説明

障害対応教育システム

【課題】電話交換装置の保守者の障害対応のスキルを充分なレベルにまで向上させることができる障害対応教育システムを提供する。
【解決手段】本発明による障害対応教育システムは、通信網を介して電話交換装置と接続され得るサーバと、通信網を介して当該サーバと接続され得る通信端末とを含み、当該サーバは、一連の障害対応作業に対応する一連の教育ステップ及び当該教育ステップの実行順序を記憶し、当該通信端末から障害対応教育の開始信号を受信したら、当該実行順序に従って当該一連の教育ステップの各々におけるデータ処理を実行して得られた教育データを、当該データ処理の実行毎に当該通信端末に送信し、当該通信端末は、当該教育データに基づいて画像及び/若しくは文字メッセージを表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電話交換装置における障害発生への対応作業の教育をなす障害対応教育システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電話交換事業者が使用する電話交換機や企業や事務所で使用される私設交換機、2000年頃から使用され始めたソフトスイッチなど(以下、これらを交換装置と称する)は、通常、ユーザーへサービス提供するための多種多様な機能を有する。また、交換装置を保守、運用及び管理するための装置やシステムの機能も複雑であり、これらの機能や動作を理解し、操作方法を習得するためには多大な時間及び経験を要した。
【0003】
一般に、交換装置を保守、運用及び管理する保守者(以下、単に保守者と称する)向けの交換装置教育においては、教育提供者(以下、単に教育者と称する)が交換装置の保守運用のためのマニュアルや教育資料を用意し、それらを利用した座学に加えて、教育用に設置された実際の交換装置を使用しての実習訓練が必須であった。
【0004】
そのため、保守者を教育するには、教育者は予め教育用の専用施設を用意したり、必要な設備を教育場所に運搬し、事前に教育用の環境を整えたりしなければならなかった。この場合、教育者側においては、教育用の施設や設備を確保及び維持管理するための費用がかかり、また、教育場所に複雑な交換装置を運搬し、設備の動作設定を教育場所で実施しなければならなかった。保守者側においては、遠方の教育用施設を利用する場合、学習のために一定期間の宿泊を伴うことにもなり、費用面での負担や学習期間中の拘束が生じるという不便があった。また、保守運用のためのマニュアルや教育資料を使用した座学と交換装置を用いた実習訓練とがうまく融合しておらず、教育及び学習が効率よく提供されないことが多かった。
【0005】
このような問題に対処するためのシステムとして、例えば特許文献1には、教科書を備えた教科書用WebサーバとEDA(Electronic Design Automation)ツールを備えた実習用Webサーバとを含み、教育受講者用の通信端末(Webクライアント)のから要求に応じて当該教科書を当該通信端末に表示させる手段と、当該EDAツールの実行結果を当該通信端末に表示させる手段とを含む遠隔教育システムが開示されている。
【特許文献1】特開2001−290411号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、交換装置が社会基盤及び事業基盤を支える重要な装置であることに鑑みると、特許文献1に開示されるシステムでは保守者の保守運用のスキルを充分なレベルにまで向上させることができない。すなわち、例えば、交換装置に障害が発生した場合に、保守者が交換装置へ障害対応コマンドを投入し、交換装置が当該コマンドに応じて応答メッセージを保守者へ返送するなど、障害対応の各ステップにおいて保守者と交換装置との間でコマンド及びメッセージを交換することによって障害対応がなされる場合には、単にマニュアルや教育資料を読み、これらに記載されている障害対応コマンドを投入してみるといった程度の学習では、対応作業が複雑でありながらも迅速な対応が要求される障害対応の教育が充分になされたとは言えない。
【0007】
本発明は上記した如き問題点に鑑みてなされたものであって、交換装置の保守者の障害対応のスキルを充分なレベルにまで向上させることができる障害対応教育システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による障害対応教育システムは、電話交換装置における障害発生への対応作業の教育をなす障害対応教育システムであって、通信網を介して前記電話交換装置と接続され得るサーバと、通信網を介して前記サーバと接続され得る通信端末と、を含み、前記通信端末は、障害対応学習開始コマンドの入力に応じて障害対応教育開始信号を生成する入力部と、前記障害対応教育開始信号を前記通信網を介して前記サーバへ送信し且つ前記サーバからの教育データを受信する送受信部と、前記送受信部が受信した教育データに基づいて画像及び/若しくは文字メッセージを表示する表示部と、を含み、前記サーバは、前記障害対応教育開始信号を受信し且つ前記通信端末へ前記教育データを送信するネットワークインタフェースと、一連の障害対応作業に対応する一連の教育ステップ及び前記教育ステップの実行順序を記憶する教育ステップ記憶部と、前記ネットワークインタフェースが受信した障害対応教育開始信号に応じて前記実行順序に従って前記一連の教育ステップの各々におけるデータ処理を実行して得られた教育データを当該データ処理の実行毎に前記通信端末に送信する教育データ送信管理部と、を含むことを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明に係る実施例について添付の図面を参照しつつ詳細に説明する。
【実施例1】
【0010】
図1は本発明による障害対応教育システム1を表すブロック図である。
【0011】
