説明

電力変換回路及び空気調和装置

【課題】スイッチング素子を有するコンバータ回路を備える電力変換回路から発生されるリップルノイズの抑制と、当該リップルノイズが付属回路等に入力する事態の抑制とを、簡易な構成で効果的に可能にする。
【解決手段】交流電源(E)と接続される入力端子Tmr、Tms、Tmtとインバータ100のアクティブコンバータ回路11との間にノイズフィルタNF1を設け、スイッチング電源回路15を、交流電源Eに接続されて当該交流電源Eからの交流電力をモータ駆動制御装置1に入力するための入力端子R,S,T,NからノイズフィルタNF1までを接続する配線入力端子Tmr、Tms、Tmt部分から分岐させて交流電源Eに接続する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力変換回路及び空気調和装置に関し、特に、交流電源から入力される交流電力を、直流電力もしくは更なる交流電力に変換するコンバータ回路から発生するノイズが制御電源回路等の付属回路に及ぼす影響を抑制する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、空気調和装置等には、例えば、モータ等の強電負荷に電力を供給する電力変換回路と、制御回路等の弱電負荷に電力を供給する制御電源回路とが用いられている(下記特許文献1参照)。この電力変換回路には、スイッチング素子を用いた整流回路であるアクティブコンバータ回路や、当該整流回路により変換された直流電力を交流電力に変換するインバータ回路、あるいは電流型コンバータ回路と電圧型インバータ回路とを組合わせたインダイレクトマトリックスコンバータ等が近年用いられている(下記特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−198154号公報
【特許文献2】特開2009−95149号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
スイッチング素子を用いた上記の各電力変換回路(以下、コンバータ回路と総称する)は、スイッチング素子を任意のタイミングでスイッチングさせることで波形制御を行うため、電源高調波電流の発生は抑制されるが、当該スイッチングによりリップルノイズが発生する。そして、当該コンバータ回路からのリップルノイズが交流電源に向かうラインに伝達されると、交流電源から供給される交流電力の電圧もしくは電流にリップル成分が重畳してしまう。当該リップルノイズが乗った電圧波形が制御電源回路等の付属回路に入力されると、当該制御電源回路からの電源で駆動される制御回路や部品等の動作に不具合を生じる等の問題がある。これらの問題を解決するために、上記リップルノイズを簡易な構成で効果的に抑制する手法が求められる。さらには、電力変換回路が、スイッチング素子を有しないダイオード整流型の整流回路を備える場合であっても、整流回路の負荷としてインバータが接続され、特に平滑回路がない、もしくは平滑能力が小さい場合には、インバータから発生するリップルノイズが同様に交流電源側に伝達されるため、当該電力変換回路が交流電源に与えるノイズを低減させることが望まれる。
【0005】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、電力変換を行うコンバータ回路から発生されるノイズの抑制と、当該ノイズが付属回路等に入力する事態の抑制とを、簡易な構成で効果的に可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願請求項1に記載の発明は、交流電源から入力される交流電力を直流電力もしくは異なる交流電力に変換するコンバータ回路と、
前記交流電源と前記コンバータ回路とを接続する配線上に設けられたノイズフィルタと、
前記交流電源と前記ノイズフィルタを接続する配線から分岐されて前記交流電源に接続する付属回路とを備え、
前記ノイズフィルタは、前記付属回路に対する前記コンバータ回路からのノイズの影響を抑制するノーマルモードフィルタである電力変換回路である。
【0007】
この発明では、ノイズフィルタを、交流電源とコンバータ回路とを接続する配線上に設けることで、コンバータ回路で発生し、又はコンバータ回路に接続されるインバータ回路等で発生して、当該コンバータ回路から交流電源に向かう配線に伝達される当該リップルノイズを抑制しつつ、上記電源回路を、交流電源とノイズフィルタを接続する配線を分岐させて交流電源に接続することで、コンバータ回路と電源回路とを結ぶ配線上に上記ノイズフィルタを介在させることにより、付属回路に対するコンバータ回路からのリップルノイズの影響を抑制する。
【0008】
このように配設されたノイズフィルタによれば、コンバータ回路からのノイズを抑制するために付属回路専用のノイズフィルタを別個に設けなくても、付属回路に対する上記リップルノイズの影響を低減できる。これにより、本願請求項1に記載の発明は、コンバータ回路から発生されるリップルノイズの抑制と、例えば電源回路等の付属回路に当該リップルノイズが入力する事態の抑制とを、簡易な構成で効率よく行うことができる。
【0009】
