説明

集合住宅の管理装置及び方法

【課題】集合住宅の居住者が火災への対処を的確に判断できるように、集合住宅の火災の状況を居住者へ報知する。
【解決手段】集合住宅12の各住戸14には、火災センサ及び表示パネルを備えた住戸側ユニット28が各々設置されている。何れかの住戸14の火災センサによって火災が検知されると、火災センサによって火災が検知された住戸14の範囲(火災の範囲)を判定し、火炎の温度及び大きさも考慮して火災レベルを判定する。そして、火災の範囲と各住戸との距離等に基づいて火災緊急度を各住戸14毎に判定し、火災を報知すると共に、各住戸14毎の火災緊急度に応じたメッセージ、現在の火災の範囲を報知する火災報知情報を各住戸の表示パネルに各々表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は集合住宅の管理装置及び方法に係り、特に、集合住宅における火災の発生を集合住宅の居住者に報知する集合住宅の管理装置、及び、該集合住宅の管理装置に適用可能な集合住宅の管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
集合住宅で火災が発生した際に居住者へ報知する技術として、特許文献1には、集合住宅の個々の住戸に火災感知器、ドアホン子機及び住戸受信機が各々設けられ、個々の住戸の住戸受信機が管理人室等に設置された住棟受信機と伝送線を介して接続された構成において、住棟受信機が住戸受信機から火災信号を受信した住戸の情報を、火災信号を受信した順序で住棟受信機の表示部に複数表示する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−286763号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
集合住宅の中には、管理人室が設けられておらず、管理人が常駐していない運営形態の集合住宅も多数存在している。この種の集合住宅で火災が発生した場合、集合住宅の居住者は、例えば初期消火が可能な状況であれば消火活動を行うことが望ましく、例えば初期消火が困難な状況であれば消防署への通報や避難等を行うことが望ましい。
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、集合住宅の住戸の数や位置関係等を把握している管理人へ火災の状況を報知することを前提としている。このため、特許文献1に記載の技術を管理人が常駐していない集合住宅に適用し、管理人に代えて居住者へ同様の報知を行うように構成したとしても、報知を受けた居住者が火災の状況を認識したり、火災への対処を的確に判断することは困難である。
【0006】
本発明は上記事実を考慮して成されたもので、集合住宅の居住者が火災への対処を的確に判断できるように、集合住宅の火災の状況を居住者へ報知できる集合住宅の管理装置及び集合住宅の管理方法を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の発明に係る集合住宅の管理装置は、集合住宅の複数の住戸に各々設置され、少なくとも、設置された住戸の火災を検知する複数の火災検知手段と、1つ以上の前記火災検知手段によって火災が検知された場合に、少なくとも、複数の前記火災検知手段の各々による火災検知の有無から求まる火災の範囲の大きさ、及び、前記火災の範囲と個々の住戸との距離に基づいて、検知された前記火災の緊急度を個々の住戸毎に判定することを繰り返す判定手段と、1つ以上の前記火災検知手段によって火災が検知された場合に、個々の住戸に設けられた表示部に、火災の発生を報知する火災報知情報を表示させると共に、前記判定手段によって前記個々の住戸毎に判定された前記火災の最新の緊急度のうち対応する緊急度を報知する緊急度情報を表示させる表示制御手段と、を含んで構成されている。
【0008】
請求項1記載の発明では、集合住宅の複数の住戸に火災検知手段が各々設置され、個々の火災検知手段は、少なくとも、設置された住戸の火災を検知する。また判定手段は、1つ以上の火災検知手段によって火災が検知された場合に、少なくとも、複数の火災検知手段の各々による火災検知の有無から求まる火災の範囲の大きさ、及び、前記火災の範囲と個々の住戸との距離に基づいて、検知された火災の緊急度を個々の住戸毎に判定することを繰り返す。これにより、集合住宅に火災が発生すると、火災の範囲の大きさ、及び、前記火災の範囲と個々の住戸との距離に基づいて個々の住戸毎に火災の緊急度が判定されると共に、火災の状況が変化した場合、火災の状況の変化に応じて各住戸毎の火災の緊急度がリアルタイムに更新される。
【0009】
なお、火災の緊急度は、緊急度を複数のレベルに分け、例えば、各レベルと対応付ける火災の範囲の大きさ及び火災の範囲と個々の住戸との距離を、居住者の望ましい対処が相違する(例えば消火/消防への通報/避難等)ように定めておくことができる。一例としては、火災の範囲の大きさが大きくなるに従って緊急度のレベルが高くなり、火災の範囲と個々の住戸との距離が小さくなるに従って緊急度のレベルが高くなるように対応付けることができる。そして、例えば、現在の火災の範囲の大きさ及び火災の範囲と個々の住戸との距離が、火災の緊急度の複数のレベルのうちの何れに該当するかを個々の住戸毎に判定することで、個々の住戸毎に火災の緊急度を判定することができる。
