説明

階段昇降用補助器具

【課題】
階段にステップを敷設して弾性および緩衝性を向上させ、たとえば老齢者や身体障害者が階段を上る際の補助効果、階段を下る際の負荷軽減効果が期待でき、階段を昇降する人の身体、とくに脚部への負担を軽減させる階段昇降用補助器具を提供すること。
【解決手段】
本発明に係る階段昇降用補助器具は、階段の踏面に固着された底面と、該底面に結合され水平面に対して傾きを有する踏み台面と、該底面及び踏み台面を連接し階段の見付面と略面一に形成される連接面とを備えた踏み台構造と、前記踏み台構造で形成される内部に配設され、前記踏み台面と底面とを弾力的に連接する弾性構造とを具備して構成される。
このとき、前記底面と階段の踏面とは、ボルトもしくは接着剤を用いて固着されるように構成しても良い。また、前記弾性構造は、少なくとも前記踏み台面及び底面に内接される弾性体であるように構成しても良い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば階段に設置する階段昇降用補助器具に係り、特にたとえば弾性および緩衝性を備える階段昇降用補助器具に関する。
【背景技術】
【0002】
これまで、階段の踏面での歩行・昇降補助材としては、階段の昇降時の騒音軽減や防滑性を良好にするための解決手段として、主に材質の特性を活用したL字状の床材が提案され、付随効果としてクッション性が謳われている。
【特許文献1】特開2002−303025号公報
【特許文献2】特開2002−54277号公報
【特許文献3】特開2004‐019320号公報
【特許文献4】特開2003‐286764号公報
【特許文献5】特開2000‐226919号公報
【特許文献6】特開平07‐247646号公報
【特許文献7】特開平07‐127212号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、弾性および緩衝性に視点を置いて評価するに、上記特許文献1記載の床材では、単に材質の特性によるクッション性の効果を謳っただけで、床材構造自体には弾性および緩衝性への配慮がなされていない。そのため、階段昇降の際の応力への効果的・劇的な対抗力を生み出し得ず、特に老齢者、身体障害者等への補助には不十分である。
【0004】
また、特許文献2記載の床材の場合は、確かに発泡合成樹脂層を含むように構成することによりクッション性の向上に寄与すると期待されるものの、これは単にクッション性を有する部材を配しただけの構造、もしくは従来の部材の一部をクッション性を有する素材にアレンジしただけの構造であり、構造そのものに弾性および緩衝性への工夫がなされているとはいえない。
本発明は、このような従来技術上の問題点を解決するためになされたもので、階段にステップを敷設して弾性および緩衝性を向上させ、たとえば老齢者や身体障害者が階段を上る際の補助効果、階段を下る際の負荷軽減効果が期待でき、階段を昇降する人の身体、とくに脚部への負担を軽減させる階段昇降用補助器具を提供することを目的とする。
【0005】
つまり、単に材質の特性によるクッション性の効果を謳っただけのものや単にクッション性を有する部材を配しただけの構造、もしくは部材の一部をクッション性を有する素材にアレンジしただけの構造といった、従来の、構造そのものに弾性および緩衝性への工夫がなされているとはいえないものと異なり、階段にステップを敷設して弾性および緩衝性を向上させ、たとえば老齢者や身体障害者が階段を上る際の補助効果、階段を下る際の負荷軽減効果を提供し、階段を昇降する人の身体、とくに脚部への負担を軽減させる階段昇降用補助器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる目的を達成するために、本発明に係る階段昇降用補助器具は、階段の踏面に固着された底面と、該底面に結合され水平面に対して傾きを有する踏み台面と、該底面及び踏み台面を連接し階段の見付面と実質的に面一に形成される連接面とを備えた踏み台構造と、前記踏み台構造で形成される内部に配設され、前記踏み台面の裏面と底面とを弾力的に連接する弾性構造とを具備して構成される。この場合の「弾性構造」とは、たとえばスプリング、金属板、樹脂板、エア・クッションなど弾性を有する構造体を広く包含するものをいう。
