説明

電力ケーブル中継装置

【課題】 作業用脚立を用いることなく一端又は他端の絶縁ブッシングをブラケットに保持させる。
【解決手段】移動用変圧器と、前記移動用変圧器に電力を供給する電力設備と、を接続する複数相分の第1及び第2の電力ケーブルの間を中継する電力ケーブル中継装置であって、第1の方向を向いて立設する第1のフレームと、前記第1のフレームと結合され、前記第1の方向とは異なる第2の方向を向いて立設する第2のフレームと、前記第1及び第2のフレームの上部に取り付けられる、前記複数相夫々の前記第1及び第2の電力ケーブルを接続する複数の絶縁ブッシングを夫々保持する複数のブラケットと、前記第1及び第2のフレームの上部より低く前記第1及び第2のフレームで囲まれる位置に取り付けられる、前記複数の絶縁ブッシングを前記複数のブラケットに夫々保持する作業を行うための作業床と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力ケーブル中継装置に関する。
【背景技術】
【0002】
変電所における電力機器の修理又は点検のために、両端に絶縁ブッシングが取り付けられた移動用電力ケーブルを用いて電力をバイパス供給する場合がある。例えば、電力機器として変圧器(以下、点検変圧器という)を点検する場合、遮断器を介して送電線から点検変圧器に供給される電力を点検変圧器とは別の移動用変圧器に移動用電力ケーブルを用いてバイパスする。その後、点検変圧器に対する電力の供給を停止する。移動用電力ケーブルの一端に取り付けられた絶縁ブッシング(以下、一端の絶縁ブッシングという)は遮断器に接続され、移動用電力ケーブルの他端に取り付けられた絶縁ブッシング(以下、他端の絶縁ブッシングという)は移動用変圧器に接続される。
【0003】
ここで、一端及び他端の絶縁ブッシングは、地絡しないような例えば2メートルの対地間距離となるように移動用電力ケーブル取付装置に取り付けられており、例えば特許文献1に開示される移動用電力ケーブル取付装置が知られている。
特許文献1の取付装置は、一端又は他端の絶縁ブッシングを保持するブラケットと台とを含んで構成される。
ブラケットは、ブラケットに保持された一端又は他端の絶縁ブッシングが地絡しないような、例えば2メートルの対地間距離となるように台の上部に取り付けられている。
従って、移動用電力ケーブルの一端又は他端の絶縁ブッシングを取付装置に取り付けることにより、地絡防止が図られていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−104882号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示される取付装置では、作業員が一端又は他端の絶縁ブッシングをブラケットに保持させる作業を行う際に、当該作業を行うための作業用脚立を取付装置の近傍に別途設ける必要があった。
しかし、取付装置の近傍に作業用脚立の設置スペースを確保するのが困難である場合があった。例えば、屋内変電所では電力機器が隣接して配置されているため、作業用脚立の設置スペースを確保するのが極めて困難であった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述した課題を解決する主たる本発明は、移動用変圧器と、前記移動用変圧器に電力を供給する電力設備と、を接続する複数相分の第1及び第2の電力ケーブルの間を中継する電力ケーブル中継装置であって、第1の方向を向いて立設する第1のフレームと、前記第1のフレームと結合され、前記第1の方向とは異なる第2の方向を向いて立設する第2のフレームと、前記第1及び第2のフレームの上部に取り付けられる、前記複数相夫々の前記第1及び第2の電力ケーブルを接続する複数の絶縁ブッシングを夫々保持する複数のブラケットと、前記第1及び第2のフレームの上部より低く前記第1及び第2のフレームで囲まれる位置に取り付けられる、前記複数の絶縁ブッシングを前記複数のブラケットに夫々保持する作業を行うための作業床と、を備えたことを特徴とする電力ケーブル中継装置である。
【0007】
本発明の他の特徴については、添付図面及び本明細書の記載により明らかとなる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、作業用脚立を用いることなく一端又は他端の絶縁ブッシングをブラケットに保持させる作業を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第1実施形態に係る中継装置を示す斜視図である。
【図2】電力ケーブルを介して遮断器に接続された移動用変圧器の一例を示す図である。
【図3】本発明の第2実施形態に係る中継装置を示す斜視図である。
【図4】本発明の第3実施形態に係る中継装置を示す斜視図である。
【図5】本発明の第4実施形態に係る中継装置を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書および添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
【0011】
[第1実施形態]
===移動用変圧器===
以下、図2を参照して、本実施形態に用いられる電力ケーブルが接続される移動用変圧器の一例について説明する。
【0012】
図2は、電力ケーブルを介して遮断器に接続された移動用変圧器を示す図である。
変電所9に設置された変圧器(不図示)の点検を行う場合、点検される変圧器に換えて移動用変圧器6が用いられる。つまり、送電線(不図示)から供給される電力は、移動用変圧器6を介して配電線(不図示)へ送られる。
【0013】
移動用変圧器6は、本体60、3本の絶縁ブッシング61乃至63及び台64を備えて構成される。尚、絶縁ブッシング63は図示されていないが、手前側(−Z側)からは見えない状態となっている。
【0014】
本体60は、本体60の内部に変圧用の巻線(不図示)を備える。
台64は、本体60を載置する台である。本体60は、台64の上側に載置されている。
【0015】