【0010】
また表示制御手段は、1つ以上の火災検知手段によって火災が検知された場合に、個々の住戸に設けられた表示部に、火災の発生を報知する火災報知情報を表示させる。これにより、集合住宅に火災が発生したことが個々の住戸の居住者に各々認識される。また表示制御手段は、個々の住戸に設けられた表示部に、判定手段によって個々の住戸毎に判定された火災の最新の緊急度のうち対応する緊急度を報知する緊急度情報を表示させる。これにより、集合住宅に発生した火災の個々の住戸の居住者にとっての緊急度が、個々の住戸の居住者に各々認識される。
【0011】
このように、請求項1記載の発明では、複数の火災検知手段の各々による火災の検知結果から、居住者等が火災の状況を直感的に理解し易い火災の緊急度を判定し、判定した火災の緊急度を報知するので、集合住宅の居住者が火災への対処を的確に判断できるように、集合住宅の火災の状況を居住者へ報知することができる。また、火災の緊急度を各住戸毎に判定して報知することで、各住戸の居住者が、火災の範囲と個々の住戸との距離(及び現在の火災の範囲の大きさ)に応じて相違する各住戸毎の火災の緊急度に応じて適切な対処を判断・選択することができる。
【0012】
なお、請求項1記載の発明において、例えば請求項2に記載したように、集合住宅の個々の住戸の居住者が所持する携帯端末へ情報を送信するための端末識別情報を記憶する端末情報記憶手段と、1つ以上の火災検知手段によって火災が検知された場合に、端末情報記憶手段に記憶された端末識別情報に基づいて、集合住宅の個々の住戸の居住者が所持する携帯端末に、火災報知情報及び緊急度情報を各々送信する送信手段と、を設けることが好ましい。これにより、集合住宅に火災が発生した際に外出していた居住者にも火災の発生を認識させることができ、外出中の居住者が、例えば帰宅したり、家族と連絡をとったり等の対処をとることが可能となる。
【0013】
また、請求項2記載の発明において、送信手段は、例えば請求項3に記載したように、端末情報記憶手段に端末識別情報が記憶されている携帯端末のうち、判定手段によって判定された火災の緊急度が所定レベル以上の住戸の居住者が所持する携帯端末に対し、火災報知情報及び緊急度情報を各々送信するように構成してもよい。この場合、火災の緊急度が所定レベル未満の住戸の居住者が所持する携帯端末には火災報知情報及び緊急度情報が送信されないので、送信手段の負荷が軽減され、火災の緊急度が所定レベル以上のの住戸の居住者に対して火災の発生等をより早期に報知することができる。
【0014】
また、請求項1〜請求項3の何れか1項記載の発明において、例えば請求項4に記載したように、集合住宅には共用部分にも表示部が設置されており、表示制御手段は、1つ以上の火災検知手段によって火災が検知された場合に、集合住宅の共用部分に設置された表示部に、火災報知情報を表示させると共に、複数の火災検知手段の各々による火災検知の有無から求まる火災の範囲を表す火災範囲情報を表示させるように構成してもよい。この場合、集合住宅で火災が発生した際に、例えば通報を受けて到来した消防士等に火災の範囲を把握させることが可能となり、迅速な消火活動に寄与することができる。
【0015】
また、請求項1〜請求項4の何れか1項記載の発明において、例えば請求項5に記載したように、1つ以上の火災検知手段によって火災が検知された場合に、個々の住戸の玄関に設置された錠装置を解錠させる解錠制御手段を更に備えていることが好ましい。これにより、集合住宅に火災が発生した際に迅速に避難することが可能となる。
【0016】
また、請求項5記載の発明において、例えば請求項6に記載したように、予め登録された避難困難者が居住している住戸の情報を記憶する住戸情報記憶手段を設け、表示制御手段は、住戸情報記憶手段に情報が記憶された住戸を避難困難者が居住している住戸として報知する避難困難者情報も表示部に表示させ、解錠制御手段は、1つ以上の火災検知手段によって火災が検知された後に、判定手段によって判定された火災の緊急度が第1レベル以上になった住戸の玄関に設置された錠装置を解錠させると共に、住戸情報記憶手段に情報が記憶された住戸については、判定手段によって判定された火災の緊急度が第1レベルよりも低い第2レベル以上になった時点で錠装置を解錠させるように構成することが好ましい。これにより、避難困難者が居住している集合住宅に火災が発生した場合に、避難困難者が他の居住者の介助によって早期に避難することが可能となる。
【0017】
また、請求項1〜請求項6の何れか1項記載の発明において、例えば請求項7に記載したように、火災検知手段は、設置された住戸の火災における火炎の温度及び大きさの少なくとも一方も検知し、判定手段は、複数の火災検知手段のうち火災を検知している火災検知手段によって検知された火炎の温度及び大きさの少なくとも一方も考慮して火災の緊急度を判定するように構成することが好ましい。これにより、火災の緊急度の判定精度を向上させることができる。
【0018】
