説明

集合住宅における配管、配線類の収容構造

【課題】住宅本体の上層階部分から屋外方向に張り出した共用廊下やバルコニー等の外部付帯構造物の下側に、カバー部材によって覆われた配設空間を設けて、この配設空間に配管類や配線類を収容した収容構造において、各住戸の玄関や窓等の開口部における採光に支障をきたすことなく、また居住者に圧迫感や閉塞感を与えることがなく配設空間を良好に確保するとともに、カバー部材の施工性の向上、配管類や配線類のメンテナンス性の向上、さらには共用廊下の意匠性の向上を図ることを目的とする。
【解決手段】この収容構造においては、屋外側から住宅本体側へ向けて下り傾斜した複数の開閉可能なカバーユニット20・・を横並びに配置してなるカバー部材10によって、外部付帯構造物2の下側に設けた配設空間11を縦断面略三角形状となるように覆っている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、アパートやマンション等の集合住宅における配管、配線類の収容構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、アパートやマンション等の集合住宅において、住宅本体の上層階部分から屋外方向に張り出した共用廊下等の外部付帯構造物の下側に、カバー部材によって覆われた配設空間を設けて、この配設空間に横引き配管類や横引き配線類を配設収容することで、各住戸の専有空間の拡大や設計の自由度の向上を図るようにした構造のものが知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−97342号公報
【特許文献2】特開2006−104905号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、上層階部分の共用廊下の下方に位置する住宅本体の外壁部には、各住戸の玄関や窓等の開口部が設けられていることが多い。従って、上記のように共用廊下の下側に配設空間を設けた場合、特に、特許文献1に記載されている構造のように、配設空間を広く確保すると、その分だけカバー部材の下方への張り出し量が大きくなって、各住戸の開口部における採光に支障をきたすといった不具合があった。また、共有廊下を通る居住者に圧迫感や閉塞感を与えるといった不具合もあった。
【0005】
なお、特許文献2に記載されている構造のように、カバー部材の下方への張り出し量を小さく抑えた偏平状の配設空間を形成すれば、採光の妨げにならず、また居住者に圧迫感や閉塞感を与えずに済むが、配設空間が狭くなって、配管類や配線類の収容に支障をきたすといった不具合があった。
【0006】
また、配設空間に収容した配管類や配線類のメンテナンスに際しては、通常、特許文献1にも開示されているように、例えばカバー部材の要所要所に蓋付きの点検口を設けることで対応しているが、この場合、蓋付きの点検口の配置箇所でのみメンテナンスが可能であって、配管類や配線類のメンテナンス性が悪く、しかも点検口の配置箇所を考慮しながらカバー部材を施工する必要があり、カバー部材の施工も煩雑になるといった不具合があった。しかも、共用廊下の下側の軒天部分に位置するカバー部材に点検口があると、見栄が悪くなるといった不具合もあった。
【0007】
さらに、カバー部材の損傷や劣化に伴う交換に際して、特にカバー部材が長尺な場合には、その交換作業が大掛りになるとともに、場合によっては足場等が必要となって面倒で危険な作業を強いられるといった不具合もあった。
【0008】
そこで、この発明は、上記の不具合を解消して、住宅本体の上層階部分から屋外方向に張り出した共用廊下やバルコニー等の外部付帯構造物の下側に、カバー部材によって覆われた配設空間を設けて、この配設空間に配管類や配線類を収容した収容構造において、各住戸の玄関や窓等の開口部における採光に支障をきたすことなく、また居住者に圧迫感や閉塞感を与えることがなく配設空間を良好に確保するとともに、カバー部材の施工性の向上、配管類や配線類のメンテナンス性の向上、さらには共用廊下の意匠性の向上を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明の集合住宅における配管、配線類の収容構造は、住宅本体Hの上層階部分から屋外方向に張り出した共用廊下やバルコニー等の外部付帯構造物2の下側に、カバー部材10によって覆われた配設空間11を設けて、この配設空間11に配管類13や配線類14を収容した収容構造であって、前記カバー部材10は、開閉可能な複数のカバーユニット20・・を、前記配設空間11が縦断面略三角形状となるように、屋外側から住宅本体側へ向けて下り傾斜した状態で、前記外部付帯構造物2の長手方向に沿って横並びに配置してなることを特徴とする。