絶縁ブッシング61乃至63は、同様な略円柱形状である。絶縁ブッシング61乃至63は、絶縁ブッシング61乃至63の一端が一方方向(+X方向)の上側(+Y側)へ突出するように、本体60に取り付けられる。絶縁ブッシング61乃至63の他端は、本体60の上側におけるX軸方向の略中央よりも一方側に取り付けられる。絶縁ブッシング61、63の一端は夫々、Y軸方向の同じ高さとなるように突出する。絶縁ブッシング62の一端は、絶縁ブッシング61、63よりも高くなるように突出する。
【0016】
絶縁ブッシング61乃至63の一端に供給された3相分の電力は夫々、本体60内部の巻線を介して例えば降圧されて、本体60の他方に接続された電線L1a、L2a、L3aに送られる。
【0017】
===遮断器、電力機器===
以下、図2を参照して、本実施形態に用いられる電力ケーブルが接続される遮断器の一例について説明する。
【0018】
遮断器5は、例えば遮断器5を介して送電線から電力を供給される配電線で地絡事故が生じた場合、地絡を検出する継電器(不図示)からの開命令に従って遮断器5が接続された場所を遮断する。
遮断器5は、本体50及び3本の絶縁ブッシング51乃至53を備えて構成される。尚、絶縁ブッシング53は図示されていないが、手前側(−Z側)からは見えない状態となっている。
本体50は、本体50の内部に継電器からの命令に従って開となるような接点(不図示)を備える。
【0019】
絶縁ブッシング51乃至53は、同様な略円柱形状である。絶縁ブッシング51乃至53は、絶縁ブッシング51乃至53の一端が他方方向(−X方向)の上側(+Y側)へ突出するように、本体50に取り付けられる。絶縁ブッシング51乃至53の他端は、本体50の上側におけるX軸方向の略中央よりも他方側に取り付けられる。絶縁ブッシング51、53の一端は夫々、Y軸方向の同じ高さとなるように突出する。絶縁ブッシング52の一端は、絶縁ブッシング51、53よりも高くなるように突出する。
【0020】
遮断器5は、電線L1、L2、L3によって送電線に接続されている。
本体50の一方に接続された電線L1、L2、L3を介して送電線から遮断器5に供給された3相分の電力は夫々、本体50内部の閉とされている接点を介してブッシング51乃至53の一端に送られる。
【0021】
また、電力機器7は、例えば変電所9内に配置されている二次側の遮断器である。
電力機器7は、電線L1a、L2a、L3aによって移動用変圧器6に接続されている。電力機器7は、電線L1b、L2b、L3bによって配電線に接続されている。
電線L1a、L2a、L3aを介して送電線から電力機器7へ供給された3相分の電力は夫々、電線L1b、L2b、L3bを介して配電線に送られる。
【0022】
===中継装置===
以下、図2を参照して、本実施形態に係る中継装置の一例について説明する。
中継装置8、8aは、変電所9内にX軸方向に隣接するように配置されている。
中継装置8は、絶縁ブッシング15、15a、25、25a、35、35aが地絡しないような例えば2メートルの対地間距離となるように、絶縁ブッシング15、15a、25、25a、35、35aを保持する装置である。尚、絶縁ブッシング35、35aは図示されていないが、手前側(−Z側)からは見えない状態となっている。また、中継装置8の詳細については後述する。
【0023】
中継装置8aは、X軸方向での中継装置8と中継装置8aの間の略中央を通るYZ平面を基準に中継装置8を面対称に配置したものである。中継装置8aは中継装置8と同様な構成であるので、中継装置8aの説明は省略する。
【0024】
絶縁ブッシング15(25、35)は、絶縁ブッシング15(25、35)の一端が上側を向くように、中継装置8の上部に取り付けられる。尚、当該取り付けの詳細については後述する。当該取付けと同様に、絶縁ブッシング15a(25a、35a)は、絶縁ブッシング15a(25a、35a)の一端が上側を向くように、中継装置8aの上部に取り付けられる。
【0025】
電力ケーブルC1、C2、C3、C1a、C2a、C3a、16、26、36は、遮断器5と移動用変圧器6との間で、遮断器5を介して送電線から移動用変圧器6に供給される電力を中継する。尚、電力ケーブルC3、C3a、36は図示されていないが、手前側からは見えない状態となっている。
【0026】
電力ケーブルC1(C2、C3)の一端は、絶縁ブッシング15a(25a、35a)の一端に接続され、電力ケーブルC1(C2、C3)の他端は、絶縁ブッシング51(52、53)の一端に接続される。電力ケーブル16(26、36)の一端は絶縁ブッシング15(25、35)の他端に接続され、電力ケーブル16(26、36)の他端は絶縁ブッシング15a(25a、35a)の他端に接続される。電力ケーブルC1a(C2a、C3a)の一端は、絶縁ブッシング61(62、63)の一端に接続され、電力ケーブルC1a(C2a、C3a)の他端は、絶縁ブッシング15(25、35)の一端に接続される。
【0027】
電線L1、L2、L3を介して送電線から遮断器5へ供給される3相分の電力は夫々、電力ケーブルC1、C2、C3、電力ケーブル16、26、36及び電力ケーブルC1a、C2a、C3aを介して移動用変圧器6に送られる。送電線から移動用変圧器6へ送られた3相分の電力は夫々、本体60の内部の巻線を介して例えば降圧されて、電線L1a、L2a、L3aを介して電力機器7に送られる。送電線から移動用変圧器6を介して電力機器7へ送られた3相分の電力は夫々、電線L1b、L2b、L3bを介して配電線に送られる。
【0028】
ここで、変電所9に配置された点検される変圧器は、既設変圧器用遮断器(不図示)を介して既設電力ケーブル(不図示)によって、絶縁ブッシング51乃至53に接続されている。
【0029】
送電線から供給される電力が移動用変圧器6を介して配電線に送られる場合、既設変圧器用遮断器は開とされている。よって、送電線から供給される電力は、点検される変圧器には供給されない。
【0030】
===中継装置の詳細===
図1は、本実施形態に係る中継装置を示す斜視図である。
中継装置8は、フレーム1、2、3、ブラケット13、23、33及び作業床4を備えて構成される。
フレーム1、2、3は、略矩形形状を呈した金属製のフレームである。
【0031】
フレーム1は、高さ方向(Y軸方向)に沿って伸びる金属製の縁部材E11、E12及び横方向(X軸方向)に沿って伸びる金属製の縁部材E13、E14を備えて構成される。
