説明

集塵装置

【課題】エッジ部における異常放電を防止すること。
【解決手段】集塵電極(40)および高圧電極(50)は、空気が流れる多数の通風孔(46,56)が形成された格子構造の基台部(41,51)と、該基台部(41,51)から相対する電極(40,50)の通風孔(46,56)に挿通される突起部(42,52)とを有している。各電極(40,50)において、基台部(41,51)の軸方向端部の角部や突起部(42,52)の先端部および側端部の角部には円弧面(42a,44a,45a,52a,54a,55a)が形成されている。これにより、突起部(42,52)等の端部において電界の集中が抑制される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集塵装置に関し、特に、集塵電極の構造に係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、電気的な引力を利用して空気等に含まれる粉塵を捕集する電気式の集塵装置が知られている。例えば、特許文献1には、矩形断面の通気孔が多数形成された格子状の集塵電極と、集塵電極の通気孔へ1つずつ挿入される突起部が形成された対向電極とを備える集塵装置が開示されている。この集塵装置において、対向電極の突起部は、その断面形状が矩形状となっており、その側面が通気孔の内壁面と向かい合っている。集塵電極と対向電極の間に電位差を付与すると、通気孔の内壁面と突起部の表面との間の空間に電界が形成される。そのため、通気孔を流れる気体中の粒子は、通気孔の内壁に引き寄せられて捕捉される。
【特許文献1】登録実用新案第3033859号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、上記従来の集塵装置では、単に対向電極の突起部を切断加工しただけでは、その突起部に尖ったエッジやバリが形成されてしまい、そのエッジやバリの部位に電界が集中してしまうという問題があった。そのため、エッジ部で異常放電が発生しやすくなり、突起部の全面において電界が不均一となり集塵効率が低下するという問題があった。
【0004】
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、少なくとも対向電極の端面を工夫することによって、異常放電を防止し集塵効率を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、電界を形成する一対の電極(40,50)において、電界が形成される端部の角部やバリ等をなくすようにしている。
【0006】
具体的に、第1の発明は、空気通路(23)に互いに対向するように配置される一対の電極(40,50)を備え、該両電極(40,50)の間に空気中の帯電した塵埃を捕集するための電界を形成する集塵装置を前提としている。そして、上記電極(40,50)の少なくとも一方は、導電性樹脂製の樹脂電極で構成され、その端部に面取りが施されているものである。
【0007】
上記の発明では、塵埃を捕集するための一対の電極(40,50)の少なくとも一方が導電性の樹脂電極で構成される。そして、その樹脂電極(40,50)において、電界が形成される端部(エッジ)の角部が面取りされている。これにより、樹脂電極(40,50)において、尖ったエッジが存在しなくなる。したがって、エッジにおける電界の集中が抑制される。その結果、スパーク等の異常放電が抑制される。しかも、樹脂電極(40,50)は、一般に射出成形等の手法が用いられるので、上述したエッジの処理が容易になる。
【0008】
第2の発明は、上記第1の発明において、上記一対の電極(40,50)は、空気が流れる多数の通風孔(46)が形成された格子構造の基台部(41)と、該基台部(41)から通風孔(46)の軸方向に延びる突起部(42)とを有すると共に上記樹脂電極を構成する第1電極(40)と、空気が流れる多数の通風孔(56)が形成された格子構造の基台部(51)を有する第2電極(50)とで構成され、上記第1電極(40)の突起部(42)が上記第2電極(50)の通風孔(56)に挿通されるように対向して配置されているものである。そして、本発明は、少なくとも上記第1電極(40)の突起部(42)の端部に面取りが施されているものである。
【0009】
上記の発明では、両電極(40,50)の基台部(41,51)は、多数の通風孔(46,56)が形成される格子構造となっている。また、第2電極(50)の通風孔(56)内には、第1電極(40)の突起部(42)が挿通される。そして、第2電極(50)の通風孔(56)の内壁と、第1電極(40)の突起部(42)の側周面との間に空気中の塵埃を捕集するための電界が放射状に形成される。ここで、少なくとも第1電極(40)の突起部(42)の先端部や側端部に面取りが施されている(例えば、図6や図7を参照)。したがって、第1電極(40)の突起部(42)のエッジに電界が集中することはなく、両電極(40,50)間に均一に電界が形成される。
【0010】
第3の発明は、上記第2の発明において、上記第2電極(50)は、導電性樹脂製の樹脂電極で構成されている。そして、上記第2電極(50)の基台部(51)は、通風孔(56)の軸方向における端部に面取りが施されているものである。
【0011】
上記の発明では、第1電極(40)の突起部(42)が挿通される第2電極(50)の基台部(51)においても、軸方向端部に面取りが施されている(例えば、図7を参照)。したがって、第2電極(50)の基台部(51)のエッジにおいても電界の集中が抑制される。これにより、第1電極(40)の突起部(42)と第2電極(50)の基台部(51)との間に電界がより一層均一に形成される。そのため、異常放電が一層防止される。
