説明

難燃性の放射線硬化性組成物

本発明は、放射線硬化性成分を含むと共に、異なる化合物群に属する少なくとも2つの難燃剤を含む放射線硬化性組成物と、3次元難燃性物品の製造方法と、ラピッドプロトタイピング手段によって製造され、難燃性UL−94−V0試験に合格する3次元物品とに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、難燃性の放射線硬化性組成物、難燃性の放射線硬化性組成物から物品を製造する方法、および難燃性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
難燃性の放射線硬化性組成物は、当該技術分野において知られている。例えば、米国特許第4,970,135号明細書は、プリント回路基板の製造においてソルダーレジストとして使用される難燃性組成物を開示している。該組成物は、組成物全体の中の臭素の含量が0.5〜28重量%の範囲であるような量で、アクリレートおよび臭素含有難燃剤を含有する。米国特許第6,323,253号明細書は、難燃特性を有するUV硬化性シリコーン組成物について記載している。難燃性成分は、アルミナ水和物と、遷移金属の有機配位子錯体または遷移金属のオルガノシロキサン配位子錯体もしくはこれらの組み合わせとの組み合わせである。
【0003】
ラピッドプロトタイピングを用いて難燃性3次元物品を製造するために使用することができる光硬化性組成物は知られていない。ラピッドプロトタイピング産業のための市販の液体光学的立体造形(SL)樹脂は、現在、柔軟性のある熱可塑性樹脂から剛性複合体までの広範囲の製造用材料の性能パラメータをシミュレートする部品を生じることができる。現在の樹脂開発における主な焦点は、フォトスピード、精度、外観などのその他の要件を満足させながら、依然として機械特性の改善に置かれている。改善された熱特性および機械特性では、SL樹脂は、様々な商業分野において増大する用途を見出しており、そして高温または高圧を含む最終用途の条件下で機能性試験をするための部品を提供している。機能特性を提供することのほかに、現在の傾向は、完全に機能性試験をするために適切な強固で耐久性のある材料の開発、および短期の生産工程、またはさらに高速の製造に向けられている。しかしながら、市販のSL樹脂は、電子、自動車、航空宇宙、およびその他の産業で規制されるような難燃性要件を満たす部品の提供が可能であることは知られていない。これは、主な反応成分としてアクリレート、エポキシ、ビニルエーテル、オキセタンモノマーおよびオリゴマーもしくはこれらの組み合わせからなる典型的な光学的立体造形樹脂が、高温で揮発性の燃えやすい生成物に分解するために本質的に可燃性が高いからである。SL部品の可燃性は危険であり、その用途は制限され得る。従って、所望の難燃性を有するSL樹脂、すなわち、UL94V0の厳しい可燃性の評価を満たし、良好な光硬化性および機械特性を有するSL樹脂は、プロトタイピングのためだけでなく機能性試験用途および短い生産工程のための正確な部品を模索する顧客に解決法を提供するであろう。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、難燃性である3次元物体を製造するのに適切な放射線硬化性組成物を提供する。好ましくは、本発明の放射線硬化性組成物は、少なくとも2つの難燃薬剤または難燃剤を含み、該難燃剤は異なる化合物群に属する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
光学的立体造形産業において、光硬化性樹脂は、系内に存在する重合性の活性種によって、3つのカテゴリーに分類することができる。これらは、フリーラジカル重合性組成物と、カチオン重合性組成物と、現在広く使用されているフリーラジカルおよびカチオンデュアル硬化ハイブリッド樹脂組成物とである。本発明では、放射線硬化性組成物は、カチオン硬化性成分、カチオン光開始剤、ラジカル硬化性成分、ラジカル光開始剤、ならびに例えばヒドロキシ官能性成分、充填剤、および添加剤のような更なる成分を含有することができる。1つの実施形態では、本発明の組成物は、フリーラジカル重合性成分を含有する。もう1つの実施形態では、本発明の組成物は、カチオン重合性成分を含有する。好ましくは、本発明の組成物は、良好なフォトスピードを有する樹脂と、優れた精度および機械特性を有する物品とを提供するために、カチオン重合性成分およびラジカル重合性成分の両方を含有する。
【0006】
A)カチオン硬化性成分
本発明の組成物は、少なくとも1つのカチオン硬化性成分、例えば、少なくとも1つの環状エーテル成分、環状ラクトン成分、環状アセタール成分、環状チオエーテル成分、スピロオルトエステル成分、エポキシ官能性成分、ビニルエーテル成分、および/またはオキセタン官能性成分を含むことができる。好ましくは、本発明の組成物は、エポキシ官能性成分およびオキセタン官能性成分からなる群から選択される少なくとも1つの成分を含む。好ましくは、組成物は、少なくとも20重量%、例えば少なくとも40重量%〜少なくとも60重量%のカチオン硬化性成分を含む。一般に、組成物は、99重量%未満、例えば90重量%未満または80重量%未満のカチオン硬化性成分を含む。
【0007】
成分の重量%は、他に指定されない限りは明細書全体を通して、組成物の有機部分の重量に対する成分の重量と定義される。組成物の有機部分は、例えばシリカのような無機充填剤を除いて、モノマー、ポリマー、難燃剤および添加剤のような有機材料を含む。有機材料で表面処理されて少量の有機基を含む無機材料は、無機充填剤であると考えられる。
【0008】
(A1)エポキシ官能性成分
本発明の組成物は、好ましくは、少なくとも1つのエポキシ官能性成分、例えば芳香族エポキシ官能性成分(「芳香族エポキシ」)および/または脂肪族エポキシ官能性成分(「脂肪族エポキシ」)を含む。エポキシ官能性成分は、1つまたは複数のエポキシ基、すなわち式(1)
【化1】