また、請求項1〜請求項7の何れか1項記載の発明において、例えば請求項8に記載したように、判定手段は、少なくとも、複数の火災検知手段の各々による火災検知の有無から求まる火災の範囲と個々の住戸との位置関係に基づいて個々の住戸毎に避難経路を判定し、表示制御手段は、個々の住戸に設けられた表示部に、判定手段によって個々の住戸毎に判定された避難経路のうち対応する避難経路を報知する避難経路情報を表示させるように構成することが好ましい。これにより、集合住宅の個々の住戸の居住者に、火災の範囲と個々の住戸との位置関係に応じた適切な避難経路を把握させることができ、個々の住戸の居住者を各々適切な避難経路で避難させることができる。
【0019】
また、請求項1〜請求項8の何れか1項記載の発明において、集合住宅に、電力を蓄電可能な蓄電池と、集合住宅の個々の住戸に設けられた操作パネルと、を備え、蓄電池への蓄電状況を操作パネルに表示すると共に、蓄電池に蓄電された電力を操作パネルを介しての居住者からの指示に応じて供給する電力管理装置が設置されている場合には、例えば請求項9に記載したように、表示制御手段は、電力管理装置の操作パネルを表示部として用いて情報を表示させるように構成することが好ましい。
【0020】
これにより、操作パネルと別に表示部を設置する必要がなくなり、本発明に係る集合住宅の管理装置のコストが低減される。また、通常時には蓄電池への蓄電状況が操作パネルに表示され、火災の発生時には火災報知情報及び緊急度情報が操作パネルに表示されるので、各種情報が操作パネルに一元的に表示されることになり、居住者の利便性も向上させることができる。
【0021】
請求項10記載の発明に係る集合住宅の管理方法は、集合住宅の複数の住戸に各々設置された複数の火災検知手段は、少なくとも、設置された住戸の火災を検知し、判定手段は、1つ以上の前記火災検知手段によって火災が検知された場合に、少なくとも、複数の前記火災検知手段の各々による火災検知の有無から求まる火災の範囲の大きさ、及び、前記火災の範囲と個々の住戸との距離に基づいて、検知された前記火災の緊急度を個々の住戸毎に判定することを繰り返し、表示制御手段は、1つ以上の前記火災検知手段によって火災が検知された場合に、個々の住戸に設けられた表示部に、火災の発生を報知する火災報知情報を表示させると共に、前記判定手段によって前記個々の住戸毎に判定された前記火災の最新の緊急度のうち対応する緊急度を報知する緊急度情報を表示させるので、請求項1記載の発明と同様に、集合住宅の居住者が火災への対処を的確に判断できるように、集合住宅の火災の状況を居住者へ報知することができる。
【発明の効果】
【0022】
以上説明したように本発明は、集合住宅の複数の住戸に各々設置された1つ以上の火災検知手段によって火災が検知された場合に、少なくとも、火災検知手段の各々による火災検知の有無から求まる火災の範囲の大きさ、及び、火災の範囲と個々の住戸との距離に基づいて、検知された火災の緊急度を個々の住戸毎に判定することを繰り返し、個々の住戸に設けられた表示部に、火災の発生を報知する火災報知情報を表示させると共に、個々の住戸毎に判定された火災の最新の緊急度のうち対応する緊急度を報知する緊急度情報を表示させるので、集合住宅の居住者が火災への対処を的確に判断できるように、集合住宅の火災の状況を居住者へ報知できる、という優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】集合住宅管理装置が設置された集合住宅を示す概略図である。
【図2】集合住宅管理装置の概略構成を示すブロック図である。
【図3】火災報知処理の内容を示すフローチャートである。
【図4】表示パネルの表示部に表示される火災報知情報の一例を示すイメージ図である。
【図5】表示パネルの表示部に表示される火災報知情報の一例を示すイメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照して本発明の実施形態の一例を詳細に説明する。図1には本実施形態に係る集合住宅管理装置10が設置された集合住宅12が示されている。集合住宅12は複数階から成り、各階には住戸14が各々複数戸設けられている。
【0025】
また、集合住宅12の両端部には、個々の住戸14の居住者によって共用される共用部16が各々設けられている。個々の共用部16には、集合住宅12の各階へ昇降移動するための階段18と、個々の住戸14の居住者が集合住宅12を出入りする際に通過する共用玄関20と、が各々設けられている。なお、図1では階段18及び共用玄関20を一方の共用部16についてのみ示し、他方の共用部16への図示を省略している。また、集合住宅12の屋根22には太陽光発電を行う太陽光パネル24が設置されており、集合住宅12の敷地内に設けられた駐車場には、当該駐車場に駐車された車両(例えば)に搭載された蓄電池を充電するための車両充電装置26が設置されている。
【0026】
集合住宅12に設置された集合住宅管理装置10は、集合住宅12の個々の住戸14に各々設置された複数の住戸側ユニット28と、集合住宅12の共用部16に設置された単一の管理ユニット30と、を備えている。個々の住戸側ユニット28は通信ケーブルを介して管理ユニット30と各々接続されている。図2に示すように、個々の個々の住戸14に設置された住戸側ユニット28は、火災センサ32、人感センサ34、錠装置36及び住戸用表示パネル38を各々備えている。
