明の活性化合物濃縮液は不要な植物を取り除くためにさらに多くの作物植物において利用することができる。
【0068】
さらに、本発明の活性化合物濃縮液は、遺伝子工学的方法を含む品種改良のため除草剤の作用に対して耐性がある作物にも使用することができる。
【0069】
本活性化合物濃縮液は一般に水性噴霧液の形で施用される。そのために、本発明の活性化合物濃縮液を、散布量に応じて、その容量の倍数(例えば、10〜10,000倍、特に20〜1000倍)に水で希釈する。したがって、噴霧液中の活性化合物濃度(活性化合物の合計量)は一般に10mg/l〜10g/lの範囲である。
【0070】
施用は出芽前方法もしくは出芽後方法によるか、または作物の種子と一緒でありうる。作物の種子を本活性化合物濃縮液の水性希釈物で処理し、そのように処理した種子を播くことにより、本発明の活性化合物濃縮液を用いて、活性化合物濃縮液中に存在する式Iの活性化合物およびジメテナミドまたはジメテナミド-Pを施用することも可能である。特定の作物植物が本発明の活性化合物濃縮液中に存在する活性化合物にあまり耐性がない場合には、次のような施用技術を採用することができる。すなわち、噴霧装置を使って、本活性化合物濃縮液から調製した施用剤形を、それらが不要な下草の葉またはむき出しの土壌表面に達するが感受性作物の葉にはできるだけ接触しないような方法(後指向(post-directed)、レイバイ(lay-by))で噴霧する。
【0071】
活性化合物の合計量に基づいて、施用量は、防除標的、季節、標的植物および成長段階により、0.001〜3.0kg(活性化合物)/ha、好ましくは0.01〜1.0kg/haである。
【0072】
活性スペクトルを広範にし、かつ相乗効果を達成するために、施用前に、本活性化合物濃縮液を他の除草性または成長調節性の活性化合物群の多数の成分と混合し、その後、例えばタンクミックス法によって、一緒に施用することができる。混合物として適する成分は、例えば、以下のものである:1,2,4-チアジアゾール類、1,3,4-チアジアゾール類、アミド類、アミノリン酸とその誘導体、アミノトリアゾール類、アニリド類、(ヘタ)アリールオキシアルカン酸とその誘導体、安息香酸とその誘導体、ベンゾチアジアジノン類、2-アロイル-1,3-シクロヘキサンジオン類、2-ヘタロイル-1,3-シクロヘキサンジオン類、ヘタリールアリールケトン類、ベンジルイソキサゾリジノン類、m-CF3-フェニル誘導体、カルバメート類、キノリンカルボン酸とその誘導体、クロロアセトアニリド類、シクロヘキセノンオキシムエーテル誘導体、ジアジン類、ジクロロプロピオン酸とその誘導体、ジヒドロベンゾフラン類、ジヒドロフラン-3-オン類、ジニトロアニリン類、ジニトロフェノール類、ジフェニルエーテル類、ジピリジル類、ハロカルボン酸とその誘導体、尿素類、3-フェニルウラシル類、イミダゾール類、イミダゾリノン類、N-フェニル-3,4,5,6-テトラヒドロフタルイミド類、オキサジアゾール類、オキシラン類、フェノール類、アリールオキシ-またはヘテロアリールオキシフェノキシプロピオン酸エステル、フェニル酢酸とその誘導体、フェニルプロピオン酸とその誘導体、ピラゾール類、フェニルピラゾール類、ピリダジン類、ピリジンカルボン酸とその誘導体、ピリミジルエーテル類、スルホンアミド類、スルホニル尿素類、トリアジン類、トリアジノン類、トリアゾリノン類、トリアゾールカルボキサミド類、およびウラシル類。
【0073】
さらに、施用前に本活性化合物濃縮液を他の作物保護剤(例えば、害虫または植物病原性の真菌類もしくは細菌類を防除するための薬剤)と混合し、その後一緒に施用することも有益であると考えられる。また、栄養素や微量元素の欠乏をなくすために利用されるミネラル塩溶液との混和性も注目される。非植物毒性のオイルおよび濃縮オイルを添加することも可能である。
【0074】
以下の実施例は本発明をより詳細に説明するためのものであり、本発明を限定するものと解釈されるべきでない。
【0075】
原料:
− トプラメゾン(式Iの活性化合物であって、R1およびR5がそれぞれメチル、R2が4,5-ジヒドロイソキサゾール-3-イル、R3がメチルスルホニル、R4およびR6が水素);
− ジメテナミド-P
− 乳化剤1:ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム、ヒマシ油エトキシレート、EO/POトリブロックコポリマー、および脂肪アルコールのリン酸エステルの混合物(界面活性剤含量≧85重量%);
