陳列装置
【課題】商品の購入者に商品の存在をより確実に認識させる。
【解決手段】陳列装置30は、陳列装置30の手前側に位置する容器を陳列装置30の奥側に向けて一方向に移動させる第1移動ユニット100、第1移動ユニット100により移動してきた容器を上記一方向とは直交する方向(交差する方向)に移動させる第2移動ユニット200、第2移動ユニット200により移動してきた容器を陳列装置30の手前側に向けて移動させる第3移動ユニット300を備えている。
【解決手段】陳列装置30は、陳列装置30の手前側に位置する容器を陳列装置30の奥側に向けて一方向に移動させる第1移動ユニット100、第1移動ユニット100により移動してきた容器を上記一方向とは直交する方向(交差する方向)に移動させる第2移動ユニット200、第2移動ユニット200により移動してきた容器を陳列装置30の手前側に向けて移動させる第3移動ユニット300を備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器を陳列する陳列装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばコンビニエンスストアなどにおいては、ペットボトルなど飲料が充填された容器が、陳列装置に縦置きに載せられて販売される。そしてこのような陳列装置は、例えば、容器自身の自重により陳列ケースの前方に容器が移動するように傾斜した状態で配置される。そして、手前側(最前列)の1つの容器を抜き取ると、後続の容器が自重で手前側に移動する。
【0003】
ここで陳列装置の容器が載せられる箇所には、容器の滑りの良さから例えばプラスチックの平板が設けられる。また、近年では回転可能なローラを多数配置した陳列装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、容器の補充は陳列装置の後方側から行うのが一般的であるが、手前側からの容器の投入を可能とするとともに、奥側に移動した容器が、再度手前側に移動し陳列される陳列装置も提案されている(例えば、特許文献2参照)。さらに、容器に関するものとして、缶底に形成された環状凸部の内周壁に、内側凹部と縦リブとが円周方向に交互に形成された缶が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−155701号公報
【特許文献2】米国特許第6502408号
【特許文献3】特開2000−211624号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
コンビニエンスストアなどの店舗に設置される陳列装置では、静止した状態で商品が陳列されるのが一般的である。ここで、商品の存在を商品の購入者により確実に認識させることができれば、商品が購入される可能性をより高めることが可能となる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明が適用される陳列装置は、内容物が充填された容器を陳列する陳列装置であって、容器が取り出される取り出し部と、一方の側から取り出し部まで容器を移動させる第1の移動手段と、容器を取り出し部から一方の側に移動させる第2の移動手段と、を含む陳列装置である。
【0007】
ここで、容器を周方向に回転させ、容器に付された標記を特定の方向に向ける回転手段を更に備えることを特徴とすることができる。また、回転手段は、第1の移動手段により移動する容器を周方向に回転させ標記を特定の方向に向けることを特徴とすることができる。さらに、回転手段は、容器の移動経路に突出する突出部を複数有し、移動する容器に設けられた複数の面に対して突出部を順次接触させることで容器を周方向に回転させることを特徴とすることができる。また、回転手段は、移動する容器の外周面に対して移動に対する抗力を付与することで容器を周方向に回転させることを特徴とすることができる。また、第2の移動手段は、容器を下方から支持する支持面を有し、支持面に付与された傾斜を利用して容器を一方の側に移動させることを特徴することができる。
【0008】
さらに、取り出し部にて、第2の移動手段は第1の移動手段よりも上方に位置し、第1の移動手段により取り出し部に移動してきた容器を上昇させる上昇手段を更に備えることを特徴とすることができる。また、第1の移動手段は、容器を下方から支持する容器支持部を取り出し部に有し、上昇手段は、第1の移動手段の容器支持部を上昇させることで容器の上昇を行うことを特徴とすることができる。さらに、第2の移動手段は、容器を下方から支持する容器支持部を有し、上昇手段は、第2の移動手段の容器支持部を下降させるとともに容器支持部を上昇させることで容器の上昇を行うことを特徴とすることができる。また、上昇手段により上昇が行われている容器が上昇手段から除去されたことを検知する検知手段を更に備え、上昇手段は、容器を支持する容器支持部を予め定められた位置まで上昇させることで容器の上昇を行うとともに上昇を行った後容器支持部を下降させ、容器支持部の上昇を行っているときに検知手段にて除去が検知された場合には容器支持部を予め定められた位置まで上昇させずに下降させることを特徴とすることができる。また、上昇手段は、容器を支持する容器支持部を上昇させることで容器の上昇を行うとともに上昇を行った後容器支持部を下降させ、陳列装置が収納される収納ケースに設けられ容器が取り出される際に操作されるドアの開操作がなされた場合には容器支持部の上昇又は下降を停止することを特徴とすることができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明を採用しない場合に比べ、商品の購入者に商品の存在をより確実に認識させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態に係る陳列装置の概略構成を示した図である。
【図2】陳列装置が陳列ケースに収容された状態を示す図である。
【図3】陳列装置における容器の動作を示した図である。
【図4】昇降部を説明するための図である。
【図5】昇降部を説明するための図である。
【図6】回転機構を説明するための図である。
【図7】容器を説明するための図である。
【図8】容器を説明するための図である。
【図9】回転機構における容器の動作を説明するための図である。
【図10】容器の他の動作例を示した図である。
【図11】容器の他の動作例を示した図である。
【図12】容器の他の形態を示した図である。
【図13】第3移動ユニットの斜視図である。
【図14】第3移動ユニットにおける容器の動作を示した図である。
【図15】第2の実施形態における陳列装置を示した図である。
【図16】昇降部を説明するための図である。
【図17】昇降部を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
―第1の実施形態―
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る陳列装置の概略構成を示した図である。図2は、陳列装置が陳列ケースに収容された状態を示す図である。
図1に示すように本実施形態における陳列装置30は、陳列装置30の手前側に位置する容器(詳細は後述)を陳列装置30の奥側に向けて一方向に移動させる第1移動ユニット100、第1移動ユニット100により移動してきた容器を上記一方向とは直交する方向(交差する方向)に移動させる第2移動ユニット200、第2移動ユニット200により移動してきた容器を陳列装置30の手前側に向けて移動させる第3移動ユニット300を備えている。また、陳列装置30に設けられたモータ(後述)などを制御したり、センサ(後述)からの信号を受信したりする制御部400を備えている。なお、制御部400は、プログラム制御されたCPU(Central Processing Unit)により構成されている。
【0012】
ここで、本実施形態における陳列装置30では、第2移動ユニット200に容器が投入される。言い換えると、第2移動ユニット200に容器の投入部が設けられている。また、本実施形態における陳列装置30では、陳列装置30の手前側であって第3移動ユニット300の端部に容器の取り出し部が設けられている。
【0013】
上記陳列装置30は、図2に示すように、コンビニエンスストア、スーパーマーケットなどに設置される陳列ケース10(収納ケースの一例)の内部に収納される。この陳列ケース10は、直方体状に形成されたケース本体部10Aと、このケース本体部10Aに対して開閉可能に設けられたドア10Bとにより主要部が構成されている。また、陳列ケース10には、ドア10Bの開閉を検知する開閉検知センサ10Sが設けられている。
【0014】
ここで陳列装置30は、陳列ケース10に設けられた棚(不図示)の上に載せられる。この際、陳列装置30は、容器の取り出し部が設けられた側がドア10B側に位置するように設置される。また、本実施形態における陳列ケース10は、後方側にもドアが設けられ(不図示)、後方側も開放可能となっている。そしてこの後方側より、陳列装置30の第2移動ユニット200に対して容器20(図3参照)が投入される。そして、投入された容器20は第3移動ユニット300を移動し容器の取り出し部まで到達する。その後、容器は、第1移動ユニット100、第2移動ユニット200の順に移動を行い、第3移動ユニット300に再度移動してくる。そして、再度容器の取り出し部に移動する。即ち、本実施形態における陳列装置30では、容器が循環移動するようになっている。
【0015】
陳列装置30についてさらに詳細に説明する。
第2の移動手段として機能する第1移動ユニット100は、図1に示すように、第3移動ユニット300から移動してきた容器を上昇させるとともに容器を上昇させた後に下降する昇降部120と、昇降部120により上方に移動した容器を第2移動ユニット200に向けて移動させる移動部130とを備えている。
【0016】
上昇手段の一つとして機能する昇降部120は、板状に形成され容器を下方から支持する支持部121(容器支持部の一例)と、支持部121の上面に取り付けられるとともに回転可能に設けられ容器を移動部130に向けて送り出す送り出しロール122と、送り出しロール122を回転駆動する駆動モータ(不図示)とを備えている。また昇降部120は、支持部121の下部に取り付けられるとともに陳列装置30の前面側に位置し、支持部121が上昇した際に壁面を形成する第1側板123Aを備えている。さらに、支持部121の下部に取り付けられるとともに第3移動ユニット300と対向する側に位置し、支持部121が上昇した際に壁面を形成する第2側板123Bを備えている。ここで、本実施形態では図示を省略しているが、第1側板123Aに対して商品名や商品名などの標記を付すことにより、支持部121が上昇した際に宣伝広告効果が生じさせることができる。また、昇降部120は、支持部121上における容器の有無を検知する有無検知センサS1を備えている。
【0017】
移動部130は、板状に形成されるとともに昇降部120が設けられている側よりも第2移動ユニット200が設けられている側の方が低くなっている。即ち、陳列装置30の手前側から奥側に向かって下り傾斜した状態で配置されている。移動部130は、この傾斜を利用して、第2移動ユニット200に向けて容器を移動させる。付言すると、移動部130のうち容器を支持する支持面(移動部130の上面)には傾斜が付与され、移動部130は、この傾斜を利用して、第2移動ユニット200に向けて容器を移動させる。なお、図1では図示を省略しているが、移動部130の上面には、回転可能に設けられ容器が移動してきた際に回転する回転ローラが設けられている。
【0018】
第2移動ユニット200は、板状に形成され容器を下方から支持する支持部210を備えている。そしてこの支持部210は、第3移動ユニット300に接続された側の方が第1移動ユニット100に接続された側よりも低くなっている。即ち、支持部210は、第1移動ユニット100側から第3移動ユニット300側に向かって下り傾斜した状態で配置されている。第2移動ユニット200は、この傾斜を利用して、第3移動ユニット300に向けて容器を移動させる。なお、支持部210の上面にも、回転可能に設けられ容器が移動してきた際に回転する回転ローラが設けられている。
