電力線用防護ケース
【課題】電力線の接続部での故障等による他回線への延焼を防止するための費用を低減することができるとともに、電力線の接続部の保守点検や補修作業を容易に行うことができる電力線用防護ケースを提供する。
【解決手段】OFケーブルを用いた電力回線31,32における全相の電力線31A〜31C,32A〜32Cの接続部31a〜31c,32a〜32cを、その周囲に密閉空間が形成されるように防護ケース33内に収容する。防護ケース33の壁部33Aは、ケース枠の外側面に耐火板48を取り付けることによって構成する。防護ケース33の壁部33Aには、ケース内圧が高くなったときに閉鎖状態から開放されて圧力を逃がすための圧力逃がし部36を設ける。
【解決手段】OFケーブルを用いた電力回線31,32における全相の電力線31A〜31C,32A〜32Cの接続部31a〜31c,32a〜32cを、その周囲に密閉空間が形成されるように防護ケース33内に収容する。防護ケース33の壁部33Aは、ケース枠の外側面に耐火板48を取り付けることによって構成する。防護ケース33の壁部33Aには、ケース内圧が高くなったときに閉鎖状態から開放されて圧力を逃がすための圧力逃がし部36を設ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、油浸絶縁構造を有する電力ケーブルを用いた電力回線における電力線の接続部を被覆して防護するための電力線用防護ケースに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、油浸絶縁構造を有する電力ケーブル(OFケーブル)を用いた電力回線において、電力線の接続部が地絡事故等により破壊した場合、電力線内から絶縁油が流出するとともに、その絶縁油に着火して隣接の回線を含む周辺設備に延焼するおそれがあった。このような問題に対処するために、例えば特許文献1及び特許文献2に開示されるような防護構造が従来から提案されている。
【0003】
特許文献1に記載の防護構造では、電力回線における各相の電力線の接続部をFRP製の絶縁ケースで覆うとともに、その絶縁ケースの外周にアラミド繊維シートを巻き付けている。
【0004】
また、特許文献2に記載の防護方法では、電力回線における各相の電力線における接続部の両端に二つ割り構造の蓋板を取り付けるとともに、その蓋板間に二つ割り構造の耐火耐熱材よりなるトラフを取り付けることにより、各相の電力線の接続部を覆っている。
【特許文献1】特開2001−231148号公報
【特許文献2】特開平10−151219号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、これらの従来の防護方法においては、各相の電力線の接続部を絶縁ケース等で各別に覆うことにより防護しているため、構築に手間がかかって、費用が高価になるという問題があった。また、電力線の接続部が相ごとに密封構造となっているため、保守点検や補修作業が困難であるという問題もあった。
【0006】
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的は、電力線の接続部を防護するための構築費用を低減することができるとともに、電力線の接続部の保守点検や補修作業を容易に行うことができる電力線用防護ケースを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、この発明は、耐火板よりなる壁部を有し、電力線の接続部を、その周囲に密閉空間が形成されるように収容するとともに、前記壁部にはケース内圧が高くなったときに閉鎖状態から開放されて圧力を逃がすための圧力逃がし部を設けたことを特徴としている。
【0008】
従って、電力線の接続部を、各相ごとでなく全相分まとめて防護ケース内に収容して防護することが可能となる。よって、電力線の接続部を防護するための構築作業を容易に行うことができて、構築費用を低減することができる。また、例えば、地絡事故により電力線の接続部が破壊されて、ケース内圧が高くなった場合には、壁部に設けられた圧力逃がし部が開放されて、内部圧力が外部に逃がされる。その後に、圧力逃がし部が閉鎖されて、防護ケース内が密閉状態になり、地絡事故等にともなう火災が窒息消火される。よって、隣接の回線を含む周辺設備への延焼を効果的に防止することができる。さらに、防護ケース内に収容された電力線の接続部の保守点検等を行う場合には、壁部に設けられた圧力逃がし部を開放させて、その圧力逃がし部から保守点検等の作業を容易に行うことができる。
【0009】
また、前記の構成において、前記耐火板を取付手段によりケース枠の外側面に取り付けるとともに、前記取付手段は耐火板をケース枠の外側から着脱できるように構成するとよい。このように構成した場合には、電力線の接続部の補修作業等を行う際に、耐火板をケース枠の外側から簡単に着脱することができて、点検及び補修作業を容易に行うことができる。
【0010】
前記の構成において、前記圧力逃がし部は、耐火板に形成された逃がし窓と、耐火板の外側面に設けられ、通常は閉鎖状態に維持されるとともに、内圧の上昇により開放動作されるようにした耐火板よりなる蓋板とを備えるとよい。このように構成すれば、構成が簡単である。
【0011】
前記の構成において、前記蓋板を、ゴム材により構成するとともに、蓋板と前記耐火板との間に吸着手段を設けるとよい。このようにすれば、通常時は、ケースを適切に密閉でき、内圧上昇時には有効に放圧できる。また、放圧後に再びケースを密閉状態に保持することが容易にできる。
【0012】
さらに、前記の構成において、前記ケース枠を鋼材製の縦枠と横枠とにより格子状に形成するとともに、その縦枠と横枠との間に閉磁回路損が発生されないように、縦枠と横枠とを絶縁するための絶縁手段を設けるとよい。このように構成した場合には、送電時に防護ケースのケース枠に閉磁回路損が発生されることを防止することができる。
【発明の効果】
【0013】
以上のように、この発明によれば、電力線の接続部を防護するための構築費用を低減することができるとともに、電力線の接続部の保守点検や補修作業を容易に行うことができるという効果を発揮する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下に、この発明の一実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1(電力線用防護ケースを示す正面図),図2(図1の防護ケースの部分拡大上面図)及び図3(図1の防護ケースの拡大側面図)に示すように、この実施形態では、3相1回線であって、油浸絶縁構造を有する電力ケーブル(OFケーブル)の2回線分の電力回線31,32が上下に間隔をおいて並設されている。各電力回線31,32においては、各相の電力線31A〜31C,32A〜32Cが上下方向に所定間隔をおいた状態で平行に延長配置されている。そして、この実施形態の図面は、各電力線31A〜31C,32A〜32Cの接続部31a〜31c,32a〜32cの部分が示されている。これらの接続部31a〜31c,32a〜32cは、上下に隣接する各電力線31A〜31C,32A〜32Cにおいて、図1の左右方向(電線延長方向)へ交互に位置をずらした状態で配置されている。
【0015】