− 乳化剤2:EO/POトリブロックコポリマー(分子量6500、プロピレンオキシド含量50重量%);
− 乳化剤3:フェノールスルホン酸/ホルムアルデヒド縮合物のナトリウム塩;
− 乳化剤4:トリスチリルフェノールのポリ(エトキシレート-コ-プロポキシレート)の混合物;
− 増粘剤:キサンタンガム
− 消泡剤:市販のポリジメチルシロキサン/フィラーエマルジョン (Wacker社製のSilikon SRE-PFL) (活性成分含量 20重量%);
− 殺菌剤:1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オンと2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オンの混合物を含む製剤、活性化合物含量5重量% (Thor Chemie GmbHからのAktizide MBS);
− 炭化水素溶媒:芳香族化合物含量が少なくとも99重量%である芳香族炭化水素混合物、最小沸点(ASTM 86〜99により測定)235〜248℃、最大沸点290〜305℃(Exxon Mobil社からのSolvesso(登録商標) 200)。
【実施例1】
【0076】
非水性活性化合物濃縮液の調製
撹拌型タンク内に219gのN-メチルピロリドンを最初に投入し、32gのトプラメゾンを加えて、透明な均質混合物が得られるまでこの混合物を撹拌した。撹拌しながら、219gの炭化水素溶媒、32gのトプラメゾン、および112gの乳化剤1を順次添加し、この混合物を均質になるまで撹拌した。得られた混合物は538g/lのジメテナミド-Pと約32g/lのトプラメゾンを含む赤褐色の液体であった。
【0077】
20℃で測定した密度は約1.11〜1.12g/cm3であった。回転粘度計を用いてOECD検査法114により測定した粘度は約20〜35mPa・sであった。54℃で2週間貯蔵した後、サンプルには目に見える変化が認められなかった。濃度0.3重量%の希釈物の泡の高さをRoss-Miles法 (ASTM-D 1173 53)により測定したところ、それは30mmより低かった。CIPAC MTによるエマルジョン安定性は36.3であった。
【実施例2】
【0078】
非水性活性化合物濃縮液の調製
撹拌型タンク内に219gのジメチルスルホキシドを最初に投入し、32gのトプラメゾンを加えて、透明な均質混合物が得られるまでこの混合物を撹拌した。撹拌しながら、219gの炭化水素溶媒、32gのトプラメゾン、および112gの乳化剤1を順次添加し、この混合物を均質になるまで撹拌した。得られた混合物は538g/lのジメテナミド-Pと約32g/lのトプラメゾンを含む赤褐色の液体であった。
【0079】
20℃で測定した密度は約1.11〜1.12g/cm3であった。回転粘度計を用いてOECD検査法114により測定した粘度は約20〜35mPa・sであった。54℃で2週間貯蔵した後、サンプルには目に見える変化が認められなかった。濃度0.3重量%の希釈物の泡の高さをRoss-Miles法 (ASTM-D 1173 53)により測定したところ、それは30mmより低かった。
【実施例3】
【0080】
非水性活性化合物濃縮液の調製
撹拌型タンク内に219gのN-メチルピロリドンを最初に投入し、32gのトプラメゾンを加えて、透明な均質混合物が得られるまでこの混合物を撹拌した。撹拌しながら、219gの炭化水素溶媒、32gのトプラメゾン、および112gのドデシルベンゼンスルホン酸カルシウムと乳化剤5(重量比1:1)の混合物を順次添加し、この混合物を均質になるまで撹拌した。得られた混合物は538g/lのジメテナミド-Pと約32g/lのトプラメゾンを含む赤褐色の液体であった。
【0081】
20℃で測定した密度は約1.11〜1.12g/cm3であった。回転粘度計を用いてOECD検査法114により測定した粘度は約20〜35mPa・sであった。
【実施例4】
【0082】
本発明による水性活性化合物濃縮液の調製
1. 撹拌型容器内に400gの脱塩水(純水)を最初に投入し、60gの1,2-プロピレングリコール、20gの乳化剤3、および166.7gの18重量%の乳化剤2水溶液を順次添加した。この混合物を均質かつ透明な溶液が得られるまで撹拌し、次いでトプラメゾン含量97.7重量%の工業級トプラメゾン343.9gおよび消泡剤1gを順次添加した。このようにして得られた懸濁液を約15℃に冷却してからローター/スターターミルに送り、続いて冷却しながら所望の粒径分布が得られるまでビーズミルで粉砕した。こうして、80重量%の粒子が2μm以下の粒径をもつ水性トプラメゾン懸濁液を得た。
