除雪車両のウインドロー排雪装置及びウインドロー排雪用トレーラ
【課題】高速道路の出入口等の所定区間において除雪作業を効率化することができ、また除雪の取り残しも抑制でき、しかも、走行中の安全性を損なうことなく充分な除雪量に対応できる除雪車両のウインドロー排雪装置及びウインドロー排雪用トレーラを提供すること。
【解決手段】除雪車両Tの後部に配設し、一方の側端部にサイドプレート11をL字状に設けたバックプラウ1と;このバックプラウ1を前記除雪車両Tに連結し、かつ、バックプラウ1のプラウ推進角を調節するためのアングリング機構21を備えたジョイント部2と;前記バックプラウ1における他方側の側端部に回動自在に連結したガイドプラウ3と;このガイドプラウ3と前記バックプラウ1の間に介装して、バックプラウ1に対するガイドプラウ3の折畳み・展開操作が可能なフォールディング機構とを含んで構成した。
【解決手段】除雪車両Tの後部に配設し、一方の側端部にサイドプレート11をL字状に設けたバックプラウ1と;このバックプラウ1を前記除雪車両Tに連結し、かつ、バックプラウ1のプラウ推進角を調節するためのアングリング機構21を備えたジョイント部2と;前記バックプラウ1における他方側の側端部に回動自在に連結したガイドプラウ3と;このガイドプラウ3と前記バックプラウ1の間に介装して、バックプラウ1に対するガイドプラウ3の折畳み・展開操作が可能なフォールディング機構とを含んで構成した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、除雪車両におけるウインドロー排雪装置の改良、詳しくは、高速道路の出入口や交差点等の所定区間において除雪作業を効率化することができ、また除雪の取り残しも抑制でき、しかも、走行中の安全性を損なうことなく充分な排雪量に対応できる除雪車両のウインドロー排雪装置及びウインドロー排雪用トレーラに関するものである。
【背景技術】
【0002】
周知のとおり、走行する除雪車両のスノープラウにより道路上の積雪を片側に寄せていく除雪作業では、車体側方に堤状の堆雪であるウインドローが不可避的に形成されてしまうが、高速道路の出入口や交差点ではこのウインドローを残したまま放置すると通行の障害となって非常に危険であるため、後続の除雪車両等でウインドローを除去する必要がある。
【0003】
ところが、ウインドローを後続の除雪車両で除去すると、除雪車両の台数や作業員の数が余計に必要となるだけでなく作業効率も悪化するため、コスト面及び作業時間の点で改善が求められていた。
【0004】
そこで、従来においては、プラウの側端部に上下揺動式のサイドシャッターを設け、通常除雪時に上がった状態のシャッタープレートを高速道路の出入口等の手前で下ろして、このシャッタープレートとプラウで雪を抱え込みながら出入口等を通過し、そして通過後はシャッタープレートを再び上げた状態に戻してプラウ側方を開放することにより前記抱え込んだ雪をまとめて路側に排出する技術が提案された(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
しかしながら、上記サイドシャッター機構に係る技術では、ウインドローの発生を防止することはできるものの、シャッタープレートの前後幅を長くとり過ぎると上げた状態で運転手の視界を遮ってしまう危険があったため、プレートの大きさが制限されて上記所定区間のウインドローの除去に必要な量の雪を取り込むことができなかった。
【0006】
また、<特許文献2>に示す従来技術では、シャッタープレートを上げた状態でも運転手の視界が遮られることがないように、プレートをプラウ上で横向きに寝かせる機構も開示されているが、当該機構では、プレートをプラウに接触させずに複雑な動作で揺動させる必要があるため、プレートの形状をプラウの内面にピッタリとフィットとしたものとすることが難しく、下ろした状態のプレートとプラウの隙間から雪が漏れ出て除雪の取り残しが生じ易くなる欠点があった。
【0007】
また上記フロントプラウと同様に、車体中央下部のセンターブレードにサイドシャッター機構を設ける場合においても、ブレード前方に抱え込む雪の量が多くなると雪が車体下部に接触して走行の危険となる虞れがあったため、大量の雪を抱え込む必要のある距離の長い高速道路の出入口等で使用されることを想定した場合に安全性の面で問題があった(例えば、特許文献3参照)。
【0008】
一方、従来においては、<特許文献4>に示すようにスノープラウを車体後部に設ける技術も知られており、このようなバックプラウを利用すれば上記フロントプラウやセンターブレードで雪を抱え込む際の問題を解消できるものの、当該<文献4>に係る技術は、あくまでロータリー除雪装置で取り残した雪の均しや寄せを行うことが目的であるため、雪を抱え込む機能については何ら考慮されておらず、改良の必要性があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】実開平6−8421号公報(第2−3頁、第1−6図)
【特許文献2】実公平3−52249号公報(第1−5頁、第1−3図)
【特許文献3】実公平6−45486号公報(第1−5頁、第1−4図)
【特許文献4】特開平3−72105号公報(第2−6頁、第1−4図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記の如き問題に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、高速道路の出入口等の所定区間において除雪作業を効率化することができ、また除雪の取り残しも抑制でき、しかも、走行中の安全性を損なうことなく充分な除雪量に対応できる除雪車両のウインドロー排雪装置及びウインドロー排雪用トレーラを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者が上記課題を解決するために採用した手段を添付図面を参照して説明すれば次のとおりである。
【0012】
即ち、本発明は、除雪車両Tの後部に配設し、一方の側端部にサイドプレート11をL字状に設けたバックプラウ1と;このバックプラウ1を前記除雪車両Tに連結し、かつ、バックプラウ1のプラウ推進角を調節するためのアングリング機構21を備えたジョイント部2と;前記バックプラウ1における他方側の側端部に回動自在に連結したガイドプラウ3と;このガイドプラウ3と前記バックプラウ1の間に介装して、バックプラウ1に対するガイドプラウ3の折畳み・展開操作が可能なフォールディング機構4とを含んで構成し、
走行する当該除雪車両Tにおいて、前記ガイドプラウ3をフォールディング機構4により車体外側に展開し車体側を向く所定の推進角度αに保持することにより、このガイドプラウ3の前面で路肩のウインドロー雪堤Wを圧壊してその雪Sをバックプラウ1前方に導入可能とする一方、当該導入された雪Sについては、バックプラウ1を、ガイドプラウ3を後方に下げる方向に、かつ、滑り角である所定の推進角度βまでアングリングさせることによって、バックプラウ1からガイドプラウ3に滑り落として路肩に排出可能とした点に特徴がある。
【0013】
ちなみに、上記「推進角度」とは、車両の中心線と平行なプラウ上の線とプラウとが成す角度を意味し、本明細書中では、前記プラウ上の線と車両の進行方向を向いて左側のプラウとが成す角度を数値化している。また「アングリング」とは、プラウを左右に振ることによって推進角度を変える動作を意味する。
【0014】