【0027】
火災センサ32は個々の住戸14内の天井等に設けられており、住戸14内における火災の有無を検知する。なお、火災センサ32は、火災の有無を検知することに加え、住戸14内に火災が発生していた場合に、火炎の温度及び大きさの少なくとも一方も検知可能な構成であることが好ましい。本実施形態では、火災センサ32として例えば赤外線カメラを用いる等により、火炎の温度及び大きさの検知を可能としているが、火災センサ32として別の構成を適用してもよい。なお、火災センサ32は火災検知手段の一例である。
【0028】
また、人感センサ34も個々の住戸14内の天井等に設けられており、住戸14内における居住者の有無を検知する。人感センサ34としても、例えば火災センサ32と同様に赤外線カメラで構成することができ、単一の赤外線カメラを火災センサ32及び人感センサ34として各々機能させることも可能であるが、人感センサ34として他の構成を適用してもよい。
【0029】
錠装置36は個々の住戸14の玄関扉に取り付けられており、住戸14の居住者が所持している鍵によって施解錠の状態が切替可能とされている。また、錠装置36は施解錠の状態を切替可能なアクチュエータを内蔵しており、管理ユニット30から施解錠の状態切替えが指示された場合に、アクチュエータによって施解錠の状態を切替えることも可能とされている。
【0030】
住戸用表示パネル38は、任意の情報を表示可能な表示部38A、居住者が各種情報を入力するための操作部38B及び居住者に対して火災の発生を報知する警報音等を出力する音声出力部38Cを備えている。住戸用表示パネル38は個々の住戸14の居室等に設けられている。
【0031】
管理ユニット30は管理ユニット制御部40を備えている。管理ユニット制御部40はマイクロコンピュータ等を含み、CPU40A、メモリ40B、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリから成る不揮発性の記憶部40C及び通信I/F(インタフェース)部40Dを備えている。記憶部40Cには、緊急度判定テーブル42、居住者情報44、連絡先テーブル46が予め記憶されており(詳細は後述)、管理ユニット制御部40で後述する火災報知処理を行うための出入管理プログラムも予め記憶されている。
【0032】
集合住宅12の共用部16には共用部表示パネル48が設けられている。共用部表示パネル48は、住戸用表示パネル38と同様に、任意の情報を表示可能な表示部48A、操作者が各種情報を入力するための操作部48B及び共用部16付近に存在する人に対して火災の発生を報知する警報音等を出力する音声出力部48Cを備えている。共用部表示パネル48は管理ユニット制御部40に接続されている。共用部表示パネル48は、何れかの住戸14内に設置された住戸用表示パネル38を親機とするインターホンのインターホンの子機として機能することも可能とされている。なお、共用部表示パネル48は「集合住宅の共用部分に設置された表示部」の一例である。
【0033】
管理ユニット制御部40の通信I/F部40Dは、ネットワーク50を介し、集合住宅12の管理を行う管理会社52に設置されたコンピュータ及び消防署54に設置されたコンピュータと各々接続されている(図1も参照)。管理ユニット制御部40は、管理会社52のコンピュータ及び消防署54のコンピュータとネットワーク50を介して通信可能とされている。また、管理ユニット制御部40は、集合住宅12の居住者が所持する携帯端末56ともネットワーク50を介して通信可能とされている。
【0034】
また、管理ユニット30は蓄電池58、車両充電装置26及び電力受給制御部60を備えており、蓄電池58及び車両充電装置26は電力受給制御部60に接続されている。電力受給制御部60は、太陽光パネル24、系統電源(電力会社から供給される商用電源等)62及び管理ユニット制御部40と各々接続されている。
【0035】
次に本実施形態の作用を説明する。集合住宅管理装置10は、集合住宅12における電力の受給を管理する電力管理装置として機能する。すなわち、本実施形態では太陽光パネル24の発電容量及び蓄電池58の蓄電容量が各々複数個に分割され、分割された発電容量及び蓄電容量が集合住宅12の各住戸14に予め割り当てられている。
【0036】
各住戸14の居住者は、太陽光パネル24で発電された電力のうち、予め割り当てされた電力から住戸14内における消費電力を差し引いた余剰電力が生じた場合に、余剰電力の用途(蓄電池58への蓄電/系統電源62への売電)を選択可能とされている。居住者による余剰電力の用途の選択は、各住戸14内に設けられた住戸用表示パネル38を介して予め指示される。管理ユニット制御部40は、各住戸14の居住者によって選択された余剰電力の用途に従い、太陽光パネル24の発電電力の一部が蓄電池58に蓄電され、他の一部が系統電源62へ売電されるように、電力受給制御部60の動作を制御する。
【0037】