【0010】
具体的に、前記カバーユニット20は、方形枠状の枠部材21と、この枠部材21における前記傾斜方向に沿った左右一対の側枠材23、23間に着脱可能に差し渡した複数の羽板22・・とを備えたルーバーからなる。
【0011】
また、前記カバーユニット20は、その屋外側の上端部が前記外部付帯構造物2の下側に設けた支持部材40に横軸部45周りに回転自在に支持されるとともに、住宅本体側の下端部が前記支持部材40の係止部46に着脱可能に係合され、前記住宅本体側の下端部の係合を解除することで、前記横軸部45周りに回転して前記配設空間11を開放するようになっている。
【0012】
さらに、前記支持部材40は、前記外部付帯構造物2の床下地50から垂下した複数の屋外側の短尺ブラケット41・・と、前記床下地50から垂下した複数の住宅本体側の長尺ブラケット42・・と、屋外側から住宅本体側へ向けて下り傾斜した状態で、前記短尺ブラケット41・・と長尺ブラケット42・・間に跨って取り付けた複数の傾斜フレーム43・・とを備え、これら傾斜フレーム43・・間に跨って前記カバーユニット20・・を取り付けている。
【0013】
さらにまた、前記傾斜フレーム43は、その屋外側の上端部が前記短尺ブラケット41にボルト45a及びナット45bからなる第1固定具45によって固定され、住宅本体側の下端部が前記長尺ブラケット42にボルト46a及びナット46bからなる第2固定具46によって固定され、前記第1固定具45を前記横軸部とするとともに、前記第2固定具46を前記係止部としている。
【0014】
また、前記カバー部材10を、前記外部付帯構造物2の下側の軒天板として利用している。
【発明の効果】
【0015】
この発明においては、屋外側から住宅本体側へ向けて下り傾斜した複数のカバーユニットを横並びに配置してなるカバー部材によって、上層階部分の外部付帯構造物の下側に設けた配設空間を縦断面略三角形状となるように覆っているので、配設空間を広く確保しながらも、その下方に位置する各住戸の玄関や窓等の開口部の前方(開口部の屋外側)が拡開した状態となって、開口部における採光に支障をきたすことがなく、また居住者に圧迫感や閉塞感を与えずに済むことができる。
【0016】
しかも、カバーユニットがすべて開閉可能となっていて、配設空間の任意の箇所を任意の大きさに開放することができることから、配設空間内の配管類や配線類のメンテナンスを簡単に行うことができる。さらに、従来のように点検口の配置箇所を考慮する必要がなく、カバーユニットを単に横並びに取り付けるだけでカバー部材を施工することができ、カバー部材の施工性も高めることができる。さらにまた、カバー部材の損傷や劣化に伴う交換に際しても、カバーユニットを個別に取り替えることができることから、その作業性を高めることができる。しかも、カバー部材は、同構造のカバーユニットを横並びに配置してなることから、外観意匠を統一することができ、外部付帯構造物の意匠性の向上を図ることができる。
【0017】
また、カバーユニットをルーバーとすることで、配設空間内の配管類や配線類を外部から見え難くしながら、配設空間に対する通風を良好にして、例えば住宅本体の外壁部に設けた換気口等を配設空間内に臨ませることも可能となる。
【0018】
さらに、カバーユニットは、その住宅本体側の下端部における支持部材の係止部との係合を解除することで、屋外側の上端部を中心として横軸部周りに回転して、配設空間を開放するようになっているので、配設空間内の配管類や配線類のメンテナンスに際して、カバーユニット全体をいちいち取り外す必要がなく、メンテナンス性をより一層向上することができる。
【0019】
また、支持部材おける複数の傾斜フレーム間に跨って、カバーユニットを取り付けているので、それぞれのカバーユニットを安定して取り付けることができる。さらに、支持部材における各構成部材を連結するための第1固定具や第2固定具を、カバーユニットを支持するための横軸部や係止部としても利用することで、部品点数を削減してコストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】この発明の一実施形態に係る集合住宅の共用廊下部分の斜視図である。
【図2】集合住宅の正面図である。
【図3】配管、配線類の収容構造を示す縦断面図である。
