説明

集塵装置及び集塵装置の運用方法

【課題】逆洗時に微細粒子を捕集して集塵が再開された際に微細粒子が濾布に付着することを防止することにより、圧損上昇を抑制することができるとともに、保守管理が容易となる集塵装置、該集塵装置の逆洗時の運用方法を提供する。
【解決手段】バグフィルタ101が、ダストチャンバ110内に吊り下げられた濾布111と逆洗ダスト捕集濾布112とを備え、逆洗時に濾布の外側に捕集されたダスト117を払い落とすとともに、払い落とされたダストを逆洗ダスト捕集炉布で捕集する集塵装置100及びその運用方法。及び、バグフィルタが、ダストチャンバ内に吊り下げられた濾布を備え、逆洗時に濾布の外側に捕集されたダストを払い落とすとともに、払い落とされたダストを、同一バグフィルタ内の別の濾布または他のバグフィルタ内の濾布で捕集する集塵装置及びその運用方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス中に含有されるダストを除去する集塵装置、及び、集塵装置のバグフィルタの逆洗時における運用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ガス中に含有されるダスト(粒子状物質)を処理するための濾布を備えるバグフィルタが設置される。ガスの一例として、石炭や重油を燃焼する際に発生する排ガスや、空気が挙げられる。上記バグフィルタは、石炭焚きや重油焚き等の発電プラント、焼却炉等の産業用燃焼設備などの煙道に設置される他、粉塵を発生させる装置付近に設置されて環境集塵を実施する集塵機にも適用される。
濾布は一般に、円形断面、長円形断面などを有する筒状のものが使用されている。ガスが濾布の外表面から流入して濾布内部を通って排出される際に、濾布を通過できないダストが濾布外表面に堆積する。
【0003】
濾布外表面のダストを除去するため、逆洗が定期的に行われる。バグフィルタは、パルスジェットを用いた逆洗が行われるのが一般的である。パルスジェットによる逆洗は、エア等のガス流を濾布内面に導入することにより、衝撃力と濾布内面から外面への逆気流によりダストを払い落とし、下降気流によりバグフィルタ底部でダストを収集するものである。
【0004】
特許文献1は、逆圧払い落とし式の逆洗が実施されるバグフィルタを備える集塵装置において、逆洗されたバグフィルタから再飛散するダストを、バグフィルタ下流側に設けられる逆洗専用集塵機によって捕集し、集塵機を透過した清浄空気を再度濾過室に流入させる乾式集塵装置の逆洗方法を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平3−12210号公報(請求項1、2頁右下欄19行〜3頁右下欄6行、図1〜図4)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
逆洗により払い落とされたダストは、バグフィルタ中を沈降する。ダスト(粒子)の沈降速度は、ストークスの式で表されるようにダストの大きさに依存する。すなわち、逆洗が行われた後、比較的大きなダストは迅速に沈降するが、微細なダストはバグフィルタ内を浮遊している。ダストの沈降時間を十分に確保できずに集塵が再開されると、浮遊している微細なダストが濾布外表面に再付着する。これにより、濾布が目詰まりして圧損が上昇するため、濾布の寿命が短くなる。また、一般にバグフィルタ内部には複数の濾布が設置されているが、保守点検時に濾布を全て交換する必要が生じ、交換の所要時間が長くなることが問題となっていた。
【0007】
本発明は、逆洗時に微細粒子を捕集して、集塵が再開された際に微細粒子が濾布に付着することを防止することにより、圧損上昇を抑制することができるとともに、保守管理が容易となる集塵装置、該集塵装置の逆洗時の運用方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、ガス中のダストを除去する集塵装置であって、前記ガスが流通する煙道に、上流側から順に、バグフィルタと誘引ファンとを含み、前記バグフィルタが、ダストチャンバと、前記ダストチャンバ内に吊り下げられ、ガス処理時にダストを捕集する濾布と、前記ダストチャンバ内に吊り下げられ、逆洗時に前記濾布から脱落したダストの一部を捕集するための逆洗ダスト捕集濾布と、前記濾布の上部に設けられ、前記濾布を介して前記ダストチャンバと隔離される第1の上部空間と、前記逆洗ダスト捕集濾布の上部に設けられて前記逆洗ダスト捕集濾布を介して前記ダストチャンバと隔離され、前記第1の上部空間と隔離される第2の上部空間とを備え、前記第1の上部空間及び前記第2の上部空間に、逆洗用エアを供給する逆洗用エア源が接続され、第2の上部空間に逆洗ダスト捕集濾布用誘引ファンが接続される集塵装置を提供する。
【0009】
また、上記の集塵装置において、前記バグフィルタの逆洗時に、前記誘引ファンによる前記第1の上部空間の排気を停止する工程と、前記逆洗用エア源から前記第1の上部空間に前記逆洗用エアを供給して前記濾布の内側に気流を与えることにより前記濾布の外側に捕集されたダストを払い落とす工程と、前記第2の上部空間から前記ガスを排出して前記逆洗ダスト捕集濾布の内側を吸引して、前記払い落とされたダストを前記逆洗ダスト捕集濾布で捕集する工程とを備える集塵装置の運用方法を提供する。
【0010】
上記発明では、逆洗時には第1の上部空間の排気が停止され第2の上部空間は排気が行われているので、第1の上部空間に逆洗用エアを供給してダストを払い落とした後、同じバグフィルタ内に設置される逆洗ダスト捕集濾布で前記払い落とされたダストを選択的に捕集する。この結果、濾布を長寿命化させることができる。逆洗ダスト捕集濾布は目詰まりするので定期的に交換する必要があるが、メンテナンス時に逆洗ダスト捕集濾布のみを交換すれば良く、交換本数が少なくて済むので、メンテナンスが容易となり、所要時間も短縮される。
【0011】
上記集塵装置において、複数の前記バグフィルタが設置されていても良い。このような構成にすることにより、一のバグフィルタを逆洗する際に、残りのバグフィルタで集塵を継続することが可能になる。
上記集塵装置において、前記ダストチャンバ内に、複数の前記濾布と複数の前記逆洗ダスト捕集濾布とを備えても良い。このような構成にすることで、集塵を継続させながら濾布の逆洗を行うことができる。
【0012】
また、上記の集塵装置の運用方法において、前記逆洗ダスト捕集濾布でダストを捕集する工程において、前記第1の上部空間にガスが供給されることが好ましい。
【0013】
上記発明では、例えば第2の上空間から排気されたガスを第1の上部空間へ循環させることで、バグフィルタ内の圧力損失を抑制でき、逆洗ダスト捕集用誘引ファンの負荷を低減できる。さらに、逆洗の対象となっているガス処理時にダストを捕集する濾布が相対的に正圧に保たれるため、下降流が発生して微細なダストの沈降をさらに加速させるとともに、沈降速度の遅い微細なダストが濾布表面に再付着することを防ぐことができ、結果として逆洗ダスト捕集濾布が微細なダストを捕集することを誘発する。なお、供給するガスは、前述のように第2の上部空間から排気されたガスでも良いし、系外のガス(例えば空気)などを供給源としても良い。例えば第1の上部空間に供給するガス量を第2の上部空間からの循環量以上に増加させることで下降流を発生させることもできるので、微細なダストの沈降をさらに加速させ、逆洗効率を高めることができ、結果として濾布の寿命を長期化できる。この際、バグフィルタ内部に所定量以上のガスが供給されることになるが、沈降した灰処理を行うと同時に過剰に供給されたガスを抜く操作を行っても良い。
【0014】
上記発明において、前記バグフィルタの上流側に、前記ガス中の前記ダストに電荷を与える予備荷電部を更に備えることが好ましい。前記バグフィルタの上流側で、前記ガス中の前記ダストに電荷を与える工程を更に備えることが好ましい。