障害対応教育システム1は、学習者通信端末100と、交換装置200と、サーバ300と、教育者通信端末400と、通信網500及び501とを含む。学習者通信端末100は通信網500を介してサーバ300と接続されている。同じく教育者通信端末400は通信網500を介してサーバ300と接続されている。また、交換装置200は通信網501を介してサーバ300と接続されている。通信網500及び501は例えばIP(Internet Protocol)網である。通信網500と通信網501とは、必ずしも同一形式の通信網でなくとも良く、また、両者が同一形式の通信網である場合は、通信網500が通信網501を兼ねても良い。
【0012】
学習者通信端末100は、障害対応教育を受講する学習者が使用する端末であり、例えばパーソナルコンピュータなどである。図2は学習者通信端末100を表すブロック図である。以下に図2を参照しつつ、学習者通信端末100について説明する。学習者通信端末100は、入力部110と、送受信部120と、表示部130と、を含む。
【0013】
入力部110は、学習者による各種コマンドの入力に応じて各種信号を生成する。ここでの各種コマンド及び信号としては、例えば障害対応教育を開始するためのコマンドである障害対応教育開始コマンド及びこれに応じて生成される障害対応教育開始信号や、当該教育開始後に障害解決のために各作業ステップで入力される障害対応コマンド及びこれに応じて生成される障害対応信号などである。
【0014】
送受信部120は、入力部110が生成した各種信号を通信網500を介してサーバ300に送信すると共に、通信網500を介してサーバ300から受信した教育データを表示部130に与える。
【0015】
表示部130は、送受信部120が受信した教育データに基づいて画像や文字メッセージを表示する。図3は表示部130における画面表示の一例を表す図である。学習者は図3に示される画面を見ながら障害対策教育を受講する。以下に図3を参照しつつ、表示部130における画面表示について説明する。
【0016】
装置状態及び擬似障害選択画面131(以下、単に擬似障害選択画面131と称する)は、交換装置200の内部構成や、交換装置200と加入者側回路との接続及び交換装置200と局線側回路との接続などを表している。また、同画面中には擬似障害種別132が表示されており、学習者は、これに表示されている例えば「同期はずれ」、「ファーム異常」及び「メモリ異常」などの中から所望の障害種別を入力部110へのコマンド入力により選択することができる。このとき入力されたコマンドが障害対応教育開始コマンドに相当し、当該コマンドの入力に応じて入力部110が生成した障害対応教育開始信号が送受信部120より通信網500を介してサーバ300に送信される。これにより学習者は障害対応学習を開始することができる。
【0017】
障害種別メッセージ画面133は、障害種別メッセージ134を表示する。障害種別メッセージ134は、送受信部120が通信網500を介してサーバ300から受信した教育データ(障害種別メッセージデータ)に基づいて表示部130が表示したものである。学習者は当該メッセージに基づいて障害種別を判別することができる。
【0018】
障害対応作業マニュアル画面135は、障害発生時の障害対応のマニュアルを表している。通常、障害に対する対応作業の内容や当該作業の順番などが表示される。障害対応作業マニュアル画面135は、送受信部120が通信網500を介してサーバ300から受信したマニュアルデータに基づいて表示部130が表示したものである。
【0019】
コマンド説明画面136は、学習者が交換装置200の保守、管理及び障害に対応するための各種コマンドの説明を表している。コマンド説明画面136は、送受信部120が通信網500を介してサーバ300から受信した教育資料データに基づいて表示部130が表示したものである。
【0020】
運用マニュアル画面137は、交換装置200の運用に関するマニュアルを表している。通常、運用種別毎にマニュアル化されており、個々の運用を実行するために必要なコマンド操作などが作業順に示されている。
【0021】
応答メッセージ表示及びコマンド入力画面138(以下、単に応答メッセージ表示画面138と称する)は、応答メッセージ139及び学習者が入力したコマンド(入力コマンド140)を表している。応答メッセージ139は、送受信部120が通信網500を介してサーバ300から受信した応答メッセージデータに基づいて表示部130が表示したものである。入力コマンド140は、入力部110が学習者によるコマンド入力に応じて生成したコマンドデータに基づいて表示部130が表示したものである。障害対応学習時に、学習者が入力部110より障害対応コマンドを入力すると、入力コマンド140が応答メッセージ表示画面138に表示され、また、当該障害対応コマンドに応じてサーバ300から返信された応答メッセージが同じく応答メッセージ表示画面138に表示される。
【0022】
再び図1を参照する。交換装置200は、例えば電気事業者が使用する電話交換機や企業や事務所で使用される私設交換機などであり、障害対応教育システム1の教育の対象となる装置である。交換装置200は、通信網501を介してサーバ300と接続されており、サーバ300からの保守、管理及び障害対応などのコマンドに応じて応答メッセージを返信する応答メッセージ返信手段を備えている。通常、交換装置200は、障害対応教育時においても正常動作しているため、学習者通信端末100からの障害対応コマンドに応じて、自身が正常動作をしている旨を表す正常応答メッセージをサーバ300に返信する。
【0023】
障害対応教育の目的からすれば、交換装置200は、実機であることが望ましいが、学習者からの障害対応コマンドに応じて実機と同様の応答コマンドを返信できるシミュレータを実機の代わりに利用することもできる。シミュレータとしては、例えば学習者通信端末100とのインターフェースを実現するために最低限必要なハードウェア及びソフトウェアを備えたコンピュータシステムなどである。