【0012】
第4の発明は、上記第2の発明において、上記第2電極(50)は、基台部(51)から通風孔(56)の軸方向に延びる板状の突起部(52)を有すると共に、金属製の金属電極で構成されている。また、上記一対の電極(40,50)は、各突起部(42,52)が相対する電極(40,50)の通風孔(46,56)に挿通されるように配置されている。そして、上記第2電極(50)の基台部(51)および突起部(52)の少なくとも一方は、端部が折り返されているものである。
【0013】
上記の発明では、第1電極(40)が樹脂電極で構成され、第2電極(50)が金属電極で構成される。ここで、一般に金属電極は、重量軽減のため薄板の金属が用いられる。ところが、薄板金属においては、そのエッジ部に電界が集中し易い。そこで、本発明では、金属電極である第2電極(50)の基台部(51)および突起部(52)の少なくとも一方の端部が折り返されているため、即ち端部がいわゆるヘミング加工されているため、その端部では板厚が見かけ上増大する(図11や図12を参照)。これにより、基台部(51)や突起部(52)の端部において、尖ったエッジがなくなる。したがって、端部における電界の集中が抑制される。しかも、基台部(51)や突起部(52)の端部だけ折り返されるため、電極(50)の重量はそれ程増大しない。
【0014】
第5の発明は、上記第2の発明において、上記第2電極(50)は、基台部(51)から通風孔(56)の軸方向に延びる板状の突起部(52)を有すると共に、金属製の金属電極で構成されている。また、上記一対の電極(40,50)は、各突起部(42,52)が相対する電極(40,50)の通風孔(46,56)に挿通されるように配置されている。そして、上記第2電極(50)の基台部(51)および突起部(52)の少なくとも一方は、端部に研磨処理が施されているものである。
【0015】
上記の発明では、第1電極(40)が樹脂電極で構成され、第2電極(50)が金属電極で構成される。ここで、一般に金属電極は、重量軽減のため薄板の金属が用いられる。しかし、薄板金属においては、そのエッジ部に電界が集中し易い。そこで、本発明では、金属電極である第2電極(50)の基台部(51)および突起部(52)の少なくとも一方の端部が研磨処理(研磨加工)されているため、尖ったエッジがなくなる。したがって、端部における電界の集中が抑制される。
【発明の効果】
【0016】
以上のように、本発明によれば、電極(40,50)の少なくとも一方を樹脂電極とし、その端部に面取りを施すようにした。したがって、樹脂電極(40,50)の端部(エッジ)において電解が集中するのを防止することができる。しかも、樹脂電極(40,50)は射出成形等の手法を用いて製作するため、上述したエッジの面取り加工を容易に行うことができる。これにより、スパーク等の異常放電を容易に防止することができ、集塵効率を向上させることができる。
【0017】
また、第2の発明によれば、第1電極(40)の突起部(42)を第2電極(50)の基台部(51)の通風孔(56)内に配置させ、第1電極(40)の突起部(42)と第2電極(50)の基台部(51)の内壁との間に電界を形成するようにしている。これにより、第1電極(40)と第2電極(50)との間の集塵面積を拡大させることができる。そして、本発明では、第1電極(40)の突起部(42)の端部に面取りを施しているので、両電極(40,50)間に異常放電を発生させることなく電界を均一に形成することができる。このように、集塵面積を拡大させつつも、均一な電界を形成できるため、集塵効率を一層向上させることができる。
【0018】
さらに、第3の発明によれば、第2電極(50)を樹脂電極とし、その基台部(51)の軸方向端部に面取り加工を施すようにした。したがって、第2電極(50)の基台部(51)の端部においても異常放電を防止することができる。その結果、集塵効率を一層向上させることができる。
【0019】
また、第4の発明によれば、第2電極(50)を金属電極とし、その端部を折り返すようにした。したがって、基台部(51)や突起部(52)の端部に尖ったエッジがなくなるので、電界集中を抑制することができる。しかも、端部だけを折り返すだけでよいため、重量はそれ程増大しない。以上のように、薄板金属を用いて金属電極を構成しても、異常放電を確実に防止することができる。その結果、集塵効率の向上および軽量化を図ることができる。
【0020】
また、第5の発明によれば、第2電極(50)を金属電極とし、その端部を研磨処理するようにした。したがって、基台部(51)や突起部(52)の端部に尖ったエッジがなくなり、電界集中を抑制することができる。これにより、上述したように、薄板金属を用いて金属電極を構成しても、異常放電を確実に防止することができる。よって、集塵効率の向上および軽量化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0022】
《実施形態1》
本発明の実施形態1について説明する。本実施形態1の空気清浄機(10)は、一般家庭や小規模店舗などで用いられる民生用の空気浄化装置であって、本発明に係る集塵装置を構成している。
【0023】
〈空気清浄機の全体構成〉
図1および図2に示すように、空気清浄機(10)は、ケーシング(20)を備えると共に、該ケーシング(20)の内部に収納されたプレフィルタ(11)と荷電部(12)と集塵部(30)と触媒フィルタ(13)と送風機(14)とを備えている。
