説明

除菌装置及び空気調和装置

【課題】ウィルス等の種類に応じて、活性酸素種の濃度を調整することにより、当該ウィルス等を効果的に不活化できる除菌装置及びこの除菌装置を備える空気調和装置を提供する。
【解決手段】導入された空気を加湿する加湿手段5と、この加湿手段5に加湿用水を供給する加湿用水供給路21とを備えるとともに、この加湿用水供給路21は、水道水を電気分解して、活性酸素種を含む加湿用水を生成する少なくとも一対の電極32、33と、これら電極32,33間を通過する水道水の流量を変更することにより、加湿用水中における活性酸素種の濃度を所定の濃度に調整する濃度調整手段22とを備えることを特徴する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、活性酸素種を含む加湿用水により、導入された空気の加湿及び除菌を行なう除菌装置及び、この除菌装置を備える空気調和装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、水道水を加湿エレメントに吸収させ、送風空気で加湿エレメントから蒸発させた水分により、加湿するようにした加湿器が知られている。この種の加湿器では、湿潤、乾燥を繰り返すうちに、加湿エレメントに雑菌が繁殖しやすい状態となり、ここで発生した菌、臭い、カビ等が、送風空気とともに吹き出される恐れがあった。
これを解消するために、従来、水道水を用いて次亜塩素酸(活性酸素種)を発生させ、この次亜塩素酸を水道水中に与えることにより、加湿エレメントに雑菌の繁殖を防止する加湿器及び加湿器付きの空気調和装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−181358号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、この種の加湿器を用いることにより、空気中に浮遊しているウィルスまたは菌(以下、ウィルス等という)、アレルゲン原因物質を不活化(除菌を含む)することができるが、これらウィルス等を不活化させる活性酸素種の濃度は、ウィルス等の種類によって異なる。このため、不活化させる対象となるウィルスの種類に応じて、活性酸素種の濃度を調整することが望ましい。
一方、空気調和装置の設置される場所によって、不活化の対象となるウィルス等の種類は異なっている。しかし、従来の構成では、上記のようにウィルス等の種類に応じて、活性酸素種の濃度を調整することはできず、設置場所によっては、当該ウィルス等を効果的に不活化させることができないといった問題があった。
そこで、本発明の目的は、ウィルス等の種類に応じて、活性酸素種の濃度を調整することにより、当該ウィルス等を効果的に不活化できる除菌装置及びこの除菌装置を備える空気調和装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、導入された空気を加湿する加湿手段と、この加湿手段に加湿用水を供給する加湿用水供給路とを備えるとともに、この加湿用水供給路は、水道水を電気分解して、活性酸素種を含む加湿用水を生成する少なくとも一対の電極と、これら電極間を通過する水道水の流量を変更することにより、加湿用水中における活性酸素種の濃度を所定の濃度に調整する濃度調整手段とを備えることを特徴する。
この場合において、予め塩素イオン濃度を設定する手段を備え、濃度調製手段は、塩素イオン濃度に応じて、加湿手段へ供給される加湿用水の流量を調整する流量調整弁である構成としても良い。また、水道水の導電率を検出する検出手段を備え、濃度調整手段は、検出した導電率に応じて、加湿手段へ供給される加湿用水の流量を調整する流量調整弁である構成としても良い。
【0006】
また、本発明は、導入された空気を加湿する加湿手段と、この加湿手段に加湿用水を供給する加湿用水供給路とを備えるとともに、この加湿用水供給路は、水道水を電気分解して、活性酸素種を含む加湿用水を生成する少なくとも一対の電極を備え、この電極に流れる電流、または、当該電極に印加される電圧を変更することにより、加湿用水中における活性酸素種の濃度を所定の濃度に調整することを特徴する。
この場合において、予め塩素イオン濃度を設定する手段を備え、塩素イオン濃度に応じて、電極に流れる電流、または、当該電極に印加される電圧を変更する構成としても良い。
【0007】
また、本発明は、導入された空気を加湿する加湿手段と、この加湿手段に加湿用水を供給する加湿用水供給路とを備えるとともに、この加湿用水供給路は、水道水を電気分解して、活性酸素種を含む加湿用水を生成する少なくとも一対の電極を備え、この電極への通電時間を変更することにより、加湿用水中における活性酸素種の濃度を所定の濃度に調整することを特徴する。
この場合において、予め塩素イオン濃度を設定する手段を備え、塩素イオン濃度に応じて、電極への通電時間を変更する構成としても良い。
【0008】