【0024】
サーバ300は、ネットワークインタフェース301と、交換装置インタフェース302と、学習通信制御部310と、アクセス管理部320と、学習者データベース321と、教育資料記憶部330と、マニュアル記憶部331と、教材配信部332と、交換装置通信制御部340と、交換装置アクセス管理部341と、応答メッセージパターン生成部350と、応答メッセージパターンデータベース351と、応答メッセージパターン選択部352と、擬似障害発生機能部360と、を含む。
【0025】
ネットワークインタフェース301(以下、NWインタフェース301と称する)は、通信網500を介して学習者通信端末100との間で教育データを送受信する。当該送受信は、例えばIETF(Internet Engineering Task Force)がRFC854で規定したTelnet規格に従った方式で実現できる。また、ここでの教育データとしては、学習者通信端末100からの障害対応コマンドやサーバ300からの応答メッセージなどがある。
【0026】
交換装置インタフェース302は、通信網501を介して交換装置200との間で教育データを送受信する。当該送受信は上記したのと同様の方式にて実現できる。ここでの教育データとしては、サーバ300からの障害対応コマンドや交換装置200からの応答メッセージなどがある。
【0027】
学習通信制御部310は、NWインタフェース301を介した学習者通信端末100との通信を制御する機能を有する。当該制御はアクセス管理部320と協働してなされる。学習通信制御部310は、学習者通信端末100からのアクセス要求をNWインタフェース301を介して受け取ったら、これをアクセス管理部320に与える。アクセス管理部320は、当該アクセス要求に応じて学習者データベース321(以下、学習者DB321と称する)に記憶されている学習者の承認情報を参照して、当該アクセスを承認するか否かを判別してアクセス承認判別結果を得る。アクセス管理部320は、得られたアクセス承認判別結果を学習通信制御部310に通知する。アクセス承認判別結果がアクセス可を表すものであれば、学習通信制御部310はNWインタフェース301と、教材配信部130、交換装置通信制御部340及び応答メッセージ生成部150との間の教育データの交換を許可する。反対にアクセス承認判別結果がアクセス不可を表すものであれば、学習通信制御部310はこれらの間の教育データの交換を禁じる。なお、学習者DB321は、承認情報の他にも学習者に関する氏名、連絡先(電子メールアドレスや電話番号など)及び学習履歴などの学習者関連情報を記憶しているデータベースである。
【0028】
教育資料記憶部330は、交換装置200の保守や運用などに関して学習者を教育するための教育資料データを記憶している。マニュアル記憶部331は、交換装置200に生じ得る障害に対応するための障害対応マニュアルデータを記憶している。教材配信部332は、教育資料記憶部330から教育資料データを、マニュアル記憶部331から障害対応マニュアルデータをそれぞれ適時、読み出して画像データに変換し、当該変換により画像データ化された教育資料データ及び障害対応マニュアルデータをNWインタフェース301及び通信網500を介して学習者通信端末100に配信する。ここでの画像データの形式としては、例えばHTML(Hyper Text Mark up Language)が使用される。
【0029】
交換装置通信制御部340は、交換装置インタフェース302を介した交換装置200との通信を制御する機能を有する。当該制御は交換装置アクセス管理部341と協働してなされる。交換装置アクセス管理部341は予め、交換装置200を含む複数の交換装置の各々に対する通信を許容するか否かを表すアクセス可否情報を有しており、交換装置通信制御部340は、当該アクセス情報に基づいてこれら複数の交換装置との通信を制御する。当該アクセス情報が交換装置200との通信を許可するものであれば、交換装置通信制御部340は、交換装置インタフェース302と、教育データ送信管理部161、応答メッセージ選択部152及び学習通信制御部310との間の教育データの交換を許可する。反対に当該アクセス情報が交換装置200との通信を禁止するものであれば、交換装置通信制御部340は、これらの間の教育データの交換を禁じる。
【0030】
応答メッセージパターン生成部350は、学習者通信端末100への擬似障害応答メッセージの一部をなす雛形(パターン)を生成する機能を有する。応答メッセージパターン生成部350は、教育者通信端末400からのパターン生成信号に応じて擬似障害応答メッセージパターンを生成する。擬似障害応答メッセージは、交換装置200に含まれる何らかの装置に障害が発生した旨を表す応答メッセージである。教育者は教育者通信端末400から発するパターン生成信号にて擬似障害応答メッセージの内容を自在に設定できる。
【0031】
応答メッセージパターンデータベース351(以下、応答メッセージパターンDB151と称する)は、応答メッセージパターン生成部350が生成した複数の擬似障害応答メッセージパターンの各々をパターン識別子に対応付けて記憶している。
【0032】
応答メッセージパターン選択部352は、学習者通信端末100からの障害対応コマンドに応じて交換装置200から返信されてきた応答メッセージを解析して当該メッセージの種別を得る。続いて、応答メッセージパターン選択部352は、当該解析によって得られたメッセージの種別に基づいて、応答メッセージパターンDB151に記憶されている複数の擬似障害応答メッセージパターンの中から1つを選択する。
【0033】
