説明

障害復旧機能を有するゲーム装置

【課題】ベット操作を伴うゲームにおいて重要な局面で停電等の障害が発生した際にも、ベット額だけでなく、該重要な局面のゲーム状況も補償することが可能なゲーム装置を提供する。
【解決手段】ゲームの所定の局面にて、遊技媒体のプレイヤへの配布種類と配布順が確定したか否かを判定する判定手段と、ベット操作による当該ゲームの結果としてプレイヤが所持する仮想的遊技価値が増減した時点を示す第1タイミングと前記配布種類と配布順が確定した時点を示す第2タイミングとを少なくともチェックポイントとして、当該時点のゲーム状況の復元に必要な復旧用データを前記チェックポイント毎に不揮発性の記憶媒体に保存する復旧用データ保存手段と、ゲームの実行中の電源断を含む障害の復旧時に前記記憶媒体から前記復旧用データを読出し、該復旧用データに基づいて前記チェックポイントの最新時点のゲーム状況を自動的に復元する障害復旧手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム装置の電源断やソフトウェアハングアップ等のゲーム進行が不可能な障害が発生した際に、ゲーム状態を復旧する障害復旧機能を備えたゲーム装置に関し、特に、遊技者であるプレイヤのベット(BET)操作を伴うコンピュータゲームを実行するゲーム装置おける障害復旧処理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ゲームプログラムの実行機能を有するゲーム装置においては、プレイヤ又はゲームプログラムが意図的にゲームを中断することが可能であり、ゲームを再開するときには、記憶媒体に保存したデータに基づいて、ゲームを中断した時点から再開する方式が一般的に採用されている。
【0003】
また、過去に遡ってゲームを再現できるようにしたのとしては、例えば、特許文献1や特許文献2に記載のものがある。特許文献1には、ゲームスタート時からプレイ時間が経過した時点までの全てのキー操作情報を記憶媒体に記録しておき、ゲームプレイの制限時間の設定によりゲームが強制中断された場合、ゲーム再開時に、記憶媒体に記録されたキー操作情報に基づいて前回のゲーム操作を自動的に再現する点が開示されおり、さらに、再現途中の任意の場面で再現処理を停止させ、その場面からプレイを再開可能とした点が開示されている(特許文献1の段落[0020]の記載を参照)。
【0004】
一方、特許文献2には、前回のすべての操作を自動的に再現することなく、必要最小限な区間だけ再現して、前回までのゲームの流れをプレイヤが容易に把握することができるようにしたゲーム装置が開示されている。具体的には、ゲーム実行中に発生する各種のゲームデータとして、プレイヤのキー入力データ,キャラクタの位置情報,移動シーケンス,イベントフラグ等のゲームプレイにかかわるデータを順次記憶する記憶手段を備え、ゲームが終了した後にゲームを再開する際、ゲーム進行の流れの中の所定の区切り位置から前回ゲームが終了した位置までのゲームデータを記憶手段から読み出し、読み出したゲームデータに基づいて自動的にゲーム画面を再現する点が開示されている(特許文献2の[請求項1]及び段落[0020]記載を参照)。
【0005】
上述した特許文献1に記載の方式においては、ゲームプレイの制限時間を設定でき、時間管理を行うことができる。また、前回のゲーム操作がすべて再現されるので、プレイヤは前回までのゲームの流れを把握することができる。さらに、過去のゲーム操作で間違った操作を行った場合等に再度その場面からゲームを再開することができるため、前回と異なるゲーム展開を楽しむことが可能となる。一方、特許文献2に記載の方式においては、冗長に前回のすべての操作を自動的に再現することなく、プレイヤがゲームの流れを把握するのに必要最小限な分だけ再現することができる。
【0006】
【特許文献1】特開平7−303760号公報
【特許文献2】特許第3731781号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、いずれの方式も所定期間のキー操作情報を記録しておき、そのキー操作情報を用いて所定期間のゲーム画面を忠実に再現する方式であり、保存するデータ量が多くならないように制限時間を設けたり、途中に区切りを入れたりしているものの、前回のゲーム開始時又はゲームの区切り位置の時点から少なくともゲームの終了時点までずっとプレイ状況を保存する必要がある。また、ハードウェア障害やソフトウェア障害を想定していないため、ゲームの途中での意図しない電源断や、基本ソフトウェアの誤動作等に起因するいわゆるハングアップなどのソフトウェア障害が発生した場合、重要な局面のゲーム状況を復元することができなかったり、かなり過去に遡った時点までしか再現できなかったりするケースが生じる。
【0008】
その場合、プレイヤが已む無く諦めることができるケースであれば、あまり問題が無いが、プレイヤのベット操作を伴うカジノゲーム等のゲームにおいて、プレイヤが勝てそうなゲーム状況において障害が生じた場合、例えば、スロットゲームで大当たりが発生しそうな状況や、ポーカーゲームで稀な手役(ロイヤルフラッシュ等)を成立させて、後は他人のベットを待つだけという状況など、大儲けができそうなゲーム状況で障害が発生した場合に、従来技術のように過去の時点に遡ってしまうと、プレイヤは諦めるに諦められない気持ちとなってしまう。特に、ベットを繰り返すことで配当金が膨大になるようなギャンブル要素を有するゲームにおいては、一般的なゲームと比較して、1回のラウンドのゲーム時間は短いが、大儲けのできそうなゲーム状況が発生するケースが多い。しかし、そのような重要な局面で停電やソフトウェアハングアップ等の障害が発生した場合、従来のゲーム装置ではゲーム状況を補償することができなかった。
【0009】
本発明は上述のような事情から成されたものであり、本発明の目的は、ベット操作を伴うコンピュータゲームにおいてプレイヤにとって重要な局面で停電等の障害が発生した際にも、ベット額だけでなく、該重要な局面のゲーム状況も補償することが可能な障害復旧機能を有するゲーム装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、プレイヤによる仮想的遊技価値のベット操作を伴うコンピュータゲームを実行するゲーム装置に関するものであり、本発明の上記目的は、前記ゲームの所定の局面にて、所定数の遊技媒体からなる遊技媒体群について、当該遊技媒体のプレイヤへの配布種類と配布順が確定したか否かを判定する判定手段と、前記ベット操作による当該ゲームの結果として前記プレイヤが所持する前記遊技価値が増減した時点を示す第1タイミングと前記判定手段によって前記配布種類と配布順が確定したと判定された時点を示す第2タイミングとを少なくともチェックポイントとして、当該時点のゲーム状況の復元に必要な復旧用データを前記チェックポイント毎に不揮発性の記憶媒体に保存する復旧用データ保存手段と、前記ゲームの実行中の電源断を含む障害の復旧時に前記記憶媒体から前記復旧用データを読出し、該復旧用データに基づいて少なくとも前記チェックポイントの最新時点のゲーム状況を自動的に復元する障害復旧手段と、を備えることによって達成される。
【0011】