【0024】
上記ケーシング(20)は、例えば、矩形体状の横長の容器に形成され、前面が空気の吸込口(21)に形成され、背面が空気の吹出口(22)に形成され、内部が空気通路(23)に形成されている。そして、プレフィルタ(11)と荷電部(12)と集塵部(30)と触媒フィルタ(13)と送風機(14)とが吸込口(21)から吹出口(22)に向かって順に配置されている。
【0025】
上記プレフィルタ(11)は、吸込口(21)からケーシング(20)内に吸込まれた空気に含まれる比較的大きな塵埃を捕集するためのフィルタを構成している。
【0026】
上記荷電部(12)は、イオン化部を構成し、プレフィルタ(11)を通過した比較的小さな塵埃を帯電させるものである。この荷電部(12)は、図示しないが、例えば、複数のイオン化線と、複数の対向電極から構成され、該イオン化線と対向電極との間に直流電圧が印加されるように構成されている。イオン化線は、荷電部(12)の上端から下端に亘って設けられ、対向電極はイオン化線の間に配置されている。
【0027】
上記集塵部(30)は、荷電部(12)で帯電した塵埃を吸着して捕集するものである。この集塵部(30)の詳細については、後述する。
【0028】
上記触媒フィルタ(13)は、図示しないが、例えばハニカム構造の基材の表面に触媒が担持されて構成されている。その触媒としては、例えば、マンガン系触媒や貴金属触媒などが用いられ、集塵部(30)を通過して塵埃が除去された空気中の有害成分や臭気成分を分解する。
【0029】
上記送風機(14)は、ケーシング(20)内の空気通路(23)において最下流側に配置されている。この送風機(14)は、室内空気をケーシング(20)内に吸い込み、清浄空気を室内に吹き出すためのものである。
【0030】
〈集塵部の構成〉
上記集塵部(30)の構造について詳細に説明する。図3〜図5に示すように、集塵部(30)は、アース電極である集塵電極(40)と対向電極である高圧電極(50)とを備えている。集塵電極(40)と高圧電極(50)とは、一方が第1電極を構成し、他方が第2電極を構成している。
【0031】
上記集塵電極(40)および高圧電極(50)は、何れも材質が導電性樹脂となっており、例えば射出成形等の手法を用いて成形されている。集塵電極(40)および高圧電極(50)の材質は、微導電性樹脂が好ましく、特に体積抵抗率が10Ωcm以上1013Ωcm以下の樹脂であることが好ましい。また、集塵電極(40)と高圧電極(50)とは、基本的にほぼ同一の形状に形成され、一部が相互に挿入自在な差し込み構造に構成されている。
【0032】
上記集塵電極(40)および高圧電極(50)のそれぞれは、外形が矩形状に形成されており、1つの基台部(41,51)と、該基台部(41,51)から突出する多数の突起部(42,52)とを備えている。基台部(41,51)は、枠体(43,53)と、該枠体(43,53)の内部に設けられた複数の縦仕切部(44,54)および複数の横仕切部(45,55)とを備えている。集塵電極(40)および高圧電極(50)では、基台部(41,51)の枠体(43,53)と縦仕切部(44,54)と横仕切部(45,55)とが一体に形成され、更には基台部(41,51)と突起部(42,52)とが一体に形成される。
【0033】
上記枠体(43,53)は、矩形状に形成されている。集塵電極(40)の枠体(43)は、高圧電極(50)の枠体(53)よりも厚くなっている。集塵電極(40)の枠体(43)では、4つの隅角部に薄肉部(4a)が形成されると共に、各薄肉部(4a)に固定孔(4b)を有する固定脚(4c)が立設されている。高圧電極(50)の枠体(53)では、4つの隅角部に薄肉部(5a)が形成されると共に、各薄肉部(5a)に固定孔(5b)が形成されている。集塵電極(40)の枠体(43)と高圧電極(50)の枠体(53)とは、四隅の薄肉部(4a,5a)において、固定脚(4c)を介して互いに固定され、集塵電極(40)の基台部(41)と高圧電極(50)の基台部(51)とが相対向して配置されている。また、各基台部(41,51)は、空気通路(23)において、空気流れと直交する方向に配置されている。
【0034】
上記各縦仕切部(44,54)は、ケーシング(20)の上下方向に延び、各横仕切部(45,55)は、ケーシング(20)の幅方向に延びている。そして、縦仕切部(44,54)と横仕切部(45,55)とは、縦横に交差するように配列されている。各基台部(41,51)には、枠体(43,53)と縦仕切部(44,54)と横仕切部(45,55)とによって囲まれる多数の通風孔(46,56)が形成されている。これら通風孔(46,56)は、被処理気体としての空気が流れる通気孔を構成している。つまり、基台部(41,51)は、縦仕切部(44,54)と横仕切部(45,55)とによって長方形の四角格子構造に形成されている。
【0035】
上記各縦仕切部(44,54)は、集塵電極(40)の基台部(41)と高圧電極(50)の基台部(51)とを固定した組み立て状態において、同一平面上に位置するように形成されている。また、この組み立て状態において、両者の縦仕切部(44,54)は、互いに接触することなく、所定の間隔を置いて配置される。一方、各横仕切部(45,55)は、集塵電極(40)の基台部(41)と高圧電極(50)の基台部(51)とを固定した組み立て状態において、図5の上下方向に、千鳥状に位置するように形成されている。つまり、集塵電極(40)の横仕切部(45)は、高圧電極(50)の通風孔(56)の中央部に位置し、高圧電極(50)の横仕切部(55)は、集塵電極(40)の通風孔(46)の中央部に位置している。