に従う1つまたは複数の3員環構造(オキシラン)を含む成分である。
【0009】
(A1−i)芳香族エポキシ
芳香族エポキシは、1つまたは複数のエポキシ基および1つまたは複数の芳香環を含む成分である。組成物は、1つまたは複数の芳香族エポキシを含むことができる。
【0010】
芳香族エポキシの例としては、ポリフェノール、例えば、ビスフェノールA(4,4’−イソプロピリデンジフェノール)、ビスフェノールF(ビス[4−ヒドロキシフェニル]メタン)、ビスフェノールS(4,4’−スルホニルジフェノール)、4,4’−シクロヘキシリデンビスフェノール、4,4’−ビフェノール、または4,4’−(9−フルオレニリデン)ジフェノールなどのビスフェノールから誘導される芳香族エポキシがあげられる。ビスフェノールは、アルコキシ化(例えば、エトキシ化および/またはプロポキシ化)および/またはハロゲン化(例えば、臭素化)されてもよい。ビスフェノールエポキシの例としては、ビスフェノールジグリシジルエーテルがある。
【0011】
芳香族エポキシの更なる例としては、トリフェニロールメタントリグリシジルエーテル、1,1,1−トリス(p−ヒドロキシフェニル)エタントリグリシジルエーテル、およびモノフェノール、例えばレゾルシノール(例えば、レゾルシンジグリシジルエーテル)またはヒドロキノン(例えば、ヒドロキノンジグリシジルエーテル)から誘導される芳香族エポキシがあげられる。もう1つの例は、ノニルフェニルグリシジルエーテルである。
【0012】
更に、芳香族エポキシの例として、エポキシノボラック、例えばフェノールエポキシノボラック、およびクレゾールエポキシノボラックがあげられる。クレゾールエポキシノボラックの市販の例には、例えば、大日本インキ化学工業株式会社(Dainippon Ink and Chemicals,Inc.)により製造されるエピクロン(EPICLON)N−660、N−665、N−667、N−670、N−673、N−680、N−690、およびN−695が含まれる。フェノールエポキシノボラックの例には、例えば、大日本インキ化学工業株式会社により製造されるエピクロンN−740、N−770、N−775、およびN−865が含まれる。また、ナフタレンジオールエポキシ樹脂、例えば、エピクロンHP−4032、およびEXA−4700、フェノール−ジシクロペンタジエングリシジルエーテル(すなわち、エピクロンHP−7200)、ならびにtert−ブチル−カテコールエポキシ樹脂(すなわち、エピクロンHP−820)も、大日本インキ化学工業株式会社から入手可能である。その他のナフチルエポキシ樹脂には、例えば、(1−ナフチルオキシメチル)オキシラン、および(2−ナフチルオキシメチル)オキシランが含まれる。
【0013】
本発明の1つの実施形態では、本発明の組成物は、少なくとも10重量%の1つまたは複数の芳香族エポキシを含むことができる。
【0014】
(A1−ii)脂肪族エポキシ
脂肪族エポキシは、1つまたは複数のエポキシ基を含み、芳香環を持たない成分である。組成物は、1つまたは複数の脂肪族エポキシを含むことができる。
【0015】
脂肪族エポキシの例としては、C〜C30アルキルのグリシジルエーテルと、C〜C30アルキルの1,2エポキシと、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、ジブロモネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ポリテトラメチレンオキシド、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、グリセロール、ならびにアルコキシ化脂肪族アルコールおよびポリオールなどの脂肪族アルコールおよびポリオールのモノおよびマルチグリシジルエーテルとがあげられる。
【0016】
1つの実施形態では、脂肪族エポキシは、1つまたは複数の脂環式の環構造を含むことが好ましい。例えば、脂肪族エポキシは、1つまたは複数のシクロヘキセンオキシド構造、例えば2つのシクロヘキセンオキシド構造を有することができる。環構造を含む脂肪族エポキシの例としては、水素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水素化ビスフェノールFジグリシジルエーテル、水素化ビスフェノールSジグリシジルエーテル、ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)メタンジグリシジルエーテル、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンジグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、ジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)ヘキサンジオアート、ジ(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)ヘキサンジオアート、エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、エタンジオールジ(3、4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、および2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−1,3−ジオキサンがあげられる。
【0017】
また、脂肪族エポキシの例は、米国特許第6,410,127号明細書にも記載されており、参照によってその全体が本明細書に援用される。
【0018】
(A2)オキセタン官能性成分
本発明の組成物は、1つまたは複数のオキセタン官能性成分(「オキセタン」)を含むことができる。オキセタンは、1つまたは複数のオキセタン基、すなわち式(5)
【化2】


に従う1つまたは複数の4員環構造を含む成分である。
【0019】
オキセタンの例としては、以下の式(6)
【化3】


で表される成分があり、式中、Qは、水素原子、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基(メチル、エチル、プロピル、またはブチル基など)、1〜6個の炭素原子を有するフルオロアルキル基、アリル基、アリール基、フリル基、またはチエニル基を表す。Qは、1〜6個の炭素原子を有するアルキレン基(メチレン、エチレン、プロピレン、またはブチレン基など)、もしくはエーテル結合を含有するアルキレン基、例えばオキシエチレン、オキシプロピレン、またはオキシブチレン基などのオキシアルキレン基を表す。Zは、酸素原子または硫黄原子を表す。そして、Rは、水素原子、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、またはブチル基)、2〜6個の炭素原子を有するアルケニル基(例えば、1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、または3−ブテニル基)、6〜18個の炭素原子を有するアリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラニル基、またはフェナントリル基)、7〜18個の炭素原子を有する置換または非置換のアラルキル基(例えば、ベンジル基、フルオロベンジル基、メトキシベンジル基、フェネチル基、スチリル基、シンナミル基、エトキシベンジル基)、アリールオキシアルキル基(例えば、フェノキシメチル基またはフェノキシエチル基)、2〜6個の炭素原子を有するアルキルカルボニル基(例えば、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基、またはブチルカルボニル基)、2〜6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基(例えば、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、またはブトキシカルボニル基)、2〜6個の炭素原子を有するN−アルキルカルバモイル基(例えば、エチルカルバモイル基、プロピルカルバモイル基、ブチルカルバモイル基、またはペンチルカルバモイル基)、もしくは2〜1000個の炭素原子を有するポリエーテル基を表す。
【0020】
(B)カチオン光開始剤
本発明の組成物は、1つまたは複数のカチオン光開始剤、すなわち化学放射線に露光されたときにカチオンを形成して、エポキシまたはオキセタンなどのカチオン重合性成分の反応を開始させることができる光開始剤を含むことができる。
【0021】
カチオン光開始剤の例としては、例えば、弱い求核性のアニオンを有するオニウム塩がある。例としては、欧州特許出願公開第153904号明細書および国際公開第98/28663号パンフレットに記載されるようなハロニウム塩、ヨードシル塩またはスルホニウム塩、例えば欧州特許出願公開第35969号明細書、同第44274号明細書、同第54509号明細書、および同第164314号明細書に記載されるようなスルホキソニウム塩、あるいは例えば米国特許第3,708,296号明細書および米国特許第5,002,856号明細書に記載されるようなジアゾニウム塩があげられる。これらの8つの開示は全て、参照によってその全体が本明細書に援用される。カチオン光開始剤のその他の例には、例えば欧州特許出願公開第94914号明細書および同第94915号明細書に記載されるようなメタロセン塩が含まれ、これらの出願はいずれも参照によってその全体が本明細書に援用される。
【0022】
1つの実施形態では、本発明の組成物は、以下の式(7)または(8)
【化4】