また、本発明の上記目的は、前記復旧用データ保存手段は、自己及び他のプレイヤの操作情報を入力すると同時に該プレイヤの操作が前記ゲームの進行に関わる操作か否かを判定し、前記ゲームの進行に関わる操作と判定した場合は、該操作を検出した時点を前記チェックポイントとして前記復旧用データの保存処理を実行すること、前記障害復旧手段は、前記ゲーム状況の復元の際、前記最新時点のゲーム状況を復元すると共に、前記ゲームの開始時点から前記チェックポイントの最新時点までのゲーム状況、又は、前記第1タイミングにおけるチェックポイント群の中の最新のチェックポイントの時点から前記復旧用データが最後に保存された時点までのゲーム状況を順次再現すること、前記障害復旧手段は、前記ゲーム状況の復元の際、前記第2タイミングからの障害復旧の場合は、前記復旧用データに基づいて当該ゲームの勝敗が確定しているか否かを判定し、勝敗が確定していないと判定したときは、勝敗が確定していないために報酬としての配分先が未定で一時的に貯留している遊技価値を、前記チェックポイントの最新時点の状態に復元すること、前記障害復旧手段は、前記チェックポイント時点のゲーム状況を復元した後、前記復元した時点から当該ゲームを自動的に再開すること、前記ゲームが、前記遊技媒体によって手役が確定した後に追加ベットの操作が可能なゲームであって、前記障害復旧手段は、自己のプレイヤの手役確定から前記追加ベットを自己及び他のプレイヤが行えるタイミングで、且つ勝敗の判定が済んでいないときに障害が発生していたと判定した場合、ゲーム状況の再現と当該ゲームの再開とを行うこと、前記データ保存手段は、前記ベット操作に応じて変動する前記第1タイミング又は前記第2タイミングの以降に定期間隔でデータ保存ポイントを設定し、該データ保存ポイントを前記チェックポイントとして前記復旧用データを保存すること、によってそれぞれ一層効果的に達成される。
【0012】
さらに、本発明の上記目的は、前記プレイヤが操作するキャラクタが所定の通過ポイントを通過した際に所定量の遊技価値が付与される副ゲームを実行する副ゲーム実行手段を更に備え、前記データ保存手段及び前記障害復旧手段は、前記通過ポイントの通過時点を前記第1タイミングとして処理すること、前記ゲーム装置に着脱可能に装着されたICカードに記録された当該プレイヤの戦績を含むデータを前記ゲームの進行に応じて適時更新するカード更新手段と、前記チェックポイントの時点における前記ICカードの更新データを前記記憶媒体に保存するカードデータ保存手段とを更に有し、前記障害復旧手段は、前記ゲーム状況の復元の際、前記記憶媒体から前記更新データを読出し、前記ICカードの記録データを前記チェックポイント時点に対応する前記更新データに書換ること、前記ゲーム装置が、メダルを遊技価値媒体として用いるメダルゲーム装置であり、前記障害復旧手段は、前記チェックポイント時点のゲーム状況を復元した後、プレイヤによりペイアウト操作が行われた場合、予め設定された所定の交換レートに基づいて、前記ゲーム状況の復元時点でプレイヤが所持する遊技価値を前記メダルの枚数に変換すると共に、メダル払出機構を駆動して前記枚数分のメダルを返却部に払出すこと、によってそれぞれ一層効果的に達成される。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、プレイヤが所持する遊技価値が増減した時点と、プレイヤの勝敗を左右する遊技媒体の配布種類と配布順が確定した時点をチェックポイントとして、障害復旧時に当該時点のゲーム状況を自動的に復元するようにしているので、プレイヤにとって重要な局面で停電等の障害が発生した際にも、ベット額だけでなく重要な局面でのゲーム状況も補償することが可能となる。また、本発明に係る障害復旧方式は、従来技術の方式と比較して、所定期間の一連のデータ(キー操作情報等)を記録する必要がないので、記憶媒体の保存領域が少なくて済み、また、極めて短いリカバリ時間で復旧することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明に係るゲーム装置は、停電による電源断やソフトウェアのハングアップ等の障害からの復旧機能を備えたゲーム装置であり、プレイヤによる仮想的遊技価値のベット操作を伴うコンピュータゲーム、特に、1ゲームの中で追加ベットの操作が可能なベットゲームを実行するゲーム装置に好適に適用される。以下、遊技価値媒体としてメダルを用いてプレイする業務用メダルゲーム装置に適用した場合を例として説明する。また、ギャンブル要素を有するコンピュータゲームの例としては、所謂「セブンスタッド・ポーカーゲーム」(以下、単に「ポーカーゲーム」と呼ぶ)を具体例として説明する。
【0015】
図1は、業務用メダルゲーム装置の構成例を示すブロック図である。このゲーム装置10は、制御部11、カード処理部12、操作部13、記憶部14、画像表示部15、音声出力部16、通信制御部17、ゲーム処理部18、及びメダル処理部19を備えている。
【0016】
制御部11はCPU等から構成され、コンピュータプログラムの実行制御や入出力インターフェースを介して周辺機器との入出力制御などを行う。カード処理部12は、ICカード装着部(コネクタ),ICカードリーダライタ等から構成され、プレイヤが所持するICカードに対するデータの読み書きを行う。本例では、ICカード1には、ユーザ識別情報やプレイヤの戦歴等のプレイヤデータが記録される。
【0017】
操作部13は、プレイヤの操作情報などを入力するためのボタンスイッチ等からなる入力装置から構成される。なお、本実施の形態では、ポーカーゲーム等の操作ボタンとして、「降りる」,「パス」のボタンの他に、ベット額の指示ボタンとして、「50」,「100」,「150」,「200」のボタンが、タッチパネル式のディスプレイ上に設けられており、ディスプレイ上でのワンタッチ操作により、各種の選択操作を行えるようにしている。
【0018】
記憶部14は、メモリやRAM等の所定の記憶媒体から構成され、後述する各手段をコンピュータに実行させるための処理ルーチンを有するプログラムやデータ類は、予め内部記憶媒体に格納、或いはゲーム装置の装着部に装着可能なDVD(Digital Versatile Disk)等の外部記憶媒体に格納されている。また、後述する復旧用データ及びICカードの更新データは、記憶部14内の不揮発性の記憶媒体に格納される。
【0019】
画像表示部15は、液晶ディスプレイ(本例ではタッチパネル式ディスプレイ)等の表示装置から構成され、音声出力部16はサウンド回路やスピーカ等の音出力装置から構成される。通信制御部17はデータ転送制御回路等から構成され、ゲーム装置間の通信を制御する。本例では、通信制御部17は、インターネットを介してサーバ経由で接続されるゲーム装置間での通信制御機能を備えており、全国のプレイヤとの対戦が可能な対人戦型オンラインゲームを実行できるようにしている。
【0020】
ゲーム処理部18は、ゲーム処理プログラムや画像処理装置等から構成され、プレイヤによる操作手段の操作に応じてゲームの進行制御等の処理を行う。メダル処理部19は、メダル識別装置やメダル払出機構等から構成され、投入口から投入されたメダルの識別や計数処理、払出処理等を行う。
【0021】
なお、ゲーム装置10内のハードウェア機器は公知のものであり、個々の機器の動作例等については説明を省略する。
【0022】
次に、図1中のゲーム処理部18の主要な構成について説明する。
【0023】
図2は、本発明に係るゲーム処理部18の主要部分の構成例を示す機能ブロック図である。なお、図2に示される各手段18a〜18hは、本実施の形態ではCPUによって制御されるコンピュータプログラムで実現され、所定の記憶媒体に記憶されている。そして、実行時にメモリ常駐プログラム又はオーバーレイプログラムとして動作する。また、各手段18a〜18hは、説明の便宜上、手段名を付けて機能で分類したものであり、ソフトウェア構成を限定するものではない。また、ここでは、主に、本発明に係る障害復旧機能を実現するための手段を示しており、対人戦型通信ゲームに係る手段と画像処理手段などの一般的な手段については省略している。
【0024】