また、本発明は、導入された空気を加湿する加湿手段と、この加湿手段に加湿用水を供給する加湿用水供給路とを備えるとともに、この加湿用水供給路は、水道水を一時的に貯留する貯留槽と、この貯留槽に配置され、水道水を電気分解して、活性酸素種を含む加湿用水を生成する少なくとも一対の電極と、貯留槽における水道水の貯留時間を変更することにより、加湿用水中における活性酸素種の濃度を所定の濃度に調整する濃度調整手段とを備えることを特徴する。
この場合において、予め塩素イオン濃度を設定する手段を備え、濃度調製手段は、塩素イオン濃度に応じて、貯留槽に水道水が貯留される時間を変更するように開閉される開閉弁である構成としても良い。また、水道水の導電率を検出する検出手段を備え、濃度調整手段は、検出した導電率に応じて、貯留槽に水道水が貯留される時間を変更するように開閉される開閉弁である構成としても良い。
【0009】
また、本発明は、導入された空気を加湿する加湿手段と、この加湿手段に加湿用水を供給する加湿用水供給路とを備えるとともに、この加湿用水供給路は、水道水を一時的に貯留する貯留槽と、この貯留槽に配置され、水道水を電気分解して、活性酸素種を含む加湿用水を生成する少なくとも一対の電極とを備え、この電極に流れる電流、当該電極に印加される電圧、もしくは、当該電極への通電時間のいずれかを変更することにより、加湿用水中における前記活性酸素種の濃度を所定の濃度に調整することを特徴する。
【0010】
また、活性酸素種は、次亜塩素酸、オゾン、または、過酸化水素のうち少なくともいずれかの物質を含む構成としても良い。さらに、定期的、或いは、所定の条件下で不定期に電極の極性を反転させる構成としても良い。
【0011】
また、本発明は、送風ファンと、この送風ファンの吹出口側に配置された熱交換器と、この熱交換器を介して導入された空気を加湿する加湿手段と、この加湿手段に加湿用水を供給する加湿用水供給路とを備えるとともに、この加湿用水供給路は、水道水を電気分解して、活性酸素種を含む加湿用水を生成する少なくとも一対の電極と、これら電極間を通過する水道水の流量、当該電極に流れる電流、当該電極に印加される電圧、もしくは、当該電極への通電時間のいずれかを変更することにより、加湿用水中における活性酸素種の濃度を所定の濃度に調整する濃度調整手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、送風ファンと、この送風ファンの吹出口側に配置された熱交換器と、この熱交換器を介して導入された空気を加湿する加湿手段と、この加湿手段に加湿用水を供給する加湿用水供給路とを備えるとともに、この加湿用水供給路は、水道水を一時的に貯留する貯留槽と、この貯留槽に配置され、水道水を電気分解して、活性酸素種を含む加湿用水を生成する少なくとも一対の電極と、貯留槽における水道水の貯留時間、当該電極に流れる電流、当該電極に印加される電圧、もしくは、当該電極への通電時間のいずれかを変更することにより、加湿用水中における活性酸素種の濃度を所定の濃度に調整する濃度調整手段とを備えることを特徴とする。
この場合において、空気調和装置の空調動作の停止期間中に、加湿手段に、活性酸素種を含む加湿用水の供給を行い、当該加湿手段の除菌を行う除菌制御手段を備える構成としても良い。
【発明の効果】
【0013】
本発明では、ウィルス等の種類に応じて、活性酸素種の濃度を調整することにより、当該ウィルス等を効果的に不活化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明による天吊型空気調和装置の一実施形態を示す断面図である。
【図2】加湿器の構成を示す斜視図である。
【図3】加湿用水の濃度調製手段の構成を説明するための図である。
【図4】濃度調整動作を示すフローチャートである。
【図5】別の実施形態にかかる濃度調製手段の構成を説明するための図である。
【図6】別の実施形態にかかる濃度調整動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1において、符号1は、空気調和機本体を示し、この空気調和装置本体1は、天井から吊り下げられた吊りボルトに引っ掛けられて室内天井板の下面に設置、固定されている。
【0016】
空気調和装置本体1の前方には、吹出口3が形成され、この吹出口3側から順に、加湿器(加湿手段)5、熱交換器7及び送風ファン9が当該空気調和装置本体1に収納されている。また、空気調和装置本体1の底面には、送風ファン9の下方に吸込口11が形成されており、送風ファン9の運転により、吸込口11を通じて空気調和装置本体1内に吸い込まれた空気は、熱交換器7及び加湿器5を介して、吹出口3から室内に吹き出される。
熱交換器7は、フィンチューブ型の熱交換器である。この熱交換器7には冷媒配管(図示せず)が接続され、この冷媒配管は、空気調和装置本体1の外に導出され、室外機(図示せず)の圧縮機、減圧装置、室外熱交換器等に接続されている。これら熱交換器7及び加湿器5の下方には、発泡スチロール製のドレンパン13が設置され、このドレンパン13のドレン溜まり13aには、ドレンポンプ15が配設され、ドレンポンプ15の排水口にはドレン水を空気調和装置本体1の外に排出するドレンホース17が接続されている。
【0017】