縁部材E11、E12の高さ方向の長さは例えば2メートル程度であり、縁部材E13、E14の横方向の長さは例えば1.5メートル程度である。
縁部材E13の一方側の端部は、縁部材E12の上側の端部と例えば溶接される。縁部材E14の一方側の端部は、縁部材E12の下側(−Y側)の端部と例えば溶接される。縁部材E13の他方側の端部は、縁部材E11の上側の端部と例えば溶接される。縁部材E14の他方側の端部は、縁部材E11の下側の端部と例えば溶接される。
【0032】
フレーム2は、高さ方向に沿って伸びる金属製の縁部材E21、E22、奥行き方向(Z軸方向)に沿って伸びる金属製の縁部材E23、E24を備えて構成される。
縁部材E21、E22の高さ方向の長さは例えば2メートル程度であり、縁部材E23、E24の奥行き方向の長さは例えば1.5メートル程度である。
縁部材E23の奥側(+Z側)の端部は、縁部材E22の上側の端部と例えば溶接される。縁部材E24の奥側の端部は、縁部材E22の下側の端部と例えば溶接される。縁部材E23の手前側の端部は、縁部材E21の上側の端部と例えば溶接される。縁部材E24の手前側の端部は、縁部材E21の下側の端部と例えば溶接される。
【0033】
フレーム3は、高さ方向に沿って伸びる金属製の縁部材E31、E32、横方向に沿って伸びる金属製の縁部材E33、E34を備えて構成される。尚、縁部材E32は図示されていないが、手前側からは見えない状態となっている。
縁部材E31、E32の高さ方向の長さは例えば2メートル程度であり、縁部材E33、E34の横方向の長さは例えば1.5メートル程度である。
縁部材E33の一方側の端部は、縁部材E32の上側の端部と例えば溶接される。縁部材E34の一方側の端部は、縁部材E32の下側の端部と例えば溶接される。縁部材E33の他方側の端部は、縁部材E31の上側の端部と例えば溶接される。縁部材E34の他方側の端部は、縁部材E31の下側の端部と例えば溶接される。
【0034】
フレーム1は、縁部材E11、E12が高さ方向と平行となり、縁部材E13、E14が横方向と平行となるように、フレーム1の外側の面を手前側(第1の方向)へ向けられて立設されている。フレーム3は、フレーム1の奥側でフレーム1と対向し、縁部材E31、E32が高さ方向と平行となり、縁部材E33、E34が横方向と平行となるように、フレーム3の外側の面を奥側(第3の方向)へ向けられて立設される。フレーム2は、上側から下側に向かって見てフレーム1、3と一体となって略コ字状になり、縁部材E21、E22が高さ方向と平行となり、縁部材E23、E24が奥行き方向と平行となるように、フレーム2の外側の面を一方側(第2の方向)へ向けられて立設される。
【0035】
フレーム1、2、3は、上側から下側に向かって見て略コ字状の一体のフレームを形成するように、縁部材E12と縁部材E21は例えば溶接され、縁部材E22と縁部材E32は例えば溶接される。
【0036】
縁部材E13(E23、E33)の高さ方向の幅は、ブラケット保持具12(22、32)を縁部材E13(E23、E33)に固定するためのボルトB16、B17(B26、B27、B36、B37)が取り付けられる長孔11(21、31)を設けることができるような幅となっている。尚、ボルトB16、B17、B26、B27は図示されていないが、手前側からは見えない状態となっている。
【0037】
長孔11(21、31)は、長孔11(21、31)の長手方向が横方向(奥行き方向、横方向)と平行になり、縁部材E13(E23、E33)の手前と奥(一方と他方、手前と奥)の間を貫通して開口される。
【0038】
縁部材E11、E12、E31、E32には夫々、作業床4を載置する作業床受け10a、10b、30a(不図示)、30b(不図示)が取り付けられる。
【0039】
作業床受け10a(10b)は、縁部材E11(E12)の一方側(他方側)に取り付けられた状態で、横方向に沿って一方側(他方側)に例えば10センチメートル程度突出するような金属製の部材である。作業床受け30a(30b)は、作業床受け10a(10b)と同様な形状を呈する金属製の部材である。
【0040】
作業床受け10a(10b)は、作業床受け10a(10b)の一端が縁部材E11(E12)から横方向に沿って一方側(他方側)へ突出するように、作業床受け10a(10b)の他端は縁部材E11(E12)の一方側(他方側)に取り付けられる。尚、作業床受け10aの他端は、縁部材E11の一方側における例えば1メートル程度の高さの位置に溶接される。又、作業床受け10bの他端は、縁部材E12の他方側における、作業床受け10aが取り付けられる高さと同じ高さの位置に溶接される。
【0041】
作業床受け30a(30b)は、作業床受け10a(10b)が縁部材E11(E12)に取り付けられるのと同様に、縁部材E31(E32)に取り付けられる。尚、作業床受け30a、30bが取り付けられる高さは、作業床受け10aが取り付けられる高さと同じである。
【0042】
作業床4は、フレーム1、2、3が一体となって形成したコ字状のフレームの内側にXZ平面と平行となるように配置される矩形状の例えば金属板である。
作業床4は、作業床受け10a、10b、30a、30bの上に載置される。
そして、フレーム1は、フレーム接地用の銅線(不図示)を介して変電所9の接地板(不図示)に接地される。尚、フレーム接地用の銅線の一端は、例えば縁部材E11の一方側の高さ10センチメートル程度の位置に接続される。
【0043】
ここで、絶縁ブッシング15は、略円柱形状であり、一端から一端と他端の略中央へ移行するに従って拡径し、一端と他端の略中央から他端へ移行するに従って縮径して形成される。尚、絶縁ブッシング25、35は絶縁ブッシング15と同様な形状である。
【0044】
前述したように、絶縁ブッシング15(25、35)の他端には、電力ケーブル16(26、36)の一端が接続されている。
【0045】
ブラケット13は、絶縁ブッシング15の一端と他端の略中央と他端の間を保持するように、絶縁ブッシング15の一端と他端の略中央と他端の間に沿うような内周面を有する筒形状である。尚、ブラケット13は、筒の中心軸を通りかつ筒の中心軸と平行な平面で半割された2つの部材131、132を結合して形成される。