通常、交換装置200は学習者通信端末100が発した障害対応コマンドを通信網500、サーバ300及び通信網501を経由して受信し、当該コマンドに対して応答メッセージを返信する。このとき、正常動作中の交換装置200は正常動作している旨を表す応答メッセージ(以下、正常応答メッセージと称する)を返信する。学習者通信端末100が正常応答メッセージを受信したのでは、障害対応の学習にならないため、応答メッセージパターン選択部352が、交換装置200からの正常応答メッセージを解析して当該メッセージの種別を得る。続いて、応答メッセージパターン選択部352は、当該種別に基づいて、応答メッセージパターンDB151に記憶されている複数の応答メッセージパターンの中から1つを選択する。なお、後述する教育データ送信管理部362が、当該選択された応答メッセージパターンに基づいて擬似障害応答メッセージデータを生成し、NWインタフェース301をしてこれを送信せしめる。
【0034】
擬似障害発生機能部360は、教育ステップ記憶部361と、教育データ送信管理部362と、擬似障害種別判別部363と、障害種別メッセージパターン記憶部364と、障害種別メッセージ生成部365とを含む。
【0035】
教育ステップ記憶部361は、一連の障害対応作業に対応する一連の教育ステップ及び前記教育ステップの実行順序を記憶する。ここでの障害対応作業とは、交換装置200に生じ得る障害に対する対応作業である。また、教育ステップ記憶部361は、データ処理に付随するパラメータも当該データ処理と併せて実行順序と対応付けて記憶している。通常、交換装置200に生じ得る障害は複数あるため、教育ステップ記憶部361は、一連の教育ステップを障害種別毎に複数記憶している。
【0036】
一般に、交換装置200の保守者が障害発生時になすべき対応作業はマニュアル化されている。図4は交換装置200において生じ得る障害に対して保守者がなすべき対応作業を表した障害対応作業マニュアルの一例である。同図中の「装置名」には交換装置200に含まれる装置(ここではメモリ)の名称とその識別子(ここでは001)が示されている。「障害ID」には「装置名」にて示される装置において生じ得る障害の名称(ここでは書込みエラー)とその識別子(ここでは001)が示されている。「障害種別メッセージ」には、「障害ID」にて示される障害が発生したときに、学習者通信端末100に通知される文字メッセージが示されている。「メッセージ番号」には、「障害種別メッセージ」にて示される文字メッセージを識別するためのメッセージ番号(ここでは001)が示されている。「保守者リアクション」には、「障害ID」にて示される障害が発生したときに、保守者がなすべき対応作業が時系列に示されている。「詳細」には「保守者リアクション」にて示される対応作業に関する情報が記述されている。例えば、「保守者リアクション」が「1.障害状況を確認する」の場合、当該確認のために保守者が入力すべきコマンドを識別するためのコマンド番号(ここでは001)が示されている。また、「保守者リアクション」が「2.障害パッケージの特定」の場合、保守者が当該特定をなすために参照すべきマニュアルのページ番号、章及び節が示されている。
【0037】
図4に示されるメモリの書込みエラーに対して、保守者が取るべき一連の対応は「保守者リアクション」に示される。すなわち、保守者は、1.障害状況を確認するためにコマンドを投入し、2.当該コマンドに対する応答メッセージに基づいて障害対応マニュアルを参照して障害パッケージを特定する。次に保守者は、3.障害箇所を診断するためにコマンドを投入し、4.当該コマンドに対する応答メッセージに基づいて障害対応マニュアルを参照して障害パッケージを交換する。続いて、保守者は、5.障害パッケージ交換後に発せられる動作メッセージに基づいて正常性を確認するために障害対応マニュアルを参照し、6.正常に動作していることを確認できれば、障害パッケージを運用系に組み込む。最後に保守者は、7.障害パッケージを運用系に組み込んだ後に発せられる動作メッセージに基づいて正常性を確認するために障害対応マニュアルを参照し、正常に動作していることを確認できれば、障害対応を終了するためのコマンドを投入して、一連の障害対応を終了する。
【0038】
図5は図4の「保守者リアクション」に示される障害対応の種別を汎用的にパターン化した障害対応種別テーブルの一例を表す図である。「リアクション種別」には保守者がなすべき障害対応の種別が示されている。「ファンクション」には「リアクション種別」に示される障害対応に対応する識別子が示されている。ここでは、識別子01がコマンド投入、識別子02が応答メッセージ確認、識別子03がマニュアル確認に対応している。「PR1」、「PR2」、・・・の各々は「ファンクション」に示される障害対応を取るために必要となるパラメータを示している。例えば、「ファンクション」がコマンド投入であれば、投入すべきコマンド番号がPR1に示されており、「ファンクション」が応答メッセージ確認であれば応答メッセージ番号がPR1に示されており、「ファンクション」がマニュアル確認であれば、参照すべきページがPR1に、章がPR2に、節がPR3にそれぞれ示されている。
【0039】