加湿器5には、この加湿器5に加湿用水を供給する水供給配管21(加湿用水供給路)が接続されており、この水供給配管21には、上記加湿器5へ供給する加湿用水の流量を調整する流量調整弁(濃度調整手段)22と、水道水から除菌作用のある加湿用水を生成する電解ユニット(加湿用水生成手段)23と、水道水の導電率を検出する導電率計24(検出手段)と、電解ユニット23へ水道水の供給を行なう開閉弁25とが順次配設されている。これら流量調整弁22、電解ユニット23、導電率計24及び開閉弁25は、それぞれ制御装置10(濃度調整制御手段)に接続されている。
【0018】
加湿器5は、図2に示すように、保水性の高い加湿エレメント5aと、この加湿エレメント5aの上部に配置される分散皿5bと、加湿エレメント5aの下方に配置される水受け皿5cとを備える。加湿エレメント5aは、例えばアクリル繊維やポリエステル繊維等で作製された不織布で構成される。分散皿5bは、その側面に水供給配管21が接続される接続口41が形成されるとともに、当該水供給配管21を通じて供給された加湿用水を加湿エレメント5aに分散させるための孔(不図示)が、上記分散皿5bの底面に多数形成されている。
【0019】
また、水受け皿5cは、加湿エレメント5aを下方から保持するとともに、当該加湿エレメントを通過した加湿用水を貯留可能とする。この水受け皿5cの底面には、加湿用水をドレンパン13(図1)に導くドレン管42が接続されている。
【0020】
電解ユニット23は、図3に示すように、水供給配管21よりも拡径した電解槽31と、この電解槽31に配置される一対の電極32、33とを備え、電極32、33は、通電された場合、電解槽31に流入した水道水を電気分解して活性酸素種を生成させる。
ここで、活性酸素種とは、通常の酸素よりも高い酸化活性を持つ酸素分子と、その関連物質のことであり、スーパーオキシドアニオン、一重項酸素、ヒドロキシルラジカル、或いは過酸化水素といった、いわゆる狭義の活性酸素に、オゾン、次ハロゲン酸等といった、いわゆる広義の活性酸素を含めたものとする。
【0021】
電極32,33は、例えばベースがTi(チタン)で皮膜層がIr(イリジウム)、Pt(白金)から構成された2枚の電極板であり、この電極32,33に印加する電流値は、電流密度で20mA(ミリアンペア)/cm2(平方センチメートル)として、所定の遊離残留塩素濃度(例えば1mg(ミリグラム)/l(リットル))を発生させるものである。
上記電極32,33により水道水に通電すると、カソード電極では、
4H++4e-+(4OH-)→2H2+(4OH-
の反応が起こり、アノード電極では、
2H2O→4H++O2+4e-
の反応が起こると同時に、水に含まれる塩素イオン(水道水に予め添加されているもの)が、
2Cl-→Cl2+2e-
のように反応し、さらにこのCl2は水と反応し、
Cl2+H2O→HClO+HCl
となる。
この構成では、電極32,33に通電することにより、殺菌力の大きいHClO(次亜塩素酸)が発生し、この次亜塩素酸を含んだ加湿用水が供給された加湿エレメント5aに空気を通過させることにより、この加湿エレメント5aで雑菌が繁殖することを防止するとともに、当該加湿エレメント5aを通過する空気中に浮遊するウィルスを不活化することができる。また、臭気も加湿エレメント5aを通過する際に、加湿用水中の次亜塩素酸と反応し、イオン化して加湿用水中に溶解することにより、空気中から除去されるため、脱臭することができる。
【0022】
流量調整弁22は、その開度を調整することによって、加湿器5へ供給される加湿用水の流量を変更するものである。本構成では、流量調整弁22の開度を調整することにより、加湿用水中における次亜塩素酸濃度を所定の値(1〜20mg/l)に変更可能となっている。具体的には、流量調整弁22の開度を閉じる方向に調整すると、電解ユニット23の電極32、33間を流れる水道水の流量が減少する。一方、電極32、33に印加される電圧は、水道水の流量にかかわらず一定であるため、単位体積あたりの水道水に流れる電流量が増える。このため、各電極32、33での電気分解反応が進むことにより、生成される次亜塩素酸濃度を高くすることができる。反対に、流量調整弁22の開度を開く方向に調整すると、電解ユニット23の電極32、33間を流れる水道水の流量が増加し、生成される次亜塩素酸濃度を低くすることができる。
【0023】
次に、図4を参照して、この濃度調整動作について説明する。
ユーザによって、室内リモコン(不図示)等から不活化対象のウィルス等が選択される(ステップS1)と、制御装置10は、選択された対象ウィルスを不活化させる次亜塩素酸の目標濃度を設定する(ステップS2)。ここで、目標濃度は、通常、空気調和装置本体1の設置場所(例えば、学校)に多く存在するウィルス等(例えば、カビ菌)を不活化させる濃度に設定されている。しかし、例えば、インフルエンザウィルスのように、ある時季に急増するおそれのある対象ウィルスが選択された場合には、上記目標濃度は、インフルエンザウィルスを不活化できる濃度に変更して設定される。続いて、制御装置10は、電解ユニット23に供給される水道水の導電率を導電率計24によって検出する(ステップS3)。