【0046】
部材131、132の一方の結合部分は、例えばボルト(不図示)とナット(不図示)によりに結合される。 部材131、132の一方の結合部分とは反対側の他方の結合部分は、例えばボルト(不図示)とナット(不図示)によりに結合される。ブラケット23、33はブラケット13と同様に構成されるので、その説明は省略する。
【0047】
ブラケット13(23、33)は、ブラケット保持具12(22、32)に固定された状態でフレーム1(2、3)の上部に取り付けられる。
【0048】
ブラケット保持具12は、ブラケット保持具12の一方の面にブラケット13の外周面が嵌まるような形状を呈し、ブラケット保持具12の一方の面と反対側の他方の面には、ボルトB16、B17が取り付けられるようなめねじ(不図示)が形成されている。尚、めねじは、例えばブラケット保持具12に嵌められたブラケット13の中心軸と直行する方向に2つ形成されている。ブラケット保持具22、32もブラケット保持具12と同様に構成されるので、その説明は省略する。
【0049】
ブラケット13は、ブラケット13の例えば部材131側の外周面がブラケット保持具12の一方の面に嵌められた状態で、例えば接着剤でブラケット保持具12に固定される。ブラケット13と同様に、ブラケット23、33もブラケット保持具22、32に固定される。
【0050】
ブラケット保持具12(22、32)は、ブラケット保持具12(22、32)に取り付けられたブラケット13(23、33)の中心軸が高さ方向と平行となるように、縁部材E13(E23、E33)の例えば手前側(一方側、奥側)にボルトB16、B17(B26、B27、B36、B37)によって取り付けられる。
【0051】
絶縁ブッシング15(25、35)は、絶縁ブッシング15(25、35)の一端が上側に突出するように、絶縁ブッシング15(25、35)の他端がブラケット13(23、33)に保持される。
ここで、絶縁ブッシング15、25、35は夫々、お互いに短絡しないような相間距離を保つ必要がある。
【0052】
よって、例えば、ブラケット保持具12(22、32)は、ブラケット13(23、33)が縁部材E13(E23、E33)の略中央に固定されるように、ボルトB16、B17(B26、B27、B36、B37)によって縁部材E13(E23、E33)に取り付けられる。従って、絶縁ブッシング15、25、35は夫々、お互いに短絡しないような例えば0.8メート以上の相間距離を保った状態でフレーム1、2、3に取り付けられる。
【0053】
[第2実施形態]
===中継装置の詳細===
図3は、本実施形態に係る中継装置を示す斜視図である。尚、図1に示された構成と同じ構成については同じ番号を付すのみで、その説明は省略する。
【0054】
中継装置81は、フレーム1、2、3、ブラケット13、23、33及び作業床4を備えて構成される。
フレーム1、2は、フレーム1、2の結合部分を中心に回動するように、例えば蝶番T1、T2により結合される。フレーム2、3は、フレーム2、3の結合部分を中心に回動するように、例えば蝶番T3、T4により結合される。尚、蝶番T4は図示されていないが、手前側(−Z側)からは見えない状態となっている。
【0055】
縁部材E12と縁部材E21は夫々、縁部材E12と縁部材E21の上側(下側)の端部同士を蝶番T1(T2)により、フレーム1、2が蝶番T1、T2を中心に回動するように結合される。縁部材E22と縁部材E32は夫々、縁部材E22と縁部材E32の上側(下側)の端部同士を蝶番T3(T4)により、フレーム2、3が蝶番T3、T4を中心に回動するように結合される。尚、+Y側を上側、−Y側を下側という。
【0056】
フレーム1、2には、フレーム1、2の内側の面によって作られる角度が略90°を超えないように、ストッパS1、S2が取り付けられる。
【0057】
ストッパS1(S2)は、フレーム1側に取り付けられるストッパS1a(S2a)、フレーム2側に取り付けられるストッパS1b(S2b)からなる。尚、ストッパS1a(S2a)、S1b(S2b)は例えば金属製のストッパである。
【0058】
ストッパS1a(S2a)は、縁部材E12の蝶番T1(T2)が取り付けられている位置の下側(上側)に隣接するように、縁部材E12の一方側(+X側)に例えば溶接される。
【0059】
ストッパS1b(S2b)は、フレーム1、2の内側の面によって作られる角度が略90°となるようにフレーム1、2が蝶番T1、T2を中心に回動した場合、ストッパS1a(S2a)と接触するように、縁部材E21の手前側に例えば溶接される。
【0060】
ストッパS1a(S2a)、S1b(S2b)は、フレーム1、2の内側の面によって作られる角度が略90°となった場合、お互いに接触する。よって、フレーム1、2は、フレーム1、2の内側の面によって作られる角度が略90°を超えないように、蝶番T1、T2を中心に回動される。
【0061】
フレーム2の縁部材E22及びフレーム3の縁部材E32にも、フレーム2、3の内側の面によって作られる角度が略90°を超えないように、ストッパS1、S2と同様なストッパが取り付けられる。
【0062】
例えば作業床4をフレーム1、2、3へ取り付ける場合、フレーム1、2、3は、上側から下側に向かって見てフレーム1、2、3が略コ字状となるように、蝶番T1、T2、T3、T4を中心に回動される。そして、作業床4は作業床受け10a、10b、30a、30bに載置される。
【0063】
例えば中継装置81を収納する場合、フレーム1、3の横方向(X軸方向)の長さを例えば0.75メートル程度とし、フレーム2の奥行き方向(Z軸方向)の長さをフレーム1、3の横方向の長さの合計の長さ以上の例えば1.5メートル程度とすることにより、中継装置81はコンパクトに収納される。つまり、フレーム1は、フレーム2に接触するように蝶番T1、T2を中心に奥側(+Z側)に回動され、フレーム3は、フレーム2に接触するように蝶番T3、T4を中心に手前側に回動される。又、ブラケット13、23、33は夫々、フレーム1、2、3の上部に取り付けられる。ブラケット13は長孔11に沿って例えば縁部材E13の他方側(−X側)に取り付けられる。ブラケット23は長孔21に沿って例えば縁部材E23の奥行き方向の略中央に取り付けられる。ブラケット33は長孔31に沿って例えば縁部材E33の他方側に取り付けられる。よって、上側から下側に向かって見てフレーム1、2、3が略コ字状となるような状態で、ブラケット13、23、33の夫々の間の距離は、フレーム1、3の横方向の長さが1.5メートル程度の場合と同様となる。つまり、フレーム1、2、3の上部の長孔11、21、31に沿ってブラケット13、23、33の取り付け位置を調整することにより、フレーム1、3の横方向の長さが1.5メートルの場合に確保されるブラケット13、23、33の間の距離と同等の距離を確保することが可能となる。
