説明

集合包装体

【課題】多数の直管型の蛍光ランプの交換作業を簡易に行うことができる集合包装体を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明に係る集合包装体900は、直管形の蛍光ランプ501を収納する個装サック110を複数集合させたサック集合体200と、前記サック集合体200を包装する包装箱体300と、を有し、前記個装サック110に収納された個々の蛍光ランプ501に対応する位置配列を表示する位置配列表示部400を、一対の第1天板フラップの一方に有し、前記位置配列表示部400の個々の蛍光ランプ501に対応する位置配列表示の中に、前記個装サック110に収納された蛍光ランプが、新品の蛍光ランプであるか、若しくは、前記新品の蛍光ランプと交換された古い蛍光ランプであるか、を示す新旧表示部440を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集合包装体に関する。より詳しくは、直管形の蛍光ランプを多数収納して包装できる集合包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
店舗やビル等における天井照明のメンテナンスとして直管型の蛍光ランプを交換する作業では、多数の蛍光ランプを必要とする。
【0003】
そのため、かかる場合における蛍光ランプの交換作業は、特許文献1〜3に示されるような、直管形の蛍光ランプを収納する個装サックを複数集合させたサック集合体の単位で取り扱われる。
【0004】
蛍光ランプの交換作業ではサック集合体より新しいランプを1本ずつ抜き出し、交換後に残る古いランプは先に取り出して空洞となった部分に戻していく。
【0005】
これは蛍光ランプのガラス管バルブが割れる恐れがあることや、直管形の蛍光ランプが円柱であるので転がりやすい形状であるため、一時的にサック集合体へ戻したほうが持ち運びが便利なためである。
【0006】
しかしながら、このような交換作業では、サック集合体に戻した蛍光ランプはその端部の電極部しか見えないので、新しい蛍光ランプか、それとも、交換して収めた古い蛍光ランプであるかの区別が困難である。
【0007】
また、新しい蛍光ランプと古い蛍光ランプとが混じった状態で作業が終わった場合は、次に使用する場合に再度中身の確認が必要になる。
【0008】
さらには、サック集合体内の新しい蛍光ランプと古い蛍光ランプとの区別をするために、マジック等で蛍光ランプの端部に印を付ける等を行う方法があるが、これは面倒な作業である。
【0009】
【特許文献1】特開2003−191949号公報
【特許文献2】特開平11−349051号公報
【特許文献3】特開平11−349052号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は上述の問題に鑑みてなされたものであり、多数の直管型の蛍光ランプを交換する作業において、新しい蛍光ランプと古い蛍光ランプとの区別を容易にすることにより、交換作業をスムーズに行うことができる直管形の蛍光ランプの集合包装体を提供することを目的とする。また、多数の直管型の蛍光ランプの交換作業を簡易に行うことができる集合包装体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、この発明の集合包装体は、
直管形の蛍光ランプを収納する個装サックを複数集合させたサック集合体と、
4枚の矩形状の側板により形成された角筒状の胴部と、一方に対向する一対の側板の上縁に折目線を介して連設された一対の第1天板フラップと、他方に対向する一対の側板の上縁に折目線を介して連設された一対の第2天板フラップと、を備えて前記サック集合体を包装する包装箱体と、を有する、集合包装体であって、
前記個装サックに収納された個々の蛍光ランプに対応する位置配列を表示する位置配列表示部を、前記一対の第1天板フラップの一方に有し、
前記位置配列表示部の個々の蛍光ランプに対応する位置配列の中に、前記個装サックに収納された蛍光ランプが、新品の蛍光ランプであるか、若しくは、前記新品の蛍光ランプと交換された古い蛍光ランプであるか、を示す新旧表示部を有する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る集合包装体は、多数の直管型の蛍光ランプの交換作業を簡易に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
(実施形態1)
図1に示されるように、本実施形態に係る集合包装体900は、サック集合体200と、包装箱体300と、位置配列表示部400と、新旧表示部440と、を有する。
【0014】
図2に示されるように、包装箱体300はサック集合体200を包装して集合包装体900を形成する。
【0015】
サック集合体200は、直管形の蛍光ランプ501を収納する個装サック110を複数集合させたものである。本実施形態では、例えば、サック集合体200は、個装サック110を縦5個、横5個で、合計25個集合させたものである。
【0016】
