説明

集合住宅用電力供給システム

【課題】集合住宅において電力を安価かつ有効に利用することができる集合住宅用電力供給システムを提供することを目的とする。
【解決手段】制御装置20は、蓄電値18の電力量が予め定めた閾値以下になった場合は、昼間は、太陽光発電装置14Aの発電電力、商用電源の電力の順に電力が使用されるように、昼間以外は、商用電源の電力、深夜電力の順に電力が使用されるように制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集合住宅用電力供給システムに係り、特に、蓄電池を備えた集合住宅用電力供給システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、集合住宅において蓄電池を備え、複数の住宅間で電力を融通する技術が提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、深夜電力等の電気料金の安い時間帯に充電した蓄電池の電力を住宅で使用したり、蓄電池の充電量に余裕がある住宅から電力が不足する住宅に電力を融通したりする技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−220428号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来技術においては、集合住宅内において、時間帯をどのように区分し、時間帯に応じてどの電力を優先して使用するか等について具体的ではなく、集合住宅において電力を安価かつ有効に利用できるとは限らない、という問題があった。
【0006】
本発明は、上記事実を考慮して成されたもので、集合住宅において電力を安価かつ有効に利用することができる集合住宅用電力供給システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、住居及び店舗の少なくとも何れかが複数集合した集合住宅に設けられ、自然エネルギーを利用して発電する複数の発電装置と、前記複数の発電装置の発電電力と、前記住居及び店舗で使用される商用電源の電力のうち深夜電力と、の少なくとも一方の電力を蓄電する蓄電池と、前記住居及び店舗から前記蓄電池へ蓄電された蓄電電力の蓄電割合を検出する検出手段と、前記検出手段により検出された前記蓄電割合に基づいて、前記蓄電池に蓄電された蓄電電力の電力配分を決定する決定手段と、前記決定手段により決定された電力配分に応じて、前記蓄電池に蓄電された蓄電電力を前記住居及び店舗に供給する電力供給手段と、前記蓄電池への蓄電を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
この発明によれば、集合住宅が蓄電池を備え、住居及び店舗から蓄電池へ蓄電された蓄電電力の蓄電割合に基づいて、蓄電池に蓄電された蓄電電力の電力配分を決定するので、集合住宅において電力を安価かつ有効に利用することができる。
【0009】
なお、請求項2に記載したように、前記蓄電池に蓄電された蓄電電力を、前記蓄電割合に比例して配分する蓄電割合モード、前記蓄電割合に係わらず均等に配分する均等モード、前記住居へ優先的に配分する住居優先モード、及び前記店舗へ優先的に配分する店舗優先モードの何れかを選択する選択手段を備え、前記決定手段は、前記選択手段により選択されたモードに応じて前記電力配分を決定するようにしてもよい。
【0010】
また、請求項3に記載したように、前記決定手段は、前記住居を担当する前記発電装置の発電電力による蓄電割合と、前記店舗を担当する前記発電装置の発電電力による蓄電割合と、を比較し、蓄電割合が大きい方に対して優先的に夜間の電力が供給されるように、前記電力配分を決定するようにしてもよい。
【0011】
また、請求項4に記載したように、前記制御手段は、日没後は前記蓄電池への蓄電を停止するように制御するようにしてもよい。
【0012】
また、請求項5に記載したように、前記制御手段は、前記蓄電池への蓄電を停止した後、深夜電力の開始時刻以降に、前記深夜電力の電力による前記蓄電池への蓄電を開始するように制御するようにしてもよい。
【0013】
また、請求項6に記載したように、前記制御手段は、前記蓄電池への蓄電を開始した後、前記深夜電力の終了時刻以降に、前記蓄電池からの電力供給が可能となるように制御するようにしてもよい。
【0014】