図1〜図3,図4(図1の4−4線における断面図),図5(図1の5−5線における部分拡大断面図)及び図6(図1の6−6線における拡大断面図)に示すように、前記電力回線31,32における各相の電力線31A〜31C,32A〜32Cの接続部31a〜31c,32a〜32cと対応して、接続部31a〜31c,32a〜32cを覆うように、床部F上には防護ケース33が構築されている。この防護ケース33は、鋼材よりなるケース枠34の外側面に絶縁材よりなる耐火板を取り付けることにより、正面壁部33A、背面壁部33B、上面壁部33C、両側面壁部33D及び中間壁部33Eを有する四角箱形状に形成されている。
【0016】
前記防護ケース33内には、中間壁部33Eにより上下に区画されて並設した2つの密閉空間35A,35Bが形成されている。そして、上部密閉空間35A内には、一方の電力回線31における回線全相の電力線31A〜31Cの接続部31a〜31cが収容配置されている。また、下部密閉空間35B内には、他方の電力回線32における回線全相の電力線32A〜32Cの接続部32a〜32cが収容配置されている。なお、密閉空間35A,35Bを形成する理由は、後述のとおり、地絡事故等にともなう火災を窒息消火するためであり、この窒息消火の目的を達成できるのであれば、厳密な意味で密閉構造でなくとも、ある程度の密閉構造であれば支障はない。
【0017】
図1及び図7(図1の7−7線における拡大断面図)に示すように、前記防護ケース33の正面壁部33Aには、防護ケース33内の後述する圧力を逃がすための複数の圧力逃がし部36が設けられている。この圧力逃がし部36は、防護ケース33が建造物の壁面Wに近接して構築されている場合、その壁面Wと近接する背面壁部33Bを避けて正面壁部33A側に設けられている。これに対して、防護ケース33が建造物の壁面Wに近接していない場合には、圧力逃がし部36を防護ケース33の背面壁部33B側に設けても差し支えない。
【0018】
また、前記圧力逃がし部36は、各電力線31A〜31C,32A〜32Cに対応して、正面壁部33Aの左右両端部と中間部との3箇所に位置するように設けられている。さらに、これらの圧力逃がし部36は、各電力線31A〜31C,32A〜32Cの接続部31a〜31c,32a〜32cから位置をずらすように配置されている。そして、地絡事故等により電力線31A〜31C,32A〜32Cの接続部31a〜31c,32a〜32cが破壊されて、密閉空間35A,35Bの内圧が高くなった場合、圧力逃がし部36が閉鎖状態から開放されて、内部圧力が防護ケース33外に逃がされる。なお、後述するが、この圧力逃がし部36は、通常時は閉鎖されている。
【0019】
次に、前記電力線31A〜31C,32A〜32Cの支持構成及び防護ケース33の構成を詳細に説明する。
図4、図6及び図7に示すように、床部F上にはチャンネル型鋼材よりなる複数の支柱40が固定されて、電線延長方向へ所定間隔をおいた状態で立設されている。各支柱40には複数の支持アーム41が後端部においてボルトにより片持ち式で取り付けられ、それらの支持アーム41は上下方向に所定の間隔をおいて配置されている。そして、前記各電力線31A〜31C,32A〜32Cの接続部31a〜31c,32a〜32c及びその両側の線部が、電線延長方向に配列された複数の支持アーム41上に絶縁ホルダ42を介して支持されている。
【0020】
図8(図1の防護ケースのケース枠を示す正面図),図9(図8のケース枠の部分拡大上面図),図10(図8のケース枠の拡大側面図)及び図11(図8の11−11線における部分拡大断面図)に示すように、前記防護ケース33のケース枠34においては、床部F上にチャンネル型鋼材よりなる前後一対の基材43が電線延長方向へ延びるように平行に設置固定されている。両基材43上には、アングル型鋼材よりなる複数の縦枠44が電線延長方向へ所定間隔おきで立設されている。この場合、各基材43の両端部には1本の縦枠44が立設され、基材43の両端以外の中間部においては一対の縦枠44が背中合わせの状態で立設されている。
【0021】
図8及び図12(図1の防護ケースの正面壁部及び背面壁部における耐火板の取付構造を拡大して示す要部分解斜視図)に示すように、前記防護ケース33の正面壁部33A及び背面壁部33B側においては、前記ケース枠34の隣接する縦枠44間に、鋼材よりなる複数の横枠45が架設されている。これらの横枠45は、電力線31A〜31C,32A〜32Cの上下方向の配列ピッチと同一のピッチで上下方向に配列されている。そして、この縦枠44と横枠45とにより、ケース枠34の正面及び背面が格子状となるように形成されている。上下に隣接配置された各一対の横枠45の両端部間に位置するように、縦枠44の外面には鋼材よりなるスペーサ46が配置されている。図12、図16(図15のケース枠の部分P1における要部拡大断面図)及び図17(図16の17−17線における部分断面図)に示すように、縦枠44の外面には取付手段としての複数のボルト47が溶接固定されている。このボルト47は、各横枠45の両端部及びスペーサ46の中間部の孔を貫通して正面側または背面側に突出されている。
【0022】
図1、図4〜図6及び図12に示すように、前記防護ケース33の正面壁部33A及び背面壁部33B側において、縦枠44と横枠45とで形成される各格子部の外側面には、FRP(Fiber Reinforced Plastics)製の耐火板48が取り付けられている。これらの耐火板48は、その外周縁に形成された複数のボルト挿通孔49に前記ボルト47を挿通するとともに、それらのボルト47に鋼材製の当板50,51を介して、取付手段としてのナット52を螺合することにより取り付けられている。そして、前記ナット52をボルト47から外すことにより、耐火板48がケース枠34の外側から着脱できるように構成されている。
【0023】
図1、図7及び図13(耐火板に設けられた圧力逃がし部の構造を示す要部分解斜視図)に示すように、前記防護ケース33の正面壁部側において、左右両端部及び中間部に配列された複数の耐火板48には、前記圧力逃がし部36を構成する逃がし窓53が形成されている。逃がし窓53の周縁外面の両側部及び下部には、鉄板等の磁性体よりなる吸着手段としての被吸着板54が固定されている。逃がし窓53の外面に対応して、耐火板48には前記圧力逃がし部36を構成するゴム板製、すなわちゴム材よりなる耐火板としての蓋板55が、当板56、複数のボルト57及びナット58により上端部において開閉可能に取り付けられている。この蓋板55は、弾性を有する耐火板であれば、他の種類でもよく、例えばアクリルゴム等の合成樹脂製であってもよい。蓋板55の内面には、前記被吸着板54に吸着可能な吸着手段としてのマグネット59が固定されている。そして、このマグネット59がその磁力により被吸着板54に吸着されることにより、蓋板55が閉鎖状態に保持されている。なお、前記被吸着板54はマグネットにより構成されてもよい。また、吸着手段としては、必要な吸着力さえ得られれば、磁力以外の種々の構造、例えば粘着剤等を用いることができる。
【0024】
図9に示すように、前記防護ケース33の上面壁部33C側においては、前記ケース枠34の左右に隣接する縦枠44の上端部間に、チャンネル型鋼材よりなる横枠60が架設固定されている。ケース枠34の前後に隣接する縦枠44の上端部間には、一対のチャンネル型鋼材よりなる上枠61が架設されている。そして、この横枠60と上枠61とにより、ケース枠34の上面が格子状となるように形成されている。横枠60及び上枠61の上面には取付手段としての複数のボルト62が突設されている。
【0025】
