説明

電力系統監視制御装置を構成するハードウェアの構成設計システム及び構成設計方法

【課題】本発明の実施形態は、電力系統監視制御装置の設計担当の要求仕様からの機器選定の手作業を省くことを可能とする、電力系統監視制御装置を構成するハードウェアの構成設計システム及び構成設計方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の実施形態は、電力系統監視制御装置を構成する機器情報が保存された機器情報データベース3と、機器情報から、要求仕様と合致する機器を検索する機器情報データベース検索手段2と、機器情報データベース検索手段2の検索結果に基づいて、機器一覧を生成する機器一覧生成手段1と、機器情報データベース検索手段2よって検索された機器の代替機の情報を、インターネット80を用いて収集する機器情報自動収集手段13と、代替機の情報に基づいて、機器情報データベース3に保存された機器情報を更新する機器情報更新手段11とを備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明に係る実施形態は、電力系統監視制御装置を構成するハードウェアの構成設計システム及び構成設計方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電力系統に設置された電気設備の監視、制御等を行う際に、電力系統監視制御装置を用いられることが多い。この電力系統監視制御装置は、サーバ、LAN、モニタ等の数多くのハードウェアから構成されている。
【0003】
従来の電力系統監視制御装置を構成するハードウェアの構成設計方法について図16を参照して説明する。図16は、従来の電力系統監視制御装置を構成するハードウェアの構成設計方法を示す図である。
【0004】
設計担当71は、手動機器選定部91により、客先から提示された要求仕様61に見合う機器をインターネット80等により調査し、調査した情報に加えて調達担当72から入手した価格情報67を反映させることで選定し、機器一覧62を作成する。
【0005】
次に、設計担当71は、ドキュメント手動入力部51により、見積63およびハードウェア構成表64を作成し、手動機器発注部92により、発注システム32を使用して機器の発注を行い、手配情報65を生成する。また、保守情報手動入力部93により、保守データベース66に機器一覧62の内容を保守情報として入力する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−269156号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
図16に示す従来の電力系統監視制御装置を構成するハードウェアの構成設計方法では、設計担当が要求仕様からの機器選定を手作業で実施しているため、機器選定ミスが発生し、誤った機器選定をしたことにより、電力系統監視制御装置の性能低下や機器故障等の品質低下が発生する可能性があるという課題が有る。
【0008】
本発明に係る実施形態は、上述する課題を解決するためのものであり、電力系統監視制御装置の設計担当の要求仕様からの機器選定の手作業を省くことを可能とし、電力系統監視制御装置の性能低下や品質低下を抑制する電力系統監視制御装置を構成するハードウェアの構成設計システム及び構成設計方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る実施形態は、電力系統監視制御装置を構成する機器情報が保存された機器情報データベースと、前記機器情報データベースに保存された機器情報から、入力された要求仕様と合致する機器を検索する機器情報データベース検索手段と、前記機器情報データベース検索手段の検索結果に基づいて、機器一覧を生成する機器一覧生成手段と、前記機器情報データベース検索手段よって検索された機器の代替機の情報を、インターネットを用いて収集する機器情報自動収集手段と、前記機器情報自動収集手段によって収集された代替機の情報に基づいて、前記機器情報データベースに保存された機器情報を更新する機器情報更新手段とを備え、前記機器情報更新手段により前記機器情報データベースに保存された機器情報が更新された場合に、前記機器情報データベース検索手段は、前記機器情報データベースを再度検索し、再検索結果を前記機器一覧生成手段に出力し、前記再検索結果を受けた前記機器一覧生成手段は、前記機器一覧を更新することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】電力系統監視制御装置を構成するハードウェアの構成設計システムの第1の実施形態を示す構成図。
【図2】電力系統監視制御装置を構成するハードウェアの構成設計システムの第1の実施形態における、機器情報データベース3の例を示す構成図。