また、請求項7に記載したように、前記制御手段は、前記蓄電電力の電力量が予め定めた閾値以下になった場合は、昼間は、前記発電装置の発電電力、前記商用電源の電力の順に電力が使用されるように、昼間以外は、商用電源の電力、前記深夜電力の順に電力が使用されるように制御するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、集合住宅において電力を安価かつ有効に利用することができる、という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施の形態に係る集合住宅用電力供給システムの概略構成を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る集合住宅用電力供給システムの制御装置の詳細な構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る集合住宅用電力供給システムの制御装置で行われるメイン処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施の形態に係る集合住宅用電力供給システムの制御装置で行われる昼間用電力供給処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態に係る集合住宅用電力供給システムの制御装置で行われる夜間用電力供給処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施の形態に係る集合住宅用電力供給システムの制御装置で行われる深夜用電力供給処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態の一例を詳細に説明する。図1は、本発明の実施の形態に係わる集合住宅用電力供給システムの概略構成を示す図である。
【0018】
本発明の実施形態に係る集合住宅用電力供給システム10は、住居及び店舗の少なくとも何れかが複数集合した集合住宅12に設けられ、集合住宅12への電力供給を制御する。
【0019】
集合住宅用電力供給システム10の電源としては、商用電源16からの電力や、太陽光発電装置14等の発電装置からの電力が電源として用いられ、これらの電源から得られる電力を集合住宅12へ供給する。なお、電源としては商用電源や太陽光発電装置に限らず、燃料電池を用いてもよい。
【0020】
本実施の形態では、発電装置として、集合住宅12の屋上等に太陽光発電装置14を備えており、自然エネルギーとして太陽光を利用して発電して、発電された電力を集合住宅12へ供給する。太陽光発電装置14は、複数の太陽光発電装置14Aから成る。本実施形態では、各住居及び各店舗に対してそれぞれ太陽光発電装置14Aが割り当てられている場合について説明するが、複数の住居や店舗でグループを構成し、一つのグループに対して一つの太陽光発電装置14Aが割り当てられるようにしてもよい。
【0021】
なお、本実施の形態では、発電装置として、太陽光発電装置14を例として説明するが、これに限られるものではなく、風力発電や水力発電等の太陽光以外の他の自然エネルギーを利用した発電装置を適用するようにしてもよい。
【0022】
また、集合住宅用電力供給システム10には、自動車60の車両用蓄電池62(図2も参照)を充電するための充電スタンド64が設けられている。ここで、自動車60は、例えばPHV(プラグインハイブリッド)車や電気自動車のように、電源プラグを家庭用の電源コンセントに差し込むことで電力の供給を受けて車両用蓄電池62を充電し、充電された車両用蓄電池62が供給する電力によって走行可能な車両である。
【0023】
本実施形態では、自動車60の電源プラグを充電スタンド64の電源コンセントに差し込むことで充電スタンド64から電力の供給を受けて車両用蓄電池62を充電することができる。なお、充電スタンド64は、複数設けられていてもよい。
【0024】
また、集合住宅用電力供給システム10は、発電電力及び商用電源16の電力の少なくとも一方の電力を蓄電する蓄電池18を備えている。蓄電池18は、太陽光発電装置14の発電電力や、深夜電力(予め定めた深夜の電力料金の安い時間帯の商用電源16からの電力)を利用して蓄電して、商用電源16の電力より安い蓄電した電力(発電電力や深夜電力)を集合住宅12へ供給することが可能とされている。
【0025】