【0019】
第1の移動手段として機能する第3移動ユニット300は、板状に形成され容器を下方から支持する支持部310を備えている。そしてこの支持部310は、手前側の方が奥側(第2移動ユニット200が設けられている側、陳列装置30の一方の側)よりも低くなっている。言い換えると、支持部310は、陳列装置30の奥側から陳列装置30の手前側に向かって下り傾斜した状態で配置されている。第3移動ユニット300は、支持部310の傾斜を利用して、陳列装置30の手前側(容器の取り出し部)に向けて容器を移動させる。
【0020】
また第3移動ユニット300は、第1移動ユニット100の昇降部120と隣接する箇所に、容器をこの昇降部120に向けて移動させる移動ローラ320を備えている。さらに、この移動ローラ320を回転駆動させる駆動モータ(不図示)を備えている。また、移動ローラ320の上方における容器の有無を検知する有無検知センサS2を備えている。さらに第3移動ユニット300は、第2移動ユニット200から移動してきた容器を周方向に回転させ容器に付された識別標記(後述)を陳列装置30の前方に向ける回転機構350を備えている。なお、移動ローラ320よりも容器の移動方向上流側には、回転可能に設けられ容器が移動してきた際に回転する回転ローラが設けられている(不図示)。また、回転機構350の詳細については後述する。
【0021】
図3は、陳列装置30における容器の動作を示した図である。
第2移動ユニット200に投入された容器20(符号3A参照)は、第3移動ユニット300を陳列装置30の前方に向かって移動していく。この際、回転機構350によって、符号3Bに示すように周方向に回転する。これにより、符号3Cに示すように、容器20に付された識別標記23が陳列装置30の前方を向くようになる。その後、容器20は、識別標記23が前方を向いた状態で移動ローラ320(図1参照)により移動され、昇降部120の支持部121に載せられる。そして、有無検知センサS1により容器20が検知されると、制御部400からの指示に基づき、支持部121が上昇する。
【0022】
その後、送り出しロール122(図1参照)の回転が開始され、容器20は、第1移動ユニット100の移動部130に送り出される。そして容器20は、第2移動ユニット200に到達する。そして容器20は、第3移動ユニット300に再度進入する。その後、容器20が購入者によって取り出されるまで、容器20は、第3移動ユニット300、第1移動ユニット100、第2移動ユニット200の順に移動する。即ち、本実施形態では、容器20が取り出されるまで容器20は循環移動する。
【0023】
なお、上記送り出しロール122による容器20の送りだしが行われた後、支持部121は下降し元の位置に戻る。また、開閉検知センサ10S(図2参照)にてドア10Bが開けられたことが検知された場合、支持部121の上昇や下降を停止させることが好ましい。そして、ドア10Bが閉じられた後に、支持部121の上昇や下降を再開させることが好ましい。
【0024】
ここで、回転手段の一例としての回転機構350は、第1移動ユニット100や第2移動ユニット200に設けることもできる。この場合、陳列装置30の後方に向かって容器20が移動する際や陳列装置30の幅方向に容器20が移動する際に容器20の識別標記23が前方を向くようになる。ところでこの場合、容器20が、最初に第3移動ユニット300を移動する際に識別標記23が前方を向かないことになる。この結果、陳列装置30に投入され未だ第1移動ユニット100等に到達していない容器20は、容器20の取り出し部において識別標記23が前方を向かない状態となる。また、第1移動ユニット100へ移動する際、および第1移動ユニット100の昇降部120にて上昇する際も、識別標記23が前方を向かない状態となる。このため識別標記23を早い段階で前方に向けるためには、回転機構350を第3移動ユニット300に設けることが好ましくなる。さらに、容器20の取り出し部により近い位置にて容器20を回転させた方が、取り出し部にて、容器20の識別標記23がより確実に前方を向くようになる。
【0025】
ここで昇降部120、回転機構350、および容器20について更に詳細に説明する。
図4および図5は、昇降部120を説明するための図である。
図4に示すように、昇降部120は、支持部121の下面に接続され支持部121から下方に向かって配置された接続部材124を備えている。そして、この接続部材124は、自身の側面にラックギア部124Aを有している。また、昇降部120は、このラックギア部124Aに噛み合って設けられた円形ギア125を備えている。さらに昇降部120は、この円形ギア125を回転させるモータ(不図示)を備えている。本実施形態では、このモータによって円形ギア125が回転される。これにより、図5に示すように、接続部材124が上昇するとともに支持部121が上昇する。なお、支持部121の上昇は、エアシリンダ、ソレノイド等を用いて行うこともできる。
【0026】
図6は、回転機構350を説明するための図である。なお、同図(A)は第3移動ユニット300の上面図であり、同図(B)は第3移動ユニット300の右側面図である。
ここで上記では説明を省略したが、第3移動ユニット300は、容器20の移動経路の両側方にガイド360を備えている。また、第1移動ユニット100および第2移動ユニット200にも不図示のガイドが設けられている。
【0027】
回転機構350は、同図(A)に示すように、容器20の移動経路に沿って設けられ且つ支持部310の上方に設けられた棒状部材511と、この棒状部材511に取り付けられ容器20の移動経路に突出した突出部の一例としての第1ピン521〜第6ピン526を備えている。ここで本実施形態では、容器20の移動方向最上流側に第1ピン521が配置され、移動方向最下流側に第6ピン526が配置されている。また、第1ピン521〜第6ピン526の各々は、一定の間隙をおいて配置されている。また、回転機構350は、棒状部材511を右方側のガイド360に固定する固定部材53を備えている。
【0028】
また、同図(B)に示すように、棒状部材511には、前方に向かうに従い支持部310から離れるような傾斜が付与されている。このため、本実施形態では、第1ピン521が支持部310の最も近くに配置され、第6ピン526が支持部310から最も離れた箇所に位置している。付言すれば第1ピン521〜第6ピン526は、高さ方向における位置が互いにずらされて配置されている。なお、本図では、理解を容易にするため、棒状部材511の傾斜を実際の傾斜よりも大きく表示している。
【0029】
次に、容器20について説明する。
図7および図8は、容器20を説明するための図である。なお、図7(A)は容器20の正面図を示し、同図(B)は容器20の左側面図を示している。また、図8(A)は容器20の背面図を示し、同図(B)は容器20の右側面図を示している。また、図7(A)、(B)、図8(A)、(B)の各々の上部に表示した図は、A−A線における断面図を示している。
【0030】
本実施形態における容器20は、PET(ポリエチレンテレフタレート)などの樹脂材料により形成された容器を例示している。例えば、このような容器20は、樹脂材料を用いた射出成形(ブロー成形)法、樹脂材料を用いてプリフォームを成形後、これをブロー成形する方法により製造することができる。
図7(A)に示すように本実施形態における容器20は、上部に開口(飲み口)を有し且つ円筒状に形成され内部に飲料が充填された容器本体21と、容器本体21の開口を塞ぐキャップ22とを備えている。また容器本体21の外周面には、フィルムFが装着されている。なお、容器本体21は、上部側の径が底部側の径よりも小さくなっている。即ち、容器本体21は、上部側が縮径された状態となっている。そして本実施形態では、この縮径された部分(縮径部)に対し後述する第2突出部25が設けられている。
【0031】
ここでフィルムFには、同図(A)に示すように、商品名、商標名など他の商品と識別するための識別標記23が印刷されている。
また容器20は、容器本体21の上部に(キャップ22の下部に)、容器本体21の外周面から容器本体21の径方向に環状に突出した第1突出部24を備えている。ここで、この第1突出部24は、容器本体21と一体に形成されている。
【0032】
さらに容器20は、第1突出部24の下部に、第2突出部25を備えている。ここで、この第2突出部25の突出量は、第1突出部24の突出量よりも小さくなっている。この場合、第2突出部25が第1突出部24よりも突出している場合に比べ、キャップ22を操作をする際のユーザの手指が第2突出部25に引っ掛かりにくくなる。また、第2突出部25は、図7(A)の断面図に示すように、識別標記23が設けられた側から識別標記23が設けられた側とは反対側にかけて、容器本体21に巻き付くように設けられている。付言すれば、識別標記23が設けられた側から反対側に向かって時計回り方向に沿って設けられている。さらに説明すると、第2突出部25は、容器本体21の周方向における所定範囲内に設けられている。
【0033】
さらに説明すると、容器20は、容器20を識別標記23が設けられた側から眺めた場合に(図7(A)参照)、容器20の右側面側に、第2突出部25が設けられていない構成となっている。付言すると、第2突出部25が設けられている高さ方向の位置において、容器20の右側面側は(第2突出部25に隣接する領域は)、容器本体21が露出する状態となっている。さらに説明すると、容器本体21の右側面に対する接線且つ容器20の正面側から背面側に向かう接線であって上記第2突出部25が設けられた高さ位置を通る接線(図7(A)の断面図参照)よりも容器20の右方側には、第2突出部25が設けられていない構成となっている。
【0034】
また、第2突出部25は、その下面が階段状に形成されており、複数の段部を備えた構成となっている。詳細に説明すると、第2突出部25は、時計回り方向に進むに従い高さが減少するように、その下面が階段状に形成されている。このため、本実施形態における第2突出部25は、その下部に、高さ方向における位置が互いに異なる第1平坦面251〜第6平坦面256を備えた構成となっている。付言すると、第2突出部25は、高さ方向における位置が互いに異なりまた容器本体21の周方向における位置が互いに異なる複数の端面を有している。
【0035】
ここで、第1平坦面251〜第6平坦面256の各々は、図7(A)の断面図に示すように、容器本体21の外周面に対して交差する関係(略直交する関係)で配置されている。また、第1平坦面251は、図7(A)に示すように、識別標記23が設けられた側に位置している。また、第6平坦面256は、図8(A)に示すように、識別標記23が設けられた側とは反対側に位置している。また、第2平坦面252〜第5平坦面255は、第1平坦面251から第6平坦面256に向かって、第2平坦面252、第3平坦面253、第4平坦面254、第5平坦面255の順に設けられている。さらに、容器20の周方向において、第1平坦面251〜第6平坦面256は所定の角度毎に設けられている。また、第1平坦面251が最も下部に位置し、第6平坦面256が最も上部に位置している。なお、第2突出部25は、容器20の形成時に形成することができる。また、例えば、樹脂片や金属片などの部材を別途貼付等したりして形成することができる。
【0036】
次いで回転機構350における容器20の動作について説明する。
図9は、回転機構350における容器20の動作を説明するための図である。なお、本図では、移動ローラ320や固定部材53の図示を省略している。また、図を見やすくするため、第1突出部24の上方に第1ピン521〜第6ピン526を表示している。
同図の符号5Aに示すように、識別標記23が右斜め前方を向いた状態で容器20が陳列装置30に投入された場合、第1ピン521に対し第1平坦面251が突き当たるようになる。これによって容器20には回転力(抗力)が付与され、容器20は反時計回りに回転を行うようになる。次いで容器20の前方への移動に伴い、第2ピン522に対し第2平坦面252が突き当たり(符号5B参照)、容器20は同様に反時計回りの回転を行う。