【0024】
続いて、制御装置10は、検出した導電率と、上記目標濃度とに基づいて、加湿用水における次亜塩素酸濃度が当該目標濃度に至るように、流量調整弁22の開度を調整(ステップS4)し、電解ユニット23で水道水の電気分解を実行する(ステップS5)。ここで、電解ユニット23に供給される水道水中の塩素イオン濃度は、多くの地域では大きく変動しないため、この塩素イオン濃度は、電解ユニット23の設置前あるいは設置後に予め測定されて、制御装置10のROM(不図示)に記憶されている。この構成では、制御装置10が、予め塩素イオン濃度を設定する手段として機能する。
水道水中の塩素イオン濃度のずれへの対応は、水道水の導電率を導電率計24によって検出することにより、その数値をもとに算出を行い、水道水中の塩素イオン濃度を補正することができる。このため、この塩素イオン濃度の水道水から、上記目標濃度の次亜塩素酸を含む加湿用水を生成するには、流量調整弁22の開度をどの程度にすれば良いかを算出することができる。本構成では、次亜塩素酸の目標濃度と弁開度との関係は、実験などによりデータ化され、導電率ごとに制御装置10のROM(不図示)に記憶されている。このため、検出した導電率に応じて、流量調整弁22の弁開度を所定の開度に調整することにより、加湿用水中の次亜塩素酸濃度は、対象ウィルス等を不活化させる目標濃度に調整される。
【0025】
従って、この目標濃度の加湿用水を加湿器5に供給し、この加湿器5の加湿エレメント5aに、空気を通過させることにより、空気中に浮遊する対象ウィルスを不活化することができる。本構成では、例えば、インフルエンザウィルスが選択された場合には、このインフルエンザウィルスを不活化させる次亜塩素酸濃度の加湿用水が、加湿エレメント5aに供給されるため、この加湿エレメント5aをインフルエンザウィルスが通過する際に、当該インフルエンザウィルスを不活化することができ、ひいては、インフルエンザウィルスの感染を抑制することができる。また、臭気も加湿エレメント5aを通過する際に、加湿用水中の次亜塩素酸と反応し、イオン化して加湿用水中に溶解することにより、空気中から除去されるため、脱臭することができる。
【0026】
本実施形態によれば、導入された空気を加湿する加湿器5と、この加湿器5に加湿用水を供給する水供給配管21とを備えるとともに、この水供給配管21に、水道水を電気分解して、次亜塩素酸を含む加湿用水を生成する少なくとも一対の電極32、33と、これら電極32、33間を通過する水道水の流量を変更することにより、加湿用水中における次亜塩素酸の濃度を所定の濃度に調整する流量調整弁22とを備えるため、ウィルス等の種類に応じて、当該ウィルス等を不活化する濃度の次亜塩素酸を有する加湿用水を生成することができる。これによれば、この濃度の次亜塩素酸を有する加湿用水を加湿器5に供給し、この加湿器5の加湿エレメント5aに空気を通過させることにより、対象ウィルス等を効果的に不活化することができる。また、臭気も加湿エレメント5aを通過する際に、加湿用水中の次亜塩素酸と反応し、イオン化して加湿用水中に溶解することにより、空気中から除去されるため、脱臭することができる。
【0027】
また、本実施形態によれば、次亜塩素酸を含んだ加湿用水は、加湿器5の下方からドレンパン13に排出される。このため、ドレンパン13に溜まったドレン水に加湿用水が混入することにより、当該ドレン水に雑菌が発生することが防止され、ドレンパン13上にスライムの発生することが防止される。このため、ドレンパン13の清掃及びメンテナンスの頻度が減少し、これら清掃及びメンテナンスの労力の軽減を図ることができる。
【0028】
また、本実施形態によれば、加湿器5は、空気調和装置本体1の吹出口3側に設けているため、この加湿器5から吹き出される空気に含まれる次亜塩素酸は、直接熱交換器7導入されることがない。このため、次亜塩素酸によって熱交換器7が腐食することを防止できる。
【0029】
本実施形態では、加湿用水中における次亜塩素酸の濃度を所定の濃度に調整するために、流量調整弁22の開度を水道水の導電率に応じて調整する構成としているが、例えば、不活化対象となるウィルスが特定されている状態であり、水道水の導電率変化が少ない場合には、設置時に導電率を計測し、この導電率及び次亜塩素酸の目標濃度に対応する弁開度に予め設定する構成としても良い。また、本構成では、水道水の電気分解を開始する場合に、水道水の導電率を検出しているが、水道水の導電率は、一日の中で大きく変動するものではないため、毎回検出を行なうのではなく、数回に一度行なう構成としても良い。
【0030】