【0036】
上記突起部(42,52)は、特に図4に示すように、横仕切部(45,55)に一体形成されて該横仕切部(45,55)から突出している。この突起部(42,52)は、横仕切部(45,55)と同一厚さの平板状の突出片に形成され、相対する電極(50,40)の通風孔(56,46)の内部に延びている。そして、基台部(41,51)同士を固定した組み立て状態においては、横方向に隣り合う突起部(42,52)の間に相対する電極(50,40)の縦仕切部(54,44)が位置する。
【0037】
具体的に、図6に示すように、各突起部(42,52)の先端側は、相対する電極(50,40)の縦仕切部(44,54)と横仕切部(45,55)とによって囲まれる。つまり、各突起部(42,52)は、通風孔(46,56)の内部中央に位置する。各突起部(42,52)は、通風孔(46,56)の中心軸と直交する断面の形状が扁平な長方形となっている。そして、突起部(42,52)と縦仕切部(44,54)および横仕切部(45,55)との間に電位差が与えられる。つまり、突起部(42,52)の周囲には、通風孔(46,56)の横断面において電界が放射状に形成される。
【0038】
そして、本発明の特徴として、図6〜図8に示すように、各電極(50,40)の突起部(42,52)、縦仕切部(44,54)および横仕切部(45,55)のそれぞれの角部には、面取りが施されている。具体的に、各突起部(42,52)の両側端部における角部は、円弧面(42a,52a)に形成されている(図6を参照)。また、各突起部(42,52)の先端部における角部も、円弧面(42a,52a)に形成されている(図7において、集塵電極(40)の場合は右端側を、高圧電極(50)の場合は左端側を参照、並びに図8を参照)。一方、各縦仕切部(44,54)の端部における角部は、円弧面(44a,54a)に形成されている(図8を参照)。各横仕切部(45,55)の端部における角部は、円弧面(45a,55a)に形成されている(図7において、集塵電極(40)の場合は左端側を、高圧電極(50)の場合は右端側を参照)。
【0039】
このように、本実施形態では、電界が形成される空間(即ち、通風孔(46,56))に位置する突起部(42,52)等の角部が円弧面(42a,44a,45a,52a,54a,55a)となっている。これにより、突起部(42,52)等においてバリや尖ったエッジ部が存在しなくなり、エッジ部の電界集中を抑制することができる。その結果、スパーク等の異常放電を抑制することができる。
【0040】
−運転動作−
次に、上記空気清浄機(10)の空気清浄動作について説明する。
【0041】
図1および図2に示すように、送風機(14)を駆動すると、被処理気体である室内空気がケーシング(20)の空気通路(23)に吸引され、該空気通路(23)を流れる。また、空気清浄機(10)では、荷電部(12)のイオン化線と対向電極と間に直流電圧が印加され、集塵部(30)の集塵電極(40)と高圧電極(50)との間に直流電圧が印加される。
【0042】
ケーシング(20)の空気通路(23)に吸引された室内空気は、先ずプレフィルタ(11)を通過する。プレフィルタ(11)は、室内空気に含まれる比較的大きな塵埃を捕集する。プレフィルタ(11)を通過した室内空気は、荷電部(12)に流れる。この荷電部(12)では、プレフィルタ(11)を通過した比較的小さな塵埃が正極に帯電し、この帯電した塵埃が下流側に流れることになる。
【0043】
続いて、帯電した塵埃は、室内空気と共に集塵部(30)に流れる。集塵部(30)に流入した空気は、先ず、集塵電極(40)の基台部(41)の通風孔(46)を流れる。この通風孔(46)では、空気が高圧電極(50)の突起部(52)の周囲を流れる。ここで、高圧電極(50)の突起部(52)と、集塵電極(40)の基台部(41)との間には電界が形成され、集塵電極(40)がアース電極となっている。したがって、正極に帯電している塵埃は、集塵電極(40)の基台部(41)、即ち縦仕切部(44)や横仕切部(45)に誘引される。その結果、集塵電極(40)の通風孔(46)を空気が流通する間には、塵埃がこれらの縦仕切部(44)や横仕切部(45)の表面に付着して捕集される。
【0044】
集塵電極(40)の基台部(41)を通過した空気は、高圧電極(50)の基台部(51)の通風孔(56)に流れる。この通風孔(56)では、空気が集塵電極(40)の突起部(42)の周囲を流れる。ここで、高圧電極(50)の基台部(51)と、集塵電極(40)の突起部(42)との間には電界が形成されているので、未だ空気中に残存している塵埃が集塵電極(40)の突起部(42)の表面に付着して捕集される。
【0045】
集塵部(30)で塵埃が除去された空気は、触媒フィルタ(13)を流れる。触媒フィルタ(13)では、空気中の有害物質や臭気物質が分解除去される。以上のようにして清浄化された空気は、送風機(14)を通過して、吹出口(22)より室内へ供給される。空気清浄機(10)は、このような動作を行うことで、室内空気を清浄化する。
【0046】
ここで、集塵部(30)の集塵電極(40)および高圧電極(50)において、各突起部(42,52)、各縦仕切部(44,54)および各横仕切部(45,55)の角部が円弧面(42a,44a,45a,52a,54a,55a)になっている。したがって、各突起部(42,52)と各縦仕切部(44,54)および横仕切部(45,55)との間において、エッジ部に電界が集中することなく、均一に電界が形成される。その結果、集塵部(30)における集塵効率が向上する。