【図3】電力系統監視制御装置を構成するハードウェアの構成設計システムの第1の実施形態における、機器一覧生成部1の動作を示すフローチャート図。
【図4】電力系統監視制御装置を構成するハードウェアの構成設計システムの第2の実施形態を示す構成図。
【図5】電力系統監視制御装置を構成するハードウェアの構成設計システムの第2の実施形態における、機器情報自動入力部21の動作を示すフローチャート図。
【図6】電力系統監視制御装置を構成するハードウェアの構成設計システムの第3の実施形態を示す構成図。
【図7】電力系統監視制御装置を構成するハードウェアの構成設計システムの第3の実施形態における、発注システム自動入力部31の動作を示すフローチャート図。
【図8】電力系統監視制御装置を構成するハードウェアの構成設計システムの第4の実施形態を示す構成図。
【図9】電力系統監視制御装置を構成するハードウェアの構成設計システムの第4の実施形態における、保守情報自動入力部41の動作を示すフローチャート図。
【図10】電力系統監視制御装置を構成するハードウェアの構成設計システムの第5の実施形態を示す構成図。
【図11】電力系統監視制御装置を構成するハードウェアの構成設計システムの第5の実施形態における、入力チェック部52の動作を示すフローチャート図。
【図12】電力系統監視制御装置を構成するハードウェアの構成設計システムの第6の実施形態を示す構成図。
【図13】電力系統監視制御装置を構成するハードウェアの構成設計システムの第6の実施形態における、機器情報データベース3の例を示す構成図。
【図14】電力系統監視制御装置を構成するハードウェアの構成設計システムの第6の実施形態における、機器情報自動収集部13と機器情報解析部12と機器情報更新部11による、生産終了情報68による機器情報データベース3の更新処理の流れを示すフローチャート図。
【図15】電力系統監視制御装置を構成するハードウェアの構成設計システムの第6の実施形態における、機器一覧生成部1を示すフローチャート図。
【図16】従来の電力系統監視制御装置を構成するハードウェアの構成設計方法を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る電力系統監視制御装置を構成するハードウェアの構成設計システムの実施形態について、図面を参照して説明する。
【0012】
(第1の実施形態)
本発明に係る第1の実施形態について、図1乃至図3を参照して説明する。
【0013】
図1は、本発明に係る第1の実施形態を示す電力系統監視制御装置を構成するハードウェアの構成設計システムの構成図である。
【0014】
図1において、本発明のハードウェアの構成設計方法を実現するシステムは、機器一覧生成部1と機器情報データベース検索部2と機器情報データベース3と機器情報更新部11と機器情報検索部12と機器情報自動収集部13から構成されている。
【0015】
機器一覧生成部1は、要求仕様61を入力とし、要求仕様61を機器情報データベース検索部2に渡し、機器情報データベース検索部2からの検索結果より、機器一覧62を生成する。
【0016】
機器情報データベース検索部2は、機器一覧生成部1から要求仕様61を受け取り、
要求仕様61を検索キーとして機器情報データベース3に保存されたレコードを検索し、検索にヒットした機器名称を機器情報自動収集部13に渡し、代替機の情報で更新された機器情報データベース3を再度検索し、検索結果を機器一覧生成部1に渡す。
【0017】
機器情報更新部11は、機器情報解析部12から最新の機器情報を、調達担当72から価格情報67を受け取り、最新の機器情報と価格情報により機器情報データベース3を更新する。また、機器一覧生成部1により生成された機器一覧62を受け取り、機器情報データベース3に保存されたレコードの内容を更新する。
【0018】
機器情報解析部12は、機器情報自動収集部13からインターネット80から検索した代替機の機器情報に関するコンテンツを受け取り、機器により異なるコンテンツ形式を解析し、共通の形式に変換したものを機器情報更新部11に渡す。
【0019】
機器情報自動収集部13は、機器情報データベース検索部2から検索結果の機器情報を受け取り、インターネット80から受け取った機器情報に対応する代替機の情報を検索し、検索結果を機器情報解析部12に渡す。
【0020】
要求仕様61は、電力系統監視制御装置に固有な情報を含むものとし、本実施形態では、例として電力系統の規模をしめす電圧階級を要求仕様61として以下を説明する。
【0021】
要求仕様61から機器一覧62が自動生成されるまでの動作について説明する。
【0022】
機器一覧生成部1は、要求仕様61を受け取り、機器情報データベース検索部2に渡し、機器情報データベース検索部2は、機器情報データベース3に保存された機器情報から要求仕様に合致する機器の一覧を取得し、各機器の情報を機器情報自動収集部13に渡す。機器情報自動収集部13は、インターネット80から代替機の情報を検索し、検索結果を機器情報解析部12にてコンテンツ形式を変換し、機器情報更新部11により機器情報データベース3を更新する。