【0007】
このように構成されることで、昇降者が階段を上る際には、階段の踏面に固着された底面に連接された踏み台面とその内面に配設された弾性構造が一体的になって昇時の荷重に対して反発するので、昇降者の上る運動を補助することになる。また下る際には、かかる踏み台面と一体的になった弾性構造がクッション(緩衝材)としての役割を果たすので、昇降者が階段を降りる際の脚部への負担(荷重反発力)を軽減することが可能となる。
【0008】
また、このとき、前記底面と階段の踏面とは、ボルトもしくは接着剤を用いて固着されるように構成しても良い。このように構成することで、上記の階段昇降用補助器具を家屋の本体工事とは別途・独立に容易に施工でき、工事の利便性が高まるのみならず、ボルトもしくは接着剤を用いることで、上記の階段昇降用補助器具と階段とのずれを排除でき、安全な昇降設備を実現できる。
【0009】
また、前記弾性構造は、一端を前記踏み台面の裏面に、他端を前記底面に、それぞれ連結されるスプリングであるように構成しても良い。このように構成することで、弾性構造は弾性・剛性を併せ持ち、人間の体重の数倍の安全率を見込んだ階段昇降用補助器具として実現できる。
【0010】
また、前記弾性構造は、少なくとも前記踏み台面の裏面及び底面に内接される弾性体であるように構成しても良い。このように構成することで、弾性構造は上記の特徴に加えて耐久性も増加する。このとき、前記弾性体は一定の剛性を持つ実質的に平板状の金属体もしくは樹脂体であるように構成することもできる。このようにすることで、安価での大量生産が可能となる。またこのとき、前記弾性体は、木材片を組みたてて弾性を持たせた木構造体もしくはエア・クッションであるように構成することもできる。この構成によれば、上記の特徴に加え、自然の風味を加味した住宅設備とすることや、より柔らかな感触を得ることのできる住宅設備とすることが可能である。
【0011】
また、前記階段の見付面と前記連接面とを覆うようにカバー材をさらに備えるように構成してもよい。このように構成することで、階段の見付け面は視覚的に煩雑でなくすることが可能である。
【0012】
さらに本発明は、階段の踏面に固着された底面と、該底面に結合され水平面に対して傾きを有する踏み台面とを備えた踏み台構造と、前記踏み台構造で形成される内部に配設され、前記踏み台面の裏面と底面とを弾力的に連接する弾性構造とを具備するように構成することもできる。かかる構成によれば、踏み台構造において見付け面が存在しない構成であっても、上記の効果を有することになる。つまり、昇降者が階段を上る際には、階段の踏面に固着された底面に連接された踏み台面とその内面に配設された弾性構造が一体的になって昇時の荷重に対して反発するので、昇降者の上る運動を補助することになる。また下る際には、かかる踏み台面と一体的になった弾性構造がクッション(緩衝材)としての役割を果たすので、昇降者が階段を降りる際の脚部への負担(荷重反発力)を軽減することが可能となる。
【0013】
畢竟、本発明に係る階段昇降用補助器具(階段用踏み台)は、階段の踏み台面と接する底面と、階段の踏面とわずかな傾斜角を有するように配置した踏み台面と、これら底面と踏み台面をわずかな傾斜角を有してもよいように連接一体化させ、かつ昇降時の荷重に対する応力を生じるよう配置したスプリングとを具備して構成される。
【0014】
この構成によって、階段にステップを敷設して弾性および緩衝性を向上させ、たとえば老齢者や身体障害者が階段を上る際の補助効果、階段を下る際の負荷軽減効果を提供し、階段を昇降する人の身体、とくに脚部への負担を軽減させる階段昇降用補助器具を提供することができる。
【0015】
また、本発明のステップを構成するスプリングは、金属のみならず木等の非金属を材料として用いても良い。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、階段にステップを敷設して弾性および緩衝性を向上させ、たとえば老齢者や身体障害者が階段を上る際の補助効果、階段を下る際の負荷軽減効果を提供し、階段を昇降する人の身体、とくに脚部への負担を軽減させる階段昇降用補助器具を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態について説明する。