また本発明は、上記手段に代えて、除雪車両Tの後部に配設し、一方の側端部にサイドプレート11がL字状に設けたバックプラウ1と;このバックプラウ1を除雪車両Tに連結し、かつ、バックプラウ1のプラウ推進角を調節するためのアングリング機構21を備えたジョイント部2と;前記バックプラウ1における他方側の側端部に対し長手方向にスライド自在に連結したガイドプラウ3と;このガイドプラウ3とバックプラウ1の連結部に設けて、バックプラウ1に対するガイドプラウ3のスライド操作が可能なスライド機構とを含んで構成し、
走行する当該除雪車両Tにおいて、前記ガイドプラウ3をスライド機構により車体外側にスライドさせるとともに、このガイドプラウ3を前方に上げる方向にバックプラウ1をアングリングさせて、ガイドプラウ3を、車体側を向く所定のプラウ推進角αに保持することにより、このガイドプラウ3の前面で路肩のウインドロー雪堤Wを圧壊してその雪Sをバックプラウ1前方に導入可能とする一方、当該導入された雪Sについては、バックプラウ1を、ガイドプラウ3を引き下げる方向に、かつ、滑り角である所定のプラウ推進角βまでアングリングさせることによって、バックプラウ1からガイドプラウ3に滑り落として路肩に排出可能にするという技術的手段を採用することもできる。
【0015】
更に本発明は、ジョイント部2にプラウ昇降機構22を備えることにより、所定区間でのみ使用するバックプラウ1の位置を適宜上下に移動できるようにするという技術的手段を採用することができる。
【0016】
また本発明は、ジョイント部2に伸縮機構23を備えることにより、所定区間でのみ使用するバックプラウ1と車体後部の間隔を適宜調節できるようにするという技術的手段も採用できる。
【0017】
そして更に本発明では、路上に配設したマーカーMを検知センサ51で検知してジョイント部2のアングリング機構21やフォールディング機構4、或いはスライド機構を制御できる自動制御部5を含んで構成することにより各操作を自動化するという技術的手段を採用することもできる。
【0018】
また本発明では、除雪車両Tの後部に連結可能なトレーラ本体6と;一方の側端部にサイドプレート11がL字状に設けられ、かつ、前記トレーラ本体6の下部に設けられたアングリング機構61に連結されて推進角度を調節可能なバックプラウ1と;このバックプラウ1の他方側の側端部に回動自在に連結されたガイドプラウ3と;このガイドプラウ3と前記バックプラウ1の間に介装されて、バックプラウ1に対しガイドプラウ3の折畳み・展開操作が可能なフォールディング機構4とを含む構成を採用することもできる。
【0019】
また同様に、本発明では、除雪車両Tの後部に連結可能なトレーラ本体6と;一方の側端部にサイドプレート11がL字状に設けられ、かつ、前記トレーラ本体6の下部に設けられたアングリング機構61に連結されて推進角度を調節可能なバックプラウ1と;このバックプラウ1の他方側の側端部に対し長手方向にスライド自在に連結されたガイドプラウ3と;このガイドプラウ3とバックプラウ1の連結部に設けられて、バックプラウ1に対しガイドプラウ3のスライド操作が可能なスライド機構とを含む構成も採用できる。
【発明の効果】
【0020】
本発明では、フロントプラウ等を備えた除雪車両の車体後部又は後方のトレーラにバックプラウをアングリング可能に設けると共に、このバックプラウの一方の側端部にはサイドプレートをL字状に設け、もう一方の側端部にはガイドプラウを折畳み式或いはスライド式に設けて構成したことにより、高速道路の出入口等を走行する手前でガイドプラウを車体外側に展開又はスライドさせて所定の推進角度に保持すれば、フロントプラウ等によって車体側方に生じた雪堤状のウインドローを前記ガイドプラウで圧壊してその雪をバックプラウ側に送り込むことができるため、ウインドローを残さずに高速道路の出入口等を除雪走行することが可能となる。
【0021】
そして、上記バックプラウ側に送り込まれた雪はサイドプレートで制止されてプラウ前方に抱え込み可能であり、この抱え込まれた雪は高速道路の出入口等を通過した後、ガイドプラウを引き下げる方向に滑り角が作出されるまでバックプラウをアングリングさせることによって、バックプラウからガイドプラウに滑り落してそのまま路肩に排出することができる。
【0022】
このように本発明によれば、除雪車両一台で通常の除雪作業とウインドローの回収作業の両方を行うことが可能となるため、除雪車両や作業員の数を抑えて除雪作業を経済的かつ効率良く行うことが可能となる。
【0023】
また本発明では、拡縮可能なガイドプラウをバックプラウに設けたことによりウインドロー回収時にプラウ全体の幅を伸長でき、また車体後部とバックプラウの間隔もジョイント部の長さやトレーラの長さによって簡単に調節できるため、走行中の安全性を損なうことなく抱え込める雪量の増大を図れる。
【0024】
そしてまた、サイドプレートはバックプラウに対し隙間なく一体に設けることができるため、バックプラウ前方に抱え込んだ雪が接合部分から漏れ出る心配もなく、除雪の取り残しも抑制できる。
【0025】
したがって、本発明により、除雪距離の長い高速道路の出入口や道路幅の大きい交差点等であっても除雪作業を効率的に行える上に、除雪作業の安全性にも優れたウインドロー排雪機能を備えた除雪車両を提供できることから、本発明の実用的利用価値は頗る高い。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施例1におけるウインドロー排雪装置を備えた除雪車両を表わす全体上面図である。
【図2】本発明の実施例1におけるウインドロー排雪装置を表わした拡大上面図である。
【図3】本発明の実施例1におけるジョイント部のアングリング機構を表わす状態説明図である。
【図4】本発明の実施例1におけるジョイント部のプラウ昇降機構を表わす状態説明図である。
【図5】本発明の実施例1におけるガイドプラウ及びフォールディング機構を表わす状態説明図である。
【図6】本発明の実施例1における装置の使用状態(通常除雪時)を表わす状態説明図である。
【図7】本発明の実施例1における装置の使用状態(ウインドロー回収時)を表わす状態説明図である。
【図8】本発明の実施例1における他の使用状態(ウインドロー回収時)を表わす状態説明図である。
【図9】本発明の実施例1における装置の使用状態(排雪時)を表わす状態説明図である。
【図10】本発明の実施例2におけるジョイント部の伸縮機構を表わす状態説明図である。
【図11】本発明の実施例3におけるウインドロー排雪装置を備えた除雪車両を表わす全体側面図である。
【図12】本発明の実施例4におけるウインドロー排雪用トレーラを連結した除雪車両を表わす全体上面図である。
【図13】本発明の実施例4におけるウインドロー排雪用トレーラを連結した除雪車両を表わす全体側面図である。
【図14】本発明の変形例におけるウインドロー排雪装置を備えた除雪車両を表わす全体上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
『実施例1』
本発明の実施例1を、図1から図9に基いて以下に説明する。ちなみに同図において、符号1で指示するものは、バックプラウであり、符号2で指示するものは、ジョイント部である。また符号3で指示するものは、ガイドプラウであり、符号4で指示するものは、フォールディング機構である。また、符号Tで示すものは、除雪車両であり、本実施例では車体前方にフロントプラウPを、車体中央下部にはセンターブレードBを備えている。
【0028】
まず実施例1では除雪車両Tの車体後部に、一方の側端部にサイドプレート11がL字状に設けられたバックプラウ1をジョイント部2により連結して構成している(図1、図2参照)。