また、本願請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の電力変換回路であって、前記コンバータ回路は、半導体スイッチをスイッチングさせることで、前記交流電源から入力される交流電力を直流電力に変換し、
前記コンバータ回路により変換された直流電力を更なる交流電力に変換するインバータ回路を更に有するものである。
【0010】
また、本願請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の電力変換回路であって、前記コンバータ回路は、半導体スイッチをスイッチングさせることで、前記交流電源から入力される交流電力を直流電力に変換するコンバータ回路である。
【0011】
また、本願請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の電力変換回路であって、前記コンバータ回路は、半導体スイッチをスイッチングさせることで、前記交流電源から入力される交流電力を、電圧、電流、周波数の少なくともいずれかが異なる交流電力に変換する直接型電力変換回路である。
【0012】
これらの発明によれば、コンバータ回路に備えられるコンバータ回路又は直接型電力変換回路が行う半導体スイッチのスイッチングにより発生するリップルノイズの抑制と、付属回路である電源回路に当該リップルノイズが入力する事態の抑制とを、簡易な構成で効率よく行うことができる。
【0013】
また、本願請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の電力変換回路であって、前記コンバータ回路は、前記交流電源から入力される交流電力を直流電力に変換するダイオード整流回路であり、
前記ダイオード整流回路により変換された直流電力であって、直流電力脈動を平滑する能力を有するコンデンサを経ていない直流電力、又は当該平滑能力が小さいコンデンサを有して当該コンデンサを経た直流電力を交流電力に変換するインバータ回路を更に有するものである。
【0014】
この発明によれば、前記インバータ回路が行う半導体スイッチのスイッチングにより発生するリップルノイズの抑制と、例えば電源回路等の付属回路に当該リップルノイズが入力する事態の抑制とを、簡易な構成で効率よく行うことができる。
【0015】
また、本願請求項6に記載の発明は、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の電力変換回路であって、前記付属回路を制御電源回路としたものである。
【0016】
また、本願請求項7に記載の発明は、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の電力変換回路であって、前記ノイズフィルタと前記コンバータ回路とを接続する配線が、前記交流電源に接続されて当該交流電源からの交流電力を当該電力変換回路に入力するための入力端子から前記ノイズフィルタまでを接続する配線よりも短いものである。
【0017】
コンバータ回路で発生したリップルノイズが重畳している電圧又は電流が流れる配線、すなわち、ノイズフィルタとコンバータ回路とを接続する配線が長いと、この配線がノイズを伝播するアンテナとなり、制御回路・通信回路等の他の回路部分に対してノイズによる誤動作等の悪影響を及ぼすおそれがある。この発明では、ノイズフィルタとコンバータ回路とを接続する当該配線を、交流電源からの交流電力を当該電力変換回路に入力するための入力端子からノイズフィルタまでを接続する配線よりも短くしたので、コンバータ回路で発生したリップルノイズが、コンバータ回路からノイズフィルタまでの間の配線において伝搬される距離が短くなり、制御回路・通信回路等の他の回路部分に対するノイズによる誤動作等の悪影響を抑えることができ、ノイズフィルタとコンバータ回路とを接続する当該配線の浮遊容量による影響も小さくすることができる。
【0018】
また、本願請求項8に記載の発明は、請求項1乃至7に記載の電力変換回路を用いた空気調和装置である。
【0019】
また、本願請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の空気調和装置であって、前記電力変換回路は圧縮機駆動用電力変換回路であり、前記付属回路はファン駆動用回路を含むものである。
【0020】
また、本願請求項10に記載の発明は、請求項8又は請求項9に記載の空気調和装置であって、前記電力変換回路は圧縮機駆動用電力変換回路であり、前記付属回路は室内機駆動用回路を含むものである。
【0021】
これらの発明によれば、電力変換回路としての上記回路が有するコンバータ回路から発生されるリップルノイズの抑制と、付属回路に含まれるファン駆動用回路又は室内機駆動用回路に当該リップルノイズが入力する事態の抑制とを、簡易な構成で効率よく行うことができる。
【発明の効果】
【0022】
本願発明によれば、コンバータ回路から発生されるリップルノイズの抑制と、当該リップルノイズが付属回路等に入力する事態の抑制とを、簡易な構成で効果的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明に係るモータ駆動制御装置の第1実施形態の概略を示す図である。
【図2】本発明に係るモータ駆動制御装置の第2実施形態の概略を示す図である。
【図3】本発明に係るモータ駆動制御装置の第3実施形態を示すブロック図である。