【0015】
帯電したダストは濾布表面上で粗大なダストなどと凝集しやすい。このため、バグフィルタでの微細ダストの捕集率が向上する。ダストを凝集させることにより、逆洗時に濾布から脱落させやすくなる。さらに、ダストチャンバ内に浮遊する微細なダストを低減し沈降速度を早くすることができる。この結果、圧損上昇が更に抑制して、濾布や逆洗ダスト捕集濾布の寿命を更に延ばすことができる。
【0016】
また本発明は、ガス中のダストを除去する集塵装置であって、前記ガスが流通する煙道に、上流側から順に、複数のバグフィルタと誘引ファンとを含み、前記複数のバグフィルタの各々が、ダストチャンバと、前記ダストチャンバ内に吊り下げられ、ガス処理時にダストを捕集する濾布と、前記濾布の上部に設けられ、前記濾布を介して前記ダストチャンバと隔離される上部空間とを備え、前記上部空間に、逆洗用エアを供給する逆洗用エア源が接続され、前記上部空間に逆流用ファンが接続される集塵装置を提供する。
【0017】
上記集塵装置において、一の前記バグフィルタの逆洗時に、前記誘引ファンによる前記上部空間の排気を停止する工程と、前記逆洗用エア源から前記逆洗されるバグフィルタの上部空間に前記逆洗用エアを供給して前記逆洗されるバグフィルタの前記複数の濾布の内側に気流を与えることにより前記複数の濾布の外側に捕集されたダストを払い落とす工程と、前記逆流用ファンから前記上部空間にガスを供給する工程と、前記他のバグフィルタの上部空間からガスを排出して、前記逆洗されるバグフィルタの前記ダストチャンバから前記払い落とされたダストを排出して、前記他のバグフィルタの前記ダストチャンバに搬送し、前記他のバグフィルタの前記濾布で捕集する工程とを備える集塵装置の運用方法を提供する。
【0018】
上記発明では、上部空間に逆流用ファンが接続され、逆流用ファンから上部空間にガスを供給することで、ダストチャンバ内で下降流が発生してダストの沈降が促進される。さらに、沈降速度の遅い浮遊状態にある微細なダストの沈降を加速させ、これら微細なダストは、集塵を継続している他のバグフィルタに搬送される。他のバグフィルタにおいて、逆洗により払い落とされた微細なダストが、既に捕集されているダストに凝集して捕集される。このため、逆洗が行われているバグフィルタの集塵が再開された際に微細なダストが逆洗された濾布に再付着されて濾布が目詰まりし、圧損が上昇することを抑制できる。この結果、濾布の寿命を長くすることができる。また、微細なダストを捕集した他のバグフィルタが逆洗される際にダストの沈降速度が大きくなり、逆洗効果を高めることができる。
【0019】
また本発明は、ガス中のダストを除去する集塵装置であって、前記ガスが流通する煙道に、上流側から順に、バグフィルタと誘引ファンとを含み、前記バグフィルタが、ダストチャンバと、前記ダストチャンバ内に吊り下げられ、ガス処理時にダストを捕集する複数の濾布と、前記複数の濾布の上部に設けられ、前記濾布を介して前記ダストチャンバと隔離されるとともに、隔壁により複数の隔室に分離されている上部空間とを備え、前記隔室の各々に、逆洗用エアを供給する逆洗エア源が接続され、前記隔室の各々に、逆流用ファンが接続される集塵装置を提供する。
【0020】
上記集塵装置において、前記バグフィルタの逆洗時に、逆洗される前記濾布の上部に位置する前記隔室の前記誘引ファンによる排気を停止する工程と、前記逆洗用エア源から前記逆洗される濾布の上部に位置する隔室に前記逆洗用エアを供給して前記逆洗される濾布の内側に気流を与えることにより、前記逆洗される濾布の外側に捕集されたダストを払い落とす工程と、前記逆流用ファンから前記逆洗される前記濾布の上部に位置する前記隔室にガスを供給する工程と、前記他の濾布の上部に位置する前記隔室からガスを排出して、前記払い落とされたダストを前記他の濾布で捕集する工程とを備える集塵装置の運用方法を提供する。
【0021】
上記発明では、逆洗される濾布の上部に位置する隔室に逆流用ファンからガスが供給されるため、逆洗される濾布から脱落したダストの沈降が逆流用ファンからの下降流により促進される。また、脱落したダストの一部は他の濾布によって捕集される。このとき、他の濾布に捕集されているダストに微細なダストが凝集する。このような構成にすることにより、特に沈降速度が遅く浮遊状態にある微細なダストの沈降も加速させることができる。このため、逆洗後に集塵を再開しても、浮遊状態にある微細なダストを再捕集することが抑制され、濾布の目詰まりによる圧損上昇を抑制し、濾布の寿命を長くすることができる。また、バグフィルタが一基のみ設けられる場合であっても、逆洗を実施しながら集塵を継続することができる。
【0022】
上記発明において、前記逆洗ダスト捕集濾布用誘引ファンあるいは前記逆流用ファンが、前記誘引ファンとされても良い。こうすることで、集塵装置を簡略化することが可能となる。
【0023】
上記発明において、前記バグフィルタの上流側に、前記ガス中の前記ダストに電荷を与える予備荷電部を更に備えることが好ましい。前記バグフィルタの上流側で、前記ガス中の前記ダストに電荷を与える工程を更に備えることが好ましい。
【0024】
帯電したダストは濾布表面上で粗大なダストなどと凝集しやすい。このため、バグフィルタでの微細ダストの捕集率が向上する。ダストを凝集させることにより、逆洗時に濾布から脱落させやすくなる。さらに、ダストチャンバ内に浮遊する微細なダストを低減し沈降速度を早くすることができる。この結果、圧損上昇が更に抑制して、濾布や逆洗ダスト捕集濾布の寿命を更に延ばすことができる。逆流ファンにより微細なダストを他のバグフィルタへ搬送する前に帯電させて凝集させることも効果的である。
【発明の効果】
【0025】
本発明は、逆洗により濾布から脱落した微細なダストを同一バグフィルタ内に設けられる逆洗ダスト捕集濾布で捕集することで、バグフィルタの圧損上昇を抑制して、他の濾布の寿命を延ばすことができる。また、逆流用ファンを設置することにより、微細なダストの沈降を促進させることができる。濾布の寿命が延びることにより、定期点検時に逆洗ダスト捕集濾布の交換のみで済むため、保守管理が容易となる。
逆洗により濾布から脱落した微細なダストを他のバグフィルタで捕集する場合、濾布外表面上で微細なダストが粗大なダストに凝集する。このため、他のバグフィルタの逆洗時にダストの沈降を促進させることができる。また、逆洗された濾布に微細なダストが捕集されるのを防止する。結果として、濾布を長寿命化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】第1実施形態に係る集塵装置の概略図である。
【図2】予備荷電部の一例を示す概略図である。
【図3】予備荷電部の別の例を示す概略図である
【図4】第2実施形態に係る集塵装置の概略図である。
【図5】第3実施形態に係る集塵装置の概略図である。
【図6】第4実施形態に係る集塵装置の概略図である。
【図7】第4実施形態に係る集塵装置の変形例の概略図である。
【図8】第5実施形態に係る集塵装置の概略図である。
【図9】第6実施形態に係る集塵装置の概略図である。
【図10】第7実施形態に係る集塵装置の概略図である。
【図11】第8実施形態に係る集塵装置の概略図である。
【図12】第9実施形態に係る集塵装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に、本発明に係る実施形態について、図面を参照して説明する。
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係る集塵装置の概略図である。集塵装置100は、ボイラ(燃焼炉)150の下流側の煙道に設置され、上流側から順にバグフィルタ101と、誘引ファン102とを備える。ボイラ150は、例えば石炭火力発電の石炭ボイラとされる。誘引ファン102の下流側には、煙突160が設置される。