【0029】
また、上記ジョイント部2にはアングリング機構21を設けることでバックプラウ1の推進角度を調節可能としており、より具体的に説明すると、バックプラウ1をジョイント部2にヒンジ連結し、このヒンジ連結部21aを回転軸としてその左右に配設した油圧シリンダ21b・21bを伸縮操作することにより、バックプラウ1を図3(a)及び(b)に示すように左右に振って揺動可能としている。
【0030】
また、ジョイント部2には、バックプラウ1を上下に移動させるためのプラウ昇降機構22も設けており、実施例1では、ジョイント部2の回動アーム22aをバックプラウ1に連結して、この回動アーム22aを上下に揺動操作することにより、図4(a)及び(b)に示すようにバックプラウ1を昇降させることができる。
【0031】
一方、上記バックプラウ1におけるサイドプレート11が設けられた側と反対側の側端部にはガイドプラウ3を回動自在に連結すると共に、このガイドプラウ3とバックプラウ1の間にはフォールディング機構4を介装して、このフォールディング機構4によってガイドプラウ3を図5に示すようにバックプラウ1に対し折畳み・展開操作できるようにしている。
【0032】
次に、上記バックプラウ1及びガイドプラウ3の使用方法について説明すると、まず通常除雪時には、バックプラウ1を車両の中心線に対し垂直(推進角度90°)となる状態に配置すると共に、ガイドプラウ3についてはバックプラウ1に対し略直角に折り畳んで車体側面に沿わせた状態とする(図6参照)。
【0033】
そして、除雪車両Tが高速道路の出入口等の所定区間に差し掛かる手前で、図7に示すように、ガイドプラウ3をフォールディング機構4により車体外側に展開し車体側を向く所定の推進角度α(本実施例では、45°程度)に保持することにより、車体側方に張り出したガイドプラウ3でフロントプラウPから排出されたウインドロー雪堤Wを圧壊してその雪Sをバックプラウ1に回収する。
【0034】
なお、上記ガイドプラウ3の推進角度αは、0°〜90°の範囲で自由に設定することができるが、角度を大きくし過ぎるとガイドプラウ3の張り出しが小さくなってウインドロー雪堤Wを端まで回収できなくなる虞れがあり、また角度を小さくし過ぎると圧壊した雪Sがバックプラウ1に流れ難くなって抵抗が増すだけでなく、ガイドプラウの外側に漏れ出てしまう可能性もあるため、適度な角度に調節する必要がある。
【0035】
また、ガイドプラウ3を所定の推進角度αに保持するとする方法としては、ガイドプラウ3をバックプラウ1に対し直線状となるまで展開し、バックプラウ1をジョイント部2のアングリング機構21により所定の推進角度αまでアングリングさせる方法が好ましく、当該方法を採用することによってバックプラウ1前方への雪Sの導入がスムーズになってバックプラウ1とガイドプラウ3の連結部分に加わる負荷を軽減することができる。
【0036】
また他にも、バックプラウ1とガイドプラウ3の連結強度が充分に高ければ、図8に示すようにガイドプラウ3のみをフォールディング機構4によって所定の推進角度αに展開する方法も採用できる。
【0037】
また、バックプラウ1に関しては、特に使用する必要のない通常除雪時は路面から離れた高い位置に配置しておき、上記ウインドロー雪堤Wの回収時にのみジョイント部2のプラウ昇降機構22で路面直近まで降ろして使用すれば、バックプラウ1の早期摩耗を防止できる。
【0038】
そしてまた、バックプラウ1に対し拡縮可能なガイドプラウ3を設けたことにより、ウインドロー雪堤Wの回収時にプラウ全体の幅を伸長することができるため、抱え込み可能な雪量の増大も図れる。
【0039】
他方また、除雪車両Tの車体後部とバックプラウ1の間隔についても、ジョイント部2の作製時にその長さを勘案することで抱え込んだ雪Sが車体に接触することなく、かつ、除雪に必要な量を抱え込める間隔に調節することができる。
【0040】
また、サイドプレート11はバックプラウ1に対し隙間なく一体に設けているため、バックプラウ1の前方に抱え込んだ雪Sが接合部分から漏れ出る心配もない。
【0041】
そして、上記バックプラウで雪Sを抱え込みながら所定区間を通過した後は、図9に示すようにバックプラウ1を、ガイドプラウ3を後方に下げる方向に、滑り角である所定の推進角度β(本実施例では、約135°)までアングリングさせることによって、バックプラウ1からガイドプラウ3に抱え込んだ雪を滑り落として路肩に排出する。
【0042】
なお、上記滑り角である所定の推進角度βは、90°〜180°の範囲で設定することができるが、道路の有効幅員まで雪がはみ出さない角度に設定する必要があり、また滑り角は抱え込んだ雪Sの量や除雪車両の走行速度、雪質、路面の状態によって変化すると考えられるため、適宜調節する必要がある。
【0043】
『実施例2』
本発明の実施例2を、図10に基いて以下に説明する。実施例2では、ジョイント部2に伸縮機構23を設けて除雪車両Tの車体後部とバックプラウ1の間隔を調節可能としており、具体的には、油圧シリンダ23aをアクチュエータとするリンク機構23bによって伸縮機構23を構成している。
【0044】
これにより、通常除雪時には図10(a)に示すようにジョイント部2の伸縮機構23を縮めた状態として除雪車両Tの車体後部とバックプラウ1の間隔を狭めて、狭い場所での取り回しが容易となるようにする一方、ウインドロー雪堤Wの回収時には、伸縮機構23を伸ばした状態として車体後部とバックプラウ1の間隔を広げ、雪Sの抱え込み量を増大することができる。
【0045】
『実施例3』
本発明の実施例3を、図11に基いて以下に説明する。なお図中、符号5で指示するものは、自動制御部である。実施例3では、高速道路の出入口等の所定区間の前後に配設したマーカーMを検出する検知センサ51を備えた自動制御部5を付設しており、当該自動制御部5によってジョイント部2のアングリング機構21及びフォールディング機構4の操作を自動化することができる(図11参照)。
【0046】
『実施例4』
本発明の実施例4を、図12及び図13に基いて説明する。なお図中、符号6で指示するものは、トレーラ本体である。実施例4では、除雪車両Tの後部に、車体の中央下部にアングリング機構61を備えたトレーラ本体6を連結すると共に、このアングリング機構61には推進角度を調節できるようにバックプラウ1を連結して構成している(図12、図13参照)。
【0047】
上記のような構成を採用することにより、除雪車両Tの車体後部とバックプラウ1との間隔を長くとることが容易になるため、より多くの雪Sをバックプラウ1の前方に抱え込むことが可能となる。
【0048】
本発明は、概ね上記のように構成されるが、本発明は図示の実施形態に限定されるものでは決してなく、「特許請求の範囲」の記載内において種々の変更が可能であって、例えば、ガイドプラウ3は、フォールディング機構4によってバックプラウ1に対し折畳み・展開可能に連結されていなくとも、バックプラウ1に対し拡縮可能に連結されていれば、バックプラウ1にスライド自在に連結してスライド機構によって拡縮可能とすることもできる(図示せず)。
【0049】
また、上記のようにガイドプラウ3の拡縮方法にスライド機構を採用する場合には、ウインドロー雪堤Wの回収時に、ガイドプラウ3をスライド機構により車体外側にスライドさせる際、ガイドプラウ3を前方に上げる方向にバックプラウ1をアングリングさせて、ガイドプラウ3を、車体側を向く所定のプラウ推進角αに保持する必要がある。
【0050】