【化5】


で表される1つまたは複数の光開始剤を含む。式中、Qは、水素原子、1〜18個の炭素原子を有するアルキル基、または1〜18個の炭素原子を有するアルコキシル基を表す。Mは、金属原子、例えばアンチモンを表す。Zは、ハロゲン原子、例えばフッ素を表す。そして、tは金属の価数であり、例えばアンチモンの場合には5である。
【0023】
1つの実施形態では、本発明の組成物は、0.1〜15重量%、例えば1〜10重量%の1つまたは複数のカチオン光開始剤を含む。
【0024】
(C)フリーラジカル重合性成分
本発明は、1つまたは複数のフリーラジカル硬化性成分、例えば、(メタ)アクリレート(すなわち、アクリレートおよび/またはメタクリレート)官能性成分などの1つまたは複数のエチレン性不飽和基を有する1つまたは複数のフリーラジカル重合性成分を含むことができる。
【0025】
単官能性のエチレン性不飽和成分の例としては、アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、7−アミノ−3,7−ジメチルオクチル(メタ)アクリレート、イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、イソボルニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、エチルジエチレングリコール(メタ)アクリレート、t−オクチル(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエン(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミドテトラクロロフェニル(メタ)アクリレート、2−テトラクロロフェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、テトラブロモフェニル(メタ)アクリレート、2−テトラブロモフェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−トリクロロフェノキシエチル(メタ)アクリレート、トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、2−トリブロモフェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ビニルカプロラクタム、N−ビニルピロリドン、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、ペンタクロロフェニル(メタ)アクリレート、ペンタブロモフェニル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、およびメチルトリエチレンジグリコール(メタ)アクリレートがあげられる。
【0026】
多官能性のエチレン性不飽和成分の例としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジイルジメチレンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルの両末端(メタ)アクリル酸付加体、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリレート官能性ペンタエリトリトール誘導体(例えば、ペンタエリトリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールペンタ(メタ)アクリレート、またはジペンタエリトリトールテトラ(メタ)アクリレート)、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エトキシ化水素化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化変性水素化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、およびエトキシ化ビスフェノールFジ(メタ)アクリレートがあげられる。
【0027】
1つの実施形態では、本発明の組成物は、少なくとも3個の(メタ)アクリレート基、例えば3〜6個の(メタ)アクリレート基または5〜6個の(メタ)アクリレート基を有する1つまたは複数の成分を含む。
【0028】
存在する場合、組成物は、少なくとも3重量%、例えば少なくとも5重量%または少なくとも9重量%の1つまたは複数のフリーラジカル重合性成分を含むことができる。一般に、組成物は、80重量%未満、例えば70重量%未満、60重量%未満、50重量%未満、35重量%未満または25重量%未満のフリーラジカル重合性成分を含む。
【0029】
(D)フリーラジカル光開始剤
組成物は、1つまたは複数のフリーラジカル光開始剤を用いることができる。フリーラジカル光開始剤の例としては、ベンゾフェノン類(例えば、ベンゾフェノン、アルキル置換ベンゾフェノン、またはアルコキシ置換ベンゾフェノン)と、ベンゾイン類、例えばベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、およびベンゾインイソプロピルエーテルなどのベンゾインエーテル、ベンゾインフェニルエーテル、ならびにベンゾインアセタートと、アセトフェノン、2,2−ジメトキシアセトフェノン、4−(フェニルチオ)アセトフェノン、および1,1−ジクロロアセトフェノンなどのアセトフェノン類と、ベンジル、ベンジルジメチルケタールおよびベンジルジエチルケタールなどのベンジルケタールと、2−メチアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、および2−アミルアントラキノンなどのアントラキノンと、トリフェニルホスフィンと、例えば2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドなどのベンゾイルホスフィンオキシドと、チオキサントンおよびキサントン、アクリジン誘導体、フェナゼン誘導体、キノキサリン誘導体、またはl−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−O−ベンゾイルオキシム、l−アミノフェニルケトンまたはl−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、フェニル(1−ヒドロキシイソプロピル)ケトンおよび4−イソプロピルフェニル(1−ヒドロキシイソプロピル)ケトンなどのl−ヒドロキシフェニルケトン、もしくはトリアジン化合物、例えば4’”−メチルチオフェニル−1−ジ(トリクロロメチル)−3,5−S−トリアジン、S−トリアジン−2−(スチルベン)−4,6−ビストリクロロメチル、およびパラメトキシスチリルトリアジンがあげられる。
【0030】
更に適切なフリーラジカル光開始剤としては、化学放射線を吸収し、フリーラジカルを生成して、アクリレートの重合を開始させることができるイオン性染料−対イオン化合物がある。例えば、欧州特許出願公開223587号明細書ならびに米国特許第4,751,102号明細書、米国特許第4,772,530号明細書および米国特許第4,772,541号明細書が参照され、これらの4つは全て、参照によってその全体が本明細書に援用される。
【0031】
1つの実施形態では、本発明の組成物は、0.1〜15重量%、例えば1〜10重量%の1つまたは複数のフリーラジカル光開始剤を含む。
【0032】
(E)難燃薬剤または難燃剤
難燃剤は、ポリマーの難燃特性を高めるために高分子材料に添加される。難燃剤は、様々な種類に分類することができる。このような難燃剤の様々な種類の例としては、(1)ハロゲン化難燃剤、すなわち塩素または臭素原子を含有する成分と、(2)例えば有機リン難燃剤のようなP含有難燃剤と、(3)例えばメラミン系またはイソシアヌレート系製品などの窒素含有難燃剤と、(4)アルミニウム三水和物(ATH)、水酸化マグネシウム(MDH)、ホウ酸亜鉛、ポリリン酸アンモニウム、赤リンなどの無機難燃剤とがある。いくつかの難燃剤は、例えば臭素含有リン酸エステルなどのようにハロゲンおよびリンの両方を含有し得る。あるいは、例えばトリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレートなどのようにハロゲンおよび窒素の両方を含有し得る。難燃剤は、組成物中の他の成分との反応に関与して、ポリマー分子内に化学的に組み込むことができるかどうかによって、反応型または付加型のいずれかであり得る。更に、酸化アンチモンは、相乗剤として、ハロゲン化難燃剤と一緒に広く使用されている。