また、本実施形態では、電極32、33間を通過する水道水の流量を変更することにより、加湿用水中における次亜塩素酸の濃度を所定の濃度に調整する構成としていたが、電極32、33を流れる電流、または、これら電極32、33間に印加される電圧を変更することによって、加湿用水中における次亜塩素酸の濃度を所定の濃度に調整する構成としても良い。この構成によれば、水供給配管21に流量調整弁22を配置しない場合であっても、例えば、電極32、33に流れる電流を増やす(例えば、電流密度で40mA/cm2)ことにより、加湿用水中における次亜塩素酸の濃度を高い濃度に変更することができる。この場合、既存の電極32、33を用いるだけで、加湿用水中における次亜塩素酸の濃度を変更することができるため、部品点数が抑えられ、低コスト化及び省スペース化を図ることができる。また、この構成を上記実施形態に係る構成に組み合わせても良い。これによれば、より濃度の高い次亜塩素酸を含んだ加湿用水を生成することができる。
【0031】
また、本実施形態では、電極32、33間を通過する水道水の流量を変更することにより、加湿用水中における次亜塩素酸の濃度を所定の濃度に調整する構成としていたが、電極32、33への通電時間を変更することによって、加湿用水中における次亜塩素酸の濃度を所定の濃度に調整する構成としても良い。この構成によれば、電極32、33に流れる電流または電圧を変更するよりも簡単な構成で、加湿用水中における次亜塩素酸の濃度を変更することができる。また、この構成を上記実施形態に組み合わせることにより、電極32、33への通電時間を削減することができ、従来よりも電極32、33の長寿命化を図ることができる。
【0032】
図5は、別の実施形態を示す。上記実施形態では、電極32、33間を通過する水道水の流量を変更することにより、加湿用水中における次亜塩素酸の濃度を所定の濃度に調整する構成としていたが、本実施形態では、貯留槽における水道水の貯留時間を変更することにより、加湿用水中における次亜塩素酸の濃度を所定の濃度に調整する構成である点が異なる。
【0033】
加湿器5に接続される水供給配管21には、図5に示すように、この加湿器5へ加湿用水の供給を行なう第1開閉弁51(濃度調整手段)と、水道水から除菌作用を有する加湿用水を生成する電解ユニット52と、水道水の導電率を検出する導電率計53(検出手段)と、電解ユニット52へ水道水の供給を行なう第2開閉弁54とが順次配設されている。これら第1開閉弁51、電解ユニット52、導電率計53及び第2開閉弁54は、それぞれ制御装置60(濃度調整制御手段)に接続されている。
電解ユニット52は、水供給配管21に配置された貯留槽61と、この貯留槽61に配置される一対の電極62、63とを備え、電極62、63は、通電された場合、貯留槽61に流入した水道水を電気分解して次亜塩素酸(活性酸素種)を生成させる。ここで、第1開閉弁51は貯留槽61の下部に接続され、第2開閉弁54は貯留槽61の上部に接続されている。
【0034】
次に、図6を参照して、本実施形態にかかる濃度調整動作について説明する。
ユーザによって、室内リモコン(不図示)等から不活化対象のウィルス等が選択される(ステップS11)と、制御装置60は、選択された対象ウィルスを不活化させる次亜塩素酸の目標濃度を設定する(ステップS12)。ここで、目標濃度は、通常、空気調和装置本体1の設置場所(例えば、学校)に多く存在するウィルス等(例えば、カビ菌)を不活化させる濃度に設定されている。しかし、例えば、インフルエンザウィルスのように、ある時期に急増するおそれのある対象ウィルスが選択された場合には、上記目標濃度は、インフルエンザウィルスを不活化できる濃度に変更して設定される。続いて、制御装置60は、電解ユニット52に供給される水道水の導電率を導電率計53によって検出する(ステップS13)。
【0035】
続いて、制御装置60は、検出した導電率と、上記目標濃度とに基づいて、加湿用水における次亜塩素酸濃度が当該目標濃度に至るように、水道水が貯留槽61内に貯留される時間を算出する(ステップS14)。ここで、電解ユニット23に供給される水道水中の塩素イオン濃度は、多くの地域では大きく変動しないため、この塩素イオン濃度は、電解ユニット23の設置前あるいは設置後に予め測定されて、制御装置60のROM(不図示)に記憶されている。この構成では、制御装置60が、予め塩素イオン濃度を設定する手段として機能する。
水道水中の塩素イオン濃度のずれへの対応は、水道水の導電率を導電率計24によって検出することにより、その数値をもとに算出を行い、水道水中の塩素イオン濃度を補正することができる。このため、この塩素イオン濃度の水道水から、上記目標濃度の次亜塩素酸を含む加湿用水を生成するには、貯留槽61内に貯留される貯留時間をどの程度にすれば良いかを算出することができる。
本構成では、次亜塩素酸の目標濃度と貯留時間との関係は、実験などによりデータ化されて、導電率ごとに制御装置60のROM(不図示)に記憶されている。このため、検出した導電率に応じて、貯留槽61内に貯留される時間を所定時間に調整することにより、加湿用水中の次亜塩素酸濃度は、対象ウィルス等を不活化させる目標濃度に調整される。
【0036】
続いて、制御装置60は、第1及び第2開閉弁51、54を閉じて(ステップS15)、貯留槽61内に水道水を貯留し、貯留時間T1の計測を開始する(ステップS16)とともに、電気分解を実行する(ステップS17)。続いて、制御装置60は、上記貯留時間T1が経過したか否かを判別(ステップS18)し、経過していない場合には、電気分解を継続して行なう。また、上記貯留時間T1が経過した場合には、第1開閉弁51、第2開閉弁54を順次開いて(ステップS19)、目標濃度の次亜塩素酸を有する加湿用水を加湿器5に供給し、処理をステップS15に戻す。