ゲーム装置10に搭載されるゲーム処理部18は、主要な構成として、ゲーム進行制御手段18a、ゲーム局面判定手段18b、復旧用データ保存手段18c、障害復旧手段18d、障害検出手段18e、副ゲーム実行手段18f、カード更新手段18g、及びカードデータ保存手段18hを備えている。なお、これらの手段18a〜18hのうち、手段18e〜18hは、付加的な構成要件である。
【0025】
ゲーム進行制御手段18aは、待機中の処理及びゲームの開始から終了までの処理を含め、ゲーム全体の進行を制御する手段であり、例えば、ポーカーゲームで勝利した場合に、副ゲーム実行手段を起動し、副ゲームとしてボーナスゲームを実行させるなどの制御を行う。
【0026】
ゲーム局面判定手段18bは、所定数の遊技媒体からなる遊技媒体群(本例では、トランプのカード群)について、当該遊技媒体のプレイヤへの配布種類と配布順が確定したか否かを判定する手段であり、例えば、ポーカーゲームの場合は、各プレイヤ(仮想プレイヤを含む)に対してカードが配布された時点(山札が確定した時点)を上記配布種類と配布順が確定したと判定する。なお、配布種類と配布順が確定した時点では、当該ゲームの勝敗は未だ確定されていない。すなわち、各プレイヤに配布するカード、それによってできる手役は、既にゲーム進行制御手段18aが知っているが、手役の強弱だけでなくプレイヤのベット操作等によって最終的にゲームの勝敗が決まるため、「ゲームの勝敗」は確定していない。
【0027】
復旧用データ保存手段18cは、遊技価値の変動に係るチェックポイント毎に、当該時点にてプレイヤが所持するベット額を含むゲーム状況の復元に必要な復旧用データを不揮発性記憶媒体に保存する手段である。障害発生時のゲーム状態を復元するためには、最新の復旧用データが保存されていれば良く、チェックポイント毎に時系列に保存せずに、復旧用データを上書きして保存するようにしても良い。なお、本発明で言う「障害」とは、「プレイヤのリセットスイッチの操作等による強制中断」を含んでいる。
【0028】
復旧用データを保存するチェックポイントとしては、(1)ベット操作による当該ゲームの結果として、プレイヤが所持する遊技価値が増減した時点を示す第1タイミングの他に、(2)ゲーム局面判定手段18bにより、当該遊技媒体(本例ではトランプカード)のプレイヤへの配布種類と配布順が確定したと判定された時点を示す第2タイミングを少なくとも含むようにしている。なお、本実施例でのポーカーゲームのように、最初のカードが配布された後、追加ベットの操作と次のカードの配布とを繰り返してゲームが進行するタイプのゲームの場合は、ゲーム局面判定手段18bによって判定される上記第2タイミングの時点は、複数回発生する。
【0029】
すなわち、ここで言う「チェックポイント」とは、プレイヤの操作の結果として現時点又は近い未来において遊技価値の変動をもたらすアクションのタイミングのことを意味している。
【0030】
上記第1タイミングとしては、例えば、(1a)投入されたメダル等の遊技価値媒体を、予め設定された所定の交換レート(1代用貨幣10チップ等)に基づいて、ゲーム内で使用する仮想的遊技価値としてのチップに変換した時点を示すタイミング、(1b)自分又は相手のプレイヤがベットアクション(ベット操作)を起こした時点を示すタイミング、(1c)ゲームの所定の局面での勝負の結果、勝ったプレイヤに対してベット額に応じた配当金としての遊技価値を支払った時点を示すタイミング、(1d)ゲームの所定の局面での勝負の結果、負けたプレイヤ(降りたプレイヤを含む)からベット額を回収した時点を示すタイミング、(1e)自己又は他のプレイヤがゲームの進行に関わる操作をした時点を示すタイミングなどがある。
【0031】
上記(1e)のタイミングは、復旧用データ保存手段18cが、自己及び他のプレイヤの操作情報(自分若しくは通信相手のゲーム装置の操作部からの操作信号、又はCPUが操作する仮想プレイヤに対する操作指令)を入力すると同時に該プレイヤの操作がゲームの進行に関わる操作か否かを判定し、ゲームの進行に関わる操作と判定した場合は、該操作を検出した時点を上記(1e)のタイミングとして、復旧用データの保存処理を実行する。
【0032】
なお、遊技価値の変動をもたらすアクションのタイミングの他に、ゲームの種類に応じて適宜、データ保存ポイントを設定し、該データ保存ポイントをチェックポイントとして復旧用データを保存する形態としても良い。また、後述の障害検出手段18eを備えた形態では、障害を検出した時点も上記チェックポイントとして、復旧用データを保存するようにしている。さらに、第1タイミング又は第2タイミングの以降に定期間隔でデータ保存ポイントを設定し、該データ保存ポイントをチェックポイントとして復旧用データを保存する形態としても良い。また、第2タイミングとしては、ゲーム進行制御手段18aが、遊技価値の付加価値を与える場面が出現(ゲームの進行状況に応じて稀に出現若しくはランダムに出現)した時点も含めるようにしても良い。
【0033】
保存される復旧用データは、その時点のゲーム状況を復元するための必要最低限のデータであり、プレイヤの勝敗と獲得した遊技価値、カード情報(ICカードが使用された場合のカードデータ)等のデータである。なお、「復元されるゲーム状況」は、チェックポイント時点のゲーム状況と同一のゲーム状況に限るものではない。例えば、トランプを用いたカジノゲームの場合、ゲーム中に障害が発生した場合、遊技価値としてのチップさえ保障できれば良い。本実施の形態では、例えば、自分及び相手のチップ情報、トランプの状態、プレイヤの行動(ベット操作で指定されたベット額,パス,降りる等の行動)を示すデータが、復旧用データとして保存される。
【0034】
障害復旧手段18dは、ゲームの実行中の電源断を含む障害の復旧時に、少なくとも最新のチェックポイント時点のゲーム状態を復元する手段であり、不揮発性記憶媒体から復旧用データを読出し、その復旧用データに基づいて障害が発生する直前のゲーム状況を自動的に復元する。例えば、ポーカーゲームの場合は、ゲーム中の電源断やプレイヤのリセット操作によるゲームの強制中断等の障害の発生時点が、「手札・手役が確定した」時点と「勝敗判定、報酬配分」時点の間だった場合、単に「手札・手役」を戻すだけでなく、自分のベットだけでなく他の対戦相手の手役やベット、そのベット操作によってその「場」に出された遊技価値、及びそれに関わる報酬についても障害発生直前の状態(復旧用データに基づく最新の状態)を復元する。
【0035】
その際、本実施の形態では、最新のチェックポイント時点の復旧用データに基づいて最新時点のゲーム状況を復元すると共に、その復元時点のゲーム状況(障害が発生する直前のゲーム状況)に応じて、前記ゲームの開始時点から前記チェックポイントの最新時点までのゲーム状況、あるいは、前記第1タイミングにおけるチェックポイント群の中の最新のチェックポイントの時点から前記復旧用データが最後に保存された時点までのゲーム状況を順次再現するようにしている。なお、ここで言う「ゲームの開始時点」とは、複数ラウンドのゲームからなる主ゲームの実行中にゲームが中断された場合は、主ゲームにおける当該ラウンドのゲームの開始時点を言い、1ラウンドのゲームからなる副ゲームの実行中にゲームが中断された場合は、副ゲームの開始時点を言う。
【0036】
また、ゲーム状況を復元する際、障害復旧手段18dでは、最新のチェックポイントが第1タイミングか否かを判定し、第1タイミングの場合は、その時点(最新のチェックポイント時点)のゲーム状況を復元することにより、最新のチェックポイント時点のゲーム状況を補償するようにしている。
【0037】