【0023】
機器情報データベース検索部2は、更新された機器情報データベース3を再度検索し、検索結果を機器一覧生成部1に渡し、機器一覧生成部1は受け取った検索結果から機器一覧62を生成する。
【0024】
機器情報データベース3に保存された機器情報は、例えば図2に示す内容になっており、要求仕様61と照合できる形式になっている。
【0025】
機器一覧生成部1の詳細について図3を用いて説明する。
【0026】
機器一覧生成部1は、要求仕様61を読み込む(S301)。機器情報データベース3に保存された機器情報を順に読み込み(S302)、要求仕様61(電圧階級)と一致した機器であれば(S303のYes)、機器情報自動収集部13に機器情報を渡し、インターネットから代替機の情報を検索する(S304)。
【0027】
機器情報自動収集部13は、インターネットから検索した代替機の情報を機器情報解析部12経由で機器情報更新部11に渡し、機器情報更新部11は機器情報データベース3を代替機の情報で更新する(S305)。
【0028】
機器情報データベース検索部2は、機器情報データベース3を再度検索し、一致した機器の情報を機器一覧62に追加する(S306)。全ての要求仕様61を処理した場合(S307のYes)、機器選定処理を終了する。
【0029】
本実施形態によれば、電力系統監視制御装置に固有の要求である、高信頼性、リアルタイム性を満たすハードウェア機器を自動で選定することができるため、誤った機器選定による電力系統監視制御装置の性能低下や、機器故障等による品質低下を防止することができる。
【0030】
なお、本実施形態の要求仕様61は、電力系統の規模を示す電圧階級を用いたが、機器情報データベース3に各機器のスペック(○○サーバAの記憶容量、△△LAN−Aの伝送速度、等)を示す機器情報を保存しておき、要求仕様61として、これらのスペックを指定しても良い。また、サーバ等を多重化する際には、多重化数を要求仕様61としても良い。さらに、上述した要求仕様61の内、複数を要求仕様とすることも可能である。
【0031】
また、
(第2の実施形態)
次に、本発明に係る第2の実施形態を、図4、図5を用いて説明する。なお第1の実施形態と同一の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0032】
図4は、本発明に係る第2の実施形態を示す電力系統監視制御装置を構成するハードウェアの構成設計システムの構成図である。図4は、図1に加えて、機器情報自動入力部21、テンプレートデータベース22が構成要素として含まれる。
【0033】
機器情報自動入力部21は、テンプレートデータベース22から作成するドキュメントのテンプレートを取得し、機器一覧62を受け取り、テンプレート内の機器固有情報を示す箇所に機器一覧62内の機器情報を入力することで、電力系統監視制御装置のハードウェア構成に関するドキュメントを自動生成する。
【0034】
テンプレートデータベース22は、過去の電力系統監視制御装置に関するドキュメントをテンプレート化したものを格納しておき、機器情報自動入力部21に作成するドキュメントに対するテンプレートを渡す。
【0035】
なお、本発明では、ドキュメントとして見積63、ハードウェア構成表64を例として挙げるが、その他のドキュメントについてもテンプレートを用意することで自動生成可能である。
【0036】
機器一覧62から見積63が自動生成されるまでの動作について説明する。
【0037】
機器情報自動入力部21は、機器一覧62を受け取り、テンプレートデータベース22から見積63に対応するテンプレートを取得し、機器一覧62の機器情報をテンプレートに入力することで、見積63を作成する。
【0038】
次に、機器一覧62からハードウェア構成表64が自動生成されるまでの動作について説明する。
【0039】
機器情報自動入力部21は、機器一覧62を受け取り、テンプレートデータベース22からハードウェア構成表64に対応するテンプレートを取得し、機器一覧62の機器情報をテンプレートに入力することで、ハードウェア構成表64を作成する。
【0040】
機器情報自動入力部21の詳細について図5を用いて説明する。
【0041】
機器情報自動入力部21は、テンプレートデータベース22から作成するドキュメントに対応するテンプレートを読み込む(S501)。機器一覧62から機器情報を順に読み込み(S502)、テンプレート内の機器固有欄に対応するページを生成し(S503)、読み込んだ機器情報を機器固有欄に埋め込む(S504)。全ての機器情報を処理した場合(S505のYes)、テンプレート内の機器に依存しない共通部分を生成し、終了する(S506)。なお、見積作成時の数値計算は、共通部分生成時に行われる。