【0037】
その後、容器20は、第3ピン523に第3平坦面253が突き当たり、第4ピン524に第4平坦面254が突き当たり、第5ピン525に第5平坦面255が突き当たることで、周方向の回転を順次行っておく。そして最終的に、第6平坦面256が第6ピン526に突き当たることで(符号5C参照)、識別標記23が前方を向くようになる。その後、容器20は、支持部310上をスライドし陳列装置30の前方に到達する。
【0038】
本実施形態では、識別標記23と第2突出部25(第1平坦面251〜第6平坦面256)が設けられた領域とが予め定められた位置関係を有して配置されている。また、識別標記23と第2突出部25が設けられていない領域も予め定められた位置関係を有して配置されている。具体的には、識別標記23が一方向を向いている場合に、第2突出部25が設けられていない領域がこの一方向と直交する方向を向くようになっている。
【0039】
このため本実施形態では、識別標記23が前方以外の方向を向いている場合には容器20が回転し、識別標記23が前方を向いている場合には容器20は回転を行わない。付言すると、識別標記23が前方に向いていない状態で容器20の投入を行ったとしても、陳列装置30の前方側に容器20が達した際に識別標記23を前方に向いた状態となる。即ち本実施形態では、容器20を陳列装置30に投入する投入者が特別な操作をしないでも、識別標記23が前方を向くこととなる。
【0040】
なお上記では説明を省略したが、第1ピン521〜第6ピン526の各々は、高さ方向における位置が予め調整されている。即ち、第1ピン521と第1平坦面251とが突き当たるように、第2ピン522と第2平坦面252とが突き当たるように、第3ピン523と第3平坦面253とが突き当たるように、第1ピン521〜第3ピン523の各々は、高さ方向における位置が予め調整されている。また、第4ピン524と第4平坦面254とが突き当たるように、第5ピン525と第5平坦面255とが突き当たるように、第6ピン526と第6平坦面256とが突き当たるように、第4ピン524〜第6ピン526の各々は、高さ方向における位置が予め調整されている。
【0041】
次いで容器20の他の動作例を説明する。
図10、図11は、容器20の他の動作例を示した図である。
図10(A)に示すように、識別標記23が陳列装置30の後方側を向いた状態で容器20が投入された場合、第3平坦面253が陳列装置30の前方を向いた状態となる。そして容器20は前方へ移動することとなるが、この第3平坦面253は、第1ピン521、第2ピン522(図6(B)も参照)の上方を通過するようになる。このため、容器20は、回転せずに第3ピン523まで到達する。そして、容器20はこの第3ピン523から回転力を受け上記と同様に回転を行う。そして容器20は、上記と同様に、識別標記23が前方を向いた状態で陳列装置30(第3移動ユニット300)の前方に到達する。
【0042】
また例えば図10(B)に示すように、識別標記23が左斜め前方を向いた状態で容器20が投入された場合、第6平坦面256が陳列装置30の前方を向いた状態となる。そして容器20は前方へ移動することとなるが、この第6平坦面256は、第1ピン521〜第5ピン525(図6(B)も参照)の上方を通過するようになる。このため、容器20は、回転せずに第6ピン526まで到達する。そして、容器20はこの第6ピン526から回転力を受け上記と同様に回転を行う。そして容器20は、上記と同様に、識別標記23が前方を向いた状態で陳列装置30の前方に到達する。
【0043】
さらに例えば図11に示すように、識別標記23が前方を向いた状態で容器20が投入される場合もある。この場合、容器20の側面であって第1ピン521〜第6ピン526が配置された側と対向する側面には、第2突出部25が存在しない状態となる。付言すれば、第2突出部25が存在しない領域(面)と、第1ピン521〜第6ピン526が配置された側とが対峙するようになる。さらに付言すれば、第1ピン521〜第6ピン526に突き当たる第1平坦面251〜第6平坦面256が、容器20の図中右側面側に位置しない状態となる。このため、容器20は、回転を行うことなく陳列装置30の前方まで到達する。即ち、識別標記23が前方を向いた状態を維持したまま陳列装置30の前方まで到達する。
【0044】
また、容器20および回転機構350は次のような構成とすることもできる。
図12は、容器20の他の形態を示した図である。なお、同図(A)は容器20を一方側から図示したものであり、同図(B)は、容器20を他方側から図示したものである。また、同図(C)は同図(A)のS部における断面を示し、同図(D)は同図(A)のT部における断面を示している。
【0045】
図12に示す容器20は、いわゆる2ピース缶であり、飲料などの内容物が充填され且つプルタブ(不図示)を有した蓋部材が取り付けられている。
本容器20は、同図(A)および(B)に示すように、外周面に、第1領域R1〜第4領域R4を有している。ここでこれらの領域は、容器20の周方向において、第1領域R1、第2領域R2、第3領域R3、第4領域R4の順に設けられている。なお、第1領域R1の表面状態および第3領域R3の表面状態は同様に構成されている。また、第2領域R2の表面状態および第4領域R4の表面状態は同様に構成されている。このため以下の説明では、第1領域R1および第2領域R2を中心に説明する。さらに本実施形態では、表面における摩擦係数は、第1領域R1(第3領域R3)>第2領域R2(第4領域R4)となっている。
【0046】
ここで同図(C)を参照し第2領域R2の表面状態についてまず説明する。
同図(C)に示すように、第2領域R2には、容器本体50の表面にインキ層51が設けられている。また、インキ層51の表面にクレーター状の凹凸を有したトップコート層(最外層)52が設けられている。
【0047】
ここでインキ層51に用いるインキには、例えば金属印刷用のものを用いることができる。ここでインキの顔料(色量)としては、各種の有機顔料や無機顔料が用いられる。また、インキのビヒクルは、熱硬化性樹脂や紫外線硬化性樹脂等の樹脂を主成分としている。ここで熱硬化性樹脂としては、アルキッド型又はポリエステル型の樹脂等が用いられる。また、紫外線硬化性樹脂としては、紫外線ラジカル重合型、紫外線カチオン重合型の樹脂等が用いられる。さらに、インキには添加剤が含有されていても良い。添加剤としては、艶消し剤、ワックス類(天然系、石油系、合成系)、乾燥剤、分散剤、湿潤剤、架橋剤、ゲル化剤、増粘剤、皮張り防止剤、安定剤、消泡剤、光重合開始剤等が用いられる。
【0048】
またインキ層51は、いわゆるはじきインキにより形成されている。即ち、インキ層51は、このインキ層51の表面にトップコート層52を形成する塗料が塗られた場合にこの塗料をはじくインキにより形成されている。ここでトップコート層52における上記凹凸は、トップコート層52を形成する塗料がこのインキ層51によりはじかれることにより形成されたものである。
【0049】
なおトップコート層52を形成する塗料をインキ層51によりはじくためには(上記凹凸を形成するためには)、インキ層51の形成に用いるインキの表面張力を、トップコート層52の形成に用いる塗料の表面張力よりも5mN/m以上低く設定することが望ましい。換言すると、インキの表面張力が塗料の表面張力よりも低く、且つ、インキと塗料との間の表面張力の差が5mN/m以上であることが望ましい。ここでインキの表面張力の低下は、例えば、通常のインキにシリコーンを添加することにより行うことができる。
【0050】
一方、トップコート層52に用いる塗料は、熱硬化性樹脂や紫外線硬化性樹脂等の樹脂を主成分とするものであり、必要に応じてワックス成分を含有している。
熱硬化性樹脂としては、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、フラン−ホルムアルデヒド樹脂、キシレン−ホルムアルデヒド樹脂、ケトン−ホルムアルデヒド樹脂、アミノ樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂(例:ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂)、ビスマレイミド樹脂、トリアリルシアヌレート樹脂、熱硬化性アクリル樹脂、シリコーン樹脂、油性樹脂等が用いられる。
【0051】
さらに、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂との組成物を用いても良い。この場合、熱可塑性樹脂としては、塩化ビニル−マレイン酸−酢酸ビニル共重合体、アクリル重合体、飽和ポリエステル樹脂等が用いられる。これらの樹脂は、単独でも2種以上を組み合わせても使用できる。また、これらの樹脂組成物には、必要に応じて、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸等の公知の酸触媒が添加されていても良い。酸触媒を用いる場合は、酸触媒は樹脂に対して0.5〜1質量%添加するのが望ましい。また、これらの樹脂のうち、特に、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂と飽和ポリエステル樹脂との組成物や、熱硬化性アクリル樹脂とメラミン−ホルムアルデヒド樹脂との組成物を用いることが塗膜性能面で望ましい。
【0052】
一方、紫外線硬化性樹脂としては、例えば、カチオン硬化型樹脂、ラジカル硬化型樹脂等が用いられる。カチオン硬化型樹脂としては、紫外線硬化型エポキシ樹脂と光カチオン重合触媒との組成物等が用いられる。
【0053】
また、トップコート層52に用いる塗料において、上記の樹脂に架橋剤や増感剤を必要に応じて添加しても良い。架橋剤としては、種々のポリオール類(例:ε−カプロラクトントリオール)等が用いられる。増感剤としては、チオキサントン誘導体等が用いられる。
さらに、トップコート層52に用いる塗料に、滑りを補うために、ワックス成分として天然系、石油系、合成系のワックス剤を単独で又は複合して添加しても良い。
さらに、トップコート層52の表面のレベリング剤として、あるいは/更に、塗料状態での安定性を高めるためや初期滑り性をトップコート層52に付与するために、各種のシリコーンオイルを添加しても良い。
【0054】
なお、インキ層51およびトップコート層52の組成等の一例を挙げると以下のようになる。
[トップコート層52]
樹脂成分:ポリエステル30%、アクリル13%、アミノ55%、エポキシ2%
ワックス:石油系0.3%、天然系1%、合成系0.2%(樹脂成分に対し)
シリコーンオイル(混合):0.15%(樹脂成分に対し)
表面張力:33mN/m
厚さ:5μm
[インキ層51](はじきインキ)
主樹脂:アルキッド樹脂
顔料:TiO2
表面張力:28mN/m
厚さ:2μm
【0055】
次いで、同図(D)を参照し第1領域R1の表面状態について説明する。
同図(D)に示すように第1領域R1には、上記と同様、容器本体50の表面にインキ層51が設けられている。また、インキ層51の表面に、上記第2領域R2におけるトップコート層52よりも表面が平滑に形成されたトップコート層(最外層)52が設けられている。
【0056】
ここで第1領域R1におけるインキ層51は、トップコート層52を形成する塗料をはじかないインキ(通常インキ)を用いて形成している。付言すれば、インキ層51を形成するインキは、表面張力がトップコート層52を形成する塗料の表面張力と等しいか又はそれよりも高いインキが用いられている。このため第1領域R1では、トップコート層52を形成する塗料がはじかれず、トップコート層52の表面は、第2領域R2におけるトップコート層52に比べ平滑となる。なお、インキ層51を形成するインキの基本的な組成等は上記と同様である。トップコート層52を形成する塗料の基本的な組成等は上記と同様である。
【0057】