【0018】
図1は、本発明の一実施形態に係る階段昇降用補助器具の全体・概略を示す斜視図であり、図2はかかる階段昇降用補助器具の全体の断面図である。
【0019】
同両図に示すように、本階段昇降用補助器具1は、(図示しない)下階と上階30との間を繋ぐ階段の踏面10上にたとえばボルト40等を用いて固着される。本階段昇降用補助器具1は、底面12、見付け面(連接面)18、及び、略水平に形成されるか若しくは水平面に対して若干勾配を持たせても良い踏み台面14(同図では、水平面に対して若干勾配を持たせた場合を表している)とが一体的に、あるいは連接されて形成された断面形状が略U字型の平板折曲体(「踏み台構造」という。)と、かかる踏み台構造の開口端(階段蹴上げ20に近接する端部)近くの適宜位置1〜数カ所に底面12と踏み台面14との内側を連接するように取りつけられる弾性構造体(たとえばスプリング16)とを備えて形成される。
【0020】
このとき、このボルト40に替えて、たとえば階段の踏面10上面と、踏み台構造の底面12の下面とを接着剤を用いて接着させてもよい(図示しない)。また、ここでは見付け面(連接面)18を有する場合の構造を例にとり説明するが、このときには、見付け面(連接面)18の具備により、踏み台面14に体重が載った際の略水平性がより担保され、安全性が高まることになる。しかしながら、この見付け面(連接面)18は必須ではなく、この見付け面(連接面)18がない構造であっても差し支えない。
【0021】
底面12―見付け面18―踏み台面14で形成される踏み台構造は、一定の剛性を持つ素材であって平板形状のものであれば材料の限定はなく、たとえば金属、樹脂等の1枚平板を折り曲げたものでもよい。或いは木平板を連結したものであってもよい。
【0022】
また、踏み台面14と階段の蹴上げ面20との間隔を適宜調整し、隙間幅を微小にすることで、足元の衣類やかかと部分が当該隙間に挟まれる危険性を極小にすることができる。
【0023】
図3は、上記の弾性構造体のより詳細な断面を示す図である。
【0024】
同図(1)に示すように、スプリング16は、適度な弾性と一定の剛性とを有する材料にて構成される。図1では、たとえば平面的に3箇所の付設の場合を表しているが、これより少なくとも或いはより多くともよい。また、ここでは弾性構造体の例としてスプリング16を例にとって説明するが、これに替えて、たとえば図3(2)に示すように、弾性構造体の内側の主要部全面に亘るように内接される平板(たとえばブリキ等)の折り曲げ構造(曲げに対する反発力を利用するもの)17を用いても良い。また、図示しないが、弾性構造体としてエア・クッション等を用いるものであってもよい。
【0025】
図4乃至図8は、踏み台構造の様々な形態を説明するための平面図である。すなわち、踏み台構造としては、図4に示すように、平面位置の中央部、両端部の3ヶ所に弾性構造体を配設してもよいが、これに替えて、図5に示すように、より多くの箇所、たとえば踏み台面14の断面奥行方向の略全長に亘って多数の弾性構造体を若干の逃げ寸法間隔をもって配設してもよい。或いは図6に示すように、単体の弾性構造体を踏み台構造の裏面の略全面〜一定範囲に配設してもよい。
【0026】
さらに、弾性構造体は階段の昇降方向的には、図7に示すように、断面形状略U字型の踏み台構造の閉口端に近い平面位置に配設しても、或いは図8に示すように踏み台面14の断面長手方向の略全長に亘って配設してもよい。
【0027】
次に、このように構成される本発明に係る階段昇降用補助器具1の動作・機能を説明する。
【0028】