そしてまた、上記スライド機構はフォールディング機構4と同様、自動制御部5によってアクチュエータを制御することにより拡縮操作を自動化することも可能である。
【0051】
他方また、本発明に係る装置は、センターブレードBのみを備えた除雪車両Tや、図14に示すようなフロントプラウPもセンターブレードBもない除雪車両Tに対して設けることもでき、その場合には、当該車両をウインドロー雪堤Wの回収専用車として利用したり、バックプラウ1で通常除雪も行える除雪車として利用したりすることができる。
【0052】
また、ジョイント部2やフォールディング機構4に使用している油圧シリンダについても、必要であれば他のアクチュエータに適宜変更することができ、上記何れのものも本発明の技術的範囲に属する。
【産業上の利用可能性】
【0053】
近年、雪国地方において一般道路や高速道路の除雪作業は、生活する上で必要不可欠なものとなっており、このような除雪作業は通常、夜間や早朝など通行量の少ない時間に行われるが、それでも作業時間が長くなると通行に支障をきたす虞れがあるため、できるだけ迅速に作業を終わらせる必要がある。また、公益性の高い除雪作業は、税金を使用して行われるのが一般的であるため、除雪作業者は出来る限りコスト面を抑えることも考慮する必要がある。
【0054】
そのような中で、本発明の除雪車両のウインドロー排雪装置及びウインドロー排雪用トレーラは、除雪作業の迅速化及び低コスト化を図ることができ、しかも、除雪機能の向上も図れる有用な技術であることから、市場における需要は大きく、その産業上の利用価値は非常に高い。
【符号の説明】
【0055】
1 バックプラウ
11 サイドプレート
2 ジョイント部
21 アングリング機構
21a ヒンジ連結部
21b 油圧シリンダ
22 プラウ昇降機構
22a 回動アーム
23 伸縮機構
23a 油圧シリンダ
23b リンク機構
3 ガイドプラウ
4 フォールディング機構
41 油圧シリンダ
5 自動制御部
51 検知センサ
6 トレーラ本体
61 アングリング機構
T 除雪車両
P フロントプラウ
B センターブレード
W ウインドロー雪堤
S 雪
M マーカー
【技術分野】
【0001】
本発明は、除雪車両におけるウインドロー排雪装置の改良、詳しくは、高速道路の出入口や交差点等の所定区間において除雪作業を効率化することができ、また除雪の取り残しも抑制でき、しかも、走行中の安全性を損なうことなく充分な排雪量に対応できる除雪車両のウインドロー排雪装置及びウインドロー排雪用トレーラに関するものである。
【背景技術】
【0002】
周知のとおり、走行する除雪車両のスノープラウにより道路上の積雪を片側に寄せていく除雪作業では、車体側方に堤状の堆雪であるウインドローが不可避的に形成されてしまうが、高速道路の出入口や交差点ではこのウインドローを残したまま放置すると通行の障害となって非常に危険であるため、後続の除雪車両等でウインドローを除去する必要がある。
【0003】
ところが、ウインドローを後続の除雪車両で除去すると、除雪車両の台数や作業員の数が余計に必要となるだけでなく作業効率も悪化するため、コスト面及び作業時間の点で改善が求められていた。
【0004】
そこで、従来においては、プラウの側端部に上下揺動式のサイドシャッターを設け、通常除雪時に上がった状態のシャッタープレートを高速道路の出入口等の手前で下ろして、このシャッタープレートとプラウで雪を抱え込みながら出入口等を通過し、そして通過後はシャッタープレートを再び上げた状態に戻してプラウ側方を開放することにより前記抱え込んだ雪をまとめて路側に排出する技術が提案された(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
しかしながら、上記サイドシャッター機構に係る技術では、ウインドローの発生を防止することはできるものの、シャッタープレートの前後幅を長くとり過ぎると上げた状態で運転手の視界を遮ってしまう危険があったため、プレートの大きさが制限されて上記所定区間のウインドローの除去に必要な量の雪を取り込むことができなかった。
【0006】
また、<特許文献2>に示す従来技術では、シャッタープレートを上げた状態でも運転手の視界が遮られることがないように、プレートをプラウ上で横向きに寝かせる機構も開示されているが、当該機構では、プレートをプラウに接触させずに複雑な動作で揺動させる必要があるため、プレートの形状をプラウの内面にピッタリとフィットとしたものとすることが難しく、下ろした状態のプレートとプラウの隙間から雪が漏れ出て除雪の取り残しが生じ易くなる欠点があった。
【0007】
また上記フロントプラウと同様に、車体中央下部のセンターブレードにサイドシャッター機構を設ける場合においても、ブレード前方に抱え込む雪の量が多くなると雪が車体下部に接触して走行の危険となる虞れがあったため、大量の雪を抱え込む必要のある距離の長い高速道路の出入口等で使用されることを想定した場合に安全性の面で問題があった(例えば、特許文献3参照)。
【0008】
一方、従来においては、<特許文献4>に示すようにスノープラウを車体後部に設ける技術も知られており、このようなバックプラウを利用すれば上記フロントプラウやセンターブレードで雪を抱え込む際の問題を解消できるものの、当該<文献4>に係る技術は、あくまでロータリー除雪装置で取り残した雪の均しや寄せを行うことが目的であるため、雪を抱え込む機能については何ら考慮されておらず、改良の必要性があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】実開平6−8421号公報(第2−3頁、第1−6図)
【特許文献2】実公平3−52249号公報(第1−5頁、第1−3図)
【特許文献3】実公平6−45486号公報(第1−5頁、第1−4図)
【特許文献4】特開平3−72105号公報(第2−6頁、第1−4図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記の如き問題に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、高速道路の出入口等の所定区間において除雪作業を効率化することができ、また除雪の取り残しも抑制でき、しかも、走行中の安全性を損なうことなく充分な除雪量に対応できる除雪車両のウインドロー排雪装置及びウインドロー排雪用トレーラを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者が上記課題を解決するために採用した手段を添付図面を参照して説明すれば次のとおりである。
【0012】
即ち、本発明は、除雪車両Tの後部に配設し、一方の側端部にサイドプレート11をL字状に設けたバックプラウ1と;このバックプラウ1を前記除雪車両Tに連結し、かつ、バックプラウ1のプラウ推進角を調節するためのアングリング機構21を備えたジョイント部2と;前記バックプラウ1における他方側の側端部に回動自在に連結したガイドプラウ3と;このガイドプラウ3と前記バックプラウ1の間に介装して、バックプラウ1に対するガイドプラウ3の折畳み・展開操作が可能なフォールディング機構4とを含んで構成し、
走行する当該除雪車両Tにおいて、前記ガイドプラウ3をフォールディング機構4により車体外側に展開し車体側を向く所定の推進角度αに保持することにより、このガイドプラウ3の前面で路肩のウインドロー雪堤Wを圧壊してその雪Sをバックプラウ1前方に導入可能とする一方、当該導入された雪Sについては、バックプラウ1を、ガイドプラウ3を後方に下げる方向に、かつ、滑り角である所定の推進角度βまでアングリングさせることによって、バックプラウ1からガイドプラウ3に滑り落として路肩に排出可能とした点に特徴がある。