一方、第2タイミングの場合は、障害が発生する直前にゲーム状況を復元すると共に、復旧用データとして保存されている情報、例えば遊技媒体の手役(カードの種類や組合せ等によって決定される手役)の情報に基づいて、当該ゲームの勝敗が確定しているか否かを判定し、勝敗が確定していないと判定したときは、勝敗が確定していないために報酬としての配分先が未定で一時的に貯留している遊技価値を、チェックポイントの最新時点の状態に復元する。これにより、例えばカジノゲームにおいて、報酬としての配分先が決定しておらず、一時的にディーラの預かりとなっている遊技価値が消失することなく、補償することができる。また、最初のカードが配布された後、追加ベットの操作と次のカードの配布とを繰り返してゲームが進行している最中に、ゲーム進行制御手段18aが勝敗を確定し、チップデータの精算処理が行われていないタイミングで障害が発生した場合は、勝敗が確定した時点をチェックポイントとして復旧用データが保存される。その場合、チェックポイント時点のゲーム状況を復元するが、勝敗の確定後にチップデータの精算処理(各プレイヤが所持する前記遊技価値の増減処理)が実施されていない場合は、チェックポイント時点のゲーム状況を復元後、ゲームの再開処理として、既に確定している勝敗の結果に応じてチップデータの精算処理及びその場面の映像表示を自動的に行うようにしても良い。
【0038】
また、例えばポーカーゲームの場合は、ストレートやフラッシュなどの相手に勝てそうな手役が来たとき、スロットマシンやパチンコゲームの場合は、例えば大当たりとなる3つの図柄(777等)のうちの2つが揃ったときや、確率変動によって揃う確率が高くなったときには、勝敗は未だ確定していないが、本実施の形態では、その状態で電源断等の障害が発生した場合でも、その状態を復元することにより、障害時(直前)のゲーム状況を補償するようにしている。その場合、例えば上記のようなプレイヤにとって重要な局面の状態を示す情報を復旧用データに含めて記憶しておき、その状態であれば、例えば所定の基準値若しくは乱数に基づいて、プレイヤの勝敗を確定させ、通常のゲーム中と同様に、勝敗の結果、当該プレイヤに対してベット額に応じた所定の遊技価値の増減処理を実行する形態としても良い。
【0039】
本実施の形態では、1ゲームは、複数ラウンドのポーカーゲーム等から構成されており、最初にベットした後に、当該ラウンドのゲーム中に(手役が完成した状態若しくは完成しそうな状態から勝敗が確定するまでの間に)追加ベットが可能なベットゲームである。このようなベットゲームにおいて、追加ベットの操作等のアクションに応じた当該ラウンドのゲーム進行中に障害が発生した場合、障害時点(直前)のゲーム状況を復元して、その時点からゲームを再開する形態としている。そして、当該ラウンドのゲームが終わり次第、次のラウンドのゲームを継続せずに終了する形態としている。なお、プレイヤが所有するゲーム終了時の遊技価値は、遊技価値媒体又は仮想的遊技価値として、ペイアウト操作(プレイヤの払い出し指示)により当該プレイヤに対して払い出される。例えば、ゲーム装置が、代用貨幣としてメダルを用いるメダルゲーム装置の場合、ペイアウト操作が行われた際に、1メダル10チップ等の予め設定された所定の交換レートに基づいて、現在の所持チップをメダルに変換し、メダル払出機構を駆動して上記メダルを返却部に払い出し(家庭用ゲーム機では、メダルに相当する遊技価値を払い出し)、当該ゲームを終了する。なお、所持チップをメダルに変換する際に生じる端数は、変換せずそのままゲーム側に残るようにしても良いし、切り上げ、切り捨て、若しくは四捨五入しても良い。また、投入する遊技価値媒体および払い出す遊技価値媒体は、メダルでなくても良く、例えば現金、クレジットカードに対する金額情報、あるいは他ゲームにおいて利用可能な仮想的遊技価値(所謂ポイントカードのポイント等)としても良い。
【0040】
なお、復旧用データを保存中に電源断された場合、復旧用データが中途半端に書込まれてしまう可能性がある。そのようなケースに対応するため、復旧用データ保存手段18cにより、同一のデータを順次(シリアルに2回)書込むことで、2つの同一データを保存しておき、障害復旧手段18dにおいて、完全なデータか否かをチェックサム等により判定し、不完全なデータと判定した場合は、他方のデータを用いて復旧する形態としている。あるいは、復旧用データ保存手段18cにより、最新のチェックポイントとその直前のチェックポイントのデータを保存しておき、障害復旧手段18dにおいて、最新のチェックポイントのデータが不完全なデータと判定した場合は、1つ前のデータを用いて復旧する形態としても良い。
【0041】
障害検出手段18eは、ゲームの進行が不可能な障害を検出する手段であり、例えば、ゲーム筐体の扉の開閉検知センサからの開放検知信号を入力した場合、表示装置や不揮発性記憶媒体等の周辺機器の障害(入出力エラー)を検出した場合、通信制御部17からの回線障害検知信号を入力した場合、プログラムで論理エラーを検出した場合に、ゲームの進行が不可能な障害と判定してゲームを停止させる。
【0042】
副ゲーム実行手段18fは、副ゲームを実行する手段であり、所定の局面でゲーム進行制御手段18aによって起動される。本例ではプレイヤがゲームに所定回数(例えば5回)勝利した場合に起動され、副ゲームとして、プレイヤが操作するキャラクタが所定の通過ポイントを通過した際に所定量の遊技価値が付与されるボーナスゲームを実行する。例えば、通過ポイントとして、特定の扉に遊技価値が設定されている3つの扉を有するゲートが、走行路上に複数設けられており、副ゲーム実行手段18fでは、プレイヤが操作するキャラクタが特定の扉を通過した時点で、当該プレイヤに対して所定の遊技価値を付与する。
【0043】
その際、副ゲーム実行手段18fは、復旧用データ保存手段18cを起動して、通過ポイントの通過時点を前記第1タイミングとして、復旧用データの保存処理を実行させる。例えば、ボーナスゲームにて、途中まで遊技価値として1000チップを獲得していた状態で電源断しても、1000チップ獲得状態から再開始が可能である。また、副ゲームにおいて、ゲーム局面判定手段18bによって、上記遊技価値が付与される可能性が高いか否かを所定の判定基準値を基に判定し、可能性が高いと判定した時点、或いは、獲得する遊技価値が大きなスペシャルステージが出現(ゲームの進行状況に応じて出現若しくはランダムに出現)した時点を前記第2タイミングとして、復旧用データの保存処理を実行させるようにしても良い。
【0044】
カード更新手段18gは、ICカードのデータを更新する手段であり、ゲーム装置に装着されたICカードに記録された当該プレイヤのデータを、ゲームの進行に応じて適時更新する。更新されるデータは、ユーザ識別情報に対応して記録されているプレイヤの戦績データであり、例えば、当該ゲームにおける勝敗,獲得した得点,経験値,経験値等に応じて決定されるプレイヤの強さを示すランク(初段、一段等の段位を示す情報)等のデータである。この戦績データは、少なくともN回のゲーム(例えば、N=30)に一度は、直近のN回分の戦績データを戦歴データとして、当該プレイヤのICカードに記録する。その際、カード更新手段18gは、戦歴データとしては、必要最低限のデータをICカードに記録する。なお、ICカードは必須ではなく、ICカードを用いなくても当該ゲームをプレイすることが可能である。
【0045】
上記ユーザ識別情報は、例えば、ICカードを特定するための固有ID(予め付与されたシステム固有ID)とユーザ名から構成され、ユーザ名は、プレイヤが入力した任意の呼称(対CPU戦の場合は、CPUが設定した仮想プレイヤの呼称)である。ユーザ名は、ゲーム画面上に表示される他、例えばインターネットを利用したオンラインゲームにおいては、サーバへの閲覧要求によって、参加者のうち上位にランクされるユーザ名の一覧として、要求元のゲーム装置の画面上に表示される。なお、戦歴データの記録先はICカードに限るものでなく、メモリスティック,メモリカード(登録商標)などの他の記憶媒体でも良い。