【0064】
[第3実施形態]
===中継装置の詳細===
図4は、本実施形態に係る中継装置を示す斜視図である。尚、図1に示された構成と同じ構成については同じ番号を付すのみで、その説明は省略する。
【0065】
中継装置82は、フレーム1a、2a、3a、ブラケット13、23、33及び作業床4を備えて構成される。
フレーム1a、2a、3aは、略矩形形状を呈した金属製のフレームである。
フレーム1aは、フレーム1aの外側の面を手前側(−Z側)へ向けられて立設されている。フレーム3aは、フレーム1aの奥側(+Z側)でフレーム1aと対向するように、フレーム3aの外側の面を奥側へ向けられて立設される。フレーム2aは、上側から下側に向かって見てフレーム1a、3aと一体となって略コ字状になるように、フレーム2aの外側の面を一方側(+X側)へ向けられて立設される。
【0066】
フレーム1aは、高さ方向(Y軸方向)に沿って伸びる金属製の縁部材E11a、E11b、E12a、E12b及び横方向(X軸方向)に沿って伸びる金属製の縁部材E13a、E14aを備えて構成される。
【0067】
縁部材E11a、E11b、E12a、E12bの高さ方向の長さは例えば1.3メートル程度であり、縁部材E13a、E14aの横方向の長さは例えば1.5メートル程度である。
【0068】
縁部材E11bは、縁部材E11bの上側(+Y側)から縁部材E11aが挿入されるような中空の部材である。縁部材E11bの上側の端部には、挿入された縁部材E11aを縁部材E11bに固定するための例えばボルト(不図示)を挿入する孔(不図示)が横方向に貫通している。
【0069】
縁部材E11aは、縁部材E11bに挿入した状態で、縁部材E11bの孔に挿入されたボルトにより縁部材E11bに固定されるような孔H1が横方向に貫通している。尚、孔H1は、縁部材E11bに固定された縁部材E11aの上側の端部の高さが所定の高さとなるように例えば複数設けられる。
【0070】
縁部材E11aは、縁部材E11bの上側から下側(−Y側)へ向かって挿入され、縁部材E11a、E11bに設けられた孔を貫通するようなボルトとナットN1により縁部材E11bに固定される。尚、縁部材E11aは、縁部材E11aの上側の端部の高さが例えば2メートル程度となるように縁部材E11bに固定される。
【0071】
縁部材E12bは、縁部材E12bの上側から縁部材E12aが挿入されるような中空の部材である。縁部材E12bの上側の端部には、挿入された縁部材E12aを縁部材E12bに固定するための例えばボルトB2を挿入する孔(不図示)が横方向に貫通している。
【0072】
縁部材E12aは、縁部材E12bに挿入した状態で、縁部材E12bの孔に挿入されたボルトB2により縁部材E12bに固定されるような孔H2が横方向に貫通している。尚、孔H2は、縁部材E12bに固定された縁部材E12aの上側の端部の高さが所定の高さとなるように例えば複数設けられる。
【0073】
縁部材E12aは、縁部材E12bの上側から下側へ向かって挿入され、縁部材E12a、E12bに設けられた孔を貫通するようなボルトB2とナット(不図示)により縁部材E12bに固定される。尚、縁部材E12aは、縁部材E12aの上側の端部の高さが例えば2メートル程度となるように縁部材E12bに固定される。
【0074】
縁部材E13aの一方側の端部は、縁部材E12aの上側の端部と例えば溶接される。縁部材E13aの他方側(−X側)の端部は、縁部材E11aの上側の端部と例えば溶接される。縁部材E14aの一方側の端部は、縁部材E12bの下側の端部と例えば溶接される。縁部材E14aの他方側の端部は、縁部材E11bの下側の端部と例えば溶接される。
【0075】
フレーム2aは、高さ方向に沿って伸びる金属製の縁部材E12a、E12b、E22a、E22b及び奥行き方向(Z軸方向)に沿って伸びる金属製の縁部材E23a、E24aを備えて構成される。
【0076】
縁部材E22a、E22bの高さ方向の長さは例えば1.3メートル程度であり、縁部材E23a、E24aの奥行き方向の長さは例えば1.5メートル程度である。
【0077】
縁部材E22bは、縁部材E22bの上側から縁部材E22aが挿入されるような中空の部材である。縁部材E22bの上側の端部には、挿入された縁部材E22aを縁部材E22bに固定するための例えばボルトB3を挿入する孔(不図示)が横方向に貫通している。
【0078】
縁部材E22aは、縁部材E22bに挿入した状態で、縁部材E22bの孔に挿入されたボルトB3により縁部材E22bに固定されるような孔H3が横方向に貫通している。尚、孔H3は、縁部材E22bに固定された縁部材E22aの上側の端部の高さが所定の高さとなるように例えば複数設けられる。
【0079】
縁部材E22aは、縁部材E22bの上側から下側へ向かって挿入され、縁部材E22a、E22bに設けられた孔を貫通するようなボルトB3とナット(不図示)により縁部材E22bに固定される。尚、縁部材E22aは、縁部材E22aの上側の端部の高さが例えば2メートル程度となるように縁部材E22bに固定される。
【0080】
縁部材E23aの奥側の端部は、縁部材E22aの上側の端部と例えば溶接される。縁部材E23aの手前側の端部は、縁部材E12aの上側の端部と例えば溶接される。縁部材E24aの奥側の端部は、縁部材E22bの下側の端部と例えば溶接される。縁部材E24aの手前側の端部は、縁部材E12bの下側の端部と例えば溶接される。
【0081】
フレーム3aは、高さ方向に沿って伸びる金属製の縁部材E22a、E22b、E31a、E31b及び横方向に沿って伸びる金属製の縁部材E33a、E34aを備えて構成される。