また、管理ユニット制御部40は、各住戸14毎の蓄電池58の蓄電量を各住戸14内に設けられた住戸用表示パネル38の表示部38Aに各々表示させる。本実施形態では、各住戸14の居住者が、系統電源62から供給される夜間電力で蓄電池58を充電することも指示可能とされている。管理ユニット制御部40は、系統電源62から夜間電力が供給される時間帯に、各住戸14の居住者によって指示された夜間電力による蓄電池58の充電の有無に応じて、夜間電力で蓄電池58が充電されるように電力受給制御部60の動作を制御する。なお、蓄電池58に蓄積された電力は、居住者からの指示により、当該居住者が所持する車両の蓄電池を車両充電装置26によって充電する際に消費することも可能である。
【0038】
集合住宅管理装置10が上記の電力管理装置として機能することで、集合住宅12に設置された太陽光パネル24によって発電された電力及び系統電源62から供給される夜間電力は、個々の住戸14の居住者が所望する形態で有効に利用される。また、個々の住戸14に設けられた住戸用表示パネル38は、電力管理に関する情報を居住者へ伝達したり電力管理に関する居住者からの指示を受け付けるための子機として利用される。
【0039】
また、集合住宅管理装置10は、集合住宅12の何れかの箇所で火災が発生した際には、集合住宅12の各住戸14の居住者へ火災を報知する火災報知装置として機能する。以下、何れかの住戸14の住戸側ユニット28の火災センサ32によって火災が検知された場合に、CPU40Aによって火災報知プログラムが実行されることで管理ユニット制御部40で行われる火災報知処理について、図3を参照して説明する。
【0040】
火災報知処理のステップ70において、管理ユニット制御部40は、集合住宅12で火災が発生したことを通知する情報を管理会社52のコンピュータへ送信する。これにより、集合住宅12で火災が発生したことが管理会社52に認識される。次のステップ72において、管理ユニット制御部40は、火災センサ32によって火災が検知された住戸14に設置された住戸側ユニット28から、当該住戸側ユニット28の火災センサ32によって検知された火炎の温度及び大きさを取得する。
【0041】
次のステップ74において、管理ユニット制御部40は、集合住宅12の他の住戸14に設置された住戸側ユニット28から火災センサ32による火災の検知結果を各々取得し、取得した火災の検知結果に基づいて、火災センサ32によって火災が検知されている他の住戸14が有るか否か判定する。管理ユニット制御部40は、ステップ74の判定が肯定されるとステップ72に戻り、ステップ74の判定が肯定される迄ステップ72,74を繰り返す。これにより、管理ユニット制御部40は、火災センサ32によって火災が検知された全ての住戸14の住戸側ユニット28から、火災センサ32によって検知された火炎の温度及び大きさを各々取得する。
【0042】
管理ユニット制御部40は、ステップ74の判定が否定されるとステップ76へ移行し、ステップ72,74で取得した情報に基づいて、集合住宅12に発生した火災の現在の範囲(火災が検知されている住戸14の範囲)を判定し、判定した火災の範囲と、火災が検知されている個々の住戸14における火炎の温度及び大きさに基づいて、現在の火災レベルを判定する。火災レベルの判定は、火災の範囲が広くなるに従って火災レベルが高くなり、火炎の温度が高く、また火炎の大きさが大きくなるに従って火災レベルが高くなるように行うことができる。
【0043】
なお、本実施形態における火災レベルは、集合住宅12の居住者が火災への対処を判断する際の基準となるので、例えば居住者による火災への望ましい対処の相違に伴って火災レベルも相違するように、火災レベルの判定を行う。具体的には、火災レベル=0は居住者による初期消火が可能なレベルとされており、火災の範囲、火炎の温度及び大きさが火災レベル=0に相当する範囲内であれば火災レベル=0と判定される。また、火災レベル=1は居住者による消火が困難で隣接する住戸14への延焼が懸念されるレベルとされており、火災の範囲、火炎の温度及び大きさが火災レベル=1に相当する範囲内であれば火災レベル=1と判定される。また、火災レベル=2は火災が複数の住戸14へ拡がり、早期の避難が必要なレベルとされており、火災の範囲、火炎の温度及び大きさが火災レベル=2に相当する範囲内であれば火災レベル=2と判定される。
【0044】
次のステップ78において、管理ユニット制御部40は、ステップ76で判定した火炎レベルが予め設定された閾値(例えばレベル1)以上か否か判定する。管理ユニット制御部40は、ステップ78の判定が否定された場合はステップ82へ移行するが、ステップ78の判定が肯定された場合はステップ80へ移行し、集合住宅12で火災が発生したことを通知する情報を消防署54のコンピュータへ送信する。これにより、集合住宅12で火災が発生したことが消防署54に認識される。
【0045】