図2、図3及び図18(防護ケースの上面壁部におけるケース枠の絶縁構造を示す要部断面図)に示すように、前記横枠60と上枠61とで形成される各格子部の上面には、FRP製の耐火板63が取り付けられている。これらの耐火板63は、その外周縁に形成された複数のボルト挿通孔に前記ボルト62を挿通するとともに、それらのボルト62にチャンネル型鋼材よりなる複数の押え材64を介して、取付手段としてのナット65を螺合することにより、ケース枠34の上面外側から取り付けられている。従って、ナット65をボルト62から外すことにより、耐火板63を着脱できる。また、図2に示すように、前記電力線支持用の支柱40と対応する耐火板63には、その支柱40を貫通させるための透孔66が形成されている。
【0026】
図10及び図14(図1の防護ケースの側面壁部における耐火板の取付構造を拡大して示す要部分解斜視図)に示すように、前記防護ケース33の両側面壁部33D側においては、前記ケース枠34の前後に隣接する縦枠44間に鋼材よりなる複数の横枠67が架設されている。この横枠67は、前記正面壁部33A及び背面壁部33B側の横枠45の上下方向のピッチと同一のピッチで上下方向に配列されている。そして、この縦枠44と横枠67とにより、ケース枠34の両側面が格子状となるように形成されている。上下に隣接配置された各一対の横枠67の両端部間に位置するように、縦枠44の側面には鋼材よりなるスペーサ68が配置されている。縦枠44の側面には取付手段としての複数のボルト69が溶接固定され、各横枠67の両端部及びスペーサ68の上下方向の中間部の孔を貫通して側部外方に突出されている。
【0027】
図3及び図14に示すように、前記防護ケース33の両側面壁部33D側において、縦枠44と横枠67とで形成される各格子部の外側面には、FRP製の内側耐火板70及び外側耐火板71が取り付けられている。内側耐火板70は上下に2分割して構成され、外側耐火板71は前後に2分割して構成されている。内側耐火板70の対向端面間には、前記電力線31A〜31C,32A〜32Cを防炎テープ72の巻き付け状態で貫通させるための貫通孔73が形成されている。また、各耐火板70,71は、それらの外周縁に形成された複数のボルト挿通孔74に前記ボルト69を挿通するとともに、それらのボルト69に鋼材製の当板75を介して、取付手段としてのナット76を螺合することにより、ケース枠34の両側外方から固定されている。従って、ナット76をボルト69から外すことにより、各耐火板70,71を着脱できる。
【0028】
図11、図19(防護ケースの中間壁部におけるケース枠の絶縁構造を示す要部上面図)及び図20(図19の20−20線における部分断面図)に示すように、前記防護ケース33の中間壁部33Eにおいては、前記ケース枠34の左右に隣接する縦枠44間に、鋼材よりなる横枠77が各一対のボルト86及びナット87により取り付けられている。ケース枠34の前後に隣接する縦枠44間及び前後に隣接する横枠77間には、鋼材よりなる中間枠78,79が架設されている。そして、この横枠77と中間枠78,79とにより、ケース枠34の中間部が格子状となるように形成されている。横枠77及び中間枠79の上面には取付手段としての複数のボルト80が突設されている。
【0029】
図5〜図7に示すように、前記横枠77と中間枠78,79とで形成される各格子部の上面には、FRP製の耐火板81が取り付けられている。これらの耐火板81は、その外周縁に形成された複数のボルト挿通孔に前記ボルト80を挿通するとともに、それらのボルト80に鋼材よりなる当板82を介して、取付手段としてのナット83を螺合することにより取り付けられている。従って、ナット83をボルト80から外すことにより、耐火板81を着脱できる。図5に示すように、前記電力線支持用の支柱40と対応する耐火板81には、その支柱40を貫通させるための透孔84が形成されている。
【0030】
図6及び図7に示すように、前記防護ケース内部の耐火板81上には、油受け皿85が支持されている。そして、地絡事故等により上部電力回線31の電力線31A〜31Cの接続部31a〜31cが破壊して、電力線31A〜31C内から絶縁油が流出したとき、この油受け皿85によって絶縁油が受けられるようになっている。
【0031】
次に、前記防護ケース33の各壁部33A〜33Eにおいて、ケース枠34の格子部に設けられた絶縁手段としての絶縁構成について説明する。
さて、防護ケース33の正面壁部33A及び背面壁部33Bでは、ケース枠34の縦枠44及び横枠45が鋼材で構成されている。このため、電力線31A〜31C,32A〜32Cの送電時に、縦枠44及び横枠45で形成される1つの格子部、または複数の格子部を複合した大きな格子部において、閉磁回路損が発生するおそれがある。
【0032】
このような問題に対処するため、図15(防護ケースの正面壁部及び背面壁部におけるケース枠の絶縁構造を示す概略正面図)に示すように、ケース枠34における前後であって、防護ケース33の正面壁部33A及び背面壁部33Bにおける所要の格子部のコーナ部分(2点鎖線の丸内の部分)P1に、絶縁構造が設けられている。すなわち、図16及び図17に示すように、ボルト47及びナット52による縦枠44と横枠45と耐火板48との組み付け部分において、両枠44,45間には絶縁シート88が介装されている。また、縦枠44と耐火板48との間において、各ボルト47には絶縁カラー89が嵌挿されている。これらの構成により、防護ケース33の正面壁部33A及び背面壁部33Bにおいて、ケース枠34の縦枠44と横枠45との間に、閉磁回路損が発生しないように絶縁されている。
【0033】
また、前記防護ケース33の上面壁部33Cでは、ケース枠34の上枠61及び押え材64が鋼材で構成されている。このため、送電時に、上枠61及び押え材64によりボルト62を介して閉磁路が形成されて、閉磁回路損が発生するおそれがある。このような問題に対処するため、図18に示すように、ボルト62及びナット65による上枠61と耐火板63と押え材64との組み付け部分において、押え材64に対するボルト62の貫通部分には絶縁カラー90が嵌挿されている。また、押え材64とナット65との間には、絶縁ワッシャ91が介装されている。これらの構成により、防護ケース33の上面壁部33Cにおいて、ケース枠34の上枠61と押え材64との間に、閉磁回路損が発生しないように絶縁されている。
【0034】
さらに、図11に示すように、前記防護ケース33の中間壁部33Eでは、ケース枠34の縦枠44及び横枠77が鋼材で構成されている。このため、送電時に、縦枠44及び横枠77により閉磁路が形成されて、閉磁回路損が発生するおそれがある。このような問題に対処するため、図19及び図20に示すように、ボルト86及びナット87による縦枠44と横枠77との組み付け部分において、両枠44,77間には絶縁シート92が介装されている。また、横枠77及び絶縁シート92に対するボルト86の貫通部分には絶縁カラー93が嵌挿されるとともに、横枠77とナット87との間には絶縁ワッシャ94が介装されている。これらの構成により、防護ケース33の中間壁部33Eにおいて、ケース枠34の縦枠44と横枠77との間に、閉磁回路損が発生しないように絶縁されている。
【0035】
次に、前記のように構成された電力線用防護ケースの作用を説明する。
さて、この防護ケース33においては、OFケーブルの電力回線31,32における電力線31A〜31C,32A〜32Cの接続部31a〜31c,32a〜32cが、全相分まとめて収容されるようになっている。このため、電力線31A〜31C,32A〜32Cの接続部31a〜31c,32a〜32cを各相ごとに被覆防護する必要がなく、構築作業を容易に行うことができて、構築費用を低減することができる。
【0036】