これらの電力の集合住宅12への供給制御は、制御装置20によって行われる。すなわち、制御装置20には、太陽光発電装置14、商用電源16、及び蓄電池18が接続されていると共に、集合住宅12の各部(共用部24や、各住居26A、各店舗26B、充電スタンド64)へ電力を供給するための分電盤22が接続されており、太陽光発電装置14の発電電力、商用電源16の電力、及び蓄電池18の蓄電電力の少なくとも1つの電力が、分電盤22を介して集合住宅12の各部へ供給される。太陽光発電装置14の発電電力、または蓄電池18の蓄電電力を集合住宅12に供給する場合には、制御装置20は、直流を交流に変換して供給するようになっている。
【0026】
ここで、制御装置20の構成について詳細に説明する。図2は、本発明の実施の形態に係わる集合住宅用電力供給システム10の制御装置20の詳細な構成を示すブロック図である。なお、図2中の実線は情報の流れを示し、点線は電力の流れを示す。
【0027】
制御装置20は、図2に示すように、情報制御ユニット28及び電力供給制御装置30を備えており、情報制御ユニット28が各種情報を収集して、収集した情報に基づいて、電力の供給元及び供給先を決定し、電力供給制御装置30を制御することによって電力の流れを制御する。
【0028】
情報制御ユニット28には、集合住宅用電力供給システム10の各種設定や操作を行うための操作パネル35が接続されている。この操作パネル35からは、例えば、自動車60の車両用蓄電池62の充電の予約操作、すなわち充電開始時刻の設定操作や、後述する電力配分モード等の各種設定操作が可能である。
【0029】
また、情報制御ユニット28には、各種情報を収集するために、各住居及び店舗毎に設けられた複数の太陽光発電装置14Aの発電量を各々検出するための複数の発電量検出センサ32A、蓄電池18の蓄電量を検出するための蓄電量検出センサ34が接続されていると共に、集合住宅12の各住居26Aや各店舗26B、及び共用部24の消費電力を検出するセンサ36が接続されている。なお、発電量検出センサ32A及びセンサ36は、単位時間あたりの電力量を検出するようにしてもよいし、電力値を検出するようにしてもよい。
【0030】
情報制御ユニット28は、複数の発電量検出センサ32A及び蓄電量検出センサ34の各検出結果を取得することにより、複数の太陽光発電装置14Aの発電量及び蓄電池18の蓄電量を監視すると共に、各センサ36の検出結果を取得することにより集合住宅12で消費される電力を検出して、安価な電力を供給するように、電力供給制御装置30を制御する。
【0031】
また、情報制御ユニット28は、複数の発電量検出センサ32A及び蓄電量検出センサ34の各検出結果に基づいて、住居及び店舗毎に、太陽光発電による蓄電池18への蓄電量及び深夜電力による蓄電池18への蓄電量を検出し、各住居及び店舗の蓄電割合を検出する。
【0032】
情報制御ユニット28は、詳細は後述するが、例えば検出した蓄電割合に基づいて、各住居及び店舗への電力配分を決定し、電力供給制御装置30に指示する。
【0033】
電力供給制御装置30は、情報制御ユニット28の指示に従って、発電電力、蓄電電力、商用電力の何れかを各住居26Aや各店舗26B、共用部24、充電スタンド64へ供給する。
【0034】
次に、本実施形態の作用として、集合住宅用電力供給システム10の制御装置20の情報制御ユニット28で実行される処理について説明する。図3〜6は、情報制御ユニット28で実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0035】
図3のステップ100では、昼間であるか否かが判断される。本実施形態では、1日を昼間、夜間、深夜に分けて、それぞれに適した電力供給処理を実行する。本実施形態では、昼間は、電力料金が安い深夜電力が終了する時刻である7時から、日没までとする。また、夜間は、日没から、深夜電力が開始する時刻である23時までとする。また、深夜は、深夜電力が開始する時刻である23時から深夜電力が終了する時刻である7時までとする。
【0036】
なお、日没か否かの判断は、例えば発電量検出センサ32Aによって検出された太陽光発電の発電量が、予め定めた閾値以下となったか否かを判断することにより行う。ここで、閾値は、発電量がこの値以下であれば日没と判断できる値に設定される。
【0037】