またステップ82において、管理ユニット制御部40は、集合住宅12に避難困難者が在室しているか否か判定する。本実施形態では、集合住宅12の各住戸14の居住者に関する情報が居住者情報44として記憶部40Cに予め登録されており、この居住者情報44の中には、火災等の場合に短時間での避難が困難な避難困難者の有無を表す情報も含まれている。管理ユニット制御部40は、居住者情報44を参照して避難困難者が居住している住戸14の有無を判定する。そして、管理ユニット制御部40は、避難困難者が居住している住戸14が存在していた場合には、当該住戸14に設置された人感センサ34によって居住者の在室が検知されているか否かに基づいて、集合住宅12に避難困難者が在室しているか否かを判定する。なお、居住者情報44は「予め登録された避難困難者が居住している住戸の情報」の一例であり、記憶部40Cは住戸情報記憶手段の一例である。
【0046】
管理ユニット制御部40は、ステップ82の判定が否定された場合はステップ86へ移行するが、ステップ82の判定が肯定された場合はステップ84へ移行し、避難困難者が在室している住戸14の情報をメモリ40Bに記憶させる。
【0047】
次のステップ86において、管理ユニット制御部40は、集合住宅12の各住戸14の中から火災を報知する報知対象の住戸14として単一の住戸14を選択する。なお、管理ユニット制御部40は、報知対象の住戸14として、火災センサ32によって火災が検知された住戸14、及び、避難困難者が在室している住戸14を優先的に選択する。
【0048】
次のステップ88において、管理ユニット制御部40は、ステップ76で判定した火災の範囲と報知対象の住戸14との距離(位置関係)及びステップ76で判定した火災レベルに基づき、緊急度判定テーブル42に従って報知対象の住戸14の火災緊急度を判定する。緊急度判定テーブル42には、例えば次の表1に示すような火災緊急度の判定基準が予め登録されている。
【0049】
【表1】

【0050】
上記の表1より明らかなように、管理ユニット制御部40は、火災の範囲と報知対象の住戸14との距離が小さくなるに従って火災緊急度が高くなり、火災レベルが高くなるに従って火災緊急度が高くなるように火災緊急度を判定する。なお、上記の表1には避難困難者の居住の有無を記載していないが、管理ユニット制御部40は、報知対象の住戸14に避難困難者が居住している場合には、火災緊急度を1だけ増加させる(インクリメントする)。上記のステップ88は、先のステップ72〜76と共に判定手段による処理の一例である。
【0051】
次のステップ90において、管理ユニット制御部40は、ステップ88で判定した火災緊急度が避難が必要なレベル(例えば表1の例では火災緊急度が1以上)か否か判定する。管理ユニット制御部40は、ステップ90の判定が否定された場合はステップ94へ移行する。一方、管理ユニット制御部40は、ステップ90の判定が肯定された場合はステップ92へ移行し、火災の範囲と報知対象の住戸14との位置関係に基づいて、報知対象の住戸14の居住者が避難する際の避難経路を判定する。なお、ステップ92は請求項8に記載の判定手段による処理の一例である。
【0052】
そしてステップ94において、管理ユニット制御部40は、報知対象の住戸14の居住者に対し、集合住宅12に火災が発生していることを報知すると共に、先に判定した報知対象の住戸14に対する火災緊急度を報知する火災報知情報を生成する。なお、管理ユニット制御部40は、先のステップ92で避難経路を判定した場合、判定した避難経路を表す避難経路情報も火災報知情報に付加する。なお、火災報知情報に避難経路情報を付加する処理は請求項8に記載の表示制御手段による処理の一例である。
【0053】
次のステップ96において、管理ユニット制御部40は、報知対象の住戸14が避難困難者の在室している住戸14か否か判定する。管理ユニット制御部40は、ステップ96の判定が否定された場合はステップ98へ移行し、報知対象の住戸14が火災センサ32によって火災が検知されている住戸14か否か判定する。
【0054】
管理ユニット制御部40は、ステップ98の判定が肯定された場合、報知対象の住戸14で火災が検知されているので、居住者による消火又は居住者の避難を優先させるため、ステップ100をスキップしてステップ104へ移行する。
【0055】
また管理ユニット制御部40は、ステップ98の判定が否定された場合、報知対象の住戸14では火災が検知されていないので、ステップ100において、避難困難者が在室している住戸を報知すると共に、避難困難者の介助を要請する要請情報を生成する。そして生成した要請情報を火災報知情報に追加する。なお、上記の要請情報は避難困難者情報の一例であり、ステップ100は請求項6に記載の表示制御手段による処理の一例である。
【0056】
また管理ユニット制御部40は、ステップ96の判定が否定された場合は報知対象の住戸14に避難困難者が在室しているので、ステップ102へ移行し、他の住戸14の居住者による避難介助を可能とするために、報知対象の住戸14の錠装置36を解錠状態へ切り替える。なお、ステップ102は解錠制御手段(より詳しくは請求項6に記載の解錠制御手段)による処理の一例である。
【0057】
