説明

陰極板のVグルーブ管理方法及びシステム

【課題】Vグルーブの良否の判定を高精度に行うことが可能な陰極板のVグルーブ管理方法及びシステムを提供する。
【解決手段】電解精製によって金属を表面に電着させて電着金属が形成され、該電着金属が底部に形成されたVグルーブを中心にして剥取装置103によって二分割に剥離される陰極板1の溝の深さをVグルーブ管理システム200によって管理する。Vグルーブ管理システム200は、剥取装置103によって電着金属2が剥離され、且つ第二の移載装置35bへ搬送される過程で陰極板1のVグルーブ7の溝の深さを測定する変位センサ21、及び変位センサ21による測定値D,Dと設定値Dとを比較することによって溝が浅くなった陰極板1をリジェクトコンベア8へ抜き出す処理を実行する制御装置30とを備と共に、この処理を陰極板1の全数に対して実施する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、陰極板のVグルーブ管理方法及びシステムに関し、さらに詳しくは、銅等の金属の電解精製において使用される陰極板の底部に形成されたVグルーブに変形が生じたものを自動的に選別できるようにした陰極板Vグルーブの管理方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ISA方式によるパーマネントカソード(PC)を用いた金属の電解精製、例えば、銅の電解精製は、電解液が貯えられた電解槽中に多数のステンレス製の陰極板(パーマネントカソード板)と、粗銅を鋳込んだ陽極板(アノード板)とを交互に浸漬して通電することにより、陰極板の両面に電気銅を電着させることによって行なわれる。そして、陰極板の表面に電着した電気銅を剥取装置によって剥ぎ取ることにより製品とされる。具体的には、図1に示すように、陰極板1はステンレス製の板状材であり、その両サイド部に合成樹脂製のプロクテクタ5が嵌め込まれると共に、上端部にはクロスバー4が設けられている。また、陰極板1の上部には2つの窓部3,3が設けられており、この窓部3,3に図示しない電極板搬送装置のフックを掛止することにより、電解槽への装入、取り出し及び搬送が行なわれるようになっている。ステンレス製の陰極板1は、丈夫で且つ繰り返し使用が可能であると共に、平面性が良いために電解精製時のショートが起きにくいという利点があることから近年広く採用されるに至っている。そして、電解精製が終了した陰極板1の両面には電気銅2が電着しており剥取装置によって剥ぎ取られた電気銅2は2枚一組として搬送装置によって運ばれ、平面性を確保するためのフラットプレス、さらに電気銅2を波打ったような凹凸を付すためのコルゲーションが行われて製品として供されることとなる。
【0003】
ところで、陰極板1の底部9には、図2(a)に示すように、Vグルーブ(V字状の溝)7が設けられている。Vグルーブ7が設けられていると剥離装置によって電気銅2を剥ぎ取る際に電気銅2は陰極板1の底部で容易に2枚に分断(分割)することができる。そして、このVグルーブ7は、陰極板1に電着した電気銅2を剥ぎ取るために適した形状があり、例えば、図2(a)に示すように、厚み3.25mmの陰極板1に対し、90°角で1.4mmの深さに形成されていることが好ましい。しかし、Vグルーブ7は陰極板1の使用頻度等によっても異なるが、一般に経年変化として約1年で0.01〜0.02mmの割合で浅くなり、また、取り扱いの良否等によって図2(b)に示すように溝の先端が欠ける等によって変形する。Vグルーブにこのような変形が生じた場合には、電気銅2の剥離性が悪化して剥離装置への負荷を大きくすると共に、電気銅2の下部にバリを発生させて電気銅2の外観品質を悪くしていた。また、時間当たりの処理数も低下するので作業効率の低下を招くという問題があった。
【0004】
そこで、Vグルーブ7の管理が必要になるが、従来のVグルーブの検査は人手に頼らざるを得なかったことから作業時間及び労力から全数検査を行うことはできず、陰極板をランダムに抜き出して抜き取り検査を行うしかなかった。また、Vグルーブの深さは作業員がノギスを使用して測定していたため、測定誤差が大きくなるという精度上の問題もあった。電解精製工場では多数(例えば、数万枚)の陰極板1を保有しているため、全数についてVグルーブの深さを人手により測定することは実際上も困難である。尚、不良と判定された陰極板は、再加工によって深さ1.4mmに修正され通常ラインに戻される。
【0005】