一方、電力線31A〜31C,32A〜32Cの送電時において、地絡事故等により電力線31A〜31C,32A〜32Cの接続部31a〜31c,32a〜32cが破壊すると、その破壊エネルギーにより、防護ケース33の密閉空間35A,35Bの内圧が高くなる。このような場合には、正面壁部33Aに設けられた圧力逃がし部36の蓋板55が被吸着板54とマグネット59との磁力吸着に抗して図7に鎖線で示すように外側に開放され、内部圧力が外部に逃がされる。その後、圧力逃がし部36の蓋板55が重量及び弾性、及び、被吸着板54とマグネット59との磁力吸着とにより閉鎖されて、防護ケース33の密閉空間35A,35Bが密閉状態になる。これにより、地絡事故等にともない電力線31A〜31C,32A〜32C内から絶縁油が流出して、その絶縁油に着火した場合であっても、その火災を窒息消火させることができる。よって、隣接の回線31,32を含む周辺設備への延焼を効果的に防止することができる。
【0037】
また、防護ケース33内に収容された電力線31A〜31C,32A〜32Cの接続部31a〜31c,32a〜32cの保守点検等を行う場合には、正面壁部33Aに設けられた圧力逃がし部36の蓋板55を開放させて、逃がし窓53から保守点検等の作業を容易に行うことができる。さらに、電力線31A〜31C,32A〜32Cの接続部31a〜31c,32a〜32cの補修作業等を行う場合には、防護ケース33の各外側壁部33A〜33Dの外側から、ボルト47,62,69に対してナット52,65,76を脱着することにより、ケース枠34に耐火板48,63,70,71を簡単に着脱することができる。よって、防護ケース33を大きく解体することなく、補修作業等を容易に行うことができる。
【0038】
しかも、この実施形態の防護ケース33においては、鋼材よりなるケース枠34の縦枠44及び横枠45間等に閉磁回路損が発生されないように、それらの枠間に絶縁するための絶縁構造が施されている。このため、送電時にケース枠34に閉磁路が形成されることを抑制することができて、閉磁回路損が発生するおそれを防止することができる。
【0039】
以上のように、この実施形態においては、以下の効果がある。
(1) 電力線31A〜31C,32A〜32Cの接続部31a〜31c,32a〜32cを相ごとに被覆防護する必要がなく、防護のための構築作業を容易に行うことができて、構築費用を低減することができる。
【0040】
(2) 通常時は、蓋板55の自重及び弾性や、被吸着板54とマグネット59との吸着作用により、蓋板55が閉鎖状態に維持できて、ケース内を密閉状態に維持できる。そして、地絡事故等により内圧が上昇した場合は、蓋板55が開放され、内部圧力が外部に逃がされる。そして、その後、蓋板55が閉鎖されて、火災が窒息消火され、延焼を効果的に防止することができる。
【0041】
(3) 蓋板55を開放させて、逃がし窓53から保守点検等の作業を容易に行うことができる。
(4) 耐火板48,63,70,71を簡単に着脱することができるため、防護ケース33を解体することなく、補修作業等を容易に行うことができる。
【0042】
(5) 閉磁回路損が発生されないように構成されているため、送電効率の低下を防止することができる。
(変更例)
なお、この実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
【0043】
・ 前記実施形態において、防護ケース33の背面壁部33Bが建造物の壁面Wに対して間隔をおくことなく接近して配置される場合、背面壁部33B側に耐火板48を取り付けることを省略すること。
【0044】
・ 前記実施形態において、図18に示す防護ケース33の上面壁部33Cの絶縁構造に代えて、上枠61をステンレススチール板材により構成すること。
・ 前記実施形態において、図19及び図20に示す防護ケース33の中間壁部33Eの絶縁構造に代えて、中間枠78,79をステンレススチール板材により構成すること。
【0045】
・ 前記実施形態において、防護ケース33の側面壁部33Dの横枠67をステンレススチール板材により構成すること。
・ 逃がし窓53を覆う蓋板55をFRP等の硬質耐火板により構成するとともに、その蓋板55を上端においてヒンジにより前面の耐火板48に開閉回動可能に支持すること。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】一実施形態の電力線用防護ケースを示す正面図。
【図2】図1の防護ケースの部分拡大上面図。
【図3】図1の防護ケースの拡大側面図。
【図4】図1の4−4線における断面図。
【図5】図1の5−5線における部分拡大断面図。
【図6】図1の6−6線における拡大断面図。
【図7】図1の7−7線における拡大断面図。
【図8】図1の防護ケースのケース枠を示す正面図。
【図9】図8のケース枠の部分拡大上面図。
【図10】図8のケース枠の拡大側面図。
【図11】図8の11−11線における部分拡大断面図。
【図12】図1の防護ケースの正面壁部及び背面壁部における耐火板の取付構造を拡大して示す要部分解斜視図。
【図13】耐火板に設けられた圧力逃がし部の構造を示す要部分解斜視図。
【図14】図1の防護ケースの側面壁部における耐火板の取付構造を拡大して示す要部分解斜視図。
【図15】防護ケースの正面壁部及び背面壁部におけるケース枠の絶縁構造を示す概略正面図。
【図16】図15のケース枠の部分P1における要部拡大断面図。
【図17】図16の17−17線における部分断面図。
【図18】防護ケースの上面壁部におけるケース枠の絶縁構造を示す要部断面図。
【図19】防護ケースの中間壁部におけるケース枠の絶縁構造を示す要部上面図。
【図20】図19の20−20線における部分断面図。
【符号の説明】
【0047】
31,32…電力回線、31A〜31C,32A〜32C…電力線、31a〜31c,32a〜32c…接続部、33…防護ケース、33A…正面壁部、33B…背面壁部、33C…上面壁部、33D…側面壁部、33E…中間壁部、34…ケース枠、35A,35B…密閉空間、36…圧力逃がし部、40…支柱、41…支持アーム、44…縦枠、45,60,67,77…横枠、47,62,69,80…取付手段を構成するボルト、48,63,70,71,81…耐火板、52,65,76,83…取付手段を構成するナット、53…逃がし窓、54…被吸着板、55…蓋板、59…マグネット、61…上枠、78,79…中間枠、88,92…絶縁シート、89,90,93…絶縁カラー、91,94…絶縁ワッシャ。
【技術分野】
【0001】
この発明は、油浸絶縁構造を有する電力ケーブルを用いた電力回線における電力線の接続部を被覆して防護するための電力線用防護ケースに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、油浸絶縁構造を有する電力ケーブル(OFケーブル)を用いた電力回線において、電力線の接続部が地絡事故等により破壊した場合、電力線内から絶縁油が流出するとともに、その絶縁油に着火して隣接の回線を含む周辺設備に延焼するおそれがあった。このような問題に対処するために、例えば特許文献1及び特許文献2に開示されるような防護構造が従来から提案されている。
【0003】
特許文献1に記載の防護構造では、電力回線における各相の電力線の接続部をFRP製の絶縁ケースで覆うとともに、その絶縁ケースの外周にアラミド繊維シートを巻き付けている。
【0004】
また、特許文献2に記載の防護方法では、電力回線における各相の電力線における接続部の両端に二つ割り構造の蓋板を取り付けるとともに、その蓋板間に二つ割り構造の耐火耐熱材よりなるトラフを取り付けることにより、各相の電力線の接続部を覆っている。