【0028】
ボイラで発生したダスト(粒子状物質)を含む燃焼排ガスは、下流側のバグフィルタ101に流入する。本実施形態では、複数のバグフィルタが燃焼排ガスの流れに対して並列に設置される。図1では、3基のバグフィルタ101a,101b,101cを設ける場合が例示されている。バグフィルタ101a〜101cはそれぞれ同じ構造を有する。
バグフィルタ101aでは、ダストチャンバ110a内に複数の濾布111aと逆洗ダスト捕集濾布112aとが吊り下げられている。図1では、各バグフィルタ101a,101b,101cに設置される逆洗ダスト捕集濾布は1本とされているが、複数本設けても良い。
濾布111a及び逆洗ダスト捕集濾布112aは、筒状あるいは封筒状に成形される。濾布111a及び逆洗ダスト捕集濾布112aの断面は特に限定されず、円形、長円形、プリーツ状などが適用できる。逆洗ダスト捕集濾布112aは、濾布111aと同様の物を用いても良いし、低圧損仕様の濾布を用いても良い。低圧損使用の濾布として、メンブレンフィルター、表面凹凸型フィルター、繊維径増大型フィルターなどが挙げられる。
【0029】
ダストチャンバ110aの上側に、上部空間が設けられる。上部空間は、隔壁115aにより第1の上部空間113aと第2の上部空間114aとに分離されている。第1の上部空間113aは、複数の濾布111aの上部に設けられ、濾布111aを介してダストチャンバ110aと隔離されている。第1の上部空間113aは、煙道を通じて下流側の誘引ファン102と接続される。第2の上部空間114aは、逆洗ダスト捕集濾布112aを介してダストチャンバ110aと隔離されている。
【0030】
図1の集塵装置の変形例として、ダストチャンバ110a内において、濾布111aと逆洗ダスト捕集濾布112aとの間に仕切りを設けても良い。仕切りの上端部は、ダストチャンバ110aと第1の上部空間113a及び第2の上部空間114aとを隔離する壁に連結される。下端部は、ダストチャンバ110a内のガスが流通可能なように隙間を有して位置する。
【0031】
ダストチャンバ110aの下部はホッパー状となっており、濾布111aから脱落したダストが底部に設けられるバルブ116aを開放することで、ダストチャンバ110aから排出される構造となっている。
【0032】
バグフィルタ101の外側に、逆洗用エア源120が設けられる。逆洗用エア源120は、バグフィルタ101a,101b,101cの各々に接続される。逆洗用エア源120は、配管を通じて、バグフィルタ110aの第1の上部空間113a及び第2の上部空間114aと接続される。このとき、第1の上部空間113a及び第2の上部空間114aは、それぞれ別の配管によって逆洗用エア源120と接続されても良い。
逆洗用エア源は図1のように各バグフィルタで共通としても良いし、バグフィルタ毎に別々の逆洗用エア源を設けても良い。
第1の上部空間113a及び第2の上部空間114a内にある配管には、濾布111a及び逆洗ダスト捕集濾布112aに対応する位置に、それぞれノズル121aが設置される。
【0033】
バグフィルタ101aの外側に、逆洗ダスト捕集濾布用誘引ファン130aが設けられる。逆洗ダスト捕集濾布用誘引ファン130aは、配管を通じて第2の上部空間114aと接続される。また、逆洗ダスト捕集濾布用誘引ファン130aは、誘引ファン102と第1の上部空間113aとを接続する煙道に接続されることで、第1の上部空間113aと接続される。
なお、図1ではバグフィルタ101a,101b,101cの各々に逆洗ダスト捕集濾布用誘引ファン130a,130b,130cが設けられているが、各バグフィルタに接続される逆洗ダスト捕集濾布用誘引ファンを共有としても良い。
【0034】
図1の集塵装置100において、オフライン逆洗を実施する工程を以下に説明する。ここでは、バグフィルタ101aを逆洗する場合を説明する。
ボイラ150とバグフィルタ101aとの間に設置されるバルブ103aが閉鎖されて、ダストチャンバ110aへの燃焼排ガスの供給が停止される。バグフィルタ101aと誘引ファン102との間に設置されるバルブ104aが閉鎖される。これにより、誘引ファン102による第1の上部空間113aの排気が停止される。
なお、ボイラ150と他のバグフィルタ101b,101cとの間のバルブ103b,103c、及び、バグフィルタ101b,101cと誘引ファン102との間のバルブ104b,104cは開放されている。このため、バグフィルタ101b、101cでの集塵が継続されている。
【0035】
次いで、逆洗ダスト捕集濾布用誘引ファン130aが起動される。第2の上部空間114aと逆洗ダスト捕集濾布用誘引ファン130aとの間のバルブ131a、及び、逆洗ダスト捕集濾布用誘引ファン130aと第1の上部空間113aとの間のバルブ132aとが開放される。逆洗ダスト捕集濾布用誘引ファン130aは、第2の上部空間114aを排気する。これにより、ダストチャンバ110aから逆洗ダスト捕集濾布112aを通って第2の上部空間114aに向かう気流が発生する。
【0036】
バグフィルタ101aの第1の上部空間113a及び第2の上部空間114aと逆洗用エア源120との間に設置されるバルブ122aが開放される。ノズル121aから逆洗用エアの気流が、濾布111aの内側に噴射される。これにより、濾布111a外表面に堆積したダストが濾布111aから脱落する。なお、バルブ122aは、ダストチャンバ内に設けられる濾布の本数に応じて複数設置されても良い。
このとき、ダストチャンバ110a底部のバルブ116aを開放すると、ダストチャンバ110a内部に下降流が発生する。
上述のように、濾布111aと逆洗ダスト捕集濾布112aとの間に仕切りを設けると、濾布111a側のみに下降流を発生させることができる。
【0037】
石炭焚きのボイラ灰は、通常平均粒径10〜30μm程度である。濾布111aから脱落した粗大なダスト117は、ダストチャンバ110a下部へと沈降する。本実施形態では、第2の上部空間114aから排気されたガスを第1の上部空間113aに循環させるとともに、ダストチャンバ110a底部のバルブ116aを開放することにより、下降流が発生する。このため、ダスト117の沈降が促進される。沈降しダストチャンバ110a底部に堆積したダスト117は、バルブ116aを通じてバグフィルタ101aから排出される。
一方、平均粒径10μm以下の微細なダストは、粗大なダストと比較して沈降速度が遅い。微細なダストは、第2の上部空間114aが排気されることによって生じる気流により、逆洗ダスト捕集濾布112aの外表面に捕集される。従って、第2の上部空間114aから第1の上部空間113aに循環されるガスは、清浄なガスとなる。
【0038】
逆洗ダスト捕集濾布用誘引ファン130aは、第2の上部空間114aと逆洗ダスト捕集濾布用誘引ファン130aとの間の配管、及び、誘引ファン102とバグフィルタ101aとの間の煙道を通じて、第2の上部空間114aから排気されたガスを第1の上部空間113aに供給しても良い。逆洗ダスト捕集濾布用誘引ファン130aから第1の上部空間113aに供給されたガスは、濾布111aを通ってダストチャンバ110aに流入する。第2の上部空間114aから排出されたガスを第1の上部空間113aに循環させることにより、バグフィルタ101a内部を相対的に高い圧力にすることができ、逆洗ダスト捕集濾布用誘引ファン130aによる吸引が促進される。また、濾布111aが相対的に正圧に保たれるため、逆洗により払い落とされて浮遊している微細なダストが再付着することも抑制できる。
あるいは、第1の上部空間113aに供給されるガスは、空気などの系外からのガスであっても良い。
【0039】
バルブ122a,131a,132a,116aが閉鎖されて、逆洗が終了される。次いで、バルブ103a及び104aが開放され、バグフィルタ101aによる集塵が再開される。