ステップ100で昼間と判断されると、ステップ102へ移行し、図4に示す昼間用電力供給処理が実行される。一方、ステップ100で昼間でないと判断された場合には、ステップ104へ移行する。
【0038】
ステップ104では、夜間か否かを判断し、夜間と判断された場合には、ステップ106へ移行して、図5に示す夜間用電力供給処理を実行する。一方、夜間でないと判断された場合、すなわち、深夜と判断された場合には、ステップ108へ移行して、図6に示す深夜用電力供給処理を実行する。
【0039】
次に、昼間用電力供給処理について、図4に示すフローチャートを参照して説明する。
【0040】
まず、ステップ200では、蓄電量検出センサ34の検出結果に基づいて、蓄電池18の蓄電量が不足しているか否かを判断する。すなわち、蓄電池18の蓄電量が、予め定めた閾値以下であり、各住居及び店舗に電力供給不可能であるか否かを判断する。
【0041】
そして、蓄電量が不足していると判断された場合には、ステップ202へ移行し、蓄電量が不足していないと判断された場合には、ステップ218へ移行する。
【0042】
ステップ202では、太陽光発電の発電量検出センサ32Aの検出結果に基づいて、太陽光発電により電力供給が可能か否かを判断する。すなわち、太陽光発電装置14Aによる発電電力の電力量が、その太陽光発電装置14Aが担当する住居又は店舗に電力供給可能な電力量か否かを判断する。この処理は、各住居及び店舗毎、すなわち発電量検出センサ32A毎に実行される。ステップ204〜216においても同様である。
【0043】
そして、太陽光発電装置14Aによる電力供給が可能と判断された場合には、ステップ204へ移行し、太陽光発電装置14Aによる電力供給が可能でないと判断された場合には、ステップ214へ移行する。
【0044】
ステップ214では、太陽光発電装置14Aによる電力供給が可能でないと判断された住居又は店舗に対して、契約電力、すなわち商用電源16の電力により電力供給されるよう電力供給制御装置30に指示する。
【0045】
一方、ステップ204では、契約電力の単価が太陽光発電の売電単価よりも高いか否かを判断する。そして、契約電力の単価が太陽光発電の売電単価よりも高いと判断された場合には、ステップ206へ移行し、契約電力の単価が太陽光発電の売電単価以下の場合には、ステップ214へ移行する。
【0046】
ステップ206では、太陽光発電による電力供給が可能と判断された住居や店舗に対して、その住居や店舗を担当する太陽光発電装置14Aによる発電電力により電力が供給されるように、電力供給制御装置30に指示する。
【0047】
ステップ208では、太陽光発電による電力が余剰か否かを判断する。すなわち、発電量検出センサ32Aにより検出された発電量が、センサ36により検出された消費電力量を上回っているか否かを判断する。
【0048】
そして、太陽光発電の電力が余剰の場合、すなわち、太陽光発電による発電量が消費電力量を上回っている場合には、ステップ210へ移行する。一方、太陽光発電による電力が余剰でない場合、すなわち、太陽光発電による発電量が消費電力量を上回っていない場合には、本ルーチンを終了する。
【0049】
ステップ210では、蓄電量検出センサ34の検出結果に基づいて、蓄電池18に蓄電可能か否かを判断する。すなわち、蓄電池18の蓄電量が、これ以上蓄電できない程すでに蓄電されているか否かを判断する。
【0050】
そして、蓄電池18に蓄電可能と判断された場合には、ステップ212へ移行し、蓄電池18に蓄電可能でないと判断された場合には、ステップ216へ移行する。
【0051】
ステップ212では、太陽光発電装置14Aにより発電された電力を蓄電池18に蓄電させる。このとき、住居及び店舗毎に、太陽光発電による蓄電池18への蓄電量の蓄電割合を検出して記憶しておく。
【0052】
一方、ステップ216では、太陽光発電装置14Aにより発電された電力を電力会社に売電する。
【0053】
また、ステップ200で否定判断された場合、すなわち、蓄電池18の蓄電量が不足していないと判断された場合には、ステップ218へ移行して、蓄電池18に蓄電された電力の電力配分が決定される。
【0054】
具体的には、ユーザーが操作パネル35を操作することにより設定された電力配分モードに基づいて電力配分が決定される。電力配分モードとしては、一例として、蓄電池18に蓄電された蓄電電力を、蓄電割合に比例して配分する蓄電割合モード、蓄電割合に係わらず均等に配分する均等モード、住居へ優先的に配分する住居優先モード、及び店舗へ優先的に配分する店舗優先モードがあり、これらの何れかを選択することができる。