【0047】
なお、本実施形態では、集塵部(30)の高圧電極(50)に正の電圧を印加し、荷電部(12)で正極に帯電させた塵埃をアース電極である集塵電極(40)に付着させるようにしたが、本発明は以下のように構成してもよい。つまり、上記実施形態においては、荷電部(12)で塵埃を負極に帯電させる一方、集塵電極(40)をアース電極として高圧電極(50)に負の電圧を印加するようにしてもよい。この場合、負極に帯電した塵埃は、集塵部(30)の集塵電極(40)に付着される。
【0048】
−実施形態1の効果−
本実施形態によれば、集塵電極(40)および高圧電極(50)において、各突起部(42,52)、縦仕切部(44,54)および横仕切部(45,55)の角部を円弧面(42a,44a,45a,52a,54a,55a)に形成するようにした。したがって、角部(エッジ部)において、電界の集中を防止でき、スパーク等の異常放電を抑制することができる。つまり、突起部(42,52)と縦仕切部(44,54)および横仕切部(45,55)との間において電界を均一に形成することができる。その結果、集塵効率を向上させることができる。
【0049】
また、本実施形態では、集塵電極(40)および高圧電極(50)の材質が導電性樹脂にとなっている。したがって、各突起部(42,52)等の角部は多数あるが、射出成形等の手法を用いることによって、その角部に円弧面(42a,44a,45a,52a,54a,55a)を容易に形成することができる。そのため、低コストで大量に製造することが可能となる。
【0050】
−実施形態1の変形例−
上記実施形態1の変形例について図9を参照しながら説明する。本変形例は、集塵電極(40)および高圧電極(50)における各突起部(42,52)等の角部の形状を上記実施形態とは異なる構成としたものである。具体的に、本変形例の集塵電極(40)および高圧電極(50)は、各突起部(42,52)、各縦仕切部(44,54)および横仕切部(45,55)のそれぞれの角部が傾斜面(42b,44b,45b,52b,54b,55b)に形成されている。つまり、上記実施形態では角部を円弧面(42a,44a,45a,52a,54a,55a)に形成したが、本変形例では傾斜面(42b,44b,45b,52b,54b,55b)となるように面取りが施されている。
【0051】
この場合も、各突起部(42,52)や縦仕切部(44,54)等において、尖ったエッジ部やバリが存在しなくなるので、電界が集中する部位が存在しなくなる。したがって、集塵部(30)において、スパーク等の異常放電を抑制することができる。その結果、集塵部(30)の集塵効率を向上させることができる。
【0052】
《実施形態2》
本発明の実施形態2について説明する。本実施形態2は、上記実施形態1の集塵部(30)において、高圧電極(50)の材質を導電性の薄板金属に変更したものである。つまり、本実施形態の高圧電極(50)は、金属電極を構成している。
【0053】
図10に示すように、本実施形態の高圧電極(50)は、上記実施形態1と同様に、基台部(51)と突起部(52)を有している。高圧電極(50)では、基台部(51)の横仕切部(55)から突起部(52)までが一体的な平板状に形成されている。なお、集塵電極(40)は、上記実施形態1と同様に、樹脂電極を構成している。
【0054】
そして、図11および図12に示すように、高圧電極(50)の基台部(51)および突起部(52)の端部には、いわゆるヘミング処理が施されている。具体的に、基台部(51)では、縦仕切部(54)および横仕切部(55)の下流側の端部(54c,55c)が通風孔(46,56)の軸心方向(即ち、空気流れ方向)に折り返されている。また、突起部(52)では、先端部(52c)が通風孔(46,56)の軸心方向に折り返されている。さらに、図13にも示すように、突起部(52)では、側端部(52c)が突起部(52)の幅方向(図12において上下方向、即ち空気流れ方向に直交する方向)に折り返されている。これにより、基台部(51)および突起部(52)の端部(52c,54c,55c)において、エッジの尖りが鈍くなり、電界の集中が抑制される。
【0055】
さらに、基台部(51)および突起部(52)の端部(52c,54c,55c)を折り返すことで、見かけ上その端部(52c,54c,55c)の板厚が増大する。ここで、一般に電極の板厚を単純に厚くすれば、エッジにおける電界の集中を抑えることができるが、その場合、電極の重量が増大し且つコスト高になってしまう。ところが、本実施形態では、基台部(51)および突起部(52)の端部(52c,54c,55c)だけ折り返すようにしているので、重量増大およびコスト高を回避しつつ、エッジにおける電界集中を効果的に抑制することができる。
【0056】
以上のように、本実施形態では、高圧電極(50)に薄板金属を用いているにも拘わらず、エッジにおける電界の集中を効果的に抑制することができる。その結果、軽量化および低コスト化を図りながら、スパーク等の異常放電を抑制して集塵効率を向上させることができる。その他の構成、作用および効果は実施形態1と同様である。
【0057】
なお、本実施形態では、集塵電極(40)を導電性樹脂で形成し、高圧電極(50)を薄板金属で形成するようにしたが、逆に、集塵電極(40)を薄板金属で形成し、高圧電極(50)を導電性樹脂で形成するようにしてもよい。
【0058】