【0040】
バグフィルタ101b,101cのオフライン逆洗も、上記と同様の工程で順次実施される。
【0041】
第1実施形態では、逆洗により払い落とされたダスト、特に浮遊状態にある微細なダストを逆洗ダスト捕集用濾布が捕集するため、ダストが沈降するのに十分な時間を確保する必要が無く、逆洗の所要時間を短縮できる。また、集塵が再開された時に微細なダストが濾布に付着しないため、濾布の目詰まりが発生しにくくなる。この結果、圧損上昇が抑制されて、濾布の寿命を延ばすことができる。
逆洗ダスト捕集濾布の目詰まりが発生した場合、逆洗ダスト捕集濾布のみが交換される。このため、メンテナンスが容易となり、メンテナンスの所要時間が短縮される。
【0042】
本実施形態では、逆洗ダスト捕集濾布112aに対応する位置にノズル121aが設置される。このため、逆洗ダスト捕集濾布112aを定期的に逆洗し、逆洗ダスト捕集濾布の圧損上昇を抑制することができる。
図1では、第1の上部空間113a及び第2の上部空間114aは、同じ配管によって逆洗用エア源120と接続されているため、濾布と逆洗ダスト捕集濾布の逆洗はバルブ122aを開とするタイミングで同時に実施される。あるいは、第1の上部空間113a及び第2の上部空間114aは、それぞれ別の配管によって逆洗用エア源120と接続される場合、逆洗ダスト捕集用濾布の逆洗タイミングは、濾布とは別に任意に設定可能である。
【0043】
第1実施形態の集塵装置100において、ボイラ150とバグフィルタ101との間の煙道に、予備荷電部が設置されても良い。
【0044】
図2は、予備荷電部の一例である。図2の予備荷電部200は、支持体201により支持された複数の突起状の放電極202と、平板状の接地極203と、支持体201に接続される高圧電源204とを備える。図2のように、複数の支持体201及び接地極203が設けられても良い。放電極202の先端と接地極203とが対向し、支持体201と接地極203とが略平行になるように配置される。ボイラから流入する燃焼排ガスは、図2に示すように、支持体201と接地極203との間隙を流通する。
【0045】
図3は、予備荷電部の別の例である。図3の予備荷電部210は、支持体211により指示された複数の突起状の放電極212と、複数の孔を有する接地極213と、支持体211に接続される高圧電源214とを備える。接地極213は、例えば金網、パンチングメタルなどとされる。放電極212の先端と接地極213とが対向し、支持体211と接地極213とが平行になるように配置される。ボイラからの燃焼排ガスの流れは接地極213に対して垂直であり、燃焼排ガスは接地極213の孔を流通する。
【0046】
高圧電源204、214から放電極202、212に給電されているときに燃焼排ガスが流通すると、燃焼排ガス中に含まれるダストが帯電する。
帯電したダストは、バグフィルタ101に流入し、濾布111の表面に捕集される。帯電されたダストが濾布111表面に捕集されると、濾布111表面上で微細なダストが粗大なダストと凝集しやすくなる。このため、バグフィルタ101での微細ダストの捕集率が向上する。
オフライン逆洗が実施されると、微細なダストが凝集しているために、逆洗時にダストチャンバ110内に浮遊する微細なダストを低減することができ、逆洗ダスト捕集濾布112の寿命を延ばすことが可能である。更に、凝集したダストは逆洗時に濾布111から脱落しやすく、沈降速度も早い。このため、圧損上昇を抑制することができる。例えば、圧損を下げることなくバグフィルタの設置面積(ろ過面積)を小さくすることも可能となる。
【0047】
<第2実施形態>
図4は、第2実施形態に係る集塵装置の概略図である。本実施形態では、誘引ファン302の流量を、第1実施形態の場合よりも増大させることにより、誘引ファン302が第1実施形態における逆洗ダスト捕集濾布用誘引ファンの機能を果たす。従って、本実施形態では、装置をより簡略化することができる。
【0048】
誘引ファン302の下流側(誘引ファン302と煙突360との間の煙道)に、ダクトが接続される。ダクトは、バルブ304a,304b,304cと第1の上部空間313a,313b,313cとの間の各煙道に連結される。ダクトには、流量調整弁370が設けられる。
バルブ304a,304b,304cと誘引ファン302との間の各煙道と、第2の上部空間314a,314b,314cとの間が、ダクトで連結される。このダクトの各々には、バルブ332a,332b,332cが設けられる。
【0049】
本実施形態において、流量調整弁370は常時開放されている。図4の集塵装置においてバグフィルタ301aのオフライン逆洗を実施する際、バルブ304aが閉鎖され、バルブ332aが開放される。これにより、第2の上部空間314aが誘引ファン302によって排気され、ダストチャンバ310aから逆洗ダスト捕集濾布312aを通って第2の上部空間314aに向かう気流が発生する。また、バルブ331aが開放され、第2の上部空間314aから排気された排ガスが、誘引ファン302を通じて第1の上部空間313aに循環される。これにより、バグフィルタ301a内部を相対的に高い圧力にすることができ、濾布311aも相対的に正圧に保つことができる。
【0050】
逆洗用エア源320と第1の上部空間313aとの間のバルブ322aが開放される。これにより、濾布311aの外表面に堆積したダストが脱落する。脱落したダストは、バルブ316aが開放されることにより、ダストチャンバ310aの下方に沈降するとともに、沈降速度が遅い微細なダストは逆洗ダスト捕集炉布312aで捕集される。
バルブ304b,304cは開放されており、バルブ331b,331c,332b,332cは閉鎖されたままとされる。このため、バグフィルタ301b,301cでは集塵が継続されている。
【0051】
図4の変形例として、誘引ファン302と煙突360との間の煙道と、第1の上部空間313とバルブ304との間のダクトとを連結するダクト(逆流ライン)に代えて、バルブ304と誘引ファン302との間の煙道と、第1の上部空間313とバルブ304との間のダクトとを連結し、その間に逆流用ファンを設けても良い。こうすることで、誘引ファン302の風量が十分でない場合にも、逆洗を実施することができる。
【0052】
<第3実施形態>
図5は第3実施形態に係る集塵装置の概略図である。本実施形態では、1基のバグフィルタ401内に複数の濾布411及び複数の逆洗ダスト捕集濾布412を備える。濾布411及び逆洗ダスト捕集濾布412の上部には、隔壁により区切られた、複数の第1の上部空間413及び複数の第2の上部空間414が設けられる。図5では、1つの第2の上部空間414に対して逆洗ダスト捕集濾布412が1つのみ設けられているが、複数の逆洗ダスト捕集濾布が設けられていても良い。
【0053】
逆洗用エア源420は、配管を通じて複数の第1の上部空間413a,413b,413c,413d、及び、複数の第2の上部空間414a,414b,414cに接続される。第1の上部空間413及び第2の上部空間414内にある配管には、濾布411及び逆洗ダスト捕集濾布412に対応する位置に、それぞれノズル421が設置される。
【0054】
第2の上部空間414の各々は、バグフィルタ401の外側に設けられた逆洗ダスト捕集濾布用誘引ファン430に接続される。逆洗ダスト捕集濾布用430は、第1の上部空間413a〜413dとバルブ404a〜404dとの間の各ダクトに接続される。
また、第1の上部空間413a〜413dとバルブ404a〜404dとの間の各ダクトに、第2の上部空間414の各々に接続するダクトが連結される。このダクトの各々には、バルブ433a,433b,433cが設けられる。集塵時において、バルブ433a〜443cは開放されており、逆洗ダスト捕集濾布でも集塵が行われている。
【0055】