階段を上る際には、図示しない昇降者が踏み台面14を踏む(足裏面を踏み台面14に載せる)と、荷重が発生する。かかる荷重は、底面12―見付け面18―踏み台面14で形成される踏み台構造の剛性及び弾性により一定の反発を受けるが大部分はスプリング16に伝えられる。このスプリング16の弾性により、昇降者は一定の補助力・促進力を階段昇降用補助器具1から受ける。これにより、階段の上りの際の助力となることができる。したがって、たとえば老齢者或いは身体障害者であっても、労力を要することなく階段を上る動作を行えるように補助することが可能となる。
【0029】
一方、階段を降りる際には、上る際よりも一般的に大きな荷重が踏み台構造の踏み台面14にかかり、上記と同様の力の伝達構造により、スプリング16に伝えられる。ここでスプリング16の弾性により、昇降者の脚部にかかる反発力が緩和され、たとえば老齢者などの必ずしも頑強な脚部を有しない者に対して負担を軽減することになる。したがって、スプリング16の剛性・弾性について一定の範囲のものを選択すれば、降りる際のクッションとして働き、過度な反発力を生ずることなく、スムーズな降下動作を補助することが可能となる。
【0030】
ここでは、スプリング16の場合を例にとって説明したが、ブリキ板等の金属板、或いは樹脂板、もしくはエア・クッション等であってもよく、上記の説明はこれらの場合に流用することができる。
【0031】
以上、詳細に説明したように、本発明に係る階段昇降用補助器具によれば、階段にステップを敷設して弾性および緩衝性を向上させ、たとえば老齢者や身体障害者が階段を上る際の補助効果、階段を下る際の負荷軽減効果を提供し、階段を昇降する人の身体、とくに脚部への負担を軽減させる階段昇降用補助器具を提供することができる。
【0032】
なお、本願発明は、上述した実施形態に限定されるものでなく、その技術思想の同一及び等価に及ぶ範囲において上述した実施形態への様々な変形、追加、置換、拡大、縮小等を許容するものである。
【0033】
さらに、上述したものは本願に係る技術思想を具現化するための実施形態の一例を示したにすぎないものであり、他の実施形態でも本願に係る技術思想を適用することが可能である。たとえば、上記ではスプリング形状を、U字状湾曲スプリングとして、当該メカニズムを実現する態様を説明したが、当該メカニズムは他のスプリング形状、他の弾性構造体の可能性を排除するものではない。踏み台に弾性構造体を設置し、弾性および緩衝性を具備するメカニズムであれば本願の技術思想の範囲に含まれる。
【0034】
たとえば、図9は本発明の別の実施形態に係る踏み台構造の斜視図、図10は図9の断面図である。同図に示すように、本発明は、踏み台面14(同図では、水平面に対して若干勾配を持たせた場合を表している)上の見付け面(連接面)18側に一定幅の滑り止め50を一定長さ、望ましくは踏み台面14の見付長さもしくはこれより若干短い長さに亘って敷設するようにしてもよい。この滑り止め50は、たとえばスポンジ、ゴム等の材料をシート状にしたもの(たとえば厚さは0・5〜5mm程度)とし、これを接着剤、螺子等によって踏み台面14に接合させる。このようにすることで、階段の踏み台面14上の滑りやすさを取り除き、より安全な昇降動作を達することが可能である。
【0035】
また、図11は本発明のさらに別の実施形態に係る踏み台構造の断面図を示すものであるが、(a)は底面12、見付け面(連接面)18、踏み台面14で囲まれて形成される空間に桟木52を据えた構造を、(b)はスプリング16に替えて、或いはこれに加えて平板接合構造54を配置させた態様を示した図である。
【0036】
同図(a)に示されるように、桟木52を底面12の見付面と略面一をなすように配置して接着剤、釘等で底面12に固着する。見付け面(連接面)材18及び踏み台面14をこの桟木52に取り付けるように施工する。このようにすることで、施工上の利便性が向上するのみならず、本階段昇降用補助器具1自体の耐久性、反発性等が強化される。さらに、この桟木52の存在により、踏み台面14に過度な加重がかかった場合であっても、一定の高さを確保することで、スプリング16の保護が果たされることになる。またこのときは桟木52は木に限ることはなく、プラスチック、金属等も材料として可能であり、さらに、その材料との組合せに応じて、底面12、見付け面(連接面)材18及び踏み台面14の材料もプラスチック、金属等を用いてもよい。