【特許文献1】特開2001−231148号公報
【特許文献2】特開平10−151219号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、これらの従来の防護方法においては、各相の電力線の接続部を絶縁ケース等で各別に覆うことにより防護しているため、構築に手間がかかって、費用が高価になるという問題があった。また、電力線の接続部が相ごとに密封構造となっているため、保守点検や補修作業が困難であるという問題もあった。
【0006】
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的は、電力線の接続部を防護するための構築費用を低減することができるとともに、電力線の接続部の保守点検や補修作業を容易に行うことができる電力線用防護ケースを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、この発明は、耐火板よりなる壁部を有し、電力線の接続部を、その周囲に密閉空間が形成されるように収容するとともに、前記壁部にはケース内圧が高くなったときに閉鎖状態から開放されて圧力を逃がすための圧力逃がし部を設けたことを特徴としている。
【0008】
従って、電力線の接続部を、各相ごとでなく全相分まとめて防護ケース内に収容して防護することが可能となる。よって、電力線の接続部を防護するための構築作業を容易に行うことができて、構築費用を低減することができる。また、例えば、地絡事故により電力線の接続部が破壊されて、ケース内圧が高くなった場合には、壁部に設けられた圧力逃がし部が開放されて、内部圧力が外部に逃がされる。その後に、圧力逃がし部が閉鎖されて、防護ケース内が密閉状態になり、地絡事故等にともなう火災が窒息消火される。よって、隣接の回線を含む周辺設備への延焼を効果的に防止することができる。さらに、防護ケース内に収容された電力線の接続部の保守点検等を行う場合には、壁部に設けられた圧力逃がし部を開放させて、その圧力逃がし部から保守点検等の作業を容易に行うことができる。
【0009】
また、前記の構成において、前記耐火板を取付手段によりケース枠の外側面に取り付けるとともに、前記取付手段は耐火板をケース枠の外側から着脱できるように構成するとよい。このように構成した場合には、電力線の接続部の補修作業等を行う際に、耐火板をケース枠の外側から簡単に着脱することができて、点検及び補修作業を容易に行うことができる。
【0010】
前記の構成において、前記圧力逃がし部は、耐火板に形成された逃がし窓と、耐火板の外側面に設けられ、通常は閉鎖状態に維持されるとともに、内圧の上昇により開放動作されるようにした耐火板よりなる蓋板とを備えるとよい。このように構成すれば、構成が簡単である。
【0011】
前記の構成において、前記蓋板を、ゴム材により構成するとともに、蓋板と前記耐火板との間に吸着手段を設けるとよい。このようにすれば、通常時は、ケースを適切に密閉でき、内圧上昇時には有効に放圧できる。また、放圧後に再びケースを密閉状態に保持することが容易にできる。
【0012】
さらに、前記の構成において、前記ケース枠を鋼材製の縦枠と横枠とにより格子状に形成するとともに、その縦枠と横枠との間に閉磁回路損が発生されないように、縦枠と横枠とを絶縁するための絶縁手段を設けるとよい。このように構成した場合には、送電時に防護ケースのケース枠に閉磁回路損が発生されることを防止することができる。
【発明の効果】
【0013】
以上のように、この発明によれば、電力線の接続部を防護するための構築費用を低減することができるとともに、電力線の接続部の保守点検や補修作業を容易に行うことができるという効果を発揮する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下に、この発明の一実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1(電力線用防護ケースを示す正面図),図2(図1の防護ケースの部分拡大上面図)及び図3(図1の防護ケースの拡大側面図)に示すように、この実施形態では、3相1回線であって、油浸絶縁構造を有する電力ケーブル(OFケーブル)の2回線分の電力回線31,32が上下に間隔をおいて並設されている。各電力回線31,32においては、各相の電力線31A〜31C,32A〜32Cが上下方向に所定間隔をおいた状態で平行に延長配置されている。そして、この実施形態の図面は、各電力線31A〜31C,32A〜32Cの接続部31a〜31c,32a〜32cの部分が示されている。これらの接続部31a〜31c,32a〜32cは、上下に隣接する各電力線31A〜31C,32A〜32Cにおいて、図1の左右方向(電線延長方向)へ交互に位置をずらした状態で配置されている。
【0015】
図1〜図3,図4(図1の4−4線における断面図),図5(図1の5−5線における部分拡大断面図)及び図6(図1の6−6線における拡大断面図)に示すように、前記電力回線31,32における各相の電力線31A〜31C,32A〜32Cの接続部31a〜31c,32a〜32cと対応して、接続部31a〜31c,32a〜32cを覆うように、床部F上には防護ケース33が構築されている。この防護ケース33は、鋼材よりなるケース枠34の外側面に絶縁材よりなる耐火板を取り付けることにより、正面壁部33A、背面壁部33B、上面壁部33C、両側面壁部33D及び中間壁部33Eを有する四角箱形状に形成されている。
【0016】
前記防護ケース33内には、中間壁部33Eにより上下に区画されて並設した2つの密閉空間35A,35Bが形成されている。そして、上部密閉空間35A内には、一方の電力回線31における回線全相の電力線31A〜31Cの接続部31a〜31cが収容配置されている。また、下部密閉空間35B内には、他方の電力回線32における回線全相の電力線32A〜32Cの接続部32a〜32cが収容配置されている。なお、密閉空間35A,35Bを形成する理由は、後述のとおり、地絡事故等にともなう火災を窒息消火するためであり、この窒息消火の目的を達成できるのであれば、厳密な意味で密閉構造でなくとも、ある程度の密閉構造であれば支障はない。
【0017】
図1及び図7(図1の7−7線における拡大断面図)に示すように、前記防護ケース33の正面壁部33Aには、防護ケース33内の後述する圧力を逃がすための複数の圧力逃がし部36が設けられている。この圧力逃がし部36は、防護ケース33が建造物の壁面Wに近接して構築されている場合、その壁面Wと近接する背面壁部33Bを避けて正面壁部33A側に設けられている。これに対して、防護ケース33が建造物の壁面Wに近接していない場合には、圧力逃がし部36を防護ケース33の背面壁部33B側に設けても差し支えない。
【0018】
また、前記圧力逃がし部36は、各電力線31A〜31C,32A〜32Cに対応して、正面壁部33Aの左右両端部と中間部との3箇所に位置するように設けられている。さらに、これらの圧力逃がし部36は、各電力線31A〜31C,32A〜32Cの接続部31a〜31c,32a〜32cから位置をずらすように配置されている。そして、地絡事故等により電力線31A〜31C,32A〜32Cの接続部31a〜31c,32a〜32cが破壊されて、密閉空間35A,35Bの内圧が高くなった場合、圧力逃がし部36が閉鎖状態から開放されて、内部圧力が防護ケース33外に逃がされる。なお、後述するが、この圧力逃がし部36は、通常時は閉鎖されている。
【0019】
次に、前記電力線31A〜31C,32A〜32Cの支持構成及び防護ケース33の構成を詳細に説明する。