【0042】
本実施形態によれば、電力系統監視制御装置に固有の要求である、高信頼性、リアルタイム性を満たすハードウェア機器に対する、見積およびハードウェア構成表等のドキュメントを自動で生成することにより入力漏れや入力ミスがなくなるため、誤った見積を作成することによる電力系統監視制御装置の納期遅れや、誤ったドキュメントを作成することによる電力系統監視制御装置の品質低下を防止することができる。
【0043】
(第3の実施形態)
次に、本発明に係る第3の実施形態を、図6、図7を用いて説明する。なお第2の実施形態と同一の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0044】
図6は、本発明に係る第3の実施形態を示す電力系統監視制御装置を構成するハードウェアの構成設計方法の構成図である。図6は、図4に加えて、発注システム自動入力部31が構成要素として含まれる。
【0045】
発注システム自動入力部31は、過去の電力系統監視制御装置に関するハードウェア機器の発注情報をテンプレート化したものを持っており、機器一覧62を読み込み、機器一覧62内の機器情報をテンプレートに入力したものを発注システム32に渡すことで、電力系統監視制御装置を構成するハードウェア機器を自動発注し、手配情報65を生成する。
【0046】
機器一覧62から発注システム32に自動発注するまでの動作について説明する。
【0047】
発注システム自動入力部31は、機器一覧62を受け取り、機器一覧62の機器情報を発注情報のテンプレートに入力し、機器情報が入力された発注情報を発注システム32に渡し、発注手続きを行う。これを機器一覧62の全機器について実施する。
【0048】
発注システム自動入力部31の詳細について図7を用いて説明する。
【0049】
発注システム自動入力部31は、機器一覧62から機器情報を順に読み込み(S701)、発注情報のテンプレートに機器情報を入力し(S702)、発注システム32に入力し、発注処理を実施する(S703)。全ての機器情報を処理した場合(S704のYes)、手配情報65を作成し、終了する(S705)。
【0050】
本実施形態によれば、電力系統監視制御装置に固有の要求である、高信頼性、リアルタイム性を満たすハードウェア機器に対する発注を自動で行うことにより、手配漏れや手配ミスが発生しなくなるため、誤った機器手配による電力系統監視制御装置の品質低下を防止することができる。
【0051】
(第4の実施形態)
次に、本発明に係る第4の実施形態を、図8、図9を用いて説明する。なお第3の実施形態と同一の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0052】
図8は、本発明に係る第4の実施形態を示す電力系統監視制御装置を構成するハードウェアの構成設計方法の構成図である。図8は、図6に加えて、保守情報自動入力部41が構成要素として含まれる。
【0053】
保守情報自動入力部41は、過去の電力系統監視制御装置に関する保守データベース66のデータをテンプレート化したものを持っており、機器一覧62を読み込み、機器一覧62内の機器情報をテンプレートに入力したものを保守データベース66に入力することで、電力系統監視制御装置を構成するハードウェア機器の保守情報を保守データベース66に自動入力する。
【0054】
機器一覧62から保守データベース66が自動入力される動作について説明する。
【0055】
保守情報自動入力部41は、機器一覧62を受け取り、機器一覧62の機器情報を保守データベースのテンプレートに入力し、機器情報が入力された保守情報を保守データベース66に入力する。これを機器一覧62の全機器について実施する。
【0056】
保守情報自動入力部41の詳細について図9を用いて説明する。
【0057】
保守情報自動入力部41は、保守データベース66を初期入力モードでオープンする(S901)。機器一覧62から機器情報を順に読み込み(S902)、保守情報のテンプレートから保守データベース66のレコードを生成し(S903)、読み込んだ機器情報をレコードに埋め込む(S904)。全ての機器情報を処理した場合(S905のYes)、システム情報を入力し、終了する(S906)。
【0058】
本実施形態によれば、電力系統監視制御装置に固有の要求である、高信頼性、リアルタイム性を満たすハードウェア機器の保守情報が、保守データベースに自動入力されることにより、入力漏れや入力ミスが発生しなくなるため、保守データベースへの誤った入力を行ったことによる、電力系統監視制御装置の障害復旧の遅れや点検へ支障を来すことを防止することができる。
【0059】
(第5の実施形態)
次に、本発明に係る第5の実施形態を、図10、図11を用いて説明する。なお第4の実施形態と同一の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0060】