また本実施形態における容器20は、その外面(外周面)に、商品名、商標名など他の商品と識別するための第1識別標記23a、第2識別標記23bを有している(なお本明細書においては、以下単に「識別標記23」と称する場合がある。)。ここで、第1識別標記23aは第1領域R1に形成され、第2識別標記23bは第3領域R3に形成されている。なお、第1識別標記23aおよび第2識別標記23bは、上記インキ層51により形成されている。
【0058】
図13は、第3移動ユニット300の斜視図である。本図を用いて回転機構350の他の形態について説明する。
本図に示す第3移動ユニット300では、ガイド360および抵抗付与部370によって回転機構350が構成されている。
ガイド360は、容器20の移動経路に沿って設けられるとともに支持部310から上方に向かって配置されている。
【0059】
抵抗付与部370は、ガイド360の一方の側面であって容器20の移動経路に面する側面に取り付けられ且つ容器20の移動経路に沿って設けられている。この抵抗付与部370は、移動する容器20の外周面に接触しこの容器20に対して摺動抵抗(摩擦抵抗)を付与する。なお、抵抗付与部370は、断面が円形であるほうが好ましい。容器20が上下方向に変動したり左右方向に変動したりしても容器20と抵抗付与部370との接触面積が確保されやすいためである。なお、抵抗付与部370は、例えば、円柱の基材に、EPDM(エチレン−プロピレンゴム)などのゴム部材を貼付することにより形成することができる。また例えば、円柱の基材に、塩化ビニルなどにより構成されたビニールテープを貼付することにより形成することができる。
【0060】
また、本図における第3移動ユニット300では、支持部310の上面に陳列装置30の幅方向における傾斜が付与されている。このため、支持部310上の容器20は、抵抗付与部370側に寄り、外周面が抵抗付与部370に接触するようになる。また、本図における第3移動ユニット300には、移動ローラ320(図1参照)が設けられておらず、上記傾斜によって容器20が第1移動ユニット100に移動する。
【0061】
図14は、第3移動ユニット300における容器20の動作を示した図である。
第2移動ユニット200(図1参照)から第3移動ユニット300に進入した容器20は、抵抗付与部370によって案内されながら前方に向かって移動する。そしてこのとき、第1領域R1が抵抗付与部370に接触する状態にあると(符号4A参照)、第1領域R1と抵抗付与部370との間における滑りが抑制され(第1領域R1に抗力が付与され)、容器20は、反時計回りの回転を行いながら前方へ移動する(符号4B参照)。
【0062】
そして符号4Cに示すように、第2領域R2が抵抗付与部370に接触する状態となると、第2領域R2と抵抗付与部370との間で滑りが生じ、容器20の回転は停止する。なお、第2領域R2が抵抗付与部370に接触した場合、第2領域R2と抵抗付与部370とは点接触に近い状態で接触する。付言すれば、第2領域R2と抵抗付与部370とは接触面積が低下する状態となる。このため、第2領域R2と抵抗付与部370との間で上記滑りが生じるものと考えられる。
【0063】
その後、容器20は抵抗付与部370により案内されながら前方に向かって移動(スライド)する。これにより、陳列装置30(第3移動ユニット300)の前方に達した容器20は、第2識別標記23bが前方を向いた状態となる。付言すると、本実施形態では、第2領域R2と第2識別標記23bは、予め定められた所定の位置関係を有して配置されている。より詳細には、第2領域R2が右方側(一方向)を向いている場合に第2識別標記23bが前方(一方向と交差する方向、一方向と直交する方向)を向くように配置されている。このため、第2領域R2が抵抗付与部370に接触した状態となると、第2識別標記23bが前方を向く。
【0064】
―第2の実施形態―
次いで第2の実施形態における陳列装置30について説明する。
図15は、第2の実施形態における陳列装置30を示した図である。なお、第1の実施形態と同様の機能については、同様の符号を用いここではその説明を省略する。
【0065】
本実施形態における陳列装置30では、第3移動ユニット300に、昇降部380が設けられている。この昇降部380は、容器20の取り出し部に設けられるとともに板状に形成され容器20を下方から支持する支持部371(容器支持部の一例)を備えている。また、昇降部380は、支持部371の上面に、回転可能に設けられた回転ローラ372を備えている(図16参照)。また、第3移動ユニット300は、昇降部380上に容器20が存在するか否かを検知する検知センサS3を備えている。付言すれば、昇降部380から容器20が除去されたことを検知する検知手段の一つとして機能する検知センサS3を備えている。
【0066】
本実施形態でも、まず第2移動ユニット200に対し容器20が投入される。そして、この容器20は、回転機構350により回転され識別標記23が前方を向いた後、第3移動ユニット300の昇降部380に到達する。そして、検知センサS3にて容器20が検知されると、制御部400からの指示に基づき支持部371が上昇し、容器20が上方へ移動する。その後、容器20は、第1移動ユニット100に進入するとともに移動部130上をスライド移動し、第2移動ユニット200に到達する。その後、容器20は第3移動ユニット300に再び進入する。
【0067】
なお、第1の実施形態と同様に、開閉検知センサ10S(図2参照)にてドア10Bが開けられたことが検知された場合、支持部371の上昇や下降を停止させることが好ましい。そしてドア10Bが閉じられた後に、支持部371の上昇や下降を再開させることが好ましい。
【0068】
また、支持部371が上昇を行っている最中に、購入者(ユーザ)による容器20の取り出しがあった場合、支持部371の上昇を停止させ支持部371を下降させることもできる。付言すると、容器20の除去が検知センサS3にて検知された場合に、支持部371を予め定められた上昇位置まで上昇させずに下降させることができる。支持部371の上昇を継続させてしまうと、次の容器20が取り出し可能になるまでの時間が長くなるためである。
【0069】
昇降部380について詳細に説明する。
図16および図17は、昇降部380を説明するための図である。
図16(A)に示すように、昇降部380は、第1接続部材373および第2接続部材374を備えている。
第1接続部材373は、第1移動ユニット100側に設けられるとともに支持部371に接続されこの支持部371から下方に向かって配置されている。
また、第2接続部材374は、第1移動ユニット100が設けられた側とは反対側に設けられるとともに支持部371に接続されこの支持部371から下方に向かって配置されている。
【0070】
なお、第1接続部材373および第2接続部材374の各々と支持部371とは、ヒンジ377を介して接続されている。このため、支持部371は、ヒンジ377を中心に揺動可能となっている。また、第1接続部材373は、自身の側面にラックギア部373Aを有し、第2接続部材374も、自身の側面にラックギア部374Aを有している。
さらに、昇降部380は、ラックギア部373Aに噛み合う第1ギア375、この第1ギア375を回転させるモータ(不図示)、ラックギア部374Aに噛み合う第2ギア376、この第2ギア376を回転させるモータ(不図示)を備えている。
【0071】
ここで支持部371(容器20)を上昇させる際には、同図(A)に示すように第1ギア375および第2ギア376を回転駆動させる。これにより、同図(B)に示すように、支持部371は上昇する。また本実施形態では、同図(B)に示す状態から第2ギア376のみを回転駆動させる。即ち、予め定められたタイミングにて第1ギア375の回転を停止させ第2ギア376の回転を継続させる。これにより、第2接続部材374のみが上昇し、図17に示すように、支持部371の両端部(陳列装置30の幅方向における両端部)のうち、第1移動ユニット100が設けられている側とは反対側に位置する一方の端部がより高い位置に位置するようになる。これにより、容器20は、第1移動ユニット100に移動するようになる。
【0072】
なお、第1の実施形態および第2の実施形態では、移動部130に付与された傾斜を利用して容器20を陳列装置30の後方側に移動させたが、移動部130の傾斜を利用せずに容器20を陳列装置30の後方側に移動させることもできる。付言すれば、移動部130に対し、陳列装置30の前方に向かって下る傾斜が付与されていても、容器20を陳列装置30の後方側に移動させることができる。例えば、移動部130の上面に、モータなどの駆動源により駆動される回転ローラを設け、この回転ローラを用いて陳列装置30の後方側に容器20を移動させることができる。
【符号の説明】
【0073】
10…陳列ケース、10B…ドア、20…容器、30…陳列装置、100…第1移動ユニット、121…支持部、251〜256…第1平坦面〜第6平坦面、300…第3移動ユニット、350…回転機構、371…支持部、521〜526…第1ピン〜第6ピン、S3…検知センサ
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器を陳列する陳列装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばコンビニエンスストアなどにおいては、ペットボトルなど飲料が充填された容器が、陳列装置に縦置きに載せられて販売される。そしてこのような陳列装置は、例えば、容器自身の自重により陳列ケースの前方に容器が移動するように傾斜した状態で配置される。そして、手前側(最前列)の1つの容器を抜き取ると、後続の容器が自重で手前側に移動する。
【0003】
ここで陳列装置の容器が載せられる箇所には、容器の滑りの良さから例えばプラスチックの平板が設けられる。また、近年では回転可能なローラを多数配置した陳列装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、容器の補充は陳列装置の後方側から行うのが一般的であるが、手前側からの容器の投入を可能とするとともに、奥側に移動した容器が、再度手前側に移動し陳列される陳列装置も提案されている(例えば、特許文献2参照)。さらに、容器に関するものとして、缶底に形成された環状凸部の内周壁に、内側凹部と縦リブとが円周方向に交互に形成された缶が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−155701号公報
【特許文献2】米国特許第6502408号
【特許文献3】特開2000−211624号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
コンビニエンスストアなどの店舗に設置される陳列装置では、静止した状態で商品が陳列されるのが一般的である。ここで、商品の存在を商品の購入者により確実に認識させることができれば、商品が購入される可能性をより高めることが可能となる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明が適用される陳列装置は、内容物が充填された容器を陳列する陳列装置であって、容器が取り出される取り出し部と、一方の側から取り出し部まで容器を移動させる第1の移動手段と、容器を取り出し部から一方の側に移動させる第2の移動手段と、を含む陳列装置である。
【0007】
ここで、容器を周方向に回転させ、容器に付された標記を特定の方向に向ける回転手段を更に備えることを特徴とすることができる。また、回転手段は、第1の移動手段により移動する容器を周方向に回転させ標記を特定の方向に向けることを特徴とすることができる。さらに、回転手段は、容器の移動経路に突出する突出部を複数有し、移動する容器に設けられた複数の面に対して突出部を順次接触させることで容器を周方向に回転させることを特徴とすることができる。また、回転手段は、移動する容器の外周面に対して移動に対する抗力を付与することで容器を周方向に回転させることを特徴とすることができる。また、第2の移動手段は、容器を下方から支持する支持面を有し、支持面に付与された傾斜を利用して容器を一方の側に移動させることを特徴することができる。
【0008】