図4、図6及び図7に示すように、床部F上にはチャンネル型鋼材よりなる複数の支柱40が固定されて、電線延長方向へ所定間隔をおいた状態で立設されている。各支柱40には複数の支持アーム41が後端部においてボルトにより片持ち式で取り付けられ、それらの支持アーム41は上下方向に所定の間隔をおいて配置されている。そして、前記各電力線31A〜31C,32A〜32Cの接続部31a〜31c,32a〜32c及びその両側の線部が、電線延長方向に配列された複数の支持アーム41上に絶縁ホルダ42を介して支持されている。
【0020】
図8(図1の防護ケースのケース枠を示す正面図),図9(図8のケース枠の部分拡大上面図),図10(図8のケース枠の拡大側面図)及び図11(図8の11−11線における部分拡大断面図)に示すように、前記防護ケース33のケース枠34においては、床部F上にチャンネル型鋼材よりなる前後一対の基材43が電線延長方向へ延びるように平行に設置固定されている。両基材43上には、アングル型鋼材よりなる複数の縦枠44が電線延長方向へ所定間隔おきで立設されている。この場合、各基材43の両端部には1本の縦枠44が立設され、基材43の両端以外の中間部においては一対の縦枠44が背中合わせの状態で立設されている。
【0021】
図8及び図12(図1の防護ケースの正面壁部及び背面壁部における耐火板の取付構造を拡大して示す要部分解斜視図)に示すように、前記防護ケース33の正面壁部33A及び背面壁部33B側においては、前記ケース枠34の隣接する縦枠44間に、鋼材よりなる複数の横枠45が架設されている。これらの横枠45は、電力線31A〜31C,32A〜32Cの上下方向の配列ピッチと同一のピッチで上下方向に配列されている。そして、この縦枠44と横枠45とにより、ケース枠34の正面及び背面が格子状となるように形成されている。上下に隣接配置された各一対の横枠45の両端部間に位置するように、縦枠44の外面には鋼材よりなるスペーサ46が配置されている。図12、図16(図15のケース枠の部分P1における要部拡大断面図)及び図17(図16の17−17線における部分断面図)に示すように、縦枠44の外面には取付手段としての複数のボルト47が溶接固定されている。このボルト47は、各横枠45の両端部及びスペーサ46の中間部の孔を貫通して正面側または背面側に突出されている。
【0022】
図1、図4〜図6及び図12に示すように、前記防護ケース33の正面壁部33A及び背面壁部33B側において、縦枠44と横枠45とで形成される各格子部の外側面には、FRP(Fiber Reinforced Plastics)製の耐火板48が取り付けられている。これらの耐火板48は、その外周縁に形成された複数のボルト挿通孔49に前記ボルト47を挿通するとともに、それらのボルト47に鋼材製の当板50,51を介して、取付手段としてのナット52を螺合することにより取り付けられている。そして、前記ナット52をボルト47から外すことにより、耐火板48がケース枠34の外側から着脱できるように構成されている。
【0023】
図1、図7及び図13(耐火板に設けられた圧力逃がし部の構造を示す要部分解斜視図)に示すように、前記防護ケース33の正面壁部側において、左右両端部及び中間部に配列された複数の耐火板48には、前記圧力逃がし部36を構成する逃がし窓53が形成されている。逃がし窓53の周縁外面の両側部及び下部には、鉄板等の磁性体よりなる吸着手段としての被吸着板54が固定されている。逃がし窓53の外面に対応して、耐火板48には前記圧力逃がし部36を構成するゴム板製、すなわちゴム材よりなる耐火板としての蓋板55が、当板56、複数のボルト57及びナット58により上端部において開閉可能に取り付けられている。この蓋板55は、弾性を有する耐火板であれば、他の種類でもよく、例えばアクリルゴム等の合成樹脂製であってもよい。蓋板55の内面には、前記被吸着板54に吸着可能な吸着手段としてのマグネット59が固定されている。そして、このマグネット59がその磁力により被吸着板54に吸着されることにより、蓋板55が閉鎖状態に保持されている。なお、前記被吸着板54はマグネットにより構成されてもよい。また、吸着手段としては、必要な吸着力さえ得られれば、磁力以外の種々の構造、例えば粘着剤等を用いることができる。
【0024】
図9に示すように、前記防護ケース33の上面壁部33C側においては、前記ケース枠34の左右に隣接する縦枠44の上端部間に、チャンネル型鋼材よりなる横枠60が架設固定されている。ケース枠34の前後に隣接する縦枠44の上端部間には、一対のチャンネル型鋼材よりなる上枠61が架設されている。そして、この横枠60と上枠61とにより、ケース枠34の上面が格子状となるように形成されている。横枠60及び上枠61の上面には取付手段としての複数のボルト62が突設されている。
【0025】
図2、図3及び図18(防護ケースの上面壁部におけるケース枠の絶縁構造を示す要部断面図)に示すように、前記横枠60と上枠61とで形成される各格子部の上面には、FRP製の耐火板63が取り付けられている。これらの耐火板63は、その外周縁に形成された複数のボルト挿通孔に前記ボルト62を挿通するとともに、それらのボルト62にチャンネル型鋼材よりなる複数の押え材64を介して、取付手段としてのナット65を螺合することにより、ケース枠34の上面外側から取り付けられている。従って、ナット65をボルト62から外すことにより、耐火板63を着脱できる。また、図2に示すように、前記電力線支持用の支柱40と対応する耐火板63には、その支柱40を貫通させるための透孔66が形成されている。
【0026】
図10及び図14(図1の防護ケースの側面壁部における耐火板の取付構造を拡大して示す要部分解斜視図)に示すように、前記防護ケース33の両側面壁部33D側においては、前記ケース枠34の前後に隣接する縦枠44間に鋼材よりなる複数の横枠67が架設されている。この横枠67は、前記正面壁部33A及び背面壁部33B側の横枠45の上下方向のピッチと同一のピッチで上下方向に配列されている。そして、この縦枠44と横枠67とにより、ケース枠34の両側面が格子状となるように形成されている。上下に隣接配置された各一対の横枠67の両端部間に位置するように、縦枠44の側面には鋼材よりなるスペーサ68が配置されている。縦枠44の側面には取付手段としての複数のボルト69が溶接固定され、各横枠67の両端部及びスペーサ68の上下方向の中間部の孔を貫通して側部外方に突出されている。
【0027】
図3及び図14に示すように、前記防護ケース33の両側面壁部33D側において、縦枠44と横枠67とで形成される各格子部の外側面には、FRP製の内側耐火板70及び外側耐火板71が取り付けられている。内側耐火板70は上下に2分割して構成され、外側耐火板71は前後に2分割して構成されている。内側耐火板70の対向端面間には、前記電力線31A〜31C,32A〜32Cを防炎テープ72の巻き付け状態で貫通させるための貫通孔73が形成されている。また、各耐火板70,71は、それらの外周縁に形成された複数のボルト挿通孔74に前記ボルト69を挿通するとともに、それらのボルト69に鋼材製の当板75を介して、取付手段としてのナット76を螺合することにより、ケース枠34の両側外方から固定されている。従って、ナット76をボルト69から外すことにより、各耐火板70,71を着脱できる。
【0028】