ここで、1枚ごとに陰極板のVグルーブを管理する方法が特許文献1に開示されている。この「陰極板Vグルーブ管理方法」は、剥取装置によって陰極板(陰極板)から電気銅を剥ぎ取る際、剥取装置の剥ぎ取り回数(フラップ回数)を測定し、これによってVグルーブの加工修理時期を判定することで、Vグルーブが磨耗により浅くなったものを容易且つ的確に発見できるようにしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−274299号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述した従来の陰極板Vグルーブの管理方法は、剥取装置のフラップ回数を測定してVグルーブの加工修理時期を判定しているため、設定したフラップ回数になってもVグルーブに不良レベルの磨耗が生じておらず、継続使用が可能な場合でも、不良品として判定されることがあるという問題がある。
【0008】
そこで、本発明は、かかる問題点に鑑みなされたもので、陰極板の全数についてVグルーブの形状を自動的、且つ、簡便に検査することができるようにすることで、Vグルーブの良否の判定を高精度に行うことを可能として作業時間の短縮化を図るとと共に、人手に頼らざるを得なかった作業から作業者を開放することにより作業労力の低減を図ることが可能な陰極板Vグルーブの管理方法及びシステム提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために請求項1に記載の発明は、金属の電解精製に使用する陰極板の底部に形成されたVグルーブの深さを管理する陰極板のVグルーブ管理方法において、陰極板に電着した電着金属を剥取装置によって剥離した後の当該陰極板を移載装置まで搬送する途中で、陰極板のVグルーブの深さを変位センサで測定し、その測定値と予め設定されたVグルーブの深さの設定値とを比較してVグルーブの深さが設定値よりも小さい場合には当該陰極板を移載装置によってリジェクトコンベアへ抜き出すことを特徴とする。
【0010】
上記課題を解決するために請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の陰極板Vグルーブの管理方法において、変位センサは、二次元レーザ変位センサであることを特徴とする。
【0011】
上記課題を解決するために請求項3に記載の本発明は、請求項1又は2に記載の陰極板のVグルーブ管理方法において、設定値は、1.0mmであることを特徴とする。
【0012】
上記課題を解決するために請求項4に記載の本発明は、金属の電解精製に使用する陰極板の底部に形成されたVグルーブの深さを管理する陰極板のVグルーブ管理システムにおいて、陰極板に電着した電着金属を剥取装置によって剥離した後の当該陰極板を移載装置まで搬送する途中位置に配置され、陰極板のVグルーブの深さを測定する変位センサと、変位センサによって測定されたVグルーブの深さの測定値が予め設定されたVグルーブの深さの設定値よりも小さい場合には当該陰極板をリジェクトコンベアへ抜き出すように移載装置を制御する制御装置とを備えてなることを特徴とする。
【0013】
上記課題を解決するために請求項5に記載の本発明は、請求項4に記載の陰極板のVグルーブ管理システムにおいて、変位センサは、二次元レーザ変位センサであることを特徴とする。
【0014】
上記課題を解決するために請求項6に記載の本発明は、請求項4又は5に記載の陰極板のVグルーブ管理システムにおいて、設定値は、1.0mmであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る陰極板のVグルーブ管理方法及びシステムによれば、陰極板の全数についてVグルーブの良否を自動的に測定することで、全ての陰極板のVグルーブを高精度に検査することが可能になるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】パーマネントカソードの全体構成を示す斜視図である。
【図2】陰極板のVグルーブの良品形状及び不良品形状を示す断面図である。
【図3】電気銅板の回収システム及びこれに適用された陰極板Vグルーブの管理システムの一実施形態の概要図である。
【図4】図3に示す測定装置の構成要素である変位センサの構成図である。
【図5】本発明に係る陰極板Vグルーブの管理システムの一実施形態を示すブロック図である。
【図6】本発明に係る陰極板Vグルーブの管理方法及びシステムの動作を示すフローチャートである。
【図7】本発明に係る陰極板Vグルーブの管理方法及びシステムの実施例の測定結果を示す位置−高さの特性図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