さらに、取り出し部にて、第2の移動手段は第1の移動手段よりも上方に位置し、第1の移動手段により取り出し部に移動してきた容器を上昇させる上昇手段を更に備えることを特徴とすることができる。また、第1の移動手段は、容器を下方から支持する容器支持部を取り出し部に有し、上昇手段は、第1の移動手段の容器支持部を上昇させることで容器の上昇を行うことを特徴とすることができる。さらに、第2の移動手段は、容器を下方から支持する容器支持部を有し、上昇手段は、第2の移動手段の容器支持部を下降させるとともに容器支持部を上昇させることで容器の上昇を行うことを特徴とすることができる。また、上昇手段により上昇が行われている容器が上昇手段から除去されたことを検知する検知手段を更に備え、上昇手段は、容器を支持する容器支持部を予め定められた位置まで上昇させることで容器の上昇を行うとともに上昇を行った後容器支持部を下降させ、容器支持部の上昇を行っているときに検知手段にて除去が検知された場合には容器支持部を予め定められた位置まで上昇させずに下降させることを特徴とすることができる。また、上昇手段は、容器を支持する容器支持部を上昇させることで容器の上昇を行うとともに上昇を行った後容器支持部を下降させ、陳列装置が収納される収納ケースに設けられ容器が取り出される際に操作されるドアの開操作がなされた場合には容器支持部の上昇又は下降を停止することを特徴とすることができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明を採用しない場合に比べ、商品の購入者に商品の存在をより確実に認識させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態に係る陳列装置の概略構成を示した図である。
【図2】陳列装置が陳列ケースに収容された状態を示す図である。
【図3】陳列装置における容器の動作を示した図である。
【図4】昇降部を説明するための図である。
【図5】昇降部を説明するための図である。
【図6】回転機構を説明するための図である。
【図7】容器を説明するための図である。
【図8】容器を説明するための図である。
【図9】回転機構における容器の動作を説明するための図である。
【図10】容器の他の動作例を示した図である。
【図11】容器の他の動作例を示した図である。
【図12】容器の他の形態を示した図である。
【図13】第3移動ユニットの斜視図である。
【図14】第3移動ユニットにおける容器の動作を示した図である。
【図15】第2の実施形態における陳列装置を示した図である。
【図16】昇降部を説明するための図である。
【図17】昇降部を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
―第1の実施形態―
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る陳列装置の概略構成を示した図である。図2は、陳列装置が陳列ケースに収容された状態を示す図である。
図1に示すように本実施形態における陳列装置30は、陳列装置30の手前側に位置する容器(詳細は後述)を陳列装置30の奥側に向けて一方向に移動させる第1移動ユニット100、第1移動ユニット100により移動してきた容器を上記一方向とは直交する方向(交差する方向)に移動させる第2移動ユニット200、第2移動ユニット200により移動してきた容器を陳列装置30の手前側に向けて移動させる第3移動ユニット300を備えている。また、陳列装置30に設けられたモータ(後述)などを制御したり、センサ(後述)からの信号を受信したりする制御部400を備えている。なお、制御部400は、プログラム制御されたCPU(Central Processing Unit)により構成されている。
【0012】
ここで、本実施形態における陳列装置30では、第2移動ユニット200に容器が投入される。言い換えると、第2移動ユニット200に容器の投入部が設けられている。また、本実施形態における陳列装置30では、陳列装置30の手前側であって第3移動ユニット300の端部に容器の取り出し部が設けられている。
【0013】
上記陳列装置30は、図2に示すように、コンビニエンスストア、スーパーマーケットなどに設置される陳列ケース10(収納ケースの一例)の内部に収納される。この陳列ケース10は、直方体状に形成されたケース本体部10Aと、このケース本体部10Aに対して開閉可能に設けられたドア10Bとにより主要部が構成されている。また、陳列ケース10には、ドア10Bの開閉を検知する開閉検知センサ10Sが設けられている。
【0014】
ここで陳列装置30は、陳列ケース10に設けられた棚(不図示)の上に載せられる。この際、陳列装置30は、容器の取り出し部が設けられた側がドア10B側に位置するように設置される。また、本実施形態における陳列ケース10は、後方側にもドアが設けられ(不図示)、後方側も開放可能となっている。そしてこの後方側より、陳列装置30の第2移動ユニット200に対して容器20(図3参照)が投入される。そして、投入された容器20は第3移動ユニット300を移動し容器の取り出し部まで到達する。その後、容器は、第1移動ユニット100、第2移動ユニット200の順に移動を行い、第3移動ユニット300に再度移動してくる。そして、再度容器の取り出し部に移動する。即ち、本実施形態における陳列装置30では、容器が循環移動するようになっている。
【0015】
陳列装置30についてさらに詳細に説明する。
第2の移動手段として機能する第1移動ユニット100は、図1に示すように、第3移動ユニット300から移動してきた容器を上昇させるとともに容器を上昇させた後に下降する昇降部120と、昇降部120により上方に移動した容器を第2移動ユニット200に向けて移動させる移動部130とを備えている。
【0016】
上昇手段の一つとして機能する昇降部120は、板状に形成され容器を下方から支持する支持部121(容器支持部の一例)と、支持部121の上面に取り付けられるとともに回転可能に設けられ容器を移動部130に向けて送り出す送り出しロール122と、送り出しロール122を回転駆動する駆動モータ(不図示)とを備えている。また昇降部120は、支持部121の下部に取り付けられるとともに陳列装置30の前面側に位置し、支持部121が上昇した際に壁面を形成する第1側板123Aを備えている。さらに、支持部121の下部に取り付けられるとともに第3移動ユニット300と対向する側に位置し、支持部121が上昇した際に壁面を形成する第2側板123Bを備えている。ここで、本実施形態では図示を省略しているが、第1側板123Aに対して商品名や商品名などの標記を付すことにより、支持部121が上昇した際に宣伝広告効果が生じさせることができる。また、昇降部120は、支持部121上における容器の有無を検知する有無検知センサS1を備えている。
【0017】
移動部130は、板状に形成されるとともに昇降部120が設けられている側よりも第2移動ユニット200が設けられている側の方が低くなっている。即ち、陳列装置30の手前側から奥側に向かって下り傾斜した状態で配置されている。移動部130は、この傾斜を利用して、第2移動ユニット200に向けて容器を移動させる。付言すると、移動部130のうち容器を支持する支持面(移動部130の上面)には傾斜が付与され、移動部130は、この傾斜を利用して、第2移動ユニット200に向けて容器を移動させる。なお、図1では図示を省略しているが、移動部130の上面には、回転可能に設けられ容器が移動してきた際に回転する回転ローラが設けられている。
【0018】
第2移動ユニット200は、板状に形成され容器を下方から支持する支持部210を備えている。そしてこの支持部210は、第3移動ユニット300に接続された側の方が第1移動ユニット100に接続された側よりも低くなっている。即ち、支持部210は、第1移動ユニット100側から第3移動ユニット300側に向かって下り傾斜した状態で配置されている。第2移動ユニット200は、この傾斜を利用して、第3移動ユニット300に向けて容器を移動させる。なお、支持部210の上面にも、回転可能に設けられ容器が移動してきた際に回転する回転ローラが設けられている。
【0019】
第1の移動手段として機能する第3移動ユニット300は、板状に形成され容器を下方から支持する支持部310を備えている。そしてこの支持部310は、手前側の方が奥側(第2移動ユニット200が設けられている側、陳列装置30の一方の側)よりも低くなっている。言い換えると、支持部310は、陳列装置30の奥側から陳列装置30の手前側に向かって下り傾斜した状態で配置されている。第3移動ユニット300は、支持部310の傾斜を利用して、陳列装置30の手前側(容器の取り出し部)に向けて容器を移動させる。
【0020】
また第3移動ユニット300は、第1移動ユニット100の昇降部120と隣接する箇所に、容器をこの昇降部120に向けて移動させる移動ローラ320を備えている。さらに、この移動ローラ320を回転駆動させる駆動モータ(不図示)を備えている。また、移動ローラ320の上方における容器の有無を検知する有無検知センサS2を備えている。さらに第3移動ユニット300は、第2移動ユニット200から移動してきた容器を周方向に回転させ容器に付された識別標記(後述)を陳列装置30の前方に向ける回転機構350を備えている。なお、移動ローラ320よりも容器の移動方向上流側には、回転可能に設けられ容器が移動してきた際に回転する回転ローラが設けられている(不図示)。また、回転機構350の詳細については後述する。
【0021】
図3は、陳列装置30における容器の動作を示した図である。
第2移動ユニット200に投入された容器20(符号3A参照)は、第3移動ユニット300を陳列装置30の前方に向かって移動していく。この際、回転機構350によって、符号3Bに示すように周方向に回転する。これにより、符号3Cに示すように、容器20に付された識別標記23が陳列装置30の前方を向くようになる。その後、容器20は、識別標記23が前方を向いた状態で移動ローラ320(図1参照)により移動され、昇降部120の支持部121に載せられる。そして、有無検知センサS1により容器20が検知されると、制御部400からの指示に基づき、支持部121が上昇する。
【0022】
その後、送り出しロール122(図1参照)の回転が開始され、容器20は、第1移動ユニット100の移動部130に送り出される。そして容器20は、第2移動ユニット200に到達する。そして容器20は、第3移動ユニット300に再度進入する。その後、容器20が購入者によって取り出されるまで、容器20は、第3移動ユニット300、第1移動ユニット100、第2移動ユニット200の順に移動する。即ち、本実施形態では、容器20が取り出されるまで容器20は循環移動する。
【0023】
なお、上記送り出しロール122による容器20の送りだしが行われた後、支持部121は下降し元の位置に戻る。また、開閉検知センサ10S(図2参照)にてドア10Bが開けられたことが検知された場合、支持部121の上昇や下降を停止させることが好ましい。そして、ドア10Bが閉じられた後に、支持部121の上昇や下降を再開させることが好ましい。
【0024】
ここで、回転手段の一例としての回転機構350は、第1移動ユニット100や第2移動ユニット200に設けることもできる。この場合、陳列装置30の後方に向かって容器20が移動する際や陳列装置30の幅方向に容器20が移動する際に容器20の識別標記23が前方を向くようになる。ところでこの場合、容器20が、最初に第3移動ユニット300を移動する際に識別標記23が前方を向かないことになる。この結果、陳列装置30に投入され未だ第1移動ユニット100等に到達していない容器20は、容器20の取り出し部において識別標記23が前方を向かない状態となる。また、第1移動ユニット100へ移動する際、および第1移動ユニット100の昇降部120にて上昇する際も、識別標記23が前方を向かない状態となる。このため識別標記23を早い段階で前方に向けるためには、回転機構350を第3移動ユニット300に設けることが好ましくなる。さらに、容器20の取り出し部により近い位置にて容器20を回転させた方が、取り出し部にて、容器20の識別標記23がより確実に前方を向くようになる。
【0025】