【図4】配管、配線類の収容構造を示す要部縦断面図である。
【図5】カバーユニットの斜視図である。
【図6】カバーユニットの縦断面図である。
【図7】配管、配線類の収容構造を示す分解斜視図である。
【図8】カバーユニットの屋外側の上端部における取付構造を示す縦断面図である。
【図9】カバーユニットの住宅本体側の下端部における取付構造を示す縦断面図である。
【図10】カバーユニットを回転させて配設空間を開放した状態を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、この発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。この発明の一実施形態に係る集合住宅は、図1及び図2に示すように、2階建てのアパートであって、住宅本体Hから屋外方向に張り出すようにして、外部付帯構造物としての1階及び2階の共用廊下1、2が上下平行に設けられている。1階の共用廊下1に面する住宅本体Hの外壁部には、1階の各住戸の玄関や窓等の開口部4・・が設けられ、2階の共用廊下2に面する住宅本体Hの外壁部には、2階の各住戸の玄関や窓等の開口部5・・が設けられている。
【0022】
そして、図3及び図4に示すように、2階の共用廊下2の下側に、軒天板を兼用するカバー部材10によって覆われた配設空間11を設けている。この配設空間11は、共用廊下2の床板12、住宅本体Hの外壁部、カバー部材10によって囲まれていて、給排水用の横引き配管類13や電力供給用の横引き配線類14が配設収容されている。
【0023】
カバー部材10は、開閉可能な複数のカバーユニット20・・を、屋外側(住宅本体Hから離間した側)から住宅本体側(住宅本体Hに近接した側)へ向けて下り傾斜した状態で、すなわち、住宅本体Hに近づくにつれて下り傾斜した状態で、2階の共用廊下2の長手方向に沿って横並びに配置することによって構成されている。これにより、カバー部材10によって覆われた配設空間11は、縦断面略三角形状となっている。このため、配設空間11を広く確保しながらも、1階の各住戸における開口部4・・の前方(開口部4・・の屋外側)が拡開した状態となって、開口部4・・における採光に支障をきたすことがなく、また1階の共用廊下1を通る居住者に圧迫感や閉塞感を与えずに済むようになっている。
【0024】
カバーユニット20は、図4〜図6に示すように、ルーバーからなり、方形枠状の枠部材21と、この枠部材21に傾斜方向に等間隔をあけて取り付けた複数の羽板22・・とを備えている。このように、カバーユニット20をルーバーとすることで、配設空間11内の配管類13や配線類14を外部から見え難くしながら、配設空間11に対する通風を良好にして、例えば住宅本体Hの外壁部に設けた換気口等を配設空間11内に臨ませることも可能となる。
【0025】
枠部材21は、傾斜方向に沿った左右一対の側枠材23、23と、これら側枠材23、23における屋外側の上端部間に跨って取り付けられた第1横枠材24と、側枠材23、23における住宅本体側の下端部間に跨って取り付けられた第2横枠材25とからなる。
【0026】
側枠材23、23は、金属製帯板からなり、それら表面同士が互いに対向するように縦向きに配置されている。側枠材23における屋外側の上端部には、略L字状の第1係止溝26が形成され、住宅本体側の下端部には、直線状の第2係止溝27が形成されている。第1係止溝26は、側枠材23の長手方向に沿って延びる横溝部26aと、この横溝部26aの住宅本体側の一端から上方へ向かって延びる縦溝部26bとからなり、縦溝部26bの上端が開放されている。第2係止溝27は、側枠材23の長手方向に沿って形成され、その住宅本体側の一端が開放されている。また、側枠材23には、複数の略長方形状の取付片28・・が、側枠材23の長手方向に等間隔をあけて下向きに突設されている。各取付片28の根元部を挟んだ両側には、側枠材23の長手方向に沿って延びる一対の係止スリット29、29が形成されている。なお、第1横枠材24及び第2横枠材25は、金属製角パイプからなり、その両端部が側枠材23、23の対向する表面に溶接等によって固定されている。
【0027】