【0055】
そして、蓄電割合モードが設定されていた場合には、蓄電割合に応じて、すなわち、蓄電量が多い程、蓄電池18からの電力供給量が多くなるように、電力配分を決定する。例えば、全ての住居の合計蓄電量と全ての店舗の合計蓄電量の割合が、6:4であった場合、蓄電池18に蓄電された蓄電電力の6割の電力が住居側へ供給され、蓄電池18に蓄電された蓄電電力の4割の電力が店舗側へ供給されるように電力配分を決定する。なお、各住居及び各店舗の蓄電割合に応じて細かく電力配分を決定するようにしてもよい。
【0056】
また、均等モードが設定されていた場合には、蓄電池18に蓄電された電力が均等に各住居及び各店舗へ供給されるように電力配分を決定する。
【0057】
また、住居優先モードが設定されていた場合には、蓄電割合に関係なく、たとえ店舗側の蓄電割合が住居側の蓄電割合より高い場合でも、蓄電池18に蓄電された電力が住居側に優先的に配分されるように電力配分を決定する。
【0058】
また、店舗優先モードが設定されていた場合には、蓄電割合に関係なく、たとえ住居側の蓄電割合が店舗側の蓄電割合より高い場合でも、蓄電池18に蓄電された電力が店舗側に優先的に配分されるように電力配分を決定する。
【0059】
ステップ220では、ステップ218で決定した電力配分に従って各住居及び各店舗に電力が供給されるように、電力供給制御装置30に指示する。
【0060】
このように、昼間の電力供給処理においては、蓄電池18の蓄電電力、太陽光の発電電力、契約電力の順で電力が供給されるように制御する。これにより、安価に電力を使用することができる。
【0061】
次に、夜間の電力供給処理について、図5に示すフローチャートを参照して説明する。
【0062】
ステップ300では、図4のステップ200の処理と同様に、蓄電池18の蓄電量が不足しているか否かを判断し、不足している場合には、ステップ302へ移行し、不足している場合には、ステップ304へ移行する。
【0063】
ステップ302では、各住居及び各店舗に契約電力から電力が供給されるように、電力供給制御装置30に指示する。
【0064】
一方、ステップ304では、図4のステップ218と同様に、蓄電池18に蓄電された電力の電力配分を決定する。
【0065】
そして、ステップ306では、図4のステップ220と同様に、ステップ302で決定した電力配分に従って各住居及び各店舗に電力が供給されるように、電力供給制御装置30に指示する。
【0066】
このように、夜間の電力供給処理においては、蓄電池18の蓄電電力、契約電力の順で電力が供給されるように制御する。これにより、安価に電力を使用することができる。
【0067】
次に、深夜の電力供給処理について、図6に示すフローチャートを参照して説明する。
【0068】
ステップ400では、図4のステップ200の処理と同様に、蓄電池18の蓄電量が不足しているか否かを判断し、不足している場合には、ステップ402へ移行し、不足している場合には、ステップ406へ移行する。
【0069】
ステップ402では、各住居及び各店舗に深夜電力から電力が供給されるように、電力供給制御装置30に指示する。
【0070】
ステップ404では、深夜電力から蓄電池18に蓄電させる。このとき、住居及び店舗毎に、深夜電力による蓄電池18への蓄電量の蓄電割合を検出して記憶しておく。
【0071】
一方、ステップ406では、蓄電池18に蓄電された電力の電力配分を決定する。このとき、住居を担当する太陽光発電装置14Aの太陽光発電による蓄電池18への蓄電量の蓄電割合と、店舗を担当する太陽光発電装置14Aの太陽光発電による蓄電池18への蓄電量の蓄電割合と、を比較し、蓄電割合が大きい方に対して優先的に蓄電池18の電力が供給されるように、電力配分を決定する
【0072】
そして、ステップ408では、図4のステップ220と同様に、ステップ406で決定した電力配分に従って各住居及び各店舗に電力が供給されるように、電力供給制御装置30に指示する。
【0073】
このように、深夜の電力供給処理においては、蓄電池18の蓄電電力、深夜電力の順で電力が供給されるように制御する。これにより、安価に電力を使用することができる。
【0074】