【図4】本発明に係るモータ駆動制御装置の第4実施形態を示すブロック図である。
【図5】本発明に係るモータ駆動制御装置の他の実施形態の概略を示す図である。
【図6】本発明に係るモータ駆動制御装置の更に他の実施形態の概略を示す図である。
【図7】従来のモータ駆動制御装置の概略を示す図である。
【図8】ノイズフィルタNF1の概略構成を示す図である。
【図9】フィルタ定数の設定に用いる式を示す図である。
【図10】ノイズフィルタNF1の周波数特性例をグラフで示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明に係る電力変換回路および空気調和装置の実施形態を、図面を参照して以下に説明する。
【0025】
〈第1の実施の形態〉
図1は、本発明に係る電力変換回路を空気調和装置のモータ駆動制御装置として適用する場合における第1実施形態の概略を示す図である。
【0026】
モータ駆動装置としての電力変換回路(以下、モータ駆動装置という)1は、例えば、圧縮機を備える空気調和装置に備えられ、当該圧縮機のモータ等の駆動を制御するものである。以下、モータ駆動装置1が当該空気調和装置に適用される場合を例にして説明する。
【0027】
但し、本発明に係る電力変換回路の適用はモータ駆動装置に限られず、また、本発明に係る電力変換回路及びモータ駆動制御装置の適用は空気調和装置に限られない。
【0028】
電力変換回路1は、入力線Tmr,Tms,Tmt,Tmnと、インバータ100と、整流回路17と、スイッチング電源回路15と、ノイズフィルタNF1とを備えている。
【0029】
入力線Tmr,Tms,Tmt,Tmnは、交流電源Eに接続されている。交流電源Eは多相交流電源であって例えば三相四線の交流電源であり、入力線Tmr,Tms,Tmt,Tmnに三相交流電流を供給する。入力線Tmr,Tms,Tmt,Tmnは、交流電源Eと接続する入力端子R,S,T,Nを介して交流電源Eに接続されている。当該入力端子R,S,T,Nへの入力線Tmr,Tms,Tmt,Tmnの接続により、交流電源Eからの交流電力がモータ駆動制御装置1に入力される。この入力線Tmr,Tms,Tmt,Tmnは、入力端子R,S,T,Nからインバータ100のアクティブコンバータ回路(特許請求の範囲におけるコンバータ回路の一例)11までの配線を示すが、以下には、入力線Tmr,Tms,Tmt,Tmnのうちの入力線Tmr,Tms,TmtについてノイズフィルタNF1からアクティブコンバータ回路11までの配線部分は、説明を簡易にするために配線W2と記す場合がある。
【0030】
インバータ100は、モータ4に対して駆動電力を供給する電源回路を構成する。インバータ100は、アクティブコンバータ回路11、電圧型インバータ回路13、平滑回路12、及び、出力線としての直流電源線L1,L2とを有する。
【0031】
アクティブコンバータ回路11は、複数のスイッチ素子を有しており、当該複数のスイッチ素子の各スイッチング動作によって、交流電源EからノイズフィルタNF1を介して入力される三相交流の電力を直流電力に変換して、直流電源線L1,L2に、当該変換された直流電力を供給する。なお、直流電源線L1は正側直流電源線であり、直流電源線L2は直流電源線L1よりも低い電位が印加される負側直流電源線である。アクティブコンバータ回路11で変換された直流電力は、平滑回路12を介して電圧型インバータ回路13に入力される。
【0032】
より具体的には、アクティブコンバータ回路11は、トランジスタTrp,Trn,Tsp,Tsn,Ttp,Ttnと、ダイオードDrp,Drn,Dsp,Dsn,Dtp,Dtnとを備えている。
【0033】
トランジスタTrp,Tsp,Ttpの各コレクタ及びダイオードDrp,Dsp,Dtpの各カソードは直流電源線L1に接続されている。トランジスタTrn,Tsn,Ttnの各エミッタ及びダイオードDrn,Dsn,Dtnの各アノードは直流電源線L2にそれぞれ接続されている。
【0034】
トランジスタTrpのエミッタ、トランジスタTrnのコレクタ、ダイオードDrpのアノードおよびダイオードDrnのカソードは、ノイズフィルタNF1を介して、入力線Tmrにより交流電源Eに接続されている。同様に、トランジスタTspのエミッタ、トランジスタTsnのコレクタ、ダイオードDspのアノードおよびダイオードDsnのカソードは、ノイズフィルタNF1を介して、入力線Tmsにより交流電源Eに接続されている。トランジスタTtpのエミッタ、トランジスタTtnのコレクタ、ダイオードDtpのアノードおよびダイオードDtnのカソードは、ノイズフィルタNF1を介して、入力線Tmtにより交流電源Eに接続されている。
【0035】
コンデンサCは直流電源線L1,L2の間に接続されており、アクティブコンバータ回路11からの出力を平滑化する平滑回路12を構成する。
【0036】
電圧型インバータ回路13は、例えば絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(Insulated Gate Bipolar Transistor、IGBT)であるスイッチング素子やダイオード等から構成され、アクティブコンバータ回路11で変換されてコンデンサCから出力された直流電力を、任意の周波数や電圧を有する交流電力に変換する。電圧型インバータ回路13は、当該交流電力をモータ4に出力して、当該モータ4を駆動する。