ここで昇降部120、回転機構350、および容器20について更に詳細に説明する。
図4および図5は、昇降部120を説明するための図である。
図4に示すように、昇降部120は、支持部121の下面に接続され支持部121から下方に向かって配置された接続部材124を備えている。そして、この接続部材124は、自身の側面にラックギア部124Aを有している。また、昇降部120は、このラックギア部124Aに噛み合って設けられた円形ギア125を備えている。さらに昇降部120は、この円形ギア125を回転させるモータ(不図示)を備えている。本実施形態では、このモータによって円形ギア125が回転される。これにより、図5に示すように、接続部材124が上昇するとともに支持部121が上昇する。なお、支持部121の上昇は、エアシリンダ、ソレノイド等を用いて行うこともできる。
【0026】
図6は、回転機構350を説明するための図である。なお、同図(A)は第3移動ユニット300の上面図であり、同図(B)は第3移動ユニット300の右側面図である。
ここで上記では説明を省略したが、第3移動ユニット300は、容器20の移動経路の両側方にガイド360を備えている。また、第1移動ユニット100および第2移動ユニット200にも不図示のガイドが設けられている。
【0027】
回転機構350は、同図(A)に示すように、容器20の移動経路に沿って設けられ且つ支持部310の上方に設けられた棒状部材511と、この棒状部材511に取り付けられ容器20の移動経路に突出した突出部の一例としての第1ピン521〜第6ピン526を備えている。ここで本実施形態では、容器20の移動方向最上流側に第1ピン521が配置され、移動方向最下流側に第6ピン526が配置されている。また、第1ピン521〜第6ピン526の各々は、一定の間隙をおいて配置されている。また、回転機構350は、棒状部材511を右方側のガイド360に固定する固定部材53を備えている。
【0028】
また、同図(B)に示すように、棒状部材511には、前方に向かうに従い支持部310から離れるような傾斜が付与されている。このため、本実施形態では、第1ピン521が支持部310の最も近くに配置され、第6ピン526が支持部310から最も離れた箇所に位置している。付言すれば第1ピン521〜第6ピン526は、高さ方向における位置が互いにずらされて配置されている。なお、本図では、理解を容易にするため、棒状部材511の傾斜を実際の傾斜よりも大きく表示している。
【0029】
次に、容器20について説明する。
図7および図8は、容器20を説明するための図である。なお、図7(A)は容器20の正面図を示し、同図(B)は容器20の左側面図を示している。また、図8(A)は容器20の背面図を示し、同図(B)は容器20の右側面図を示している。また、図7(A)、(B)、図8(A)、(B)の各々の上部に表示した図は、A−A線における断面図を示している。
【0030】
本実施形態における容器20は、PET(ポリエチレンテレフタレート)などの樹脂材料により形成された容器を例示している。例えば、このような容器20は、樹脂材料を用いた射出成形(ブロー成形)法、樹脂材料を用いてプリフォームを成形後、これをブロー成形する方法により製造することができる。
図7(A)に示すように本実施形態における容器20は、上部に開口(飲み口)を有し且つ円筒状に形成され内部に飲料が充填された容器本体21と、容器本体21の開口を塞ぐキャップ22とを備えている。また容器本体21の外周面には、フィルムFが装着されている。なお、容器本体21は、上部側の径が底部側の径よりも小さくなっている。即ち、容器本体21は、上部側が縮径された状態となっている。そして本実施形態では、この縮径された部分(縮径部)に対し後述する第2突出部25が設けられている。
【0031】
ここでフィルムFには、同図(A)に示すように、商品名、商標名など他の商品と識別するための識別標記23が印刷されている。
また容器20は、容器本体21の上部に(キャップ22の下部に)、容器本体21の外周面から容器本体21の径方向に環状に突出した第1突出部24を備えている。ここで、この第1突出部24は、容器本体21と一体に形成されている。
【0032】
さらに容器20は、第1突出部24の下部に、第2突出部25を備えている。ここで、この第2突出部25の突出量は、第1突出部24の突出量よりも小さくなっている。この場合、第2突出部25が第1突出部24よりも突出している場合に比べ、キャップ22を操作をする際のユーザの手指が第2突出部25に引っ掛かりにくくなる。また、第2突出部25は、図7(A)の断面図に示すように、識別標記23が設けられた側から識別標記23が設けられた側とは反対側にかけて、容器本体21に巻き付くように設けられている。付言すれば、識別標記23が設けられた側から反対側に向かって時計回り方向に沿って設けられている。さらに説明すると、第2突出部25は、容器本体21の周方向における所定範囲内に設けられている。
【0033】
さらに説明すると、容器20は、容器20を識別標記23が設けられた側から眺めた場合に(図7(A)参照)、容器20の右側面側に、第2突出部25が設けられていない構成となっている。付言すると、第2突出部25が設けられている高さ方向の位置において、容器20の右側面側は(第2突出部25に隣接する領域は)、容器本体21が露出する状態となっている。さらに説明すると、容器本体21の右側面に対する接線且つ容器20の正面側から背面側に向かう接線であって上記第2突出部25が設けられた高さ位置を通る接線(図7(A)の断面図参照)よりも容器20の右方側には、第2突出部25が設けられていない構成となっている。
【0034】
また、第2突出部25は、その下面が階段状に形成されており、複数の段部を備えた構成となっている。詳細に説明すると、第2突出部25は、時計回り方向に進むに従い高さが減少するように、その下面が階段状に形成されている。このため、本実施形態における第2突出部25は、その下部に、高さ方向における位置が互いに異なる第1平坦面251〜第6平坦面256を備えた構成となっている。付言すると、第2突出部25は、高さ方向における位置が互いに異なりまた容器本体21の周方向における位置が互いに異なる複数の端面を有している。
【0035】
ここで、第1平坦面251〜第6平坦面256の各々は、図7(A)の断面図に示すように、容器本体21の外周面に対して交差する関係(略直交する関係)で配置されている。また、第1平坦面251は、図7(A)に示すように、識別標記23が設けられた側に位置している。また、第6平坦面256は、図8(A)に示すように、識別標記23が設けられた側とは反対側に位置している。また、第2平坦面252〜第5平坦面255は、第1平坦面251から第6平坦面256に向かって、第2平坦面252、第3平坦面253、第4平坦面254、第5平坦面255の順に設けられている。さらに、容器20の周方向において、第1平坦面251〜第6平坦面256は所定の角度毎に設けられている。また、第1平坦面251が最も下部に位置し、第6平坦面256が最も上部に位置している。なお、第2突出部25は、容器20の形成時に形成することができる。また、例えば、樹脂片や金属片などの部材を別途貼付等したりして形成することができる。
【0036】
次いで回転機構350における容器20の動作について説明する。
図9は、回転機構350における容器20の動作を説明するための図である。なお、本図では、移動ローラ320や固定部材53の図示を省略している。また、図を見やすくするため、第1突出部24の上方に第1ピン521〜第6ピン526を表示している。
同図の符号5Aに示すように、識別標記23が右斜め前方を向いた状態で容器20が陳列装置30に投入された場合、第1ピン521に対し第1平坦面251が突き当たるようになる。これによって容器20には回転力(抗力)が付与され、容器20は反時計回りに回転を行うようになる。次いで容器20の前方への移動に伴い、第2ピン522に対し第2平坦面252が突き当たり(符号5B参照)、容器20は同様に反時計回りの回転を行う。
【0037】
その後、容器20は、第3ピン523に第3平坦面253が突き当たり、第4ピン524に第4平坦面254が突き当たり、第5ピン525に第5平坦面255が突き当たることで、周方向の回転を順次行っておく。そして最終的に、第6平坦面256が第6ピン526に突き当たることで(符号5C参照)、識別標記23が前方を向くようになる。その後、容器20は、支持部310上をスライドし陳列装置30の前方に到達する。
【0038】
本実施形態では、識別標記23と第2突出部25(第1平坦面251〜第6平坦面256)が設けられた領域とが予め定められた位置関係を有して配置されている。また、識別標記23と第2突出部25が設けられていない領域も予め定められた位置関係を有して配置されている。具体的には、識別標記23が一方向を向いている場合に、第2突出部25が設けられていない領域がこの一方向と直交する方向を向くようになっている。
【0039】
このため本実施形態では、識別標記23が前方以外の方向を向いている場合には容器20が回転し、識別標記23が前方を向いている場合には容器20は回転を行わない。付言すると、識別標記23が前方に向いていない状態で容器20の投入を行ったとしても、陳列装置30の前方側に容器20が達した際に識別標記23を前方に向いた状態となる。即ち本実施形態では、容器20を陳列装置30に投入する投入者が特別な操作をしないでも、識別標記23が前方を向くこととなる。
【0040】
なお上記では説明を省略したが、第1ピン521〜第6ピン526の各々は、高さ方向における位置が予め調整されている。即ち、第1ピン521と第1平坦面251とが突き当たるように、第2ピン522と第2平坦面252とが突き当たるように、第3ピン523と第3平坦面253とが突き当たるように、第1ピン521〜第3ピン523の各々は、高さ方向における位置が予め調整されている。また、第4ピン524と第4平坦面254とが突き当たるように、第5ピン525と第5平坦面255とが突き当たるように、第6ピン526と第6平坦面256とが突き当たるように、第4ピン524〜第6ピン526の各々は、高さ方向における位置が予め調整されている。
【0041】
次いで容器20の他の動作例を説明する。
図10、図11は、容器20の他の動作例を示した図である。
図10(A)に示すように、識別標記23が陳列装置30の後方側を向いた状態で容器20が投入された場合、第3平坦面253が陳列装置30の前方を向いた状態となる。そして容器20は前方へ移動することとなるが、この第3平坦面253は、第1ピン521、第2ピン522(図6(B)も参照)の上方を通過するようになる。このため、容器20は、回転せずに第3ピン523まで到達する。そして、容器20はこの第3ピン523から回転力を受け上記と同様に回転を行う。そして容器20は、上記と同様に、識別標記23が前方を向いた状態で陳列装置30(第3移動ユニット300)の前方に到達する。
【0042】
また例えば図10(B)に示すように、識別標記23が左斜め前方を向いた状態で容器20が投入された場合、第6平坦面256が陳列装置30の前方を向いた状態となる。そして容器20は前方へ移動することとなるが、この第6平坦面256は、第1ピン521〜第5ピン525(図6(B)も参照)の上方を通過するようになる。このため、容器20は、回転せずに第6ピン526まで到達する。そして、容器20はこの第6ピン526から回転力を受け上記と同様に回転を行う。そして容器20は、上記と同様に、識別標記23が前方を向いた状態で陳列装置30の前方に到達する。
【0043】
さらに例えば図11に示すように、識別標記23が前方を向いた状態で容器20が投入される場合もある。この場合、容器20の側面であって第1ピン521〜第6ピン526が配置された側と対向する側面には、第2突出部25が存在しない状態となる。付言すれば、第2突出部25が存在しない領域(面)と、第1ピン521〜第6ピン526が配置された側とが対峙するようになる。さらに付言すれば、第1ピン521〜第6ピン526に突き当たる第1平坦面251〜第6平坦面256が、容器20の図中右側面側に位置しない状態となる。このため、容器20は、回転を行うことなく陳列装置30の前方まで到達する。即ち、識別標記23が前方を向いた状態を維持したまま陳列装置30の前方まで到達する。