個装サック110は、片面段ボールを材質として、片面段ボールの段ボール面を内側にして形成される。片面段ボールの段ボール繊維の方向は、個装サック110内に包装される直管形の蛍光ランプ501の長手方向と平行である。これにより、個装サック110の物理的強度を保つことができる。
【0017】
また、包装箱体300は、角筒状の胴部310と、一対の第1天板フラップ320a,320bと、他方に対向する一対の第2天板フラップ330a,330bと、図示されていない底板と、を有する。
【0018】
胴部310は、材質が段ボールである、4枚の矩形状の側板311a、311b、311c、311dにより形成される。一方において側板311aと側板311cとが対向し、また、他方において側板311bと側板311dとが対向する。
【0019】
第1天板フラップ320a,320bは、それぞれ、側板311d,311bの上縁に折目線を介して連設される。
【0020】
また、第2天板フラップ330a,330bは、それぞれ、側板311a,311cの上縁に折目線を介して連設される。
【0021】
図1に示されるように、本実施形態では、個装サック110に収納された個々の蛍光ランプ501に対応する位置配列を表示する位置配列表示部400が、一方の第1天板フラップ320aに設けられている。
【0022】
例えば、収納された蛍光ランプ501aに対応する位置配列は401aである。同様に、収納された蛍光ランプ501b,501c,501d,501eに対応する位置配列は、それぞれ、401b,401c,401d,401eである。
【0023】
そして、位置配列表示部400の個々の位置配列401の中には、新旧表示部440を有する。
【0024】
本実施形態では、新旧表示部440は、例えば、×字状の切り込みである。この×字状の切り込みは、指等で簡単に押し広げることができる。
【0025】
この×字状の切り込みが押し広げられていない場合は、収納された蛍光ランプ501が新品の蛍光ランプであることを示す。一方、図3に示されるように、×字状の切り込みが押し広げられている場合は、収納された蛍光ランプ501が交換された古い蛍光ランプであることを示す。
【0026】
図3では、例えば、蛍光ランプ501c,501d,501eが交換された古い蛍光ランプであり、それに対応する位置配列401c,401d,401eが、指等により押し広げられている。
【0027】
このように、新旧表示部440により、個装サック110に収納された蛍光ランプ501が交換された古い蛍光ランプであるか、それとも、交換前の新しい蛍光ランプであるか、簡易に判別することができる。従って、多数の直管型の蛍光ランプ501の交換作業を簡易に行うことができる。
【0028】
(実施形態2)
本実施形態に係る集合包装体900では、実施形態1と異なり、図4に示されるように、位置配列表示部400が、一方の第1天板フラップ320aに設けられているのみならず、他方の第1天板フラップ320bにも設けられている。
【0029】
そして、他方の第1天板フラップ320bに設けられている位置配列表示部400の個々の位置配列401の中にも、新旧表示部440が設けられる。
【0030】
本実施形態によれば、仮に、交換された古い蛍光ランプに対応する×字状の切り込みを押し広げようとして、操作を誤って、隣の×字状の切り込みを押し広げてしまった場合でも、第1天板フラップ320bに設けられている位置配列表示部400を使用し直すことで、正しく古い蛍光ランプか新しい蛍光ランプであるかを判別できる。従って、多数の直管型の蛍光ランプ501の交換作業を簡易に行うことができる。
【0031】
(実施形態3)
本実施形態では、新旧表示部440は切れ込みではなく、図5に部分的に示されるように、周囲を点線で縁取られた所定形状の図形である。本実施形態では、周囲を点線で縁取られた円である。
【0032】
点線で縁取られた円が存在する場合は、収納された蛍光ランプ501が新品の蛍光ランプであることを示す。一方、図5に示されるように、点線で縁取られた円が、指等で押し込まれて抜き取られている場合は、収納された蛍光ランプ501が交換された古い蛍光ランプであることを示す。
【0033】
図5では、例えば、蛍光ランプ501c,501d,501eが交換された古い蛍光ランプであり、それに対応する位置配列401c,401d,401eにおいて、点線で縁取られた円が抜き取られている。
【0034】
本実施形態においても、新旧表示部440により、個装サック110に収納された蛍光ランプ501が交換された古い蛍光ランプであるか、それとも、交換前の新しい蛍光ランプであるか、簡易に判別することができる。なお、周囲を点線で縁取られた円に限定されず、楕円、四角形、三角形、五角形等の種々の図形を使用できる。
【0035】
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、新旧表示部440である切り込みは×字状であった。もっともこのような実施形態に限定されることはない。新旧表示部440である切り込みは、指等で押し広げやすい形状であるならばどのような形状でも良く、例えば、+字状、レ字状、*状等の形状をとることができる。
【0036】