【0013】
ちなみに、上記「推進角度」とは、車両の中心線と平行なプラウ上の線とプラウとが成す角度を意味し、本明細書中では、前記プラウ上の線と車両の進行方向を向いて左側のプラウとが成す角度を数値化している。また「アングリング」とは、プラウを左右に振ることによって推進角度を変える動作を意味する。
【0014】
また本発明は、上記手段に代えて、除雪車両Tの後部に配設し、一方の側端部にサイドプレート11がL字状に設けたバックプラウ1と;このバックプラウ1を除雪車両Tに連結し、かつ、バックプラウ1のプラウ推進角を調節するためのアングリング機構21を備えたジョイント部2と;前記バックプラウ1における他方側の側端部に対し長手方向にスライド自在に連結したガイドプラウ3と;このガイドプラウ3とバックプラウ1の連結部に設けて、バックプラウ1に対するガイドプラウ3のスライド操作が可能なスライド機構とを含んで構成し、
走行する当該除雪車両Tにおいて、前記ガイドプラウ3をスライド機構により車体外側にスライドさせるとともに、このガイドプラウ3を前方に上げる方向にバックプラウ1をアングリングさせて、ガイドプラウ3を、車体側を向く所定のプラウ推進角αに保持することにより、このガイドプラウ3の前面で路肩のウインドロー雪堤Wを圧壊してその雪Sをバックプラウ1前方に導入可能とする一方、当該導入された雪Sについては、バックプラウ1を、ガイドプラウ3を引き下げる方向に、かつ、滑り角である所定のプラウ推進角βまでアングリングさせることによって、バックプラウ1からガイドプラウ3に滑り落として路肩に排出可能にするという技術的手段を採用することもできる。
【0015】
更に本発明は、ジョイント部2にプラウ昇降機構22を備えることにより、所定区間でのみ使用するバックプラウ1の位置を適宜上下に移動できるようにするという技術的手段を採用することができる。
【0016】
また本発明は、ジョイント部2に伸縮機構23を備えることにより、所定区間でのみ使用するバックプラウ1と車体後部の間隔を適宜調節できるようにするという技術的手段も採用できる。
【0017】
そして更に本発明では、路上に配設したマーカーMを検知センサ51で検知してジョイント部2のアングリング機構21やフォールディング機構4、或いはスライド機構を制御できる自動制御部5を含んで構成することにより各操作を自動化するという技術的手段を採用することもできる。
【0018】
また本発明では、除雪車両Tの後部に連結可能なトレーラ本体6と;一方の側端部にサイドプレート11がL字状に設けられ、かつ、前記トレーラ本体6の下部に設けられたアングリング機構61に連結されて推進角度を調節可能なバックプラウ1と;このバックプラウ1の他方側の側端部に回動自在に連結されたガイドプラウ3と;このガイドプラウ3と前記バックプラウ1の間に介装されて、バックプラウ1に対しガイドプラウ3の折畳み・展開操作が可能なフォールディング機構4とを含む構成を採用することもできる。
【0019】
また同様に、本発明では、除雪車両Tの後部に連結可能なトレーラ本体6と;一方の側端部にサイドプレート11がL字状に設けられ、かつ、前記トレーラ本体6の下部に設けられたアングリング機構61に連結されて推進角度を調節可能なバックプラウ1と;このバックプラウ1の他方側の側端部に対し長手方向にスライド自在に連結されたガイドプラウ3と;このガイドプラウ3とバックプラウ1の連結部に設けられて、バックプラウ1に対しガイドプラウ3のスライド操作が可能なスライド機構とを含む構成も採用できる。
【発明の効果】
【0020】
本発明では、フロントプラウ等を備えた除雪車両の車体後部又は後方のトレーラにバックプラウをアングリング可能に設けると共に、このバックプラウの一方の側端部にはサイドプレートをL字状に設け、もう一方の側端部にはガイドプラウを折畳み式或いはスライド式に設けて構成したことにより、高速道路の出入口等を走行する手前でガイドプラウを車体外側に展開又はスライドさせて所定の推進角度に保持すれば、フロントプラウ等によって車体側方に生じた雪堤状のウインドローを前記ガイドプラウで圧壊してその雪をバックプラウ側に送り込むことができるため、ウインドローを残さずに高速道路の出入口等を除雪走行することが可能となる。
【0021】
そして、上記バックプラウ側に送り込まれた雪はサイドプレートで制止されてプラウ前方に抱え込み可能であり、この抱え込まれた雪は高速道路の出入口等を通過した後、ガイドプラウを引き下げる方向に滑り角が作出されるまでバックプラウをアングリングさせることによって、バックプラウからガイドプラウに滑り落してそのまま路肩に排出することができる。
【0022】
このように本発明によれば、除雪車両一台で通常の除雪作業とウインドローの回収作業の両方を行うことが可能となるため、除雪車両や作業員の数を抑えて除雪作業を経済的かつ効率良く行うことが可能となる。
【0023】
また本発明では、拡縮可能なガイドプラウをバックプラウに設けたことによりウインドロー回収時にプラウ全体の幅を伸長でき、また車体後部とバックプラウの間隔もジョイント部の長さやトレーラの長さによって簡単に調節できるため、走行中の安全性を損なうことなく抱え込める雪量の増大を図れる。
【0024】
そしてまた、サイドプレートはバックプラウに対し隙間なく一体に設けることができるため、バックプラウ前方に抱え込んだ雪が接合部分から漏れ出る心配もなく、除雪の取り残しも抑制できる。
【0025】
したがって、本発明により、除雪距離の長い高速道路の出入口や道路幅の大きい交差点等であっても除雪作業を効率的に行える上に、除雪作業の安全性にも優れたウインドロー排雪機能を備えた除雪車両を提供できることから、本発明の実用的利用価値は頗る高い。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施例1におけるウインドロー排雪装置を備えた除雪車両を表わす全体上面図である。
【図2】本発明の実施例1におけるウインドロー排雪装置を表わした拡大上面図である。
【図3】本発明の実施例1におけるジョイント部のアングリング機構を表わす状態説明図である。
【図4】本発明の実施例1におけるジョイント部のプラウ昇降機構を表わす状態説明図である。
【図5】本発明の実施例1におけるガイドプラウ及びフォールディング機構を表わす状態説明図である。
【図6】本発明の実施例1における装置の使用状態(通常除雪時)を表わす状態説明図である。
【図7】本発明の実施例1における装置の使用状態(ウインドロー回収時)を表わす状態説明図である。
【図8】本発明の実施例1における他の使用状態(ウインドロー回収時)を表わす状態説明図である。
【図9】本発明の実施例1における装置の使用状態(排雪時)を表わす状態説明図である。
【図10】本発明の実施例2におけるジョイント部の伸縮機構を表わす状態説明図である。
【図11】本発明の実施例3におけるウインドロー排雪装置を備えた除雪車両を表わす全体側面図である。
【図12】本発明の実施例4におけるウインドロー排雪用トレーラを連結した除雪車両を表わす全体上面図である。
【図13】本発明の実施例4におけるウインドロー排雪用トレーラを連結した除雪車両を表わす全体側面図である。
【図14】本発明の変形例におけるウインドロー排雪装置を備えた除雪車両を表わす全体上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
『実施例1』