図11、図19(防護ケースの中間壁部におけるケース枠の絶縁構造を示す要部上面図)及び図20(図19の20−20線における部分断面図)に示すように、前記防護ケース33の中間壁部33Eにおいては、前記ケース枠34の左右に隣接する縦枠44間に、鋼材よりなる横枠77が各一対のボルト86及びナット87により取り付けられている。ケース枠34の前後に隣接する縦枠44間及び前後に隣接する横枠77間には、鋼材よりなる中間枠78,79が架設されている。そして、この横枠77と中間枠78,79とにより、ケース枠34の中間部が格子状となるように形成されている。横枠77及び中間枠79の上面には取付手段としての複数のボルト80が突設されている。
【0029】
図5〜図7に示すように、前記横枠77と中間枠78,79とで形成される各格子部の上面には、FRP製の耐火板81が取り付けられている。これらの耐火板81は、その外周縁に形成された複数のボルト挿通孔に前記ボルト80を挿通するとともに、それらのボルト80に鋼材よりなる当板82を介して、取付手段としてのナット83を螺合することにより取り付けられている。従って、ナット83をボルト80から外すことにより、耐火板81を着脱できる。図5に示すように、前記電力線支持用の支柱40と対応する耐火板81には、その支柱40を貫通させるための透孔84が形成されている。
【0030】
図6及び図7に示すように、前記防護ケース内部の耐火板81上には、油受け皿85が支持されている。そして、地絡事故等により上部電力回線31の電力線31A〜31Cの接続部31a〜31cが破壊して、電力線31A〜31C内から絶縁油が流出したとき、この油受け皿85によって絶縁油が受けられるようになっている。
【0031】
次に、前記防護ケース33の各壁部33A〜33Eにおいて、ケース枠34の格子部に設けられた絶縁手段としての絶縁構成について説明する。
さて、防護ケース33の正面壁部33A及び背面壁部33Bでは、ケース枠34の縦枠44及び横枠45が鋼材で構成されている。このため、電力線31A〜31C,32A〜32Cの送電時に、縦枠44及び横枠45で形成される1つの格子部、または複数の格子部を複合した大きな格子部において、閉磁回路損が発生するおそれがある。
【0032】
このような問題に対処するため、図15(防護ケースの正面壁部及び背面壁部におけるケース枠の絶縁構造を示す概略正面図)に示すように、ケース枠34における前後であって、防護ケース33の正面壁部33A及び背面壁部33Bにおける所要の格子部のコーナ部分(2点鎖線の丸内の部分)P1に、絶縁構造が設けられている。すなわち、図16及び図17に示すように、ボルト47及びナット52による縦枠44と横枠45と耐火板48との組み付け部分において、両枠44,45間には絶縁シート88が介装されている。また、縦枠44と耐火板48との間において、各ボルト47には絶縁カラー89が嵌挿されている。これらの構成により、防護ケース33の正面壁部33A及び背面壁部33Bにおいて、ケース枠34の縦枠44と横枠45との間に、閉磁回路損が発生しないように絶縁されている。
【0033】
また、前記防護ケース33の上面壁部33Cでは、ケース枠34の上枠61及び押え材64が鋼材で構成されている。このため、送電時に、上枠61及び押え材64によりボルト62を介して閉磁路が形成されて、閉磁回路損が発生するおそれがある。このような問題に対処するため、図18に示すように、ボルト62及びナット65による上枠61と耐火板63と押え材64との組み付け部分において、押え材64に対するボルト62の貫通部分には絶縁カラー90が嵌挿されている。また、押え材64とナット65との間には、絶縁ワッシャ91が介装されている。これらの構成により、防護ケース33の上面壁部33Cにおいて、ケース枠34の上枠61と押え材64との間に、閉磁回路損が発生しないように絶縁されている。
【0034】
さらに、図11に示すように、前記防護ケース33の中間壁部33Eでは、ケース枠34の縦枠44及び横枠77が鋼材で構成されている。このため、送電時に、縦枠44及び横枠77により閉磁路が形成されて、閉磁回路損が発生するおそれがある。このような問題に対処するため、図19及び図20に示すように、ボルト86及びナット87による縦枠44と横枠77との組み付け部分において、両枠44,77間には絶縁シート92が介装されている。また、横枠77及び絶縁シート92に対するボルト86の貫通部分には絶縁カラー93が嵌挿されるとともに、横枠77とナット87との間には絶縁ワッシャ94が介装されている。これらの構成により、防護ケース33の中間壁部33Eにおいて、ケース枠34の縦枠44と横枠77との間に、閉磁回路損が発生しないように絶縁されている。
【0035】
次に、前記のように構成された電力線用防護ケースの作用を説明する。
さて、この防護ケース33においては、OFケーブルの電力回線31,32における電力線31A〜31C,32A〜32Cの接続部31a〜31c,32a〜32cが、全相分まとめて収容されるようになっている。このため、電力線31A〜31C,32A〜32Cの接続部31a〜31c,32a〜32cを各相ごとに被覆防護する必要がなく、構築作業を容易に行うことができて、構築費用を低減することができる。
【0036】
一方、電力線31A〜31C,32A〜32Cの送電時において、地絡事故等により電力線31A〜31C,32A〜32Cの接続部31a〜31c,32a〜32cが破壊すると、その破壊エネルギーにより、防護ケース33の密閉空間35A,35Bの内圧が高くなる。このような場合には、正面壁部33Aに設けられた圧力逃がし部36の蓋板55が被吸着板54とマグネット59との磁力吸着に抗して図7に鎖線で示すように外側に開放され、内部圧力が外部に逃がされる。その後、圧力逃がし部36の蓋板55が重量及び弾性、及び、被吸着板54とマグネット59との磁力吸着とにより閉鎖されて、防護ケース33の密閉空間35A,35Bが密閉状態になる。これにより、地絡事故等にともない電力線31A〜31C,32A〜32C内から絶縁油が流出して、その絶縁油に着火した場合であっても、その火災を窒息消火させることができる。よって、隣接の回線31,32を含む周辺設備への延焼を効果的に防止することができる。
【0037】
また、防護ケース33内に収容された電力線31A〜31C,32A〜32Cの接続部31a〜31c,32a〜32cの保守点検等を行う場合には、正面壁部33Aに設けられた圧力逃がし部36の蓋板55を開放させて、逃がし窓53から保守点検等の作業を容易に行うことができる。さらに、電力線31A〜31C,32A〜32Cの接続部31a〜31c,32a〜32cの補修作業等を行う場合には、防護ケース33の各外側壁部33A〜33Dの外側から、ボルト47,62,69に対してナット52,65,76を脱着することにより、ケース枠34に耐火板48,63,70,71を簡単に着脱することができる。よって、防護ケース33を大きく解体することなく、補修作業等を容易に行うことができる。
【0038】
しかも、この実施形態の防護ケース33においては、鋼材よりなるケース枠34の縦枠44及び横枠45間等に閉磁回路損が発生されないように、それらの枠間に絶縁するための絶縁構造が施されている。このため、送電時にケース枠34に閉磁路が形成されることを抑制することができて、閉磁回路損が発生するおそれを防止することができる。
【0039】
以上のように、この実施形態においては、以下の効果がある。
(1) 電力線31A〜31C,32A〜32Cの接続部31a〜31c,32a〜32cを相ごとに被覆防護する必要がなく、防護のための構築作業を容易に行うことができて、構築費用を低減することができる。
【0040】