【0037】
モータ4は、例えば3相交流モータである。モータ4は、上記のようにして電圧型インバータ回路13により生成されて出力される交流電力により駆動される。
【0038】
なお、インバータ100の電圧型インバータ回路13は、出力端子Tmu,Tmv,Tmwを介してモータ4に接続されている。
【0039】
制御回路20は、圧縮機のモータ4及びファンモータの駆動や空気調和機が備える複数の電動弁の開度等を制御することで、空気調和装置の全体的な動作制御を司る。制御回路20は、圧縮機のモータ4の駆動制御のために、アクティブコンバータ回路11及び電圧型インバータ回路13の駆動制御を行う。制御回路20は、スイッチング電源回路15からの電力により駆動される。なお、本実施例では、制御回路20はモータ駆動制御装置1を構成するものではないが、モータ駆動制御装置1を構成するものとしても差し支えない。
【0040】
制御回路20は、アクティブコンバータ回路11が有する各トランジスタの選択動作を制御する。制御回路20は、例えば、交流電源Eの所定の2相(例えば入力線Tmr,Tms)における交流電圧を検出して同期信号を生成し、生成した同期信号と同期してアクティブコンバータ回路11が有する各トランジスタへとスイッチング信号を出力することで、アクティブコンバータ回路11に、交流電源Eからの3相交流の電圧を直流電圧に変換させる。すなわち、制御回路20は、アクティブコンバータ回路11にスイッチング信号を出力し、トランジスタTrp,Trn,Tsp,Tsn,Ttp,Ttnのスイッチングを制御する。アクティブコンバータ回路11は、制御回路20から信号線L16を介してトランジスタTrp,Trn,Tsp,Tsn,Ttp,Ttnの各々のベースに与えられるスイッチ信号に従った当該トランジスタTrp,Trn,Tsp,Tsn,Ttp,Ttnのスイッチングにより、ノイズフィルタNF1を介して入力される交流電源Eからの3相交流の電圧を直流電圧に変換する。
【0041】
また、制御回路20は、モータ4の駆動周波数や駆動電圧が任意の値となるように、インバータ回路13にPWM信号である駆動信号を出力し、インバータ回路13を制御する。すなわち、電圧型インバータ回路13は、制御回路20から信号線L15を介してインバータ回路13に入力されるPWM信号である駆動信号を受けて上記IGBTをオンオフさせることで、前記の直流電圧から方形波状の交流電圧への変換を行う。例えば、制御回路20からの当該駆動信号による上記スイッチングにより、直流電源線L1,L2の間の電位差を交流電圧に変換する。なお、アクティブコンバータ回路や電圧型インバータ回路において、トランジスタやIGBTを動作させるための駆動回路が別個に設けられることがあるが、本発明の本質に関わるところではないため、ここでは駆動回路は別個に設けられないものとして説明を行なう。
【0042】
整流回路17は、交流電源Eからの交流電圧を整流して直流電圧に変換し、当該変換した直流電圧をスイッチング電源回路15に出力する。
【0043】
スイッチング電源回路(特許請求の範囲でいう付属回路の一例)15は、上記整流回路17により変換された直流電圧により、弱電負荷である制御回路20に電力を供給する電源回路である。
【0044】
上述したように、入力線Tmr,Tms,Tmt,Tmnは、交流電源Eに接続されている入力端子R,S,T,Nに接続され、当該入力端子R,S,T,Nの接続により、交流電源Eからの交流電力をモータ駆動制御装置1に入力する。入力端子R,S,T,Nとインバータ100とを接続する入力線Tmr,Tms,Tmt,Tmn上には、ノイズフィルタNF1が設けられている。すなわち、入力線Tmr,Tms,Tmt,Tmnにより、中性点Nを有する三相四線式の交流電源Eから供給される三相交流電力(R相、S相、T相)は、一旦ノイズフィルタNF1に入力され、当該ノイズフィルタNF1を介して、交流電源Eから供給される交流電力がアクティブコンバータ回路11に入力する。
【0045】
ノイズフィルタNF1は、例えば、リアクタ、コンデンサを含むLC積分型のノイズフィルタであり、交流電源Eから供給される交流電圧に含まれるノイズ(高周波ノイズ及びリップルノイズ等。特に、リップルノイズ。以下に記す「ノイズ」は同様の意味を示す)を除去して、その交流電圧をアクティブコンバータ回路11に出力するノーマルモードフィルタである。
【0046】
インバータ100のアクティブコンバータ回路11におけるトランジスタTrp,Trn,Tsp,Tsn,Ttp,Ttnのスイッチング等によりリップルノイズ等が発生すると、当該リップルノイズ等が、W2ラインの交流電圧の電圧波形にノイズ(すなわち、ノーマルモードノイズ)を生じさせるが、このように発生したノイズは、ノイズフィルタNF1により除去されてきれいな正弦波で交流電源Eに戻る。言い換えると、ノイズフィルタNF1は、スイッチング周波数(キャリア周波数)成分のノイズを除去するキャリアフィルタとしても機能する。
【0047】