【0037】
従って、この目標濃度の加湿用水を加湿器5に供給し、この加湿器5の加湿エレメント5aに、空気を通過させることにより、空気中に浮遊する対象ウィルスを不活化することができる。本構成では、例えば、インフルエンザウィルスが選択された場合には、このインフルエンザウィルスを不活化させる次亜塩素酸濃度の加湿用水が、加湿エレメント5aに供給されるため、この加湿エレメント5aをインフルエンザウィルスが通過する際に、当該インフルエンザウィルスを不活化することができ、ひいては、インフルエンザウィルスの感染を抑制することができる。また、臭気も加湿エレメント5aを通過する際に、加湿用水中の次亜塩素酸と反応し、イオン化して加湿用水中に溶解することにより、空気中から除去されるため、脱臭することができる。
【0038】
本実施形態によれば、導入された空気を加湿して供給可能な加湿器5と、この加湿器5に加湿用水を供給する水供給配管21とを備えるとともに、この水供給配管21に、水道水を一時的に貯留する貯留槽61と、この貯留槽61に配置され、水道水を電気分解して、次亜塩素酸を含む加湿用水を生成する少なくとも一対の電極62、63と、貯留槽61における水道水の貯留時間を変更することにより、加湿用水中における次亜塩素酸の濃度を所定の濃度に調整する第1開閉弁51を備えるため、ウィルス等の種類に応じた濃度の次亜塩素酸を有する加湿用水を生成することができる。これによれば、ウィルス等の種類に応じた加湿用水を加湿器5に供給し、この加湿器5の加湿エレメント5aに、空気を通過させることにより、空気中に浮遊する対象ウィルスを効果的に不活化することができる。
この実施形態では、貯留槽61に貯留される水道水の貯留時間を変更することによって、上記実施形態よりも濃度の高い次亜塩素酸を含んだ加湿用水を作成することができる。
【0039】
以上、一実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、活性酸素種として次亜塩素酸を発生させる構成について説明したが、活性酸素種としてオゾン(O3)や過酸化水素(H22)を発生させる構成としても良い。この場合、電極として白金タンタル電極を用いると、イオン種が希薄な水からでも、電気分解により高効率に安定して活性酸素種を生成できる。
このとき、アノード電極では、
2H2O→4H++O2+4e-
の反応と同時に、
3H2O→O3+6H++6e-
2H2O→O3+4H++4e-
の反応が起こりオゾン(O3)が生成される。またカソード電極では、
4H++4e-+(4OH-)→2H2+(4OH-
2-+e-+2H+→H22
のように、電極反応によりO2-が生成したO2-と溶液中のH+とが結合して、過酸化水素(H22)が生成される。
【0040】
この構成では、電極に通電することにより、殺菌力の大きいオゾン(O3)や過酸化水素(H22)が発生し、これらオゾン(O3)や過酸化水素(H22)を含んだ加湿用水を作ることができる。そして、この加湿用水中におけるオゾンもしくは過酸化水素の濃度を、対象ウィルス等を不活化させる濃度に調整し、この濃度の加湿用水が供給された加湿エレメントに空気を通過させることにより、空気中に浮遊する対象ウィルス等を不活化することができる。また、臭気も加湿エレメントを通過する際に、加湿用水中のオゾンまたは過酸化水素と反応し、イオン化して加湿用水中に溶解することにより、空気中から除去されるため、脱臭することができる。
【0041】
また、本実施形態では、加湿器5から排出された加湿用水は、ドレンパン13に溜められ、ドレンポンプ15を介して、ドレン水とともに機外に排出される構成となっているが、ドレン水の一部もしくは全部を電解ユニット23に戻して、再利用する構成としても良い。この構成では、除菌されている加湿用水を再度電解ユニットで電気分解するため、再利用に伴い、加湿用水中に雑菌が発生することが防止される。また、加湿用水を再利用することにより、水道水の供給流量を低減することができるため、省エネルギ化を図ることができる。
【0042】
また、水道水を電気分解することにより、電極上(カソード)にスケールが堆積した場合、電気伝導性が低下し、継続的な電気分解が困難となる。この場合、電極の極性を反転(電極のプラスとマイナスを切り替える)させることが効果的である。カソード電極をアノード電極として電気分解することで、カソード電極上に堆積したスケールを取り除くことができる。この極性反転制御では、例えばタイマを利用して定期的に反転させてもよいし、運転起動の度に反転させる等、不定期的に反転させてもよい。また、電解抵抗の上昇(電解電流の低下、あるいは電解電圧の上昇)を検出し、この結果に基づいて、極性を反転させてもよい。
【0043】