図6は、教育ステップ記憶部361に記憶される教育ステップテーブルの一例を表す図である。教育ステップテーブルは、図4に示される対応作業マニュアル及び図5に示される障害対応種別テーブルに基づいて作成される。「障害ID」は障害装置の識別子と障害種別の識別子とを組み合わせて得られた障害ID識別子が示されている。例えば当該テーブルの最上段の「障害ID」には障害装置の識別子001と障害種別の識別子001とを組み合わせて得られた障害ID識別子001−001が示されている。障害装置及び障害種別の識別子の組み合わせにより、複数の障害IDが記憶されている。「障害種別メッセージ番号」には障害種別を学習者通信端末100に通知するための障害種別メッセージの識別子が示されている。「教育ステップ」AR1、AR2、・・・、AR8の各々は、図3の「リアクション種別」に示される識別子と「PR1」、「PR2」、・・・の各々に示されるパラメータとを組み合わせて得られたデータ処理数列である。例えば、障害ID001−001のAR1には、コマンド投入を表す識別子01と、コマンド番号001を組み合わせて得られたデータ処理数列01,001が示されている。また、障害ID001−001のAR1には、マニュアル確認を表す識別子03と、ページ番号20、章3及び節5とを組み合わせて得られたデータ処理数列03,20,3,5が示されている。なお、AR1〜AR8中に示される記号FFは、一連のデータ処理の終了を表している。
【0040】
再び図1を参照する。教育データ送信管理部362は、学習者通信端末100からの障害対応教育開始信号に応じて、教育ステップ記憶部361に記憶されている教育ステップの実行順序に従って、各教育ステップにおけるデータ処理を実行し、当該実行により得られた教育データを学習者通信端末100に順次、送信せしめる。学習者通信端末100からの障害対応教育開始信号には、障害装置及び障害種別の識別子が含まれており、教育データ送信管理部362は、これらの識別子に基づいて、教育ステップテーブルに記憶されている複数の障害IDの中から1つの障害IDを選択する。教育データ送信管理部362は、選択した障害IDに対応付けられている教育ステップAR1〜AR8をAR1、AR2・・・、AR8の順に参照し、AR1〜AR8の各々に示されているデータ処理数列に基づいてデータ処理を実行する。教育データ送信管理部362は、当該実行により得られた教育データを学習者通信端末100に送信せしめる。
【0041】
教育データ送信管理部362が実行するデータ処理としては、例えば次の2つの処理が挙げられる。1つは、教育データ送信管理部362がマニュアル記憶部331から障害対応マニュアルデータの一部又は全部を取り出し、教材配信部332をして当該障害対応マニュアルを画像データに変換せしめる処理である。当該処理に続いて、教育データ送信管理部362は、教材配信部332をして当該画像データを学習者通信端末100に送信せしめる。この場合、画像データが上記した教育データに相当する。もう1つは、教育データ送信管理部362が、応答メッセージパターン選択部352よって選択された擬似障害応答メッセージパターンに基づいて、擬似障害応答メッセージデータを生成する処理である。当該処理に続いて、教育データ送信管理部362は、当該生成により得られた擬似障害応答メッセージデータをNWインタフェース301をして学習者通信端末100に送信せしめる。この場合、擬似障害応答メッセージデータが上記した教育データに相当する。また、教育データ送信管理部362は、後述する障害種別メッセージデータを送信NWインタフェース301をして学習者通信端末100に送信せしめる手段を有する。
【0042】
擬似障害種別判別部363は、障害対応教育開始信号に含まれる障害種別の識別子に基づいて障害種別を判別する。また、擬似障害種別判別部363は、当該障害種別及び同じく障害対応教育開始信号に含まれる障害装置に基づいて教育ステップテーブルに記憶されている複数の障害IDの中から1つの障害IDを選択する。擬似障害種別判別部363は、当該障害IDに対応付けられている障害種別メッセージ番号を、教育ステップ記憶部361に記憶されている教育ステップテーブルから取得する。
【0043】
障害種別メッセージパターン記憶部364は、複数の障害種別メッセージパターンを障害種別メッセージ番号に対応付けた障害種別メッセージパターンテーブルを記憶している。図7は障害種別メッセージパターンテーブルの一例を表す図である。「障害種別メッセージ番号」は、障害種別メッセージを識別するための識別番号(ここでは001)である。「基本キャラクタデータ」は、障害種別メッセージの一部をなす雛形(パターン)である。基本キャラクタデータは例えば同図中に示される「***FLT MEMORY PR1、PR2、・・・」などのパターンである。「PR1」、「PR2」、・・・は、「基本キャラクタデータ」に示されるパターンに関連するパラメータである。ここでのパラメータとは例えば装置種別(ここでは001)や装置番号(ここでは002)などである。
【0044】
障害種別メッセージ生成部365は、擬似障害種別判別部363が取得した障害種別メッセージ番号に対応する障害種別メッセージパターンを、障害種別メッセージパターン記憶部364に記憶されている複数の障害種別メッセージパターンの中から選択し、当該障害種別メッセージパターンに基づいて障害種別メッセージを生成する。
【0045】
教育者通信端末400は、例えばパーソナルコンピュータなどであり、障害対応教育の支援を行う教育者が使用する端末である。教育者通信端末400は、通信網500を介してサーバ300及び学習者通信端末100と接続されている。教育者は教育者通信端末400を用いて様々な設定を行うことができる。例えば、学習者DB321への学習者の登録、交換装置アクセス管理部341へのアクセス情報の設定、教育資料記憶部330への教育資料データの登録設定及び教育資料データの編集、マニュアル記憶部331へのマニュアルデータの登録設定及びマニュアルデータの編集、教育ステップ記憶部361への教育ステップテーブルの登録設定及び教育ステップテーブルの編集、障害種別メッセージパターン記憶部364への障害種別メッセージパターンテーブルの登録設定及び障害種別メッセージパターンテーブルの編集、応答メッセージパターン生成部350へのパターン生成信号の発信などである。また、教育者は、学習者より学習者通信端末100を用いて発せられた質問に対して、教育者通信端末400を用いて通信網500を経由して回答することもできる。
【0046】