【0033】
本発明の組成物は、難燃剤を含有する。放射線硬化性組成物で造られた物品のための厳しいUL94の垂直燃焼試験に合格するためには、難燃剤を比較的多く含むことが必要であることが分かっている。このような多量の難燃剤の添加は、組成物の硬化特性を妨害し得る(硬化速度または光の浸透深度の低下のように)。あるいは、硬化物品または3次元物体の熱特性および機械特性に対して逆効果を生じ得る。驚くことに、放射線硬化性組成物において、少なくとも2つの異なる難燃剤の種類に由来する少なくとも2つの異なる難燃剤の組み合わせは、難燃性物品を与えることが分かった。驚くことに、難燃剤のレベルは、実質的に、単一のタイプの難燃剤の使用と比較して、組成物の硬化特性または硬化物体の特性のいずれをも妨害しないレベルまで低減され得る。
【0034】
好ましくは、難燃剤は、臭素化化合物、P含有化合物(有機リン化合物のような)および水酸化アルミニウムからなる群から選択される。
【0035】
本発明の1つの好ましい実施形態では、組成物は、少なくとも1つの臭素含有難燃剤および少なくとも1つのP含有難燃剤を含み、BrおよびP含有難燃剤の量は、式
5≦[P]+0.25[Br]≦10
により定義される。式中、[P]は、樹脂組成物の有機部分における(元素)リンの重量%であり、[Br]は、樹脂組成物の有機部分における(元素)Brの重量%であり、そして[P]>0.1重量%である。好ましくは、[P]は>0.2重量%である。
【0036】
より好ましくは、難燃剤の量は、
5≦[P]+0.25[Br]≦8、
で定義され、式中、[P]、[Br]は上記で定義された意味を有し、そして[P]>0.25重量%である。
【0037】
本発明のもう1つの好ましい実施形態では、組成物は、少なくとも1つの臭素含有難燃剤および水酸化アルミニウム(すなわち、アルミナ水和物、ATH)を含み、樹脂組成物中の約30〜50重量%のATHと組み合わせられて、樹脂組成物の有機部分における(元素)臭素の重量%は5〜30重量%である。
【0038】
E(1)ハロゲン化難燃剤
市販されているハロゲン(臭素および塩素)含有エポキシ樹脂およびオリゴマーの例としては、(ブロモメチル)オキシラン、1,2−ジブロモプロピルグリシジルエーテル、2,6−ジブロモ−4−tert−ブチルフェニル2,3−エポキシプロピルエーテル、2,2−ビス(ブロモメチル)−1,3−プロパンジオールジグリシジルエーテル、2,4,6−トリブロモ−3−sec−ブチルフェニル2,3−エポキシプロピルエーテル、2,6−ジブロモ−4−イソプロピルフェニル2,3−エポキシプロピルエーテル、4−ブロモフェニルグリシジルエーテル、2−ブロモフェニルグリシジルエーテル、ジブロモフェニルグリシジルエーテル、2,6−ジブロモフェノールグリシジルエーテル、ジブロモクレジルグリシジルエーテル、[(3,5−ジブロモ−2−メチルフェノキシ)メチル]オキシラン、2,6−ジブロモ−4−メチルフェニルグリシジルエーテル、2,4−ジブロモ−6−メチルフェニルグリシジルエーテル、ジブロモ−p−クレジルグリシジルエーテル、ジブロモ−o−クレジルグリシジルエーテル、[(2,4−ジブロモ−5−メチルフェノキシ)メチル]オキシラン、[(2,4,6−トリブロモフェノキシ)メチル]オキシラン、ビス(2,3−エポキシプロピル)3,4,5,6−テトラブロモフタレート、テトラブロモビスフェノールA−テトラブロモビスフェノールA−ジグリシジル−エーテルオリゴマー、テトラブロモビスフェノールAジグリシジルエーテル、2,2−ビス(4−グリシジルオキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパンポリマー、テトラブロモビスフェノールA−エピクロロヒドリンポリマー、2,2’−[(1−メチルエチリデン)ビス[(3,5−ジブロモ−4,1−フェニレン)オキシメチレン]]ビスオキシラン、テトラブロモビスフェノールA−ビスフェノールA−エピクロロヒドリンオリゴマー、ならびに臭素化エポキシプレポリマーおよびオリゴマーがあげられる。
【0039】
ハロゲン化オキセタンの例としては、3,3−ビス(ブロモメチル)オキセタン、ジブロモオキセタン、3−(ブロモメチル)−3−メチルオキセタン、3,3−ビス(クロロメチル)オキセタンがあげられる。
【0040】
ハロゲン含有アルコールおよびフェノールの例としては、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモフタル酸ジエステル/エーテルジオール、テトラブロモビスフェノールAビス(2−ヒドロキシエチルオキシド)、2,2−ビス(ブロモメチル)−1,3−プロパンジオール、2,2,6,6−テトラキス(ブロモメチル)−4−オキサヘプタン−1,7−ジオール、2,3−ジブロモ−1−プロパノール、2,3−ジブロモ−2−ブテン−1,4−ジオール、2,2,2−トリス(ブロモメチル)エタノール、トリブロモネオペンチルアルコール、2,4,6−トリブロモフェノール、ペンタブロモフェノール、2,4−ジブロモフェノール、テトラブロモビスフェノールS、4,4’−メチレンビス[2,6−ジブロモフェノール]、2,3,5,6−テトラブロモ−1,4−ベンゼンジメタノールがあげられる。
【0041】
ハロゲン含有アクリレートおよびメタクリレートの例としては、2,2−ビス(ブロモメチル)−1,3−プロパンジイルジアクリレート、ジブロモネオペンチルグリコールジメタクリレート、テトラブロモビスフェノールAジアクリレート、テトラブロモビスフェノールAモノメタクリレート、テトラブロモビスフェノールAビス(2−ヒドロキシエチル)エーテルビスアクリレート、(テトラブロモ−1,4−フェニレン)ビスメチレンジアクリレート、(1−メチルエチリデン)ビス(2,6−ジブロモ−4,1−フェニレン)ビスメタクリレート、ペンタブロモフェニルメタクリレート、ペンタブロモベンジルアクリレート、2,4,6−トリブロモフェニルメタクリレート、トリブロモフェニルメタクリレート、2−(トリブロモフェノキシ)エチルメタクリレート、2−(2,4,6−トリブロモフェノキシ)エチルアクリレート、2,4,6−トリブロモフェニルアクリレート、2−[2−(2,4,6−トリブロモフェノキシ)エトキシ]エチルメタクリレートなどがあげられる。
【0042】
エチレン性不飽和ハロゲン含有化合物の更なる例としては、臭化ビニル、4−ブロモスチレン、2,3,4,5,6−ペンタブロモスチレン、テトラブロモビスフェノールAジアリルエーテル、トリブロモフェニルアリルエーテル、ペンタブロモフェニルアリルエーテル、テトラブロモビスフェノールSジアリルエーテル、およびジアリルテトラブロモフタレートがあげられる。
【0043】
