説明

陶磁器製ねじ式蓋の製造法

【課題】 陶磁器製のねじ式蓋を製造するには、石膏型で生地を作らなければならないが、このねじ式蓋は内側がねじ状のでこぼこした形状なので、従来の内外に分割した石膏型では内側の型が抜けず、成形不可能である。また左右半分別々に石膏型で型取りしても、接着後の処理に大変な手間と時間を要してしまう。
【解決手段】 はじめに、その蓋をかぶせる容器のねじ口外側に合わせて、蓋の内側と外側それぞれ共に精密な石膏型を成形する。その型に泥しょうを流し込み、半乾燥させ、まず外側型(図1−A)を外す。生地(図1−C)の外側面を触っても跡が残らない程度にさらに乾燥させてから、内側の石膏型(図1−B)と生地(図1−C)を共にねじ式に回転させて、型から外す方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器を密封するための陶磁器製ねじ式蓋の製造法に関する。
【背景技術】
【0002】
ねじ式蓋と言えば、プラスチックかアルミのような金属が主であり、陶磁器製ではまず、不可能とされてきた。陶磁器の生地を成形するのに石膏型を使うが、外側に複雑な形をしたものは成形可能だが、内側にでこぼこのある形を型抜きするのは非常に困難である。よって従来の陶磁器製の蓋は、溝に沿ってのせる、かぶせるものが主で、中にはストッパーなど多少の工夫はあるものの、密封となると他のシリコンゴムやコルク、プラスチックや金属など別の素材に頼る他ないのが現状である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
陶磁器製でこのねじ式蓋を作る場合、石膏型で生地を成形しなければならないが、通常の石膏型を分割して型を取る方法では、内側型がねじ状のでこぼこの形状なので生地から抜けず、特に小さいサイズでは常識的に無理である。あるいは、ふたを左右別々に分割して、それぞれ型抜きする方法もあるが、その分割した生地を接着する際、歪みやすくなると同時に接着面に付いた余分な土の筋を削り取るのは、内側などは困難である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
通常の方法では不可能なのだが、このねじ式という特長を生かして、生地成形方法を試行錯誤して以下の様に開発した。
【0005】
陶磁器製ねじ式蓋を製造するのに、その蓋をかぶせる容器のねじ口外側に合わせて、蓋の内側と外側それぞれ共に精密な石膏型を成形する。その型に泥しょうを流し込み、半乾燥させ、まず外側型(図1−A)を外す。生地(図1−C)の外側面を触っても跡が残らない程度にさらに乾燥させてから、内側の石膏型(図1−B)と生地(図1−C)を共にねじ式に回転させて、型から外す方法。
【発明の効果】
【0006】
常識では製造不可能な陶磁器製のねじ式蓋を製造出来ると言うことは、業界の中でも、全て陶磁器製の密封容器を市場に供給する上で、大変なメリットになる。 今までの陶磁器製の蓋は、コルクやゴムを接着させ、密封可能にしてきたが、コルクやゴムは消耗してしまい、密封できなくなった陶磁器容器も使いづらくなる。しかし容器と蓋双方共、陶磁器製であれば見た目も美しく、強い衝撃で破損しない限り、半永久的に繰り返し使用可能となる。コスト面でもコルクやゴムを不要とする上、それらを接着する手間も不要となり低価格を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の重要な点は、生地を成形する際に内側の石膏型(図1−B)をねじ式に回転させて型外しをするタイミングである。まず図1のワンセットになった石膏型に泥しょうを注入する。次第に泥しょうの水分を石膏型が吸収し、生地が固まると共に収縮する。ここで収縮が進みすぎると内側の石膏型がねじ式に回らず抜けなくなるので、この内側の石膏型を吸水しにくい特殊な石膏型で作り、生地の内側面の水分吸収を遅らせ、水分を保つことによって滑りがよくなり、生地と内側の石膏型共にねじ式に回転しやすくなる。
また、焼成後の完成品の内底にパッキンを使用することで、完全密封できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】 ねじ式蓋の生地を成形する石膏型の組み合わせ方を断面、側面とで表した図である。
【図2】 図1で表しているB.内側石膏型の側面を分かりやすくした立体図である。
【図3】 図1のA.外側石膏型の外面全体図である。
【図4】 図1のC.ねじ式蓋の生地部分の外面全体図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
陶磁器製ねじ式蓋を製造するのに、その蓋をかぶせる容器のねじ口外側に合わせて、蓋の内側と外側それぞれ共に精密な石膏型を成形する。その型に泥しょうを流し込み、半乾燥させ、まず外側型(図1−A)を外す。生地(図1−C)の外側面を触っても跡が残らない程度にさらに乾燥させてから、内側の石膏型(図1−B)と生地(図1−C)を共にねじ式に回転させて、型から外す方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−137043(P2007−137043A)
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−361020(P2005−361020)
【出願日】平成17年11月15日(2005.11.15)
【出願人】(596010337)株式会社清山 (3)
【Fターム(参考)】