【0046】
カードデータ保存手段18hは、当該チェックポイントの時点におけるICカードの更新データを保存する手段であり、保存先としては記憶部14内の不揮発性記憶媒体を使用する。障害復旧手段18dは、チェックポイント時点のゲーム状況を復元する際、上記更新データを記憶媒体から読出し、ICカードの記録データを上記チェックポイント時点に対応する更新データに書換ることによって、更新中の電源断によるデータ破壊や、ゲーム状況復元時のゲームデータとICカードの更新データとの不整合によるトラブルを補償する。
【0047】
その他の手段としては、ゲーム処理部18は、プレイヤの操作情報を記録する手段を備えており、障害復旧手段18dが障害を復旧する際に、チェックポイント時点までのゲーム映像を画面上に再生表示するようにしている。その際、障害復旧手段18dは、再生表示中に操作部13からの早送り等の指令を受付け、その指令に応じて再生表示の速度を可変するようにしている。ここで、再生表示する内容は、当該ラウンドのゲームの開始時点から電断時点直前に復旧用データが保存された時点までの「カードとチップのやりとり(カード配布、追加ベット、コール/フォールド等)の過程」であり、所定速度で逐次表示する動画像である。ここで、当該ラウンドのゲームの開始時点とは、前のゲームの勝敗確定・報酬配分が終了して次のカードが配られる時点、言い換えると、既に内部的には誰にどのカードがいくか、どういう役ができるか確定している時点であり、再生表示する際には、その時点から勝敗確定・報酬配分が終わるまでの間で電断が起こった場合に、その間のカードとチップのやりとりの過程を表示する。
【0048】
また、本例では報酬配分が終了すると「ゲームを続けるかどうか」を示す画面を表示して、プレイヤに問合せるようにしているが、その段階で電断した場合、再生表示及びリプレイは行わずに、タイトル画面に戻る形態としている。本実施の形態では、その場合を含めて、どのような場合でも、メダルとして払い出されていない獲得報酬分(画面上に表示するチップに相当)については、それを復旧用データ(ゲーム状況データ)の1つとして常に保存している。そして、記憶媒体から復旧用データを読み出して復旧・再生表示するにあたり、プレイヤが悩んでいた時間などは全部カットして、カードとチップの行き来する過程(動き)だけを所定速度で再生表示するようにしている。
【0049】
上述のような構成において、本発明に係るゲーム装置の動作例を説明する。以下、カジノゲームの中のポーカーゲームをシミュレートしたゲームを実行する場合を例として説明する。また、1人プレイモードで対CPU戦のゲームを実行する場合を例として説明する。但し、障害復旧処理に係る主要な動作は、ゲームの種類やゲームのプレイ形態(3人対戦や5人対戦での、対CPU戦、対人戦型通信ゲーム、対人戦型オンラインゲーム等)によらずに同様である。
【0050】
先ず、本発明に係るゲーム装置の動作例を図3のフローチャートの流れに沿って説明する。
【0051】
ゲーム装置の電源が投入されると、ゲーム装置の制御部11は、ゲーム装置の制御部11は、機器の動作確認等の初期処理を行った後、ゲーム処理プログラム(ゲーム処理部18のソフトウェア)のセットアップを行い、ゲーム処理部18(ゲーム進行制御手段18a)を起動する(ステップS1)。ゲーム処理部18は、ゲームの制御モードが障害復旧モードか否かを判定し(ステップS2)、障害復旧モードの場合は、後述する障害復旧処理を実行した後(ステップS3)、ゲームの制御モードを待機モードに設定してステップS4へ移行する。一方、ステップS2においてゲームの制御モードが障害復旧モードでない場合は、メダルの投入検知信号が入力される、あるいは画面タッチされる、あるいはICカードが挿入されるまでは待機状態とし、所定のアドバタイズ画面を画像表示部15に表示する。待機状態において、プレイヤが所有するICカードの装着検知信号がカード処理部12から入力された場合は、カード有を示すカードフラグをオンにする(ステップS4)。
【0052】
メダル処理部19によりメダルの投入が検出される、あるいは画面タッチされる、あるいはICカードが挿入されると、ゲーム処理部18は、待機状態を解除すると共に、プレイヤによって選択されたゲームの画面を表示して、当該ゲーム(本例では、対CPU戦のポーカーゲーム)を開始する。その際、カードフラグがオンの場合はカード処理部12によりICカードのデータをメモリに読込み、プレイヤのデータが記録されている場合(初めてプレイするのではない場合)には、ユーザ名とプレイヤの強さを示すランク等の当該プレイヤのデータをゲーム画面上に表示する(ステップS5)。
【0053】
ポーカーゲームが開始されると、ゲーム処理部18は、投入されたメダルを遊技価値(例えば1メダル=10チップ)に換算し、ゲーム中フラグをオンにすると共に、初期ベット額(参加チップ)を設定する。その際、ゲーム処理部18の復旧用データ保存手段18cは、初期ベット額が設定された時点をチェックポイントとして、復旧用データを不揮発性記憶媒体に保存する(ステップS6)。続いて、ゲーム処理部18(ゲーム進行制御手段18a)は、乱数等に基づいてカードを切った後、プレイヤと仮想プレイヤ(CPUが操作するプレイヤ)にカードを配る映像を表示する(ステップS7)。
【0054】
ゲーム処理部18のゲーム局面判定手段18bは、ゲームの局面のチェック処理として、プレイヤと仮想プレイヤに対する配布種類と配布順が確定したか否かを判定する(ステップS8,S9)。そして、配布種類と配布順が確定したと判定した場合は、復旧用データ保存手段18cを起動して、その時点をチェックポイントとして復旧用データを保存させる(ステップS10)。
【0055】
プレイヤは、ゲーム画面上に表示された手札を見て、タッチパネルに表示されている該当のボタン(アクションの種類を指示するボタン)に触れることにより、「ベット」か「降りる」か「パス」等を宣言する。宣言する順序やルールは、通常のポーカーゲームと同様であり、それらの詳細な説明は省略する。
【0056】
なお、本実施例における「セブンスタッド・ポーカー」は、自分の手札を全て隠してカードを交換しながらプレイする「クローズドポーカー」とは違い、カードの交換が無いかわりに全員に、3枚のクローズカード(相手に見えない状態)と4枚のオープンカードが配られ、この中からベストの5枚を使っての手役を競うゲームである。具体的には、まず初めに各プレイヤに3枚のカード(手札)が裏向きに配られる。プレイヤは自分の手札を見る。次にプレイヤに表向きにカードが1枚ずつ配られる。ここでまず1度ベットをする。ベットが終わったら再び各プレイヤにカードが表向きに1枚ずつ配られ、プレイヤによる追加ベットが行われる。以下同様にプレイヤのカードが7枚になるまで、カード配布(全員のベット額が同じになったらカードを追加)と追加ベットとが交互に行われる。そして、プレイヤのカードが7枚になってベットが成立したら、最初に配られた裏向き札を公開し、勝敗を決めるというタイプのゲームである。
【0057】
本実施の形態においては、プレイヤが「追加ベット」する場合は、ベット額を示す「50」,「100」,「150」,「200」等のボタンの中から選択する。ゲーム処理部18は、タッチパネルの検知信号を入力して、プレイヤにより指示されたボタンの種類を判定し、「ベット」操作がされたことを検出した場合は(ステップS11)、復旧用データ保存手段18cを起動して、その時点をチェックポイントとして復旧用データを保存させる(ステップS12)。