図5では1基のバグフィルタ401を設ける場合を例に挙げたが、バグフィルタを図1のように燃焼排ガスの流れに対して並列になるように複数基設けても良い。
【0056】
以下、濾布411cを逆洗する場合を例に挙げて説明する。
バルブ404cが閉鎖され、濾布411cによる集塵が停止される。
逆洗ダスト捕集濾布用吸引ファン430が起動される。次いで、バルブ433b,433cが閉鎖され、バルブ431b,431cが開放される。これにより、逆洗ダスト捕集濾布用吸引ファン430は、第2の上部空間414b,414cを排気する。このため、ダストチャンバ410から逆洗ダスト捕集濾布412b,412cを通って第2の上部空間414b,414cに向かう気流が発生する。
バルブ404a,404b,404d、バルブ433a、及び、バルブ403は開放されたままであるので、濾布411a,411b,411d及び逆洗ダスト捕集濾布412aによる集塵は継続されている。
【0057】
逆洗用エア源420と第1の上部空間413cとの間に設置されるバルブ422が開放される。これにより、ノズル421から逆洗用エアの気流が濾布413cの内側に噴射され、濾布413cの外表面に堆積したダストが脱落する。
ダストチャンバ410底部のバルブ416を開放すると、ダストチャンバ410内部に下降流が発生する。これにより、粗大なダストがダストチャンバ410下部へと沈降する。なお、図5に示すように、逆洗ダスト捕集濾布412の下方に、ダスト沈降用ダストベーン418を設けることにより、脱落したダストがダストチャンバ410底部に収集されやすくなる。
一方、微細なダストは、逆洗された濾布411cに隣接する逆洗ダスト捕集濾布412b,412cの外表面に捕集される。
【0058】
逆洗ダスト捕集用吸引ファン430が停止され、バルブ422,431b,431c,432b,432c,416が閉鎖されて、濾布411cの逆洗が終了される。次いで、バルブ414cが開放され、濾布411cによる集塵が再開される。
【0059】
本実施形態では、バグフィルタを停止することなく、区分された濾布毎に逆洗を実施することができる。また、逆洗により脱落したダストは、逆洗される濾布に隣接する逆洗ダスト捕集濾布により捕集され、他の濾布411a,411b,411dによる捕集が抑制される。このため、微細なダストの付着による濾布411の目詰まりを防止することができる。
【0060】
本実施形態において、逆洗ダスト捕集濾布412は、定期的に逆洗される。この場合、逆洗される逆洗ダスト捕集濾布412に対応する第2の上部空間414に接続するダクトに設けられるバルブ433が閉鎖されるとともに、第2の上部空間414に逆洗用エア源420からノズルを通じて逆洗用エアが供給される。なお、バルブ433を閉鎖させずに逆洗ダスト捕集濾布412を逆洗しても良い。
【0061】
<第4実施形態>
図6は、第4実施形態に係る集塵装置の概略図である。本実施形態は、第3実施形態における逆洗ダスト捕集濾布用誘引ファンを、第2実施形態のように誘引ファンで代用した例である。本実施形態においても、複数のバグフィルタを燃焼排ガスの流れに対して並列に設置することができる。
【0062】
以下、濾布511dを逆洗する場合を例に挙げて説明する。
本実施形態において、流量調整弁570は常時開放されている。
バルブ504dが閉鎖され、濾布511dによる集塵が停止される。次いで、逆洗される濾布511dの上部に位置する第1の上部空間513dとバルブ504dとの間のダクトと、誘引ファン502と煙突560との間の煙道とを連結するダクトに設けられるバルブ531dが開放される。また、逆洗用エア源520と第1の上部空間513dとの間のバルブ522が開放され、第1の上部空間513dに逆洗用エアが供給される。これにより、濾布511dの外表面に堆積したダストが脱落する。バルブ516を開放することにより、ダストがダストチャンバ510底部に沈降する。
【0063】
本実施形態では、濾布511dの逆洗時に、バルブ503、バルブ504a,504b,504c、及び、バルブ533a,533b,533cは開放されたままとされる。また、バルブ531a,531b,531cは閉鎖されたままとされる。このため、逆洗される濾布511dに隣接する逆洗ダスト捕集濾布512cにより、沈降速度が遅い微細なダストが捕集される。また、逆洗されていない濾布511a,511b,511c、及び、逆洗ダスト捕集濾布512a,512bでの集塵は継続されている。
【0064】
図6の変形例として、誘引ファン502と煙突560との間の煙道と、第1の上部空間513とバルブ504との間のダクトとを連結するダクト(逆流ライン)に代えて、バルブ504と誘引ファン502との間の煙道と、第1の上部空間513とバルブ504との間のダクトとを連結し、その間に逆流用ファンを設けても良い。こうすることで、誘引ファン502の風量が十分でない場合にも、逆洗を実施することができる。
【0065】
本実施形態では、濾布511dの逆洗時に、バルブ503、バルブ504a,504b,504c、及び、バルブ533a,533b,533cは開放されたままとされる。また、バルブ531a,531b,531cは閉鎖されたままとされる。このため、逆洗される濾布511dに隣接する逆洗ダスト捕集濾布512cにより、沈降速度が遅い微細なダストが捕集される。また、逆洗されていない濾布511a,511b,511c、及び、逆洗ダスト捕集濾布512a,512bでの集塵は継続されている。
【0066】
第4実施形態の集塵装置において逆洗ダスト捕集濾布512を逆洗する場合、まず逆洗される濾布512に対応する第2の上部空間514に連結するダクトのバルブ533が閉鎖される。次いで、逆洗される逆洗ダスト捕集濾布512に対応する第2の上部空間514と逆洗用エア源520との間のバルブが開放される。これにより、逆洗用エアが逆洗ダスト捕集濾布512の内部に噴射されて、逆洗ダスト捕集濾布の外表面からダストが脱落する。なお、バルブ533を閉鎖させずに逆洗ダスト捕集濾布512を逆洗しても良い。
【0067】
また、別の変形例として、図7に示すように、バルブ604と誘引ファン602との間の煙道と、第2の上部空間614とを接続するダクトを設けて、さらに第1の上部空間にガスを循環させる経路を省略した構成としても良い。各ダクトには、バルブ633が設置される。
【0068】
以下、濾布611cを逆洗する場合を例に挙げて説明する。
バルブ604cが閉鎖され、濾布611cによる集塵が停止される。バルブ604a,604b,604dは開放されているため、濾布611a,611b,611dでの集塵は継続されている。次いで、逆洗用エア源620と第1の上部空間613cとの間に設けられるバルブ622が開放され、第1の上部空間613cに逆洗用エアが供給される。これにより、濾布611cの外表面に堆積したダストが脱落する。
バルブ616を開放することにより、粗大なダストがダストチャンバ610底部に沈降する。本変形例では、濾布611cの逆洗時に、濾布611cに隣接する逆洗ダスト捕集濾布612b,612cの第2の上部空間614b,614cに接続されるダクトのバルブ633b,633cが開放されたままとされる。このため、沈降速度が遅い微細なダストは、逆洗ダスト捕集濾布612b,612cに捕集される。
なお、逆洗される濾布に隣接する逆洗ダスト捕集濾布以外の逆洗ダスト捕集濾布612aについては、他の逆洗ダスト捕集濾布の逆洗時にバルブ633aが開放されても良い。こうすることで、逆洗時における集塵効率を高めることができる。あるいは、他の逆洗ダスト捕集濾布の逆洗時に、バルブ633aは閉鎖されても良い。こうすることで、逆洗ダスト捕集濾布自体の寿命を長くすることが可能となる。
【0069】