羽板22は、金属製帯板を折曲形成してなり、帯板状の基片30と、この基片30の長手方向に沿った両端部分から立ち上がった立ち上がり片31、31と、これら立ち上がり片31、31の先端部分から互いに近接する方向に延びる一対の係止片32、32とを備えている。そして、この羽板22は、係止片32、32を枠部材21における側枠材23、23の係止スリット29、29に差し入れるようにして、側枠材23、23間に着脱可能に差し渡されている。なお、側枠材23、23の屋外側の上端部に位置する羽板22Aについては、その長手方向に沿った一方の端部における立ち上がり片31A及び係止片32Aが、側枠材23、23の上端部の先端面を覆い隠すように延出されていて、長手方向に沿った他方の端部における係止片32が、側枠材23、23の係止スリット29、29に差し入れられるようになっている。また、側枠材23、23の略中央に位置する羽板22Bについては、L形のアングル材35、35を介して側枠材23、23に固定されており、これによってカバーユニット20の剛性を高めている。
【0028】
上記構成のカバーユニット20・・は、2階の共用廊下2の下側に設けた支持部材40に取り付けられている。支持部材40は、図4及び図7に示すように、2階の共用廊下2の長手方向に間隔をあけるようにして、2階の共用廊下2の床下地50から垂下した複数の屋外側の短尺ブラケット41・・と、これら短尺ブラケット41・・に対応するように2階の共用廊下2の長手方向に間隔をあけるようにして、2階の共用廊下2の床下地50から垂下した複数の住宅本体側の長尺ブラケット42・・と、2階の共用廊下2の長手方向に間隔をあけるようにして、屋外側から住宅本体側へ向けて下り傾斜した状態で、短尺ブラケット41・・と長尺ブラケット42・・間に跨って取り付けた複数の傾斜フレーム43・・とを備えている。なお、床下地50は、2階の共用廊下2の長手方向に沿って延びるH形鋼からなる屋外側及び住宅本体側の床梁51、52・・と、これら床梁51、52・・間に跨って取り付けられたH形鋼からなる床梁53・・とからなり、この床下地50上に床板12が設置されている。
【0029】
傾斜フレーム43・・の取り付けに際しては、図8及び図9に示すように、一対の傾斜フレーム43、43によって短尺ブラケット41及び長尺ブラケット42を挟んだ状態で、それら一対の傾斜フレーム43、43の屋外側の上端部を、短尺ブラケット41にボルト45a及びナット45bからなる第1固定具45によって固定し、住宅本体側の下端部を、長尺ブラケット42にボルト46a及びナット46bからなる第2固定具46によって固定している。
【0030】
そして、上記の支持部材40に対して、その傾斜フレーム43・・間に跨ってカバーユニット20・・をそれぞれ取り付けるようにしている。この取り付けに際しては、図4及び図8に示すように、カバーユニット20における側枠材23、23の第1係止溝26、26に、横軸部としての第1固定具45におけるボルト45aの頭部又はナット45bを差し入れるようにして、カバーユニット20の屋外側の上端部を支持部材40に横軸部45周りに回転自在に支持するとともに、図4及び図9に示すように、カバーユニット20における側枠材23、23の第2係止溝27、27に、係止部としての第2固定具46におけるボルト46aの頭部又はナット46bを差し入れるようにして、カバーユニット20の住宅本体側の下端部を支持部材40の係止部46に着脱可能に係合させるようにしている。
【0031】
このカバーユニット20の取付状態において、カバーユニット20をその傾斜方向に沿って押し上げながら、その側枠材23、23の第2係止溝27、27から第2固定具46におけるボルト46aの頭部又はナット46bを離脱させて、住宅本体側の下端部の係合を解除すると、カバーユニット20を第1固定具(横軸部)45周りに回転させて開閉することができる。そして、図10に示すように、カバーユニット20を第1固定具(横軸部)45周りに回転させて、カバーユニット20を支持部材40に吊り下げた状態(鉛直方向に沿った開放状態)とすることで、配設空間11が開放して配管類13や配線類14のメンテナンスを行うことができるようになっている。また、カバーユニット20を支持部材40に吊り下げた状態から、カバーユニット20を上方へ持ち上げながら、その側枠材23、23の第1係止溝26、26から第1固定具45におけるボルト45aの頭部又はナット45bを離脱させることで、カバーユニット20を取り外すことができるようになっている。
【0032】