また、本実施形態では、高圧電極(50)において基台部(51)および突起部(52)の各端部(52c,54c,55c)にヘミング処理を施すようにしたが、少なくとも何れか1箇所の端部(52c,54c,55c)にヘミング処理を行うようにしてもよい。
【0059】
−実施形態2の変形例−
本変形例は、上記実施形態2が高圧電極(50)における基台部(51)および突起部(52)の各端部(52c,54c,55c)にヘミング処理を施すようにしたのに代えて、その各端部(52c,54c,55c)の端面を研磨処理するようにしたものである。この場合、基台部(51)および突起部(52)の各端部(52c,54c,55c)において、バリをなくすことができ、電界の集中を抑制することができる。したがって、ヘミング処理を施した場合に比べて、一層軽量化を図ることができる。なお、この場合においても、上述した全ての端部(52c,54c,55c)ではなく、少なくとも何れか1箇所の端部(52c,54c,55c)を研磨処理すればよい。
【0060】
《実施形態3》
本発明の実施形態3について説明する。本実施形態3は、上記実施形態1の集塵部(30)において、集塵電極(40)の材質を導電性の薄板金属に変更すると共に、その集塵電極(40)および高圧電極(50)の構成を一部変更したものである。つまり、本実施形態において、集塵電極(70)が金属電極を構成し、高圧電極(80)が樹脂電極を構成している。
【0061】
本実施形態の集塵電極(70)は、導電性であるステンレスバネ鋼製の薄板金属で構成されている。この薄板金属の板厚は、0.2mm以下であり、好ましくは0.15mm以下である。一方、本実施形態の高圧電極(80)は、上記実施形態1と同様に材質が導電性樹脂となっている。
【0062】
上記集塵電極(70)および高圧電極(80)のそれぞれは、上記実施形態1と同様に、外形が矩形状に形成されており、1つの基台部(71,81)と、該基台部(71,81)から突出する多数の突起部(74,82)とを備えている。
【0063】
上記集塵電極(70)の基台部(71)は、それぞれ板状部材である複数の横仕切部(72)および複数の縦仕切部(73)を備えている。基台部(71)は、横仕切部(72)と縦仕切部(73)とが互いに四角格子状に組み合わされて構成されている。つまり、横仕切部(72)と縦仕切部(73)とは、互いのスリット(図16および図17参照)にはめられて格子状に組み合わされる。そして、基台部(71)には、横仕切部(72)と縦仕切部(73)とによって囲まれる多数の通風孔(76)が形成されている。集塵電極(70)の突起部(74)は、図16にも示すように、上記各横仕切部(72)の下縁部から突出するように形成されている。突起部(74)は、横仕切部(72)の幅方向に間隔をあけて複数(本実施形態では、3つ)形成されている。つまり、突起部(74)は横仕切部(72)から延びる突出片を構成し、突起部(74)と横仕切部(72)とは一枚の金属板(ステンレスバネ鋼板)で形成されている。
【0064】
上記高圧電極(80)の基台部(81)は、枠体(83)と、該枠体(83)の内部に設けられた複数の横仕切部(84)および複数の縦仕切部(85)とを備えている。高圧電極(80)の基台部(81)は、枠体(83)と横仕切部(84)と縦仕切部(85)とが四角格子状に且つ一体に形成されている。そして、基台部(81)には、枠体(83)と横仕切部(84)と縦仕切部(85)とによって囲まれる多数の通風孔(86)が形成されている。高圧電極(80)の突起部(82)は、上記各横仕切部(84)に一体形成されている。
【0065】
本実施形態の集塵部(30)でも、集塵電極(70)および高圧電極(80)の基台部(71,81)同士が対向した状態で固定されて組み立てられる。この組み立て状態では、集塵電極(70)の突起部(74)が高圧電極(80)の通風孔(86)内に挿通され、高圧電極(80)の突起部(82)が集塵電極(70)の通風孔(76)内に挿通される。また、各基台部(71,81)は、空気通路(23)において空気流れと直交する方向に配置されている。
【0066】
上記各縦仕切部(73,85)は、集塵電極(70)の基台部(71)と高圧電極(80)の基台部(81)とが組み立てられた状態では、同一平面上に位置するように形成されている。また、この組み立て状態において、両者の縦仕切部(73,85)は、互いに接触することなく、所定の間隔を置いて配置される。一方、各横仕切部(72,84)は、集塵電極(70)の基台部(71)と高圧電極(80)の基台部(81)とが組み立てられた状態では、図15の上下方向に、千鳥状に位置するように形成されている。
【0067】
上記各突起部(74,82)の先端側は、相対する電極(80,70)の縦仕切部(73,85)と横仕切部(72,84)とによって囲まれる。つまり、各突起部(74,82)は相対する通風孔(76,86)の内部中央に位置する。そして、突起部(74,82)と縦仕切部(73,85)および横仕切部(72,84)との間に電位差が与えられる。そうすると、突起部(74,82)の周囲には、通風孔(76,86)の横断面において電界が放射状に形成される。
【0068】
そして、図16および図17にも示すように、集塵電極(70)の基台部(71)および突起部(74)の端部には、いわゆるヘミング処理が施されている。具体的に、基台部(71)の横仕切部(72)では、上流側の端部(72a)が通風孔(76,86)の軸心方向(即ち、空気流れ方向)に折り返されている。また、基台部(71)の横仕切部(72)では、突起部(74)と突起部(74)の間の端部(72b)が通風孔(76,86)の軸心方向に折り返されている。突起部(74)では、先端部(74a)が通風孔(76,86)の軸心方向に折り返されている。また、突起部(74)では、側端部(74b)が通風孔(76,86)の軸心方向に直交する方向(即ち、空気流れ方向に直交する方向)に折り返されている。基台部(71)の縦仕切部(73)では、上流側の端部(73a)および下流側の端部(73b)がそれぞれ通風孔(76,86)の軸心方向に折り返されている。