【0082】
縁部材E31a、E31bの高さ方向の長さは例えば1.3メートル程度であり、縁部材E33a、E34aの横方向の長さは例えば1.5メートル程度である。
【0083】
縁部材E31bは、縁部材E31bの上側から縁部材E31aが挿入されるような中空の部材である。縁部材E31bの上側の端部には、挿入された縁部材E31aを縁部材E31bに固定するための例えばボルト(不図示)を挿入する孔(不図示)が横方向に貫通している。
【0084】
縁部材E31aは、縁部材E31bに挿入した状態で、縁部材E31bの孔に挿入されたボルトにより縁部材E31bに固定されるような孔(不図示)が横方向に貫通している。尚、縁部材E31aの孔は、縁部材E31bに固定された縁部材E31aの上側の端部の高さが所定の高さとなるように例えば複数設けられる。
【0085】
縁部材E31aは、縁部材E31bの上側から下側へ向かって挿入され、縁部材E31a、E31bに設けられた孔を貫通するようなボルトとナットN4により縁部材E31bに固定される。尚、縁部材E31aは、縁部材E31aの上側の端部の高さが例えば2メートル程度となるように縁部材E31bに固定される。
【0086】
縁部材E33aの一方側の端部は、縁部材E22aの上側の端部と例えば溶接される。縁部材E33aの他方側の端部は、縁部材E31aの上側の端部と例えば溶接される。縁部材E34aの一方側の端部は、縁部材E22bの下側の端部と例えば溶接される。縁部材E34aの他方側の端部は、縁部材E31bの下側の端部と例えば溶接される。
【0087】
縁部材E13a(E23a、E33a)の高さ方向の幅は、ブラケット保持具12(22、32)を縁部材E13a(E23a、E33a)に固定するためのボルトB16、B17(B26、B27、B36、B37)が取り付けられる長孔11a(21a、31a)を設けることができるような幅となっている。尚、ボルトB16、B17、B26、B27は図示されていないが、手前側からは見えない状態となっている。
【0088】
長孔11a(21a、31a)は、長孔11a(21a、31a)の長手方向が横方向(奥行き方向、横方向)と平行になり、縁部材E13a(E23a、E33a)の手前と奥(一方と他方、手前と奥)の間を貫通して開口される。
【0089】
縁部材E11b、E12b、には夫々、作業床4を載置する作業床受け10a1、10b1が取り付けられる。
【0090】
作業床受け10a1(10b1)は、縁部材E11b(E12b)の一方側(他方側)に取り付けられた状態で、横方向に沿って一方側(他方側)に例えば10センチメートル程度突出するような金属製の部材である。作業床受け10a1(10b1)は、作業床受け10a1(10b1)の一端が縁部材E11b(E12b)から横方向に沿って一方側(他方側)へ突出するように、作業床受け10a1(10b1)の他端は縁部材E11b(E12b)の一方側(他方側)に取り付けられる。尚、作業床受け10a1の他端は、縁部材E11bの一方側における例えば1メートル程度の高さの位置に溶接される。又、作業床受け10b1の他端は、縁部材E12bの他方側における、作業床受け10a1が取り付けられる高さと同じ高さの位置に溶接される。
【0091】
又、縁部材E22b、E31bにも作業床受け10a1と同様な作業床受け(不図示)が取り付けられる。尚、縁部材E22bには、作業床受け11a1がとりけられる位置と奥側に対向する位置に取り付けられ、縁部材E31bには、作業床受け10a1がとりけられる位置と奥側に対向する位置に取り付けられる。
【0092】
中継装置82は、縁部材E11b、E12b、E22b、E31bに夫々固定される縁部材E11a、E12a、E22a、E31aの高さを調整することにより、中継装置82に保持される絶縁ブッシング15、25、35が地絡しないような高さとなるように、中継装置82の高さを調整することができる。
【0093】
又、中継装置82を収納する場合、縁部材E11aを縁部材E11bに固定するボルト、縁部材E12aを縁部材E12bに固定するボルトB2、縁部材E22aを縁部材E22bに固定するボルトB3、縁部材E31aを縁部材E31bに固定するボルトが取り外される。縁部材E11a、E12a、E22a、E31aは夫々、縁部材E11b、E12b、E22b、E31bに挿入され、フレーム1、2、3の高さが例えば1.3メートル程度に縮小される。よって、中継装置82は、縁部材E11a、E12a、E22a、E31aを夫々、縁部材E11b、E12b、E22b、E31bに挿入することによりコンパクトに収納することができる。
【0094】
[第4実施形態]
===中継装置の詳細===
図5は、本実施形態に係る中継装置を示す斜視図である。尚、図1に示された構成と同じ構成については同じ番号を付すのみで、その説明は省略する。
【0095】
中継装置83は、フレーム1c、2cブラケット13、23、33及び作業床4cを備えて構成される。
フレーム1c、2cは、略矩形形状を呈した金属製のフレームである。
フレーム1cは、高さ方向(Y軸方向)に沿って伸びる金属製の縁部材E11c、E12c及び横方向(X軸方向)に沿って伸びる金属製の縁部材E13c、E14cを備えて構成される。
縁部材E11c、E12cの高さ方向の長さは例えば2メートル程度であり、縁部材E13c、E14cの横方向の長さは例えば1.5メートル程度である。
【0096】
縁部材E13cの一方側(+X側)の端部は、縁部材E12cの上側(+Y側)の端部と例えば溶接される。縁部材E14cの一方側の端部は、縁部材E12cの下側(−Y側)の端部と例えば溶接される。縁部材E13cの他方側(−X側)の端部は、縁部材E11cの上側の端部と例えば溶接される。縁部材E14cの他方側の端部は、縁部材E11cの下側の端部と例えば溶接される。
【0097】
フレーム2cは、高さ方向に沿って伸びる金属製の縁部材E21c、E22c及び横方向において一方側から手前側(−Z側)へ向かって例えば60°傾いた方向(以下、斜め方向という)沿って伸びる金属製の縁部材E23c、E24cを備えて構成される。尚、縁部材E22cは図示されていないが、手前側からは見えない状態となっている。