ハロゲン化難燃剤の例としては、テトラブロモシクロオクタン、ジブロモエチルジブロモシクロヘキサン、ヘキサブロモシクロドデカン、1,2,5,6,9,10−ヘキサブロモシクロドデカン、テトラブロモブタン、トリブロモジフェニルエーテル、テトラブロモジフェニルエーテル、ペンタブロモエチルベンゼン、ペンタブロモトルエン、ペンタブロモジフェニルエーテル、ヘキサブロモジフェニルエーテル、オクタブロモジフェニルエーテル、デカブロモジフェニルエーテル、デカブロモジフェニルエタン、ビス(トリブロモフェノキシ)エタン、ビス(トリブロモフェノキシ)エタン、デカブロモビフェニル、1,3−ビス(ペンタブロモフェノキシ)プロパン、1,6−ビス(ペンタブロモフェノキシ)ヘキサン、ペンタブロモ(テトラブロモフェノキシ)ベンゼン、テトラデカブロモジフェノキシベンゼン、1,2,4,5−テトラブロモ−3、6−ビス[(ペンタブロモフェノキシ)メチル]ベンゼン、ビス(ペンタブロモベンジル)テトラブロモテレフタレート、ペンタキス(ブロモメチル)ベンゼン、ビス(2,4,6−トリブロモフェニル)カーボネート、テトラブロモビスフェノールAビス(2,3−ジブロモプロピル)オキシド、テトラブロモビスフェノールAジメチルエーテル、テトラブロモ無水フタル酸、トリブロモフェニルマレイミド、エチレンビス(テトラブロモフタルイミド)、テトラブロモフタルイミド、エチレンビス(ジブロモノルボルナンジカルボキシイミド)、テトラブロモビスフェノールSビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)、テトラブロモフタル酸ジナトリウム、塩素化パラフィン、ならびにテトラブロモビスフェノールAベースのカーボネートおよびエポキシオリゴマー、プレポリマー、およびコポリマー誘導体があげられる。このようなテトラブロモビスフェノールAベースのポリマーの例としては、エピクロロヒドリン−テトラブロモビスフェノールA−2,4,6−トリブロモフェノールコポリマー、テトラブロモビスフェノールA−オキシランポリマー、1−クロロ−2,3−エポキシプロパンおよびポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートとのテトラブロモビスフェノールAオリゴマー反応生成物、エチレンジブロミド−テトラブロモビスフェノールAコポリマー、ビスフェノールA−ビスフェノールAジグリシジルエーテル−テトラブロモビスフェノールAコポリマー、ビスフェノールAジグリシジルエーテル−テトラブロモビスフェノールAコポリマー、テトラブロモビスフェノールA−ビスフェノールA−ホスゲンポリマー、テトラブロモビスフェノールAカーボネートオリゴマーおよびポリマー、テトラブロモビスフェノールAおよびフェノールを有する炭酸ジクロリドポリマー(carbonic dichloride polymer)、テトラブロモビスフェノールAおよびビス(2,4,6−トリブロモフェニル)を有する炭酸ジクロリドポリマー、ならびにテトラブロモビスフェノールA−4,4’−イソプロピリデンジフェノール−ホスゲンの重縮合物への2,4,6−トリブロモフェノールの縮合物があげられる。
【0044】
ハロゲン含有高分子難燃剤の更なる例としては、(クロロメチル)オキシランを有する2,4−ジブロモフェノールポリマー、ポリ(トリブロモフェニルアクリレート)、ポリ(ジブロモフェニレンオキシド)、ポリ(ペンタブロモベンジルアクリレート)、ポリジブロモスチレン、ポリ(ジブロモスチレン)、臭素化ポリスチレン、ポリトリブロモスチレン、臭素化ポリエーテルポリオール、テトラブロモビスフェノールAを有するメタノール末端炭酸ジクロリドポリマー、(クロロメチル)オキシランおよびテトラブロモビスフェノールAおよび2,2’−[(1−メチルエチリデン)ビス(4,1−フェニレンオキシメチレン)]ビス[オキシラン]を有する4−アミノベンゼンスルホンアミドポリマー、ペンタブロモ−N−(ペンタブロモフェニル)アニリン、臭素化1,3−ブタジエンホモポリマー、トリブロモフェノールでエンドキャップされた臭素化エポキシ樹脂、臭素化トリメチルフェニルインダン、1−クロロ−2,3−エポキシプロパンおよびアクリル酸とのテトラブロモビスフェノールAオリゴマー反応生成物、テトラブロモビスフェノールAおよびメタクリル酸とのエポキシフェノールノボラック樹脂反応生成物、(クロロメチル)オキシランおよびビスフェノールAおよびオキシランを有するテトラブロモビスフェノールAポリマー、α−ヒドロ−ω−ヒドロキシポリ[オキシ(メチル−1,2−エタンジイル)]およびビスフェノールAジグリシジルエーテルとの4,5,6,7−テトラブロモ−1,3−イソベンゾフランジオンポリマー、(クロロメチル)オキシランおよびブロモフェニルオキシラニルメチルエーテルを有するテトラブロモビスフェノールAポリマー、ジブロモネオペンチルグリコール−エピクロロヒドリンコポリマー、ならびに2,2−ビス(ブロモメチル)−1,3−プロパンジオールとのケイ酸テトラエチルエステル反応生成物があげられる。
【0045】
ハロゲンおよび窒素含有難燃剤の例としては、2,4,6−トリス(2,4,6−トリブロモフェノキシ)−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(2,3−ジブロモプロポキシ)−2,4,6−トリアジン、サイテックス(Saytex)8010登録商標品、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン−シアヌル酸クロリドコポリマー、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン−2,4,6−トリブロモフェノール−2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジン重縮合物、および1,3,5−トリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレートがあげられる。
【0046】
好ましくは、組成物は、臭素含有エポキシ樹脂/オリゴマー/プレポリマー、Br含有アクリレート/メタクリレート、Br含有ポリオールおよびポリフェノール、ならびに臭素化オキセタン、または上記の2つ以上の組み合わせからなる群からの難燃剤を含む。また好ましくは、ハロゲン含有難燃剤は、組成物中の他の有機原料と溶液を形成する。
【0047】
好ましくは、組成物は、組成物の有機部分の全重量に対して少なくとも5重量%、例えば少なくとも10重量%の、Br含有難燃剤からの(元素)Brを含む。一般に、組成物は、組成物の有機部分の全重量に対して40重量%未満、例えば30重量%未満、または25重量%未満の、Br含有難燃剤からのBrを含む。
【0048】
E(2)Pおよび/またはN含有難燃剤
市販のP含有難燃剤の例としては、アルキルおよびアリールホスフェート、ホスホネート、ホスフィネート、およびホスフィンオキシドがある。このような化合物の例としては、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシリルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、ジフェニルキシリルホスフェート、2−ビフェニルイルジフェニルホスフェート、ブチル化トリフェニルホスフェート、tert−ブチルフェニルジフェニルホスフェート、ビス−(tert−ブチルフェニル)フェニルホスフェート、トリス(tert−ブチルフェニル)ホスフェート、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフェート、イソプロピル化トリフェニルホスフェート、イソプロピル化トリフェニルホスフェート残基、イソプロピル化tert−ブチル化トリフェニルホスフェート、tert−ブチル化トリフェニルホスフェート、イソプロピルフェニルジフェニルホスフェート、ビス(イソプロピルフェニル)フェニルホスフェート、3,4−ジイソプロピルフェニルジフェニルホスフェート、トリス(イソプロピルフェニル)ホスフェート、(1−メチル−1−フェニルエチル)フェニルジフェニルホスフェート、ノニルフェニルジフェニルホスフェート、4−[4−ヒドロキシフェニル(プロパン−2,2−ジイル)]フェニルジフェニルホスフェート、4−ヒドロキシフェニルジフェニルホスフェート、レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)、ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)、ビス(ジトリル)イソプロピリデンジ−p−フェニレンビス(ホスフェート)、O,O,O’,O’−テトラキス(2,6−ジメチルフェニル)O,O’−m−フェニレンビスホスフェート、ジイソデシルフェニルホスフェート、ジブチルフェニルホスフェート、メチルジフェニルホスフェート、ブチルジフェニルホスフェート、2−エチルヘキシルジフェニルホスフェート、ジフェニルオクチルホスフェート、イソオクチルジフェニルホスフェート、ジフェニルイソデシルホスフェート、イソプロピルジフェニルホスフェート、ジフェニルラウリルホスフェート、テトラデシルジフェニルホスフェート、セチルジフェニルホスフェート、タール酸クレジリックジフェニルホスフェート(tar acids cresylic diphenyl