【0069】
このように、集塵電極(70)では、基台部(71)の上流側および下流側の端部(72a,72b,73a,73b)が折り返され、且つ、突起部(74)の端部(74a,74b)が折り返されている。これにより、集塵電極(70)の基台部(71)および突起部(74)の各端部(72a,72b,73a,73b,74a,74b)において、尖ったエッジがなくなり、その端部(72a,72b,73a,73b,74a,74b)での電界の集中を抑制することができる。その結果、電界が均一に形成され、集塵効率が向上する。
【0070】
また、図16のA部では図18に示すような工夫がされている。具体的に、突起部(74)の折り返される先端部(74a)(即ち、折り返し端部(折り返し片))の両端(4a)(図16において左右方向の端部)は、折り返し線端部における垂線よりも外側に出ている。同様に、突起部(74)の折り返される側端部(74b)(即ち、折り返し端部(折り返し片))の一端(4b)(図16において下側の端部)も、折り返し線端部における垂線よりも外側に出ている。つまり、折り返し端部における折り返し線方向の端部が折り返し線端部から引いた垂線よりも外側に形成されている。そうすることで、先端部(74a)および側端部(74b)を折り返す際、その先端部(74a)や側端部(74b)の全体を確実に且つ容易に折り返すことができる。例えば図20(A)に示すように、折り返し端部(折り返し片)における端部が、テーパ状に形成されている場合、即ち折り返し線端部における垂線よりも内側に形成されている場合、その折り返し端部を折り返した際、その折り返し端部の端部が折り返されずにめくり上がった状態となる。このめくり上がりが尖ったエッジとして残ってしまい、そのエッジに電界が集中してしまうこととなる。ところが、上述したように折り返し端部における折り返し線方向の端部形状を工夫することで、めくり上がりを防止して、エッジの形成を回避することができる。
【0071】
また、図16のB部およびC部では図19に示すような工夫がされている。具体的に、突起部(74)の折り返される側端部(74b)(即ち、折り返し端部(折り返し片))の他端(4b)(図16において上側の端部)は、折り返し線から垂直に延びている。同様に、横仕切部(72)の折り返される端部(72b)(即ち、折り返し端部(折り返し片))の両端(2b)(図16において左右方向の端部)も、折り返し線から垂直に延びている。そうすることで、側端部(74b)や端部(72b)を折り返す際、その側端部(74b)や端部(72b)の全体を確実に且つ容易に折り返すことができる。例えば図20(B)に示すように、折り返し端部における端部が、テーパ状に形成されている場合、即ち折り返し線端部における垂線よりも内側に形成されている場合、その折り返し端部を折り返した際、図20(A)と同様に、その折り返し端部の端部が折り返されずにめくり上がった状態となる。このめくり上がりが尖ったエッジとして残ってしまい、そのエッジに電界が集中してしまうこととなる。ところが、上述したように折り返し端部における折り返し線方向の端部形状を工夫することで、めくり上がりを防止し、エッジの形成を回避することができる。以上のように、折り返し端部(折り返し片)のめくり上がりを防止してエッジの発生を回避するので、異常放電を確実に防止することができ、集塵効率の向上を一層図ることができる。なお、横仕切部(72)の上流側の端部(72a)や縦仕切部(73)の上下流側の端部(73a,73b)にはこのような工夫を施していないが、この箇所は横仕切部(72)と縦仕切部(73)と互いに近接しているため、めくり上がりによるエッジが生じても電界集中の影響はそれほどない。
【0072】
なお、図示しないが、本実施形態においても、上記実施形態と同様に高圧電極(80)の突起部(82)、横仕切部(84)および縦仕切部(85)のそれぞれの角部に面取りが施されている。
【0073】
また、本実施形態では、金属電極をステンレスバネ鋼製としているため、金属電極を薄板にしても剛性を確保することができる。よって、軽量化および小型化を図ることができる。また、ステンレスは錆びず強アルカリ性洗剤も使用できるため、洗浄が容易となりメンテナンス性が向上する。
【0074】
また、軽量化のために樹脂で電極を構成することが考えられる。その場合、安全上、例えばUL規格に基づく所定の耐燃性を有する必要がある。樹脂の耐燃性は肉厚が薄いほど悪くなる。現状では、樹脂電極において所定の耐燃性を満足するためには、樹脂の肉厚を少なくとも1.5mm以上にする必要がある。なお、樹脂の密度が約1.0前後に対し、鋼の密度は約8.0である。そこで、本実施形態では、金属電極の板厚を0.2mm以下(好ましくは0.15mm以下)としたため、樹脂で構成した電極と同等の重量にすることができる。したがって、確実に軽量化を図ることができる。
【0075】
その他の構成、作用および効果は上記実施形態1と同様である。
【0076】
《その他の実施形態》
上述した各実施形態については以下のような構成としてもよい。
【0077】