はじめに、電気銅板の回収システムの好ましい一実施形態の概要について説明した後、本発明に係る陰極板のVグルーブ管理方法及びシステムの一実施形態について説明する。図3は電気銅板の回収システム及びこれに適用された陰極板のVグルーブ管理システムの一実施形態の概要図である。
【0018】
図3に示す電気銅板の回収システム100は、電解精製が終了し、その両表面に電気銅2が電着した多数の陰極板1を系内へ搬入するロードインコンベア101と、陰極板1の洗浄を行う洗浄装置102と、洗浄装置102によって洗浄された陰極板1を姿勢を変えることなくその搬送方向をクロスバー4の長手方向と同じ方向に搬送するトラバースコンベア6へ移載する第一の移載装置35aと、トラバースコンベア6により搬送されてきた陰極板1から電気銅2を引き剥がす剥取装置103と、電気銅2が引き剥がされた後のVグルーブ7の深さが設定値より小さい陰極板(以下、不良陰極板1bという。)をリジェクトコンベア8へ移載すると共に、Vグルーブ7の深さが設定値以上の陰極板(以下、良品の陰極板1aという。)を回収するためのロードアウトコンベア104へ移載する第二の移載装置35bと、陰極板1から引き剥がされた板状の電気銅2を2枚1組に重ね合わせる重合装置107と、重合装置107によって重ね合わされた電気銅2を搬送する電気銅搬送装置106と、電気銅搬送装置106によって搬送される電気銅2にフラットプレス及びコルゲーションを行うプレス装置108と、プレスが終わった電気銅2を所定の枚数ずつ積載ならびに秤量してラベリング、マーキング等を行った後に梱包し、その梱包後の電気銅2を回収する銅板搬出部109と、剥取装置103からの陰極板1のVグルーブ7の良否をレーザ光によって測定し、その測定結果に基づいて陰極板1をロードアウトコンベア104へ移載するかリジェクトコンベア8へ移載するかを制御するVグルーブ管理システム200とを含んで構成されている。
【0019】
Vグルーブ管理システム200は、剥取装置103と第二の移載装置35bの間の陰極板1が通過するラインの直下に配設され、剥取装置103から搬送されてくる全ての陰極板1のVグルーブ7についてその距離の変化として測定する測定装置20と、測定装置20からの測定データに基づいてVグルーブ7の良否を判定し該判定結果に応じてリジェクトコンベア8やロードアウトコンベア104への移載を制御し、さらには剥取装置103を制御する制御装置30とを備えて構成されている。
【0020】
測定装置20は、二次元レーザによる変位センサ21を備えて構成されている。変位センサ21は、図4に示すように、搬送される陰極板1の下方に配設され、その構成は概略として、レーザ光を発生する半導体レーザ211と、半導体レーザ211からのレーザ光をVグルーブ7に導く投光レンズ212と、半導体レーザ211を駆動する駆動回路213と、半導体レーザ211からのレーザ光がVグルーブ7の表面で反射したレーザ光を集光する受光レンズ214と、受光レンズ214からの光を受光する光位置検出素子(PSD:Position Sensitive Detector)215とを備えている。尚、変位センサ21は、ケーブル217によって制御装置30に接続されており、変位センサ21の電源は制御装置30から供給される。
【0021】
変位センサ21は、三角測量の方法を応用して構成されており、半導体レーザ211からのレーザ光は投光レンズ212を介してVグルーブ7の下面に照射され、その反射光の一部が受光レンズ214を介して光位置検出素子215上にスポットを結ぶようになっている。陰極板1が第二の移載装置35bの方向へ移動するとVグルーブ7の表面の反射位置が変化し、Vグルーブ7の表面の変位を知ることができる。ここで、電気銅2を剥ぎ取った後の陰極板1は、第二の移載装置35bに至るまでは、トラバースコンベア6上に乗った状態で搬送されるので、変位センサ21による計測の際には図示しない陰極板吊上装置により陰極板1を持ち上げで陰極板1の底部のVグルーブ7が露出するようにする。尚、電気銅2を剥ぎ取った後の陰極板1を第二の移載装置35bまで搬送するためのコンベアがクロスバー4を支持しながら陰極板1を浮かせた状態で搬送するものである場合には搬送状態においてVグルーブ7が露出しているので陰極板吊上装置を設置する必要はない。
【0022】