また、上記実施形態では、水道水の導電率を検出し、この導電率に応じて、流量調整弁22の開度を調整する、もしくは、貯留槽61に水道水が貯留される時間を変更するように第1開閉弁51を開閉することによって、加湿用水中における次亜塩素酸の濃度を所定の濃度に調整しているが、これに限るものではなく、水道水中の塩素イオン濃度を測定し、この測定した塩素イオン濃度から上記流量調整弁22もしくは第1開閉弁51を調整する構成としても良い。この場合、水供給配管21には、塩素イオン濃度を測定するイオン濃度センサが設けられる。一般に、電解ユニット23に供給される水道水中の塩素イオン濃度は、多くの地域では変動は大きくない。このため、電解ユニット23の設置前あるいは設置後に、水道水の塩素イオン濃度を一度測定し、その値を制御装置10のメモリ(記憶手段)に記憶しているため、この値を利用して、流量調整弁22の開度を調整することにより、所望の濃度の次亜塩素酸を含んだ加湿用水を生成することができる。
【0044】
また、時間経過にともない、予め設定された塩素イオン濃度と、実際の塩素イオン濃度との間にずれが生じた場合であっても、導電率計24が水道水の導電率を検出しているため、この導電率をもとに塩素イオン濃度を算出することにより、塩素イオン濃度を補正することができる。また、上記塩素イオン濃度に応じて、流量調整弁22の開度、もしくは、貯留槽61の貯留時間を調整するだけでなく、電極32、33に流す電流、または、これら電極32、33間に印加される電圧を変更する構成としたり、当該電極32、33への通電時間を変更する構成としても良い。
【0045】
また、上記実施形態では、水道水の導電率は導電率計を用いて計測する構成としているが、各電極に所定電圧をかけた場合における電流値を検出して、この電流値から導電率を算出する構成としても良い。この場合には、既存の電極により導電率が検出できるため、部品点数が抑えられ、低コスト化及び省スペース化を図ることができる。
また、本実施形態では、天吊型の空気調和装置について説明したが、これに限るものではなく、壁掛型もしくは天井埋込型など、様々な空気調和装置に適用することが可能である。
【0046】
また、上記実施形態では、加湿器5の加湿エレメント5aに空気を通過させる際に、この空気中のウィルス等を不活化させる構成について説明したが、加湿器5は、冬季の湿度が低い時季に利用され、夏季の比較的湿度が高い時季には利用されないのが一般的である。従って、夏季においては、加湿器5の加湿エレメント5aに活性酸素種が供給されないため、当該加湿エレメント5a及び加湿器5内に雑菌が繁殖する恐れがある。
これを解消するために、空気調和装置の空調動作の停止期間中に、加湿器5に、活性酸素種を含む加湿用水の供給を行い、当該加湿器5の除菌を行なうように制御する構成としても良い。この場合、この除菌制御は制御装置(除菌制御手段)が実行する。この構成によれば、例えば、夏季など加湿器5を使用しない時季にあっても、当該加湿器5内に加湿用水が供給されるため、当該加湿器5内に雑菌が繁殖することが防止され、清潔な空気を室内に供給することにより、衛生的な空気調和を実現することができる。この場合、加湿用水の供給は、定期的に行なう構成としても良いし、空調運転の停止信号を受けて実行する構成としても良い。
【符号の説明】
【0047】
1 空気調和機本体
5 加湿器(加湿手段)
21 水供給配管(加湿用水供給路)
22 流量調整弁(濃度調製手段)
23 電解ユニット(加湿用水生成手段)
24、53 導電率計(検出手段)
32、33、62、63 電極
43 開閉弁
51 第1開閉弁(濃度調製手段)
61 貯留槽

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導入された空気を加湿する加湿手段と、この加湿手段に加湿用水を供給する加湿用水供給路とを備えるとともに、
この加湿用水供給路は、水道水を電気分解して、活性酸素種を含む前記加湿用水を生成する少なくとも一対の電極と、これら電極間を通過する水道水の流量を変更することにより、前記加湿用水中における前記活性酸素種の濃度を所定の濃度に調整する濃度調整手段とを備えることを特徴とする除菌装置。
【請求項2】
予め塩素イオン濃度を設定する手段を備え、
前記濃度調製手段は、前記塩素イオン濃度に応じて、前記加湿手段へ供給される加湿用水の流量を調整する流量調整弁であることを特徴とする請求項1に記載の除菌装置。
【請求項3】
水道水の導電率を検出する検出手段を備え、
前記濃度調整手段は、検出した導電率に応じて、前記加湿手段へ供給される加湿用水の流量を調整する流量調整弁であることを特徴とする請求項1または2に記載の除菌装置。
【請求項4】
導入された空気を加湿する加湿手段と、この加湿手段に加湿用水を供給する加湿用水供給路とを備えるとともに、
この加湿用水供給路は、水道水を電気分解して、活性酸素種を含む前記加湿用水を生成する少なくとも一対の電極を備え、この電極に流れる電流、または、当該電極に印加される電圧を変更することにより、前記加湿用水中における前記活性酸素種の濃度を所定の濃度に調整することを特徴する除菌装置。
【請求項5】
予め塩素イオン濃度を設定する手段を備え、