また、上記整流回路17及びスイッチング電源回路15は、交流電源EとノイズフィルタNF1を接続する入力線Tmt,Tmnにおける交流電源E及びノイズフィルタNF1間のポイントから分岐されて交流電源Eに接続されている。すなわち、スイッチング電源回路15を、インバータ100とスイッチング電源回路15との間の配線上にノイズフィルタNF1を介在させることで、ノイズフィルタNF1は、スイッチング電源回路15に対するインバータ100のアクティブコンバータ回路11からのノイズの影響を抑制する。
【0048】
また、ノイズフィルタNF1は、ノイズフィルタNF1とインバータ100のアクティブコンバータ回路11とを接続する各配線W2が、上記入力端子R,S,T,NからノイズフィルタNF1までを接続する入力線Tmr,Tms,Tmt,Tmn配線よりも短くなる地点に設けられている。これにより、インバータ100のアクティブコンバータ回路11におけるトランジスタTrp,Trn,Tsp,Tsn,Ttp,Ttnのスイッチング等により発生したノイズが、インバータ100からノイズフィルタNF1までの間の配線において伝搬される距離が短くなり、ノイズフィルタNF1とインバータ100とを接続する配線W2の浮遊容量による影響も小さくなる。
【0049】
〈第2の実施の形態〉
図2は、本発明に係る電力変換回路をモータ駆動制御装置に適用した場合における第2実施形態の概略を示す図である。以下には、第2実施形態に係るモータ駆動装置10について、第1実施形態に係るモータ駆動装置1と異なる構成のみを示し、特に言及しないモータ駆動装置10の構成は、モータ駆動装置1と同様である。
【0050】
第2実施形態に係るモータ駆動装置10は、第1実施形態に係るモータ駆動装置1と同様に、入力線Tmr,Tms,Tmt,Tmnと、インダイレクトマトリクスコンバータ(特許請求の範囲におけるコンバータ回路の一例)100Aと、整流回路17と、スイッチング電源回路15と、ノイズフィルタNF1とを備えるが、インダイレクトマトリクスコンバータ100Aは、アクティブコンバータ回路11に代えて、電流型コンバータ120を備えている。電流型コンバータ120は、制御回路20によってスイッチング動作が制御される。インダイレクトマトリクスコンバータ100Aが備える電圧型インバータ回路13は、第1実施形態と同様である。
【0051】
インダイレクトマトリクスコンバータ100Aは、平滑回路を伴わない直流リンクを介して、電圧型インバータ回路13まで含む。この実施形態では、インダイレクトマトリクスコンバータ120は、トランジスタTrp,Trn,Tsp,Tsn,Ttp,Ttnと、ダイオードDrp,Drn,Dsp,Dsn,Dtp,Dtnとを備えている。
【0052】
トランジスタTrpのエミッタはダイオードDrpのアノードに接続されており、ダイオードDrpのカソードは直流電源線L1に接続されている。トランジスタTspのエミッタはダイオードDspのアノードに接続されており、ダイオードDspのカソードは直流電源線L1に接続されている。トランジスタTtpのエミッタはダイオードDtpのアノードに接続されており、ダイオードDtpのカソードは直流電源線L1に接続されている。
【0053】
ダイオードDrnのアノードはトランジスタTrnのエミッタに接続され、トランジスタTrnのコレクタは直流電源線L2に接続されている。ダイオードDsnのアノードはトランジスタTsnのエミッタに接続され、トランジスタTsnのコレクタは直流電源線L2に接続されている。ダイオードDtnのアノードはトランジスタTtnのエミッタに接続され、トランジスタTtnのコレクタは直流電源線L2に接続されている。
【0054】
トランジスタTrpのコレクタと、ダイオードDrnのカソードは、ノイズフィルタNF1を介して、入力線Tmrにより交流電源Eに接続されている。同様に、トランジスタTspのコレクタと、ダイオードDsnのカソードは、ノイズフィルタNF1を介して、入力線Tmsにより交流電源Eに接続されている。トランジスタTtpのコレクタと、ダイオードDtnのカソードは、ノイズフィルタNF1を介して、入力線Tmtにより交流電源Eに接続されている。
【0055】
なお、図2には、上記各素子が、ダイオードのアノードがIGBTのエミッタに接続される例を示しているが、ダイオードのカソードがIGBTのコレクタに接続される構成を用いることも可能である。
【0056】
また、上記ダイオード及びIGBTからなる各素子に代えて、逆阻止IGBT(RB−IGBT)を用いることも可能である。
【0057】
このように、インダイレクトマトリクスコンバータ100Aが用いられる場合でも、当該インダイレクトマトリクスコンバータ120は、電力変換時に行うトランジスタTrp,Trn,Tsp,Tsn,Ttp,Ttnのスイッチングと電圧型インバータ13等によりノイズ(特に、高周波ノイズ、リップルノイズ)を発生し、当該ノイズは配線W2に伝搬する。第1実施形態と同様に、スイッチング電源回路15を、インダイレクトマトリクスコンバータ100Aとスイッチング電源回路15との間の配線上にノイズフィルタNF1を介在させることで、ノイズフィルタNF1は、スイッチング電源回路15に対するインダイレクトマトリクスコンバータ100Aからのノイズの影響を抑制する。
【0058】
〈第3の実施の形態〉
図3は、本発明に係る電力変換回路をモータ駆動制御装置に適用した場合における第3実施形態の概略を示す図である。以下には、第3実施形態に係るモータ駆動装置101について、第1実施形態に係るモータ駆動装置1と異なる構成のみを示し、特に言及しないモータ駆動装置101の構成は、モータ駆動装置1と同様である。