【0037】
また、同図(b)に示されるように、平板接合構造54を底面材12及び踏み台面材14のそれぞれの断面にたとえば木螺子56によって接合するようにしてもよい。平板接合構造材54としては、たとえば鉄板、真鋳等さびないもの、或いは防錆加工をしたものを用いる。平板同士の接合箇所はボルト等の自由回転を可能とする接合材を用いる。このように構成することで、底面12―見付け面18―踏み台面14で形成される踏み台構造の剛性をさらに高めるから、安全性をより向上させることが可能となり、たとえばスプリング16に過度な加重が加わった場合でも、反発力を一定範囲に抑制することが可能となり、過度な反発による危険を回避することができる。
【0038】
さらに、図12は、本発明のさらに別の実施形態に係る踏み台構造の断面図を示すものであるが、底面12、見付け面(連接面)18、踏み台面14で囲まれて形成される空間に桟木52を据えた上で更に桟木52と踏み台面14の裏面とを蝶番58で接合した構成を示す図である。同図に示すように、桟木52と踏み台面14の裏面との間に蝶番58を配置させ、それぞれの部材とをたとえば(図示しない)木螺子で接合する。このような構造にすることで、踏み台構造の剛性をさらに高めるから、安全性をより向上させることが可能となる。
【0039】
また、たとえば、上記の説明において、階段自体に初めから踏み台面に及びスプリングを設置し、弾性および緩衝性を具備するメカニズムを構成するようにしてもよい。また、踏み台構造を底面12―踏み台面14の2枚平板材で構成するようにしてもよい。
【0040】
さらに、階段の見付面と本階段昇降用補助器具の連接面18とを覆うようにカバー材をさらに備えるように構成してもよい。このように構成することで、階段の見付面は視覚的に煩雑でなくすることが可能である。
【0041】
また、図13は、本発明のさらに別の実施形態に係る踏み台構造を示す斜視図である。同図に示すように、底面12、見付け面(連接面)18、踏み台面14で形成される踏み台構造を階段30の見付幅の略半分にするように構成しても良い。またこのとき、踏み台構造を形成した側(同図においては向かって左側)に手すり60を付設するように構成しても良い。このように構成することで、老齢者や身障者には踏み台構造(及び手すり)が利用でき、健常者は通常の階段を利用することができるようになる。このとき、階段幅は通常より若干長めにとることも可能であり、このようにすることで、より安全性を向上することが可能となる。
【0042】
また、上記の説明では、主に階段を昇降する人の身体的負荷軽減のための弾性および緩衝性を具備するメカニズムとして本願の技術思想を適用した場合につき説明したが、本願に係る技術思想はこのような対象・用途に限定されるものでなく、ある程度の面的要素を有したもので、日常生活的な弾性および緩衝性を有するものであれば、それが負荷に対する応力動作を伴い、階段を上る際の補助効果、階段を下る際の負荷軽減効果を奏させたいものであれば、どんな対象・用途のものにでも適用することが可能である。たとえば、本願の技術思想は、上記の説明における人を動物もしくは貨物等の運搬物(たとえば競走馬)と読みかえることで、運送過程での利用形態として実現可能である。
【0043】
また、本願発明を用いて生産される装置、方法、ソフトウェア、システムが、その2次的生産品に登載されて商品化された場合であっても、本願発明の価値は何ら減ずるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明に係る階段昇降用補助器具によれば、階段にステップを敷設して弾性および緩衝性を向上させ、たとえば老齢者や身体障害者が階段を上る際の補助効果、階段を下る際の負荷軽減効果を提供し、階段を昇降する人の身体、とくに脚部への負担を軽減させるので、住宅産業、建設業、福祉業等広く各産業に利用することができる。