phosphate)、ジフェニル2−(メタクリロイルオキシ)エチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリ(ブトキシエチル)ホスフェート、3−(ジメチルホスホノ)プロピオン酸メチロアミド(methyloamide)、ジメチルメチルホスホネート、ジエチルエチルホスホネート、ジメチルプロピルホスホネート、ジエチル[(ジエタノールアミノ)メチル]ホスホネート、ビス[(5−エチル−2−メチル−1,3,2−ジオキサホスホリナン−5−イル)メチル]メチルホスホネートP,P’−ジオキシド、(5−エチル−2−メチル−1,3,2−ジオキサホスホリナン−5−イル)メチルジメチルホスホネートP−オキシド、アルミニウムビス(4,4’,6,6’−テトラ−tert−ブチル−2,2’−メチレンジフェニルホスフェート)ヒドロキシド、ビス[p−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル]水素ホスフェート、ホスフィニリジントリメタノール、sec−ブチルビス(3−ヒドロキシプロピル)ホスフィンオキシド、トリス(3−ヒドロキシプロピル)ホスフィンオキシド、イソブチルビス(ヒドロキシプロピル)ホスフィンオキシド、イソブチルビス(ヒドロキシメチル)ホスフィンオキシド、トリフェニルホスフィンモノオキシド、およびトリス(2,3−エポキシプロピル)ホスフェートがあげられる。さらに、メラミンポリホスフェートも市販されている。
【0049】
また、窒素含有化合物も難燃剤としての用法を見出す。このような化合物の例としては、メラミンシアヌレート、1,3,5−トリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレート、1,3,5−トリグリシジルイソシアヌレート、1,3,5−トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、トリス(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレート、1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリイルトリ−2,1−エタンジイルトリアクリレート、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジアクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリメタクリレート、およびトリス(2−メタクリロイルオキシエチル)イソシアヌレートがあげられる。
【0050】
好ましくは、本発明の組成物は、熱安定性が高く、加水分解安定性の高いリン含有難燃剤を含有する。このようなP含有難燃剤の例としては、芳香族リン酸エステルおよび重リン酸エステルからなる群からのものがある。例えばヒドロキシル、オキセタン、エポキシ、メタクリレートまたはアクリレートなどの1つまたは複数の反応基を有するP含有難燃剤も好ましい。
【0051】
好ましくは、組成物は、組成物の有機部分の全重量に対して少なくとも0.1重量%、例えば少なくとも0.2重量%の、P含有難燃剤からの(元素)Pを含む。一般に、組成物は、組成物の有機部分の全重量に対して5重量%未満、例えば3.5重量%未満、例えば2.5重量%未満の、P含有難燃剤からのPを含む。
【0052】
E(3)無機難燃剤
無機難燃剤としては、アルミニウム三水和物(ATH)、水酸化マグネシウム(MDH)、ホウ酸亜鉛、APPポリリン酸アンモニウムなどの無機リン化合物、および赤リンがある。
【0053】
本発明の1つの実施形態では、組成物は、組成物の全重量に対して少なくとも20重量%、例えば少なくとも40重量%の無機難燃剤を含むことができる。一般に、組成物は、組成物の全重量に対して60重量%未満の無機難燃剤を含むことができる。
【0054】
E(4)2つの異なる種類に属する難燃剤
2つの異なる種類に属する難燃剤は、例えば、ハロゲン(好ましくは臭素)と、例えばホスフェート基におけるようなリン原子とを含む難燃剤である。
【0055】
市販のハロゲン(好ましくは臭素)およびリン含有難燃剤の例としては、トリス(ブロモクレジル)ホスフェート、トリス(4−ブロモ−3−メチルフェニル)ホスフェート、トリス(ジブロモフェニル)ホスフェート、トリス(2,4,6−トリブロモフェニル)ホスフェート、トリス(トリブロモフェニル)ホスフェート、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート、トリス(2−ブロモオクチル)ホスフェート、トリス(2−ブロモイソプロピル)ホスフェート、トリス(2−ブロモプロピル)ホスフェート、トリス(ブロモプロピル)ホスフェート、トリス(クロロブロモプロピル)ホスフェート、トリス(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェート、ビス(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェート、混合した3−ブロモ−2,2−ジメチルプロピルおよび2−ブロモエチルおよび2−クロロエチルリン酸エステル、P,P’−[2,2−ビス(ブロモメチル)プロパン−1,3−ジイル]−P,P’−ビス(2−ブロモ−3−クロロプロピル)−P、P−ビス(2,3−ジクロロプロピル)ビス(ホスフェート)、トリ(2−ブロモエチル)ホスフェート、臭素化クレジルジフェニルホスフェート、トリス(2−クロロ−1−メチルエチル)ホスフェート、トリス(2−クロロ−1−(クロロメチル)エチル)ホスフェート、テトラキス(2−クロロエチル)ジクロロイソペンチルジホスフェート、2,2’−[[2,2−ビス(クロロメチル)プロパン−1,3−ジイル]ビス(オキシ)]ビス[5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサホスホリナン]2,2’−ジオキシド、トリス[2−ブロモ−1−(クロロメチル)エチル]ホスフェート、ブロモエチルブロモペンチルクロロエチルホスフェート、ビス(1,3−ジクロロ−2−プロピル)3−クロロ−2,2−ジブロモメチル−1−プロピルホスフェート、トリス(2−ブロモ−3−クロロプロピル)ホスフェート、ビス(ブロモプロピル)クロロエチルホスフェート、1,2−ジブロモ−2,2−ジクロロエチルジメチルホスフェート、2−ブロモ−1−(クロロメチル)エチル3−ブロモ−2,2−ジメチルプロピル2−クロロ−1−(クロロメチル)エチルリン酸エステル、トリス(1−ブロモ−3−クロロプロピル)ホスフェート、2,4−ジブロモフェニルジフェニルホスフェート、o−クロロフェニルジフェニルホスフェートがあげられる。
【0056】
組成物は、組成物の有機部分の全重量に対して少なくとも5重量%、例えば少なくとも10重量%の、混合種類の難燃剤からのBrを含むことができる。一般に、組成物は、組成物の有機部分の全重量に対して40重量%未満、例えば30重量%未満、または25重量%未満の、混合種類の難燃剤からのBrを含む。好ましくは、混合種類の難燃剤は、良好な熱安定性および高い加水分解安定性を有する。このような難燃剤の例としては、ハロゲン化芳香族リン酸エステルおよび重リン酸エステルからなる群からのものがある。
【0057】
充填剤を用いて、組成物中の難燃剤の充填量を低減し、部品の質および強度を改善することができる。このような充填剤には、従来の充填剤およびナノメートルサイズの充填剤が含まれる。
【0058】
また本発明は、
(1)組成物の層を表面上にコーティングするステップと、
(2)前記層を化学放射線に像様露光して、像形成断面を形成するステップと、
(3)前記像形成断面上に、組成物の更なる層をコーティングするステップと、
(4)前記更なる層を化学放射線に像様露光して、更なる像形成断面を形成するステップと、
(5)ステップ(3)および(4)を、3次元物品を造るために十分な回数繰り返すステップと、
(6)任意選択的に、3次元物品をポストキュアするステップと、
を含む3次元物体の製造方法にも関し、該組成物は1つまたは複数の難燃剤を含み、該組成物は、長さ125mm、幅13mmおよび厚さ3.2mmのサイズを有する試験片に硬化されることが可能であり、UVポストキュア後の試験片はUL−94−V0耐燃性試験に合格する。
【0059】