【0098】
縁部材E21c、E22cの高さ方向の長さは例えば2メートル程度であり、縁部材E23c、E24cの斜め方向の長さは例えば1.5メートル程度である。
【0099】
縁部材E23cの斜め方向における一方側の端部は、縁部材E22cの上側の端部と例えば溶接される。縁部材E24cの斜め方向における一方側の端部は、縁部材E22cの下側の端部と例えば溶接される。縁部材E23cの斜め方向における他方側の端部は、縁部材E21cの上側の端部と例えば溶接される。縁部材E24cの斜め方向における他方側の端部は、縁部材E21cの下側の端部と例えば溶接される。
【0100】
フレーム1cは、フレーム1cの外側の面を手前側へ向けられて立設されている。
【0101】
フレーム2cは、上側から下側に向かって見てフレーム1cと例えば60°の角度を持って一体となるように、フレーム2cの外側の面を横方向において一方側から奥側(+Z側)へ向かって例えば30°傾いた方向へ向けられて立設される。
【0102】
フレーム1c、2cは、上側から下側に向かって見てフレーム1c、2cが例えば60°の角度を持って一体のフレームを形成するように、縁部材E12と縁部材E22は例えば溶接される。
【0103】
縁部材E11cには、作業床4cを載置する作業床受け10a2が取り付けられる。
作業床受け10a2は、縁部材E11cの一方側に取り付けられた状態で、横方向に沿って一方側に例えば10センチメートル程度突出するような金属製の部材である。作業床受け10a2は、作業床受け10a2の一端が縁部材E11cから横方向に沿って一方側へ突出するように、作業床受け10a2の他端は縁部材E11cの一方側に取り付けられる。尚、作業床受け10a2の他端は、縁部材E11cの一方側における例えば1メートル程度の高さの位置に溶接される。
【0104】
又、溶接された縁部材E12c、E22c及び縁部材E21cにも作業床受け10a2と同様な作業床受け(不図示)が取り付けられる。
【0105】
溶接された縁部材E12c、E22cには、作業床受けの一端が縁部材E12c、E22cからフレーム1c、2cで囲まれる部分の中心へ向かって突出するように、作業床受けの他端が縁部材E12c、E22cに溶接される。尚、作業床受け他端は、溶接された縁部材E12c、E22cにおける例えば1メートル程度の高さの位置に溶接される。
【0106】
縁部材E21cには、作業床受け10a2と同様な作業床受け(不図示)が取り付けられる。作業床受けは、作業床受けの一端が縁部材E21cから斜め方向に沿って斜め方向における一方側へ突出するように、作業床受けの他端は縁部材E21cの斜め方向における一方側に取り付けられる。尚、作業床受け他端は、縁部材E21cにおける例えば1メートル程度の高さの位置に溶接される。
【0107】
作業床4cは、一体となったフレーム1、2の内側にXZ平面と平行となるように配置される3角形の例えば金属板である。
作業床4cは、作業床受けにより載置される。
【0108】
ブラケット保持具12c(22c、32c)は、ブラケット保持具12c(22c、32c)の一方の面にブラケット13(23、33)の外周面が嵌まるような形状を呈する金属製の保持具である。
【0109】
ブラケット13は、ブラケット13の例えば部材131側の外周面がブラケット保持具12cの一方の面に嵌められた状態で、例えば接着剤でブラケット保持具12cに固定される。ブラケット13と同様に、ブラケット23、33もブラケット保持具22c、32cに固定される。
【0110】
ブラケット保持具12c、22c、32cは、ブラケット13、23、33に保持される絶縁ブッシング15、25、35が、お互いに短絡しないような距離を保てるように、フレーム1c、2cに溶接される。ブラケット保持具12cは、ブラケット13に保持された絶縁ブッシング15の一端が上側を向くように、例えば縁部材E13cの他方側の端部に溶接される。ブラケット保持具22cは、ブラケット23に保持された絶縁ブッシング25の一端が上側を向くように、例えば縁部材E13cと縁部材E23cが溶接される部分の一方側の端部に溶接される。ブラケット保持具32cは、ブラケット33に保持された絶縁ブッシング35の一端が上側を向くように、例えば縁部材E23cにおける縁部材E23cと縁部材E13cが溶接される端部とは反対側の端部に溶接される。
【0111】
尚、ブラケット保持具12c、22c、32cは、ブラケット13、23、33に保持される絶縁ブッシング15、25、35が、お互いに短絡しないような距離を確保できれば、フレーム1c、2cの如何なる位置に取り付けてもよい。
【0112】
前述したように、フレーム1c、2cは上側から下側へ向かって見て例えば60°の角度を持って一体となるように結合される。ブラケット13、23、33は、ブラケット13、23、33に保持される絶縁ブッシング15、25、35が、お互いに短絡しないような距離を保てるように、フレーム1c、2cに取り付けられる。ブラケット13、23、33夫々に絶縁ブッシング15、25、35を取り付ける作業を行うための作業床4cは、フレーム1c、2cに囲まれるように、フレーム1c、2cの作業床受けに載置される。よって、作業用脚立を用いることなく絶縁ブッシングをブラケットに保持させる作業を行うことができる。
【0113】
又、フレーム1、2、3は一体となって、上側から下側へ向かって見て略コ字状となるように結合される。ブラケット13、23、33は、フレーム1、2、3の上部に取り付けられる。そして、ブラケットの取り付け位置は、作業員により調整可能される。ブラケット13、23、33夫々に絶縁ブッシング15、25、35を取り付ける作業を行うための作業床4は、フレーム1、2、3に囲まれるように、フレーム1、2、3の作業床受け10a、10b、30a、30bに載置される。よって、作業用脚立を用いることなく絶縁ブッシングをブラケットに保持させる作業を行うことができる。又、電力ケーブル16、26、36からブラケット13、23、33を介してフレーム1、2、3が張力を受ける。ブラケット取り付け位置は作業員により調整可能であるので、ブラケット13、23、33を当該張力を弱めるように、ブラケット取り付け位置を調整できる。
【0114】