また設置場所としては、一般家庭のほか、老人ホーム、病院、公民館、図書館、リハビリ施設、公共施設、一般ビル等さまざまな場所が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の一実施形態に係る階段昇降用補助器具の全体・概略を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る階段昇降用補助器具の全体の断面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る弾性構造体のより詳細な断面を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る踏み台構造の様々な形態を説明するための平面図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る踏み台構造の様々な形態を説明するための平面図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る踏み台構造の様々な形態を説明するための平面図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る踏み台構造の様々な形態を説明するための平面図である。
【図8】本発明の一実施形態に係る踏み台構造の様々な形態を説明するための平面図である。
【図9】本発明の別の実施形態に係る踏み台構造の斜視図である。
【図10】本発明の別の実施形態に係る踏み台構造の断面図である。
【図11】本発明のさらに別の実施形態に係る踏み台構造の断面図である。
【図12】本発明のさらに別の実施形態に係る踏み台構造の断面図である。
【図13】本発明のさらに別の実施形態に係る踏み台構造を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0046】
1 階段昇降用補助器具
12 底面
14 踏み台面
16 スプリング
17 平板折り曲げ構造
18 見付面
20 蹴上面
30 階段上階
40 ボルト
50 滑り止め
52 桟木
54 平板接合構造
56 木螺子
58 蝶番
60 手すり

【特許請求の範囲】
【請求項1】
階段の踏面に固着された底面と、該底面に結合され水平面に対して傾きを有する踏み台面と、該底面及び踏み台面を連接し階段の見付面と実質的に面一に形成される連接面とを備えた踏み台構造と、
前記踏み台構造で形成される内部に配設され、前記踏み台面の裏面と底面とを弾力的に連接する弾性構造と
を具備することを特徴とする階段昇降用補助器具。
【請求項2】
前記底面と階段の踏面とは、ボルトもしくは接着剤を用いて固着されることを特徴とする請求項1記載の階段昇降用補助器具。
【請求項3】
前記弾性構造は、一端を前記踏み台面の裏面に、他端を前記底面に、それぞれ連結されるスプリングであることを特徴とする請求項1記載の階段昇降用補助器具。
【請求項4】
前記弾性構造は、少なくとも前記踏み台面の裏面及び底面に内接される弾性体であることを特徴とする請求項1記載の階段昇降用補助器具。
【請求項5】
前記弾性体は一定の剛性を持つ実質的に平板状の金属体もしくは樹脂体であることを特徴とする請求項4記載の階段昇降用補助器具。
【請求項6】
前記弾性体は、木材片を組みたてて弾性を持たせた木構造体もしくはエア・クッションであることを特徴とする請求項4記載の階段昇降用補助器具。
【請求項7】
前記階段の見付面と前記連接面とを覆うようにカバー材をさらに備えることをことを特徴とする請求項1記載の階段昇降用補助器具。
【請求項8】
階段の踏面に固着された底面と、該底面に結合され水平面に対して傾きを有する踏み台面とを備えた踏み台構造と、
前記踏み台構造で形成される内部に配設され、前記踏み台面の裏面と底面とを弾力的に連接する弾性構造と
を具備することを特徴とする階段昇降用補助器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−146635(P2007−146635A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−295018(P2006−295018)
【出願日】平成18年10月31日(2006.10.31)
【出願人】(505406268)
【Fターム(参考)】