さらに、この変位センサ21は、Vグルーブ7の位置と高さをレーザ光により1μm単位で計測することができるもので、半導体レーザ211からレーザ光を照射し、Vグルーブ7の高さ(段差)を測定する。変位センサ21としては、例えば「株式会社キーエンス」製の「LJシリーズ」を使用することでき、それによれば測定の位置と高さを1μm単位で計測することができる。図4に示すように、変位センサ21で測定された測定データは制御装置30に送られる。制御装置30では、発光位置からVグルーブ7の一方の先端(下端)部までの距離D及び他方の先端(下端)部までの距離Dのそれぞれと、発光位置からVグルーブ7の頂点位置(最深点)までの距離Dとの差異を算出することで溝の深さを算出し、予め設定した設定値(例えば1.0mm)以下であれば不良と判定するシステムとする。この設定値は、これまでの経験から適宜に求めることができる。尚、測定タイミングは、(D−D)=D及び(D−D)=Dの各値(溝測定値)が最大値となる瞬間とする。
【0023】
制御装置30は、図示しないが汎用のコンピュータを構成する各種のデバイス、例えば、データを記憶するメモリ等の記憶装置、記憶装置に記録されたプログラムに基づいて各種の情報処理を行う中央処理装置、必要なデータの入力を行うキーボードやマウス等の入力装置、処理状況を画面に表示する表示装置、測定装置20との間でデータの送受信を行う通信手段等を備えている。尚、これらのデバイス類は公知であるため、ここでの説明は省略する。
【0024】
次に、上述の電気銅板の回収システム100及びVグルーブ管理システム200の動作の概要について説明する。図5は本発明に係る陰極板の一実施形態を工程順に示したブロック図である。まず、電解精製が終了した多数の陰極板1は図示しないクレーンによって吊り下げられた状態でロードインコンベア101に搬入される。搬入された多数の陰極板1は、ロードインコンベア101により陰極板1表面に対して垂直な方向に搬送されながら洗浄装置102まで運ばれて所定の枚数毎に同時に洗浄が行なわれる。洗浄された陰極板1は第一の移載装置35aによってトラバースコンベア6に移載され、今度は陰極板1の搬送方向を陰極板1の表面に対して平行な方向(すなわちクロスバー4の軸方向)に偏向して1枚ずつ連続的に剥取装置103へ向かって搬送される。
【0025】
陰極板1から引き剥がされた電気銅2は、重合装置107によって2枚1組に重ね合わせられると共に、少なくとも2箇所以上の位置で適当な方法にて接合を行い固定されて電気銅搬送装置106に移載される。2枚1組に重ね合された電気銅2は、電気銅搬送装置106によって搬送されつつプレス装置108によってフラットプレス及びコルゲーションが行われる。そして、プレスが終わった電気銅2は所定の枚数ずつ積載して秤量し、ラベリング、マーキング等を行った後梱包され、銅板搬出部109から回収される。
【0026】
剥取装置103によって電気銅2が剥ぎ取られた陰極板1はトラバースコンベア6によって第二の移載装置35bに向けて搬送される。そして、その途中において図示しない陰極板吊上装置によって陰極板1を持ち上げて陰極板1の底部のVグルーブ7を露出させ、搬送中の陰極板1に対し測定装置20によりVグルーブ7の深さ計測される(図6参照)。すなわち、変位センサ21の真上に陰極板1が到達すると(ステップS1)、変位センサ21によって当該陰極板1のVグルーブ7に対してレーザ光を照射し、その反射光を受光してVグルーブ7の深さを測定する(ステップS2)。この測定結果に基づいて、制御装置30は上述した(D−D)=D、(D−D)=Dの演算を行ってVグルーブ7の深さを算出し、設定値D(例えば1.0mm)と比較し、設定値D以上か否かを判定する(ステップS3)。即ち、D≧DまたはD≧Dの一方の関係が満たされれば不良品と判定する。具体的には、設定値D(1.0mm)以下であれば不良品と判定し(ステップS6)、設定値D(1.0mm)に達していなければ良品と判定(ステップS4)する。この判定結果に基づいて、制御装置30は第二の移載装置35bを制御し、良品と判定された陰極板1aをロードアウトコンベア104へ移載し(ステップS5)、不良品と判定された不良陰極板1bはリジェクトコンベア8へ移載して(ステップS7)系外へ排除するように第二の移載装置35bを制御する。これにより、良品の陰極板1aは再度電解精製に供せられ、第二のリジェクトコンベア8へ排除された不良陰極板1bは適宜にその形状の矯正が行われる。
【0027】
[実施形態の効果]
本実施形態に係る陰極板のVグルーブ管理方法及びシステムによれば、測定装置20の変位センサ21によって陰極板1のVグルーブ7のVの深さを測定し、これを予め設定された設定値と比較することによってVグルーブ7の良否の判定を高精度に行うことができるという効果がある。