本変形例では、第1の上部空間と第2の上部空間の排気系を同一の誘引ファンとすることにより装置構成を簡略化することができる。また、逆洗時に逆洗用エアが供給された分だけ前記誘引ファンが排気を行えば、バグフィルタ内部は通常運転時と略同一の圧力に結果として落ち着くため、バグフィルタ内圧を保つためのガスの供給が必ずしも必要ではない。このため、装置構成をより簡略化することができる。
【0070】
第2実施形態乃至第4実施形態において、ボイラとバグフィルタとの間の煙道に、第1実施形態で説明した予備荷電部が設けられていても良い。予備荷電部により燃焼排ガス中のダストを帯電させることにより、オフライン逆洗時にダストが沈降しやすくなる。
【0071】
<第5実施形態>
図8は、第5実施形態に係る集塵装置の概略図である。第1実施形態と同様に、集塵装置700は、ボイラ750の下流側の煙道に、バグフィルタ701及び誘引ファン702を備える。誘引ファン702の下流側には、煙突760が設置される。図8では、3基のバグフィルタ701a,701b,701cを設ける場合が例示されている。バグフィルタ701a,701b,701cは同じ構造を有する。
【0072】
第5実施形態のバグフィルタ701では、ダストチャンバ710内に複数の濾布711が吊り下げられている。ダストチャンバ710の上側に、濾布710を介してダストチャンバ710と隔離される上部空間713が設けられる。上部空間713は、煙道を通じて下流側の誘引ファン702と接続される。各バグフィルタ701a,701b,701cの上部空間と誘引ファン702との間の煙道に、それぞれバルブ704a,704b,704cが設けられる。
【0073】
バグフィルタ701の外側に、配管を通じてバグフィルタ701各々の上部空間713と接続される逆洗用エア源720が設置される。上部空間713内の逆洗用エアが流通する配管には、濾布711に対応する位置にノズル721が設置される。
【0074】
各バグフィルタ701a,701b,701cの上部空間とバルブ704a,704b,704cとの間の煙道、及び、バルブ704a,704b,704cと誘引ファン702との間の煙道に、それぞれダクトが接続され、逆流用ファン730a,730b,730cに連結される。各ダクトには、バルブ731,732が設置される。
【0075】
第5実施形態においても、ボイラ750とバグフィルタ701との間の煙道に、第1実施形態と同様の予備荷電部が設置されていても良い。
【0076】
図8の集塵装置において、オフライン逆洗を実施する工程を以下に説明する。ここでは、バグフィルタ701aを逆洗する場合を説明する。
バグフィルタ701aと誘引ファン702との間に設置されるバルブ704aが閉鎖される。これにより、誘引ファン702による上部空間713aの排気が停止される。
なお、バグフィルタ701b,701cと誘引ファン702との間のバルブ704b,704cは開放されており、逆流用ファン730b、730cが起動されていないため、バグフィルタ701b,701cでの集塵が継続されている。
【0077】
逆流用ファン730aが起動される。バグフィルタ701aと誘引ファン702との間の煙道と、逆流用ファン730aとを接続するダクトに設けられたバルブ731a,732aが開放される。これにより、バグフィルタ701b、701cでダストが除去されて排出されたガスが、バグフィルタ701aの上部空間713aに供給される。ガスは、濾布711aを通ってダストチャンバ610aに流入する。
次いで、バグフィルタ701aの上部空間713aと逆洗用エア源720との間に設置されるバルブ722aが開放される。ノズル721aから逆洗用エアの気流が、濾布711aの内側に噴射される。これにより、濾布711a外表面に堆積したダストが濾布711aから脱落する。
【0078】
バグフィルタ701b、701cから排気されたガスが逆流用ファン730aによりバグフィルタ701aに供給されるため、バグフィルタ701aは他のバグフィルタに対して高い圧力で保持される。このため、バグフィルタ701aのダストチャンバ710a内に下降流が発生して、濾布711aから脱落したダスト717を含むガスがバグフィルタ701aから排出される。また、バグフィルタ701aの集塵が再開されたときに、逆洗時に払い落とされたダストが濾布711aに再捕集されるのを防止することができる。排出されたダスト717を含むガスは、ボイラ750とバグフィルタとの間の煙道を通じて、他のバグフィルタ701b,701cに流入する。
また、ダストチャンバ710a底部のバルブ716aを開放することにより、下降流が増大されて脱落したダスト717の沈降が促進される。脱落したダスト717の一部は、ダストチャンバ710a底部のバルブ716aから排出される。
【0079】
ガスとともにバグフィルタ701aから他のバグフィルタ701b,701cに搬送されたダストは、バグフィルタ701b,701cの濾布によって捕集される。ここで、バグフィルタ701b,701cに搬送されるダストには微細なダストも含まれるが、既に濾布に捕集されたダストと凝集することで捕集される。
【0080】
本実施形態では、バグフィルタ701aから排出されたダストを他のバグフィルタ701b,701cに流入させる前に、上述の予備荷電部を通過させても良い。予備荷電部を通過させることにより、排出されたダストの凝集が促進させる。こうすることで、凝集したダストがバグフィルタ701b,701cに流入し、濾布に捕集される。このため、バグフィルタ701b,701cの濾布の圧損低下を抑制することができる。
また、ボイラ750から流入するダストが上述の予備荷電部を通過することにより帯電ダストとなり、バグフィルタ701aから排出されたダストと衝突して、ダストの凝集を促進させても良い。
【0081】
逆流用ファン730停止、及びバルブ722a,731a,732aが閉鎖されると、逆洗が終了される。次いで、バルブ704aが開放され、バグフィルタ701aによる集塵が再開される。
【0082】
バグフィルタ701b,701cの逆洗も、上記と同様の工程で順次実施される。
【0083】
本実施形態では、下降流を発生させるとともに、逆洗により脱落したダストを他のバグフィルタに搬送して捕集するため、逆洗終了から集塵再開までの時間が短くても、微細なダストが逆洗された濾布に再度付着することを防止できる。この結果、バグフィルタの圧損上昇を抑制することができる。
また、逆洗されたバグフィルタから脱落した微細ダストが、逆洗が行われていないバグフィルタの濾布に捕集されたダストに凝集されて捕集される。これにより、ダストが粗大化する。このため、他のバグフィルタを逆洗する際に、ダストの沈降速度が大きくなり、逆洗効果を高めることができる。
上記効果の結果として、濾布の長寿命化が可能となる。
【0084】
<第6実施形態>
図9は、第6実施形態に係る集塵装置の概略図である。本実施形態では、各バグフィルタに共通の逆流用ファンが設置される。
具体的に、各バグフィルタ801a,801b,801cと誘引ファン802との間の煙道に、それぞれバルブ804a,804b,804cが設けられる。バルブ804a,804b,804cと誘引ファン802との間の煙道にダクトが接続され、逆流用ファン830に連結される。また、バルブ804a,804b,804cと各バグフィルタ801a,801b,801cとの間の煙道にダクトが接続され、それぞれ逆流用ファン830に連結される。本実施形態において、逆流用ファン830は常時起動され、バルブ831は開放されている。
【0085】
第6実施形態においても、ボイラ850とバグフィルタ801との間の煙道に、第1実施形態と同様の予備荷電部が設置されていても良い。これにより、バグフィルタ801aから排出されたダストを他のバグフィルタ801b,801cに流入させる前に予備荷電部を通過させてダストを帯電させることができる。また、ボイラ850から流入するダストが上述の予備荷電部を通過することにより帯電ダストとなり、バグフィルタ801aから排出されたダストと衝突することにより、ダストの凝集を促進させることができる。
