説明

難転ダルマの製造方法

【課題】
近年、目無しダルマの需要が落ち込み産地は構造不況となっている。これは最も多く使用されていた選挙時に、目的の達成が無いとの理由で廃棄する事が障害を持つ人達の心証を傷つけているからである。当選者1名に対し落選者数名という首長選に於いてはなおさらである。従来のものに形態を替え販路拡大を企画しても、顔書き10年と言われる位、高度な技術を要するため困難が伴う。

【解決手段】
技術の習得に日時を要する分野を補うため、産地より在庫品を仕入れ、剥離やヒビ割れを防ぐため南天の幹を使って「南天→難を転ずる」という替え言葉や効用を付加価値向上のため用いた。在来の置物型ダルマに重りを簡単に装着させる方法と材料部品の使用を考案して、困難に出合ったとき幸運に転ずるような形態と意味合いを持った起き上がり小法師的な南天ダルマを造った。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は従来の置物型ダルマ図1の付加価値を高める形状に手を加えると共に、縁起の良い材料を使用した製造の方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ダルマは縁起物として祝い事、願掛け、玩具、置物等に使われ親しまれている。
【0003】
近年、障害を持つ人たちの心証を傷つけるとの理由で選挙時に使われる目無しダルマの使用は激減している。このため産地では、販売量が減り構造不況となっている。
【0004】
【特許文献1】実願2003-2427
【特許文献2】実願2006-10262
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
顔描き10年と言われているようにダルマ特有の鶴の形状をした眉や、亀を連想さす口ヒゲ又は縁起文字等は高度な技術を有した者で無いと描くことが出来ない。
【0006】
このため、考案により創作品が出来ても商品化して販売することは、技術的に困難が伴う。

【課題を解決するための手段】
【0007】
産地より同規格のものを大量に仕入れると値引き、運賃、包装等で個々の値段は低く抑えることができる。分業によって技術の習得に日時を要する分野を補い、付加価値を高め、販売量の拡大と利ざやを稼げるような企画を立てる。
【0008】
厄除けに特化したダルマを企画した。困難に出会ったとき、幸運に転ずるお守りとして、また、心の支えとして役立つような形態と意味合いを持った起き上がり小法師的な南天ダルマを造った図6。
【0009】
重りの材料の1部として使われる南天は、昔よりしなやかで粘り強く折れにくく、実は赤いため、疱瘡、病魔を払い、難を逃れるためトイレ付近によく植えられている。したがって、割り加工が容易な竹で代替しても、接着強度、曲げ加工など確保できても「難を転ずる→南天」の意味や効用まで代替することは出来ない。

【0010】
難転ダルマに使う南天は、従来の置物型ダルマ図1に重りを接着させることについて、剥離を防ぐ骨組南天1と重り材料の混合にスサ替わりとしてつなぎの役割をする練りこみ南天2の2つに使い分ける。

【0011】
従来の置物型ダルマに仕上がった状態に、さらに重しをつけ起き上がり小法師的に改善するのであるから、剥離、ヒビ割れ等が絶対あってはならない。重り加工で隠れる部分にドリル穴3をあけ、南天の幹を細く割り、穴に挿し込みホットメルト接着剤4で骨組接着する図2。
【0012】
ダルマの底部の重り部分10にネジ5を一定の深さにねじ込む。このネジ5は石膏ボード用として使われるプラスチック製の(商品名=エビモンゴGLアンカー)ネジで重りの厚さを加減すると共に、塗装時に細い棒を差し込んでおく図4と手を汚さず、一度に全面処理が可能である。
【0013】
下地処理であるが、カネフレックス等を希釈した接着剤や水性シーラを重りつける前に塗る場合もある。また、重り装着後、塗装前下地として塗れば塗装にツヤとのりが良くなる。
【0014】
重りの材料は南天の幹の紛砕片をスサ替わりのつなぎの役割とし、砂、赤土、セメント、接着剤等を混合したものを使用する。
【0015】
難転ダルマの形状であるが、座って座禅中の姿が最もふさわしいと考えられる。ダルマといえば七転八起と言われる代名詞であるが、世の経済状況、変化のスピード、情報量に於いて一度転べば起きることは大変難しい。人生において、つまずきや転びを無くすために文献を読んだり、人の話を聞いたりして調査及び企画に抜かり無く、困難を幸運に転ずるイメージは、膝を組み手を結び精神を統一した座禅中の形状が最もふさわしい。
【0016】
この座禅中の形状の型2図5に混入するネタをいれ、振動を掛けながら押し付け、調整ネジ5で止まった状態で、ゴムまたはバネ等7伸縮性のあるもので重り用混合ネタが硬化するまで仮止めする。このとき、余ってはみ出した混合ネタは綺麗に拭き取っておくと良い。

【発明の効果】
【0017】
慣れない者達が全てを生産するより、構造不況に苦しむ産地より大量に安く仕入れた方が自家生産した原価より低いことが分かった。縁起的感性を高めることにより、付加価値が増し、利鞘を稼げるようにした。

【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
底部に装着する南天であるが、春から夏に掛けては新芽が出て柔らかい。出来れば秋から冬にかけて収穫するのが切旬であり、望ましい。
【0019】
骨組に使用する骨組南天の幹の割り加工であるが、あまり乾燥しないうちに割る。使用時はしなやかな状態が必要なため、水に浸し半乾燥状態で用いるが、湿っているとホットメルト接着が出来ないため水分の加減が大切である。混入ネタにスサ替わりとして混ぜ込む練り込み南天は、粉砕後よく乾燥して保管する。
【0020】
重り成形の型は混合ネタの硬化に時間を要し、早く離脱させると表面の光沢がなくなり、破損、ヒビ割れし易くなる。同じ規格の成形型を数多く造り、時間をかけて陰干し養生して耐久性があり、滑らかな表面に仕上げた重り部分を装着する事がポイントとなる。

【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】在来の置物型ダルマ
【図2】離脱防止機装着状況
【図3】A−A‘断面図
【図4】乾燥状況
【図5】重り成形器
【図6】難転ダルマの正面図
【符号の説明】
【0022】
1 骨組南天
2 練り込み南天の入った重り
3 ドリル穴
4 ホットメルト接着剤
5 ネジ
6 細い棒
7 ゴム及びバネ
8 ワラ束
9 座禅中の形状をした重り
10 在来の置物型ダルマの重り部分





【特許請求の範囲】
【請求項1】
在来の置物型ダルマ図1の底部に,重り9と成るべき部材を仕込んだダルマと別の部品を装着させ起き上がり小法師的形態を有するようにした事を特徴とするダルマ図6。

【請求項2】
ダルマの底部に重りを装着するにつき、南天の幹を細く割り接着して剥離を防止したり図2、南天の幹の粉砕片をスサ替わりに混ぜ込み割れを防止する請求項1の形態を有するダルマ図6。
【請求項3】
在来の置物型ダルマ図1の重り10の中央部にビス5をねじ込む加減により、装着する重りの厚さを調整して造る請求項1の形態を有したダルマ図6。
【請求項4】
請求項1の形態を有する成形器図5にゴム又はバネ等7伸縮性のあるものを付けた重り成形器の構造図5。












【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−17207(P2010−17207A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−177570(P2008−177570)
【出願日】平成20年7月8日(2008.7.8)
【出願人】(507171096)
【Fターム(参考)】