【0083】
2. 撹拌型容器内に10gの1,2-プロピレングリコールと119.4gの脱塩水を最初に投入し、3gの増粘剤、次いで2gの殺菌剤を撹拌しながら順次添加した。このようにして得られた溶液を、撹拌しながら、工程1で得られた懸濁液に添加し、その後さらに4gの消泡剤を撹拌しながら添加した。このようにして、約336g/lのトプラメゾンを含む水性懸濁液を得たが、この懸濁液の粘度(OECD 114により測定)は約60〜100mPa・sであり、粒径分布はd90≦3.5μmおよびd50≦1.3μmであった。
【0084】
3. 撹拌しながら、44.4gの1,2-プロピレングリコール、44.4gの乳化剤3、および66.6gの2重量%の増粘剤水溶液(1.6重量%の殺菌剤を含む)を285.7gの脱塩水に添加した。撹拌しながら、この溶液に561gのジメテナミド-Pを23℃で添加し、この混合物を撹拌して安定なエマルジョンを得た。続いて、このようにして得られたエマルジョンに工程2で得られた懸濁液107.6gを添加し、撹拌を10分間続けた。
【0085】
この方法により水性サスポエマルジョンを得たが、これはジメテナミド-P含量が約538g/l、トプラメゾン含量が約32g/lであった。密度は約1.11g/cm3であった。回転粘度計を用いてOECD検査法114に従って測定した粘度は約70〜90mPa・sであった。d90が7μm以下で、d50が1.5μm以下であった。脱塩水中の約1重量%希釈物のpHは約2.5〜4.5の範囲であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a) 10〜100g/lの少なくとも1種の式Iの4-ベンゾイル置換ピラゾール化合物:
【化1】

[式中、
R1、R3は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、メチル、ハロメチル、メトキシ、ハロメトキシ、メチルチオ、メチルスルフィニルまたはメチルスルホニルであり、
R2は、5員の複素環式基であり、該複素環式基は無置換であるか、またはハロゲン、C1-C6-アルキル、C1-C4-アルコキシ、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-ハロアルコキシおよびC1-C4-アルキルチオからなる群より選択される1、2、3または4個の置換基を有し、
R4は、水素、ハロゲンまたはメチルであり、
R5は、C1-C6-アルキル、C3-C6-シクロアルキルまたはC3-C6-シクロアルキルメチルであり、
R6は、水素またはC1-C4-アルキルである]
またはその農業上有用な塩の1種、および
b) 200〜700g/lの2-クロロ-N-(2,4-ジメチル-3-チエニル)-N-(2-メトキシ-1-メチルエチル)アセトアミド、および
c) 10〜200g/lの、少なくとも1種の陰イオン性界面活性剤と少なくとも1種の非イオン性界面活性剤との混合物から選択される少なくとも1種の界面活性剤S、
を含んでなる非水性活性化合物濃縮液であって、
成分a)、b)およびc)は有機溶媒の混合物中に溶解した状態で存在し、該有機溶媒混合物が、該溶媒混合物に基づいて、少なくとも95重量%の
d1) 25℃、1バールで水との混和性が少なくとも50g/lである、少なくとも1種の非プロトン性極性有機溶媒、および
d2) 25℃、1バールで水への溶解度が5g/lより低い、少なくとも1種の有機溶媒、
を含んでなる、上記の活性化合物濃縮液。
【請求項2】
有機溶媒の混合物の量が200〜800g/lである、請求項1に記載の活性化合物濃縮液。
【請求項3】
非プロトン性極性有機溶媒が、ジメチルスルホキシド、スルホラン、炭素原子数1〜12の脂肪族モノカルボン酸のアミド、N-C1-C4-アルキルアミドおよびN,N-ジ(C1-C4-アルキル)アミド、N-C1-C4-アルキルラクタム、ならびにこれらの混合物からなる群より選択される、請求項1または2に記載の活性化合物濃縮液。
【請求項4】
非プロトン性極性有機溶媒が、ジメチルスルホキシド、N-メチルピロリドン、N-エチルピロリドン、およびこれらの混合物からなる群より選択される、請求項3に記載の活性化合物濃縮液。