以下に障害対応教育のフローについて説明する。先ず、障害対応教育を開始する前に教育者は教育者通信端末400を用いてサーバ300及び交換装置200に対して必要に応じて事前の準備を施しておく。当該準備としては例えば以下のようなものがある。(1)交換装置200の起動に必要な初期構成ファイル(加入者データ、住所データ、システムコンフィギュレーションデータなど)の準備、(2)交換装置200の起動、(3)交換装置200におけるサーバからのアクセス許可処理、(4)応答メッセージパターン生成部350へのパターン生成信号の発信及び擬似障害応答メッセージパターンの生成、(5)応答メッセージパターンDB151への擬似障害応答メッセージパターンの登録、(6)教育資料記憶部330及びマニュアル記憶部331への交換装置200に関する教育資料データ及びマニュアルデータの登録、(7)学習者DB321への学習者関連情報の登録、(8)教育ステップ記憶部361への教育ステップテーブルの設定などである。
【0047】
図8はサーバ300による障害対応教育ルーチンを表すフローチャートである。
【0048】
先ず、学習通信制御部310は、学習者通信端末100からユーザ名やパスワードなどを伴うアクセス要求を受け取ったら、これをアクセス管理部320に与える。アクセス管理部320は、当該アクセス要求に応じて学習者DB321に記憶されている学習者の承認情報を参照して、当該アクセスを承認するか否かを判別してアクセス承認判別結果を得る。アクセス承認判別結果がアクセス可を表すものであれば、学習通信制御部310は学習者通信端末100のアクセスを許可する。反対にアクセス承認判別結果がアクセス不可を表すものであれば、学習者通信端末100のアクセスを許可しない(ステップS801)。
【0049】
学習通信制御部310は、必要に応じて学習者DB321に記憶されている学習者関連情報を参照して交換装置の初期設定を行う(S802)。ここでの初期設定とは、例えば交換装置200の全体若しくは交換装置200内のリソースを利用可能とするための処理である。
【0050】
教材配信部332は、随時、学習者通信端末100からの教育資料若しくはマニュアルの送信要求に応じて教育資料記憶部330に記憶されている教育資料データ及びマニュアル記憶部331に記憶されているマニュアルデータの一部若しくは全部を取り出してこれらを画像データに変換し、更に当該画像データを学習者通信端末100へ送信する(S803)。このとき、教材配信部332は送信要求の内容及び学習者DB321に記憶されている学習履歴に基づいて適切な教育資料データ及びマニュアルデータを取り出す。表示部130は、送受信部120が受信した教育資料データ及びマニュアルデータに基づいて図7に示す如き画面を表示する。教材配信部132は、学習者通信端末100からの学習終了通知に応じて教育資料データ及びマニュアルデータの送信を終了すると共に障害対応教育ルーチンを終了する(S804)。
【0051】
教材配信部332は、予め定められた運用操作開始条件に基づいて、学習者に対して運用操作の開始を要求すべきと判定したら(S805)、教育資料記憶部330に記憶されている教育資料データの中から運用操作に関するデータを取り出しこれを画像データに変換して学習者通信端末100へ送信する(S806)。表示部130は当該画像データに基づいて7に示す如き運用マニュアル画面137や応答メッセージ表示画面138などを表示する。
【0052】
学習者は、教育資料やマニュアルによる学習を終了したら、表示部130に表示されている擬似障害選択画面131中の擬似障害種別132の内から学習したい障害種別を決定し、障害対応教育開始コマンドを入力部210に入力する。障害対応教育開始コマンドは例えば、コマンド種別,装置種別,装置番号,障害種別及び詳細情報などからなる。具体的には「¥SFL RG,001,001,001」などと表される。ここでの¥SFL RGは、当該コマンドが障害応答学習を開始するためのコマンドであることを表しており、続く001は装置種別、その次の001は装置番号、最後の001は障害種別を表している。ここでは、詳細情報は省略されている。入力部110は学習者からの障害対応教育開始コマンドに応じて障害対応教育開始信号を生成し、送受信部120がこれをサーバに送信する。NWインタフェース301は障害対応教育開始信号を受信し(S807)、これを教育データ送信管理部362に与える。
【0053】
教育データ送信管理部362は障害対応教育開始信号に含まれる装置種別の識別子001及び装置番号001に基づいて、教育ステップ記憶部361に記憶されている教育ステップテーブルから障害ID001−001を選択し、障害ID001−001に対応付けられているデータを取得する(S808)。擬似障害種別判別部363は、教育ステップ記憶部361に記憶されている教育ステップテーブルにて障害ID001−001に対応付けられている障害種別メッセージ番号001を取得する。障害種別メッセージ生成部365は、擬似障害種別判別部363が取得した障害種別メッセージ番号001に対応する障害種別メッセージパターンを、障害種別メッセージパターン記憶部364に記憶されている複数の障害種別メッセージパターンの中から選択し、当該障害種別メッセージパターンに基づいて障害種別メッセージを生成する(S809)。教育データ送信管理部362はNWインタフェース301をして障害種別メッセージを学習者通信端末100に送信せしめる(S810)。続いて教育データ送信処理ルーチンに移行する。
【0054】
図9は教育データ送信管理部362による教育データ送信処理ルーチンを表すフローチャートである。
【0055】
本実施例においては擬似障害発生機能部360がサーバ300に含まれているが、擬似障害発生機能部360は、交換装置200に含まれていても良い。擬似障害発生機能部360は、交換装置200に含まれている場合には、障害対応コマンドを交換装置200に送信する(S901)。