以上のように、本実施形態においては、昼間の電力供給処理においては、蓄電池18の蓄電電力、太陽光の発電電力、契約電力の順で電力が供給されるように制御し、昼間以外の電力供給処理においては、蓄電電力、契約電力、深夜電力の順で電力が供給されるように制御する。これにより、効率よく安価に電力を使用することができる。
【0075】
なお、蓄電池18の蓄電電力が予め定めた閾値以下になった場合、充電スタンド64で車両用蓄電池62に蓄電された電力を蓄電池18に蓄電可能な場合には、車両用蓄電池62に蓄電された電力を蓄電池18に蓄電させた後に、上記の順序で電力を使用するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0076】
10 集合住宅用電力供給システム
12 集合住宅
14 太陽光発電装置
16 商用電源
18 蓄電池
20 制御装置
22 分電盤
24 共用部
26 住居
28 情報制御ユニット
30 電力供給制御装置
32 発電量検出センサ
34 蓄電量検出センサ
35 操作パネル
36 センサ
60 自動車
60A 人感センサ
62 車両用蓄電池
64 充電スタンド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
住居及び店舗の少なくとも何れかが複数集合した集合住宅に設けられ、自然エネルギーを利用して発電する複数の発電装置と、
前記複数の発電装置の発電電力と、前記住居及び店舗で使用される商用電源の電力のうち深夜電力と、の少なくとも一方の電力を蓄電する蓄電池と、
前記住居及び店舗から前記蓄電池へ蓄電された蓄電電力の蓄電割合を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された前記蓄電割合に基づいて、前記蓄電池に蓄電された蓄電電力の電力配分を決定する決定手段と、
前記決定手段により決定された電力配分に応じて、前記蓄電池に蓄電された蓄電電力を前記住居及び店舗に供給する電力供給手段と、
前記蓄電池への蓄電を制御する制御手段と、
を備えた集合住宅用電力供給システム。
【請求項2】
前記蓄電池に蓄電された蓄電電力を、前記蓄電割合に比例して配分する蓄電割合モード、前記蓄電割合に係わらず均等に配分する均等モード、前記住居へ優先的に配分する住居優先モード、及び前記店舗へ優先的に配分する店舗優先モードの何れかを選択する選択手段を備え、
前記決定手段は、前記選択手段により選択されたモードに応じて前記電力配分を決定する
請求項1記載の集合住宅用電力供給システム。
【請求項3】
前記決定手段は、前記住居を担当する前記発電装置の発電電力による蓄電割合と、前記店舗を担当する前記発電装置の発電電力による蓄電割合と、を比較し、蓄電割合が大きい方に対して優先的に夜間の電力が供給されるように、前記電力配分を決定する
請求項1又は請求項2記載の集合住宅用電力供給システム。
【請求項4】
前記制御手段は、日没後は前記蓄電池への蓄電を停止するように制御する
請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の集合住宅用電力供給システム。
【請求項5】
前記制御手段は、前記蓄電池への蓄電を停止した後、深夜電力の開始時刻以降に、前記深夜電力の電力による前記蓄電池への蓄電を開始するように制御する
請求項4記載の集合住宅用電力供給システム。
【請求項6】
前記制御手段は、前記蓄電池への蓄電を開始した後、前記深夜電力の終了時刻以降に、前記蓄電池からの電力供給が可能となるように制御する
請求項5記載の集合住宅用電力供給システム。
【請求項7】
前記制御手段は、前記蓄電電力の電力量が予め定めた閾値以下になった場合は、昼間は、前記発電装置の発電電力、前記商用電源の電力の順に電力が使用されるように、昼間以外は、商用電源の電力、前記深夜電力の順に電力が使用されるように制御する
請求項1〜6の何れか1項に記載の集合住宅用電力供給システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2013−46528(P2013−46528A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−184043(P2011−184043)
【出願日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【出願人】(504093467)トヨタホーム株式会社 (391)
【Fターム(参考)】