さらには、陰極板1の全数のVグルーブ7の自動測定が可能になったことで当該作業の人員を不要にでき、測定時間の大幅に短縮されると共に、作業効率の向上が図れという効果がある。
【実施例】
【0028】
次に、本発明の実施例について説明する。本発明らは、Vグルーブ7のV溝の深さの適正(良品)と、不適性(不良品)について、水平方向の位置(μm)に対する距離即ち高さ(μm)を1μm単位で測定したところ、表1及び表2に示す結果を得た。そして、表1及び表2の数値をプロットしたところ、図7(a),(b)のようなグラフになった。ここで、図7(a)は良品の陰極板1a、図7(b)は不良品の陰極板1bを示している。
【0029】
【表1】

【0030】
【表2】

【0031】
表1、表2及び図7(a),(b)から明らかなように、Vグルーブ7の先端(下端)部の磨耗等の様子が明確に数値になって表れている。従って、上述したようにして(D−D)=D、(D−D)=Dの演算を行えばVグルーブ7の深さ算出でき、この結果と設定値Dを比較することによりVグルーブ7の良否を判定することができる。
【0032】
以上のように、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能であることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0033】
1 陰極板
1a 良品の陰極板
1b 不良陰極板
2 電気銅
3 窓部
4 クロスバー
5 プロクテクタ
6 トラバースコンベア
7 Vグルーブ
8 リジェクトコンベア
9 底部
20 測定装置
21 変位センサ
30 制御装置
35a 第一の移載装置
35b 第二の移載装置
100 回収システム
101 ロードインコンベア
102 洗浄装置
103 剥取装置
104 ロードアウトコンベア
106 電気銅搬送装置
107 重合装置
108 プレス装置
109 銅板搬出部
200 Vグルーブ管理システム
211 半導体レーザ
212 投光レンズ
213 駆動回路
214 受光レンズ
215 光位置検出素子
217 ケーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属の電解精製に使用する陰極板の底部に形成されたVグルーブの深さを管理する陰極板のVグルーブ管理方法において、
前記陰極板に電着した電着金属を剥取装置によって剥離した後の当該陰極板を移載装置まで搬送する途中で、前記陰極板の前記Vグルーブの深さを変位センサで測定し、その測定値と予め設定されたVグルーブの深さの設定値とを比較して前記Vグルーブの深さが前記設定値よりも小さい場合には当該陰極板を前記移載装置によってリジェクトコンベアへ抜き出すことを特徴とする陰極板のVグルーブ管理方法。
【請求項2】
請求項1に記載の陰極板Vグルーブの管理方法において、
前記変位センサは、二次元レーザ変位センサであることを特徴とする陰極板のVグルーブ管理方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の陰極板のVグルーブ管理方法において、
前記設定値は、1.0mmであることを特徴とする陰極板のVグルーブ管理方法。
【請求項4】
金属の電解精製に使用する陰極板の底部に形成されたVグルーブの深さを管理する陰極板のVグルーブ管理システムにおいて、
前記陰極板に電着した電着金属を剥取装置によって剥離した後の当該陰極板を移載装置まで搬送する途中位置に配置され、前記陰極板の前記Vグルーブの深さを測定する変位センサと、
前記変位センサによって測定された前記Vグルーブの深さの測定値が予め設定されたVグルーブの深さの設定値よりも小さい場合には当該陰極板をリジェクトコンベアへ抜き出すように前記移載装置を制御する制御装置と、
を備えてなることを特徴とする陰極板のVグルーブ管理システム。
【請求項5】
請求項4に記載の陰極板のVグルーブ管理システムにおいて、
前記変位センサは、二次元レーザ変位センサであることを特徴とする陰極板のVグルーブ管理システム。
【請求項6】
請求項4又は5に記載の陰極板のVグルーブ管理システムにおいて、
前記設定値は、1.0mmであることを特徴とする陰極板のVグルーブ管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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