【0056】
教育データ送信管理部362は、ステップS808において教育ステップ記憶部361に記憶されている教育ステップテーブルから取得したデータ処理数列に基づいて各教育ステップにおける処理を実行する。教育データ送信管理部362は、ステップS808において障害ID001−001を選択したため、障害ID001−001に対応付けられている「教育ステップ」AR1〜AR8の処理をAR1、AR2、・・・、AR8の順に実行する。教育データ送信管理部362は、教育ステップAR1〜AR8の各々に記憶されているデータ処理数列に基づいて自身が実行すべき処理を判別する(S902)。
【0057】
先ず、教育データ送信管理部362は、教育ステップAR1の処理を実行する。図6に示される如くAR1には、学習者がコマンド番号001のコマンドを投入すべきであることを表すデータ処理数列01,001が示されている。教育データ送信管理部362は、当該データに基づいて、学習者通信端末100からの障害対応コマンドを受け取るまで待機する。教育データ送信管理部362は、障害対応コマンドを受け取ったら、当該コマンドに含まれているパラメータを抽出し、当該パラメータに基づいて障害対応コマンドに編集を施す(S903)。教育データ送信管理部362は、当該編集により得られた障害対応コマンドを交換装置200に送信する(S904)。
【0058】
教育データ送信管理部362は、交換装置200からの応答メッセージを受信するまで待機する。正常動作している交換装置200は、サーバ300からの障害対応コマンドに応じて、自身が正常動作している旨を表す正常応答メッセージをサーバ300に返信する。交換装置インタフェース302は正常応答メッセージを受信し(S905)、これを応答メッセージパターン選択部352に与える。応答メッセージパターン選択部352は、正常応答メッセージを解析し(S906)、得られた解析結果に基づいて、応答メッセージパターンDB351に記憶されている複数の応答メッセージパターンの内の1つを選択する。教育データ送信管理部362は、応答メッセージパターン選択部352が選択した応答メッセージパターンに基づいて、擬似障害応答メッセージデータを生成する。続いて教育データ送信管理部362は、NWインタフェース301をして擬似障害応答メッセージデータを学習者通信端末100に送信せしめる(S907)。
【0059】
表示部130は送受信部120が受信した擬似障害応答メッセージデータに基づいて障害応答メッセージを表示する。学習者は当該メッセージにより障害状況を確認できる。
【0060】
次に、教育データ送信管理部362は、教育ステップAR2の処理を実行する。図6に示される如くAR2には、学習者がマニュアルの20ページ、第3章、第5節を参照すべきであることを表すデータ03,20,3,5が示されている。教育データ送信管理部362は、マニュアル記憶部331から、上記した20ページ、第3章、第5節に該当するマニュアルデータを取り出し、これを教材配信部332に与える(S908)。教材配信部332は当該マニュアルデータを画像データに変換する。教育データ送信管理部362は、教材配信部332をして当該画像データを学習者通信端末100に送信せしめる(S909)。
【0061】
表示部230は、送受信部120が受信した画像データに基づいてマニュアルを表示する。学習者は先に表示されている障害応答メッセージと当該マニュアルの内容から障害パッケージを特定できる。
【0062】
続いて、教育データ送信管理部362は、教育ステップAR3、AR4、・・・、AR7の処理を上記したのと同様に順次、実行する。教育データ送信管理部362は、教育ステップAR8で教育データ送信処理の終了を表すデータFFに基づいて教育データ送信処理ルーチンを終了する(S910)。
【0063】
上記した如く本実施例によれば、学習者通信端末100とサーバ300とが通信網500を介して接続されており、且つ、サーバ300と交換装置200とが通信網501を介して接続されている。サーバ300が、学習者通信端末100からの障害対応信号を交換装置200に中継し、且つ、交換装置200からの応答メッセージデータに基づいて生成した擬似障害応答メッセージデータを学習者通信端末100に送信することにより、学習者は遠隔地に居ながら障害対応教育を受講することができる。これにより、学習者の出張や教育者による交換装置の運搬、設置などが不要になる。
【0064】
また、本実施例によれば、教育ステップ記憶部361が一連の障害対応作業に対応する一連の教育ステップ及び当該教育ステップの実行順序を記憶し、教育データ送信管理部362が、当該実行順序に従って各教育ステップにおけるデータ処理を実行して得られた教育データ(応答メッセージデータ及び障害対応マニュアルデータ)を当該実行毎に学習者通信端末100に送信せしめる。これにより、学習者は、自身が入力したコマンドに対する応答メッセージの受信や障害対応マニュアルの参照などを一連の障害対応作業フローとして演習実施することができる。このように本実施例による障害対応教育システムは、マニュアルや教育資料を参照させつつ、保守者と交換装置との間におけるコマンド及びメッセージの交換を含む障害対応作業を、一連の作業フローとして学ばせることができるため、交換装置の保守者の障害対応のスキルを充分なレベルにまで向上させることができる。
【0065】
本実施例においては、学習者用の通信端末として学習者通信端末100のみが通信網500と接続されているが、学習者通信端末100と同様の機能を有する他の複数の学習者通信端末が通信網500と接続されていても良い。この場合、サーバ300はこれら複数の学習者通信端末へ個別に教育データを送信できる。
【0066】