【0044】
また、容器20および回転機構350は次のような構成とすることもできる。
図12は、容器20の他の形態を示した図である。なお、同図(A)は容器20を一方側から図示したものであり、同図(B)は、容器20を他方側から図示したものである。また、同図(C)は同図(A)のS部における断面を示し、同図(D)は同図(A)のT部における断面を示している。
【0045】
図12に示す容器20は、いわゆる2ピース缶であり、飲料などの内容物が充填され且つプルタブ(不図示)を有した蓋部材が取り付けられている。
本容器20は、同図(A)および(B)に示すように、外周面に、第1領域R1〜第4領域R4を有している。ここでこれらの領域は、容器20の周方向において、第1領域R1、第2領域R2、第3領域R3、第4領域R4の順に設けられている。なお、第1領域R1の表面状態および第3領域R3の表面状態は同様に構成されている。また、第2領域R2の表面状態および第4領域R4の表面状態は同様に構成されている。このため以下の説明では、第1領域R1および第2領域R2を中心に説明する。さらに本実施形態では、表面における摩擦係数は、第1領域R1(第3領域R3)>第2領域R2(第4領域R4)となっている。
【0046】
ここで同図(C)を参照し第2領域R2の表面状態についてまず説明する。
同図(C)に示すように、第2領域R2には、容器本体50の表面にインキ層51が設けられている。また、インキ層51の表面にクレーター状の凹凸を有したトップコート層(最外層)52が設けられている。
【0047】
ここでインキ層51に用いるインキには、例えば金属印刷用のものを用いることができる。ここでインキの顔料(色量)としては、各種の有機顔料や無機顔料が用いられる。また、インキのビヒクルは、熱硬化性樹脂や紫外線硬化性樹脂等の樹脂を主成分としている。ここで熱硬化性樹脂としては、アルキッド型又はポリエステル型の樹脂等が用いられる。また、紫外線硬化性樹脂としては、紫外線ラジカル重合型、紫外線カチオン重合型の樹脂等が用いられる。さらに、インキには添加剤が含有されていても良い。添加剤としては、艶消し剤、ワックス類(天然系、石油系、合成系)、乾燥剤、分散剤、湿潤剤、架橋剤、ゲル化剤、増粘剤、皮張り防止剤、安定剤、消泡剤、光重合開始剤等が用いられる。
【0048】
またインキ層51は、いわゆるはじきインキにより形成されている。即ち、インキ層51は、このインキ層51の表面にトップコート層52を形成する塗料が塗られた場合にこの塗料をはじくインキにより形成されている。ここでトップコート層52における上記凹凸は、トップコート層52を形成する塗料がこのインキ層51によりはじかれることにより形成されたものである。
【0049】
なおトップコート層52を形成する塗料をインキ層51によりはじくためには(上記凹凸を形成するためには)、インキ層51の形成に用いるインキの表面張力を、トップコート層52の形成に用いる塗料の表面張力よりも5mN/m以上低く設定することが望ましい。換言すると、インキの表面張力が塗料の表面張力よりも低く、且つ、インキと塗料との間の表面張力の差が5mN/m以上であることが望ましい。ここでインキの表面張力の低下は、例えば、通常のインキにシリコーンを添加することにより行うことができる。
【0050】
一方、トップコート層52に用いる塗料は、熱硬化性樹脂や紫外線硬化性樹脂等の樹脂を主成分とするものであり、必要に応じてワックス成分を含有している。
熱硬化性樹脂としては、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、フラン−ホルムアルデヒド樹脂、キシレン−ホルムアルデヒド樹脂、ケトン−ホルムアルデヒド樹脂、アミノ樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂(例:ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂)、ビスマレイミド樹脂、トリアリルシアヌレート樹脂、熱硬化性アクリル樹脂、シリコーン樹脂、油性樹脂等が用いられる。
【0051】
さらに、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂との組成物を用いても良い。この場合、熱可塑性樹脂としては、塩化ビニル−マレイン酸−酢酸ビニル共重合体、アクリル重合体、飽和ポリエステル樹脂等が用いられる。これらの樹脂は、単独でも2種以上を組み合わせても使用できる。また、これらの樹脂組成物には、必要に応じて、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸等の公知の酸触媒が添加されていても良い。酸触媒を用いる場合は、酸触媒は樹脂に対して0.5〜1質量%添加するのが望ましい。また、これらの樹脂のうち、特に、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂と飽和ポリエステル樹脂との組成物や、熱硬化性アクリル樹脂とメラミン−ホルムアルデヒド樹脂との組成物を用いることが塗膜性能面で望ましい。
【0052】
一方、紫外線硬化性樹脂としては、例えば、カチオン硬化型樹脂、ラジカル硬化型樹脂等が用いられる。カチオン硬化型樹脂としては、紫外線硬化型エポキシ樹脂と光カチオン重合触媒との組成物等が用いられる。
【0053】
また、トップコート層52に用いる塗料において、上記の樹脂に架橋剤や増感剤を必要に応じて添加しても良い。架橋剤としては、種々のポリオール類(例:ε−カプロラクトントリオール)等が用いられる。増感剤としては、チオキサントン誘導体等が用いられる。
さらに、トップコート層52に用いる塗料に、滑りを補うために、ワックス成分として天然系、石油系、合成系のワックス剤を単独で又は複合して添加しても良い。
さらに、トップコート層52の表面のレベリング剤として、あるいは/更に、塗料状態での安定性を高めるためや初期滑り性をトップコート層52に付与するために、各種のシリコーンオイルを添加しても良い。
【0054】
なお、インキ層51およびトップコート層52の組成等の一例を挙げると以下のようになる。
[トップコート層52]
樹脂成分:ポリエステル30%、アクリル13%、アミノ55%、エポキシ2%
ワックス:石油系0.3%、天然系1%、合成系0.2%(樹脂成分に対し)
シリコーンオイル(混合):0.15%(樹脂成分に対し)
表面張力:33mN/m
厚さ:5μm
[インキ層51](はじきインキ)
主樹脂:アルキッド樹脂
顔料:TiO2
表面張力:28mN/m
厚さ:2μm
【0055】
次いで、同図(D)を参照し第1領域R1の表面状態について説明する。
同図(D)に示すように第1領域R1には、上記と同様、容器本体50の表面にインキ層51が設けられている。また、インキ層51の表面に、上記第2領域R2におけるトップコート層52よりも表面が平滑に形成されたトップコート層(最外層)52が設けられている。
【0056】
ここで第1領域R1におけるインキ層51は、トップコート層52を形成する塗料をはじかないインキ(通常インキ)を用いて形成している。付言すれば、インキ層51を形成するインキは、表面張力がトップコート層52を形成する塗料の表面張力と等しいか又はそれよりも高いインキが用いられている。このため第1領域R1では、トップコート層52を形成する塗料がはじかれず、トップコート層52の表面は、第2領域R2におけるトップコート層52に比べ平滑となる。なお、インキ層51を形成するインキの基本的な組成等は上記と同様である。トップコート層52を形成する塗料の基本的な組成等は上記と同様である。
【0057】
また本実施形態における容器20は、その外面(外周面)に、商品名、商標名など他の商品と識別するための第1識別標記23a、第2識別標記23bを有している(なお本明細書においては、以下単に「識別標記23」と称する場合がある。)。ここで、第1識別標記23aは第1領域R1に形成され、第2識別標記23bは第3領域R3に形成されている。なお、第1識別標記23aおよび第2識別標記23bは、上記インキ層51により形成されている。
【0058】
図13は、第3移動ユニット300の斜視図である。本図を用いて回転機構350の他の形態について説明する。
本図に示す第3移動ユニット300では、ガイド360および抵抗付与部370によって回転機構350が構成されている。
ガイド360は、容器20の移動経路に沿って設けられるとともに支持部310から上方に向かって配置されている。
【0059】
抵抗付与部370は、ガイド360の一方の側面であって容器20の移動経路に面する側面に取り付けられ且つ容器20の移動経路に沿って設けられている。この抵抗付与部370は、移動する容器20の外周面に接触しこの容器20に対して摺動抵抗(摩擦抵抗)を付与する。なお、抵抗付与部370は、断面が円形であるほうが好ましい。容器20が上下方向に変動したり左右方向に変動したりしても容器20と抵抗付与部370との接触面積が確保されやすいためである。なお、抵抗付与部370は、例えば、円柱の基材に、EPDM(エチレン−プロピレンゴム)などのゴム部材を貼付することにより形成することができる。また例えば、円柱の基材に、塩化ビニルなどにより構成されたビニールテープを貼付することにより形成することができる。
【0060】
また、本図における第3移動ユニット300では、支持部310の上面に陳列装置30の幅方向における傾斜が付与されている。このため、支持部310上の容器20は、抵抗付与部370側に寄り、外周面が抵抗付与部370に接触するようになる。また、本図における第3移動ユニット300には、移動ローラ320(図1参照)が設けられておらず、上記傾斜によって容器20が第1移動ユニット100に移動する。
【0061】
図14は、第3移動ユニット300における容器20の動作を示した図である。
第2移動ユニット200(図1参照)から第3移動ユニット300に進入した容器20は、抵抗付与部370によって案内されながら前方に向かって移動する。そしてこのとき、第1領域R1が抵抗付与部370に接触する状態にあると(符号4A参照)、第1領域R1と抵抗付与部370との間における滑りが抑制され(第1領域R1に抗力が付与され)、容器20は、反時計回りの回転を行いながら前方へ移動する(符号4B参照)。
【0062】
そして符号4Cに示すように、第2領域R2が抵抗付与部370に接触する状態となると、第2領域R2と抵抗付与部370との間で滑りが生じ、容器20の回転は停止する。なお、第2領域R2が抵抗付与部370に接触した場合、第2領域R2と抵抗付与部370とは点接触に近い状態で接触する。付言すれば、第2領域R2と抵抗付与部370とは接触面積が低下する状態となる。このため、第2領域R2と抵抗付与部370との間で上記滑りが生じるものと考えられる。
【0063】
その後、容器20は抵抗付与部370により案内されながら前方に向かって移動(スライド)する。これにより、陳列装置30(第3移動ユニット300)の前方に達した容器20は、第2識別標記23bが前方を向いた状態となる。付言すると、本実施形態では、第2領域R2と第2識別標記23bは、予め定められた所定の位置関係を有して配置されている。より詳細には、第2領域R2が右方側(一方向)を向いている場合に第2識別標記23bが前方(一方向と交差する方向、一方向と直交する方向)を向くように配置されている。このため、第2領域R2が抵抗付与部370に接触した状態となると、第2識別標記23bが前方を向く。
【0064】
―第2の実施形態―
次いで第2の実施形態における陳列装置30について説明する。
図15は、第2の実施形態における陳列装置30を示した図である。なお、第1の実施形態と同様の機能については、同様の符号を用いここではその説明を省略する。
【0065】