また本発明は、3次元物体を製造するための、1つまたは複数の難燃剤を含む放射線硬化性組成物の使用にも関し、該物体は、難燃性UL−94−V0試験に合格する。
【0060】
本発明は、更に、ラピッドプロトタイピング手段により製造され、難燃性UL−94−V0試験に合格する3次元物品に関する。
【0061】
可燃性および/または燃焼性を測定するための標準試験は、アンダーライターズ・ラボラトリーズ(Underwriters Laboratories)UL94、「プラスチック材料の耐燃性試験(Test for Flammability of Plastic Materials)−−UL−94」(1997年7月29日)として知られており、その開示は、参照によって本明細書中に明示的に援用される。この試験では、材料は難燃性能に応じてV−0、V−1、またはV−2に分類される。
【0062】
本発明に従う特に望ましい材料はV−0分類に達するはずであるが、特定の調合物は、材料が意図される最終用途に応じて、より低レベル(V−1など)に分類されることもある。この試験の詳細と、試験条件下で本発明の範囲内にある硬化反応生成物の性能とは、以下の実施例において提供される。
【実施例】
【0063】
均質な混合物が得られるまで、固体有機原料の溶解を容易にするために室温または50〜60℃までの温度で約2時間〜1日間、機械的攪拌下で有機成分全てをプラスチック容器内に秤量することによって、放射線硬化性液体組成物を調製した。次に、部品を製作する前に、中間ペイントフィルタを用いて、液体混合物を光学的立体造形装置のバット(vat)内にろ過した。有機媒体に予め分散されたナノメートルサイズの粒子を含有する出発成分では、液体樹脂と同様に処理した。ほかに、最終組成物中にマイクロメートルサイズの無機成分が存在する場合には、部品を造るための良好な懸濁液が得られるまで、ろ過した液体樹脂を更に無機成分の中に混合した。この場合、組成物は、各バッチの試験部品を造る前後に粒子の沈降について検査し、必要であればバット内で優しく混ぜた。
【0064】
エポキシおよびアクリレートハイブリッド樹脂では表2および3(比較例)ならびに表4〜6(実施例)、そしてラジカル硬化性樹脂では表7に記載される成分(成分の量は重量部で記載される)を混合することによって、組成物を調製した。次に、このようにして調製した組成物を、以下に記載される試験方法に従って分析した。試験結果も表2〜7に記載される。
【0065】
試験方法
(a)引張強さ、ヤング率、および破断伸び
ラピッドプロトタイピング機において試験すべき150μmの厚さの組成物の層をまず連続的に像形成することにより製造した引張棒(「ドッグボーン」)を試験して、引張データを得た。引張棒の各断面層には、組成物を250μmの深さで重合させるのに十分な露光を与え、約100μmのオーバーキュアまたはエンゲージメントキュア(engagement cure)を提供して、すでにコーティングおよび露光された層への接着を保証した。354.7nmの紫外(UV)領域において発光するレーザーを用いて層を露光した。得られた引張棒/ドッグボーンは、長さ約150mmであり、約1cm×1cmの狭幅部分における断面を有した。ラピッドプロトタイピング機において引張棒を作製した後、引張棒を機械から取り出し、トリ(プロピレングリコール)メチルエーテル(「TPM」)またはプロピレンカーボネートのいずれか、そしてイソプロパノールで洗浄し、ポストキュア装置(3−Dシステムズ(Systems)により販売されている「PCA」、フィリップス(Phillips)TLK/05 40Wバルブを用いる10バルブユニット)内に置いた。PCA内で、室温において60分間のUV放射を受けさせることにより引張棒をポストキュアした。任意選択的に更に、PCA内でこの60分の後2時間、引張棒に、130℃または160℃の加熱ポストキュアを受けさせた。UVポストキュア引張棒の作製の1週間後、そしてUVおよび加熱ポストキュア棒では少なくとも1日後に、引張強さ、ヤング率、および破断伸びを決定するための引張試験を行った。引張試験は、室温および湿度を制御するための措置は行わず、棒を2日間平衡にしなかった点を除いて、参照によってその全体が本明細書に援用されるASTM D638に従って実行した。報告したデータは、3回の測定の平均である。
【0066】
(b)E10、D、およびE
光特性E(mJ/cm)、D(μm)、およびE10(mJ/cm)は、単一の波長または波長領域による露光に対する特定の調合物の光応答性(この場合、形成された層の厚さ)を表す。本発明の実施例および比較実験では、少なくとも20グラムの組成物を100mm直径のペトリ皿に注ぎ、約30℃および30%RHに平衡化させた。次に、約100〜140mWの集光されたレーザービームを用いて、ラインバイライン(line−by−line)式でサンプルを走査した。レーザー、3倍周波数YAGレーザー(frequency tripled YAG laser)は354.7nmの出力波長を有し、80KHzでパルス化された。約20mm×20mmの正方形パターンで露光を行った。ほぼ一定のレーザー力であるが様々な走査速度で6回の個々の露光を行った。各露光を構成する平行な走査線は、約50μm離して引いた。液体の表面に集光されたビームの直径、走査速度、レーザー力、および走査間隔の知識に基づいて、露光の合計mJ/cmを計算した。各正方形をペトリ皿の表面に約15分間浮遊させた。次に、正方形をふき取って、ミツトヨ(Mitutoyo)NTO25−8”Cばね加重のアブソリュート・デジマティック・キャリパー(Absolute Digimatic caliper)を用いて厚さの測定を行った。測定した厚さに対して露光の自然対数をプロットすると、最小二乗法によるフィットラインを引くことができる。D(μm)は、最小二乗法によるフィットラインの傾きである。E(mJ/cm)は、ラインのX軸交差点(Y=0)である。そして、E10は、約10ミル(254μm)の厚さの層を生成するのに必要なエネルギーである。一般に、E10の数が低いほど、組成物のフォトスピードが速い。
【0067】
(c)ガラス転移温度(Tg)
UVおよび加熱ポストキュアされた試験片を、引張棒の作製について上記で説明したのと同じようにして作製した。試験片の一部を室温でTAインストルメンツ(Instruments)TMA2940内に置いた。次に、試験片を60mL/分の窒素パージ下で室温以下から250℃まで3℃/分の傾斜で加熱した。温度に対する寸法の変化のグラフを生成し、熱膨張曲線の傾きの急激な変化からガラス転移温度を計算するTAインストルメント・ユニバーサル・アナリシス(Instrument Universal Analysis)V2.6Dソフトウェアを用いて分析した。
【0068】
(d)UL94
UV−ポストキュアされた引張棒の作製について上記で説明したのと同じようにして、20mm垂直燃焼試験のためのUL94試験片を作製した。試験片は、通常、長さ125mmおよび幅13mm、そして厚さが3.2mm、1.6mm、または0.8mmであった。材料をV−0、V−1またはV−2に分類するための垂直燃焼試験を、棒試験片の作製の少なくとも1日後に、室温および湿度を制御するための措置は行わず、棒を2日間平衡にしなかった点を除いて、参照によってその全体が本明細書に援用されるUL94に従って実行した。
【0069】
また、試験片の厚さも、試験結果の解釈のために重要である。より薄い試験片では、より厚い試験片よりもUL94垂直燃焼試験に合格するのがより困難である。それにもかかわらず、いくつかの組成物は、3.2mmより大きい厚さでUL94 V0と評価されたかもしれないが、本発明において開示される組成物から3.2mmより大きい厚さを有する試験片を作製および試験する試みはなされなかった。同様に、いくつかの組成物は、0.8mm未満の厚さでUL94 V0と評価されたかもしれないにもかかわらず、本発明において開示される組成物から0.8mm未満の厚さを有する試験片を作製および試験するための試みはなされなかった。
【0070】
本発明の特定の実施形態について記載したが、当業者にはその多くの変更が容易に明らかであることは理解されるであろう。従って、本発明は、特許請求の範囲の精神および範囲によってのみ限定されることが意図される。
【0071】
【表1】