又、フレーム1、2、3は一体となって、上側から下側へ向かって見て略コ字状となるように例えば蝶番T1、T2、T3、T4により結合される。フレーム1、2、3は蝶番T1、T2、T3、T4を中心に回動される。よって、中継装置81を収納する場合、フレーム1(3)は、フレーム2に接触するように蝶番T1、T2(T3、T4)を中心に回動されるので、コンパクトに収納される中継装置を提供することができる。
【0115】
又、フレーム1a、2a、3aは一体となって、上側から下側へ向かって見て略コ字状となるように結合される。フレーム1a、2a、3aは、高さ方向に伸縮可能とされる。ブラケット13、23、33は、フレーム1a、2a、3aの上部に取り付けられる。ブラケット13、23、33夫々に絶縁ブッシング15、25、35を取り付ける作業を行うための作業床4は、フレーム1a、2a、3aに囲まれるように、フレーム1a、2a、3aの作業床受けに載置される。よって、 中継装置82は、中継装置82に保持される絶縁ブッシング15、25、35が地絡しないような高さとなるように、中継装置82の高さを調整することができる。また、中継装置82を収納する場合、フレーム1a、2a、3aは高さ方向に縮小されるので、コンパクトに収納される中継装置を提供することができる。
【0116】
尚、上記実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。
【0117】
第1実施形態乃至第4実施形態におけるフレーム1、2、3、1a、2a、3a、1c、2cは夫々、4本の縁部材で囲まれる略矩形形状である場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、4本の縁部材で囲まれる略矩形形状フレームに換えて略矩形形状を呈する板状の部材を用いてもよい。4本の縁部材で囲まれる略矩形形状のフレームに換えて略矩形形状を呈する板状の部材を用いる場合、作業床を載置するための作業床受けは、例えばフレームに取り付けられた作業床受けに対応する位置から板状の部材の互いに向かい合う側に向かって突出するように、板状の部材の内側の面に溶接すればよい。
【符号の説明】
【0118】
1、2、3、1a、2a、3a、1c、2c フレーム
4、4c 作業床
5 遮断器
6 移動用変圧器
7 電力機器
8、8a、81、82、83 中継装置
13、23、33 ブラケット
15、15a、25、25a、35、35a 絶縁ブッシング
16、26、36、C1、C2、C3、C1a、C2a、C3a 電力ケーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動用変圧器と、前記移動用変圧器に電力を供給する電力設備と、を接続する複数相分の第1及び第2の電力ケーブルの間を中継する電力ケーブル中継装置であって、
第1の方向を向いて立設する第1のフレームと、
前記第1のフレームと結合され、前記第1の方向とは異なる第2の方向を向いて立設する第2のフレームと、
前記第1及び第2のフレームの上部に取り付けられる、前記複数相夫々の前記第1及び第2の電力ケーブルを接続する複数の絶縁ブッシングを夫々保持する複数のブラケットと、
前記第1及び第2のフレームの上部より低く前記第1及び第2のフレームで囲まれる位置に取り付けられる、前記複数の絶縁ブッシングを前記複数のブラケットに夫々保持する作業を行うための作業床と、
を備えたことを特徴とする電力ケーブル中継装置。
【請求項2】
移動用変圧器と、前記移動用変圧器に電力を供給する電力設備と、を接続する複数相分の第1及び第2の電力ケーブルの間を中継する電力ケーブル中継装置であって、
第1の方向を向いて立設する第1のフレームと、
前記第1のフレームと結合され、前記第1の方向とは異なる第2の方向を向いて立設する第2のフレームと、
前記第2のフレームと結合され、前記第1のフレームと対向するように前記第1及び第2の方向とは異なる第3の方向を向いて立設する第3のフレームと、
前記第1乃至第3のフレームの上部に取り付けられる、前記複数相夫々の前記第1及び第2の電力ケーブルを接続する複数の絶縁ブッシングを夫々保持する複数のブラケットと、
前記第1乃至第3のフレームの上部より低く前記第1乃至第3のフレームで囲まれる位置に取り付けられる、前記複数の絶縁ブッシングを前記複数のブラケットに夫々保持する作業を行うための作業床と、
を備えたことを特徴とする電力ケーブル中継装置。
【請求項3】
移動用変圧器と、前記移動用変圧器に電力を供給する電力設備と、を接続する三相分の第1及び第2の電力ケーブルの間を中継する電力ケーブル中継装置であって、
第1の方向を向いて立設する第1のフレームと、
前記第1のフレームと結合され、前記第1の方向とは異なる第2の方向を向いて立設する第2のフレームと、
前記第2のフレームと結合され、前記第1のフレームと対向するように前記第1及び第2の方向とは異なる第3の方向を向いて立設する第3のフレームと、
前記第1乃至第3のフレームの上部に夫々取り付けられる、前記三相夫々の前記第1及び第2の電力ケーブルを接続する3個の絶縁ブッシングを夫々保持する3個のブラケットと、
前記第1乃至第3のフレームの上部より低く前記第1乃至第3のフレームで囲まれる位置に取り付けられる、前記3個の絶縁ブッシングを前記3個のブラケットに夫々保持する作業を行うための作業床と、
を備えたことを特徴とする電力ケーブル中継装置。
【請求項4】
前記第1及び第2のフレームを結合部分を中心に回動させる第1の回動機構と、
前記第2及び第3のフレームを結合部分を中心に回動させる第2の回動機構と、
を備えたことを特徴とする請求項3に記載の電力ケーブル中継装置。
【請求項5】
前記第1乃至第3のフレームの高さを調整する調整機構、
を備えたことを特徴とする請求項3に記載の電力ケーブル中継装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−16193(P2012−16193A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−151340(P2010−151340)
【出願日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】