本実施形態における陳列装置30では、第3移動ユニット300に、昇降部380が設けられている。この昇降部380は、容器20の取り出し部に設けられるとともに板状に形成され容器20を下方から支持する支持部371(容器支持部の一例)を備えている。また、昇降部380は、支持部371の上面に、回転可能に設けられた回転ローラ372を備えている(図16参照)。また、第3移動ユニット300は、昇降部380上に容器20が存在するか否かを検知する検知センサS3を備えている。付言すれば、昇降部380から容器20が除去されたことを検知する検知手段の一つとして機能する検知センサS3を備えている。
【0066】
本実施形態でも、まず第2移動ユニット200に対し容器20が投入される。そして、この容器20は、回転機構350により回転され識別標記23が前方を向いた後、第3移動ユニット300の昇降部380に到達する。そして、検知センサS3にて容器20が検知されると、制御部400からの指示に基づき支持部371が上昇し、容器20が上方へ移動する。その後、容器20は、第1移動ユニット100に進入するとともに移動部130上をスライド移動し、第2移動ユニット200に到達する。その後、容器20は第3移動ユニット300に再び進入する。
【0067】
なお、第1の実施形態と同様に、開閉検知センサ10S(図2参照)にてドア10Bが開けられたことが検知された場合、支持部371の上昇や下降を停止させることが好ましい。そしてドア10Bが閉じられた後に、支持部371の上昇や下降を再開させることが好ましい。
【0068】
また、支持部371が上昇を行っている最中に、購入者(ユーザ)による容器20の取り出しがあった場合、支持部371の上昇を停止させ支持部371を下降させることもできる。付言すると、容器20の除去が検知センサS3にて検知された場合に、支持部371を予め定められた上昇位置まで上昇させずに下降させることができる。支持部371の上昇を継続させてしまうと、次の容器20が取り出し可能になるまでの時間が長くなるためである。
【0069】
昇降部380について詳細に説明する。
図16および図17は、昇降部380を説明するための図である。
図16(A)に示すように、昇降部380は、第1接続部材373および第2接続部材374を備えている。
第1接続部材373は、第1移動ユニット100側に設けられるとともに支持部371に接続されこの支持部371から下方に向かって配置されている。
また、第2接続部材374は、第1移動ユニット100が設けられた側とは反対側に設けられるとともに支持部371に接続されこの支持部371から下方に向かって配置されている。
【0070】
なお、第1接続部材373および第2接続部材374の各々と支持部371とは、ヒンジ377を介して接続されている。このため、支持部371は、ヒンジ377を中心に揺動可能となっている。また、第1接続部材373は、自身の側面にラックギア部373Aを有し、第2接続部材374も、自身の側面にラックギア部374Aを有している。
さらに、昇降部380は、ラックギア部373Aに噛み合う第1ギア375、この第1ギア375を回転させるモータ(不図示)、ラックギア部374Aに噛み合う第2ギア376、この第2ギア376を回転させるモータ(不図示)を備えている。
【0071】
ここで支持部371(容器20)を上昇させる際には、同図(A)に示すように第1ギア375および第2ギア376を回転駆動させる。これにより、同図(B)に示すように、支持部371は上昇する。また本実施形態では、同図(B)に示す状態から第2ギア376のみを回転駆動させる。即ち、予め定められたタイミングにて第1ギア375の回転を停止させ第2ギア376の回転を継続させる。これにより、第2接続部材374のみが上昇し、図17に示すように、支持部371の両端部(陳列装置30の幅方向における両端部)のうち、第1移動ユニット100が設けられている側とは反対側に位置する一方の端部がより高い位置に位置するようになる。これにより、容器20は、第1移動ユニット100に移動するようになる。
【0072】
なお、第1の実施形態および第2の実施形態では、移動部130に付与された傾斜を利用して容器20を陳列装置30の後方側に移動させたが、移動部130の傾斜を利用せずに容器20を陳列装置30の後方側に移動させることもできる。付言すれば、移動部130に対し、陳列装置30の前方に向かって下る傾斜が付与されていても、容器20を陳列装置30の後方側に移動させることができる。例えば、移動部130の上面に、モータなどの駆動源により駆動される回転ローラを設け、この回転ローラを用いて陳列装置30の後方側に容器20を移動させることができる。
【符号の説明】
【0073】
10…陳列ケース、10B…ドア、20…容器、30…陳列装置、100…第1移動ユニット、121…支持部、251〜256…第1平坦面〜第6平坦面、300…第3移動ユニット、350…回転機構、371…支持部、521〜526…第1ピン〜第6ピン、S3…検知センサ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物が充填された容器を陳列する陳列装置であって、
前記容器が取り出される取り出し部と、
一方の側から前記取り出し部まで前記容器を移動させる第1の移動手段と、
前記容器を前記取り出し部から前記一方の側に移動させる第2の移動手段と、
を含む陳列装置。
【請求項2】
前記容器を周方向に回転させ、当該容器に付された標記を特定の方向に向ける回転手段を更に備えることを特徴とする請求項1記載の陳列装置。
【請求項3】
前記回転手段は、前記第1の移動手段により移動する前記容器を周方向に回転させ前記標記を前記特定の方向に向けることを特徴とする請求項2記載の陳列装置。
【請求項4】
前記回転手段は、前記容器の移動経路に突出する突出部を複数有し、移動する当該容器に設けられた複数の面に対して当該突出部を順次接触させることで当該容器を周方向に回転させることを特徴とする請求項2又は3に記載の陳列装置。
【請求項5】
前記回転手段は、移動する前記容器の外周面に対して当該移動に対する抗力を付与することで当該容器を周方向に回転させることを特徴とする請求項2又は3に記載の陳列装置。
【請求項6】
前記第2の移動手段は、前記容器を下方から支持する支持面を有し、当該支持面に付与された傾斜を利用して当該容器を前記一方の側に移動させることを特徴する請求項1乃至5の何れかに記載の陳列装置。
【請求項7】
前記取り出し部にて、前記第2の移動手段は前記第1の移動手段よりも上方に位置し、
前記第1の移動手段により前記取り出し部に移動してきた前記容器を上昇させる上昇手段を更に備えることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の陳列装置。
【請求項8】
前記第1の移動手段は、前記容器を下方から支持する容器支持部を前記取り出し部に有し、
前記上昇手段は、前記第1の移動手段の前記容器支持部を上昇させることで前記容器の前記上昇を行うことを特徴とする請求項7記載の陳列装置。
【請求項9】
前記第2の移動手段は、前記容器を下方から支持する容器支持部を有し、
前記上昇手段は、前記第2の移動手段の前記容器支持部を下降させるとともに当該容器支持部を上昇させることで前記容器の前記上昇を行うことを特徴とする請求項7記載の陳列装置。
【請求項10】
前記上昇手段により上昇が行われている前記容器が当該上昇手段から除去されたことを検知する検知手段を更に備え、
前記上昇手段は、前記容器を支持する容器支持部を予め定められた位置まで上昇させることで当該容器の前記上昇を行うとともに当該上昇を行った後当該容器支持部を下降させ、当該容器支持部の上昇を行っているときに前記検知手段にて前記除去が検知された場合には当該容器支持部を当該予め定められた位置まで上昇させずに下降させることを特徴とする請求項7記載の陳列装置。
【請求項11】
前記上昇手段は、前記容器を支持する容器支持部を上昇させることで当該容器の前記上昇を行うとともに当該上昇を行った後当該容器支持部を下降させ、前記陳列装置が収納される収納ケースに設けられ当該容器が取り出される際に操作されるドアの開操作がなされた場合には当該容器支持部の当該上昇又は当該下降を停止することを特徴とする請求項7記載の陳列装置。
【請求項1】
内容物が充填された容器を陳列する陳列装置であって、
前記容器が取り出される取り出し部と、
一方の側から前記取り出し部まで前記容器を移動させる第1の移動手段と、
前記容器を前記取り出し部から前記一方の側に移動させる第2の移動手段と、
を含む陳列装置。
【請求項2】
前記容器を周方向に回転させ、当該容器に付された標記を特定の方向に向ける回転手段を更に備えることを特徴とする請求項1記載の陳列装置。
【請求項3】
前記回転手段は、前記第1の移動手段により移動する前記容器を周方向に回転させ前記標記を前記特定の方向に向けることを特徴とする請求項2記載の陳列装置。
【請求項4】
前記回転手段は、前記容器の移動経路に突出する突出部を複数有し、移動する当該容器に設けられた複数の面に対して当該突出部を順次接触させることで当該容器を周方向に回転させることを特徴とする請求項2又は3に記載の陳列装置。
【請求項5】
前記回転手段は、移動する前記容器の外周面に対して当該移動に対する抗力を付与することで当該容器を周方向に回転させることを特徴とする請求項2又は3に記載の陳列装置。
【請求項6】
前記第2の移動手段は、前記容器を下方から支持する支持面を有し、当該支持面に付与された傾斜を利用して当該容器を前記一方の側に移動させることを特徴する請求項1乃至5の何れかに記載の陳列装置。
【請求項7】
前記取り出し部にて、前記第2の移動手段は前記第1の移動手段よりも上方に位置し、
前記第1の移動手段により前記取り出し部に移動してきた前記容器を上昇させる上昇手段を更に備えることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の陳列装置。
【請求項8】
前記第1の移動手段は、前記容器を下方から支持する容器支持部を前記取り出し部に有し、
前記上昇手段は、前記第1の移動手段の前記容器支持部を上昇させることで前記容器の前記上昇を行うことを特徴とする請求項7記載の陳列装置。
【請求項9】
前記第2の移動手段は、前記容器を下方から支持する容器支持部を有し、
前記上昇手段は、前記第2の移動手段の前記容器支持部を下降させるとともに当該容器支持部を上昇させることで前記容器の前記上昇を行うことを特徴とする請求項7記載の陳列装置。
【請求項10】
前記上昇手段により上昇が行われている前記容器が当該上昇手段から除去されたことを検知する検知手段を更に備え、
前記上昇手段は、前記容器を支持する容器支持部を予め定められた位置まで上昇させることで当該容器の前記上昇を行うとともに当該上昇を行った後当該容器支持部を下降させ、当該容器支持部の上昇を行っているときに前記検知手段にて前記除去が検知された場合には当該容器支持部を当該予め定められた位置まで上昇させずに下降させることを特徴とする請求項7記載の陳列装置。
【請求項11】
前記上昇手段は、前記容器を支持する容器支持部を上昇させることで当該容器の前記上昇を行うとともに当該上昇を行った後当該容器支持部を下降させ、前記陳列装置が収納される収納ケースに設けられ当該容器が取り出される際に操作されるドアの開操作がなされた場合には当該容器支持部の当該上昇又は当該下降を停止することを特徴とする請求項7記載の陳列装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2011−56021(P2011−56021A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−208542(P2009−208542)
【出願日】平成21年9月9日(2009.9.9)
【出願人】(000002004)昭和電工株式会社 (3,251)
【出願人】(000186854)昭和アルミニウム缶株式会社 (155)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月9日(2009.9.9)
【出願人】(000002004)昭和電工株式会社 (3,251)
【出願人】(000186854)昭和アルミニウム缶株式会社 (155)
【Fターム(参考)】
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