【0058】
続いて、ベット操作された各プレイヤのベット額を比較し、全員のベット額が同一であれば、誰もレイズをしないまま1巡したものと判定して、降りていない各プレイヤ(プレイヤと仮想プレイヤ)の役を比較して勝者を決定し、その役に応じた配当率にしたがって、勝者に対して所定の遊技価値の払い出しを行うと共に、敗者が所持する遊技価値の量を減算する。そして、復旧用データ保存手段18cを起動して、その時点をチェックポイントとして復旧用データを保存させる(ステップS13)。
【0059】
続いて、プレイヤが勝者か否かを判定し(ステップS14)、プレイヤが一定数勝利すれば、副ゲームとしてボーナスゲームを実行する。副ゲームにおいては、前述したように、例えばプレイヤが操作するキャラクタが所定の通過ポイント(チェックポイント)を通過した際に、所定量の遊技価値を付与すると共に、復旧用データを保存する(ステップS15)。
【0060】
なお、復旧用データ保存手段18cは、各プレイヤによる追加ベットの操作がされた時点や、ゲームの勝敗が確定して各プレイヤに対して報酬の配分(チップデータの精算)がされた時点など、遊技価値の変動に係るチェックポイント毎に、復旧用データ保存手段18cを起動して、その時点をチェックポイントとして復旧用データを保存させる。
【0061】
そして、勝負の結果、プレイヤが敗者の場合で、ゲームの終了ボタンが選択されたとき、あるいは、前記ステップS14で実行された副ゲームが終了したときは、プレイヤのPAYOUTボタンの操作による払出指示により、メダル払出処理を実行する。メダル払出処理においては、プレイヤの遊技価値の総量に対するメダル数を算出してメダル払出機構を駆動し、算出したメダル数分のメダルを返却部に払い出すと共に、ゲーム中フラグをオフにし、且つゲームの制御モードを待機モードに設定してゲームを終了する。その際、カードフラグがオンであれば、ICカードに記録されている当該プレイヤの戦績を含むデータ(プレイヤの当該ゲームにおける勝敗,獲得した遊技価値,経験値,ランク等)を更新してカードフラグをオフにしてゲームを終了する(ステップS16)。
【0062】
以上のように、ゲーム中は、所定期間の操作情報を全て保存するのではなく、遊技価値の変動に係るチェックポイント(少なくとも前述の第1タイミング及び第2タイミング)毎に、その時点のベット額を含むゲーム状況の復元に必要な復旧用データを不揮発性記憶媒体に保存する。また、ゲーム中に、ゲームの進行が不可能な障害を障害検出手段18eが検出した場合は、ゲーム処理部18(ゲーム進行制御手段18a)は、ゲームを停止させると共に、例えば、画像表示部15、音声出力部16若しくは通信制御部17を介して障害発生及び障害の種類を示す障害検出情報を出力する。その際、障害検出時点をチェックポイントとし、復旧用データ保存手段18cを起動して復旧用データを保存させる形態としても良い。
【0063】
次に、障害復旧時におけるゲーム装置の動作例を図4のフローチャートの流れに沿って説明する。なお、ゲームの制御情報(制御モード,フラグ類)は、復旧用データと共に不揮発性記憶媒体に記憶されている。
<障害復旧処理の開始>
ゲーム装置の電源が投入されると、通常と同様に、ゲーム装置の制御部11によってゲーム処理部18(ゲーム進行制御手段18a)が起動される。ゲーム処理部18は、ゲームの制御モードが障害復旧モードか否かを判定し、障害復旧モードの場合は、障害復旧手段18dを起動して障害復旧処理を開始させる(ステップS21)。
【0064】
障害復旧手段18dは、先ず、不揮発性記憶媒体からゲームの制御情報(制御モード,フラグ類)を読出し、次の状態(C1)〜(C3)の中のどの状態で障害が発生していたかを判定する。
(C1) 参加チップ(初期ベット額)のベット後、当該ラウンドのゲームの勝敗に応じたチップデータの精算処理(プレイヤが所持する仮想的遊技価値の増減処理)が完了している状態。
(C2) 参加チップのベット後、当該ラウンドのゲームの勝敗に応じたチップデータの精算処理が行われておらず、且つカードも配られていない状態。
(C3) 参加チップのベット後、当該ラウンドのゲームの勝敗に応じたチップデータの精算処理が行われておらず、且つカードが配られている状態(カードの配布種類と配布順が確定している状態)、あるいは、副ゲーム(ボーナスゲーム)の実行中で且つチップデータの精算処理が行われていない状態。
【0065】
障害復旧手段18dでは、状態(C1)で障害が発生していたと判定した場合は、通常に電源を入れた時と同じように、所定のアドバタイズ画面を画像表示部15に表示して待機状態とする。すなわち、ゲームの障害復旧処理としては何もしないで終了する。一方、状態(C2)で障害が発生していたと判定した場合は、その時点でプレイヤが所持する遊技価値(参加チップと追加ベット額、或いは副ゲームでの獲得遊技価値(ボーナスポイント))のデータを復旧した後、その遊技価値をプレイヤに返却する。その際、図5に示すように、ゲームの無効及びベット額○○を返却した旨を示す画面G1を表示する(ステップS22)。そして、制御モードを待機モードに設定して待機状態とし、所定のアドバタイズ画面を画像表示部15に表示して、障害復旧処理を終了する(ステップS23)。
<カード復旧処理>
一方、ゲーム中フラグがオンの場合、カードフラグがオンか否かを判定し(ステップS24)、カードフラグがオンであれば、当該ゲームでICカード(プレイヤの戦歴データ等の記録用カード)を使用していると判定し、図6に示すように、カードの復旧を開始する旨のカード復旧画面G2を表示する。その際、カード処理部12からの装着検知信号に基づきICカードが装着されていないと判定した場合は、ゲーム装置の装着部へのカード挿入を促す旨をカード復旧画面中に表示し、ICカードの挿入をプレイヤに求める(ステップS25)。ICカードが挿入されずに、キャンセルボタン(図6の例では「RESET KEY」+「EJECT」)の操作により、キャンセル指示、すなわちカードの復旧を行わない旨の指示がされた場合は(ステップS26)、ステップS30へ移行し、ゲームの復旧処理を実行する。
【0066】
一方、ICカードが装着されていると判定した場合は、ICカードのデータの読込みを試行し、読込みエラーの発生等によりICカードが破損していると判定した場合は、その旨を表示してICカードを排出し、ステップS30に移行してゲーム復旧処理を開始する。なお、データ書込中の障害等によってデータが正常に書込まれていない場合は、後述のステップS29でデータを復旧する。なお、ICカードが破損している場合、新しいICカードに交換させることによりICカードを復旧する形態としても良い(ステップS27)。
【0067】
ICカードが壊れていないと判定した場合は、ゲーム装置が記憶している当該カードのシステム固有IDと、障害復旧時に読み出したカードのシステム固有IDとが一致していない場合は、違うカードが装着されたと判定し、ICカードを排出してステップS26に戻り、正しいカードの挿入を促す画面を表示する(ステップS28)。
【0068】
カードが壊れてなく、且つ正しいカードが装着されていると判定した場合は、当該チェックポイントの時点におけるICカードの更新データを不揮発性記憶媒体から読み出し、ICカードの記録データ(障害直前のゲームまでの戦績や段位等のデータ)を上記チェックポイント時点までの記録データに書換える(上書きする)ことによって、ゲーム状況の復元時点と同期させてICカードの記録データを復旧し、カード復旧処理を終了する(ステップS29)。
【0069】