【0059】
第3実施形態に係るモータ駆動装置101は、第1実施形態に係るモータ駆動装置1と同様に、入力線Tmr,Tms,Tmt,Tmnと、インバータ100Bと、整流回路17と、スイッチング電源回路15と、ノイズフィルタNF1とを備えるが、インバータ100Bは、アクティブコンバータ回路11に代えて、ダイオードにより交流電力を直流電力に変換するダイオード整流回路130を備えている。この場合、制御回路20は、インバータ回路13のスイッチング動作を制御する。インバータ100Bが備える電圧型インバータ回路13は、第1実施形態と同様である。
【0060】
この実施形態では、ダイオード整流回路130は、ダイオードD1,D2,D3,D4,D5,D6とを備えている。直列接続されたダイオードD1,D2と、直列接続されたダイオードD3,D4と、直列接続されたダイオードD5,D6は、電源線L1,L2に接続されている。これらダイオードD1,D2間の配線上、ダイオードD3,D4間の配線上、ダイオードD5,D6間の配線上に配線W2が接続される。
【0061】
このように、インバータ100Bにダイオード整流回路130が用いられるモータ駆動装置101でも、特に平滑回路が設けられない場合には、電力変換時に行うインバータ回路13のスイッチング等により発生するリップルノイズが、ダイオード整流回路130を介して当該ダイオード整流回路130から配線W2に伝搬するおそれがある。モータ駆動装置101において、第1実施形態と同様に、交流電源Eとコンバータ回路130との間の配線上に、ノーマルモードフィルタであるノイズフィルタNF1を配設することによって、インバータ回路13のスイッチング等により発生するリップルノイズ等を除去できる。また、スイッチング電源回路15を、インバータ100Bとスイッチング電源回路15との間の配線上にノイズフィルタNF1を介在させることで、ノイズフィルタNF1は、スイッチング電源回路15に対するインバータ100Bのダイオード整流回路130からのノイズの影響を抑制する。
【0062】
なお、図3では、コンバータ130が平滑回路としてのコンデンサCを有さず、インバータ回路13が当該コンデンサCを経ていない直流電力を交流電力に変換する例を示しているが、コンバータ130は、インバータが発生するノイズを除去できるだけの平滑回路としての機能をなさない程度に能力が小さいコンデンサCを備え、当該能力の小さいコンデンサCを経た直流電力をインバータ回路13が交流電力に変換する構成を採用してもよい。
【0063】
〈第4の実施の形態〉
図4は、本発明に係る電力変換回路をモータ駆動制御装置に適用した場合における第4実施形態の概略を示す図である。以下には、第4実施形態に係るモータ駆動装置102について、第1実施形態に係るモータ駆動装置1と異なる構成のみを示し、特に言及しないモータ駆動装置102の構成は、モータ駆動装置1と同様である。
【0064】
第4実施形態に係るモータ駆動装置102は、第1実施形態に係るモータ駆動装置1と同様に、入力線Tmr,Tms,Tmt,Tmnと、マトリクスコンバータ回路(特許請求の範囲におけるコンバータ回路の一例)100Cと、整流回路17と、スイッチング電源回路15と、ノイズフィルタNF1とを備え、マトリクスコンバータ回路100Cは、交流電力から異なる交流電力(電圧、電流、又は周波数の少なくともいずれかが異なる交流電力)に電力を変換する。この場合、制御回路20は、信号線L16を介して、マトリクスコンバータ回路100Cのスイッチング動作を制御する。
【0065】
このように、マトリクスコンバータ回路100Cが用いられる場合でも、当該マトリクスコンバータ回路100Cは、電力変換時に行うスイッチング等により発生するリップルノイズ(ノーマルモードノイズ)が配線W2に伝搬する。第1実施形態と同様に、交流電源Eとマトリクスコンバータ回路100Cとの間の配線上に、ノーマルモードフィルタであるノイズフィルタNF1を配設することによって、マトリクスコンバータ回路100Cのスイッチング等により発生するリップルノイズを除去できる。また、第1実施形態と同様に、スイッチング電源回路15を、マトリクスコンバータ回路100Cとスイッチング電源回路15との間の配線上にノイズフィルタNF1を介在させることで、ノイズフィルタNF1は、スイッチング電源回路15に対するマトリクスコンバータ回路100Cからのノイズの影響を抑制する。
【0066】
なお、本発明は、上記実施の形態の構成に限られず種々の変形が可能である。例えば、図5に示すように、スイッチング動作により交流電力−直流電力変換を行うコンバータ回路100Dが備えられている場合であれば、コンバータとスイッチング電源回路15との間の配線上にノイズフィルタNF1を介在させることで、ノイズフィルタNF1は、スイッチング電源回路15に対するコンバータ回路100Dのスイッチング動作等で発生するノイズの影響を抑制できる。さらには、本発明には、交流電力−直流電力変換、交流電力−交流電力変換、直流電力−直流電力変換、又は直流電力−交流電力変換を行ういずれのインバータ・コンバータも適用が可能である。また、上記実施形態では、インバータ回路として電圧型インバータを例にとって説明を行なったが、電流型インバータの場合でも同様の効果を得ることができる。