次のステップ104において、管理ユニット制御部40は、報知対象の住戸14に設置された住戸用表示パネル38に火災報知情報を表示させる。これにより、火災が検知されていない住戸14の住戸用表示パネル38には、火災報知情報として、例として図4に示すように、火災が発生していることを、現在の火災の範囲及び火災緊急度に応じたメッセージと共に報知し、避難困難者の避難介助も要請する情報が表示される。また、火災緊急度が避難が必要なレベルの住戸14の住戸用表示パネル38には、火災報知情報として、例として図5に示すように、火災が発生していることを、現在の火災の範囲及び火災緊急度に応じたメッセージと共に報知し、避難経路も報知する情報が表示されることになる。なお、ステップ104は表示制御手段による処理の一例である。
【0058】
次のステップ106において、管理ユニット制御部40は、記憶部40Cに記憶されている連絡先テーブル46に、報知対象の住戸14の居住者が所持している携帯端末56の情報が登録されているか否か判定する。なお、連絡先テーブル46は端末識別情報の一例であり、記憶部40Cは端末情報記憶手段の一例である。管理ユニット制御部40は、ステップ106の判定が否定された場合はステップ110へ移行するが、ステップ106の判定が肯定された場合はステップ108へ移行し、報知対象の住戸14の居住者が所持している携帯端末56へ火災報知情報を送信する。これにより、火災発生時に外出していた居住者に対しても火災の発生が報知されることになり、外出していた居住者が火災の発生を認識し、集合住宅12に戻る等の対処を選択することが可能となる。なお、ステップ108は送信手段による処理の一例である。
【0059】
ステップ110において、管理ユニット制御部40は、集合住宅12の全ての住戸14の居住者に対して火災を報知したか否か判定する。管理ユニット制御部40は、ステップ110の判定が否定された場合はステップ86に戻り、ステップ110の判定が肯定される迄、ステップ86〜ステップ110を繰り返す。
【0060】
これにより、集合住宅12の各住戸14毎に火災緊急度が各々判定され、各住戸14の居住者に対し、住戸用表示パネル38を介して火災の発生が報知されると共に火災緊急度も報知され、避難が必要であれば避難経路も報知される。従って、集合住宅12の各住戸14の居住者は、火災の発生を速やかに認識し、火災への対処を的確に判断することができ、避難が必要であれば報知された適切な避難経路で避難することができる。
【0061】
管理ユニット制御部40は、ステップ110の判定が肯定されるとステップ112へ移行し、共用部表示パネル48に火災の範囲等を表示させるための情報を生成し、生成した情報を共用部表示パネル48に表示させる。これにより、消火作業のために集合住宅12に到来した消防署員が、共用部表示パネル48に表示された情報に基づいて現在の火災の範囲を速やかに把握し、効率的な消火作業を行うことが可能となる。なお、ステップ112は請求項4に記載の表示制御手段による処理の一例である。
【0062】
次のステップ114において、管理ユニット制御部40は、何れの住戸14の火災センサ32でも火災が検知されない状態になったか否かに基づいて、火災が鎮火したか否かを判定する。管理ユニット制御部40は、ステップ114の判定が否定された場合、ステップ72に戻り、ステップ114の判定が肯定される迄、ステップ72〜ステップ114を繰り返す。これにより、火災の経過に伴う火災の範囲や火炎の温度、大きさの変化等に応じて、各住戸14の居住者へ報知される火災報知情報の内容が変化することになる。従って、集合住宅12の各住戸14の居住者は、火災の発生から或る程度の時間が経過した段階でも、火災への対処を的確に判断することができる。
【0063】
なお、上記では火災が発生した際に、避難困難者が居住している住戸14の錠装置36のみを解錠状態へ切り替える態様を説明したが、これに限定されるものではなく、集合住宅12の全住戸14の錠装置36を解錠状態へ切り替えるようにしてもよい。
【0064】
また、集合住宅12の共用部16等に煙センサ等を設置しておき、煙センサによる煙検知の有無も考慮して避難経路を判定するようにしてもよい。
【0065】
また、上記では火災が検知された場合に、火災レベルに拘わらず集合住宅12の各住戸14の居住者が所持する携帯端末56へ火災報知情報を各々送信する態様を説明したが、これに限定されるものでもない。例えば火災緊急度が閾値以上の住戸14の居住者が所持する携帯端末56へのみ火災報知情報を送信するようにしてもよい。この態様は請求項3記載の発明の一例である。
【符号の説明】
【0066】
10 集合住宅管理装置
12 集合住宅
14 住戸
28 住戸側ユニット
30 管理ユニット
32 火災センサ
34 人感センサ
36 錠装置
38 住戸用表示パネル
40 管理ユニット制御部
40C 記憶部
42 緊急度判定テーブル
44 居住者情報
46 連絡先テーブル
48 共用部表示パネル
58 蓄電池

【特許請求の範囲】
【請求項1】
集合住宅の複数の住戸に各々設置され、少なくとも、設置された住戸の火災を検知する複数の火災検知手段と、
1つ以上の前記火災検知手段によって火災が検知された場合に、少なくとも、複数の前記火災検知手段の各々による火災検知の有無から求まる火災の範囲の大きさ、及び、前記火災の範囲と個々の住戸との距離に基づいて、検知された前記火災の緊急度を個々の住戸毎に判定することを繰り返す判定手段と、