図10は、本発明に係る第5の実施形態を示す電力系統監視制御装置を構成するハードウェアの構成設計方法の構成図である。図10は、図8に加えて、ドキュメント手動入力部51と入力チェック部52が構成要素として含まれる。また、テンプレートデータベース22に格納されるテンプレートに、チェック用フラグを追加している。
【0061】
ドキュメント手動入力部51は、設計担当71がドキュメントを手動入力した内容を入力チェック部52に渡す。
【0062】
入力チェック部52は、ドキュメント手動入力部51から設計担当71が入力した内容を受け取り、テンプレートデータベース22から入力したドキュメントに対応するテンプレートを取得し、テンプレート内にチェック用フラグを設けることで、チェック用フラグに対応する箇所の入力内容を機器情報データベース3の内容によりチェックし、入力内容が間違っていれば機器情報データベース3の内容に修正する。
【0063】
見積63の手動での修正時の動作について説明する。
【0064】
設計担当71が、ドキュメント手動入力部51により見積63を修正すると、入力チェック部52は、テンプレートデータベース22から見積63のテンプレートを取得し、テンプレート内のチェック用フラグのある箇所について入力内容と機器情報データベース3の内容を比較し、誤りがあれば、機器情報データベース3の内容に更新する。
【0065】
ハードウェア構成表64の手動での修正時の動作について説明する。
【0066】
設計担当71が、ドキュメント手動入力部51によりハードウェア構成表64を修正すると、入力チェック部52は、テンプレートデータベース22からハードウェア構成表64のテンプレートを取得し、テンプレート内のチェック用フラグのある箇所について入力内容と機器情報データベース3の内容を比較し、誤りがあれば、機器情報データベース3の内容に更新する。
【0067】
入力チェック部52の詳細について図11を用いて説明する。
【0068】
入力チェック部52は、テンプレートデータベース22から手動入力したドキュメントのテンプレートを取得する(S1101)。テンプレート内のチェック用フラグを順に検索し(S1102)、チェック用フラグに対応するドキュメントの入力内容を読み込み(S1103)、機器固有情報であれば(S1104のYes)、機器情報データベース3のから同一機器の内容を取得し(S1105)、内容が異なっていれば(S1106のYes)、機器情報データベース3の内容に修正する(S1107)。全てのチェック用フラグについてチェックおよび修正処理が完了した場合(S1108のYes)、ドキュメントを保存し、終了する(S1109)。
【0069】
本実施形態によれば、電力系統監視制御装置に固有の要求である、高信頼性、リアルタイム性を満たすハードウェア機器の構成を示す、複雑なドキュメントに対する修正を手作業で実施した後、入力内容のチェックおよび誤り訂正が自動で行われことにより、入力漏れや入力ミスが発生しなくなるため、誤った見積を作成することによる電力系統監視制御装置の納期遅れや、誤ったドキュメントを作成することによる電力系統監視制御装置の品質低下や、誤った保守データベースへの入力を行ったことによる電力系統監視制御装置の障害復旧の遅れや点検へ支障を来すことを防止することができる。
【0070】
(第6の実施形態)
次に、本発明に係る第6の実施形態を、図12乃至図15を用いて説明する。なお第5の実施形態と同一の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0071】
図12は、本発明に係る第6の実施形態を示す電力系統監視制御装置を構成するハードウェアの構成設計方法の構成図である。図12は、図10に加えて、機器情報自動収集部13に生産終了情報68が入力される点、機器情報データベース3に生産終了フラグおよび代替機情報カラムが追加されている点が異なる。
【0072】
生産終了情報68を受け取った後の、機器情報データベース3の自動更新について説明する。
【0073】
調達担当72は生産終了情報68を機器情報自動収集部13に入力する。機器情報自動収集部13は、生産終了情報68に記載の機器について、インターネット80から代替機の情報を入手し、機器情報解析部12経由で機器情報更新部11に渡す。
【0074】
機器情報更新部11は生産終了情報68に記載の機器について機器情報データベース3を検索し、該当するレコードに生産終了フラグを立て、代替機の情報を代替機情報カラムに入力し、代替機の情報を新規レコードとして機器情報データベース3に追加する。
【0075】
図13に、サーバ機種である「SSS-YY」が生産終了し、代替機として「TTT-ZZ」が採用された場合の機器情報データベース3の例を示す。図13では、「SSS-YY」を採用した「○○サーバA」「○○サーバB」の行の生産終了欄に、生産終了したことを示す「○」が入力され、代替機欄に代替機である「TTT-ZZ」が入力されると共に、「TTT-ZZ」を採用した「○○サーバA」「○○サーバB」の行が追加されている。