本発明の実施例1を、図1から図9に基いて以下に説明する。ちなみに同図において、符号1で指示するものは、バックプラウであり、符号2で指示するものは、ジョイント部である。また符号3で指示するものは、ガイドプラウであり、符号4で指示するものは、フォールディング機構である。また、符号Tで示すものは、除雪車両であり、本実施例では車体前方にフロントプラウPを、車体中央下部にはセンターブレードBを備えている。
【0028】
まず実施例1では除雪車両Tの車体後部に、一方の側端部にサイドプレート11がL字状に設けられたバックプラウ1をジョイント部2により連結して構成している(図1、図2参照)。
【0029】
また、上記ジョイント部2にはアングリング機構21を設けることでバックプラウ1の推進角度を調節可能としており、より具体的に説明すると、バックプラウ1をジョイント部2にヒンジ連結し、このヒンジ連結部21aを回転軸としてその左右に配設した油圧シリンダ21b・21bを伸縮操作することにより、バックプラウ1を図3(a)及び(b)に示すように左右に振って揺動可能としている。
【0030】
また、ジョイント部2には、バックプラウ1を上下に移動させるためのプラウ昇降機構22も設けており、実施例1では、ジョイント部2の回動アーム22aをバックプラウ1に連結して、この回動アーム22aを上下に揺動操作することにより、図4(a)及び(b)に示すようにバックプラウ1を昇降させることができる。
【0031】
一方、上記バックプラウ1におけるサイドプレート11が設けられた側と反対側の側端部にはガイドプラウ3を回動自在に連結すると共に、このガイドプラウ3とバックプラウ1の間にはフォールディング機構4を介装して、このフォールディング機構4によってガイドプラウ3を図5に示すようにバックプラウ1に対し折畳み・展開操作できるようにしている。
【0032】
次に、上記バックプラウ1及びガイドプラウ3の使用方法について説明すると、まず通常除雪時には、バックプラウ1を車両の中心線に対し垂直(推進角度90°)となる状態に配置すると共に、ガイドプラウ3についてはバックプラウ1に対し略直角に折り畳んで車体側面に沿わせた状態とする(図6参照)。
【0033】
そして、除雪車両Tが高速道路の出入口等の所定区間に差し掛かる手前で、図7に示すように、ガイドプラウ3をフォールディング機構4により車体外側に展開し車体側を向く所定の推進角度α(本実施例では、45°程度)に保持することにより、車体側方に張り出したガイドプラウ3でフロントプラウPから排出されたウインドロー雪堤Wを圧壊してその雪Sをバックプラウ1に回収する。
【0034】
なお、上記ガイドプラウ3の推進角度αは、0°〜90°の範囲で自由に設定することができるが、角度を大きくし過ぎるとガイドプラウ3の張り出しが小さくなってウインドロー雪堤Wを端まで回収できなくなる虞れがあり、また角度を小さくし過ぎると圧壊した雪Sがバックプラウ1に流れ難くなって抵抗が増すだけでなく、ガイドプラウの外側に漏れ出てしまう可能性もあるため、適度な角度に調節する必要がある。
【0035】
また、ガイドプラウ3を所定の推進角度αに保持するとする方法としては、ガイドプラウ3をバックプラウ1に対し直線状となるまで展開し、バックプラウ1をジョイント部2のアングリング機構21により所定の推進角度αまでアングリングさせる方法が好ましく、当該方法を採用することによってバックプラウ1前方への雪Sの導入がスムーズになってバックプラウ1とガイドプラウ3の連結部分に加わる負荷を軽減することができる。
【0036】
また他にも、バックプラウ1とガイドプラウ3の連結強度が充分に高ければ、図8に示すようにガイドプラウ3のみをフォールディング機構4によって所定の推進角度αに展開する方法も採用できる。
【0037】
また、バックプラウ1に関しては、特に使用する必要のない通常除雪時は路面から離れた高い位置に配置しておき、上記ウインドロー雪堤Wの回収時にのみジョイント部2のプラウ昇降機構22で路面直近まで降ろして使用すれば、バックプラウ1の早期摩耗を防止できる。
【0038】
そしてまた、バックプラウ1に対し拡縮可能なガイドプラウ3を設けたことにより、ウインドロー雪堤Wの回収時にプラウ全体の幅を伸長することができるため、抱え込み可能な雪量の増大も図れる。
【0039】
他方また、除雪車両Tの車体後部とバックプラウ1の間隔についても、ジョイント部2の作製時にその長さを勘案することで抱え込んだ雪Sが車体に接触することなく、かつ、除雪に必要な量を抱え込める間隔に調節することができる。
【0040】
また、サイドプレート11はバックプラウ1に対し隙間なく一体に設けているため、バックプラウ1の前方に抱え込んだ雪Sが接合部分から漏れ出る心配もない。
【0041】
そして、上記バックプラウで雪Sを抱え込みながら所定区間を通過した後は、図9に示すようにバックプラウ1を、ガイドプラウ3を後方に下げる方向に、滑り角である所定の推進角度β(本実施例では、約135°)までアングリングさせることによって、バックプラウ1からガイドプラウ3に抱え込んだ雪を滑り落として路肩に排出する。
【0042】
なお、上記滑り角である所定の推進角度βは、90°〜180°の範囲で設定することができるが、道路の有効幅員まで雪がはみ出さない角度に設定する必要があり、また滑り角は抱え込んだ雪Sの量や除雪車両の走行速度、雪質、路面の状態によって変化すると考えられるため、適宜調節する必要がある。
【0043】
『実施例2』
本発明の実施例2を、図10に基いて以下に説明する。実施例2では、ジョイント部2に伸縮機構23を設けて除雪車両Tの車体後部とバックプラウ1の間隔を調節可能としており、具体的には、油圧シリンダ23aをアクチュエータとするリンク機構23bによって伸縮機構23を構成している。
【0044】
これにより、通常除雪時には図10(a)に示すようにジョイント部2の伸縮機構23を縮めた状態として除雪車両Tの車体後部とバックプラウ1の間隔を狭めて、狭い場所での取り回しが容易となるようにする一方、ウインドロー雪堤Wの回収時には、伸縮機構23を伸ばした状態として車体後部とバックプラウ1の間隔を広げ、雪Sの抱え込み量を増大することができる。
【0045】
『実施例3』
本発明の実施例3を、図11に基いて以下に説明する。なお図中、符号5で指示するものは、自動制御部である。実施例3では、高速道路の出入口等の所定区間の前後に配設したマーカーMを検出する検知センサ51を備えた自動制御部5を付設しており、当該自動制御部5によってジョイント部2のアングリング機構21及びフォールディング機構4の操作を自動化することができる(図11参照)。
【0046】
『実施例4』
本発明の実施例4を、図12及び図13に基いて説明する。なお図中、符号6で指示するものは、トレーラ本体である。実施例4では、除雪車両Tの後部に、車体の中央下部にアングリング機構61を備えたトレーラ本体6を連結すると共に、このアングリング機構61には推進角度を調節できるようにバックプラウ1を連結して構成している(図12、図13参照)。
【0047】
上記のような構成を採用することにより、除雪車両Tの車体後部とバックプラウ1との間隔を長くとることが容易になるため、より多くの雪Sをバックプラウ1の前方に抱え込むことが可能となる。
【0048】
本発明は、概ね上記のように構成されるが、本発明は図示の実施形態に限定されるものでは決してなく、「特許請求の範囲」の記載内において種々の変更が可能であって、例えば、ガイドプラウ3は、フォールディング機構4によってバックプラウ1に対し折畳み・展開可能に連結されていなくとも、バックプラウ1に対し拡縮可能に連結されていれば、バックプラウ1にスライド自在に連結してスライド機構によって拡縮可能とすることもできる(図示せず)。