このように、上記構成の収容構造においては、配設空間11を覆うカバー部材10を構成する横並びのカバーユニット20・・がすべて開閉可能となっていて、配設空間11の任意の箇所を任意の大きさに開放することができ、配設空間11内の配管類13や配線類14のメンテナンスを簡単に行うことができる。しかも、従来のように点検口の配置箇所を考慮する必要がなく、カバーユニット20・・を単に横並びに取り付けるだけでカバー部材10を施工することができ、カバー部材10の施工性も高めることができる。さらに、カバー部材10の損傷や劣化に伴う交換に際しても、カバーユニット20・・を個別に取り替えることができることから、その作業性を高めることができる。さらにまた、カバー部材10は、同構造のカバーユニット20・・を横並びに配置してなることから、外観意匠を統一することができ、共用廊下2の意匠性の向上を図ることができる。
【0033】
この発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で上記実施形態に多くの修正及び変更を加え得ることは勿論である。例えば、上記実施形態においては、集合住宅における2階の共用廊下2の下側に配設空間11を形成していたが、住宅本体Hの上層階部分から屋外方向に張り出したバルコニー等のようなその他の外部付帯構造物の下側に配設空間11を形成して、この配設空間11に配管類13や配線類14を配設収容しても良い。
【符号の説明】
【0034】
H・・住宅本体、2・・外部付帯構造物(共用廊下)、10・・カバー部材、11・・配設空間、13・・配管類、14・・配線類、20・・カバーユニット、21・・枠部材、22・・羽板、23・・側枠材、40・・支持部材、41・・短尺ブラケット、42・・長尺ブラケット、43・・傾斜フレーム、45・・横軸部(第1固定具)、46・・係止部(第2固定具)、45a、46a・・ボルト、45b、46b・・ナット、50・・床下地

【特許請求の範囲】
【請求項1】
住宅本体(H)の上層階部分から屋外方向に張り出した共用廊下やバルコニー等の外部付帯構造物(2)の下側に、カバー部材(10)によって覆われた配設空間(11)を設けて、この配設空間(11)に配管類(13)や配線類(14)を収容した収容構造であって、前記カバー部材(10)は、開閉可能な複数のカバーユニット(20)・・を、前記配設空間(11)が縦断面略三角形状となるように、屋外側から住宅本体側へ向けて下り傾斜した状態で、前記外部付帯構造物(2)の長手方向に沿って横並びに配置してなることを特徴とする集合住宅における配管、配線類の収容構造。
【請求項2】
前記カバーユニット(20)は、方形枠状の枠部材(21)と、この枠部材(21)における前記傾斜方向に沿った左右一対の側枠材(23)(23)間に着脱可能に差し渡した複数の羽板(22)・・とを備えたルーバーからなる請求項1記載の集合住宅における配管、配線類の収容構造。
【請求項3】
前記カバーユニット(20)は、その屋外側の上端部が前記外部付帯構造物(2)の下側に設けた支持部材(40)に横軸部(45)周りに回転自在に支持されるとともに、住宅本体側の下端部が前記支持部材(40)の係止部(46)に着脱可能に係合され、前記住宅本体側の下端部の係合を解除することで、前記横軸部(45)周りに回転して前記配設空間(11)を開放する請求項1又は2記載の集合住宅における配管、配線類の収容構造。
【請求項4】
前記支持部材(40)は、前記外部付帯構造物(2)の床下地(50)から垂下した複数の屋外側の短尺ブラケット(41)・・と、前記床下地(50)から垂下した複数の住宅本体側の長尺ブラケット(42)・・と、屋外側から住宅本体側へ向けて下り傾斜した状態で、前記短尺ブラケット(41)・・と長尺ブラケット(42)・・間に跨って取り付けた複数の傾斜フレーム(43)・・とを備え、これら傾斜フレーム(43)・・間に跨って前記カバーユニット(20)・・を取り付けた請求項3記載の集合住宅における配管、配線類の収容構造。
【請求項5】
前記傾斜フレーム(43)は、その屋外側の上端部が前記短尺ブラケット(41)にボルト(45a)及びナット(45b)からなる第1固定具(45)によって固定され、住宅本体側の下端部が前記長尺ブラケット(42)にボルト(46a)及びナット(46b)からなる第2固定具(46)によって固定され、前記第1固定具(45)を前記横軸部とするとともに、前記第2固定具(46)を前記係止部とした請求項4記載の集合住宅における配管、配線類の収容構造。
【請求項6】
前記カバー部材(10)を、前記外部付帯構造物(2)の下側の軒天板として利用した請求項1乃至5のいずれかに記載の集合住宅における配管、配線類の収容構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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