上述の実施形態では、4枚の側板311a、311b、311c、311d、及び、第1天板フラップ320a,320b、及び、第2天板フラップ330a,330bは、段ボールにより形成された。もっともこのような実施形態に限定されることはない。これらの材質は厚紙等のコストが安く所定の強度を有する材質を利用することができる。
【0037】
上述の実施形態では、収納された蛍光ランプ501a,501b,501c,501d,501eに対応する位置配列は、それぞれ、401a,401b,401c,401d,401eであった。もっとも個装サック110に収納された個々の蛍光ランプ501に対応する位置配列の表示はこのような実施形態に限定されない。例えば、収納された蛍光ランプ501a,501b,501c,501d,501eに対応する位置配列を、それぞれ、401e,401d,401c,401b,401aとすることも可能である。このように、個装サック110に収納された個々の蛍光ランプ501に対応する位置配列の表示は、集合包装体900の使用者により適宜決定することができる。そのため本実施形態にかかる集合包装体900の利便性は自由度が高い。
【0038】
上述の実施形態では、多数の直管形の蛍光ランプ501の交換作業を簡易に行うことができる集合包装体900につき説明をしたが、本実施形態に係る集合包装体900は直管形の蛍光ランプ501以外の物の交換作業についても応用できる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本実施形態に係る集合包装体を説明する図である。
【図2】本実施形態に係る集合包装体の個々の要素を詳細に説明する図である。
【図3】本実施形態に係る集合包装体の使用状態を説明する図である。
【図4】本実施形態2に係る集合包装体を説明する図であり、複数の位置配列表示部を有するものである。
【図5】本実施形態3に係る集合包装体を説明する図であり、新旧表示部が周囲を点線で縁取られた所定形状の図形である。
【符号の説明】
【0040】
110 個装サック
200 サック集合体
300 包装箱体
310 胴部
400 位置配列表示部
440 新旧表示部
501 蛍光ランプ
900 集合包装体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直管形の蛍光ランプを収納する個装サックを複数集合させたサック集合体と、
4枚の矩形状の側板により形成された角筒状の胴部と、一方に対向する一対の側板の上縁に折目線を介して連設された一対の第1天板フラップと、他方に対向する一対の側板の上縁に折目線を介して連設された一対の第2天板フラップと、を備えて前記サック集合体を包装する包装箱体と、を有する、集合包装体であって、
前記個装サックに収納された個々の蛍光ランプに対応する位置配列を表示する位置配列表示部を、前記一対の第1天板フラップの一方に有し、
前記位置配列表示部の個々の蛍光ランプに対応する位置配列の中に、前記個装サックに収納された蛍光ランプが、新品の蛍光ランプであるか、若しくは、前記新品の蛍光ランプと交換された古い蛍光ランプであるか、を示す新旧表示部を有する、
ことを特徴とする集合包装体。
【請求項2】
前記新旧表示部は、前記位置配列の中に設けられた切り込みであり、前記切り込みを押し広げることにより、前記個装サックに収納された蛍光ランプが交換された古い蛍光ランプであることを示す、
ことを特徴とする請求項1に記載の集合包装体。
【請求項3】
前記矩形状の側板と、前記一対の第1天板フラップと、前記一対の第2天板フラップとは、段ボールにより形成される、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の集合包装体。
【請求項4】
前記切り込みは、×字状、+字状、レ字状、若しくは、*状である、
ことを特徴とする請求項2に記載の集合包装体。
【請求項5】
前記個装サックに収納された個々の蛍光ランプに対応する位置配列を表示する位置配列表示部を、前記一対の第1天板フラップの他方にも有し、
前記一対の第1天板フラップの他方に設けられた位置配列表示部の個々の蛍光ランプに対応する位置配列の中に、前記新旧表示部を有する、
ことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の集合包装体。
【請求項6】
前記新旧表示部は、前記位置配列の中に設けられた、周囲を点線で縁取られた所定形状の図形であり、前記図形を抜き取ることにより、前記個装サックに収納された蛍光ランプが交換された古い蛍光ランプであることを示す、
ことを特徴とする請求項1に記載の集合包装体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−89814(P2010−89814A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−260381(P2008−260381)
【出願日】平成20年10月7日(2008.10.7)
【出願人】(300022353)NECライティング株式会社 (483)
【Fターム(参考)】