【請求項5】
非プロトン性極性有機溶媒と炭化水素溶媒の重量比が5:1から1:5の範囲である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の活性化合物濃縮液。
【請求項6】
陰イオン性界面活性剤が、少なくとも1個のSO3基または1個のPO4基と、少なくとも1個の炭素原子数8〜22の脂肪族炭化水素基または炭素原子数10〜24のアリール脂肪族炭化水素基を含む化合物からなる群より選択される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の活性化合物濃縮液。
【請求項7】
非イオン性界面活性剤が、主成分として、少なくとも1種のポリ-C2-C3-アルキレングリコールエーテル化合物を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の活性化合物濃縮液。
【請求項8】
a) 10〜100g/lの、請求項1で定義したとおりの、少なくとも1種の式Iの4-ベンゾイル置換ピラゾール化合物、
b) 200〜700g/lの2-クロロ-N-(2,4-ジメチル-3-チエニル)-N-(2-メトキシ-1-メチルエチル)アセトアミド、および
c) 10〜200g/lの、非イオン性界面活性剤およびそれと少なくとも1種の陰イオン性界面活性剤との混合物から選択される、少なくとも1種の界面活性剤S、
を含んでなり、成分a)およびb)が水性希釈剤中に分散状態で存在する、水性の活性化合物濃縮液。
【請求項9】
非イオン性界面活性剤が、主成分として、式IIIの化合物:
【化2】

[式中、
Rは、C10-C22-アルキル、C8-C22-アルキルフェニル、モノ-、ジ-またはトリスチリルであり、
R’は、水素、C1-C10-アルキル、ベンジル、ホルミル、またはC1-C10-アルキルカルボニルであり、
Aは、CH(CH3)CH2であり、
Eは、CH2CH2であり、
xは、1〜30の範囲の数であり、
yは、2〜50の範囲の数である]
を含む、請求項8に記載の活性化合物濃縮液。
【請求項10】
非イオン性界面活性剤が少なくとも1種のエチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックコポリマーをさらに含む、請求項9に記載の活性化合物濃縮液。
【請求項11】
化合物Iと2-クロロ-N-(2,4-ジメチル-3-チエニル)-N-(2-メトキシ-1-メチルエチル)アセトアミドの重量比が1:5から1:50までの範囲である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の活性化合物濃縮液。
【請求項12】
2-クロロ-N-(2,4-ジメチル-3-チエニル)-N-(2-メトキシ-1-メチルエチル)アセトアミドをその(S)-エナンチオマーの形態で、または少なくとも80%のS-エナンチオマーのエナンチオマー過剰率を有する2種のエナンチオマーの非ラセミ混合物の形態で含む、請求項1〜11のいずれか1項に記載の活性化合物濃縮液。
【請求項13】
式Iにおいて、R1およびR5がそれぞれメチル、R2が4,5-ジヒドロイソキサゾール-3-イル、R4がメチルスルホニル、そしてR6が水素である、請求項1〜12のいずれか1項に記載の活性化合物濃縮液。
【請求項14】
不要な植生を防除するための、請求項1〜13のいずれか1項に記載の活性化合物濃縮液の使用。
【請求項15】
請求項1〜13のいずれか1項に記載の活性化合物濃縮液を希釈することによって水性噴霧液を調製し、その噴霧液を植物、その種子および/またはその繁殖地に作用させることを特徴とする、不要な植生の防除方法。
【請求項16】
不要な植物の葉を水性噴霧液で処理することを特徴とする、請求項15に記載の方法。

【公表番号】特表2009−545571(P2009−545571A)
【公表日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−522287(P2009−522287)
【出願日】平成19年8月3日(2007.8.3)
【国際出願番号】PCT/EP2007/058091
【国際公開番号】WO2008/015279
【国際公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】