【0086】
図8の集塵装置においてバグフィルタ801aのオフライン逆洗を実施する際、バルブ804aが閉鎖され、バルブ832aが開放される。バルブ804b、804cは開放されており、バルブ832b,832cは閉鎖されたままとされる。これにより、バグフィルタ801b,801cでダストが除去されて排出されたガスが、逆洗用ファン830によりバグフィルタ801aの上部空間813aに供給される。
その他の工程は、第5実施形態と同様である。
第6実施形態は、逆洗時の操作が容易になるとともに、第5実施形態よりも装置が簡略化できるという利点がある。
【0087】
<第7実施形態>
図10は、第7実施形態に係る集塵装置の概略図である。本実施形態では、誘引ファン902の流量を、第5実施形態及び第6実施形態の場合よりも増大させることにより、誘引ファン902が第5実施形態及び第6実施形態の逆流用ファンの機能を果たす。
【0088】
誘引ファン902と煙突960との間の煙道に、ダクトが接続される。ダクトは、バルブ904a,904b,904cとバグフィルタ901a,901b,901cとの間の各煙道に連結される。ダクトには、流量調整弁970が設けられる。
本実施形態において、流量調整弁970は常時開放されている。図10の集塵装置においてバグフィルタ901aのオフライン逆洗を実施する際、バルブ904aが閉鎖され、バルブ931aが開放される。バルブ904b,904cは開放されており、バルブ931b、931cは閉鎖されたままとされる。これにより、バグフィルタ901b,901cでダストが除去されて排出されたガスが、誘引ファン902によりバグフィルタ901aの上部空間913aに供給される。
その他の工程は、第5実施形態と同様である。
【0089】
第7実施形態においても、ボイラ950とバグフィルタ901との間の煙道に予備荷電部が設置されても良い。これにより、バグフィルタ901aから排出されたダストを他のバグフィルタ901b,901cに流入させる前に予備荷電部を通過させてダストを帯電させることができる。また、ボイラ950から流入するダストが上述の予備荷電部を通過することにより帯電ダストとなり、バグフィルタ901aから排出されたダストと衝突して、ダストの凝集を促進させても良い。
【0090】
図10の変形例として、誘引ファン902と煙突960との間の煙道と、第1の上部空間913とバルブ904との間のダクトとを連結するダクト(逆流ライン)に代えて、バルブ904と誘引ファン902との間の煙道と、第1の上部空間913とバルブ904との間のダクトとを連結し、その間に逆流用ファンを設けても良い。こうすることで、誘引ファン902の風量が十分でない場合にも、逆洗を実施することができる。
【0091】
<第8実施形態>
図11は、第8実施形態に係る集塵装置の概略図である。本実施形態では、1基のバグフィルタ1001内に複数の濾布1011を備える。ダストチャンバ1011の上側には上部空間1013が設けられる。上部空間1013は、隔壁により複数の空間に分離されている。
図11では、4つの濾布が設置されるとともに上部空間が4つに分離されているが、2以上の濾布を1区分として、各区分に対応させて上部空間を分離しても良い。例えば図11のように4つの濾布が設置される場合において、2つの濾布(1013aと1013b、及び、1013cと1013d)を1区分とすることにより、2つの上部空間を設けても良い。
【0092】
各濾布1011の間に、それぞれ仕切り1018を設けても良い。仕切り1018の上端部はダストチャンバ1010と上部空間1013とを隔離する壁に連結される。仕切り1018の下端部は、ダストチャンバ1010内のガスが流通可能なように隙間を有して位置する。
【0093】
逆洗用エア源1020は、配管を通じて分離された上部空間1013a,1013b,1013c,1013dの各々に接続される。
上部空間1013a,1013b,1013c,1013dの各々は、煙道により誘引ファン1002に接続される。この煙道の途中に、バルブ1004a,1004b,1004c,1004dがそれぞれ設けられる。
【0094】
バルブ1004a,1004b,1004c,1004dと誘引ファン1002との間の煙道にダクトが接続され、逆流用ファン1030に接続される。各ダクトには、バルブ1031a,1031b、1031c,1031dが設置される。バルブ1031a〜1031dは、集塵時は閉鎖されている。
上部空間1013a,1013b,1013c,1013dとバルブ1004a,1004b,1004c,1004dとの間の煙道にダクトが接続され、バグフィルタ1001の外側に設けられる逆流用ファン1030に接続される。各ダクトには、バルブ1032a,1032b、1032c,1032dが設置される。バルブ1032a〜1032dは、集塵時は閉鎖されている。
【0095】
以下、濾布1011dを逆洗する場合を例に挙げて説明する。
バルブ1004dが閉鎖され、濾布1011dによる集塵が停止される。
逆流用ファン1030が起動される。バルブ1031d及び1032dが開放される。次いで、逆洗される濾布1011dに対応する上部空間1013dと逆洗用エア源との間に設置されるバルブ1022が開放される。これにより、ノズル1021から逆洗用エアの気流が濾布1011dの内側に噴射され、濾布1011dの外表面に堆積したダストが脱落する。
本実施形態では仕切り1018が設けられているため、ダストチャンバ1010底部のバルブ1016を開放すると、濾布1011d周辺で下降流が発生する。これにより、粗大なダストがダストチャンバ1010下部へと沈降する。一方、微細なダストは、濾布1011a〜1011cの外表面に捕集される。
【0096】
逆流用ファン1030が停止されるとともにバルブ1022,1031d,1032d,1016が閉鎖されて、濾布1011dの逆洗が終了される。次いで、バルブ1004dが開放され、濾布1011dによる集塵が再開される。
本実施形態では、逆洗される濾布の周辺で下降流を発生させ、他の濾布で微細なダストを捕集するため、逆洗された濾布での集塵を再開したときに濾布表面に微細なダストが捕集されるのを防止することができる。
【0097】
<第9実施形態>
図12は、第9実施形態に係る集塵装置の概略図である。本実施形態は、第8実施形態における逆流用ファンを、誘引ファンで代用した例である。
【0098】
以下、濾布1111dを逆洗する場合を例に挙げて説明する。
本実施形態において、流量調整弁1170は常時開放されている。
バルブ1104dが閉鎖され、濾布1111dによる集塵が停止される。
逆洗される濾布1111dの上部に位置する上部空間1113dとバルブ1104dとの間のダクトと、誘引ファン1102と煙突1160との間の煙道とを連結するダクトに設けられるバルブ1131dが開放される。次いで、逆洗用エア源1120と上部空間1113dとの間のバルブ1122が開放され、上部空間1113dに逆洗用エアが供給される。これにより、濾布1111dの外表面に堆積したダストが脱落する。
本実施形態では仕切り1118が設けられているため、ダストチャンバ1110底部のバルブ1116を開放すると、濾布1111d周辺で下降流が発生する。このため、粗大なダストがダストチャンバ1110下部へと沈降する。一方、微細なダストは、他の濾布1111a〜1111cの外表面に捕集される。
【0099】
本実施形態においても、第4実施形態と同様に、誘引ファン1102と煙突1160との間の煙道と、上部空間1113とバルブ1104との間のダクトとを連結するダクト(逆流ライン)に代えて、バルブ1104と誘引ファン1102との間の煙道と、上部空間1113とバルブ1104との間のダクトとを連結し、その間に逆流用ファンを設けても良い。こうすることで、誘引ファン1102の風量が十分でない場合にも、逆洗を実施することができる。