【0076】
機器情報自動収集部13、機器情報解析部12、機器情報更新部11による機器情報データベース3の更新処理について、図14を用いて説明する。
【0077】
機器情報自動収集部13は、生産終了情報68から生産終了品の情報を取得し(S1401)、生産終了品に対応する代替機の情報をインターネット80から検索し、機器情報解析部12を経由して機器情報更新部11に渡す(S1402)。機器情報更新部11は、機器情報データベース3から生産終了品のレコードを取得し(S1403)、取得したレコードに生産終了フラグおよび代替機情報を入力する(S1404)。機器情報更新部11は、代替機用のレコードを生成し(S1405)、代替機の情報を入力し、機器情報データベース3の更新処理を終了する(S1406)。
【0078】
生産終了フラグおよび代替機情報を考慮した機器一覧生成部1の詳細について、図15を用いて説明する。
【0079】
機器一覧生成部1は、要求仕様61から要求定義項目を読み込む(S1501)。
【0080】
機器情報データベース3のレコードを順に読み込み(S1502)、要求定義項目(電力系統の規模)と一致した機器であれば(S1503のYes)、生産終了フラグの有無をチェックし、生産終了フラグがあれば(S1504のYes)、代替機の情報を取得し(S1505)、代替機用のレコードを取得し(S1506)。取得したレコードの情報を機器一覧62に追加する(S1507)。全てのレコードを処理した場合(S1508のYes)、機器選定処理を終了する。
【0081】
本実施形態によれば、過去のシステムの情報を残したまま代替機情報を追加することにより、電力系統監視制御装置に固有の要求である、高信頼性、リアルタイム性を満たすハードウェア機器の構成の、過去の機器選定のノウハウを蓄積しつつ、最新のハードウェア機器に対応した機器一覧を自動生成できるため、ハードウェア機器の性能の進化に追従したハードウェア機器の選定を行うことができ、電力系統監視制御装置を構成するハードウェア機器の数を減らすことで、ハードウェア機器の数が多いことによる電力系統監視制御装置の品質低下や、障害復旧の遅れを防止することができる。
【0082】
上述した第1乃至6の実施形態によれば、電力系統監視制御装置の設計担当の要求仕様からの機器選定の手作業を省くことを可能とし、電力系統監視制御装置の性能低下や品質低下を抑制する電力系統監視制御装置を構成するハードウェアの構成設計システム及び構成設計方法を提供することが可能である。
【0083】
以上、本発明のいくつかの実施形態について説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことが出来る。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0084】
1…機器一覧生成部
2…機器情報データベース検索部
3…機器情報データベース
11…機器情報更新部
12…機器情報解析部
13…機器情報自動収集部
21…機器情報自動入力部
22…テンプレートデータベース
31…発注システム自動入力部
32…発注システム
41…保守情報自動入力部
51…ドキュメント手動入力部
52…入力チェック部
61…要求仕様
62…機器一覧
63…見積
64…ハードウェア構成表
65…手配情報
66…保守データベース
67…価格情報
68…生産終了情報
71…設計担当
72…調達担当
80…インターネット
91…手動機器選定部
92…手動機器発注部
93…保守情報手動入力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力系統監視制御装置を構成する機器情報が保存された機器情報データベースと、
前記機器情報データベースに保存された機器情報から、入力された要求仕様と合致する機器を検索する機器情報データベース検索手段と、
前記機器情報データベース検索手段の検索結果に基づいて、機器一覧を生成する機器一覧生成手段と、
前記機器情報データベース検索手段よって検索された機器の代替機の情報を、インターネットを用いて収集する機器情報自動収集手段と、
前記機器情報自動収集手段によって収集された代替機の情報に基づいて、前記機器情報データベースに保存された機器情報を更新する機器情報更新手段とを備え、
前記機器情報データベース検索手段は、前記機器情報更新手段により前記機器情報データベースに保存された機器情報が更新された場合に、前記機器情報データベースを再度検索し、再検索結果を前記機器一覧生成手段に出力し、前記再検索結果を受けた前記機器一覧生成手段は、前記機器一覧を更新することを特徴とする電力系統監視制御装置を構成するハードウェアの構成設計システム。
【請求項2】