【0049】
また、上記のようにガイドプラウ3の拡縮方法にスライド機構を採用する場合には、ウインドロー雪堤Wの回収時に、ガイドプラウ3をスライド機構により車体外側にスライドさせる際、ガイドプラウ3を前方に上げる方向にバックプラウ1をアングリングさせて、ガイドプラウ3を、車体側を向く所定のプラウ推進角αに保持する必要がある。
【0050】
そしてまた、上記スライド機構はフォールディング機構4と同様、自動制御部5によってアクチュエータを制御することにより拡縮操作を自動化することも可能である。
【0051】
他方また、本発明に係る装置は、センターブレードBのみを備えた除雪車両Tや、図14に示すようなフロントプラウPもセンターブレードBもない除雪車両Tに対して設けることもでき、その場合には、当該車両をウインドロー雪堤Wの回収専用車として利用したり、バックプラウ1で通常除雪も行える除雪車として利用したりすることができる。
【0052】
また、ジョイント部2やフォールディング機構4に使用している油圧シリンダについても、必要であれば他のアクチュエータに適宜変更することができ、上記何れのものも本発明の技術的範囲に属する。
【産業上の利用可能性】
【0053】
近年、雪国地方において一般道路や高速道路の除雪作業は、生活する上で必要不可欠なものとなっており、このような除雪作業は通常、夜間や早朝など通行量の少ない時間に行われるが、それでも作業時間が長くなると通行に支障をきたす虞れがあるため、できるだけ迅速に作業を終わらせる必要がある。また、公益性の高い除雪作業は、税金を使用して行われるのが一般的であるため、除雪作業者は出来る限りコスト面を抑えることも考慮する必要がある。
【0054】
そのような中で、本発明の除雪車両のウインドロー排雪装置及びウインドロー排雪用トレーラは、除雪作業の迅速化及び低コスト化を図ることができ、しかも、除雪機能の向上も図れる有用な技術であることから、市場における需要は大きく、その産業上の利用価値は非常に高い。
【符号の説明】
【0055】
1 バックプラウ
11 サイドプレート
2 ジョイント部
21 アングリング機構
21a ヒンジ連結部
21b 油圧シリンダ
22 プラウ昇降機構
22a 回動アーム
23 伸縮機構
23a 油圧シリンダ
23b リンク機構
3 ガイドプラウ
4 フォールディング機構
41 油圧シリンダ
5 自動制御部
51 検知センサ
6 トレーラ本体
61 アングリング機構
T 除雪車両
P フロントプラウ
B センターブレード
W ウインドロー雪堤
S 雪
M マーカー
【特許請求の範囲】
【請求項1】
除雪車両Tの後部に配設され、一方の側端部にサイドプレート11がL字状に設けられたバックプラウ1と;このバックプラウ1を前記除雪車両Tに連結し、かつ、バックプラウ1の推進角度を調節可能なアングリング機構21を備えたジョイント部2と;前記バックプラウ1における他方側の側端部に回動自在に連結されたガイドプラウ3と;このガイドプラウ3と前記バックプラウ1の間に介装されて、バックプラウ1に対しガイドプラウ3の折畳み・展開操作が可能なフォールディング機構4とを含んで構成され、
走行する当該除雪車両Tにおいて、前記ガイドプラウ3をフォールディング機構4により車体外側に展開し車体側を向く所定の推進角度αに保持することにより、このガイドプラウ3の前面で路肩のウインドロー雪堤Wを圧壊してその雪Sをバックプラウ1の前方に導入可能とする一方、当該導入された雪Sは、バックプラウ1を、ガイドプラウ3を後方に下げる方向に、かつ、滑り角である所定の推進角度βまでアングリングさせることによって、バックプラウ1からガイドプラウ3に滑り落として路肩に排出可能としたことを特徴とする除雪車両のウインドロー排雪装置。
【請求項2】
除雪車両Tの後部に配設され、一方の側端部にサイドプレート11がL字状に設けられたバックプラウ1と;このバックプラウ1を除雪車両Tに連結し、かつ、バックプラウ1のプラウ推進角を調節するためのアングリング機構21を備えたジョイント部2と;前記バックプラウ1における他方側の側端部に対し長手方向にスライド自在に連結されたガイドプラウ3と;このガイドプラウ3とバックプラウ1の連結部に設けられて、バックプラウ1に対しガイドプラウ3のスライド操作が可能なスライド機構とを含んで構成され、
走行する当該除雪車両Tにおいて、前記ガイドプラウ3をスライド機構により車体外側にスライドさせると共に、バックプラウ1を、ガイドプラウ3を前方に上げる方向にアングリングさせて、ガイドプラウ3を、車体側を向く所定の推進角度αに保持することによって、このガイドプラウ3の前面で路肩のウインドロー雪堤Wを圧壊しその雪Sをバックプラウ1前方に導入可能とする一方、当該導入された雪Sは、バックプラウ1を、ガイドプラウ3を引き下げる方向に、かつ、滑り角である所定の推進角度βまでアングリングさせることによって、バックプラウ1からガイドプラウ3に滑り落として路肩に排出可能としたことを特徴とする除雪車両のウインドロー排雪装置。
【請求項3】
ジョイント部2にバックプラウ1を上下に移動させるためのプラウ昇降機構22を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の除雪車両のウインドロー排雪装置。
【請求項4】
ジョイント部2に伸縮機構23を設けてバックプラウ1と車体後部との間隔を調節可能としたことを特徴とする請求項1〜3の何れか一つに記載の除雪車両のウインドロー排雪装置。
【請求項5】
所定場所に配設したマーカーMを検知センサ51で検知してジョイント部2のアングリング機構21やフォールディング機構4、或いはスライド機構を制御できる自動制御部5を含んで構成したことを特徴とする請求項1〜4の何れか一つに記載の除雪車両のウインドロー排雪装置。
【請求項6】
除雪車両Tの後部に連結可能なトレーラ本体6と;一方の側端部にサイドプレート11がL字状に設けられ、かつ、前記トレーラ本体6の下部に設けられたアングリング機構61に連結されて推進角度を調節可能なバックプラウ1と;このバックプラウ1の他方側の側端部に回動自在に連結されたガイドプラウ3と;このガイドプラウ3と前記バックプラウ1の間に介装されて、バックプラウ1に対しガイドプラウ3の折畳み・展開操作が可能なフォールディング機構4とを含んで構成され、
走行する当該除雪車両Tにおいて、前記ガイドプラウ3をフォールディング機構4により車体外側に展開し車体側を向く所定の推進角度αに保持することにより、このガイドプラウ3の前面で路肩のウインドロー雪堤Wを圧壊してその雪Sをバックプラウ1の前方に導入可能とする一方、当該導入された雪Sは、バックプラウ1を、ガイドプラウ3を後方に下げる方向に、かつ、滑り角である所定の推進角度βまでアングリングさせることによって、バックプラウ1からガイドプラウ3に滑り落として路肩に排出可能としたことを特徴とする除雪車両のウインドロー排雪用トレーラ。
【請求項7】
除雪車両Tの後部に連結可能なトレーラ本体6と;一方の側端部にサイドプレート11がL字状に設けられ、かつ、前記トレーラ本体6の下部に設けられたアングリング機構61に連結されて推進角度を調節可能なバックプラウ1と;このバックプラウ1の他方側の側端部に対し長手方向にスライド自在に連結されたガイドプラウ3と;このガイドプラウ3とバックプラウ1の連結部に設けられて、バックプラウ1に対しガイドプラウ3のスライド操作が可能なスライド機構とを含んで構成され、