【0072】
【表2】

【0073】
【表3】

【0074】
【表4】

【0075】
【表5】

【0076】
【表6】

【0077】
【表7】

【0078】
【表8】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線硬化性成分を含む放射線硬化性組成物であって、前記組成物が少なくとも2つの難燃剤を含み、前記難燃剤が異なる化合物群に属する組成物。
【請求項2】
前記組成物が、カチオン重合性成分およびラジカル重合性成分を含む請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記組成物が、20〜90重量%のカチオン硬化性成分を含む請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記組成物が、エポキシ官能性成分およびオキセタン官能性成分からなる群から選択される少なくとも1つの成分を含む請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記組成物が、3〜60重量%の1つまたは複数のフリーラジカル重合性成分を含む請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記組成物が、少なくとも3つの(メタ)アクリレート基を有する1つまたは複数の成分を含む請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記組成物が、0.1〜15重量%の1つまたは複数のフリーラジカル光開始剤と、0.1〜15重量%の1つまたは複数のカチオン光開始剤とを含む請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
前記難燃剤が、臭素化化合物、P含有化合物および水酸化アルミニウムからなる群から選択される請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記Br含有難燃剤が、臭素含有エポキシ樹脂/オリゴマー/プレポリマー、Br含有アクリレート/メタクリレート、Br含有ポリオールおよびポリフェノール、ならびに臭素化オキセタン、あるいは上記の2つ以上の組み合わせからなる群から選択される請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
ハロゲン含有難燃剤が、組成物中の他の有機原料と溶液を形成する請求項8または9に記載の組成物。
【請求項11】
前記組成物が、組成物の有機部分の全重量に対して5重量%〜30重量%の、前記Br含有難燃剤からの[Br]を含み、[Br]が、組成物の有機部分における(元素)Brの重量%である請求項8〜10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
前記リン含有難燃剤が、芳香族リン酸エステルおよび重リン酸エステルからなる群から選択される請求項8〜11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
前記P含有難燃剤が、ヒドロキシル、オキセタン、エポキシ、メタクリレートまたはアクリレートからなる群から選択される1つまたは複数の反応基を有する請求項8〜12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
前記組成物が、0.1重量%〜3.5重量%の、前記P含有難燃剤からの[P]を含み、[P]が前記樹脂組成物の有機部分における(元素)リンの重量%である請求項1〜13のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
前記組成物が、少なくとも1つの臭素含有難燃剤および少なくとも1つのP含有難燃剤を含み、それによりBrおよびP含有難燃剤の量が、式
5≦[P]+0.25[Br]≦10
(式中、[P]は前記樹脂組成物の有機部分における(元素)リンの重量%であり、[Br]は前記樹脂組成物の有機部分における(元素)Brの重量%であり、そして[P]>0.1重量%である)により定義される請求項1〜14のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項16】
[P]>0.2重量%である請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
前記組成物が、少なくとも1つの臭素含有難燃剤および少なくとも1つのP含有難燃剤を含み、それによりBrおよびP含有難燃剤の量が、式
5≦[P]+0.25[Br]≦8
(式中、[P]は前記樹脂組成物の有機部分における(元素)リンの重量%であり、[Br]は前記樹脂組成物の有機部分における(元素)Brの重量%であり、そして[P]>0.1重量%である)により定義される請求項1〜14のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項18】
[P]>0.25重量%である請求項17に記載の組成物。
【請求項19】
前記組成物が、20〜60重量%の無機難燃剤を含む請求項1〜18のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項20】
1)組成物の層を表面上にコーティングするステップと、
2)前記層を化学放射線に像様露光して、像形成断面を形成するステップと、
3)前記像形成断面上に、前記組成物の更なる層をコーティングするステップと、
4)前記更なる層を化学放射線に像様露光して、更なる像形成断面を形成するステップと、
5)ステップ(3)および(4)を、3次元物品を造るために十分な回数繰り返すステップと、
6)任意選択的に、前記3次元物品をポストキュアするステップと、
を含む3次元物体の製造方法であって、前記組成物が1つまたは複数の難燃剤を含み、前記組成物が、長さ125mm、幅13mmおよび厚さ3.2mmのサイズを有する試験片に硬化されることが可能であり、UVポストキュア後の前記試験片がUL−94−V0耐燃性試験に合格する方法。
【請求項21】
前記試験片が0.8mmの厚さを有する請求項20に記載の方法。
【請求項22】
(1)組成物の層を表面上にコーティングするステップと、
(2)前記層を化学放射線に像様露光して、像形成断面を形成するステップと、
(3)前記像形成断面上に、前記組成物の更なる層をコーティングするステップと、
(4)前記更なる層を化学放射線に像様露光して、更なる像形成断面を形成するステップと、
(5)ステップ(3)および(4)を、3次元物品を造るために十分な回数繰り返すステップと、
(6)任意選択的に、前記3次元物品をポストキュアするステップと、
を含む3次元物体の製造方法であって、前記組成物が請求項1〜19のいずれか一項に記載される方法。
【請求項23】
3次元物体を製造するための、1つまたは複数の難燃剤を含む放射線硬化性組成物の使用であって、長さ125mm、幅13mmおよび厚さ3.2mmのサイズを有する完全に硬化された試験片が、UL−94−V0耐燃性試験に合格する使用。
【請求項24】
ラピッドプロトタイピング手段によって製造され、難燃性UL−94−V0試験に合格する3次元物品。

【公表番号】特表2007−513234(P2007−513234A)
【公表日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−542516(P2006−542516)
【出願日】平成16年12月1日(2004.12.1)
【国際出願番号】PCT/NL2004/000834
【国際公開番号】WO2005/054330
【国際公開日】平成17年6月16日(2005.6.16)
【出願人】(503220392)ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ. (873)
【Fターム(参考)】