(2) 通常時は、蓋板55の自重及び弾性や、被吸着板54とマグネット59との吸着作用により、蓋板55が閉鎖状態に維持できて、ケース内を密閉状態に維持できる。そして、地絡事故等により内圧が上昇した場合は、蓋板55が開放され、内部圧力が外部に逃がされる。そして、その後、蓋板55が閉鎖されて、火災が窒息消火され、延焼を効果的に防止することができる。
【0041】
(3) 蓋板55を開放させて、逃がし窓53から保守点検等の作業を容易に行うことができる。
(4) 耐火板48,63,70,71を簡単に着脱することができるため、防護ケース33を解体することなく、補修作業等を容易に行うことができる。
【0042】
(5) 閉磁回路損が発生されないように構成されているため、送電効率の低下を防止することができる。
(変更例)
なお、この実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
【0043】
・ 前記実施形態において、防護ケース33の背面壁部33Bが建造物の壁面Wに対して間隔をおくことなく接近して配置される場合、背面壁部33B側に耐火板48を取り付けることを省略すること。
【0044】
・ 前記実施形態において、図18に示す防護ケース33の上面壁部33Cの絶縁構造に代えて、上枠61をステンレススチール板材により構成すること。
・ 前記実施形態において、図19及び図20に示す防護ケース33の中間壁部33Eの絶縁構造に代えて、中間枠78,79をステンレススチール板材により構成すること。
【0045】
・ 前記実施形態において、防護ケース33の側面壁部33Dの横枠67をステンレススチール板材により構成すること。
・ 逃がし窓53を覆う蓋板55をFRP等の硬質耐火板により構成するとともに、その蓋板55を上端においてヒンジにより前面の耐火板48に開閉回動可能に支持すること。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】一実施形態の電力線用防護ケースを示す正面図。
【図2】図1の防護ケースの部分拡大上面図。
【図3】図1の防護ケースの拡大側面図。
【図4】図1の4−4線における断面図。
【図5】図1の5−5線における部分拡大断面図。
【図6】図1の6−6線における拡大断面図。
【図7】図1の7−7線における拡大断面図。
【図8】図1の防護ケースのケース枠を示す正面図。
【図9】図8のケース枠の部分拡大上面図。
【図10】図8のケース枠の拡大側面図。
【図11】図8の11−11線における部分拡大断面図。
【図12】図1の防護ケースの正面壁部及び背面壁部における耐火板の取付構造を拡大して示す要部分解斜視図。
【図13】耐火板に設けられた圧力逃がし部の構造を示す要部分解斜視図。
【図14】図1の防護ケースの側面壁部における耐火板の取付構造を拡大して示す要部分解斜視図。
【図15】防護ケースの正面壁部及び背面壁部におけるケース枠の絶縁構造を示す概略正面図。
【図16】図15のケース枠の部分P1における要部拡大断面図。
【図17】図16の17−17線における部分断面図。
【図18】防護ケースの上面壁部におけるケース枠の絶縁構造を示す要部断面図。
【図19】防護ケースの中間壁部におけるケース枠の絶縁構造を示す要部上面図。
【図20】図19の20−20線における部分断面図。
【符号の説明】
【0047】
31,32…電力回線、31A〜31C,32A〜32C…電力線、31a〜31c,32a〜32c…接続部、33…防護ケース、33A…正面壁部、33B…背面壁部、33C…上面壁部、33D…側面壁部、33E…中間壁部、34…ケース枠、35A,35B…密閉空間、36…圧力逃がし部、40…支柱、41…支持アーム、44…縦枠、45,60,67,77…横枠、47,62,69,80…取付手段を構成するボルト、48,63,70,71,81…耐火板、52,65,76,83…取付手段を構成するナット、53…逃がし窓、54…被吸着板、55…蓋板、59…マグネット、61…上枠、78,79…中間枠、88,92…絶縁シート、89,90,93…絶縁カラー、91,94…絶縁ワッシャ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
耐火板よりなる壁部を有し、電力線の接続部を、その周囲に密閉空間が形成されるように収容するとともに、前記壁部にはケース内圧が高くなったときに閉鎖状態から開放されて圧力を逃がすための圧力逃がし部を設けたことを特徴とする電力線用防護ケース。
【請求項2】
前記耐火板を取付手段によりケース枠の外側面に取り付けるとともに、前記取付手段は耐火板をケース枠の外側から着脱できるように構成したことを特徴とする請求項1に記載の電力線用防護ケース。
【請求項3】
前記圧力逃がし部は、
耐火板に形成された逃がし窓と、
耐火板の外側面に設けられ、通常は閉鎖状態に維持されるとともに、内圧の上昇により開放動作されるようにした耐火板よりなる蓋板と
を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の電力線用防護ケース。
【請求項4】
前記蓋板を、ゴム材により構成するとともに、蓋板と前記耐火板との間に吸着手段を設けたことを特徴とする請求項3に記載の電力線用防護ケース。
【請求項5】
前記ケース枠を鋼材製の縦枠と横枠とにより格子状に形成するとともに、その縦枠と横枠との間に閉磁回路損が発生されないように、縦枠と横枠とを絶縁するための絶縁手段を設けたことを特徴とする請求項2〜4のうちのいずれか一項に記載の電力線用防護ケース。
【請求項1】
耐火板よりなる壁部を有し、電力線の接続部を、その周囲に密閉空間が形成されるように収容するとともに、前記壁部にはケース内圧が高くなったときに閉鎖状態から開放されて圧力を逃がすための圧力逃がし部を設けたことを特徴とする電力線用防護ケース。
【請求項2】
前記耐火板を取付手段によりケース枠の外側面に取り付けるとともに、前記取付手段は耐火板をケース枠の外側から着脱できるように構成したことを特徴とする請求項1に記載の電力線用防護ケース。
【請求項3】
前記圧力逃がし部は、
耐火板に形成された逃がし窓と、
耐火板の外側面に設けられ、通常は閉鎖状態に維持されるとともに、内圧の上昇により開放動作されるようにした耐火板よりなる蓋板と
を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の電力線用防護ケース。
【請求項4】
前記蓋板を、ゴム材により構成するとともに、蓋板と前記耐火板との間に吸着手段を設けたことを特徴とする請求項3に記載の電力線用防護ケース。
【請求項5】
前記ケース枠を鋼材製の縦枠と横枠とにより格子状に形成するとともに、その縦枠と横枠との間に閉磁回路損が発生されないように、縦枠と横枠とを絶縁するための絶縁手段を設けたことを特徴とする請求項2〜4のうちのいずれか一項に記載の電力線用防護ケース。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2009−225498(P2009−225498A)
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−64312(P2008−64312)
【出願日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願人】(000213297)中部電力株式会社 (811)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願人】(000213297)中部電力株式会社 (811)
【Fターム(参考)】
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