なお、店員がゲーム装置の電源を入れて再起動(この時点でICカードは排出される)しても、装置が故障している場合は、コンピュータプログラムが起動されない場合がある。その場合、ハードウェア交換等の復旧作業に時間がかかることがあるため、プレイヤが待ちきれずにICカードを持って家に帰ってしまうケースが想定される。そのようなケースでは、故障の原因がわかり、その修復作業が終了した後に電源投入により再起動しても、カードが無いため、当該カードの復旧処理をすることができない。このようなケースに対応するため、本実施の形態では、ICカード無しでの復旧モードに店員が設定操作することで、ICカードの復旧処理をスキップしてゲーム復旧処理に移行させるようにしている。但し、その場合、ICカードのデータはサーバ側の記憶媒体に保存されており、次にプレイヤがICカードを挿入したタイミングで、サーバから反映される。すなわち、ゲーム装置では、通常時においても、プレイヤによるICカードの挿入を検知すると、そのICカードのIDに対応するデータがサーバ側に保存されているか否かを判定し、データが保存されている場合は、サーバから当該データを受信してICカードに書込む処理を実行する形態としている。
【0070】
一方、前記ステップS24においてゲーム中フラグがオンで、且つカードフラグがオフの場合、あるいはステップS27におけるICカードの復旧処理が終了した場合、ゲームの復旧処理を開始する。
<ゲーム復旧処理>
障害復旧手段18dは、ベット保証する必要が有る場合、すなわち、前記状態(C3)で障害が発生していたと判定した場合は、図7に示すように、障害時の状況を再現している旨の情報を復旧中の試合画面G3に重ねて表示する。本例では、当該ラウンドのゲーム開始時点から最新のチェックポイント時点(電断等の障害発生直前のチェックポイント時点)までの通常ゲーム(あるいはボーナスゲーム)の映像をタッチパネル式のディスプレイに所定速度で再生表示し、電断等の障害発生時点若しくはその直前の時点までゲームを進めるようにしている。その際に表示する内容は、前述のように、カードとチップの行き来する過程(動き)だけを示す動画像であり、プレイヤが悩んでいた時間などは全部カットされた映像である。その間、プレイヤは、タッチパネル上のスキップボタン等の操作により、早送りや次の局面へのスキップを指示することや、ボタン操作で情報を見ることなどが可能である(ステップS30)。
【0071】
なお、上記ステップS30の再生表示処理は、チェックポイント時点のゲーム状況を復元するためには必須でないので、省略する形態としても良い。
【0072】
上記ステップS30においてチェックポイント時点までの再生表示が終わると、障害復旧手段18dは、図8に示すように、ゲームを再開する旨の画面G4を表示すると共に、再開するまでの時間(本例では5秒間を示す“5”)を画面上に重ねて表示し、その時間を1秒毎にカウントダウンする(ステップS31)。
【0073】
障害復旧手段18dでは、ステップS30におけるゲーム映像の再生表示中、若しくはステップS31におけるカウントダウンの間に、不揮発性記憶媒体から読出した復旧用データに基づいて、例えば、ベット額,獲得した遊技価値,プレイヤの勝敗,手札など、障害が発生する直前のゲーム状況を自動的に復元する。
【0074】
ここでのケースは、前記状態(C1)で障害が発生していたケース、すなわち、参加チップのベット後、当該ラウンドのゲームの勝敗に応じたチップデータの精算処理が行われておらず、且つカードの配布種類と配布順が確定している状態(前記第2タイミングの以降の状態)、あるいは、副ゲームの実行中で且つチップデータの精算処理が行われていない状態で障害が発生していたケースである。
【0075】
障害復旧手段18dでは、遊技価値を復元する際には、最新のチェックポイント時点でプレイヤが所持していた遊技価値(参加チップと追加ベット額、或いは副ゲームでの獲得遊技価値)等のデータを復旧する。その際、復旧データに基づいて当該ゲームの勝敗が確定していないと判定したときは、前述のように、報酬としての配分先が未定で一時的に貯留している遊技価値を含めて最新時点の状態に復元する。
【0076】
ここで、追加ベットの操作後の障害からの復旧処理について説明する。
【0077】
本実施の形態におけるポーカーゲームは、カードの配布種類と配布順が確定すれば、各プレイヤの手役により勝敗がその場で必ず決まる形態のゲームではなく、手役確定後の遊技者と対戦者の追加ベットによりゲームが進行し、追加ベット後の勝敗判定によってその手役で勝った時に得られる報酬(あるいは負けた時に取られる額)が異なるようなタイプのゲームである。
【0078】
このようなゲームにおいて、勝敗確定前に例えば電断が起こった場合、障害復旧手段18dでは、再開時に自分のベットだけでなく対戦相手のベットについても再現することで、電断せずそのまま進んでいたら得られたはずのベット額を補償する。例えば、障害復旧手段18dは、復旧データを基に障害時のゲーム局面を認識し、手役確定から追加ベットをプレイヤ(遊技者自身)と対戦者とが行えるタイミングで、且つ勝敗の判定が済んでいないときに障害が発生していたと判定した場合、ゲーム状況の再現とゲームのリプレイ(次のステップS33における当該ラウンドのゲームの再開)とを行う(ステップS32)。
<ゲーム再開処理>
そして、前記ステップS31における時間のカウントダウンが“0”になった時点でゲームを再開する(ステップS33)。このステップS33で再開されるゲームは、前記(C3)の状態からのゲームであり、当該ラウンドのゲームが終了し次第、次のゲームを継続させずに終了処理を実行する(ステップS34)。
<障害復旧の終了処理>
終了処理としては、先ず、カードフラグがオンか否かを判定し、オンであれば、ICカードに記録されている当該プレイヤの戦績を含む最新のデータを書込んだ後、カードを排出する(ステップS35)。続いて、プレイヤによるメダル払出指示により、ゲーム終了時点での遊技価値の総量に対するメダル数のメダルを、メダル払出機構を駆動して返却部に払い出す。そして、制御モードを待機モードに設定して待機状態とし、所定のアドバタイズ画面を画像表示部15に表示し(ステップS36)、障害復旧処理を全て終了する。
[他の実施例]
なお、上述した実施の形態では、セブンスタッド・ポーカーゲームを実施例として説明したが、他の種類のポーカーゲーム(ファイブスタッド・ポーカー,ロースタッド・ポーカー,ドロー・ポーカー,ローボール,デュース・トゥ・セブン,フロップ・ポーカー等)にも適用できる。また、実行対象のゲームは、ポーカーゲームに限るものではなく、ベット操作を伴うコンピュータゲーム(ブラックジャック,スロット,バカラ,ルーレット,競馬,競艇,競輪,オートレース,麻雀のシミュレーションゲーム等)であれば良い。
【0079】
特に、手札が確定して即座に勝敗が決定するタイプのゲームではなく、ゲームを降りなかった(フォールドしなかった)プレイヤが手札をオープンした時点で初めて各プレイヤの勝敗が確定するルールのゲームに対して好適に適用することができ、ゲームの種類やハードウェア構成が本実施の形態に限定されるものではない。言い換えると、ゲームのルール上、電断によって「手札が確定した後、勝敗が確定する前にゲームが異常中断される」ことで、再開時に「どういう状態から再開するか」という電断処理が異なる可能性があるルールのゲームであれば、本発明を適宜利用可能である。
【0080】
また、業務用メダルゲーム装置を例として説明したが、メダルゲーム装置以外の業務用ゲーム装置(パチンコ機、スロットマシン等)又は業務用ゲーム装置に適用することもできる。
【0081】