例えば、上記各実施形態では、集塵部(30)の集塵電極(40)と高圧電極(50)とが互いに嵌り込む構成について説明したが、本発明は、これに代えて、双方の電極(50,40)が空気流れ方向に延びる平板状に形成され、互いに交互に且つ平行に配列される構成(即ち、いわゆる平行平板型の電極(50,40))についても適用できる。この場合、双方の電極(50,40)が導電性樹脂で形成され、または一方の電極(50,40)が導電性樹脂で他方の電極(50,40)が薄板金属で形成される。導電性樹脂の電極(50,40)の場合、空気流れ方向における両端の角部は、上記実施形態1と同様に円弧面または傾斜面に形成される。薄板金属の電極(50,40)の場合、空気流れ方向における両端部は、上記実施形態2と同様にヘミング処理または研磨処理が施される。これにより、電極(50,40)の両端のエッジにおいて、電界の集中が抑制される。その結果、異常放電が抑制され、集塵効率が向上する。
【0078】
なお、上記各実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0079】
以上説明したように、本発明は、帯電した塵埃を捕集する集塵装置について有用である。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】実施形態に係る空気清浄機の全体構成を示す概略斜視図である。
【図2】実施形態に係る空気清浄機の全体構成を示す概略側面図である。
【図3】実施形態に係る集塵部の集塵電極および高圧電極を示す斜視図である。
【図4】実施形態に係る集塵部の集塵電極および高圧電極の一部を拡大して示す斜視図である。
【図5】実施形態1に係る集塵部の一部を拡大して示す縦断面図である。
【図6】実施形態1に係る集塵部の一部を拡大して示す正面図である。
【図7】図5の一部を拡大して示す縦断面図である。
【図8】図6のVIII−VIII線における断面図である。
【図9】実施形態1の変形例に係る集塵部の一部を拡大して示す縦断面図である。
【図10】実施形態2に係る集塵部の一部を拡大して示す縦断面図である。
【図11】図10の一部を拡大して示す縦断面図である。
【図12】図11のXII−XII線における断面図である。
【図13】図11のXIII−XIII線における断面図である。
【図14】実施形態3に係る集塵部の集塵電極および高圧電極を示す斜視図である。
【図15】実施形態3に係る集塵部の一部を拡大して示す縦断面図である。
【図16】実施形態3に係る集塵電極の横仕切部および突起部を示す平面図である。
【図17】実施形態3に係る集塵電極の縦仕切部を示す平面図である。
【図18】図16のA部を拡大して示す平面図である。
【図19】図16のB部およびC部を拡大して示す平面図である。
【図20】折り返し端部のめくり上がりを説明するための平面図である。
【符号の説明】
【0081】
10 空気清浄機(集塵装置)
23 空気通路
40 集塵電極(第1電極)
41 基台部
42 突起部
46 通風孔
50 高圧電極(第2電極)
51 基台部
52 突起部
56 通風孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気通路(23)に互いに対向するように配置される一対の電極(40,50)を備え、該両電極(40,50)の間に空気中の帯電した塵埃を捕集するための電界を形成する集塵装置であって、
上記電極(40,50)の少なくとも一方は、導電性樹脂製の樹脂電極で構成され、その端部に面取りが施されている
ことを特徴とする集塵装置。
【請求項2】
請求項1において、
上記一対の電極(40,50)は、空気が流れる多数の通風孔(46)が形成された格子構造の基台部(41)と、該基台部(41)から通風孔(46)の軸方向に延びる突起部(42)とを有すると共に上記樹脂電極を構成する第1電極(40)と、空気が流れる多数の通風孔(56)が形成された格子構造の基台部(51)を有する第2電極(50)とで構成され、上記第1電極(40)の突起部(42)が上記第2電極(50)の通風孔(56)に挿通されるように対向して配置され、
少なくとも上記第1電極(40)の突起部(42)の端部に面取りが施されている
ことを特徴とする集塵装置。
【請求項3】
請求項2において、
上記第2電極(50)は、導電性樹脂製の樹脂電極で構成され、
上記第2電極(50)の基台部(51)は、通風孔(56)の軸方向における端部に面取りが施されている
ことを特徴とする集塵装置。
【請求項4】
請求項2において、
上記第2電極(50)は、基台部(51)から通風孔(56)の軸方向に延びる板状の突起部(52)を有すると共に、金属製の金属電極で構成され、
上記一対の電極(40,50)は、各突起部(42,52)が相対する電極(40,50)の通風孔(46,56)に挿通されるように配置され、
上記第2電極(50)の基台部(51)および突起部(52)の少なくとも一方は、端部が折り返されている
ことを特徴とする集塵装置。
【請求項5】
請求項2において、
上記第2電極(50)は、基台部(51)から通風孔(56)の軸方向に延びる板状の突起部(52)を有すると共に、金属製の金属電極で構成され、
上記一対の電極(40,50)は、各突起部(42,52)が相対する電極(40,50)の通風孔(46,56)に挿通されるように配置され、
上記第2電極(50)の基台部(51)および突起部(52)の少なくとも一方は、端部に研磨処理が施されている
ことを特徴とする集塵装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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