【0100】
なお、第8実施形態及び第9実施形態において、ボイラとバグフィルタとの間の煙道に、第1実施形態で説明した予備荷電部が設けられていても良い。予備荷電部により燃焼排ガス中のダストを帯電させることにより、オフライン逆洗時にダストが沈降しやすくなる。更に、逆洗が行われているバグフィルタから他のバグフィルタに搬送される微細なダストが粗大なダストと凝集しやすくなる。
【0101】
なお本発明は、上記実施形態で説明した燃焼排ガス中のダストの除去に限定されず、空気中のダストを除去する場合にも適用される。
【符号の説明】
【0102】
100,300,400,500,600,700,800,900,1000,1100 集塵装置
101,301,401,501,601,701,801,901,1001,1101 バグフィルタ
102、302,402,502,602,702,802,902,1002、1102 誘引ファン
110,310,410,510,610,710,810,910,1010、1110 ダストチャンバ
111,311,411,511,611,711,811,911,1011,1111 濾布
112,312,412,512,612 逆洗ダスト捕集濾布
113,313,413,513,613 第1の上部空間
114,314,414,514,614 第2の上部空間
115,315 隔壁
120,320,420,520,620,720,820,920,1020,1120 逆洗用エア源
121,321,421,521,621,721,821,921,1021,1121 ノズル
130,430 逆洗ダスト捕集濾布用誘引ファン
730,830,1030 逆流用ファン
150,350,450,550,650,750,850,950,1050,1150 ボイラ
160,360,460,560,660,760,860,960,1060,1160 煙突
713,813,913,1013,1113 上部空間
200 予備荷電部
201 支持体
202 放電極
203 接地極
204 高圧電源
370,570,970,1170 流量調整弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス中のダストを除去する集塵装置であって、
前記ガスが流通する煙道に、上流側から順に、バグフィルタと誘引ファンとを含み、
前記バグフィルタが、
ダストチャンバと、
前記ダストチャンバ内に吊り下げられ、ガス処理時にダストを捕集する濾布と、
前記ダストチャンバ内に吊り下げられ、逆洗時に前記濾布から脱落したダストの一部を捕集するための逆洗ダスト捕集濾布と、
前記濾布の上部に設けられ、前記濾布を介して前記ダストチャンバと隔離される第1の上部空間と、
前記逆洗ダスト捕集濾布の上部に設けられて前記逆洗ダスト捕集濾布を介して前記ダストチャンバと隔離され、前記第1の上部空間と隔離される第2の上部空間とを備え、
前記第1の上部空間及び前記第2の上部空間に、逆洗用エアを供給する逆洗用エア源が接続され、
第2の上部空間に逆洗ダスト捕集濾布用誘引ファンが接続される集塵装置。
【請求項2】
前記バグフィルタが複数設置される請求項1に記載の集塵装置。
【請求項3】
前記ダストチャンバ内に、複数の前記濾布と複数の前記逆洗ダスト捕集濾布とを備える請求項1または請求項2に記載の集塵装置。
【請求項4】
前記逆洗ダスト捕集濾布用誘引ファンが、前記誘引ファンとされる請求項1に記載の集塵装置。
【請求項5】
ガス中のダストを除去する集塵装置であって、
前記燃焼排ガスが流通する煙道に、上流側から順に、複数のバグフィルタと誘引ファンとを含み、
前記複数のバグフィルタの各々が、
ダストチャンバと、
前記ダストチャンバ内に吊り下げられ、ガス処理時にダストを捕集する濾布と、
前記濾布の上部に設けられ、前記濾布を介して前記ダストチャンバと隔離される上部空間とを備え、
前記上部空間に、逆洗用エアを供給する逆洗用エア源が接続され、
前記上部空間に逆流用ファンが接続される集塵装置。
【請求項6】
ガス中のダストを除去する集塵装置であって、
前記ガスが流通する煙道に、上流側から順に、バグフィルタと誘引ファンとを含み、
前記バグフィルタが、
ダストチャンバと、
前記ダストチャンバ内に吊り下げられ、ガス処理時にダストを捕集する複数の濾布と、
前記複数の濾布の上部に設けられ、前記濾布を介して前記ダストチャンバと隔離されるとともに、隔壁により複数の隔室に分離されている上部空間とを備え、
前記隔室の各々に、逆洗用エアを供給する逆洗エア源が接続され、
前記隔室の各々に、逆流用ファンが接続される集塵装置。
【請求項7】
前記逆流用ファンが、前記誘引ファンとされる請求項5または請求項6に記載の集塵装置。
【請求項8】
前記バグフィルタの上流側に、前記ガス中の前記ダストに電荷を与える予備荷電部を更に備える請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の集塵装置。
【請求項9】
請求項1に記載の集塵装置の運用方法であって、
前記バグフィルタの逆洗時に、前記誘引ファンによる前記第1の上部空間の排気を停止する工程と、
前記逆洗用エア源から前記第1の上部空間に前記逆洗用エアを供給して前記濾布の内側に気流を与えることにより前記濾布の外側に捕集されたダストを払い落とす工程と、
前記第2の上部空間から前記ガスを排出して前記逆洗ダスト捕集濾布の内側を吸引して、前記払い落とされたダストを前記逆洗ダスト捕集濾布で捕集する工程とを備える集塵装置の運用方法。
【請求項10】
前記逆洗ダスト捕集濾布でダストを捕集する工程において、前記第1の上部空間にガスが供給される請求項9に記載の集塵装置の運用方法。
【請求項11】
請求項5に記載の集塵装置の運用方法であって、
一の前記バグフィルタの逆洗時に、前記誘引ファンによる前記上部空間の排気を停止する工程と、
前記逆洗用エア源から前記逆洗されるバグフィルタの上部空間に前記逆洗用エアを供給して前記逆洗されるバグフィルタの前記複数の濾布の内側に気流を与えることにより、前記複数の濾布の外側に捕集されたダストを払い落とす工程と、
前記逆流用ファンから前記上部空間にガスを供給する工程と、
前記他のバグフィルタの上部空間からガスを排出して、前記逆洗されるバグフィルタの前記ダストチャンバから前記払い落とされたダストを排出して、前記他のバグフィルタの前記ダストチャンバに搬送し、前記他のバグフィルタの前記濾布で捕集する工程とを備える集塵装置の運用方法。
【請求項12】
請求項6に記載の集塵装置の運用方法であって、
前記バグフィルタの逆洗時に、逆洗される前記濾布の上部に位置する前記隔室の前記誘引ファンによる排気を停止する工程と、
前記逆洗用エア源から前記逆洗される濾布の上部に位置する隔室に前記逆洗用エアを供給して前記逆洗される濾布の内側に気流を与えることにより、前記逆洗される濾布の外側に捕集されたダストを払い落とす工程と、
前記逆流用ファンから前記逆洗される前記濾布の上部に位置する前記隔室にガスを供給する工程と、
前記他の濾布の上部に位置する前記隔室からガスを排出して、前記払い落とされたダストを前記他の濾布で捕集する工程とを備える集塵装置の運用方法。
【請求項13】
前記バグフィルタの上流側で、前記ガス中の前記ダストに電荷を与える工程を更に備える請求項9、請求項11及び請求項12のいずれかに記載の集塵装置の運用方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−11273(P2012−11273A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−147768(P2010−147768)
【出願日】平成22年6月29日(2010.6.29)
【出願人】(309036221)三菱重工メカトロシステムズ株式会社 (57)
【Fターム(参考)】