【0067】
また、上記では、本発明に係る電力変換回路の実施形態としてのモータ制御装置1が圧縮機駆動用電力変換回路であり、本発明に係る付属回路の実施形態がスイッチング電源回路15である場合を例にして説明したが、本発明は当然にこの場合には限定されない。例えば、(1)本発明は、電力変換回路の実施形態としてのモータ制御装置1が圧縮機駆動用電力変換回路であり、本発明に係る付属回路の実施形態がファン駆動用回路を含む回路であってもよいし、(2) 本発明は、電力変換回路の実施形態としてのモータ制御装置1が圧縮機駆動用電力変換回路であり、本発明に係る付属回路の実施形態が室内機駆動用回路を含む回路であってもよい。
【0068】
なお、上述した第1乃至第4の実施形態、及び図5に示した実施形態においては、更にコモンモードフィルタNF2を、交流電源EとノイズフィルタNF1を結ぶ入力線Tmr,Tms,Tmt,Tmn上に設けることにより、更に、当該モータ駆動装置1とアースとの間のコモンモードノイズを除去することが可能である。例えば、図1乃至図5に破線で示すように、コモンモードフィルタNF2の配設位置は、入力線Tmr,Tms,Tmt,Tmnからスイッチング電源回路15へ分岐する分岐点から交流電源E側とされる。
【0069】
この場合、ノイズフィルタNF1は、図8に一例を示す構成を採るが、ノイズフィルタNF1のフィルタ定数は、上記各コンバータ又はコンバータ回路11,120,100c,100D、更には、インバータ回路13(図3に示すインバータ100Bの場合)のスイッチング動作の周波数に応じて適宜変更される。すなわち、減衰させたい周波数である上記各コンバータ又はコンバータ回路11,120,100c,100D、又はインバータ回路13のキャリア周波数のゲインが十分小さくなるように、図9に示す式に基づいて、キャリア周波数に応じてL及びCをチューニングする。例えば、上記各コンバータ又はコンバータ回路11,120,100c,100D又はインバータ回路13のキャリア周波数が700Hzの場合、ノイズフィルタNF1のインダクタンスL15mH,静電容量C100μF(共振周波数130Hz)とする。この場合、ノイズフィルタNF1により、キャリア周波数成分を30dB減衰させることができる(図10に示すグラフを参照)。
【0070】
また、例えば、図6に示すように、スイッチング動作により電力変換を行う電力変換回路100E(コンバータ回路として、アクティブコンバータ回路11,電流型コンバータ120等を含む。但し、これらに限定されない。)とスイッチング電源回路15との間の配線上にノイズフィルタNF1を介在させ、当該ノイズフィルタNF1(ノーマルモードフィルタ)と、更にノイズフィルタNF2(コモンモードフィルタ)とに加えて、ノイズフィルタNF3を設けてもよい。
【0071】
この実施形態では、ノイズフィルタNF2は、入力線Tmt,Tmnにおいて整流回路17及びスイッチング電源回路15に向かう配線が分岐するポイントよりも交流電源E側となる入力線Tmr,Tms,Tmt,Tmn上に設けられている。
【0072】
ノイズフィルタNF3は、入力線Tmt,Tmnから整流回路17及びスイッチング電源回路15に向けて分岐された配線上であって整流回路17までの位置に設けられている。この場合、電力変換回路100Eのコンバータ回路(上記のアクティブコンバータ回路11,電流型コンバータ120等)からの上記ノイズが整流回路17及びスイッチング電源回路15に与える影響を更に低減できる。特に、ノイズフィルタNF1を備える事で、ノイズフィルタNF3は、ノイズフィルタNF1を備えずにノイズフィルタNF2及びノイズフィルタNF3のみを備える従来のモータ駆動制御装置(下記図7参照)のノイズフィルタNF3よりも小型化することが可能になる。なお、この図6に示す構成を採る場合、上記コンバータ回路及びインバータ回路13を備える電力変換回路100Eではなく、スイッチング動作により交流電力−直流電力変換、交流電力−交流電力変換を行うコンバータ回路(例えば、図4に示したマトリクスコンバータ回路140)を適用しても同様の効果が得られる。
【0073】
また、モータ駆動制御装置1,10,101,102,103,104における交流電源Eは、単相、三相、三相四線のいずれでも採用可能である。但し、三相四線電源の場合には、上記に示したように、交流電源Eとして三相四線の一線と中性点からスイッチング電源回路15の電源ラインをとれば、当該スイッチング電源回路15に、耐圧の低い素子を用いることが可能である。
【0074】
図7は、従来のモータ駆動制御装置の概略を示す図である。ここでコンバータ回路11’とインバータ回路13の間において、直流電力脈動を平滑する能力を有するコンデンサ有無は問わない。
【0075】
この場合、上記整流回路17及びスイッチング電源回路15は、交流電源Eとインバータ100’のコンバータ回路(特許請求の範囲におけるコンバータ回路の一例)11’を接続する入力線Tmt,Tmn上に接続されているが、インバータ100’がSW素子の場合のコンバータ回路11’から発生するノイズをキャンセルするコモンモードフィルタであるノイズフィルタNF2(ノーマルモードフィルタであってもよい)及びインバータ100’のコンバータ回路11’間のポイントから分岐されて交流電源Eに接続されている。また、入力線Tmt,Tmnから整流回路17及びスイッチング電源回路15に向けて分岐された配線上であって整流回路17までの位置にノイズフィルタNF3が設けられていても良い。この場合、ノイズフィルタNF3は電力変換回路100‘からの上記ノイズが整流回路17及びスイッチング電源回路15に与える影響を除去する能力が必要である。