1つ以上の前記火災検知手段によって火災が検知された場合に、個々の住戸に設けられた表示部に、火災の発生を報知する火災報知情報を表示させると共に、前記判定手段によって前記個々の住戸毎に判定された前記火災の最新の緊急度のうち対応する緊急度を報知する緊急度情報を表示させる表示制御手段と、
を含む集合住宅の管理装置。
【請求項2】
前記集合住宅の個々の住戸の居住者が所持する携帯端末へ情報を送信するための端末識別情報を記憶する端末情報記憶手段と、
1つ以上の前記火災検知手段によって火災が検知された場合に、前記端末情報記憶手段に記憶された前記端末識別情報に基づいて、前記集合住宅の個々の住戸の居住者が所持する携帯端末に、前記火災報知情報及び前記緊急度情報を各々送信する送信手段と、
を更に備えた請求項1記載の集合住宅の管理装置。
【請求項3】
前記送信手段は、前記端末情報記憶手段に前記端末識別情報が記憶されている携帯端末のうち、前記判定手段によって判定された前記火災の緊急度が所定レベル以上の住戸の居住者が所持する携帯端末に対し、前記火災報知情報及び前記緊急度情報を各々送信する請求項2記載の集合住宅の管理装置。
【請求項4】
前記集合住宅には共用部分にも表示部が設置されており、
前記表示制御手段は、1つ以上の前記火災検知手段によって火災が検知された場合に、前記集合住宅の共用部分に設置された前記表示部に、前記火災報知情報を表示させると共に、複数の前記火災検知手段の各々による火災検知の有無から求まる火災の範囲を表す火災範囲情報を表示させる請求項1〜請求項3の何れか1項記載の集合住宅の管理装置。
【請求項5】
1つ以上の前記火災検知手段によって火災が検知された場合に、個々の住戸の玄関に設置された錠装置を解錠させる解錠制御手段を更に備えた請求項1〜請求項4の何れか1項記載の集合住宅の管理装置。
【請求項6】
予め登録された避難困難者が居住している住戸の情報を記憶する住戸情報記憶手段を更に備え、
前記表示制御手段は、前記住戸情報記憶手段に情報が記憶された住戸を前記避難困難者が居住している住戸として報知する避難困難者情報も前記表示部に表示させ、
前記解錠制御手段は、1つ以上の前記火災検知手段によって火災が検知された後に、前記判定手段によって判定された前記火災の緊急度が第1レベル以上になった住戸の玄関に設置された錠装置を解錠させると共に、前記住戸情報記憶手段に情報が記憶された住戸については、前記判定手段によって判定された前記火災の緊急度が前記第1レベルよりも低い第2レベル以上になった時点で前記錠装置を解錠させる請求項5記載の集合住宅の管理装置。
【請求項7】
前記火災検知手段は、設置された住戸の火災における火炎の温度及び大きさの少なくとも一方も検知し、
前記判定手段は、複数の前記火災検知手段のうち火災を検知している前記火災検知手段によって検知された火炎の温度及び大きさの少なくとも一方も考慮して火災の緊急度を判定する請求項1〜請求項6の何れか1項記載の集合住宅の管理装置。
【請求項8】
前記判定手段は、少なくとも、複数の前記火災検知手段の各々による火災検知の有無から求まる前記火災の範囲と個々の住戸との位置関係に基づいて個々の住戸毎に避難経路を判定し、
前記表示制御手段は、個々の住戸に設けられた表示部に、前記判定手段によって前記個々の住戸毎に判定された前記避難経路のうち対応する避難経路を報知する避難経路情報を表示させる請求項1〜請求項7の何れか1項記載の集合住宅の管理装置。
【請求項9】
前記集合住宅には、電力を蓄電可能な蓄電池と、前記集合住宅の個々の住戸に設けられた操作パネルと、を備え、前記蓄電池への蓄電状況を前記操作パネルに表示すると共に、前記蓄電池に蓄電された電力を前記操作パネルを介しての居住者からの指示に応じて供給する電力管理装置が設置されており、
前記表示制御手段は、前記電力管理装置の前記操作パネルを前記表示部として用いて情報を表示させる請求項1〜請求項8の何れか1項記載の集合住宅の管理装置。
【請求項10】
集合住宅の複数の住戸に各々設置された複数の火災検知手段は、少なくとも、設置された住戸の火災を検知し、
判定手段は、1つ以上の前記火災検知手段によって火災が検知された場合に、少なくとも、複数の前記火災検知手段の各々による火災検知の有無から求まる火災の範囲の大きさ、及び、前記火災の範囲と個々の住戸との距離に基づいて、検知された前記火災の緊急度を個々の住戸毎に判定することを繰り返し、
表示制御手段は、1つ以上の前記火災検知手段によって火災が検知された場合に、個々の住戸に設けられた表示部に、火災の発生を報知する火災報知情報を表示させると共に、前記判定手段によって前記個々の住戸毎に判定された前記火災の最新の緊急度のうち対応する緊急度を報知する緊急度情報を表示させる集合住宅の管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−252375(P2012−252375A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−122185(P2011−122185)
【出願日】平成23年5月31日(2011.5.31)
【出願人】(504093467)トヨタホーム株式会社 (391)
【Fターム(参考)】