前記塩素イオン濃度に応じて、前記電極に流れる電流、または、当該電極に印加される電圧を変更することを特徴とする請求項4に記載の除菌装置。
【請求項6】
導入された空気を加湿する加湿手段と、この加湿手段に加湿用水を供給する加湿用水供給路とを備えるとともに、
この加湿用水供給路は、水道水を電気分解して、活性酸素種を含む前記加湿用水を生成する少なくとも一対の電極を備え、この電極への通電時間を変更することにより、前記加湿用水中における前記活性酸素種の濃度を所定の濃度に調整することを特徴する除菌装置。
【請求項7】
予め塩素イオン濃度を設定する手段を備え、
前記塩素イオン濃度に応じて、前記電極への通電時間を変更することを特徴とする請求項6に記載の除菌装置。
【請求項8】
導入された空気を加湿する加湿手段と、この加湿手段に加湿用水を供給する加湿用水供給路とを備えるとともに、
この加湿用水供給路は、水道水を一時的に貯留する貯留槽と、この貯留槽に配置され、水道水を電気分解して、活性酸素種を含む前記加湿用水を生成する少なくとも一対の電極と、前記貯留槽における水道水の貯留時間を変更することにより、前記加湿用水中における前記活性酸素種の濃度を所定の濃度に調整する濃度調整手段とを備えることを特徴する除菌装置。
【請求項9】
予め塩素イオン濃度を設定する手段を備え、
前記濃度調製手段は、前記塩素イオン濃度に応じて、前記貯留槽に水道水が貯留される時間を変更するように開閉される開閉弁であることを特徴とする請求項8に記載の除菌装置。
【請求項10】
水道水の導電率を検出する検出手段を備え、
前記濃度調整手段は、検出した導電率に応じて、前記貯留槽に水道水が貯留される時間を変更するように開閉される開閉弁であることを特徴とする請求項8または9に記載の除菌装置。
【請求項11】
導入された空気を加湿する加湿手段と、この加湿手段に加湿用水を供給する加湿用水供給路とを備えるとともに、
この加湿用水供給路は、水道水を一時的に貯留する貯留槽と、この貯留槽に配置され、水道水を電気分解して、活性酸素種を含む前記加湿用水を生成する少なくとも一対の電極とを備え、この電極に流れる電流、当該電極に印加される電圧、もしくは、当該電極への通電時間のいずれかを変更することにより、前記加湿用水中における前記活性酸素種の濃度を所定の濃度に調整することを特徴する除菌装置。
【請求項12】
前記活性酸素種は、次亜塩素酸、オゾン、または、過酸化水素のうち少なくともいずれかの物質を含むことを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の除菌装置。
【請求項13】
定期的、或いは、所定の条件下で不定期に前記電極の極性を反転させることを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載の除菌装置。
【請求項14】
送風ファンと、この送風ファンの吹出口側に配置された熱交換器と、この熱交換器を介して導入された空気を加湿する加湿手段と、この加湿手段に加湿用水を供給する加湿用水供給路とを備えるとともに、
前記加湿用水供給路は、水道水を電気分解して、活性酸素種を含む前記加湿用水を生成する少なくとも一対の電極と、これら電極間を通過する水道水の流量、この電極に流れる電流、当該電極に印加される電圧、もしくは、当該電極への通電時間のいずれかを変更することにより、前記加湿用水中における前記活性酸素種の濃度を所定の濃度に調整する濃度調整手段と、を備えることを特徴とする空気調和装置。
【請求項15】
送風ファンと、この送風ファンの吹出口側に配置された熱交換器と、この熱交換器を介して導入された空気を加湿する加湿手段と、この加湿手段に加湿用水を供給する加湿用水供給路とを備えるとともに、
この加湿用水供給路は、水道水を一時的に貯留する貯留槽と、この貯留槽に配置され、水道水を電気分解して、活性酸素種を含む前記加湿用水を生成する少なくとも一対の電極と、前記貯留槽における水道水の貯留時間、前記電極に流れる電流、当該電極に印加される電圧、もしくは、当該電極への通電時間のいずれかを変更することにより、前記加湿用水中における前記活性酸素種の濃度を所定の濃度に調整する濃度調整手段とを備えることを特徴とする空気調和装置。
【請求項16】
前記空気調和装置の空調動作の停止期間中に、
前記加湿手段に、前記活性酸素種を含む加湿用水の供給を行い、当該加湿手段の除菌を行なう除菌制御手段を備えることを特徴とする請求項14または15に記載の空気調和装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−245325(P2011−245325A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−162320(P2011−162320)
【出願日】平成23年7月25日(2011.7.25)
【分割の表示】特願2005−190078(P2005−190078)の分割
【原出願日】平成17年6月29日(2005.6.29)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】