【0076】
また、ノイズフィルタNF2とインバータ100’のコンバータ回路11’とを接続する配線W2が、上記入力端子R,S,T,NからノイズフィルタNF2までを接続する入力線Tmr,Tms,Tmt,Tmn配線よりも長くなる地点にノイズフィルタNF2が配設されているため、インバータ100’で発生したノイズが、コンバータ回路11’からノイズフィルタNF2までの間の配線距離が長くなり、ノイズフィルタNF2とコンバータ回路11’とを接続する配線W2と信号線間の浮遊容量によりノイズが伝搬される影響が大きくなる。
【0077】
これに対して、本発明の一実施形態に係るモータ駆動制御装置1,10,101,102,103,104によれば、上述したように、この従来のモータ駆動制御装置で生じていた不具合は低減される。
【符号の説明】
【0078】
1,10,101,102,103,104 モータ駆動制御装置(電力変換回路)
4 モータ
100,100B,100C,100D インバータ
100A インダイレクトマトリクスコンバータ
100C マトリクスコンバータ
100D コンバータ回路
100E 電力変換回路
11 アクティブコンバータ回路
130 ダイオード整流回路
12 平滑回路
13 インバータ回路
15 スイッチング電源回路
20 制御回路
NF1 ノイズフィルタ
E 交流電源
R,S,T,N 入力端子
LC 整流回路
Tmr,Tms,Tmt,Tmn 入力線
W2 配線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流電源から入力される交流電力を直流電力もしくは異なる交流電力に変換するコンバータ回路と、
前記交流電源と前記コンバータ回路とを接続する配線上に設けられたノイズフィルタと、
前記交流電源と前記ノイズフィルタを接続する配線から分岐されて前記交流電源に接続する付属回路とを備え、
前記ノイズフィルタは、前記付属回路に対する前記コンバータ回路からのノイズの影響を抑制するノーマルモードフィルタである電力変換回路。
【請求項2】
前記コンバータ回路は、半導体スイッチをスイッチングさせることで、前記交流電源から入力される交流電力を直流電力に変換し、
前記コンバータ回路により変換された直流電力を更なる交流電力に変換するインバータ回路を更に有する請求項1に記載の電力変換回路。
【請求項3】
前記コンバータ回路は、半導体スイッチをスイッチングさせることで、前記交流電源から入力される交流電力を直流電力に変換するコンバータ回路である請求項1に記載の電力変換回路。
【請求項4】
前記コンバータ回路は、半導体スイッチをスイッチングさせることで、前記交流電源から入力される交流電力を、電圧、電流、周波数の少なくともいずれかが異なる交流電力に変換する直接型電力変換回路である請求項1に記載の電力変換回路。
【請求項5】
前記コンバータ回路は、前記交流電源から入力される交流電力を直流電力に変換するダイオード整流回路であり、
前記ダイオード整流回路により変換された直流電力であって、直流電力脈動を平滑する能力を有するコンデンサを経ていない直流電力、又は当該平滑能力が小さいコンデンサを有して当該コンデンサを経た直流電力を交流電力に変換するインバータ回路を更に有する請求項1に記載の電力変換回路。
【請求項6】
前記付属回路は制御電源回路である請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の電力変換回路。
【請求項7】
前記ノイズフィルタと前記コンバータ回路とを接続する配線が、前記交流電源に接続されて当該交流電源からの交流電力を当該電力変換回路に入力するための入力端子から前記ノイズフィルタまでを接続する配線よりも短い請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の電力変換回路。
【請求項8】
請求項1乃至7に記載の電力変換回路を用いた空気調和装置。
【請求項9】
前記電力変換回路は圧縮機駆動用電力変換回路であり、前記付属回路はファン駆動用回路を含む請求項8に記載の空気調和装置。
【請求項10】
前記電力変換回路は圧縮機駆動用電力変換回路であり、前記付属回路は室内機駆動用回路を含む請求項8又は請求項9に記載の空気調和装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2012−235633(P2012−235633A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−103231(P2011−103231)
【出願日】平成23年5月2日(2011.5.2)
【特許番号】特許第5062347号(P5062347)
【特許公報発行日】平成24年10月31日(2012.10.31)
【出願人】(000002853)ダイキン工業株式会社 (7,604)
【Fターム(参考)】