また、上述した実施の形態では、復旧用データは、ゲーム装置内の不揮発性記憶媒体に保存する場合を例として説明したが、ゲーム装置とネットワークを介して接続されるサーバ側の記憶媒体、あるいは、ゲーム装置の装着部に装着されたICカード等の外部記憶媒体(プレイヤが所有する記憶媒体)に保存する形態としても良い。また、チェックポイントと復旧用データは、予め設定されている場合を例として説明したが、ゲームプログラムからの呼出しに応じて、その時点の指定されたデータ群を保存する形態にすると共に、障害復旧時は、最新又は指定された時点のデータ群を読み出して復旧する形態としても良い。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明に係るメダルゲーム装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】図1のゲーム装置のゲーム処理部の構成例を示す機能ブロック図である。
【図3】本発明に係るゲーム装置の通常時の動作例を説明するためのフローチャートである。
【図4】本発明に係るゲーム装置の障害復旧時の動作例を説明するためのフローチャートである。
【図5】障害復旧時の第1の表示画面例を示す図である。
【図6】障害復旧時の第2の表示画面例を示す図である。
【図7】障害復旧時の第3の表示画面例を示す図である。
【図8】障害復旧時の第4の表示画面例を示す図である。
【符号の説明】
【0083】
1 ICカード
2 代用貨幣(メダル)
10 ゲーム装置
11 制御部
12 カード処理部
13 操作部
14 記憶部
15 画像表示部
16 音声出力部
17 通信制御部
18 ゲーム処理部
18a ゲーム進行制御手段
18b ゲーム局面判定手段
18c 復旧用データ保存手段
18d 障害復旧手段
18e 障害検出手段
18f 副ゲーム実行手段
18g カード更新手段
18h カードデータ保存手段
19 メダル処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレイヤによる仮想的遊技価値のベット操作を伴うコンピュータゲームを実行するゲーム装置であって、
前記ゲームの所定の局面にて、所定数の遊技媒体からなる遊技媒体群について、当該遊技媒体のプレイヤへの配布種類と配布順が確定したか否かを判定する判定手段と、
前記ベット操作による当該ゲームの結果として前記プレイヤが所持する前記遊技価値が増減した時点を示す第1タイミングと前記判定手段によって前記配布種類と配布順が確定したと判定された時点を示す第2タイミングとを少なくともチェックポイントとして、当該時点のゲーム状況の復元に必要な復旧用データを前記チェックポイント毎に不揮発性の記憶媒体に保存する復旧用データ保存手段と、
前記ゲームの実行中の電源断を含む障害の復旧時に前記記憶媒体から前記復旧用データを読出し、該復旧用データに基づいて少なくとも前記チェックポイントの最新時点のゲーム状況を自動的に復元する障害復旧手段と、
を備えたことを特徴とする障害復旧機能を有するゲーム装置。
【請求項2】
前記復旧用データ保存手段は、自己及び他のプレイヤの操作情報を入力すると同時に該プレイヤの操作が前記ゲームの進行に関わる操作か否かを判定し、前記ゲームの進行に関わる操作と判定した場合は、該操作を検出した時点を前記チェックポイントとして前記復旧用データの保存処理を実行することを特徴とする請求項1に記載の障害復旧機能を有するゲーム装置。
【請求項3】
前記障害復旧手段は、前記ゲーム状況の復元の際、前記最新時点のゲーム状況を復元すると共に、前記ゲームの開始時点から前記チェックポイントの最新時点までのゲーム状況、又は、前記第1タイミングにおけるチェックポイント群の中の最新のチェックポイントの時点から前記復旧用データが最後に保存された時点までのゲーム状況を順次再現することを特徴とする請求項1に記載の障害復旧機能を有するゲーム装置。
【請求項4】
前記障害復旧手段は、前記ゲーム状況の復元の際、前記第2タイミングからの障害復旧の場合は、前記復旧用データに基づいて当該ゲームの勝敗が確定しているか否かを判定し、勝敗が確定していないと判定したときは、勝敗が確定していないために報酬としての配分先が未定で一時的に貯留している遊技価値を、前記チェックポイントの最新時点の状態に復元することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の障害復旧機能を有するゲーム装置。
【請求項5】
前記障害復旧手段は、前記チェックポイント時点のゲーム状況を復元した後、前記復元した時点から当該ゲームを自動的に再開することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の障害復旧機能を有するゲーム装置。
【請求項6】
前記ゲームが、前記遊技媒体によって手役が確定した後に追加ベットの操作が可能なゲームであって、前記障害復旧手段は、自己のプレイヤの手役確定から前記追加ベットを自己及び他のプレイヤが行えるタイミングで、且つ勝敗の判定が済んでいないときに障害が発生していたと判定した場合、ゲーム状況の再現と当該ゲームの再開とを行うことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の障害復旧機能を有するゲーム装置。
【請求項7】
前記データ保存手段は、前記ベット操作に応じて変動する前記第1タイミング又は前記第2タイミングの以降に定期間隔でデータ保存ポイントを設定し、該データ保存ポイントを前記チェックポイントとして前記復旧用データを保存することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の障害復旧機能を有するゲーム装置。
【請求項8】
前記プレイヤが操作するキャラクタが所定の通過ポイントを通過した際に所定量の遊技価値が付与される副ゲームを実行する副ゲーム実行手段を更に備え、
前記データ保存手段及び前記障害復旧手段は、前記通過ポイントの通過時点を前記第1タイミングとして処理することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の障害復旧機能を有するゲーム装置。
【請求項9】
前記ゲーム装置に着脱可能に装着されたICカードに記録された当該プレイヤの戦績を含むデータを前記ゲームの進行に応じて適時更新するカード更新手段と、前記チェックポイントの時点における前記ICカードの更新データを前記記憶媒体に保存するカードデータ保存手段とを更に有し、
前記障害復旧手段は、前記ゲーム状況の復元の際、前記記憶媒体から前記更新データを読出し、前記ICカードの記録データを前記チェックポイント時点に対応する前記更新データに書換ることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の障害復旧機能を有するゲーム装置。
【請求項10】
前記ゲーム装置が、メダルを遊技価値媒体として用いるメダルゲーム装置であり、前記障害復旧手段は、前記チェックポイント時点のゲーム状況を復元した後、プレイヤによりペイアウト操作が行われた場合、予め設定された所定の交換レートに基づいて、前記ゲーム状況の復元時点でプレイヤが所持する遊技価値を前記メダルの枚数に変換すると共に、メダル払出機構を駆動して前記枚数分のメダルを返却部に払出すことを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の障害復旧機能を有するゲーム装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−168080(P2008−168080A)
【公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−6355(P2007−6355)
【出願日】平成19年1月15日(2007.1.15)
【出願人】(000132471)株式会社セガ (811)
【Fターム(参考)】