本実施例においては、擬似障害発生機能部360がサーバ300に含まれているが、擬似障害発生機能部360が交換装置200に含まれている場合にも、本実施例と同様の効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】障害対応教育システムを表すブロック図である。
【図2】学習者通信端末を表すブロック図である。
【図3】表示部における画面表示の一例を表す図である。
【図4】障害対応作業マニュアルの一例である。
【図5】障害対応種別テーブルの一例を表す図である。
【図6】教育ステップテーブルの一例を表す図である。
【図7】障害種別メッセージパターンテーブルの一例を表す図である。
【図8】障害対応教育ルーチンを表すフローチャートである。
【図9】教育データ送信処理ルーチンを表すフローチャートである。
【符号の説明】
【0068】
1 障害対応教育システム
100 学習者通信端末
110 入力部
120 送受信部
130 表示部
131 装置状態及び擬似障害選択画面
132 擬似障害種別
133 障害種別メッセージ画面
134 障害種別メッセージ
135 障害対応作業マニュアル画面
136 コマンド説明画面
137 運用マニュアル画面
138 応答メッセージ表示及びコマンド入力画面
139 応答メッセージ
140 入力コマンド
200 交換装置
300 サーバ
301 ネットワーク(NW)インタフェース
302 交換装置インタフェース
310 学習通信制御部
320 アクセス管理部
321 学習者データベース(DB)
330 教育資料記憶部
331 マニュアル記憶部
332 教材配信部
340 交換装置通信制御部
341 交換装置アクセス管理部
350 応答メッセージパターン生成部
351 応答メッセージパターンデータベース(DB)
352 応答メッセージパターン選択部
360 擬似障害発生機能部
361 教育ステップ記憶部
362 教育データ送信管理部
363 擬似障害種別判別部
364 障害種別メッセージパターン記憶部
365 障害種別メッセージ生成部
400 教育者通信端末
500、501 通信網

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電話交換装置における障害発生への対応作業の教育をなす障害対応教育システムであって、
通信網を介して前記電話交換装置と接続され得るサーバと、通信網を介して前記サーバと接続され得る通信端末と、を含み、
前記通信端末は、
障害対応学習開始コマンドの入力に応じて障害対応教育開始信号を生成する入力部と、
前記障害対応教育開始信号を前記通信網を介して前記サーバへ送信し且つ前記サーバからの教育データを受信する送受信部と、
前記送受信部が受信した教育データに基づいて画像及び/若しくは文字メッセージを表示する表示部と、を含み、
前記サーバは、
前記障害対応教育開始信号を受信し且つ前記通信端末へ前記教育データを送信するネットワークインタフェースと、
一連の障害対応作業に対応する一連の教育ステップ及び前記教育ステップの実行順序を記憶する教育ステップ記憶部と、
前記ネットワークインタフェースが受信した障害対応教育開始信号に応じて前記実行順序に従って前記一連の教育ステップの各々におけるデータ処理を実行して得られた教育データを当該データ処理の実行毎に前記通信端末に送信する教育データ送信管理部と、を含むことを特徴とする障害対応教育システム。
【請求項2】
前記サーバは、障害対応マニュアルデータを記憶するマニュアル記憶部と、前記障害対応マニュアルデータを変換して得られた画像データを前記通信端末に送信する教材配信部と、を含み、
前記教育データ送信管理部は、前記マニュアル記憶部から前記障害対応マニュアルの一部又は全部を取り出して前記教材配信部をして当該障害対応マニュアルを画像データに変換せしめることを前記一連のデータ処理の内の1つとし、前記画像データを前記教育データとすることを特徴とする請求項1に記載の障害対応教育システム。
【請求項3】
前記サーバは、前記通信端末からの障害応答信号を前記電話交換装置へ中継する交換装置インタフェースと、複数の応答メッセージパターンを記憶する応答メッセージパターンデータベースと、前記電話交換装置からの応答メッセージを解析して得られた解析結果に基づいて前記複数の応答メッセージパターンの内の1つを選択する応答メッセージパターン選択部と、を含み、
前記教育データ送信管理部は、前記応答メッセージ選択部が選択した応答メッセージパターンに基づいて擬似応答メッセージデータを生成することを前記一連のデータ処理の内の1つとし、前記擬似応答メッセージデータを前記教育データとすることを特徴とする請求項1に記載の障害対応教育システム。
【請求項4】
前記サーバは、
前記障害対応教育開始指令に含まれる障害種別識別子に基づいて擬似障害種別を判別する擬似障害種別判別部と、
複数の障害種別メッセージパターンを記憶する障害種別メッセージパターン記憶部と、
前記擬似障害種別に基づいて前記複数の障害種別メッセージパターンの内の1つを選択して当該障害種別メッセージパターンに基づいて障害種別メッセージデータを生成する障害種別メッセージ生成部と、を含み、
前記教育データ送信管理部は、前記障害種別メッセージデータを前記ネットワークインタフェースをして前記通信端末に送信せしめる障害種別メッセージデータ送信手段を含むことを特徴とする請求項1に記載の障害対応教育システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−15146(P2009−15146A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−178624(P2007−178624)
【出願日】平成19年7月6日(2007.7.6)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】