走行する当該除雪車両Tにおいて、前記ガイドプラウ3をスライド機構により車体外側にスライドさせると共に、バックプラウ1を、ガイドプラウ3を前方に上げる方向にアングリングさせて、ガイドプラウ3を、車体側を向く所定の推進角度αに保持することによって、このガイドプラウ3の前面で路肩のウインドロー雪堤Wを圧壊しその雪Sをバックプラウ1前方に導入可能とする一方、当該導入された雪Sは、バックプラウ1を、ガイドプラウ3を引き下げる方向に、かつ、滑り角である所定の推進角度βまでアングリングさせることによって、バックプラウ1からガイドプラウ3に滑り落として路肩に排出可能としたことを特徴とする除雪車両のウインドロー排雪用トレーラ。
【請求項1】
除雪車両Tの後部に配設され、一方の側端部にサイドプレート11がL字状に設けられたバックプラウ1と;このバックプラウ1を前記除雪車両Tに連結し、かつ、バックプラウ1の推進角度を調節可能なアングリング機構21を備えたジョイント部2と;前記バックプラウ1における他方側の側端部に回動自在に連結されたガイドプラウ3と;このガイドプラウ3と前記バックプラウ1の間に介装されて、バックプラウ1に対しガイドプラウ3の折畳み・展開操作が可能なフォールディング機構4とを含んで構成され、
走行する当該除雪車両Tにおいて、前記ガイドプラウ3をフォールディング機構4により車体外側に展開し車体側を向く所定の推進角度αに保持することにより、このガイドプラウ3の前面で路肩のウインドロー雪堤Wを圧壊してその雪Sをバックプラウ1の前方に導入可能とする一方、当該導入された雪Sは、バックプラウ1を、ガイドプラウ3を後方に下げる方向に、かつ、滑り角である所定の推進角度βまでアングリングさせることによって、バックプラウ1からガイドプラウ3に滑り落として路肩に排出可能としたことを特徴とする除雪車両のウインドロー排雪装置。
【請求項2】
除雪車両Tの後部に配設され、一方の側端部にサイドプレート11がL字状に設けられたバックプラウ1と;このバックプラウ1を除雪車両Tに連結し、かつ、バックプラウ1のプラウ推進角を調節するためのアングリング機構21を備えたジョイント部2と;前記バックプラウ1における他方側の側端部に対し長手方向にスライド自在に連結されたガイドプラウ3と;このガイドプラウ3とバックプラウ1の連結部に設けられて、バックプラウ1に対しガイドプラウ3のスライド操作が可能なスライド機構とを含んで構成され、
走行する当該除雪車両Tにおいて、前記ガイドプラウ3をスライド機構により車体外側にスライドさせると共に、バックプラウ1を、ガイドプラウ3を前方に上げる方向にアングリングさせて、ガイドプラウ3を、車体側を向く所定の推進角度αに保持することによって、このガイドプラウ3の前面で路肩のウインドロー雪堤Wを圧壊しその雪Sをバックプラウ1前方に導入可能とする一方、当該導入された雪Sは、バックプラウ1を、ガイドプラウ3を引き下げる方向に、かつ、滑り角である所定の推進角度βまでアングリングさせることによって、バックプラウ1からガイドプラウ3に滑り落として路肩に排出可能としたことを特徴とする除雪車両のウインドロー排雪装置。
【請求項3】
ジョイント部2にバックプラウ1を上下に移動させるためのプラウ昇降機構22を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の除雪車両のウインドロー排雪装置。
【請求項4】
ジョイント部2に伸縮機構23を設けてバックプラウ1と車体後部との間隔を調節可能としたことを特徴とする請求項1〜3の何れか一つに記載の除雪車両のウインドロー排雪装置。
【請求項5】
所定場所に配設したマーカーMを検知センサ51で検知してジョイント部2のアングリング機構21やフォールディング機構4、或いはスライド機構を制御できる自動制御部5を含んで構成したことを特徴とする請求項1〜4の何れか一つに記載の除雪車両のウインドロー排雪装置。
【請求項6】
除雪車両Tの後部に連結可能なトレーラ本体6と;一方の側端部にサイドプレート11がL字状に設けられ、かつ、前記トレーラ本体6の下部に設けられたアングリング機構61に連結されて推進角度を調節可能なバックプラウ1と;このバックプラウ1の他方側の側端部に回動自在に連結されたガイドプラウ3と;このガイドプラウ3と前記バックプラウ1の間に介装されて、バックプラウ1に対しガイドプラウ3の折畳み・展開操作が可能なフォールディング機構4とを含んで構成され、
走行する当該除雪車両Tにおいて、前記ガイドプラウ3をフォールディング機構4により車体外側に展開し車体側を向く所定の推進角度αに保持することにより、このガイドプラウ3の前面で路肩のウインドロー雪堤Wを圧壊してその雪Sをバックプラウ1の前方に導入可能とする一方、当該導入された雪Sは、バックプラウ1を、ガイドプラウ3を後方に下げる方向に、かつ、滑り角である所定の推進角度βまでアングリングさせることによって、バックプラウ1からガイドプラウ3に滑り落として路肩に排出可能としたことを特徴とする除雪車両のウインドロー排雪用トレーラ。
【請求項7】
除雪車両Tの後部に連結可能なトレーラ本体6と;一方の側端部にサイドプレート11がL字状に設けられ、かつ、前記トレーラ本体6の下部に設けられたアングリング機構61に連結されて推進角度を調節可能なバックプラウ1と;このバックプラウ1の他方側の側端部に対し長手方向にスライド自在に連結されたガイドプラウ3と;このガイドプラウ3とバックプラウ1の連結部に設けられて、バックプラウ1に対しガイドプラウ3のスライド操作が可能なスライド機構とを含んで構成され、
走行する当該除雪車両Tにおいて、前記ガイドプラウ3をスライド機構により車体外側にスライドさせると共に、バックプラウ1を、ガイドプラウ3を前方に上げる方向にアングリングさせて、ガイドプラウ3を、車体側を向く所定の推進角度αに保持することによって、このガイドプラウ3の前面で路肩のウインドロー雪堤Wを圧壊しその雪Sをバックプラウ1前方に導入可能とする一方、当該導入された雪Sは、バックプラウ1を、ガイドプラウ3を引き下げる方向に、かつ、滑り角である所定の推進角度βまでアングリングさせることによって、バックプラウ1からガイドプラウ3に滑り落として路肩に排出可能としたことを特徴とする除雪車両のウインドロー排雪用トレーラ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図8】
【図6】
【図7】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図8】
【図6】
【図7】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2010−261162(P2010−261162A)
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−110892(P2009−110892)
【出願日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【出願人】(000158127)岩崎工業株式会社 (7)
【出願人】(309014562)株式会社サトー技建 (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【出願人】(000158127)岩崎工業株式会社 (7)
【出願人】(309014562)株式会社サトー技建 (1)
【Fターム(参考)】
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