電力系統監視制御装置の見積又はハードウェア構成表のテンプレートが保存されたテンプレートデータベースと、
前記機器一覧に保存された機器と、前記テンプレートデータベースに保存されたテンプレートとから、見積又はハードウェア構成表のドキュメントを作成する機器情報自動入力手段とを
備えることを特徴とする請求項1記載の電力系統監視制御装置を構成するハードウェアの構成設計システム。
【請求項3】
電力系統監視制御装置のハードウェア機器を発注する発注システムに対応した発注テンプレートと、前記機器一覧に保存された機器とから、前記発注システムに、前記機器一覧に保存された機器を発注する発注システム自動入力手段を
備えることを特徴とする請求項1又は2記載の電力系統監視制御装置を構成するハードウェアの構成設計システム。
【請求項4】
前記発注システム自動入力手段は、前記発注システムに前記機器一覧に保存された機器を発注した後、発注した機器を記した手配情報を生成することを特徴とする請求項3記載の電力系統監視制御装置を構成するハードウェアの構成設計システム。
【請求項5】
電力系統監視制御装置に関する保守データベースに対応したテンプレートと、前記機器一覧に保存された機器とから、機器情報が入力された保守情報を前記保守データベースに入力する保守情報自動入力手段を備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電力系統監視制御装置を構成するハードウェアの構成設計システム。
【請求項6】
前記テンプレートデータベースに保存されたテンプレートは、チェック用フラグを備え、
前記見積又は前記ハードウェア構成表の修正を入力するドキュメント手動入力手段と、
前記ドキュメント手動入力手段に入力された修正箇所に対応する、前記テンプレートデータベースに保存されたテンプレートのチェック用フラグを立て、前記チェック用フラグが立っている箇所について、前記ドキュメント手動入力手段に入力された入力内容と前記機器情報データベースの内容を比較し、差異がある場合は、前記機器情報データベースの内容に更新する入力チェック手段とを
備えることを特徴とする請求項2記載の電力系統監視制御装置を構成するハードウェアの構成設計システム。
【請求項7】
前記機器情報データベースに保存された機器情報は、機器に対応した生産終了フラグ及び代替機情報カラムを備え、
前記機器情報自動収集手段は、電力系統監視制御装置を構成するハードウェア機器の生産が終了したことを示す生産終了情報を受け取ると、インターネットを用いて代替機の情報を収集し、
前記機器情報更新手段は、前記生産終了情報を受けた機器を前記機器情報データベースから検索し、対応する機器の前記生産終了フラグを立て、前記機器情報自動収集手段によって収集された代替機の情報を代替機情報カラムに入力し、
前記機器情報データベース検索部は、前記機器情報データベースに保存された機器情報と入力された前記要求仕様とが合致する機器の前記生産終了フラグが立っている場合は、当該機器の前記代替機情報カラムに入力された代替機を検索結果とする
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の電力系統監視制御装置を構成するハードウェアの構成設計システム。
【請求項8】
前記機器情報データベースに保存された機器情報には、機器に対応した電力系統の電圧階級を含み、
前記要求仕様は、前記電圧階級を含む
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の電力系統監視制御装置を構成するハードウェアの構成設計システム。
【請求項9】
電力系統監視制御装置を構成する機器情報が保存された機器情報データベースに保存された機器情報から、入力された要求仕様と合致する機器を検索する機器情報データベース検索ステップと、
前記機器情報データベース検索ステップの検索結果に基づいて、機器一覧を生成する機器一覧生成ステップと、
前記機器情報データベース検索ステップにより検索された機器の代替機の情報を、インターネットを用いて収集する機器情報自動収集ステップと、
前記機器情報自動収集ステップにより収集された代替機の情報に基づいて、前記機器情報データベースを更新する機器情報更新ステップと、
前記機器情報データベース検索ステップは、前記機器情報更新ステップにより前記機器情報データベースに保存された機器情報が更新された場合に、前記機器情報データベースを再度検索し、再検索結果を前記機器一覧生成ステップに出力し、前記再検索結果を受けた前記機器一覧生成ステップは、前記機器一覧を更新することを特徴とする電力系統監視制御装置を構成するハードウェアの構成設計方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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